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    元スレ朝倉「ただ月が綺麗だったから…」

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    タグ : - 佐々木 + - 国木田 + - 朝倉 + - + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + - 超感動巨編 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 = 1 :

    ―電車に乗って、更に1時間後

    『次はー……』

    涼子がいる街の名前だ…

    その名前を聞くだけで、胸がドキドキした

    ドアを飛び出し、駅を歩く…結構広い駅だ

    キョン「さて、着いたはいいが…どこに行くべきか」

    広い駅だけあって、出口も東口と西口がある

    どちらの出口から出て、どの方面に向かえばいいのか…

    キョン「バイト先も涼子の家も駅から遠くはない、とは聞いていたが…家もバイト先も、方角が全くわからないな…」

    102 :

    スロウハイツの神様思い出した支援

    103 = 1 :

    キョン「歩くか…」

    考えた末、とにかく歩き出す事にした

    俺は東口の改札から外へ出る

    駅前にはデパートや、居酒屋の連なった3階ビル…

    結構人で賑わっている街のようだ

    その反面、少しゴタゴタしたような…薄汚さも併せ持った街並みだった

    キョン「…とりあえず探すしかないか」

    コンビニ、という事は店舗名…つまりブランドがあるわけだ

    駅の近くでそのお店の名前を聞けば、地元の人間ならどこにあるかわかるはずだ

    キョン「すいません、この辺に○○というコンビニありますかね…」

    「ああ、そのコンビニなら…」

    104 :

    いい
    この雰囲気すごくいい…

    105 = 1 :

    店の場所はすぐにわかった

    涼子の言っていたコンビニは、この辺りには1軒しかないらしい


    駅からの国道を真っ直ぐ…途中裏路地に入り、少し要り組んだ道を歩いていく

    駅から20分程歩いた場所に…そのお店はあった

    看板は、確かにブランドと一致している

    キョン「よし…」

    心臓が高鳴る…

    緊張しながら…俺はコンビニのドアを開け中に入っていった

    106 = 1 :

    14時近く 朝倉

    日差しがさす午後のコンビニ

    店内では立ち読みをしてる客が一人

    他にお客さんもいない、暇なお店

    朝倉(はぁ…やっぱり暇ね。かと言って今の時間はパートさんもいるからサボれないし)

    立ち読みしてる客が、雑誌を閉じ外に出てしまう

    これでお客さんは本当にいない

    朝倉(…キョンに会いたいな…)

    寝ても覚めても、考えるのは恋人の事ばかり

    昨日会った余韻がまだ胸中に残っている

    それが余計に切なかった

    108 = 1 :

    朝倉(でも、会えるのはまた一ヶ月だもんね…)

    ―ピンポーン

    その時入店音が鳴る…お客さんだ

    朝倉「あ、いらっしゃいま……」

    そこには、いるはずの無い人

    昨日会ったばかりの最愛の人がそこに立っていた

    朝倉「え…キョン……なの?」

    キョン「ああ…」

    朝倉「何でここにいるのよ…?」

    キョン「会いたくって…来ちまったよ」

    それを聞いただけで、涙が溢れてしまった

    大好きな人が確かにそこにいる

    5時間以上かけて、私に会いに来てくれている

    朝倉「嘘みたい…嬉しい…ありがとう…」

    キョン「ああ…俺も会えてよかった…」

    109 = 1 :

    でも、この時間は、会っても触れる事はできない

    たまにお客さんも来るので、会話もあまりできない

    たまに話せても、パートさんがいるのであまりたくさん会話も出来ない

    仕方ないとは言え、やはり寂しい

    そんな状態が20分程続いた時…パートさんが口を開いた

    「あの、君?」

    キョン「…はい?」

    「彼女、仕事中なんだよ?あまりお店にいられても…」

    私は仕事、それは当然

    わかってる

    わかってるわよ…

    キョン「そう…ですね…」

    多分彼もわかっている…

    110 = 1 :

    「仕事であって、遊びじゃないからさ…だから、もう話すのは止めてね?」

    …嫌だ。でも言えない

    私はバイトの身だ、端から見たら確かにサボりにしか見えないかもしれない

    それでも、目の前にいる大切な人と話せなくなるのはやっぱり嫌だ…

    でも、私は何も言えない



    キョン「…こっち…だってな……」

    ―え

    キョン「こっちだってな! 遊びでここまで来てるわけじゃあねえんだよ!!」

    お店に響き渡るような…大きな声…

    111 :

