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元スレ僕「小学校で」女「つかまえて」
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女「……く……僕……」
僕(痛いんだよ……)
女「僕……大丈夫、僕……ねえ……」
僕(さっきから血が止まらなくて……痛みも止まらないんだよ)
女「ごめん、ごめんね……僕……」
僕(なんで女が謝るんだよ?)
女「……」
僕(泣かないで、ごめんね。あんな事言って……)
僕(あれ……痛みが減った?)
僕(なんでもいい、なんでもいいよ)
それだけを感じると、僕は気を失ってしまった。
意識は無くても、痛みだけはずっと左目に残っていたのが印象的だった。
僕(痛いんだよ……)
女「僕……大丈夫、僕……ねえ……」
僕(さっきから血が止まらなくて……痛みも止まらないんだよ)
女「ごめん、ごめんね……僕……」
僕(なんで女が謝るんだよ?)
女「……」
僕(泣かないで、ごめんね。あんな事言って……)
僕(あれ……痛みが減った?)
僕(なんでもいい、なんでもいいよ)
それだけを感じると、僕は気を失ってしまった。
意識は無くても、痛みだけはずっと左目に残っていたのが印象的だった。
妹「おーちゃん……」
僕「ん、ん……」
妹「おーちゃん……?」
僕「あ、い、妹?」
父「僕……」
母「よかった……よかった……」
ここはどこだっけ?
シーツも何もない、小さなベッドの上で僕は目覚めた。
ツーンと、消毒液の匂いがしてくる。
僕(ここは確か、誰か個人がやってた病院だったっけか……)
うん、思い出せる。
僕(でも、いたっ……)
意識が段々とはっきりしてくると目の辺りの痛みも強さを増す。
僕の目には、白いガーゼやふわふわした布が何重にも重ねられていた。
僕「ん、ん……」
妹「おーちゃん……?」
僕「あ、い、妹?」
父「僕……」
母「よかった……よかった……」
ここはどこだっけ?
シーツも何もない、小さなベッドの上で僕は目覚めた。
ツーンと、消毒液の匂いがしてくる。
僕(ここは確か、誰か個人がやってた病院だったっけか……)
うん、思い出せる。
僕(でも、いたっ……)
意識が段々とはっきりしてくると目の辺りの痛みも強さを増す。
僕の目には、白いガーゼやふわふわした布が何重にも重ねられていた。
女「僕ちゃん……」
僕(あ、女が……いる?)
女「わかる? 私の事覚えている? 記憶無くなっていない?」
母「大丈夫よ女ちゃん。頭はぶつけていないって先生言ってたから……」
女「……」
彼女が聞きたかったのは、そういう事じゃない。
僕にはすぐにわかる。
僕「……っ……」
でも、口から言葉が出てこない。
女「僕……」
僕(あ、女が……いる?)
女「わかる? 私の事覚えている? 記憶無くなっていない?」
母「大丈夫よ女ちゃん。頭はぶつけていないって先生言ってたから……」
女「……」
彼女が聞きたかったのは、そういう事じゃない。
僕にはすぐにわかる。
僕「……っ……」
でも、口から言葉が出てこない。
女「僕……」
父「右目の上が切れただけだから、心配無いとは言ってたが……」
母「目に刺さらなくて、本当によかったわね」
妹「おーちゃん……」
女「僕ちゃん……」
みんなの心配する声が聞こえる。
僕は相変わらず声を出すことは出来ないけれど。
女「……」
今は、この右手を優しく握ってくれている彼女のぬくもりだけでいい。
彼女の中に流れている血液の温かさが、僕を安心させてくれる。
今はさっきより痛みは無い。
僕は右手にギュッと力を込めて彼女の手を握った。
母「目に刺さらなくて、本当によかったわね」
妹「おーちゃん……」
女「僕ちゃん……」
みんなの心配する声が聞こえる。
僕は相変わらず声を出すことは出来ないけれど。
女「……」
今は、この右手を優しく握ってくれている彼女のぬくもりだけでいい。
彼女の中に流れている血液の温かさが、僕を安心させてくれる。
今はさっきより痛みは無い。
僕は右手にギュッと力を込めて彼女の手を握った。
僕は残りの夏休みの半分以上を家で過ごす事になった。
話通り、目に傷は付いておらず失明などの心配は無いようだった。
ただ、かなり皮膚がザックリと切れていたらしく、しばらくは顔を動かす事もままならなかった。
僕(女、どうしてるかな)
頭が働くようになってから、僕はずっと彼女の事を考えていた。
僕(もう夏も終わり……)
僕の一年生の夏休みは、見れなかった花火と、行けなかった夏祭り。
そしてただ泣いている彼女の顔だけをボンヤリと見つめていた。
外では、ほんの少しだけ涼しい風が吹き始めるような空気になっていた。
