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元スレ僕「小学校で」女「つかまえて」
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僕(……)
これは夢じゃない、僕の中にある確かな記憶だ。
僕には宗教の事や占いの先生の事はよくわからない。
ただ、それまで僕が好きだった怖い話や超常現象。
その他オカルトなど……そう言った事が大嫌いになってしまった理由だけはよくわかっていた。
母はいつからか、変わってしまった。
僕「ママ……」
布団の中で一言、小さく呟く。
ガラッ。
僕「!」
妹「おーちゃん。おーちゃん」
これは夢じゃない、僕の中にある確かな記憶だ。
僕には宗教の事や占いの先生の事はよくわからない。
ただ、それまで僕が好きだった怖い話や超常現象。
その他オカルトなど……そう言った事が大嫌いになってしまった理由だけはよくわかっていた。
母はいつからか、変わってしまった。
僕「ママ……」
布団の中で一言、小さく呟く。
ガラッ。
僕「!」
妹「おーちゃん。おーちゃん」
現れたのは妹だった。
おぼつかない足取りで、よたよたとこっちに歩いて来る。
妹「いいこいいこ」
誰かさんよりも、もっと小さな手が僕の頭を優しく撫でてくれる。
何度も何度も、優しく。
優しく……。
僕(こんなに安心するもんなのか……)
妹「おーちゃん、いいこ」
僕(僕は昔も今も知ってしまっている……)
妹「なでなで」
僕(辛い記憶を知っているから、暖かい言葉が余計に気持ちに響く)
おぼつかない足取りで、よたよたとこっちに歩いて来る。
妹「いいこいいこ」
誰かさんよりも、もっと小さな手が僕の頭を優しく撫でてくれる。
何度も何度も、優しく。
優しく……。
僕(こんなに安心するもんなのか……)
妹「おーちゃん、いいこ」
僕(僕は昔も今も知ってしまっている……)
妹「なでなで」
僕(辛い記憶を知っているから、暖かい言葉が余計に気持ちに響く)
妹「ねちゃえねちゃえー」
僕(優しすぎる父親と母親……ああ、思い出すと辛いな……)
妹「おやすみ、おーちゃん」
僕(ああ、記憶が無かったらきっと。その優しさに思い切り甘える事が……で……き……)
妹「おやすみ」
妹の手が止まる。
いい加減泣き疲れたみたいだ……。
僕の意識はそこまでで溶けていった。
僕(優しすぎる父親と母親……ああ、思い出すと辛いな……)
妹「おやすみ、おーちゃん」
僕(ああ、記憶が無かったらきっと。その優しさに思い切り甘える事が……で……き……)
妹「おやすみ」
妹の手が止まる。
いい加減泣き疲れたみたいだ……。
僕の意識はそこまでで溶けていった。
僕「ん……」
溶けた意識が戻ってきた。
窓はうっすらと明るくなり薄い青が広がっている。
父も母も妹も……いつもの場所で寝ている。
僕(……)
僕(寝たら、少しは元気になったかな……)
布団に入ると、どうも昔を思い出してしまう。
弱気になるのも布団の中。
僕(でも、こうやって毎日起きて……戦わないといけないんだよね?)
溶けた意識が戻ってきた。
窓はうっすらと明るくなり薄い青が広がっている。
父も母も妹も……いつもの場所で寝ている。
僕(……)
僕(寝たら、少しは元気になったかな……)
布団に入ると、どうも昔を思い出してしまう。
弱気になるのも布団の中。
僕(でも、こうやって毎日起きて……戦わないといけないんだよね?)
今日もまた泣いた事を女にからかわれるのかな?
もうすぐ連休だけど、何をして過ごそうかな?
朝ごはんは何を食べようか?
僕は今日を始めるためのスイッチを入れた。
こうでもしないと、昨日の記憶に潰されてしまいそうで……。
僕「ふぅ……よし!」
僕は元気に起き上がり、学校に行く準備を始める。
もう四月も終わり。
太陽と緑と空が元気になって行く……段々と、季節はそんな風に変わっていくはずだ。
もうすぐ連休だけど、何をして過ごそうかな?
