私的良スレ書庫
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元スレ阿良々木「みんなが僕のことを好きだって?」
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「何を言うか、阿良々木先輩、危険はどこにでも潜んでいるぞ!
例えば深夜、全裸にコートを来た露出狂に襲われるかもしれないし、
あるいはその人が百合だからと安心しても阿良々木先輩個人に好意を抱いていたらそんなもの関係ないし、
他には雨合羽を着た悪魔に襲われたりとかするかもしれないではないか!」
「すべからくすべてお前のことじゃねえか!
つーか裸コートって、お前、何やってるんだよ!」
「頑張る駿河ちゃん!」
「頑張るところが無駄すぎる!」
つーかマジでやめろよ。
バスケットボール部の元エースだろうと、神原だってそれ以外は普通の女の子だ。
そんな痴女みたいなことをして、本当に取り返しのつかないことになったらどうするんだ。
「痴女って、阿良々木先輩、よしてくれ!」
「あ、そうだな、ごめん。女の子に名指しで言うような言葉ではなかった」
「照れるではないかっ!」
「……神原的には言われると嬉しい言葉なんだ、痴女って……」
がっくりと力が抜けた。
底無しすぎる。
どんだけだよ。
すいません、ちょっと休憩させてください
指がプルプルプルプルプルプルー♪してきた
指がプルプルプルプルプルプルー♪してきた
入間人間が出て>>1が大好きになった。
気を取り直して。
「ああ、そうだ、神原」
さっきの話を聞いて、ちょっとした疑問を神原にぶつけてみることにした。
「昨日の夜、僕をつけて外に出てたんならさ、祭の太鼓の音聞いただろ?
あれって、どこでやっているのか分かるか?」
もし近くでやっているのなら、2日間開催しているか調べて
戦場ヶ原でも誘おうかと思ってそう言うと、神原は首を捻った。
「太鼓? なんの話だ、阿良々木先輩」
「あれ、聞こえなかったのか? 和太鼓だよ、祭囃子。
ちょっと季節外れな祭だなって思っていたのだけれど」
「……いや、私には聞こえなかったが。祭囃子?」
「うん。あぁ……もしかしてあれかな。
吸血鬼補正で、耳がよくなり過ぎていたのかもしれない」
阿良々木暦の、細やかな吸血鬼性。
それも多少、吸血鬼の力は夜の方が効果が上がるし。
僕がそう呟くと、神原はしかし、「そんなはずはないのだが」とかブツブツ言いながら怪訝そうな顔をしていた。
そんなはずはないって、この辺りで祭のスケジュールはないということだろうか。
気になるけれど、まあ、昨夜は静かだったから、
神原の知らない町の音でも拾ったのだろう。
吸血鬼の耳は、本当に敏感なのだ。
だから僕はぼんやりと、改めて神原の姿を眺めて。
「しかし神原、相変わらずすげえ格好だな」
呟いた。
動きやすそうなタンクトップにランニングショートパンツ。
すらりと伸びた、文字通りカモシカみたいな足に引き締まった腕。
ほとんど裸みたいな格好なのだけれど、神原が着ていると、
どこかひどく健康的な姿にさえ見える。
「……へ?」
「いや、お前に露出狂の気があるのは分かっているけれどさ、
ちょっと刺激が強すぎるんじゃないか?
神原が着る分には、僕からすればむしろ健全で色気とは無関係に格好良いけれど、
みんながそうとは限らないんだし……」
なんて、ちょっとお節介を働かせたら。
それはまさに、奇奇怪怪と呼ぶにふさわしい――奇妙な光景だった。
「なっ……な、な……!」
神原が。
あの、神原が。
自他共に認めるエロ娘。
百合で腐女子でネコで受けでロリコンで露出狂でマゾで欲求不満な神原駿河が。
自らの姿と僕の顔を順番に見て――顔を真っ赤に染めた。
ぼん、っと音が出そうな勢いで、もう耳まで赤い。
そう、それは、まるで。
……羞恥に身を染めるように。
「ちょ、神原? 大丈夫か?」
「だっ、だ、だだだだ……だいじょぶなわけないだろうっ!」
金魚みたいに口をぱくぱくさせて、真っ赤な顔で神原は叫んだ。
ちょっと呂律が回っていない上に、声が裏返っている。
神原は、本当に羞恥からなのだろう、
ちょっと前屈みになり、ばっとその腕で露出だらけの体を抱き締めるようにして、
隠そうと躍起になっていた。
なに、この神原。
なにこれ、めちゃくちゃ可愛い……。
じゃなくて!