    キョンただのDQNじゃねーかw

    112 = 1 :

    キョン「遊びで……大事な人に会いに来るのが遊びなわけない…だろ……っ!」

    泣いている…震えている

    私も泣いている

    キョン「……っ!」

    彼はそのまま、お店を出ていってしまう

    私は追いかける事もできないで、その場に立ち尽くしていた

    「…行ってあげなよ」

    朝倉「え…」

    「なんだか…彼に悪かったかしら、あんなに必死に言われたら…ね…」

    朝倉「…後でちゃんと話しますから、ちょっと行ってきますね…!」

    急いで彼を追う…

    113 = 1 :

    彼は入り口の近くに立っていた

    朝倉「よかった…いてくれて…」

    キョン「…ごめんな。大声出して」

    朝倉「ううん…後で私から話しておくから大丈夫…それに、嬉しかった…」

    キョン「…」

    朝倉「本当よ…?」

    キョン「今日は会えてよかった…会いたかった…」

    朝倉「うん…うん…」

    キョン「昨日は寝れなくて…ずっと起きてて…」

    朝倉「うん…」

    キョン「朝メールが来たら、会いたくなって…気が付いたら電車に乗って…」

    朝倉「それだけで十分よ…ありがとう…好き、大好きよ…」

    私は彼の唇にそっとキスをする

    114 = 1 :

    昨日触れた唇と…全く同じ…やわらかさ…

    ゆっくりと2人の唇が離れていく

    キョン「…ありがとな。そろそろ俺は帰るよ。時間がかかるからな」

    朝倉「うん…30分でも、会えて嬉しかった…」

    キョン「帰りが5時間だけどな…でも、会えたから幸せだ」

    朝倉「うん…気をつけて。またメールするから…」

    キョン「ああ…じゃあ、またな…」

    115 = 1 :

    そう言って彼は走り出した

    その後ろ姿を見れただけで、また頑張れる…

    朝倉(ありがとう…大好きな人…)

    そう想いながら…ゆっくりお店に戻っていく

    今はさっきより笑顔でいられる、そんな気がした





    佐々木「くつくつ…」

    116 = 1 :

    15時過ぎ 佐々木

    ああ、僕はとんでもない現場を見てしまった

    かつての友人とその恋人が…逢い引きしてる瞬間を

    くつくつ…本当に2人が愛しあってた…それが見れただけで僕は満足だよ

    ―ピンポーン

    朝倉「いらっしゃい…あ、佐々木さん」

    佐々木「くつくつ、また来たよ。この時間は一人という事らしいからね」

    朝倉「そうなのよ。パートさんが15時までで…夕方まで私一人なの」

    確かに、お店には彼女の姿しか見えない

    117 = 1 :

    佐々木「…ところで、目元が赤いけど何かあったのかい?」

    理由は知っているのに…私は理由を聞いた

    朝倉「え…! あ…じ、実はね……」



    佐々木「へえ、キョンがさっきまでこのお店に?」

    朝倉「もう、ビックリしちゃったわよ。いきなり来るんだもの…」

    佐々木「きっと驚かせたかったんだよ」

    朝倉「嬉しかったわ…5時間かけて来てくれて…」

    佐々木「帰るのにまた5時間…計10時間かけて、会えるのが30分。まるでロミオとジュリエットだね」

    朝倉「遠距離だから、仕方ないわよ…でも会えただけで嬉しいのよ…」

    くつくつ…彼女の目は、本当に恋する乙女の目をしているんだね

    118 = 1 :

    佐々木「…そっか、少しキョンに会ってみたかったな。あ、もちろん、友人としてね」

    朝倉「佐々木さんが来るちょっと前まではいたんだけど…すれ違いね」

    佐々木「くつくつ…」

    ―ピンポーン

    新しいお客さんだ

    見ると、2~3人が続けてぞろぞろとお店に入ってくる

    佐々木「…あまり長居もできないかな。じゃあ、また明日学校でね」

    朝倉「ええ、また明日ね」

    119 :

