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元スレ阿良々木「みんなが僕のことを好きだって?」
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目的地というか、目的人は我が可愛い後輩にして自他共に認めるエロ娘こと、神原駿河。
さっき戦場ヶ原と出会った時に言われたのだけれど、
最近神原と会う機会がなかったから、寂しがっているのだそうだ。
当然悪い気はしないけれど、しかし相変わらず無駄に仲が良いよな、
この頃のヴァルハラコンビ。
そのうちあそこで百合カップルが成立し、
僕の方が邪魔者みたいな扱いをされかねない。
………笑えねえー。
まあそんなわけで、戦場ヶ原の情報によると休日のこの時間はランニングをしているらしい神原を探して、
ふらふらと町中を走っているという結論に辿り着くわけである。
神原はもう携帯電話を持っているのだから、
会うんだったら電話をすれば早い話なのだけれど、
それはそれ、なんとなく宝探しみたいで面白い程度の理由。
……要するに、暇なのだ。
「しっかし、神原ねぇ……」
あいつ、毎朝10キロ走ってるとか言ってたしな。
普通に考えて、神原の家から半径5キロ以内にいるということだが、
この狭い町じゃ、5キロはなかなかの距離である。
とりあえず神原の家に向かってみるかと方向を見定めたところで。
「うん?」
ポケットに入れていた携帯電話が振動した。
取り出してみると、液晶画面に表示されていた名前は。
「……千石?」
千石撫子。
月火の友達。
僕の妹的存在。
極度の人見知りの前髪っ娘。
そして――蛇に巻かれた少女。
まだ中学生の千石は携帯電話を持っていないので、自宅からの発信である。
うちみたいな田舎町では、携帯電話を持つのは高校生になってからと相場が決まっているのだ。
もっとも僕の二人の妹は、私立中学に通っているということもあるが、
なによりその突飛なファイヤーシスターズ的活動の危険度から、
首輪の鈴のような意味合いで持たされているのだけれど、
しかし実態は悪い方向にしか作用していない気がする。
ファイヤーシスターズが得る情報を増やすのは、
更なる危険以外のなんでもない。
なにはともあれ、千石である。
蛇の一件以来、僕と千石は、こうしてたまに連絡を取り合うような仲になっていた。
僕は自転車を停めると、電話に応じる。
「はい、もしも「もっ! もひもひ暦お兄ひゃん!? 千石撫子れすっ!」
「……………」
「………、ひぅ……っ!」
噛み噛みだった。
八九寺なんか目じゃない噛み方だ。
しかもこっちが返事する前に言葉を被せてきた。
どれだけ力一杯電話しているのだ、と思う。
これじゃあまるで、好きな人に電話をするのに、
電話の前で1時間くらい、コールしようかしまいか、したらなんと言おうか考えて考えて、
その末になんとか電話したのはいいものの相手の声が聞こえて舞い上がってしまい、
結局用意していた気の効いた挨拶もなにもなく、
大きな声でなんの代わり映えもしない決まり文句を言ったのだけれど、
それすら噛んでしまった恋する乙女みたいじゃないか。
いや、まあ、僕と千石に限ってそんなことはあり得ないのは、百も承知なのだけれど。
あの引っ込み思案な千石のことだ、元々電話は苦手とかそんなところだろう。
前から電話の時はこんな感じだったしな。
相手が僕でよかったな、千石。
これで相手がクラスの男子だったら、勘違いさせてしまうこともあるかもしれないし、
まあ、そんなことにならないようにこうして僕が練習台になってあげられているのならば、
兄的存在としては冥利に尽きる。
「ああ、僕だけど。どうしたんだ、千石?」
自らを落ち着かせるためだろう、
受話器のスピーカーの向こうで深呼吸をしている雰囲気が伝わってきた。
電話くらいでこれだもん、まったく初々しいなぁ。
「あ、うん。暦お兄ちゃん、あのね」
千石は、自らを鼓舞するように小さく掛け声をかけて。
「あのね、暦お兄ちゃん。撫子、今日、暇なの!」
「…………ふうん」
自らに今日、これといった予定がないということを、宣言した。
だからどうしたのだろうと、とりあえずリアクションは相づちをうつに留めたところ、
千石はちょっと落ち込んだみたいな声色になって続けた。
「……暦お兄ちゃんは、今日、なにか用事ある?」
「いや、これといってはないけれど」
というか家を飛び出して、暇をしていたところだ。
「だ、だったら、よかったらなんだけど、撫子と遊ぼう?
