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    元スレ朝倉「ただ月が綺麗だったから…」

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    タグ : - 佐々木 + - 国木田 + - 朝倉 + - + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + - 超感動巨編 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    251 = 197 :

    仕事デス ほす

    253 = 252 :

    254 = 176 :

    保守本当にありがとう
    2~3時までは飛び飛びになってしまうかも


    とりあえず…補導の警察官で無かった事に俺は安心した

    そして何より…

    「家出でもしたのか?」

    その人物は不思議な雰囲気で…柔らかく話しかけてくれる

    だから俺も…つい、話しをしてしまう

    キョン「…電車が無くなって、帰れなくなっただけです」

    「そか…家はどこだ?おじさんのタクシーで送ってやるぞ?」

    キョン「……」

    255 = 243 :

    しらないおとなの人についていっちゃあダメだよ

    256 = 176 :

    「どうした、ほら?」

    キョン「場所は……」

    電車で一時間の街の名前を、俺は口に出す

    「ああ…あの街か。ここからだと高速使わにゃな」

    タクシー…か

    家まで送ってくれるのなら、確かにありがたい

    だが…一番の問題は、また別にある

    キョン「いや、でも俺お金が…」

    「…いくらもってる?」

    キョン「…一万円ちょうどです」

    遠距離のタクシーなんて、いくらかかるか想像が全くつかない

    みるみる料金メーターがあがるようなイメージしか、俺には無い

    そんな乗り物を…選択肢に入れる事は、最初から出来るはずも無かった

    257 = 176 :

    「…そうか。まあ乗りなさい、すぐそこの…ほら、あのタクシーだから」

    これで…足りる計算なのだろうか?

    こんな深夜に声をかけて来た人物…

    一応ちゃんとした身なりをしているとは言え、他人に付いていくなど、確かに危険極まりないだろう

    しかし今の俺には何をどうする事もできなくて…

    キョン「はい…お願いします」

    俺は言われるままに、タクシーに乗るしかできなかった

    一人で無い安心感と…ちょっとした車の中の温暖具合が、俺に少しの安らぎを与えてくれる

    「さ、行くか」

    車は夜の街を走っていく…

    258 = 176 :

    オレンジ色の街灯が流れていく

    暗くてビルの向こうまでは見えないが…

    それでも、昼は人間がたくさんいて賑やかそうな…そんな、真夜中の都会なのだというのがわかる

    「何か約束でも?」

    走る窓の外を見ていると、ふいに運転手が話しかけてくる

    キョン「あ…出掛けて帰るところです」

    「ははは、そういえばさっきもそう言ってたな」

    気さくに笑ってくれる運転手が、今はとても優しく感じた

    さっきまでの孤独とは違う

    意外と、人間の感情とは左右にぶれるものらしい

    今は、見ず知らずのこの人物が、俺の不安を少しだけ解消してくれている

    259 = 176 :

    だが…それ以上に料金メーターを見ていると、不安になる

    カシャカシャと、どんどん料金があがっている

    少し走っただけで、もう千円近くになっている

    キョン(…大丈夫なのか、これ?)

    「いやー、俺も昔は色んな場所に出かけてなぁ…よく怒られてたもんだよ」

    キョン「あ、あの……」

    「お、もう高速だからな。大丈夫、高速乗ればすぐだよ、すぐ」

    カシャリ、と運転手が手元をいじると前の方に表示されていた文字が『高速』に変わる

    キョン(ダメだ、話を聞いこうとしてくれない…)

    そして、車は高速を走っていく…

    260 :

    いい男に弱いキョンは誘われるまま
    ホイホイとおじさんについていってしまったのだ

    262 = 250 :

    264 = 176 :

    カシャ

    カシャ

    カシャ

    さっきまでの道とは違って、すごい勢いでメーターがあがっていく

    キョン(待て待て…高速に乗るとこんなに早く値段上がるのか…!)