    なんでこの>>1はこんな雰囲気のものを書くんだ
    悪い予感しかしなくて怖いわ

    120 = 1 :

    僕はお店をあとにした

    夕焼け空…日曜日ももう終わりそう

    キョンの新しい姿を見る事ができた…朝倉さんの秘密を垣間見る事ができた…

    今日はそれだけで、満足だよ、くつくつ…

    そして季節は流れて…冬になってゆく

    121 = 1 :

    12月前半 キョン

    めっきり冷え込んできたこの季節

    ストーブの火が灯る学校の教室で、いきなり声をかけられた

    声の震源地は後ろの席…ハルヒからだった

    ハルヒ「キョン、あんた24日は暇なんでしょ?」

    キョン「なんでしょ、ってお前な…決めつけるなよ」

    クリスマスイブ…普通なら恋人と過ごす日だが、涼子がバイトに出なければいけないらしい

    終わるのが夕方5時なので、その日は中間地点で会う事もできない

    というわけで暇と言えば暇なのだが…

    122 = 1 :

    ハルヒ「SOS団でクリスマス会やるから、参加しなさいよ!」

    一人寂しく、よりはマシか


    キョン「クリスマス会か…ああ、わかった出席だ」

    ハルヒ「決まりね。じゃあ24日の夕方6時に有希のマンション集合よ」


    キョン「ああ、わかったよ」

    ハルヒ「あ、プレゼント交換もあるんだから、ちゃんと用意しときなさいよね!」

    プレゼント交換か…

    …クリスマスに会えないとはいえ、俺も涼子に何かプレゼントしないとな

    はぁ…会えないのが余計に悲しい

    123 = 4 :

    朝からこのスレが気になって仕方がない

    124 = 1 :

    仕方ないとはいえ、やはり恋人と一緒に過ごしたいものだが…考えても、仕方ないか

    クリスマスの事を考えたら、余計に寂しくなった気がする

    ハルヒ『それとね…先週の日曜日にね……って、ちょっと待ちなさいよ!』

    まだ何かを言っていた…気がする、ハルヒを置いて教室を出ていった

    これ以上、学校に残るつもりも無かった

    プレゼントでも買いに行くか…

    あまり気乗りはしなかったが、俺はそのままデパートに向かった

    125 = 1 :

    デパート

    キョン「さて…何を買うかな」

    パッと、SOS団のメンバーが頭に浮かぶ

    交換…となると誰か一人に対象をしぼってプレゼントを買う訳にもいかない

    キョン「長門なら本…古泉ならボードゲームでも…と、簡単にはいかないよな」

    誰に貰われても、ある程度喜んでくれそうな物…

    うーん……

    126 = 1 :

    結局、今日のところは下見だけですませてしまった

    キョン「まあ、クリスマスまではまだ時間がある…ゆっくり考えればいいさ」

    もう暗くなった空を見ながら、俺は歩いていく

    涼子がいる街の方向を見ながら…考える

    今ごろ、彼女は何をしてるんだろう

    気づくと…彼女の事しか頭に無い自分がいる

    ああ…涼子に会いたいな

    127 = 1 :

    2日後 佐々木

    女子高内教室

    佐々木「朝倉さん」

    朝倉「…」

    佐々木「もしもし、朝倉さん?」

    朝倉「あ…ごめん、どうかした?」

    佐々木「寝不足かい?ボーッとしちゃって…」

    朝倉「ううん…」

    落ち込んでいる彼女の姿…とても弱々しい

    なんだか心配になってくる

    佐々木「…最近彼とうまくいってないとか?」

    朝倉「そんなんじゃないわよ、先週も会えたし…でも、再来週に会えないのよ…」

    佐々木「再来週…っていうと、クリスマスかな?」

    朝倉「うん…イブに会いたかったんだけど24、25日はバイトだから…夕方5時まで」

    128 = 1 :

    佐々木「なるほどね…その時間じゃあ身動きできないわね」

    朝倉「うん…お互い地元なら夜にでも会えるけど、移動時間が無いんだもの」

    移動時間、ね…

    佐々木「時間は…仕方ないわよね

    朝倉「そうよね…だから、クリスマスは会えないのよ。残念だけど…ね」

    彼女の顔が、本当に残念そうに沈んでいる

    129 = 1 :