ううん、暦お兄ちゃんは今日、撫子と遊ぶ以外にないんだよ」
そっかぁ、遊ぶしかないのかぁ、と変に納得してしまった。
相変わらずの消去法主義である。
しかし、なんだかその消去法の使い方が、以前より積極性を帯びてきているような気がした。
前までは今回のように、他人の行動について消去法で呼びかけるみたいなやり方は、
あまりしなかったように思う。
対人恐怖症の千石が、少しずつだけれどそうやって積極的になっていくのは、
兄的存在としては素直に喜ばしいことだ。
「まあ、僕はいいんだけれど……」
問題は、月火だ。
千石は元々月火の友達であり、その千石が遊ぼうと誘ってきたからには、
『ららちゃんと遊びたいのだけれど、ついでに暦お兄ちゃんも一緒にどう?』
というニュアンスが、言わずとも含まれて然るべきである。
まさか千石が、友達の兄単体と積極的に遊びたがるわけもない。
だが、僕は今、その月火(と火憐)から逃げ出したからこそ、
暇を持て余しているのであった。
「月火ちゃんはちょっと……えー、忙しいみたいなんだよ。
だから遊ぶとしたって、僕一人になっちゃうのだけれど」
「い、いいよ。撫子、暦お兄ちゃんと二人っきりでいい。むしろ都合がいいくらいだよ」
……僕に気を遣って、友達と遊べないことを都合がいいだなんて言わせてしまった。
うわあ、なんか罪悪感。
「甲斐性なしの兄的存在でごめんな、千石……」
「かっ……甲斐性? え、えっと、男の人が異性に甲斐性の話をするのって、つまり……」
なぜか慌てた声。
「う、ううん、大丈夫だよ暦お兄ちゃん!
その、式は別に無理してしなくてもいいし、そうだ、撫子もパートとかするから……
だって撫子は、暦お兄ちゃんと一緒にいられるだけで、し、幸せだよ!」
なんだかこちらが思っていた以上に気を遣わせてしまっていたようで、
場を和ませようと慣れない冗談を言って顔を赤くしている千石の様子まで浮かんでくる。
……不甲斐ない限りだった。
それにしてもどうしてだろう、そんなことは絶対にあり得ないのに、
実はこの会話が録音されていて、
後々自分の首を絞めかねない重要なポイントになるかもしれないなんて、
失礼極まりない気分になった。
徐々に包囲網を狭められている錯覚。
そんなこと、本当に絶対、100%、あり得ないのは分かってあるのに。
特に千石相手の時に、そんな妄想は本当にナンセンスだ。
変に息苦しいのはきっと、千石は僕の周囲にいる人間の中では珍しく女の子女の子しているタイプだから、うっかり変なことを言って嫌われたりしないよう、少なからず緊張しているせいなのだろう。
あっはっは、ダメなやつだなあ、僕は。
「よし。とにかく、千石が僕だけでもいいんならいいぜ、遊ぼう。
どうする、どこか出かけようか?」
「あ……撫子の家、今日、お父さんもお母さんもいないの」
「そっか、千石のところも共働きだったな」
「うん。だから撫子、お留守番してなくちゃいけなくて、だから……」
なるほど。
遊びに誘われた理由が分かった、一人で留守番をするのが寂しかったのか。
そういうところはやっぱりうちの馬鹿妹二人と違って、中学生相応な感じが可愛らしい。
「あー、じゃあ、千石の家にお邪魔させてもらっていいかな?」
「う、うん。撫子の家で遊ぼう。撫子の家で遊ぶ以外にないんだよ」
「今のケースの場合、本当に千石が家を留守に出来ないのだから、確かにそれ以外にないな」
もはや消去法でもなんでもないただの事実確認だった。
千石の方にも都合というものがあるだろうから、
昼辺りに千石家にお邪魔させてもらう約束を取り付けて、電話を切った僕は。
丁度タイミングよく、後方から、
たったったっ……という小気味のいいリズムが耳に忍び込んでくるのを感じた。
携帯をポケットにしまい、振り返る。
そこには、健康的な肌を剥き出しにする、タンクトップとショートパンツという格好で、こちらに向かって走ってくる神原の姿があった。
神原駿河。
バスケットボール部の元エース。
そして――猿に願った少女。
「おーい、神原!」
神原は僕の姿を見つけると、あっという間に僕の前まで走ってくると、