朝ごはんは何を食べようか?
僕は今日を始めるためのスイッチを入れた。
こうでもしないと、昨日の記憶に潰されてしまいそうで……。
僕「ふぅ……よし!」
僕は元気に起き上がり、学校に行く準備を始める。
もう四月も終わり。
太陽と緑と空が元気になって行く……段々と、季節はそんな風に変わっていくはずだ。
なんかおわりそうじゃね?
れんさいうちきりのまんがみたいにはなるな!
れんさいうちきりのまんがみたいにはなるな!
「なあ僕。休み時間サッカーやろうぜ」
僕「うん、やるやる~」
「あ、女ちゃん。見てみて、このリボン可愛くない?」
女「わ~可愛い。すっごい似合ってるね」
お祭りのから、もう二ヶ月が経った。
僕も彼女も二人だけでいるという事は殆ど無くなった。
最もそれは休み時間に限った話だけれども……。
女「ねえ、昨日のテレビ見た見た~?」
「見た~。すごくおもしろかったよねー」
僕(女も友達ができて……クラスには馴染めているみたいだしな)
僕「うん、やるやる~」
「あ、女ちゃん。見てみて、このリボン可愛くない?」
女「わ~可愛い。すっごい似合ってるね」
お祭りのから、もう二ヶ月が経った。
僕も彼女も二人だけでいるという事は殆ど無くなった。
最もそれは休み時間に限った話だけれども……。
女「ねえ、昨日のテレビ見た見た~?」
「見た~。すごくおもしろかったよねー」
僕(女も友達ができて……クラスには馴染めているみたいだしな)
「あ、ぼくくんが女ちゃんのことをまた見てるぞー!」
僕(……またか)
女「なあに僕ちゃん。そんなに私の事が好きなの~?」
僕「な……! そ、そんな事あるわけないだろ!」
「あー男が赤くなってるぞ!」
女「あんまり苛めちゃだめだよ~? 僕ちゃん恥ずかしがりやだもんね~?」
僕「う、うるさいバカ女! 早く校庭行こうよ、サッカーだよサッカー」
「あ、待てよ男ー」
逃げるように僕は教室を飛び足してしまう。
女「まったく、男の子って本当にバカよね。ねえ眼鏡ちゃん?」
眼鏡「……」
僕(……またか)
女「なあに僕ちゃん。そんなに私の事が好きなの~?」
僕「な……! そ、そんな事あるわけないだろ!」
「あー男が赤くなってるぞ!」
女「あんまり苛めちゃだめだよ~? 僕ちゃん恥ずかしがりやだもんね~?」
僕「う、うるさいバカ女! 早く校庭行こうよ、サッカーだよサッカー」
「あ、待てよ男ー」
逃げるように僕は教室を飛び足してしまう。
女「まったく、男の子って本当にバカよね。ねえ眼鏡ちゃん?」
眼鏡「……」
「ねえ僕くん。女ちゃんの事が好きなの?」
僕「そんな事ないよ。ただの後輩だよ」
「こうはい? こうはいって何?」
僕「あ……た、ただのクラスメイトだよ」
「そ、そうなんだ。仲がいいから好きなんでしょ」
僕「……別に」
「本当に?」
僕(なんでこいつはこんなにしつこいんだ……)
僕「本当だよ。だからからかうのはもうやめてよね。隣」
隣「わかった!」
僕(こいつ、こんなに意地の悪い奴だったっけ?)
僕「そんな事ないよ。ただの後輩だよ」
「こうはい? こうはいって何?」
僕「あ……た、ただのクラスメイトだよ」
「そ、そうなんだ。仲がいいから好きなんでしょ」
僕「……別に」
「本当に?」
僕(なんでこいつはこんなにしつこいんだ……)
僕「本当だよ。だからからかうのはもうやめてよね。隣」
隣「わかった!」
僕(こいつ、こんなに意地の悪い奴だったっけ?)