    佐々木「あ…彼と会わないんだったらさ、夕方私と一緒に遊ばない?」

    朝倉「佐々木さんと?」

    佐々木「夕方からは暇なんだよね?」

    朝倉「ええ、それなら…大丈夫よ」

    佐々木「よかったら、24日…私と遊ばないかな? 実は最近お菓子作りが趣味でね…」

    130 :

    支援

    良SSの予感

    完結希望

    131 = 1 :

    >>130
    頑張ります



    朝倉「あら、いいじゃないお菓子! それなら…私も何か作って持ってくわよ」

    佐々木「そっか、断られなくてよかったよ。段々作り慣れてくると、誰かに食べて欲しくてね…楽しみだよ」

    朝倉「決まりね。少しやる気が出てきたわ♪ あ、時間は…夕方ね…6時で大丈夫かな?」

    佐々木「くつくつ、そうだね…バイト後なら、それくらいかな」

    朝倉「わかったわ。じゃあ…日が近づいたら、また打ち合わせしましょ! またね佐々木さん」
    佐々木「うん…また、ね」




    クリスマスだから、ちょっとだけ気まぐれでお節介をさせてもらうよ、くつくつ

    133 = 1 :

    同日 キョン

    SOS団部室

    キョン「…これで王手だ」

    古泉「僕の負けです。相変わらずお強いですね」

    長門「…」ペラッ

    朝比奈「はい、涼宮さんお茶ですよ」

    ハルヒ「ありがとう、みくるちゃん」

    いつもの部室…いつもの日常

    涼子と付き合ってからも、SOS団の活動を止めた訳ではなかった

    月に1度は会いに行くので、たまの休日活動には参加はできてないが…

    それでも両立はしていたつもりだ

    134 :

    ぷんたで一気読みするから完結頼むぞ

    135 = 1 :

    俺たちが付き合っている事は部員のみんなが知っている

    親しい、谷口や国木田にもちゃんと事情は話してある

    …聞いた話によると、一部の生徒の間では俺と涼子は遠距離カップルとして人気者…らしい

    噂が一人歩きして、どんな話になってるかは知らんが…憧れを抱く人間も多いんだそうだ(谷口談)

    まあ、噂はしょせん噂だ

    ―ピリリリリ

    そんな事を考えてると、携帯が鳴る

    メール…涼子からだろうか?

    しかし今回は違った

    メール画面には、佐々木の名前が出ている

    136 = 4 :

    佐々木が不穏な空気出しすぐるw

    137 = 1 :

    佐々木『24日に彼女と遊ぶ約束をしたよ。夕方6時に駅前に集合だよ、くつくつ』

    …なんだこれは

    疑問に思いながらも、返信をする

    キョン『涼子と遊ぶのか。でも俺はそっち行けないから、全く関係ないぞ? クリスマスも、会えないしな』

    ―ピリリリリ

    すぐに返信が来る

    138 = 1 :

    佐々木『夕方6時にこっちに来ればいいじゃないか。彼女に会いたいなら、ね』

    …確かにその時間に涼子の地元に行けば会う事はできる

    佐々木『無理にとは言わないよ。ただ会えるようなセッティングだけ…お節介かもしれないけどね』

    とりあえず、時間だけ約束していれば…会う口実と、彼女が駅にいると言う保証は生まれる

    キョン『…少し考えてみるよ。しかしなんでこんなことを?』
    昔の知り合い…とは言え、ここまでしてくれる事が正直疑問だった


    佐々木『クリスマスは一番大切な人と過ごすものだろ? それに、多分彼女が一番そう思ってるからさ』

    139 = 1 :

    …俺だって、本当は会いたいんだ

    キョン「みんな、ちょっと聞いてくれ」

    ハルヒ「ん…どうしたのよ?」
    みんなの目が一斉に俺の方を向く

    一息吸ってから…俺は言葉を発する


    キョン「…俺は、24日のクリスマス会には参加できない」

    長門「…」

    古泉「おや…」

    朝比奈「ふぇ…」

    ハルヒ「な…何言ってるのよ! 欠席なんて許さないわよ!」

    キョン「本当にごめん。後でパフェでもなんでも奢る。だから勘弁してくれ」

    頭を下げて…必死に頼み込む

    141 = 21 :