まるでちょっと水溜まりを避けるみたいな気軽さで僕の頭上を飛び込し
(決して僕の背が低いわけではなく、神原駿河の尋常じゃないジャンプ力のおかげだ。
僕の身長は決して低くない。決してだ!)、
着地を済ませると爽やかに笑った。
「ふぅ……おはよう、阿良々木先輩。
いやあ、朝から敬愛する阿良々木先輩に会えるとは、
神の偶然は私になんという幸運を与えてくれたのだろうか。
いや、違うな。私にとっての神は即ち阿良々木先輩なのだから、
阿良々木先輩のもたらすすべての行為、偶然、そしてその結果は
私にとって感服しうる奇跡と成るのだ!」
「…………おはよう、神原」
出会って早々、訳が分からない誉め殺しトークが爆発した。
猿の一件で出会った時から、無闇矢鱈に僕に絶大な信託を寄せる神原だけれど、
相変わらず僕はこの神原のスタンスに慣れることができない。
謂われのない敬意。
身に余る尊敬。
当然、悪い気分ではないのだけれど。
だけどやっぱり、たまにはフィフティフィフティの関係でありたいという願望も、持ってしまうのだ。
ところでそれはさておき神原駿河、
あんなペースで走ってきて更に僕を飛び越す大ジャンプまでしたというのに、
まったく息が乱れていなかった。
僕のような帰宅部にしてみれば恐るべきスピードだったのだけれど、
ともすれば自動車と並走したっておかしくない神原のことだ、
あの程度の速度は慣らしなのだろう。
しかもあのまま、あるいは更にスピードアップして10キロマラソン。
信じられねえ。
長距離走は苦手とかいう初期設定はどこにいったんだと言いたい。
つーか自分を鍛えるのが好きって点、
それに関して言えば火憐の方が一枚上手かと思ったけれど、
やっぱり神原も負けちゃいなかった。
毎朝夜、苦手なはずのマラソンをするとか、M格好良いよ。
「それで阿良々木先輩はどうしたのだ?
今日は日曜日だから、こんな朝から外に出ても、
ランドセルを背負った可愛い女子小学生を視姦することは叶わないぞ」
「本当にいい笑顔で何を言ってやがる!
僕にそんな趣味はないし、そんな趣味をした知り合いも皆無だ!
なによりもし仮にあったとしたって視姦という言葉を使うな!」
「え……私のライフワークの一つなのだが」
「そうだった!」
「そのためにほら、飴ちゃんは常備している」
「そのためって何のためだ、手懐ける気満々じゃねえか!」
「てっ、手懐けるなんてとんでもない!
その程度でこの私の幼女に対する愛よ……愛情が収まるか!」
「ギリギリ愛欲と言わなかった理性は誉めてやるけれど、頼むから誘拐とか止めてくれよな!」
「もし私が捕まったら、テレビの取材に対して『あいつはいつかやると思っていましたよ』と答える役を頼んでいいか、阿良々木先輩」
「M格好良いってレベルじゃねーぞ!」
世間的に死ぬことすら快感に変えるのか。怖すぎる。
原作知らないんだけど、M格好良いってなんて言うの?
まじ格好良い?
まぞ格好良い?
まじ格好良い?
まぞ格好良い?
>>177
マゾかっこいい
マゾかっこいい
「まあ冗談は置いておくとして」
「ちょっと待て、神原。
どこから冗談なのかでこれからのお前に対する僕の接し方が変わるぞ」
僕の言葉に、神原は何でもないことのように即答する。
「そんなの、『もし私が捕まったら』のくだりの、
『答える役を頼んでいいか、阿良々木先輩』の
『阿良々木先輩』の部分が冗談に決まっているだろう」
「なんの解決にもなってねえ!
それはただ、その台詞を言うように頼む相手が僕じゃなくなるだけだ!」
もう最低だ。
結局何か間違いを犯すことは前提なんじゃねえか。
ろくな話じゃねえ。
「……ふむ。少し冗談が過ぎてしまったな」
神原はちょっと反省したようにそう言葉を落とすと、
爽やかに微笑んだ。
「安心してくれ、阿良々木先輩。
真面目に言えば、私の『やあ、阿良々木先輩。奇遇だな』という台詞からが冗談だ」
「……うん? 神原、お前、今日そんなこと言ってたっけ?」
「いや、今日の台詞ではない。
かなり前の……そうだな、具体的に言えばの化物語(上)の261ページ上段5行目の台詞だ」
「それシリーズ通してのお前の初登場時の台詞じゃねえか!
