元スレ黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×22
709 :
俺が守る
711 = 588 :
――駅前の本屋
黒髪娘「なんという数の書だ!!」
男「気に入ったか?」
黒髪娘「うむ! すばらしいぞ。
い、いったい何冊有るのだっ!? 千冊か、二千冊か?」
男「わかんないけど、一万くらいじゃないか?」
黒髪娘「一万っ!?」
男(テンション高いな……。なんかもう、ほんと。
こいつ、すげー可愛いよなぁ)
黒髪娘「入って良いのか? 作法とかはあるのかっ?」
男「この間のスーパーと大差ないよ。
カゴとかはないけれどな。あと、大きな声は出さないこと」
黒髪娘「うむ、わかったぞ」
男「じゃ、行くか」
714 :
ktkr!
今か今かと待っていました!
715 = 588 :
黒髪娘 じぃっ
男「どうした?」
黒髪娘「余りにも沢山あって、どうすればいいのか判らぬ」
男「あー」
黒髪娘「どうしよう、男殿?」 おろおろ
男「うーん。そうだなぁ」
黒髪娘「そもそも、煌びやかな書が多すぎるではないか」むぅ
男「そういう認識かもな。うん」
黒髪娘 そぉっ。ちょん。
男「なんでそんなにおっかなびっくりなんだ?」
黒髪娘「書は慎重に触れねば壊れてしまうであろう?」
男「ここにあるのは、そこまでボロくはないよ。
うーん。しかたない。まずは案内してやるから
一周ぐるっと回るとしようか」
黒髪娘「手間をかけて申し訳ない」
男「なーに。かえってデートらしいってもんだ」
716 :
たまらん結婚して
717 = 588 :
男「まず、ここがマンガコーナーだ」
黒髪娘「まんがこーなーとはなんだ?」
男「コーナーは、場所って云うような意味だ。
棚によって異なる種類の書物が収められているって訳だよ」
黒髪娘「ではマンガの棚か。……マンガってなんだ?」
男「ぷくくっ」
黒髪娘「笑うことはないではないか。真面目に質問しているのに」
男「いやいや。おれもそっちに行ったばっかりの頃は
会話の殆どが“XXって何だ?”だったとおもってさ」
黒髪娘「うむ。その通りだ。厠(かわや)ってなんだ?
と聞かれた時は、どこの知恵遅れかと思ったぞ」
男「くっ。それはもう良いだろっ」
黒髪娘「で、マンガとはなんなのだ?」どきどき
男「それはこんな感じの……」
黒髪娘「ふむ。おお!!」
男「このちいさな四角の中に、絵と台詞が入ってるわけだ。
右上から読んでいって、物語になってるわけだな」
黒髪娘「ふぅむ。興味深い……」
718 = 629 :
おかえり、待ちわびた
719 :
>>1はvip以外に作品を発表してないのか?
有料でも読みたいな。
720 = 588 :
男「で、こっちは絵本コーナー」
黒髪娘「絵本とは?」
男「こんな感じだ」
黒髪娘「マンガと一緒ではないか」
男「こっちは、小さな四角がないんだよ。基本的にな」
黒髪娘「ふむ。ああ。判るぞ。なぁんだ。
これは、要するに絵物語ではないか」
男「あ、そうなの?」
黒髪娘「うむ。このような物は貴族の間では特に珍重されるのだ。
もちろんこのような綴じ本ではなく巻物なのだが」
男「ふむふむ」
黒髪娘「書の執筆、編纂というのはあちらでは
学識や見識の集大成とも云えるもので
任じられたり人気が出たりするのはとても名誉なことなのだ。
絵物語を書く職人は珍重されている」
男「そりゃこっちでも似たようなものかもなぁ。
ラノベ作家とか人気者だもんな」
721 = 666 :
>>719
俺もたとえ有料でも読みたいと思うが
今はヴぃpでやってくれてるんだから
ありがたく楽しもうぜ
722 = 588 :
黒髪娘「この棚は全て絵物語なのか?」
男「うん、そうだよ。絵本っていうのは、
こちらでは多くの場合、子供向けなんだ。
子供が字を覚え始める頃に絵と一緒だと覚えやすい、
って云う配慮なのかな。
ほら、この本なんか、文字がとても大きいだろう?」
黒髪娘「本当だ……。鮮やかな絵だなぁ」
男「どうした?」
黒髪娘「絵合(えあわせ)というものがあって」
男「ふむ」
黒髪娘「つまり、歌会のような集まりなのだが
みんなが持ち寄った絵を自慢し会うような会なのだ。
もちろん我が家も右大臣家であるから、
唐から取り寄せた秘蔵の絵巻物をいくつも所有している。
しかし、おそらくこの棚ひとつにも満たぬのだろうな、と」
男「……」
黒髪娘「いや、つまらないことを云った」
男「いや。……黒髪は、いいこだな。
次に行くか。まだまだ色々あるんだぜ?」
723 = 588 :
男「このコーナーは、一般書籍。右は小説で、左は実用書だな」
黒髪娘「小説とは何だ?」
男「物語だよ。絵がついていない、文字だけのやつ」
黒髪娘「ふむふむ。竹取物語のようなものだな」
男「ああ、それってかぐや姫の話だろう?