話通り、目に傷は付いておらず失明などの心配は無いようだった。
ただ、かなり皮膚がザックリと切れていたらしく、しばらくは顔を動かす事もままならなかった。
僕(女、どうしてるかな)
頭が働くようになってから、僕はずっと彼女の事を考えていた。
僕(もう夏も終わり……)
僕の一年生の夏休みは、見れなかった花火と、行けなかった夏祭り。
そしてただ泣いている彼女の顔だけをボンヤリと見つめていた。
外では、ほんの少しだけ涼しい風が吹き始めるような空気になっていた。
女「お邪魔します」
彼女がお見舞いに来てくれたのは、あと二日で夏休みが終わろうとしている、そんな憂鬱な午後だった。
僕「んー……」
女「……寝てる。ま、怪我してるからいいけどさ」
僕「……」
女「目大丈夫かな? ガーゼ、痛々しい……」
スッ、と彼女の手が僕の右頬に触れる。
やっぱり彼女の手はあたたかい。
僕(……このまま寝たフリするのも悪くないかも)
彼女がお見舞いに来てくれたのは、あと二日で夏休みが終わろうとしている、そんな憂鬱な午後だった。
僕「んー……」
女「……寝てる。ま、怪我してるからいいけどさ」
僕「……」
女「目大丈夫かな? ガーゼ、痛々しい……」
スッ、と彼女の手が僕の右頬に触れる。
やっぱり彼女の手はあたたかい。
僕(……このまま寝たフリするのも悪くないかも)
顔の傷は残るだろ・・・
小さい時こけて顔から大量出血して顔にハリーみたいな傷が残りやがった。
髪で隠れるけど。
小さい時こけて顔から大量出血して顔にハリーみたいな傷が残りやがった。
髪で隠れるけど。
>>260
小学校低学年のときに顔に大きな傷を作ったことがあるけど跡残らず綺麗に治ったぞ
小学校低学年のときに顔に大きな傷を作ったことがあるけど跡残らず綺麗に治ったぞ
女「……」
怪我をしているからか、彼女はそれ以上何も喋らなくなってしまった。
右頬を撫でる手は相変わらず止まっていないけど。
僕(やわらかい……)
女「……」
女「なでなで」
僕(……!)
その言葉と一緒に、彼女は僕の頭を撫でてくれる。
僕(あ、頭撫でられたら……寝ちゃいそうだ)
女「ん……」
その手が僕の顔の真ん中辺り……唇に触れてくる。
僕(……!)
そんな事は想像していなかったから、僕は簡単にドキッとしてしまう。
怪我をしているからか、彼女はそれ以上何も喋らなくなってしまった。
右頬を撫でる手は相変わらず止まっていないけど。
僕(やわらかい……)
女「……」
女「なでなで」
僕(……!)
その言葉と一緒に、彼女は僕の頭を撫でてくれる。
僕(あ、頭撫でられたら……寝ちゃいそうだ)
女「ん……」
その手が僕の顔の真ん中辺り……唇に触れてくる。
僕(……!)
そんな事は想像していなかったから、僕は簡単にドキッとしてしまう。
女「ぷにぷに」
唇を突っついてくる彼女の指が、少しだけ口の中に入ってくる。
本当に唇の感触を楽しんでいるだけのような、無邪気な指……。
僕(さすがに、もう起きた方がいい……かな?)
止まらない彼女の指。
どんな表情で僕に触っているんだろうか。
目を瞑っているから、その全てが見えないけれど。
女「……」
僕「……?」
スッと指が僕の唇から離れていく。
僕(よし、起きるなら今かな)
ただ目を開けて起き上がり、彼女に挨拶をする。
それだけだ。
女「……ちゅっ」
僕が目を覚ますよりも早く……彼女の言葉と、指より柔らかい感触が僕の唇に触れた。
甘い、イチゴみたいな味がする。
唇を突っついてくる彼女の指が、少しだけ口の中に入ってくる。
本当に唇の感触を楽しんでいるだけのような、無邪気な指……。
僕(さすがに、もう起きた方がいい……かな?)
止まらない彼女の指。
どんな表情で僕に触っているんだろうか。
目を瞑っているから、その全てが見えないけれど。
女「……」
僕「……?」
スッと指が僕の唇から離れていく。
僕(よし、起きるなら今かな)
ただ目を開けて起き上がり、彼女に挨拶をする。
それだけだ。
女「……ちゅっ」
僕が目を覚ますよりも早く……彼女の言葉と、指より柔らかい感触が僕の唇に触れた。
甘い、イチゴみたいな味がする。
女「ん……」
その柔らかい感触が僕の唇を撫でている。
僕(これは……?)
彼女の唇?
柔らかくて、甘くて、優しくて。
僕(女……)
僕は彼女の唇を知らない。
昔、手を握ったり抱きしめた事は何度かある。
でも彼女と唇を重ねた事は無かった。
今こうしてくっついている、優しい味が……何だか遠いようで懐かしい。
僕は、ゆっくりと目を開けて彼女を見つめる。
女「あ、起きた? ちょうどよかった、はいあーんして」
僕「……」
その柔らかい感触が僕の唇を撫でている。
僕(これは……?)
彼女の唇?