眼鏡「ねえ女ちゃん?」
女「ん、なーに?」
眼鏡「女ちゃんと僕くんってよく二人で下校してるよね?」
女「お家が通り道だから。ついでにね?」
眼鏡「あ、あのね。あたしも女ちゃんのお家の近くなんだよ。ちょっと奥の……三階建てのお家なんだよ?」
女「あ、うん。それは知ってるよー」
眼鏡「ね、今日からみんなで下校しない?」
女「み、みんなで?」
女「ん、なーに?」
眼鏡「女ちゃんと僕くんってよく二人で下校してるよね?」
女「お家が通り道だから。ついでにね?」
眼鏡「あ、あのね。あたしも女ちゃんのお家の近くなんだよ。ちょっと奥の……三階建てのお家なんだよ?」
女「あ、うん。それは知ってるよー」
眼鏡「ね、今日からみんなで下校しない?」
女「み、みんなで?」
眼鏡「あたしと僕くんと女ちゃんの……三人で下校しよ? ね?」
女「私は別に構わないよ? 僕ちゃんも気にしないと思うし」
眼鏡「そ、そう……」
眼鏡「じ、じゃああたし、ぼ……僕ちゃ……僕ちゃんに声かけておくから……ね」
女「あ、うん。わかった」
眼鏡「う、うん! じゃあ放課後ね! 一緒に帰ろうね!」
眼鏡「~♪」
女(……)
女(ははーん。この子って僕ちゃんの事を……ふ~ん)
女(でも小学生の恋愛だもん。私が何かするわけでも無いし、ね?)
眼鏡「~♪」
女(でも眼鏡ちゃんの表情……本当に楽しそうにしてるのね)
女「私は別に構わないよ? 僕ちゃんも気にしないと思うし」
眼鏡「そ、そう……」
眼鏡「じ、じゃああたし、ぼ……僕ちゃ……僕ちゃんに声かけておくから……ね」
女「あ、うん。わかった」
眼鏡「う、うん! じゃあ放課後ね! 一緒に帰ろうね!」
眼鏡「~♪」
女(……)
女(ははーん。この子って僕ちゃんの事を……ふ~ん)
女(でも小学生の恋愛だもん。私が何かするわけでも無いし、ね?)
眼鏡「~♪」
女(でも眼鏡ちゃんの表情……本当に楽しそうにしてるのね)
先生「みんな、さよなら~。気をつけて帰ってね」
「先生さようなら~!」
眼鏡「あ……あの。男ちゃん?」
僕(お、男……ちゃん?)
僕の事をちゃん付けで呼んでいるのは、女だけだ。
それがいきなりこのような形で声をかけられてしまった。
眼鏡「あ、あの……」
僕「?」
眼鏡「さ、さっきね。女ちゃんが言ってたんだけどさ? お家が近いから、あたし達三人で……」
僕「三人? お家?」
しどろもどろとした言葉使い……眼鏡の奥の瞳が、もう泣き出してしまいそうなくらいに潤んでいるのがわかる。
「先生さようなら~!」
眼鏡「あ……あの。男ちゃん?」
僕(お、男……ちゃん?)
僕の事をちゃん付けで呼んでいるのは、女だけだ。
それがいきなりこのような形で声をかけられてしまった。
眼鏡「あ、あの……」
僕「?」
眼鏡「さ、さっきね。女ちゃんが言ってたんだけどさ? お家が近いから、あたし達三人で……」
僕「三人? お家?」
しどろもどろとした言葉使い……眼鏡の奥の瞳が、もう泣き出してしまいそうなくらいに潤んでいるのがわかる。
僕「三人で?」
眼鏡「う、うん。下校したいの……」
僕「ああ、そうなんだ」
眼鏡「ダ、ダメ?」
僕「ううん別に?」
眼鏡「ほほ……本当に!」
パァアアっと、彼女の表情が明るくなっていく。
眼鏡「お、女ちゃーん! 大丈夫だってー!」
そして教室に響き渡るくらいの大きな声で彼女を呼ぶ。
イタズラにまたニコニコとした表情の彼女がこちらに向かってくる。
僕(うぅーん?)
