元スレ朝倉「ただ月が綺麗だったから…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
51 = 1 :
教室に戻る途中…俺は友人2人の背中を見ながら歩いていた
キョン(多分、踏み込んだ相談なんかは、しないんだろうな…友情とは、また別の問題のような気がするよ)
彼らはいい友人だ
でも、涼子の事は…俺が自分できっちり解決しないといけない
今の俺は、そんな風に考えているんだろう
キョン(自分でも気持ちがどう向かってるか…よくわからないが、な)
…そんな事を考えながら歩いていると、ポケットの中の携帯が小さく震えている
そう言えば涼子からのメールを返してなかった事に気付く
キョン(朝倉と…知らないアドレス?誰からだ?)
佐々木『朝倉さんからアドレス聞いたよ。僕を覚えてるかな? 佐々木だよ。また話せて嬉しいよ…』
キョン(…佐々木!)
佐々木『彼女は授業中、ずっと携帯を気にしてそわそわしているよ。その可愛らしい姿を君に見せられなくて残念だよ』
キョン(涼子…普段はそんな様子なのか…)
そんな事を考えながらも、返信をする
…挨拶と無難な言葉を切り詰めて、送信、と
52 = 4 :
キョンはSOS団に入ってるの?
53 = 1 :
キョン(…佐々木か。本当に久しぶりだな…彼女は彼女で、今どうしてるんだろうな)
頭に浮かんだ佐々木の姿は、昔の頃の姿で俺の脳裏に映し出される
佐々木…ほんの少しだけ、彼女の事を考えてしまった
キョン(…いや、今は必要以上に考える事もないか。どうせ彼女とは会わないんだ。今は…佐々木も遠くにいるんだから)
今の俺には、なんだかそれだけでも罪のような気がしてならなかった
それくらい、今は涼子の事が好きだった
国木田「…どうかした、キョン?」
キョン「いや、何でもないさ」
谷口「早く教室に戻ろうぜ」
友人達に促されながら…俺は教室に入る
座って落ち着いたら…今度は、涼子にメールを返していた
54 = 1 :
>>52
はい、普段通り活動してます
触りとなるイベント(部員の正体告白やら)も普通に起こっている前提です
あくまで、朝倉さんと付き合う描写を抜き出してるだけです
同時刻、佐々木
座りながら…窓の向こうを見ている
とてもきれいな風…花…空…
佐々木(いい天気だね…)
午後のひと時、のんびりとした時間を過ごすのが彼女は好きだった
いつものように、空を見つめていると…
佐々木「ん…」
いつの間にか、携帯に光が点滅している…電話に連絡が入った証拠だった
何となく、彼からの返事だというのがわかる
キョン『久しぶりだな、元気だったか?朝倉と同じ学校だったとは驚きだ。いつでもメールしてくれ。授業だから、またな』
佐々木(くつくつ…とても無難な、普通のメール)
今は…そのメールだけでよかった
55 = 1 :
静かに携帯を閉じる…彼から別れの挨拶を書かれてる様子だと、会話は弾みそうにないみたいだ
佐々木「ふう……」
携帯をしまった私は…今度は、空の雲ではなく、少し離れた席にいる朝倉涼子を観察する
先ほどメールに書いたように…携帯を気にしてそわそわしている
そこから2~3分もすると…一心に画面を見つめ出した
多分、彼からの返事が来たんだろう
佐々木(くつくつ…分かりやすすぎだよ。キョンからのメール…2人は本当に好きあってるんだね)
56 = 1 :
笑う、自分の中にある気持ち…
本当は…自分がメールをしたい感情…それを抑えながら、私はまた窓の外を見た
目の前には青空が広がっている
夏とは少し違う光の太陽…
そのまま授業の開始まで、ずっと外を見ていた
57 :
谷口イケメンでワロタ
続けてくれ
58 :
なんかこのSSどこかで読んだことあるような…
>>1前にも立てた?