柔らかくて、甘くて、優しくて。
僕(女……)
僕は彼女の唇を知らない。
昔、手を握ったり抱きしめた事は何度かある。
でも彼女と唇を重ねた事は無かった。
今こうしてくっついている、優しい味が……何だか遠いようで懐かしい。
僕は、ゆっくりと目を開けて彼女を見つめる。
女「あ、起きた? ちょうどよかった、はいあーんして」
僕「……」
女「あーんだってば」
僕「ねえ何、この僕の口に押し付けられている物体は」
女「ゼリーだよ。お見舞い」
僕「……」
女「あ、そんな目しても、全部はあげないからね。妹ちゃんにも残しておかないと」
僕「なんか、ごめんなさい」
女「妹ちゃんもゼリー大好きだもんね。イチゴ味はちゃんと僕ちゃんにあげるからね」
僕「そういう事じゃないんだよ、うん……」
女「? 変な僕ちゃん」
ゼリーとキスをして一人喜んでいた僕は、本当に変だったのかもしれない。
僕「……」
女「食べる?」
僕「うん、食べる……」
僕「ねえ何、この僕の口に押し付けられている物体は」
女「ゼリーだよ。お見舞い」
僕「……」
女「あ、そんな目しても、全部はあげないからね。妹ちゃんにも残しておかないと」
僕「なんか、ごめんなさい」
女「妹ちゃんもゼリー大好きだもんね。イチゴ味はちゃんと僕ちゃんにあげるからね」
僕「そういう事じゃないんだよ、うん……」
女「? 変な僕ちゃん」
ゼリーとキスをして一人喜んでいた僕は、本当に変だったのかもしれない。
僕「……」
女「食べる?」
僕「うん、食べる……」
女「じゃあ、私は帰るから。これ妹ちゃんに渡してね?」
僕「ん~、わかったー」
一通りのお見舞いが終わり、彼女は帰る用意を始めている。
女「学校には来られそう?」
僕「多分ー」
僕はさっきから、気の無い返事ばかりをしている。
彼女が帰ってしまう寂しさなのか、先ほどのイタズラにがっかりしていただけなのか……。
女「もう……何よその返事は?」
僕「別に、何でもない」
女「嘘だよ。僕ちゃんて拗ねると子供みたいになるんだもん」
僕「ん~、わかったー」
一通りのお見舞いが終わり、彼女は帰る用意を始めている。
女「学校には来られそう?」
僕「多分ー」
僕はさっきから、気の無い返事ばかりをしている。
彼女が帰ってしまう寂しさなのか、先ほどのイタズラにがっかりしていただけなのか……。
女「もう……何よその返事は?」
僕「別に、何でもない」
女「嘘だよ。僕ちゃんて拗ねると子供みたいになるんだもん」
女「落ち込んだらすぐ引きこもっちゃうし、すぐ私に相談してくるし……不機嫌な時の僕ちゃんだもん」
僕が彼女の事を知っているように、彼女も僕の事をよく知っている。
物を食べる時の仕草や、誰も気にしないような小さな癖……それを彼女が発見する度、いつも笑顔で僕を見てくれていた。
女「……クスッ」
僕(あ……)
そうだよ、こんな感じで僕の事を優しい笑ってくれる。
僕「不機嫌なんかじゃない……」
女「いいんだよ、無理しないで」
僕「……」
女「ね?」
僕「うん……」
彼女は僕の事なんて全部わかっているような、そんな顔で僕を見つめてくれている。
僕が彼女の事を知っているように、彼女も僕の事をよく知っている。
物を食べる時の仕草や、誰も気にしないような小さな癖……それを彼女が発見する度、いつも笑顔で僕を見てくれていた。
女「……クスッ」
僕(あ……)
そうだよ、こんな感じで僕の事を優しい笑ってくれる。
僕「不機嫌なんかじゃない……」
女「いいんだよ、無理しないで」
僕「……」
女「ね?」
僕「うん……」
彼女は僕の事なんて全部わかっているような、そんな顔で僕を見つめてくれている。
女「落ち着いた?」
僕「……」
彼女の小さな膝枕に頭を乗せ、僕は天井を見上げていた。
僕「落ち着いた」
女「そう、よかった……」
安堵した顔が僕を覗き込む。
女「じゃあ、また学校でね」
僕「ん。今日はお見舞いありがとう」
女「うん。学校来てね?」
僕「行くよ、絶対に」
女「……あ、あれしよ?」
女「指切りゲンマン、嘘ついたら針千本のーます……指、切った」
僕「……」
彼女の小さな膝枕に頭を乗せ、僕は天井を見上げていた。
僕「落ち着いた」
女「そう、よかった……」
安堵した顔が僕を覗き込む。
女「じゃあ、また学校でね」
僕「ん。今日はお見舞いありがとう」
女「うん。学校来てね?」
僕「行くよ、絶対に」
女「……あ、あれしよ?」
女「指切りゲンマン、嘘ついたら針千本のーます……指、切った」
僕「指切りなんて久しぶりだよ」
女「ね、私も」
僕「昔はこんな事ばっかしてたんだよね」
女「何だか、私たちって段々と子供に戻っているみたいね?」
僕「さっきの慰め方も子供の時から?」
女「だって僕ちゃんって子供だから」
クスッ、という小さな笑顔また溢れてくる。
それだけで僕は……。
僕「じゃあ、またね」
女「うん……ね、最後にもう一回小指伸ばして?」
僕「ん……」
僕の指先に、彼女の小指の先っぽが優しく触れる。
僕「なに、それ?」
女「ふふ~……ちゅっ」
女「ね、私も」
僕「昔はこんな事ばっかしてたんだよね」
女「何だか、私たちって段々と子供に戻っているみたいね?」
僕「さっきの慰め方も子供の時から?」
女「だって僕ちゃんって子供だから」
クスッ、という小さな笑顔また溢れてくる。
それだけで僕は……。
僕「じゃあ、またね」
女「うん……ね、最後にもう一回小指伸ばして?」
僕「ん……」
僕の指先に、彼女の小指の先っぽが優しく触れる。
僕「なに、それ?」
女「ふふ~……ちゅっ」
女「お邪魔しました~」
彼女は小さく頭を下げ、僕の家から遠ざかっていく。
少し暗くなった外に消えていく後ろ姿を、僕はずっと見ていた。
僕(指切り……)
僕は、最後に誰と指切りをしたんだろう。
その約束をちゃんと僕は守っただろうか?