眼鏡「う、うん。下校したいの……」
僕「ああ、そうなんだ」
眼鏡「ダ、ダメ?」
僕「ううん別に?」
眼鏡「ほほ……本当に!」
パァアアっと、彼女の表情が明るくなっていく。
眼鏡「お、女ちゃーん! 大丈夫だってー!」
そして教室に響き渡るくらいの大きな声で彼女を呼ぶ。
イタズラにまたニコニコとした表情の彼女がこちらに向かってくる。
僕(うぅーん?)
いつの間にか、僕と彼女と眼鏡ちゃんの三人で下校の道を歩いていた。
眼鏡「えへへ~」
女「ねえ眼鏡ちゃん。何がそんなに嬉しいのかな~?」
眼鏡「お家に帰れるから楽しいの~」
女「それは良かったわね~」
眼鏡「うん!」
女の子は二人とも、終始笑顔で歩いていた。
僕には彼女の笑顔の意味がわからなかった。
眼鏡ちゃんというお友達ができて嬉しいんだろうか?
眼鏡「えへへ~」
女「ねえ眼鏡ちゃん。何がそんなに嬉しいのかな~?」
眼鏡「お家に帰れるから楽しいの~」
女「それは良かったわね~」
眼鏡「うん!」
女の子は二人とも、終始笑顔で歩いていた。
僕には彼女の笑顔の意味がわからなかった。
眼鏡ちゃんというお友達ができて嬉しいんだろうか?
眼鏡「じゃあまたね~! バイバイ~!」
ブンブン、と元気に手を振る眼鏡ちゃん。
眼鏡「僕ちゃん、また明日ね~!」
女「ふふっ、呼ばれてるよ?」
僕「……」
女「さ、行こ?」
女の家に向かって、僕たちは歩き出す。
僕「何となく、笑顔になっている理由がわかったよ」
女「だって面白くて、つい」
僕「そんなもんかな?」
女「うん。はっきりわかるもの。眼鏡ちゃんは男ちゃんの事が……」
僕(ああ、やっぱり)
女「好きなんだよ、きっと」
ブンブン、と元気に手を振る眼鏡ちゃん。
眼鏡「僕ちゃん、また明日ね~!」
女「ふふっ、呼ばれてるよ?」
僕「……」
女「さ、行こ?」
女の家に向かって、僕たちは歩き出す。
僕「何となく、笑顔になっている理由がわかったよ」
女「だって面白くて、つい」
僕「そんなもんかな?」
女「うん。はっきりわかるもの。眼鏡ちゃんは男ちゃんの事が……」
僕(ああ、やっぱり)
女「好きなんだよ、きっと」
僕「そうなんだ」
女「そうなんだって……反応薄いね?」
僕「だって、僕は彼女とあまり関わらなかったんだもの」
女「そうなの?」
僕「クラスは長い間一緒だったけど、特に何があったわけじゃないから」
女「むぅ~、何かつまんない……」
プク~っと頬を膨らましている彼女の横顔。
あざといが、何だかそれが可愛らしい。
女「そうなんだって……反応薄いね?」
僕「だって、僕は彼女とあまり関わらなかったんだもの」
女「そうなの?」
僕「クラスは長い間一緒だったけど、特に何があったわけじゃないから」
女「むぅ~、何かつまんない……」
プク~っと頬を膨らましている彼女の横顔。
あざといが、何だかそれが可愛らしい。
女「あ、じゃあ付き合っちゃえば?」
僕「そんな気は無いよ」
女「もう、あっさりし過ぎだよ男ちゃんは!」
僕「だって……僕と彼女は付き合った事はないんだからさ」
女「……」
彼女は一瞬だけ難しい表情を僕に見せた。
女「ねえ……それって、すごく変な発言じゃない?」
僕「……何が?」
女「僕ちゃんと眼鏡ちゃんが付き合った事なんて、一度も無いに決まってるじゃない」
僕「縁が無くてさ。一時期よく話した記憶はあるけれど……」
そしてまた、彼女の表情が冷たく尖った雰囲気に変わる。
僕「そんな気は無いよ」
女「もう、あっさりし過ぎだよ男ちゃんは!」
僕「だって……僕と彼女は付き合った事はないんだからさ」
女「……」