    やはり不安だ…たまらず、俺は運転手に話しかけてしまう

    キョン「あ、あの……タクシーってお金かかるんですね…」

    「ん?ああ、メーターはな、時間と距離で計算してるんだよ」

    キョン「そうなんですか…?」

    「さっきまでの一般道では走った距離と…時速10キロ以下だったかな。になると、停止時間が加算されるんだ」

    キョン「ふむふむ…」

    265 = 176 :

    「その停止時間だと…例えば信号待ちだな。時間が累積されて、停止時間が1分45秒を越えると金額が加算されるんだ」

    キョン「ほう…」

    「これがタクシーの仕組みだ。で、高速に乗ると、この停止時間は加算されないんだ」

    キョン「このカシャカシャすごい勢いであがってるメーターですか?」

    この間も料金はどんどんあがる

    「高速だと、距離だけで計算されてるんだ。それだけ進んでいるって事だよ」

    キョン「はぁ…なるほど」

    料金はもう3000円を越えている

    まだ見覚えのある街の名前は、高速の案内表示に表れない…

    キョン(まだ…遠いみたいだな)

    ひたすら、夜の高速道路を車は走っていく

    なんだか、時間の流れが遅すぎるような…そんな気がした

    266 = 176 :

    2時22分

    …カシャ

    走りに走って、とうとうメーターが1万円を越えた

    キョン(おいおい…まずいぞこれ…)

    「でな、兄さんみたいな長距離移動者をタクシー用語で、おばけって言ってな…」

    相変わらず、タクシーの事を一方的に喋っている

    「いやあ、あんな時間にあんな場所にいるんだからな。しかも長距離…本当兄さんおばけだよおばけ! ははははっ」

    とても嬉しそうに、じいさんは笑っている

    客がタクシーに乗ったら、疲れていようがなんだろうが話し掛けるタイプなんだろう…

    ここはまだ高速の途中だ…おろしてくれと言った所でどうにもならない

    キョン(帰ったら、親を起こして…金を借りるしかないか。なんて説明するかな……)

    267 = 243 :

    これほんとに請求されたら最悪ってレベルじゃねーぞ・・・
    支援

    269 :

    おいおい体で払えってか

    270 = 176 :

    その後も、運転手によるタクシートークを聞きながら…なんとか地元まで戻ってくる事ができた

    結局時間は…夜中の3時近くになっていた

    時計は…3時2分

    高速を降りて、少し走ると見慣れた町並みが広がっていく

    キョン(ああ…懐かしい…とにかく、帰ってこれてよかった)

    「さて、どこまで行けばいいのかな」

    この時点で、料金メーターは2万円を軽く越えている

    家に着くという事は、すなわちこの料金を支払わなければ降りられない…

    キョン「とりあえず家まで…あの、お金が足りないんで親を起こしてから支払いを……」

    「ああ、1万円でいいよ。オーバーしてる分はいらないよ」

    キョン「え…」

    「家はどの辺り?」

    キョン「ま、待って下さい。お金はちゃんと払いますよ!」

    271 = 176 :

    「いいよいいよ、帳尻合わせればいいんだから。ほら、気にしないでいいから」

    運転手のおじさんは…さらっと、軽い様子で事を伝えてくれる

    …俺には、タクシーの仕組みなんてわからない

    それでも、この足りない分のお金がどこから出るのかは…俺にだって何となく想像はつく

    キョン「本当に…いいんですか…?」

    「ああ、大丈夫だよ。おじさんな、客とは殆ど喋らないんだよ…気恥ずかしいっていうか…何て言うかな」

    キョン(……)

    「こんな日に、兄さんと話せてよかったよ。トークに付き合ってもらったお礼みたいなもんだ」

    キョン「ありがとう…ございます……」

    俺は運転手の好意を、素直に受けとる事にした

    話慣れている様子や、タクシーの仕組みの詳しい説明…

    客とあまり話さないなんて嘘に思えて…

    駅で拾ってくれた時も、街の名前を聞いてから…料金が1万円を越える事も多分きっと…わかっていたはずだ

    キョン(ありがとう、おっちゃん…)

    心の中で、もう一度、深く頭を下げ…お礼をした

    272 = 176 :

    「それでな、明日のクリスマスは非番だから、娘とケーキをな……」

    こんな日…そう言えば今日はもうクリスマスだったな

    さっきまで、涼子と会っていた事も、なんだか少し遠い事のように思えてきた

    それくらい、今日の帰り道…タクシーでは色んな事が心の琴線に触れた…そんな体験だった


    気付くと…タクシーはいつの間にか駅の近くを走っていた

    キョン(駅か…ここから今日はスタートしたんだよな…って、いつもこの場所から、か…)

    安心した余裕からか、心の中でも言葉が多くなる

    深夜…さすがにもう電気も落ちて、待ち合わせで賑わうような駅の周りに人影も何も……

    人影……?