そうじゃなくて!
ファイヤーシスターズといい神原といい、なんだっていうんだ。
「おいおい、どうしたんだよ、神原、お前らしくもない」
「だっ、だだだ、だって、あ、あああ阿良々木先輩に!」
「僕に?」
「こ、こんなはしたない格好を……み、みみみ見るぁれてしまった!」
神原は、そんな、なんだか千石みたいなことを言いつつ。
絶叫した。
「これでは変態だと思われてしまうっ!!!!」
「今更気にするような話か、それは!?」
僕の中じゃとっくに変態=神原みたいになってるよ!
手遅れにもほどがあるだろう。
つーか割と初期から、お前は変態キャラを押し通していただろうが。
「神原は実は変態じゃない」と言われることが人生で一番屈辱だとまで言い切っていたくせに。
キャラの方向転換は、戦場ヶ原だけで既に手一杯だぞ。
「う、うぁ……なぜだか物凄く恥ずかしいぞ……なんだこれは。
ダメだ、やめてくれ、こんな格好の私を見ないでくれ、阿良々木先輩!」
「いや……見ないでもなにも、今の今まで、その格好の神原と向かい合って喋っていたのだけれど」
「ひゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
そんな、およそ神原らしくない叫び声と共に、彼女は真っ赤な顔を両手で隠し、
その場にぺたりと座り込んでしまった。
なんだこの生き物、可愛すぎる……。
さすがギャップ萌えランキング急上昇キャラクター。
「あ、えっと、神原……?」
しかし、あれだな。
「ひぅ……ひっく……」
と肩を震わせ始めた神原を前にしていたら、まるで僕が苛めているみたいな図みたいだ。
最近、戦場ヶ原は阿良々木と付き合うようになってからおかしくなった(半分くらい事実)とか
、町中でいきなり女子小学生に抱き着いてセクハラをしている阿良々木を見た(紛れもない真実)とか、
阿良々木が女子バスケットボール部の元スターといきなり仲良くなったのはおかしい(まごうことなき現実)とか、
校門前で女子中学生からブルマーとスクール水着を受け取っていた男子高校生は阿良々木だ(100%史実)とか、
羽川が委員長スタイルをやめたのは阿良々木のせいだ(まあ……嘘ではない)とか、
阿良々木は妹と歯磨きを使ってエロいことをしているらしい(くっ……虚偽とは言い切れない)とか、
いやもう一人の妹の寝込みを襲ってキスをした(もうやめて!)とか、
各所で地味に評判が悪い僕である。
こんなところを誰かに見られるわけにはいかないのだ。
「神原?」
「………っ、……」
「駿河?」
「………ひっ、」
「駿河さん?」
「っく……っ」
「ひらがなみっつでするがさん?」
「…………、……ひぅ」
「するがちゃーん?」
「な、なんだ、阿良々木先輩……」
反応しやがった。
すげえ、ことみパワー。
「えっと、その……さ。大丈夫だって、ほら、僕、別に神原のそんな姿見ても、
いやらしい気分になったりはしないし……」
「阿良々木先輩がどうとかではない! 私が恥ずかしいのだ……!」
「……………」
いや……。
……なんつーか。
かぁーわぁーいぃーいぃー!
「ま、まあ、神原。とりあえず立てよ」
僕が何気なく神原の肩に触れると、大袈裟にびくんと体をすくませる。
「わっ!」
「………わ?」
「私のことは忘れてくれ、阿良々木先輩っ!