彼女は一瞬だけ難しい表情を僕に見せた。
女「ねえ……それって、すごく変な発言じゃない?」
僕「……何が?」
女「僕ちゃんと眼鏡ちゃんが付き合った事なんて、一度も無いに決まってるじゃない」
僕「縁が無くてさ。一時期よく話した記憶はあるけれど……」
そしてまた、彼女の表情が冷たく尖った雰囲気に変わる。
女「だから、どうして記憶の話になるの?」
僕「……」
僕「あれ?」
言われてみればそうだった。
僕は昔生きていた記憶を引っ張り出しては、体験した事のある人間関係だけを思い返して来た。
父や母の変化。友人達の進路や……それこそ自分の未来まで。
女「言い方は紛らわしいけど、付き合った事が無いのは昔の一年生の二人でしょ?」
女「今の二人には、付き合うっていう行動も出来るわけでしょ?」
僕「……」
僕「あれ?」
言われてみればそうだった。
僕は昔生きていた記憶を引っ張り出しては、体験した事のある人間関係だけを思い返して来た。
父や母の変化。友人達の進路や……それこそ自分の未来まで。
女「言い方は紛らわしいけど、付き合った事が無いのは昔の一年生の二人でしょ?」
女「今の二人には、付き合うっていう行動も出来るわけでしょ?」
確かによく考えてみれば、彼女がこの学校にいる時点で同じ未来になる事はあり得ないんだろう。
例え二人また同じ大学に行ったとしても、年齢は同じ。
前よりも更に長い時間を一緒に過ごしている状態。
少し考えただけでも矛盾の嵐になってしまう。
僕「それは何となくわかるけどさ……」
女「……ごめんね。攻めたわけじゃないの。ただ考え方が偏っていたみたいだから、ちょっと気になって」
僕「少しまた考えてみるよ。布団に入ると色んな事が浮かんでくるんだよ!」
精一杯元気に振る舞ってみる。
目の前彼女は、とりあえずこれで安心してくれるだろうか。
僕も、彼女が元気の無い時は気を遣ってしまう。
例え二人また同じ大学に行ったとしても、年齢は同じ。
前よりも更に長い時間を一緒に過ごしている状態。
少し考えただけでも矛盾の嵐になってしまう。
僕「それは何となくわかるけどさ……」
女「……ごめんね。攻めたわけじゃないの。ただ考え方が偏っていたみたいだから、ちょっと気になって」
僕「少しまた考えてみるよ。布団に入ると色んな事が浮かんでくるんだよ!」
精一杯元気に振る舞ってみる。
目の前彼女は、とりあえずこれで安心してくれるだろうか。
僕も、彼女が元気の無い時は気を遣ってしまう。
女「……うん。わかったよ。また何かあったらちゃんと話してね?」
口元は正常だ。
僕「うん、じゃあ……またね」
女「またね~。あ、さっきのは付き合いなさいって意味じゃないからね!」
僕「ははっ、そんなフォローはいいよ。じゃあバイバイ」
女「気をつけてね~」
最後に僕たちは笑顔だった。
何があっても終わりに彼女と笑顔でお別れるをする……。
それだけで、今日の僕はぐっすりと眠る事ができるんだ。
口元は正常だ。
僕「うん、じゃあ……またね」
女「またね~。あ、さっきのは付き合いなさいって意味じゃないからね!」
僕「ははっ、そんなフォローはいいよ。じゃあバイバイ」
女「気をつけてね~」
最後に僕たちは笑顔だった。
何があっても終わりに彼女と笑顔でお別れるをする……。
それだけで、今日の僕はぐっすりと眠る事ができるんだ。
……
プルルルル
プルルルル
プルルルル
僕「はい、もしもし?」
眼鏡「あ……僕くんのお宅ですか?」
僕「め、眼鏡?」
眼鏡「うん。あ、あのさ……電話、出てくれてありがとう」
僕「う、うん。そりゃあね」
眼鏡「……」