    273 = 176 :

    よく見ると、駅の前に一人誰かがたたずんでいる…ようだった

    キョン(こんな時間にか…)

    寒空の下、誰かを待っている

    その気持ちが、今はよくわかる

    でもその姿をよく見ると…知っている人に似ているような…せんな気がする

    あれは…

    キョン(……! まさか、嘘だろ?)

    キョン「運転手さん、ここで止めて下さい!」

    「ん…駅の近くなんか?」

    キョン「ええ、ここで…本当にありがとうございました」

    「そうか。じゃあ、気をつけてな」

    メーターはもう3万円間近だ…約束通り、そこを1万円にしてくれた

    「これからまた、とんぼ返りさ、はははっ。気をつけてな」

    274 = 176 :

    笑いながら、運転手のじいさんは行ってしまった

    キョン「…不思議な人だったな」

    タクシーのライトが、来た道を戻っていく

    キョン「……」

    そして俺の足は、駅に向かっている

    もしかしたら知っている人かもしれない、彼女の元へ…

    275 = 176 :

    真夜中3時

    私…どれだけここにいたんだろう

    体が震えている

    ハルヒ「寒い……私、バカみたい……」

    駅がしまってからも、私はずっとここにいる

    電車に彼は乗っていなかった

    今は遠い街に……彼女と一緒にいるんだろう

    ハルヒ「…」

    もう、独り言も…何も出てこない

    276 = 176 :

    もう、帰ろう…

    そう思って歩き出した瞬間

    横の路地から一台の…タクシーだ

    車はそこから走ると、すぐに止まった

    誰かが降りてくる

    タクシーはすぐに来た道を引き返していく

    278 = 176 :

    キョン「風邪ひくぞ?」

    ハルヒ「……」

    キョンだ

    ずっと待っていたキョンが…目の前にいる

    キョン「こんな時間に…どうしたんだ?」

    それは…こっちが聞きたい事

    キョン「あのさ…」

    ハルヒ「…なんで…ここにいるのよ?」

    言葉を遮るように私は問う…

    彼がここに…駅にいる今が、信じられない

    なんだか、実感がわいてこない…

    キョン「ああ…ちょっと色々あってな」

    279 = 176 :

    ハルヒ「なんでタクシーに乗って現れるのよ?」

    キョン「電車が無くてな…親切なタクシーの運転手が……」

    終電が無くなった事

    タクシーに乗せてもらった事

    …泊まりではないという事だけを聞いて、私はちょっと安心した

    あくまで、自分の中でだけど…

    ハルヒ「そ、そう…ともかくよかったじゃない。帰ってこれて…」

    安心と嬉しさと不安…その全部が、溶けたチョコレートみたいに混ざっている

    気持ちが、何だかザワザワしながら、ドキドキする

    キョン「ああ、おかげでな。ハルヒはどうしたんだ、こんな時間に。窓から見て…ビックリしたぞ?」

    ハルヒ「私は……」

    私はずっとキョンを待っていた
    この場所でずっと

    今日プレゼントを渡すために

    ハルヒ「あ、あのね…クリスマス会がさっき終わって…それでプレゼントが…プレゼント……」

    280 = 176 :

    ハルヒ「プレゼントが…余ったのから……! それで…その…」

    キョン「クリスマス会、こんな遅くまでやってたのか…妹は?」

    ハルヒ「あ…妹ちゃんは早いうちに送ったから安心して。大丈夫よ」

    これは本当だけど…さっきのは嘘ばかり

    キョン「そうか…それはよかった。で、プレゼントがどうしたって?」

    ハルヒ「あ…うん…えっと……」

    ガサガサと、袋を取り出す

    ハルヒ「こ、これ…あげる」

    281 = 190 :

    ハルヒかわいい…死にたくなってくる

    282 = 176 :