彼女との指切り、約束を大事にしようと思った。
もし次に誰かと指切りをする機会があったら僕は……。
それを記憶に残しながら、生きてみようと思った。
彼女は小さく頭を下げ、僕の家から遠ざかっていく。
少し暗くなった外に消えていく後ろ姿を、僕はずっと見ていた。
僕(指切り……)
僕は、最後に誰と指切りをしたんだろう。
その約束をちゃんと僕は守っただろうか?
彼女との指切り、約束を大事にしようと思った。
もし次に誰かと指切りをする機会があったら僕は……。
それを記憶に残しながら、生きてみようと思った。
妹「ゆーびきーりげーんまー。うーそついたらのーます」
僕「……」
妹「ゆーびきったー」
母「ふふっ、これで僕ちゃんはゼリー食べちゃダメだからね?」
妹「おーちゃんおーちゃん」
母「女ちゃんに言われてね。こうでもしないと食べちゃうだろう、って……」
僕「……」
妹「いちごー」
僕「よしよし」
妹「えへへ~」
こんなに可愛く妹が笑ってくれるなら、指切りも悪くない。
僕の記憶に、この指切りは残るんだろうか。
僕「……」
妹「ゆーびきったー」
母「ふふっ、これで僕ちゃんはゼリー食べちゃダメだからね?」
妹「おーちゃんおーちゃん」
母「女ちゃんに言われてね。こうでもしないと食べちゃうだろう、って……」
僕「……」
妹「いちごー」
僕「よしよし」
妹「えへへ~」
こんなに可愛く妹が笑ってくれるなら、指切りも悪くない。
僕の記憶に、この指切りは残るんだろうか。
僕「じゃあ、おやすみ」
母「もう寝るの?」
あれだけ昼間寝たから、眠気なんて無かったけれど。
明日の最後の夏休み、どこかに出かける気だった。
そのために僕は早めに布団に入った。
僕「……っつ」
枕に頭をぶつけると、傷口に痛みが走る。
しかしその傷口があったからこそ、今日は彼女がお見舞いに来てくれた。
僕「……えへへっ。女可愛かったなあ」
布団の中では感情が素直に出てくる、いつもの癖だ。
僕「わざわざ歩いて、お見舞いまで買ってきてくれてさ」
僕「女の家からは遠いのに。よくあんな場所から……」
僕「……あれ?」
僕「僕……彼女にこの家の場所、話した事あったっけ?」
母「もう寝るの?」
あれだけ昼間寝たから、眠気なんて無かったけれど。
明日の最後の夏休み、どこかに出かける気だった。
そのために僕は早めに布団に入った。
僕「……っつ」
枕に頭をぶつけると、傷口に痛みが走る。
しかしその傷口があったからこそ、今日は彼女がお見舞いに来てくれた。
僕「……えへへっ。女可愛かったなあ」
布団の中では感情が素直に出てくる、いつもの癖だ。
僕「わざわざ歩いて、お見舞いまで買ってきてくれてさ」
僕「女の家からは遠いのに。よくあんな場所から……」
僕「……あれ?」
僕「僕……彼女にこの家の場所、話した事あったっけ?」
彼女の家は、通り道だからもちろん知っている。
そして僕の家はどちらかと言えば町外れの方にある。
何より、彼女にこの場所を話した記憶が……無い。
僕(彼女は、本当に僕の事を何でも見抜いてるみたいで……)
僕「……」
僕(あ、ダメだ。眠気……)
僕(こうなったらもう考えられないや)
僕(おやすみ……女)
……
その夜、僕は久しぶりに彼女の夢を見た。
そして僕の家はどちらかと言えば町外れの方にある。
何より、彼女にこの場所を話した記憶が……無い。
僕(彼女は、本当に僕の事を何でも見抜いてるみたいで……)
僕「……」
僕(あ、ダメだ。眠気……)
僕(こうなったらもう考えられないや)
僕(おやすみ……女)
……
その夜、僕は久しぶりに彼女の夢を見た。
僕「……」
僕「あれ? もう朝」
さっきまで寝ていた気がするのに。
枕元に置いてある時計は、もう正午を回っている。
僕(せっかく女が夢に出てきたのに……)
寝起きの僕の頭は、彼女の姿何となく覚えているだけで、どんな夢を見ていたかを思い出す事は出来なかった。
現実で会える。夢で会える。
記憶の中で会える。
僕は、彼女に会う方法をたくさん知っている。
僕「あれ? もう朝」
さっきまで寝ていた気がするのに。
枕元に置いてある時計は、もう正午を回っている。