それはこっちでも親しまれてるぞ?」
黒髪娘「そうなのか? 女房や貴族達はあの美貌の姫を
うらやんだり褒めそやしたりするのだ。
公達がこぞって求婚するのが素敵らしい。
だが、わたしは幼い頃からあの、
殿方を手玉に取るやりようが気にくわなくてな。
いやならいやだと断れば良かろうものを」
男「あー」
黒髪娘「あのような宝物をねだって諦めさせるとは
如何にも不実なやりように思われてたまらぬ」
男「まぁ、そうとも云えるかな」
黒髪娘「これだから私は恋が――
す、すまん。とにかく!
男女の機微が判らないなどと云われるのだ」
男「ふぅん。そう言われるのか」 にやにや
725 = 588 :
黒髪娘「いいではないかっ。
――で、こちらの実用書とは?」
男「言葉のどおり、実用の書だ。
日常に役立つ技術の指南書だな。
仕事の本とか、資格の本とか、料理の本なんかも含まれる」
黒髪娘「ふむふむ。職人の本と云うことか?」
男「おおむね間違っちゃいないんだろうな」
黒髪娘「それにしても膨大な数だな」
男「前も云ったけれど、もう貴族はいないんだ。
逆に言えば全員が貴族だとも云える。
今では、誰でもが気軽に本が読めるからな」
黒髪娘「全員文字が読めるのか?」
男「読めるよ。もちろん、本を読むのが
好きな人も嫌いな人もいるけれどね」
黒髪娘「うーむ。それでこんなにも書があるのか……」
男「そういうことだな」
726 = 588 :
男「それから、こっちは雑誌だな」
黒髪娘「雑誌とは何だ?」
男「あー。んー。あれ? いざとなると結構説明が難しいな」
黒髪娘「そうなのか?」
男「この世界の書には大きく分けて二種類有るんだ。
1つは書。今まで見てきたの全部だ。
もう一つは雑誌、ここにあるようなものだな」
黒髪娘「ふむふむ」
男「書の方は、何か書きたいこと1つに搾って
それについて書かれているんだな。大抵はそうだ。
書き上げたら発表される。
中には長い時間かけて書かれるものもある。
雑誌の方は逆に、日取りを決めて定期的に出ている。
週に一回とか、月に一回とか、年に四回とか」
黒髪娘「ふぅむ」
男「で、色んな出来事が書いてあることが多いな。
例えばこれなんかは旅行についての雑誌だ」
黒髪娘「“宇治”と読めたぞ?」
男「うん、この季節……つまり、雪の宇治に行って
温泉につかろうと、そんな事が書いてあるみたいだ」
黒髪娘「なんて精巧な錦絵なのだろうなぁ」 うっとり
727 = 643 :
錦絵www
そうか……カラー印刷とか信じられないよな
728 = 582 :
写真をとったら魂がとか言うのかねwww
729 :
2回も誤爆すんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
730 = 588 :
ごめんぽ、いわれるまできづかなかった。
さっきからP2のせいか、書き込み失敗しまくって
タイムアウトになった書き込みが「読んでるスレ」に
流れちゃってるみたいだ。
ちょっと対処のしようがないので、止めるね。
731 :
クチートのとこか
732 = 582 :
フフフッ誤爆美味しいデス
733 = 698 :
誤爆場所が分からん
こっちに再投下されるよね?