うわあああああああああああああああ、もういやだあああああああああああああああああああああ!!!」
「あ、神原っ!」
そう叫んで、自称エロ娘は、
自動車と並走どころか追い抜くような速度で走り去っていってしまった。
「阿良々木先輩に嫌われるうううぅぅぅぅー……」
という声が遠ざかっていく。
「………………」
うぅむ。
訳が分からないけれど、なんだか本当に台風みたいなやつだ。
さて。
取り残された僕は。
「眼福」
とりあえず、拝んでおいた。
005
所変わって、千石家。
阿良々木家からの逃避行は、一度神原家の近くというかなり遠くまで行ったくせに、
結局、自宅から自転車で10分圏内の地点に戻ってきていた。
まあ、妹たちもまさか、僕が千石と一緒にいるとは思わないだろう。
「暦お兄ちゃん、どうしたの?」
「うん? ああ、なんでもないよ。ちょっと考え事」
ふっと、空気に染み込むようなウィスパーボイスが僕の意識を引っ張り起こすと、
千石の僅かに赤い顔が目の前にあった。
ぼーっとしてしまった僕を心配してか、顔を覗き込んでいたようだ。
千石は、普段は目元をすっかり隠す前髪を、
今日はカチューシャであげるのではなく、一つにまとめてゴムで結び、
更にそれを可愛らしいヘアピンで寝かせるようにしていた。
夏休みに家に招かれて最初見たときは、千石の自宅スタイルに散々驚いたものだけれど、
さすがに何度か訪ねるうちに慣れてきた。
さるったら他のスレに書き込んでくると回復する
勿論支援でもいいが
勿論支援でもいいが
ちなみに千石の部屋では、相変わらずクーラーが稼働していない。
エコとか環境問題とか、やたらと気にしてしまう年頃だしな。
兄的存在としてそれに付き合うことに、なんら不満はない。
ないの、だけれど。
「千石……その、扇風機……」
「扇風機? これがどうかしたの?」
「どうかしたっていうかさ……」
ううむ。
なんと言うべきか。
さしもの千石もずっと冷房機器無しでは辛いと感じたのか、
満を持して今日は扇風機が登場したのだけれど、
その首のスウィングが千石の方に向く度に、ばたばたとワンピースがはためいてはしたない。
そもそも千石の今日のワンピースというのが、
また変にだぼだぼというかぐてっとしたデザインで、
たまに肩までずり落ちては慌てて戻す動作を繰り返していた。
……ていうか、あのワンピース、腰の周りもなにもなく、すとんと一直線で、
正直メンズの大きなティーシャツにしか見えないんだよな。
まあ、最近の女子中学生の間で流行っているスタイルのワンピースなのだろう。
ルーズソックスみたいなものだ。
ファイヤーシスターズがこんなタイプのワンピースを着ているところは見たことないけれど、
あれを参考に女子中学生の流行りを見極めようなどという愚行が無意味であることくらい、
兄の僕は充分にわきまえている。
火憐は機能性重視のジャージ一択、月火は月火で和服至上主義だ。
まったくアテにはならない。
とにかく、千石相手に余計な詮索は無用だが。
しかしなんと言って注意するべきかな。
千石は僕を完全に信頼しているというか、
男の前でそういう格好をすることを、恐ろしいくらい意識していない。
まあ、中学生だしそんなもんかとも思うし、
勿論僕は千石相手にそんなやましい気は一切ないから、
この場においてはまったく心配ないのだけれど、
いつか千石がクラスの男子を家に招くような時が来るまでにはなんとかしてやらないと。
かと言って変にそういうことを言って、
不潔だなんだと軽蔑なんかされたりしたら嫌だという、
チキン根性も未だ根強い。
……ま、いいか。
いずれ千石にもそういう意識が芽生える日が来るだろう。
「……なんでもない」
と、とりあえず僕は断りを入れてから。
「それで千石、何して遊ぶ?
テレビゲームとかは、あんまり複数でできるの持ってなかったよな」
そう訊いた。
「うん。ごめんね」
「いや、謝るようなことじゃないけれど……」
「あ、そうだ。撫子、この前新しい携帯ゲーム機買ったよ」
「マジで? DSは、確か持ってたから……」
この前、やたらと綺麗に使っていたDSを貸してもらった。
PSPかな?
「これ。ワンダースワン」
「またなんでこう微妙な……」
ていうかまだ売ってるところあったのか。
「面白いよね」
くすくすと楽しそうに笑う千石。
いや、千石が満足しているのならいいんだけれど。
いいんだけどさぁ……。
「しっかし、ワンダースワンね。
僕、ワンダースワンの起動した時の音が好きで、
それを聞くために何度も電源入れたり消したりしてたら、
結局1週間で壊したんだよな」
「あ、分かるよ、暦お兄ちゃん。
ふぃーん、みたいな音だよね。
なんだかすごく近未来な感じがして、撫子も好き」
「そのハード自体は近未来どころかもう遠い過去の産物だけどな……」
でもやっぱりあの起動音は、現在発売されているどんな携帯ゲーム機のものよりも落ち着く。
ソニーはあの起動音だけ買いとって、PSPに搭載すればいいのに。
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