僕(せっかく女が夢に出てきたのに……)
寝起きの僕の頭は、彼女の姿何となく覚えているだけで、どんな夢を見ていたかを思い出す事は出来なかった。
現実で会える。夢で会える。
記憶の中で会える。
僕は、彼女に会う方法をたくさん知っている。
ピンポーン
急いでお昼ご飯を食べて来た僕は、彼女の家の前に来ていた。
僕「うん。普通に会いにくればいいんだよ」
ピンポーン
もう一度呼び鈴を鳴らしてみる。
……
……
しかし、誰も出てこない。
僕「いないのかな?」
扉に手をかけてみると……ガッと鍵の感触が引っ掛かる。
僕「珍しいな。この辺りで鍵をかけるなんて」
こういう田舎町では、出かける時に鍵をかける人間はあまりいないので、少し驚いた。
僕「……」
僕「帰ろう」
急いでお昼ご飯を食べて来た僕は、彼女の家の前に来ていた。
僕「うん。普通に会いにくればいいんだよ」
ピンポーン
もう一度呼び鈴を鳴らしてみる。
……
……
しかし、誰も出てこない。
僕「いないのかな?」
扉に手をかけてみると……ガッと鍵の感触が引っ掛かる。
僕「珍しいな。この辺りで鍵をかけるなんて」
こういう田舎町では、出かける時に鍵をかける人間はあまりいないので、少し驚いた。
僕「……」
僕「帰ろう」
僕「やっぱり電話しておけばよかったかな?」
帰ってからもやる事があるわけでもなく……僕はまた早めに布団に潜っていた。
僕「携帯があれば気軽に連絡できるのに……普及するのは今から何年くらい後だっけ?」
僕「……」
僕(明日から学校か)
僕(なんだろう、昔は休みが長すぎると早く学校に行きたくて仕方なかったけど)
僕(今は特に何も思わない、ワクワクも感じないや)
僕(ただ、学校にいけば女に会える……それだけ)
僕(あとは約束のためだけに、僕は明日も学校に行くんだ)
僕(おやすみ……)
僕の夏休みが、静かに終わっていった夜だった。
帰ってからもやる事があるわけでもなく……僕はまた早めに布団に潜っていた。
僕「携帯があれば気軽に連絡できるのに……普及するのは今から何年くらい後だっけ?」
僕「……」
僕(明日から学校か)
僕(なんだろう、昔は休みが長すぎると早く学校に行きたくて仕方なかったけど)
僕(今は特に何も思わない、ワクワクも感じないや)
僕(ただ、学校にいけば女に会える……それだけ)
僕(あとは約束のためだけに、僕は明日も学校に行くんだ)
僕(おやすみ……)
僕の夏休みが、静かに終わっていった夜だった。
僕「おはよう」
僕が教室に入ると、みんなの視線がが一気に僕に集まるのがわかる。
「大丈夫?」
「学校来て平気なの?」
「痛い? 痛い?」
病気や怪我でチヤホヤされる……なんだか気持ちいいような気分になった。
僕「大丈夫だよ。抜糸も終わったし、もうすぐ傷も塞がるみたいだから……」
そんな事を言いながら、僕の視線は彼女を探している。
この時間ならとっくに学校に来て……。
……。
来て……いない?
僕が教室に入ると、みんなの視線がが一気に僕に集まるのがわかる。
「大丈夫?」
「学校来て平気なの?」
「痛い? 痛い?」
病気や怪我でチヤホヤされる……なんだか気持ちいいような気分になった。
僕「大丈夫だよ。抜糸も終わったし、もうすぐ傷も塞がるみたいだから……」
そんな事を言いながら、僕の視線は彼女を探している。
この時間ならとっくに学校に来て……。
……。
来て……いない?
僕(ああ、夏風邪でもひいたのかな。女も昔から体が弱かったからな、まったく)
そんな事は無い。
僕(遅刻なんて女らしい。歩いて五分なんだから、遅刻する方が難しいよね)
彼女は毎朝僕より早く来ていて、いつも挨拶をしてくれていた。
僕(……)
僕(じゃあなんで彼女は来ていないの?)
知らないよ。
僕が知るわけない。
僕(彼女は僕の事を知っているのに……)
結局、授業が始まっても学校が終わっても彼女が姿を見せる事はなかった。
先生が言うには、無断欠席だそうだ。
そんな事は無い。
僕(遅刻なんて女らしい。歩いて五分なんだから、遅刻する方が難しいよね)
彼女は毎朝僕より早く来ていて、いつも挨拶をしてくれていた。
僕(……)
僕(じゃあなんで彼女は来ていないの?)