僕「ど、どうかした? いきなり話したいだなんて、びっくりしてさ。もう……」
眼鏡「わ、私……ずっと……」
僕「め……」
眼鏡「私ずっと! 昔からね、実は……! ぼ、僕くん事が…… 」
眼鏡「好き……だったの」
プルルルル
プルルルル
プルルルル
僕「はい、もしもし?」
眼鏡「あ……僕くんのお宅ですか?」
僕「め、眼鏡?」
眼鏡「うん。あ、あのさ……電話、出てくれてありがとう」
僕「う、うん。そりゃあね」
眼鏡「……」
僕「ど、どうかした? いきなり話したいだなんて、びっくりしてさ。もう……」
眼鏡「わ、私……ずっと……」
僕「め……」
眼鏡「私ずっと! 昔からね、実は……! ぼ、僕くん事が…… 」
眼鏡「好き……だったの」
僕「う、うわぁぁああ!」
母「!」
僕「あ……あれ? ねえ、僕の電話……?」
母「変な夢でも見た? あ、僕ちゃんは寝ぼけてるのかな~?」
僕(さっきのは、夢?)
母「ふふっ、大丈夫?」
僕「……大丈夫。おやすみなさい」
母「おやすみ。もうすぐでパパもママも寝るからね?」
僕「……」
母「!」
僕「あ……あれ? ねえ、僕の電話……?」
母「変な夢でも見た? あ、僕ちゃんは寝ぼけてるのかな~?」
僕(さっきのは、夢?)
母「ふふっ、大丈夫?」
僕「……大丈夫。おやすみなさい」
母「おやすみ。もうすぐでパパもママも寝るからね?」
僕「……」
僕(夢? 記憶が夢に入ってきた? それともただの……)
僕(ただの何だよ……? ダメだ、頭が働かない……)
妹「おーちゃ……」
寝ぼけているんだろうか、妹が僕の手をキュッと握ってくる。
僕(よしよし……)
綺麗な長い黒髪を、優しく二度三度撫でてあげる。
妹「んふ~」
ああ、やはり無邪気な妹の笑顔も……可愛い。
僕(ただの何だよ……? ダメだ、頭が働かない……)
妹「おーちゃ……」
寝ぼけているんだろうか、妹が僕の手をキュッと握ってくる。
僕(よしよし……)
綺麗な長い黒髪を、優しく二度三度撫でてあげる。
妹「んふ~」
ああ、やはり無邪気な妹の笑顔も……可愛い。
僕(おやすみ……)
今日はそれ以上頭を働かせる事は出来なかった。
僕(今度は何も見ませんように……)
僕は女の笑顔と、小さく手を降る姿を思い出しながらまた眠りに落ちていった。
僕(……)
その途中……。
僕(あ……おもいだした……)
僕(ぼくは、めがねちゃん……から、の……)
僕(でんわ……しってた……)
今日はそれ以上頭を働かせる事は出来なかった。
僕(今度は何も見ませんように……)
僕は女の笑顔と、小さく手を降る姿を思い出しながらまた眠りに落ちていった。
僕(……)
その途中……。
僕(あ……おもいだした……)
僕(ぼくは、めがねちゃん……から、の……)
僕(でんわ……しってた……)
女「えっ? 眼鏡ちゃんの?」
僕「うん。昨日布団の中で思い出した!」
……
女「……電話?」
そう。
あれは確か……中学生の時だったと思う。
僕は一度だけ、眼鏡ちゃんからの電話を受けた事があったんだ。
あまりに曖昧で微妙に忘れていた記憶だけど……今なら話せる。
僕「うん。昨日布団の中で思い出した!」
……
女「……電話?」
そう。
あれは確か……中学生の時だったと思う。
僕は一度だけ、眼鏡ちゃんからの電話を受けた事があったんだ。
あまりに曖昧で微妙に忘れていた記憶だけど……今なら話せる。
中学校では人数の関係からクラスが二つに分けられる。
一つの地域だけで無く、色んな場所から生徒が入学してくるからだ。
僕「細かい事はまた話すけど……眼鏡ちゃんは確か、違うクラスだった気がする」
女「本当?」