59 = 1 :
>>58
国木田「お互いに嘘を言いあって付き合って、幸せなのかな…」
を、書かせていただきました
放課後
佐々木「朝倉さん、よかったら一緒に帰らない?」
1人の登下校は味気ない…だから彼女に声をかけてみる
朝倉「あ、ごめーん。私今日バイトなのよ」
佐々木「そう言えば、アルバイトをしていたんだね。キョンのためかい?」
我ながら、なんだがバカみたいな質問だ
朝倉「うん。月に一回だけど遠くまで行くから…どうしてもお金が、ね」
彼女はサラリと答えた。その様子が…やっぱり自分には…
佐々木「それなら仕方ないね。どこでバイトを?」
朝倉「家の近くのコンビニよ。時間ギリギリだから、いつも学校から直接行くのよね…」
佐々木「そう…じゃあ、バイト先までご一緒するよ。迷惑かな?」
60 :
>>59
おーマジか書いてるとこに出会えて幸せ
61 = 1 :
朝倉「迷惑なんて事はないわよ! こっちこそ、付き合ってもらうのは何だか悪いわ…」
佐々木「…気にしないでいいよ。一人で帰るのも寂しいからね。ほら、急がないと遅れるよ?」
朝倉「そうね…じゃあ、いきましょうか」
―バイト先
佐々木「へえ…ここのコンビニなんだね」
学校からは少し離れた場所にあるコンビニ
そこが彼女の働き場所だった
朝倉「すぐに入れるお店を探してたら、ここがね。お客さんが少ないから結構楽なのよ」
佐々木「くつくつ…暇でも時給は変わらないものね」
62 = 1 :
>>60
ありがとうございます
向こうとは設定が微妙に違いますが…(朝倉さんと付き合った時期やら、引っ越し時期やら)
色々ご愛敬という事でお付き合い下さい
朝倉「従業員も私一人の時があるし、あまりお客さん来ないから…本当暇なのよね」
佐々木「くつくつ…そんなに退屈なら遊びに来るよ」
朝倉「え、来てくれるの?」
佐々木「買い物ついでに、ね。お店に迷惑にならない程度に雑談して帰るよ」
朝倉「…それも楽しいかもしれないわね。じゃあ、私行くから。送ってくれてありがとう」
佐々木「どういたしまして。今日は私も帰るよ、また明日学校で」
朝倉「うん! いつか遊びに来てね」
63 = 1 :
同日…夜中 キョン
―ピリリリリ
…涼子からのメールだ
真面目に宿題をしていた手が止まる
彼女と勉強…優先順位は比べるまでもない
朝倉『今何してる?私はバイト中で頑張ってるよ♪』
バイト…ああ、そう言えばそんな事を言っていたな
確かコンビニだったか
働いてお金を稼げる彼女が少し羨ましかった
キョン『頑張ってるなら、メールなんてするなよ』
笑う絵文字をつけながら、彼女に返信する
バイト中とはいえ、暇な時間があるらしく…メールはすぐに返ってきた
64 = 1 :
朝倉『キョンとメールしないと頑張れないもん。メール来るだけで安心する…』
お互い連絡ができる時は話していたい…そういう気持ちは、俺もわかる
朝倉『…ねえ、次はいつ会おっか? やっぱりテストの後になっちゃうかな…?』
10月にはお互いテストがある
これが終わるまでは、安心して出かける事は出来ない
キョン『それくらい…かな。ちょっと遠いけど、今は時期が悪いからな』
朝倉『うん…それまで私頑張るよ。キョンも色々あると思うけど、頑張ってね?』
キョン『ああ、俺も涼子といれば…頑張れるよ』
朝倉『えへへ、嬉しいな…あ、そろそろ、ちょっとだけ忙しい時間だから…また終わったら返事するね?』
…何往復か、彼女とのメールのやり取りを終える
少し待っても、今の時間にはもう返事は来ない
よくわからない気持ちが込み上げてきた
多分これが、寂しいという事なんだろう
65 = 1 :
10月 土曜日
憂鬱だったテストも終わり、俺たち2人は…また同じ駅に立っていた
朝倉「キョン…会いたかったよ…」