    綺麗に包装された袋…震える手

    キョン「ああ…ありがとう。わざわざ…このために?」

    ハルヒ「う、うん…」

    彼が袋を受けとる…よかった、やっと渡せる…

    ハルヒ(あ……)

    でもその時彼の左手…薬指に、見つけてしまった

    一つ…銀色の指輪が彼の指に……

    ハルヒ「ま…待って!!」

    急いで袋を取り上げ、手を引っ込めてしまう

    キョン「な、なんだよ…どうしたんだ?」

    ハルヒ「……」

    283 = 192 :

    時々、少し胸が苦しくて

    284 = 176 :

    左手の薬指に指輪…私だって意味くらいは知っている

    ハルヒ(最愛の人からの…プレゼント…)

    それを見た瞬間、なんだか自分の贈り物がとても小さく…小さく見えた


    ハルヒ「…やっぱ、余り物なんて渡したら悪いわよね」

    キョン「は?いや、別に構わないぞ。もらえるなら、何でも」

    ハルヒ「何でも、じゃあ…ダメなのよよ。もうパーティーもおしまい。帰りましょう」


    すぐにその場から逃げ出したかった

    もう、彼の手を見たくなかった

    私は…すぐに彼から離れるように歩き出す

    彼の反対方向を向いて…彼を見てしまわないように…

    キョン「お、おい待てよハルヒ……」

    285 :

    >>1の描くssは好きだな。

    286 = 269 :

    よよよ

    おもしろい

    288 = 176 :

    あ、よよミス
    >>285
    雰囲気を感じていただけたなら、幸いです



    ハルヒ「…また学校でね。じゃあ、ね」

    そのまま、すぐに走り出す

    あんなに、駅から動かなかった足が、今は早く動かす事ができる

    とても軽く…とても重く…

    キョン「待てって、おい!」

    キョンは追いかけてくれる

    でも今はそれが痛い

    ハルヒ「っ…来ないでよ、バカ!」

    キョン「何怒ってるんだよ、ほら帰るなら家まで送るぞ」

    289 = 176 :

    グイッと、腕を引っ張られる

    触らないで

    ハルヒ「いい! いらない! 一人で帰るの。離してよ」

    キョン「落ち着けって、何怒ってるんだ…ほら、夜遅いんだから…送るって」

    エスコートしてくれるような…優しい手で私の腕を掴んでくる彼の右手…

    どうしても、目は左手を見てしまう…

    綺麗な銀、真ん中に黒のラインが一本通った、シンプルで…

    それでいて気品を感じさせるようなそのデザイン…

    それを見て、また言葉が頭に浮かばなくなってくる

    ハルヒ「送るのなんて、いいわよ…あんたは遠くに行ってきて、幸せに帰る……私は…友達と遊んで家に帰る…それだけの事じゃないの」

    だから今は、こんな言葉しか、口から生まれない

    290 = 176 :

    キョン「帰る行為は一緒だろ。それに…さっきのプレゼントの事だって…」

    ハルヒ「あれは…余り物だから別にいいのよ…もう、その話はやめて」

    キョン「ハルヒ…」

    ハルヒ「私たちは…帰る場所が違うんだもの…誰と生きているか、違うんだもの…だから、もう帰りましょう? タクシー使うくらいなんだから、あんただって早めに帰らないと…」

    キョン「それは…そうだけどさ…」

    ハルヒ「じゃあ、それでいいじゃない…私も帰る。キョンも帰る…それだけの事よ」

    キョン「……」

    彼は少し黙った後…

    キョン「そうだな、わかった…とにかく今日は、帰るか」

    ハルヒ「ええ。まだ冬休みなんですもの。今度…また話しましょう」

    キョン「ああ…でも、本当に気をつけてな」

    ハルヒ「うん、キョンも……気をつけて……」

    291 = 176 :

    お互いの言葉を最後に…彼は反対方向に歩いていってしまう

    一人になった通り道…私はまた…

    ハルヒ(寒い……)