734 :
クチート見てきたワロタwww
後下げた方がいいの?
735 :
クチートよんでたらどうしてこうなったwww
736 = 661 :
向こうの>>1がママレサンド要求してきたw
737 :
一応経緯を説明してみると、
いまp2の鯖が重すぎて(大量規制でp2にながれた?)
オペレーションタイムアウトになっちゃうことがあるんよ
で、タイムアウトにもかかわらず、p2の方の鯖には
データが行ってるみたいで、時間差で書き込まれる。
書いたスレじゃなく見てるスレの方に行っちゃう事故っぽい。
ごめんなさい、ごめんなさい。
ほんと、ママレードを献上します、ごめんなさい。
738 :
やっと追いついたー
俺みすど嫌いだけどドーナッツは好き
740 :
こういう時は俺達も我慢して、ママレには書き貯めをしてもらった方が気分的にいいだろうな。
って事で一杯書き貯めしておいてください☆ミ
741 :
解除北――――!!
さっそく支援
742 :
レポートしながら支援
743 = 603 :
支援します
744 = 588 :
男「さて。説明はこんなものかな」
黒髪娘「手間を取らせた、男殿」 にこっ
男「結構時間がたったな。面白かったか?」
黒髪娘「うむ、目のくらむ思いであった」
男「そっか」 なでなで
黒髪娘「……むぅ」
男「それじゃさ」
黒髪娘「ん?」
男「何か買ってやるよ」
黒髪娘「え?」
男「その予定だったんだ。沢山は買ってやれないけれど
買ってやるからさ。何が良い? 選んでみればいいよ」
黒髪娘「よ、良いのか?」 どきどき
男「まぁな。でもダメなものはキッパリダメだからなっ。
……特に店のあっちの端には近づかないことっ!」
黒髪娘「迫力があるぞ、男殿。……それなら」
男「どうした?」
黒髪娘「一緒に選んで欲しい」
746 = 737 :
男「どんな案配だ?」
黒髪娘「えっと、えっと……もう少し」
男「ああ。ゆっくりでいいぞ。時間をかけて」
黒髪娘「選ぶのが楽しすぎるのが問題なのだ」
男「楽しむのが良いって」
黒髪娘 ぱたぱた、ぱたぱた
男「……たのしいなぁ、あいつ」
黒髪娘 ぴたっ
男「お、止まった。実用書にするのか?」
黒髪娘 ぱたぱた
男「違うのか」
黒髪娘 ぴたっ
男「写真集か。そういやそんなのもあったなぁ」
黒髪娘 ぱたぱた
男「せわしないやつ」 ぷくくっ
747 = 737 :
黒髪娘「男殿、男殿」
男「決まったか?」
黒髪娘「これにしようかと思う」
男「これはまた。面白いのを選んだなぁ」
黒髪娘「そうなのか?」
男「いや、でもそれは読んだことがある。良い本だよ」
黒髪娘「猫の絵が凛々しいと思うのだ」
男「そうだな。小さくて黒いのは、黒髪みたいだ。
……じゃ、それにしようか」
黒髪娘「でも、その。……よいのか?
これは千三百もするから、あの大きな菜が十個も
買えるわけで……そのぅ」
男「いいんだよ。それくらい。遠慮しすぎだ。
それからこっちの一冊は、俺からの贈り物」
黒髪娘「え? え?」
男「古語辞典だよ。黒神はこれがあると助かるだろう」
黒髪娘「こんなに厚い書を頂くわけにはっ」
男「なんだ。絵本を選んだのはそんな理由なのかぁ?
変なところで慎み深いんだなぁ。黒髪は」
748 :
かわいすぐてもうね
なんていうかね
750 = 587 :
黒髪テラモエス
みんなの評価 : ★★★×22
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