およそ2ヶ月ぶりに見る彼女は…なんだか少し綺麗になっていた気がした
キョン「ああ、久しぶり…長かったな、今日まで」
朝倉「うん…1日1日がすごく遅く感じて…ずっとキョンの事ばかり考えてた…」
潤んだ瞳を見ると、キュンとしてしまう
66 = 1 :
キョン「ああ…俺も寂しかったよ。今日は時間もあるんだから、2人でゆっくりしよう、な?」
会う時間を増やすために、今回は早くに家を出る約束をしていた
今はまだ朝の9時過ぎだ
以前会った時はこれくらいの時間に出発していたのだが…時間が短かったので、早起き作戦に切り替えたわけだ
朝倉「うん! 今日はね、行きたい場所があるんだ」
キョン「行きたい場所?」
朝倉「うん。前みたいに歩き回るのもいいんだけど…やっぱり2人でゆっくりしたいな、って」
キョン「ふむ…」
朝倉「それで…カラオケならゆっくり座れるからいいかなって思って…」
キョン「確かに、安くて長くいられるな」
67 = 1 :
朝倉「ずっと歩くよりいいでしょ?だから、ちょっと散歩したらカラオケに入らない?」
キョン「そうだな…そうするか」
朝倉「決まりね♪」
彼女が笑うだけで…笑顔一つだけでこんなにも幸せになれる
差し出した手を何の迷いもなく握ってくれる彼女
朝の街を、俺たちは静かに歩き出す
2人で、ただのんびりと
68 = 1 :
お昼過ぎ カラオケ
軽い散歩と昼食を済ませ、俺たちはカラオケに入っていた
駅の近くにある、いたって普通のカラオケ屋だ
朝倉「ふぅ…落ち着いたね」
キョン「ああ、何か歌うか?」
彼女はススッ、と俺の隣に近付いてくる
朝倉「ううん…くっついてたい…」
キュッ、と…俺の首もとに抱きついてくる
久しぶりのぬくもり…女性から感じる暖かさ
俺も黙ったまま、涼子を抱き返す
朝倉「あったかい…キョン…」
70 :
おはようございます
支援
71 :
紫煙
73 :
「キョン、名前で呼びやがれなのですぅ」
75 :
デジャブ
77 = 1 :
キョン「涼子だって、あたたかい。いい匂いだ…」
朝倉「もう…ホント匂いと髪の毛好きよね」
涼子は呆れたように優しく笑う
キョン「涼子だから好きなんだよ。涼子の全部が好きだ…」
朝倉「…バカキョン」
どこかで誰かから聞いたようなセリフ
でも今はそんな事を考える暇などなかった
キョン「本当に好きなんだ…」
朝倉「うん……」
朝倉「…」
キョン「…」
長い沈黙
抱き合ったまま、2人動かない
78 = 60 :
>>77
おかえりー
79 :
ハルヒのハの字もでてこねぇのか
80 = 1 :
空間が止まったような感覚
彼女の言葉で、時間が動き出す
朝倉「ねえ、キョン…」
キョン「ん、なんだ?」
朝倉「…ス……」
キョン「ん…」
朝倉「キス…したい…」
キョン「…!」
朝倉「したいの…ダメ…?」
キョン「い、いやダメなんかじゃないぞ。いきなりで驚いただけだ…」
朝倉「じゃあ…勝手に奪って…私、目とじてるから…」
彼女の姿勢は抱きついたままだ
81 :
前に読んだのは朝倉のいる地域の大学に行ってなんたらかんたらという感じだったかな
82 = 1 :
保守ありがとうです
体勢を直し、見つめる
目を瞑ったままの姿は…何だか妙に色っぽかった
…グイッ、と肩を掴み彼女の顔を見つめる
もう俺の目には唇しか見えていない
ゆっくりと…お互いの唇を近づけていく
3センチ…2センチ…1センチ…
チュッ
朝倉「ん…」
彼女が小さく声を漏らす
それと同時に、ギュッと手を握ってくれる
83 = 1 :
>>81
前回はハルヒメイン…今回は朝倉メインなんで、その時に省略した、高校時代と思っていただければ
数秒間、俺たちの唇は同じ場所にあった
でも次の瞬間
朝倉(……)ペロッ
キョン(……!)