    体が、寒いという事を感じ出した

    コートの隙間から吹き込む風、頬を刺激するような冷たい空気…

    ハルヒ「今は…冬なんだもの…当たり前じゃないの…」


    彼と過ごせなかったクリスマス
    渡せなかったプレゼント

    ハルヒ「…バカみたい」

    一人…本当に一人で歩き出す

    いつの間にか…道端に落ちたままの、プレゼントの袋

    彼女はそれを忘れて、家に帰っていく

    それに気付いて…拾い上げる事はできなかった

    行き場の無いクリスマスと、袋の中の両手だけが…彼女の中で終わっていった

    292 = 176 :

    1月1日 昼過ぎ キョン

    冬休みも半分程を消化し…もう今日から、新しい年が始まっていた

    元旦…正月だというのに、俺の気分は暗い

    クリスマスの朝帰りが親にばれてしまい、外出禁止を言い渡されたからだ

    涼子に会いにいけないのはもちろん…とりあえず、学校が始まるまでは動く事ができない

    それに、クリスマスでのハルヒの態度も…ほんの少しだけ気になる

    ―ピリリリリ

    そんな事を考えていると…電話だ

    キョン(古泉…?)

    キョン『もしもし?』

    古泉『あけましておめでとうございます』

    キョン『よう、おめでとさん』
    古泉『体調など、お変わりありませんか?』

    キョン『ああ、体は何ともないさ。特に何もなく…平和な正月を送っているよ』

    古泉とも…久しぶりに電話をした気がする

    293 = 176 :

    古泉『それでですね…今から初詣に行きませんか?みんな集まりますよ』

    キョン『悪いんだが実はな……』


    古泉『ふむ、外出禁止ですか…』

    キョン『あの日、朝近くに帰った事がバレてな…そう言えば、そっちのクリスマスも盛り上がってたみたいだな』

    古泉『…ええ、人が多かったですからね、何だかんだで皆さん、楽しんでましたよ』

    キョン『夜中3時近くまでやってたんだろ?そりゃあ盛り上がるよなぁ…』

    古泉『…? クリスマス会は9時には終わりましたよ。夜中の3時なんてとても…』

    キョン『え…だって俺パーティー帰りのハルヒに駅で会ったぞ?夜中の3時に』

    295 = 176 :

    古泉『…涼宮さんが、その時間駅にいたんですか?』

    キョン『ああ…俺も帰りがずれたから、その時間になってな…』

    古泉『彼女は、なんと言ってました?』

    キョン『えっと…確か、プレゼントが余ったから…渡す、って…』

    古泉『交換用のプレゼントですか?それならちゃんと全員で交換しましたよ。それに、交換というシステム上、余りなど出るはずがありません…』

    考えてみれば、確かにそうだ…


    古泉『それに、電車が来ない駅で人を待つはずが無いでしょう』

    キョン『そう…だよな……』

    じゃあなんでハルヒはあの場所にいたんだ

    駅が閉まった午前3時に…プレゼントを持って待っていたんだ…

    会える保証なんて無いのに…

    古泉『でも、会えたなら渡せたみたいですね。時間はともかく…少し安心しましたよ』

    297 = 176 :

    ―ズキッ

    キョン『…もらってない』

    古泉『…今、なんと言いましたか?』

    キョン『ハルヒから…プレゼントは貰ってない。渡す瞬間…袋を取り上げられた……』

    古泉『……』

    キョン『古泉…?』

    受話器越し…沈黙が流れてくる

    古泉『あなたは……』

    キョン『え…』

    古泉『馬鹿ですか! あなたは!!』

    ビリビリと…電話が震える

    古泉のこんな声は…初めて聞いた

    古泉『そんな夜中に、なんで彼女がそこにいたか…少し考えればわかるでしょう!』

    298 = 241 :

    いやそれはおかしい

    299 = 176 :

    キョン(これは…怒られているのか?)

    古泉『…彼女が、プレゼントを持っていた理由が…わからないんですか?』

    キョン『ま、待てよ古泉…俺には付き合ってる人がいて……』

    古泉『そんなのは、僕も彼女も知っていますよ。付き合ってる人がいたら、プレゼントを渡しちゃいけないんですか?』

    キョン『そんな事は…無い…』

    古泉『どうして…受けとってあげなかったんですか』

    キョン『それは…さっきも言っただろう、取り上げられたって……』

    古泉『…取り上げられた?』


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