僕「うん。だから話す機会も無かったし……それこそあまり印象に残っていなかったんだよ」
女「それから?」
僕「入学してすぐかな……眼鏡ちゃんが僕に話し掛けて来たんだよ」
眼鏡『今日の夜八時に電話するから出て? お願い』
一つの地域だけで無く、色んな場所から生徒が入学してくるからだ。
僕「細かい事はまた話すけど……眼鏡ちゃんは確か、違うクラスだった気がする」
女「本当?」
僕「うん。だから話す機会も無かったし……それこそあまり印象に残っていなかったんだよ」
女「それから?」
僕「入学してすぐかな……眼鏡ちゃんが僕に話し掛けて来たんだよ」
眼鏡『今日の夜八時に電話するから出て? お願い』
女「それだけしか言わなかったの?」
僕「恋愛的な言葉は無かったよ。僕もあまり考えずに、承諾してたと思う」
女「ちゃんと待っててあげた?」
僕「うん。それがさっき話した電話の……あんな感じの事を話したのは記憶にあるよ」
女「……」
女「でも付き合ってないのよね?」
僕「うん」
女「どうして?」
僕「それは……忘れちゃった。好きじゃなかった事だけは確かだけど……」
女「そう。でも、これであの子が記憶と全く無関係って訳は無くなったね?」
僕「恋愛的な言葉は無かったよ。僕もあまり考えずに、承諾してたと思う」
女「ちゃんと待っててあげた?」
僕「うん。それがさっき話した電話の……あんな感じの事を話したのは記憶にあるよ」
女「……」
女「でも付き合ってないのよね?」
僕「うん」
女「どうして?」
僕「それは……忘れちゃった。好きじゃなかった事だけは確かだけど……」
女「そう。でも、これであの子が記憶と全く無関係って訳は無くなったね?」
僕「また中学生になったら告白されるのかな?」
女「さあ? まだそんな先の事なんてわからないわよ」
僕「でも彼女が記憶の中に関わっているなら……何かあるはずだよね?」
女「そうね。でも気にしすぎる必要も無いんじゃない?」
彼女がそう言ってくれるなら、僕が気にしすぎる事は無くなるんだろう。
単純だ。
僕「うん……わかったよ」
女「あ、休み時間が終わる前に一つだけ教えて?」
僕「ん?」
女「昔の小学一年生の時にさ……眼鏡ちゃんから今みたいなアプローチを受けていた?」
女「さあ? まだそんな先の事なんてわからないわよ」
僕「でも彼女が記憶の中に関わっているなら……何かあるはずだよね?」
女「そうね。でも気にしすぎる必要も無いんじゃない?」
彼女がそう言ってくれるなら、僕が気にしすぎる事は無くなるんだろう。
単純だ。
僕「うん……わかったよ」
女「あ、休み時間が終わる前に一つだけ教えて?」
僕「ん?」
女「昔の小学一年生の時にさ……眼鏡ちゃんから今みたいなアプローチを受けていた?」
僕「一年生の時の記憶……?」
女「うん」
僕「今思い出せる事は……あまり無いかな。でも眼鏡ちゃんはこんな様子じゃ無かったはずだよ」
女「そうなんだ……」
涼しい顔で、彼女はちょっとだけ真面目を作っている。
僕「あの……どうかした?」
女「ううん。まだよくわからないなって思って」
よくわからない、それは僕だって同じだ。
女「うん」
僕「今思い出せる事は……あまり無いかな。でも眼鏡ちゃんはこんな様子じゃ無かったはずだよ」
女「そうなんだ……」
涼しい顔で、彼女はちょっとだけ真面目を作っている。
僕「あの……どうかした?」
女「ううん。まだよくわからないなって思って」
よくわからない、それは僕だって同じだ。
どうして眼鏡ちゃんが、こんなに早くから僕に近付いて来ているのか。
もう中学校で彼女からの告白は無いのだろうか?