彼女の舌が俺の唇に入ってくる
初めての体験、初めての興奮
つられて俺も舌を出し、彼女の舌を舐めるように這わせる
朝倉「ん…ふっ…」
彼女の小さな吐息が溢れてくる
…止まらない
84 = 1 :
朝倉「ん…ふ……」
朝倉「ふぁ……」
涼子の舌を夢中で舐めてる
味などはないが、えらく官能的なのだけはわかる
朝倉「…ぷはぁ……」
彼女が唇を離す
少し長い初キス…彼女の顔は真っ赤だった
朝倉「えっち…」
キョン「すまん、つい興奮して…」
先に舌を入れられたら、興奮するなという方が無理だ
朝倉「えへへ…でもキスできて嬉しいな…大事なファーストキスだもん、キョンでよかった」
キョン「ああ…俺もだ。なあ涼子、もう一回…」
朝倉「うん…次はもっと長くして…」
その言葉だけで、俺はもう…ただの思春期の男の子だ…
残りの数時間は、ただひたすら唇を合わせ、涼子とくっついていた記憶しかない
86 = 1 :
別れの時間はやって来るもので…黄昏時には、俺たちはまた駅にいた
時間よ止まれ、と歌ってる歌詞の気持ちと重さが…今なら少しわかる気がする
朝倉「また…離れちゃうね」
キョン「そうだな…」
朝倉「ねえ…次はいつ会えるかな?」
彼女の目には涙
それを直視することができない
キョン「11月か…12月だな。大丈夫、すぐだよ、すぐ…」
自然と俺も涙が浮かんでくる
以前はそこまで悲しくなかったのに…なぜだろう
気持ちと寂しさが変な形に進化してしまったんだろうか?
朝倉「うん…あ、電車…来ちゃったね…」
駅に電車が到着する
ああ…またこいつか
87 = 1 :
朝倉「…今日はお別れだね…またメールで話そう?」
キョン「そうだな…」
俺たちはまた別々の電車に乗って、もとの街に帰っていく
ガラス越しに、彼女は手を振ってくれた
彼女は…笑顔だ
泣いて顔をクシャクシャにしながらも…彼女は笑ってくれている
俺もなるべく笑顔で手を振るようにした
だが…自分も電車の中でまた泣いてしまった
笑顔が作れない…自分は彼女より、少しだけ弱いみたいだ
―ガタン ガタン
電車が動き…どんどん彼女が遠くなる
もう彼女の姿は確認出来なくなっていた
涼子に会いたい
別れた瞬間から、もう会いたくなってしまった
電車は夕闇の中を、急ぐように走り出していた
88 = 1 :
夜 キョン宅
帰る頃には、すっかり遅く…0時近くになっていた
荷物を片付け、風呂に入り…寝る準備をする
明日は日曜日だ…何をして過ごそうか
涼子は明日バイトだそうだ
俺はSOS団の活動も明日は無く…一人で過ごす日曜日だった
キョン「涼子のいない休日、か……」
―ピリリリリ
就寝前のメールが来る
朝倉『明日お昼からバイトだから、そろそろ休むね。またすぐ会えるわよね。じゃあ、おやすみ』
…待ってくれ
おやすみ、の一言が胸をえぐるように響く
89 = 1 :
キョン「…俺をこのまま一人にしないでくれ」
キョン「涼子とメールできないと眠れないんだ」
急いで返信をする
でも…
キョン『そうだな、おやすみ。明日バイト頑張ってくれ』
寝ないでくれ、なんて言えない
メールしてくれ、なんて言えない
寂しくても、ワガママを押し付ける事は出来ない
今は彼女を休ませてあげる…それだけだ
それ以外は迷惑になってしまう
キョン「仕方ない、よな…俺も寝るか…」
90 = 1 :
時計は夜中の3時をさしている
あれからずっと布団に入りながら、泣いていた
キョン「なんでたよ…なんで…」
キョン「なんで涼子の事を考えるだけでこんなに眠れないんだ…」
キョン「しかもこの涙はなんだ…なんで泣いてるんだ……!」
会いたい
会いたい
キョン「…涼子に会いたい…抱きしめて欲しい、キスしたい…」
昨日感じた彼女のぬくもりを、思い出す
それだけで、身体中が痺れて…胸がギュッと締め付けられる気持ちになっていた
92 = 1 :
どれくらい布団の中で泣いただろう