そこからすべてが冗談だったのかよっ!?」
神原駿河の存在そのものが冗談だった。
いやまあ、何かと冗談みたいなスペックのやつではあるけれど。
なんてことだ、今日は散々「存在がフィクション」と八九寺に言われていたが、
まさか本当にそのような人物が存在しようとは。
ふふ、と、そこで神原は笑みを漏らす。
「まったく相変わらずノリがいい。
阿良々木先輩との会話があまりにも楽しいものだから、
ついつい遊んでしまった。
さすがは阿良々木先輩、会話にノらせたら当代無双と言われるだけある」
「いや、そんなこと言われたことねえし、
言われても全然嬉しくねえ……」
そんなやり取りをしながら、神原は何気ない動きで、
左手で自分の肩をちょっとだけ触った。
嫌でも目に入るのは、鮮烈な白。
神原。
神原駿河の、左腕。
百合で腐女子でネコで受けでロリコンで露出狂でマゾで欲求不満を自称する彼女の左腕は、
かつて怪異絡みの厄介事に巻き込まれた際の後遺症で、
包帯でぐるぐる巻きにされている。
その下には更に――レイニー・デヴィル、猿の手が。
神原は、僕らのように怪異に関わった人間の末路として、
体にその一部に残しているレアケースだ。
戦場ヶ原と千石、それに火憐はしっかりと離別しているし、
八九寺は浮遊霊へと二階級特進。
月火は実際微妙なところだけれど、少なくとも祓った末に後遺症が残っているわけではない。
……とは言いつつも、少なくとも僕が知る中で残り3人、
神原と同様の状態の人間がいる。
阿良々木暦は――血液に吸血鬼のそれが含まれ。
神原駿河は――左腕に猿を宿し。
羽川翼は――精神に猫を飼っている。
違いがあるとしたら、神原と羽川は成人を迎えるまでには怪異と別れを告げることが出来るが、
僕は一生、死ぬまで――それこそ八九寺の言うように、
下手に不老不死性なんかが残っていたら、永遠に吸血鬼だ。
まあ、それは、僕が背負うべきだと納得している罪なのだから、いいのだけれど。
とにかくそんな神原だから、僕としては、怪異と関わってからの彼女の経過を、
ある意味一番気にかけている人物でもあるのだ。
勿論、神原は僕程度に心配されるような柔な人間ではないのは言うまでもないのだけれど、
怪異を身に宿す人間としてなんとなく親近感に近いものを感じているのも確かなのである。
羽川は障り猫の性質上、怪異の記憶をしっかりと保有出来ているわけではないし。
閑話……で済ませていいような軽い話ではなかったけれど、とにかく閑話休題。
「そういや神原、今日もポニーテイルなんだな」
「ああ、うむ。やっぱり走るときはこうしているのが一番楽なのだ」
出会った当初は僕よりも短いくらいだった神原の髪は、
しかし猿の手の件が終わってから伸ばし始め、
夏休みには短い二つ結びみたいにしていて、男勝りな口調とのギャップでたまらない可愛さを持っていたのだけれど、
最近は更に長くなってきたのか後頭部で一つに纏めていることが多い。
先が首にも届かないような短いポニーテイルは、
正直、なんだか以前の二つ結びよりも余計に幼く見えて、
僕の中で神原駿河はギャップ萌えキャラの地位を着々と確立しようとしていた。
「私のような者がこのような髪型をするのは、やはり変だろうか……?」
「いや、何言ってんだ、かなり似合ってるよ。
お前、元々が可愛い顔しているんだからさ、どんどん女の子っぽくしてけばいい」
「そうか……よかった」
神原はちょっと照れくさそうにポニーテイルを触り、はにかんで続けた。
「いや、阿良々木先輩が買うエロ本の表紙は大抵、ポニーテイルの女性の写真だからな。
参考にしたのだ。気に入ってもらえてよかった!」
「……………なっ!?」
一瞬、言葉が出なかった。
「お、おおお前、なんでそんなことを知ってんだ!?」
「ふふ、阿良々木先輩はいつも決まって、ご家族が寝静まってからエロ本を買いに行くのだな。
最近買った一番新しいのは女子校生モノ。
ちょっと前に試しで買った人妻モノはあまりヒットしなかったのか、
二度と手を出さなくなった。
むしろ書店で人妻モノの本を見かける度に睨み付けるくらいなのだ、
よっぽどのハズレを引いてしまったようだな」
全部筒抜けだった。
後輩の女子に、夜のオカズどころかエロ本を選ぶ時の挙動の一つさえ筒抜けだった。
もう嫌だ。
……もう嫌だ!
「神原……なんで……」
「奇宇壮大な人柄で有名な阿良々木先輩ともあろう人が、
まさか忘れたわけではあるまい――私は最初からストーカーキャラだぞ!」
「わざわざ『ダッシュ』まで使って格好良さげに言って胸を張るな!