知らないよ。
僕が知るわけない。
僕(彼女は僕の事を知っているのに……)
結局、授業が始まっても学校が終わっても彼女が姿を見せる事はなかった。
先生が言うには、無断欠席だそうだ。
先生「ねえ眼鏡ちゃん。このプリント、女ちゃんに届けてくれないかな?」
帰りの会の後、先生と眼鏡ちゃんの会話が聞こえる。
眼鏡「うん、わかりました~」
眼鏡ちゃんは彼女の家に行くようだ。
僕「ねえ、眼鏡ちゃん」
眼鏡「な……なに? 男くん」
僕(また男くんに戻っている……)
僕「僕も一緒に行っていい?」
眼鏡「も、もちろんだよ」
先生「あら、じゃあこれをお願いね」
数枚のプリントやお知らせが、束になって眼鏡ちゃんに渡される。
眼鏡「は~い」
帰りの会の後、先生と眼鏡ちゃんの会話が聞こえる。
眼鏡「うん、わかりました~」
眼鏡ちゃんは彼女の家に行くようだ。
僕「ねえ、眼鏡ちゃん」
眼鏡「な……なに? 男くん」
僕(また男くんに戻っている……)
僕「僕も一緒に行っていい?」
眼鏡「も、もちろんだよ」
先生「あら、じゃあこれをお願いね」
数枚のプリントやお知らせが、束になって眼鏡ちゃんに渡される。
眼鏡「は~い」
僕「じゃあ、早速……ん?」
隣「……」
眼鏡「あ、隣くん……」
隣「……」
なんだか、冷めたような怯えてるような怪訝な表情でこちらを見つめている。
僕「と、隣くんも一緒に行く。このプリントなんだけど……」
隣「……」
僕の顔をチラッと見て、彼は教室から出ていってしまった。
僕(女がいないから嫌なのはわかるけどさ……)
僕「いこ」
眼鏡「あ、ま、まってよ男くん」
一刻も早く彼女の家に行きたかった。
少しでも、彼女を感じる何かが欲しかった。
隣「……」
眼鏡「あ、隣くん……」
隣「……」
なんだか、冷めたような怯えてるような怪訝な表情でこちらを見つめている。
僕「と、隣くんも一緒に行く。このプリントなんだけど……」
隣「……」
僕の顔をチラッと見て、彼は教室から出ていってしまった。
僕(女がいないから嫌なのはわかるけどさ……)
僕「いこ」
眼鏡「あ、ま、まってよ男くん」
一刻も早く彼女の家に行きたかった。
少しでも、彼女を感じる何かが欲しかった。
ピンポーン
ピンポーン
眼鏡「いないね」
昨日来た時と様子が変わっていない。
人が出入りした気配も……。
眼鏡「お出かけちゅうかな?」
僕「風邪だよきっと。プリント貸して」
手からプリントを奪うと、玄関にある郵便受けに乱暴に突っ込む。
眼鏡「い、いいの?」
僕「どうせいないんだもん。僕、帰る」
眼鏡「う、うん……また、ね」
そのまま、眼鏡ちゃんには挨拶もせずに帰って来てしまった。
女の言葉が頭によぎる。
女『拗ねると子供みたいになるんだから……僕ちゃんは』
ピンポーン
眼鏡「いないね」
昨日来た時と様子が変わっていない。
人が出入りした気配も……。
眼鏡「お出かけちゅうかな?」
僕「風邪だよきっと。プリント貸して」
手からプリントを奪うと、玄関にある郵便受けに乱暴に突っ込む。
眼鏡「い、いいの?」
僕「どうせいないんだもん。僕、帰る」
眼鏡「う、うん……また、ね」
そのまま、眼鏡ちゃんには挨拶もせずに帰って来てしまった。
女の言葉が頭によぎる。
女『拗ねると子供みたいになるんだから……僕ちゃんは』
僕(その原因を作ってるのは自分くせに……)
女『……』
その先の会話を、彼女は返してくれない。
僕(何も言ってくれないんだ、もういいよ)
『……』
彼女の声は聞こえない。
子供みたいに拗ねている、小さな小さな一年生が道を歩いている。
女『……』
その先の会話を、彼女は返してくれない。
僕(何も言ってくれないんだ、もういいよ)
『……』
彼女の声は聞こえない。
子供みたいに拗ねている、小さな小さな一年生が道を歩いている。
僕(僕は約束ちゃんと守ったよ?)
僕(針千本だから、明日は学校に来てもらわないと困るんだけど)
僕(明日は席替えだってするって先生言ってたしさ)
僕(現実が無理ならせめて夢だけでいいから……)
僕(だからおやすみ……女……)
夜が終わり、また朝が来る。
朝になれば彼女に会える。
そう信じて、僕は眠った。
僕(針千本だから、明日は学校に来てもらわないと困るんだけど)
僕(明日は席替えだってするって先生言ってたしさ)
僕(現実が無理ならせめて夢だけでいいから……)
僕(だからおやすみ……女……)
夜が終わり、また朝が来る。
朝になれば彼女に会える。
そう信じて、僕は眠った。
先生「女ちゃんは……今日もお休みね」
僕(やっぱり……ね)
何となく今日も会えない気はしていた。
早起きして教室に一番乗りしたけれど、結局彼女が来る事はなかった。
僕(どうしちゃったのかな女……)
先生「では、一時間目は言っていた通りに席替えを……」
ワーッ、と教室が活気付いている。
学生にとって席替えは一大イベントだから、無理もない。
でも、今の僕には何一つ喜ぶ事が出来ない。
僕(……ん?)