時計の針は、はもう朝の6時をさしている
…ピリリリリ
そんな時に携帯が鳴る
キョン「…! 涼子…」
朝倉『おはよう。バイトはお昼からだったけど、起きちゃったわ。キョンはまだお寝坊さんよね?』
彼女からの返事…朝一番でメールをくれる
泣いていた、自分を慰めてくれる
キョン「涼子…」
名前を呟きながら、俺は布団から出た
93 = 1 :
10月後半…そろそろ朝が肌寒くなる時期だ
その寒い中、シャワーを浴びて身だしなみを整える
服を着替え、財布の残金を確認して…玄関を出る
キョン「…行くか」
朝焼けの中…駅に向かって歩いていく
…俺の頭の中の大事な部分は、歩けと命令をしている
涼子がいる街を目指して…俺の日曜日は始まった
94 = 1 :
朝7時近くには電車に乗っていた
日曜日の割に、早朝から出掛けてる人が意外と多い事に気付く
こうして電車に乗るのは昨日以来…彼女に会いに行くのも昨日以来だ
キョン(涼子…)
電車に揺られながら、返してなかったメールを作成する
キョン『おはよう。今日は俺も早起きだ。なんだか体が軽くてな。まあ適当に過ごすよ』
会いに行く、とはとても言えなかった
今日これから涼子に会う…なんだか、想像ができない
キョン(…とりあえず乗り換えの駅まで2時間程か)
電車の暖かさもあって、俺は居眠りをしてしまった
携帯は震えない
次に俺が気付いたのは、いつも涼子と集合場所にしていた駅に着いた時だった
95 = 1 :
―乗り換え駅
昨日はここに、朝倉といた…そう思うと不思議なものだ
路線を調べてみると…この駅から1時間移動した後にまた乗り換えて…
そこから更に1時間電車に乗ると、涼子のいる街に着くようだ
つむり『A-B-C-D』と、4つの駅を経由して…地元のA駅から、涼子のいるD駅まで行けるわけだ
電車を待つ時間も考えると…ここからでは、およそ3時間かかる
でも、、今の俺には遠い距離だとは思わなかった
3時間すれば涼子に会える…涼子がいる街に行けるんだ
俺はまた電車に乗る
ここからはまだ行ったことのない、未知の領域だ
電車がゆっくりと走り出す
96 = 1 :
駅の周りや、出発してすぐには、ビルや住宅街が見えてたものの…
少し走ると…一気に緑が広る景色に変わった
線路の脇には田んぼや畑
国道や陸橋も途中見えたが、やはり少し走るとまた田畑が広がる景色になった
キョン(少し都心を外れると、もう田舎なんだな…周りに何も無いや)
のんびりとした景観をボーッと見つめながら…電車は進んで行く
97 = 1 :
知らない景色というのは、慣れてない分時間を長く感じてしまう
今はそれがもどかしくて…焦ってしまう
キョン(急げるわけでもないし…仕方ないか)
俺はまた、ゆっくりと目をとじて眠りについた
98 = 1 :
―1時間後
電車を降りて、駅に出る
2つ目の乗り換えの駅だ
キョン「ここはもう、全く知らない駅だからな…少し不安でもあるな」
とりあえず、涼子のいる街へ行く電車に乗らなければ…
路線がいくつかあったが、涼子から聞いた事のある街の名前が案内に書かれていたため…迷いはしなかった
ただ、その看板を探すのに手間取って電車を一本逃してしまったが…
キョン「…次は40分後か。少し間隔が開くな」
この駅も、少し乗り換えは悪いようだ
99 = 1 :
ふうっ、とベンチに座り携帯を取り出す
涼子からメールが来ていた
朝倉『おはよ。早起きさんだったんだ♪二度寝しちゃった私とは大違いね…今からバイト、行ってくるわね!』
時計は11時過ぎ…あと30分か、長いな
キョン『ああ、気をつけていってらっしゃい。終わったらまたメールしてくれ』
逆に言葉が浮かばない
…30分後、俺はまた電車に乗っていた
これで涼子のいる街まで行ける…
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