    やっと追いついたー
    支援

    142 = 1 :

    ハルヒ「そんな問題じゃないのよ! 大体、理由は何よ!」

    バンッ、とハルヒは机を叩き立ち上がる

    その音に負けないよう…俺も力いっぱいに答える

    キョン「朝倉涼子に…会いに行くんだ」

    ハルヒ「……!」

    長門「……」

    朝比奈「ふぁ…」

    古泉「んっふ…」

    キョン「だから、ごめん。みんな」

    ハルヒ「…そう、だったらいいわよ。勝手にしなさい」

    古泉「涼宮さん…」

    怒った様子で椅子に座り…彼女はプイッと、窓の外を向いてしまう

    キョン「…悪いな。じゃあ、今日は帰るよ。みんな…またな」

    部室の扉を開き…外に出つつ、チョイチョイっと古泉に手招きをする

    古泉「…?」

    143 = 1 :

    廊下で男2人、ちょっとした話し合いだ

    キョン「すまないな」

    古泉「いえ、僕は大丈夫ですけど…」

    キョン「また閉鎖空間が発生しちまったら、悪いと思ってな」

    古泉「……」

    古泉は、何かを考え込むように口を手で押さえている

    キョン「古泉…?」

    古泉「…いえ、とにかく心配しないで下さい。僕なら平気ですから。涼宮さんも…何とか大丈夫でしょうし」

    キョン「あ、ああ…まあ、何かあったら言ってくれ。じゃあな」

    古泉「ええ…また」

    144 = 1 :

    同時刻 古泉

    SOS団部室

    彼は帰ってしまった

    心なしか部室の空気が重い

    涼宮さんにいたっては、無言で窓の外をじっと見つめている

    ハルヒ「…」

    冬の曇り空…灰色の空

    彼女はただ空を見上げている

    普段ならば、絶対に問題アリ…な状態なのだが、今は違う

    僕の携帯電話は静かに…カバンの中で動かずにいる

    つまり、閉鎖空間が発生していないという事だ

    145 = 1 :

    古泉(ほら…大丈夫なんですよ)

    彼に聞かせるように、心で呟いた

    もちろん、彼は何も知らないのだろう

    いつもならこういう時に…

    こちらに向くかもしれない関心が…今は全部、他の場所に向かってしまっている

    古泉(まあ…仕方ないですよね)

    ハルヒ「はぁ…仕方ないわよね」

    空を見ていた彼女がいきなり口を開く

    6つの目が、一斉に彼女に向けられる

    147 = 1 :

    ハルヒ「用事なら仕方ないわよね。一人欠席したけど…あ、変わりに妹ちゃんを呼べばいいのよ」

    古泉「…それはいいですね。せっかくのクリスマスなんですから、大勢の方がいいですよね」
    合わせるように…彼女に言葉を返す


    ハルヒ「そうよね…あ! ついでだから国木田君や谷口辺りも誘ってみようかしら?」

    長門「…それがいい」

    朝比奈「みんな集まったら、それはそれで楽しそうですね」

    古泉「元々、彼と妹さんも誘うつもりでしたからね」

    ハルヒ「そっか、妹ちゃんには後で電話して…他の人間には明日声をかけて……」

    149 = 1 :

    古泉(…何だかんだで、涼宮さんは彼がいなくても大丈夫なようですね)

    古泉(まあ、本当の所はわかりませんけど…ね)

    SOS団の部室はちょっとした盛り上がりを見せていた

    一つだけあいたイスが、なんだか別世界の物のように思えた

    彼女達が今何を思って、何を話しているか…

    今の彼には…あまり関係の無い事なのでしょう

    150 = 1 :

    デパート キョン

    キョン「ふぅ…最近はここに来てばっかだな」

    先日も、クリスマス会のプレゼントため、何度かここには来ていた

    そのため色んなお店は見ていたのだが…

    キョン「SOS団から、いきなり涼子だもんな…さて、何にするかな…」

    ファンシーショップ、洋服、靴、小物…

    今まで見たお店を見返してみても、いまいちピンと来ない


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