隣「……」
同じように喜んでいない人間が、もう一人だけいたみたいだ。
僕(やっぱり……ね)
何となく今日も会えない気はしていた。
早起きして教室に一番乗りしたけれど、結局彼女が来る事はなかった。
僕(どうしちゃったのかな女……)
先生「では、一時間目は言っていた通りに席替えを……」
ワーッ、と教室が活気付いている。
学生にとって席替えは一大イベントだから、無理もない。
でも、今の僕には何一つ喜ぶ事が出来ない。
僕(……ん?)
隣「……」
同じように喜んでいない人間が、もう一人だけいたみたいだ。
先生「ええっと、あとクジを引いていないのは僕君と隣君だけよ?」
隣「は、はい!」
僕(ダラ~ッと)
とても気だるそうに机に突っ伏している僕と、緊張した様子で教壇に向かう隣。
僕はまるで、やさぐれている不良のようだった。
格好いいとはもちろん思わない、それでもこんな気分なのは……やっぱり。
先生「ほら、僕君も来て。あとは女ちゃんの分を最後に決めちゃえば終わりなんだから」
隣「あ、あの……」
先生の言葉を遮るように、隣が話し出す。
隣「引く気がないなら、勝手に席を決めちゃってもいいんじゃないですか?」
その提案に、クラス全員が驚いた。
僕だけを除いて。
隣「は、はい!」
僕(ダラ~ッと)
とても気だるそうに机に突っ伏している僕と、緊張した様子で教壇に向かう隣。
僕はまるで、やさぐれている不良のようだった。
格好いいとはもちろん思わない、それでもこんな気分なのは……やっぱり。
先生「ほら、僕君も来て。あとは女ちゃんの分を最後に決めちゃえば終わりなんだから」
隣「あ、あの……」
先生の言葉を遮るように、隣が話し出す。
隣「引く気がないなら、勝手に席を決めちゃってもいいんじゃないですか?」
その提案に、クラス全員が驚いた。
僕だけを除いて。
隣「席はどうせあと三つなんですから。この……一番後ろで隣に並んでいる席か、教室の端の一人の席か……」
先生「でも……」
僕「別になんでもいいですよー」
「……女の隣じゃなくていいのかな」
「どうせ休み時間に話すんだからねえ?」
「あ、でも隣も女と一緒に座りたいだろうし……」
隣「!」
「あ~、だからか~……」
僕(……マセガキは嫌いだ)
先生「みんな静かに。ルールだからちゃんとクジで決めないと。ほら、僕くん」
僕(……)
クラスメイトの声に背中を押されたからでも、先生に呼ばれたからでも無い。
女の隣に誰かが座るのが嫌だ。
嫌だった。
先生「でも……」
僕「別になんでもいいですよー」
「……女の隣じゃなくていいのかな」
「どうせ休み時間に話すんだからねえ?」
「あ、でも隣も女と一緒に座りたいだろうし……」
隣「!」
「あ~、だからか~……」
僕(……マセガキは嫌いだ)
先生「みんな静かに。ルールだからちゃんとクジで決めないと。ほら、僕くん」
僕(……)
クラスメイトの声に背中を押されたからでも、先生に呼ばれたからでも無い。
女の隣に誰かが座るのが嫌だ。
嫌だった。
先生「じゃあまずは女ちゃんの席を決めましょう」
先生は近くにあったクジを一枚、簡単に取る。
これで彼女が一人席だったら、笑ってしまう所だ。
先生「……二つある内の片方ね。こっち」
黒板の図に、キュッと女の名前が加えられる。
「お一騎討ちだ~……」
隣「ね、ねえ。ど、どっちにする!」
声援に煽られるよう、隣はクジを力強く指差している。
僕「こっち」
自分も力を入れず、簡単にクジを引いてみる。
先生「それでいい?」
隣「ま、待って! やっぱり自分がそっち!」
僕(くじ引きの意味が無い……)
先生は近くにあったクジを一枚、簡単に取る。
これで彼女が一人席だったら、笑ってしまう所だ。
先生「……二つある内の片方ね。こっち」
黒板の図に、キュッと女の名前が加えられる。
「お一騎討ちだ~……」
隣「ね、ねえ。ど、どっちにする!」
声援に煽られるよう、隣はクジを力強く指差している。
僕「こっち」
自分も力を入れず、簡単にクジを引いてみる。
先生「それでいい?」
隣「ま、待って! やっぱり自分がそっち!」
僕(くじ引きの意味が無い……)
隣「あ……」
僕「はい」
先生「うん。じゃあ隣君が端の席で、僕君が後ろの席ね」
隣「……」
僕(また、落ち込んでる)
僕(……女)
誰も座っていない机に目が拐われる。
いつもだったら、そこに座っている彼女にピースとか、少し調子にのった仕草もするんだろうけど……。
先生「じゃあ、席をみんな移動させて~」
席は隣でも、彼女はそこにいない。
僕(女の机、運んでやるか……)
僕(……軽いや)
空っぽになったままの彼女の机が、妙に寂しく感じた。
僕「はい」
先生「うん。じゃあ隣君が端の席で、僕君が後ろの席ね」
隣「……」
僕(また、落ち込んでる)
僕(……女)
誰も座っていない机に目が拐われる。
いつもだったら、そこに座っている彼女にピースとか、少し調子にのった仕草もするんだろうけど……。