僕「……考えても、やっぱりわからないや」
女「眼鏡ちゃんが僕ちゃんの記憶にいた……本当にそれだけよね?」
僕「うん。中学校で同じような事が起こるとは限らないし……記憶は記憶でしかないから」
記憶の話をすると、相変わらず頭が痛くなってくる。
女「……ね、そろそろ戻る?」
僕「うん。次の授業で最後だから頑張らないと」
女「帰りに駄菓子屋寄って行かない?」
僕「行く行く」
女「ふふっ、ガム奢ってあげるね?」
僕「え、またガム~?」
もう中学校で彼女からの告白は無いのだろうか?
僕「……考えても、やっぱりわからないや」
女「眼鏡ちゃんが僕ちゃんの記憶にいた……本当にそれだけよね?」
僕「うん。中学校で同じような事が起こるとは限らないし……記憶は記憶でしかないから」
記憶の話をすると、相変わらず頭が痛くなってくる。
女「……ね、そろそろ戻る?」
僕「うん。次の授業で最後だから頑張らないと」
女「帰りに駄菓子屋寄って行かない?」
僕「行く行く」
女「ふふっ、ガム奢ってあげるね?」
僕「え、またガム~?」
女「文句ある?」
僕「あるって言ったら?」
女「もうガム買ってあげない」
僕「じゃあ、無い」
女「ふふっ、いい子」
うん、やっぱり僕はこうして……。
放課後に遊ぶ相談や、友達と過ごせる時間を見つけたり。
小学生らしく遊んでいる方が笑顔になれるみたい。
僕「あるって言ったら?」
女「もうガム買ってあげない」
僕「じゃあ、無い」
女「ふふっ、いい子」
うん、やっぱり僕はこうして……。
放課後に遊ぶ相談や、友達と過ごせる時間を見つけたり。
小学生らしく遊んでいる方が笑顔になれるみたい。
もう夏休みか……。
僕の本能がその言葉を覚えているかのように、日が経つに連れて体がワクワクしてくる。
僕「……帰りたいな」
女「ん? 何か言った?」
僕「ううん、何でもない」
女「……」
女「相変わらず、変な僕ちゃん」
彼女はやっぱり笑顔だった。
何であんな事を呟いたのかわからない……。
彼女が笑顔の理由も僕にはわからない。
それでも……僕たちの新しい夏はやって来る。
嬉しさと、胸に残っているほんの少しの不安。
そして……
僕が忘れている夏の記憶と一緒に。
僕の本能がその言葉を覚えているかのように、日が経つに連れて体がワクワクしてくる。
僕「……帰りたいな」
女「ん? 何か言った?」
僕「ううん、何でもない」
女「……」
女「相変わらず、変な僕ちゃん」
彼女はやっぱり笑顔だった。
何であんな事を呟いたのかわからない……。
彼女が笑顔の理由も僕にはわからない。
それでも……僕たちの新しい夏はやって来る。
嬉しさと、胸に残っているほんの少しの不安。
そして……
僕が忘れている夏の記憶と一緒に。
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