しかも確かにそうだったけれど、別にそこは全然メインのパーソナルじゃなかっただろ!」
つーか全然気付かなかった。
まさか尾行されていただなんて。
そこで、にやりと。
神原、実に嫌な、意地悪な笑みを浮かべた。
神原が戦場ヶ原と再び仲良くなってから、彼女がデレるまでの間に戦場ヶ原(旧)から受け取ったスキル。
対阿良々木暦いじめっ子に特有の、本当にうんざりとする笑みだった。
さすがはタダではデレない戦場ヶ原ひたぎ。
いい迷惑である。
火憐には絶対に受け継がせないで欲しい。
「さあ、阿良々木先輩」
神原は、言う。
「後輩に性生活を把握された憐れな阿良々木先輩。
今すぐここで、自らがエロ本で重視している点でも叫んでしまわないと、
最近買ったエロ本リスト(日付や自慰行為のスケジュール付き)が校内に出回ることになるぞ?」
……やり方が陰湿だった。
まんま初期の戦場ヶ原だ。
本当、ろくな話じゃねえ。
「くっ………」
だが僕は、その程度の脅しには屈しない!
戦い抜いてみせる!
忍野「バイバイさるさん。古くからVIPに伝わる妖怪だよ」
暦「また……猿か」
忍野「と、言っても。エロっ娘ちゃんの時は、正確には猿じゃなくて悪魔だったけどね。
はっはぁ!するがデビルって感じかな」
忍野「でも今度は正真正銘、猿の怪異さ」
暦「で、そいつを退治するにはどうしたらいい?」
忍野「退治だなんて、阿良々木くんは物騒な事を言うなぁ、何か良いことでもあったのかい?
暦「茶化すなよ」
忍野「わかったわかった。じゃあ簡潔に述べるよ。さるさんを祓うにはこう言うだけで良い」
暦「へぇ、なんだか口裂け女みたいだな」
忍野「口裂け女は『ポマード』だったけど、さるさんの場合はこうさ」
忍野「支援」
さるってたのかww
支援
おもしろいのになんでこんな過疎ってんだろうな
支援
おもしろいのになんでこんな過疎ってんだろうな
「そうだ、戦場ヶ原先輩にもバラしてしまおう。
戦場ヶ原先輩はああ見えて、ある意味私以上に阿良々木先輩を神格視しているからな、
以前ならまだしも、今の戦場ヶ原先輩がこれを知ったら
少なからずショックを受けて涙を流すことになるだろう」
「素人の投稿ページが特にエロいッ!!!」
日曜日の午前。
後輩の女子に散々いじめられて、住宅地でエロ本の好きなポイントを叫ぶ男子高校生の姿が、そこにはあった。
……僕じゃないと信じたい。
僕だけれど。
僕だよ。
くそう……。
「あっはっは、さすがは起居挙動の一つひとつでさえ余すことない雄大さな満ちた阿良々木先輩、
エロ本の好きなところを叫ぶ姿さえ神々しい!」
「もうお前それ完っっっ璧に馬鹿にして言ってるだろ!?
大笑いじゃねえかっ!」
分かって欲しいのだけれど、旧戦場ヶ原や八九寺ならともかく、
神原にいじめられると僕は夢に出るくらいに凹むのだ。
千石も最近神原と仲が良いし、悪影響が伝播しまくりである。
もし仮に千石にいじめられるようなことがあったら、
多分、僕は立ち直れないで1週間は寝込む。
勘弁してください。
「しかし阿良々木先輩、昨日はわざわざ深夜に外出したのに、
コンビニにすら近寄らなかったな。エロ本を買いに出たのではなかったのか?」
「昨日もつけられてたのか!?
まったく気付かなかった、お前マジでストーカーの才能ありすぎだろ」
「いやあ……」
「誉めてない!」
なんで今更になって、こんなベタなギャグをやらなきゃならないんだ。
「夜道は危険だからな、私は尊敬する阿良々木先輩を、影ながら見守っているのだ」
「いや、こんな田舎町で、早々危険になんて出会わねえよ……」
入間人間の作品じゃあるまいし。
ていうかあの人の某作品はやたらめったら殺人が起こりすぎで、
正直、あんまり好きじゃないんだよな。
嘘だけど。
入間人間の電波女と青春男を友人がすすめてくるんだけど
まだ読んでないんだよな、おもしろいんだろうか
まだ読んでないんだよな、おもしろいんだろうか
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