先生「じゃあ、席をみんな移動させて~」
席は隣でも、彼女はそこにいない。
僕(女の机、運んでやるか……)
僕(……軽いや)
空っぽになったままの彼女の机が、妙に寂しく感じた。
母「僕ちゃん? 起きて、遅刻しちゃうわよ?」
僕「ん……」
母「ご飯食べて。学校の用意は?」
僕「用意は大丈夫だよ。ギリギリこれで間に合うから」
一番乗りした昨日と違い、今日はいつもの生活リズムに戻っていた。
僕「いってきます」
元気なく、僕はまた学校へ出掛けていった。
僕「ん……」
母「ご飯食べて。学校の用意は?」
僕「用意は大丈夫だよ。ギリギリこれで間に合うから」
一番乗りした昨日と違い、今日はいつもの生活リズムに戻っていた。
僕「いってきます」
元気なく、僕はまた学校へ出掛けていった。
「ねえ、もう大丈夫?」
「昨日席替えしてね……二人が……」
「あ、来たみたいよ……」
僕「?」
僕の机の周りに人だかりが出来ている。
人数に比例して教室の中はガヤガヤと騒がしくなっている。
しかし……ただ騒がしかっただけでは無い。
更に興奮が混じったような、元気な声が教室に響き、僕の耳に聞こえている。
僕「……あ」
よく見ると、人が集まっている僕の机の椅子には、誰かが既に座っている。
「ね……その二人でくじ引いたお話、聞かせて?」
話の中心になっている彼女の周りに、みんなが集まっている。
ただそれだけの事だった。
「昨日席替えしてね……二人が……」
「あ、来たみたいよ……」
僕「?」
僕の机の周りに人だかりが出来ている。
人数に比例して教室の中はガヤガヤと騒がしくなっている。
しかし……ただ騒がしかっただけでは無い。
更に興奮が混じったような、元気な声が教室に響き、僕の耳に聞こえている。
僕「……あ」
よく見ると、人が集まっている僕の机の椅子には、誰かが既に座っている。
「ね……その二人でくじ引いたお話、聞かせて?」
話の中心になっている彼女の周りに、みんなが集まっている。
ただそれだけの事だった。
「へえ、僕ちゃんが引いたんだ。よかったね~、私の隣になれて」
子供をなだめるように、彼女ば僕に笑ってくれる。
「宿題もわからない所も全部教えてあげるからね~?」
一年生の問題で、よく言うよ……。
「あ、そう言えば挨拶してなかったよね。おはよう」
僕「……おはよう女。」
女「うん、ただいま。僕ちゃん」
僕の席には、彼女が座っていた。
笑顔の彼女がここにいる。
記憶も時間も止まらない、彼女の隣の席で僕の二学期は始まった。
子供をなだめるように、彼女ば僕に笑ってくれる。
「宿題もわからない所も全部教えてあげるからね~?」
一年生の問題で、よく言うよ……。
「あ、そう言えば挨拶してなかったよね。おはよう」
僕「……おはよう女。」
女「うん、ただいま。僕ちゃん」
僕の席には、彼女が座っていた。
笑顔の彼女がここにいる。
記憶も時間も止まらない、彼女の隣の席で僕の二学期は始まった。
僕「ねえ、そこ僕の席なんだけど」
女「知ってるよ?」
僕「どいてよ、カバンが置けないよ」
女「知ってるよ?」
僕「……」
女「あははっ、ごめんごめん。はいっ。どうぞ」
当たり前のように、彼女とふざけあう事から一日が始まる。
僕「帰ってきたんだ?」
女「うん」
僕「何かあったの?」
女「……」
女「知ってるよ?」
僕「どいてよ、カバンが置けないよ」
女「知ってるよ?」
僕「……」
女「あははっ、ごめんごめん。はいっ。どうぞ」
当たり前のように、彼女とふざけあう事から一日が始まる。
僕「帰ってきたんだ?」
女「うん」
僕「何かあったの?」
女「……」
女「ちょっと入院しちゃってたの。お母さんも付き添いでさ」
僕(入院?)
「治ったの?」
「学校来て大丈夫?」
女「うん! 今は元気に復活したよ!」
僕「……」
「そうなんだ~!」
「よかった~」
女「えへへっ~」
僕にはわかっていた。
だから小さく、誰にも聞こえないように耳元で囁いてあげた。
僕「嘘つき……」
僕(入院?)
「治ったの?」
「学校来て大丈夫?」
女「うん! 今は元気に復活したよ!」
僕「……」
「そうなんだ~!」
「よかった~」
女「えへへっ~」
僕にはわかっていた。
だから小さく、誰にも聞こえないように耳元で囁いてあげた。
僕「嘘つき……」
すいません、もう一度通勤してきます。
今日は昨日みたいに夜中になる事は無いので。
早ければ昼過ぎに。
遅くても夕方前には。
書きたい事全部書くと、もっと時間がかかると思い、今日無理にでも終わらせると思います。
今日は昨日みたいに夜中になる事は無いので。
早ければ昼過ぎに。
遅くても夕方前には。
書きたい事全部書くと、もっと時間がかかると思い、今日無理にでも終わらせると思います。
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