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    元スレ黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×22
    タグ : - 黒髪娘 + - 2 + - あずにゃん + - ねとられ + - ほのぼの + - もう帰って + - ゼロ + - ダイゴ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:17:50.63 ID:KmqRKDbT0 (+135,+30,-108)
    「あー」
    黒髪娘「きょろきょろするな」

    「うん」
    黒髪娘「やれやれ。茶はどうだ?」

    「いただき、ます。はい」
    黒髪娘「しばしまて」

    ことん

    「……熱ッ」
    黒髪娘「猫舌なのか。ふふふっ」

    「悪いですかよ」

    黒髪娘「いいや。似ているな、と」
    2 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:21:12.88 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-117)
    さらさらさらさら……

    「……」

    黒髪娘「ずいぶん落ち着いているのだな」

    「いや、結構一杯一杯」
    黒髪娘「そうか」

    「質問は可?」

    黒髪娘「もちろん」

    「ここはどこで、あなたは誰?」

    黒髪娘「ここは温明殿(うんめいでん)と梨壺の間の
     あたりにある小さな東屋の一つだ。
     おおむねわたしの住処と云って良いだろうな。
     と、云っても質問の答えには不十分か。
     おそらく、質問の正答は、こうだ。
     ――ここは平安時代とよばれている」

    「……マジすか」
    3 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:21:27.88 ID:BGZ32etY0 (+19,+29,-3)
    よっ!未来の大人気作家!!
    4 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:23:24.49 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-130)
    黒髪娘「私は尚侍(ないしのかみ)だ。
     内侍司(ないしのつかさ)を掌握する役目を
     承っている。従三位となるな」

    「……なにそれ?」

    黒髪娘「判らなければ、そのままでよいと思う。
     まぁ、政どころの女性の役人だ」

    (官僚なのか……)

    黒髪娘「そちらの方は……」
    「あー。男です。多分、助けてくれたんでしょ?
     ありがとうね。これも」

    黒髪娘「ああ、その塗り薬は……。うむ。
     傷によく効く生薬なのだ」

    「もう平気。かすり傷だし」

    黒髪娘「ずいぶんと、落ち着いているのだな」
    「まぁねー」
    5 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:25:46.85 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-193)
    黒髪娘「聞いて良ければ、なぜ?」

    「あー。ないしのかみ……さん? が」
    黒髪娘「黒髪でよい」

    「ああ、んじゃ。黒髪が、さっき『似ている』って。
     云ったじゃね? だから、もうちょっと詳しい事情も
     知っているんだろうな、と。
     その説明を聞くまでは仕方ないじゃん?」

    黒髪娘「察しも良いのだな。敬服する」
    「そんなことは、ないけど」

    黒髪娘「わたしは、その。……その方の」
    「俺も同じだ。男でいいよ」

    黒髪娘「感謝する。男殿の、祖父君とは知己であってな」
    「爺ちゃん?」

    黒髪娘「うむ、茶飲み友達というか。生徒というか」
    「……あ。ああっ!」
    6 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:29:08.82 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-139)
    黒髪娘「?」

    (あな。そうだ。俺、爺ちゃんの家、掃除してた
     納戸の奥の長びつのうち側が真っ黒で、
     俺はその中に“落ち”て……)

    黒髪娘「……我が東屋に唐突に現われたので、
     祖父君との知り合いか親族だと考えていたのだ。
     幸い祖父君から男殿の容姿は聞き及んでいた」

    「そっか……」

    黒髪娘「祖父君は何度もこの東屋を訪れてくれた。
     わたしに色々と教えてくれたのだ」

    「爺ちゃんは、小学校の先生だったんだよ。
     引退した後もちゃんと先生だったんだな……」

    黒髪娘「尊敬申し上げている」

    「……」
    黒髪娘「祖父君は……」

    「うん」
    7 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:37:49.46 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-204)
    黒髪娘「やはり……身罷られたのか」
    「……うん。癌」

    黒髪娘「病か」
    「うん」

    黒髪娘「何とはなしにそんな気がしていた。
     痩せていったし、疲れやすくなっていた。
     返せそうもないほどの恩を受けている。
     最期の様子を聞いても良いだろうか?

    「病院で、家族に囲まれて。最期まで冗談言ってたよ。
     俺には優しくてさ。おれ、ほら。
     名前の一文字は、爺ちゃんからもらったから。
     二束三文だろうけれど、爺ちゃんの家も俺がもらった。
     山の麓だし、古い平屋だけど。庭が綺麗だからって。
     その二話で、小さい頃は良く爺ちゃんに遊んでもらった」

    黒髪娘「祖父君は磊落な方だった」

    「うん。あんなシモネタばっかり
     小学校で云ってたのかよってな」

    黒髪娘「ははははっ」 くすっ
    8 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:51:13.56 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-173)
    「納戸の掃除をしていて、あの長びつに……」

    黒髪娘「判っている。それと対になるのが、
     あちらの奥部屋に置いてある長びつなのだ。
     唐渡りのものらしいが」

    「そっか。帰れるんだな」
    黒髪娘「もちろんだ」

    「よかったぜー。ほっとしたよ。
     大学だってバイトだってあるって云うのにさぁ」

    黒髪娘「ふふふっ」

     すっ

    「うわぅ」
    黒髪娘「何を頓狂な声を」きょとん

    「急に触ろうとするから」
    黒髪娘「なんだ。別に私は怪物じゃないぞ」

    (つか、近くで見るとすげぇ美人じゃんかよ。
     人形みたいっていうか、すげぇ美少女って云うか。
     いきなりひんやりした指で触わるな。慌てるだろがっ)

    「び、びっくりしただけ」

    黒髪娘「ふむ。――まぁ、礼を逸していたか。すまぬ」
    9 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:52:38.51 ID:rHUjUAG+0 (+19,+29,-19)
    黒髭に見えてしまった…が、これは
    10 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:52:41.96 ID:UtXhu8IF0 (+24,+29,-7)
    腹筋しに来たのになんか将来有望作家が居た
    11 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 05:57:50.33 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-159)
    「いや、そのっ」
    黒髪娘「?」

    「ご、豪華で綺麗だからっ。びっくりした」
    黒髪娘「? ああ。これか」

    さらり

    「つか、すごい格好なんですけれど」
    黒髪娘「萌葱の襲だ。普段着だな」

    「ハイスペック過ぎでしょ。
     それ、和服……なの? めちゃくちゃ刺繍はいって
     あれ、刺繍じゃないの?」

    黒髪娘「こういう浮織なのだ」

    「すげぇなぁ」

    黒髪娘「まぁ。尚侍ともなればな。これくらいは」

    「それに、その髪、すごいな!
     真っ黒で、サラサラで、ろうそくの光できらきらで。
     滝みたいに豪華だよなぁ!」
    12 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 06:08:51.57 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-220)
    黒髪娘「それはっ……。褒めて頂いたのか? そうなのか?」
    「そうだけど?」

    黒髪娘「そうか。ありがとう。――そうか」

    「なんか悪い事言った?」

    黒髪娘「いや、嬉しかっただけだ。
     そう言ってくれる人は、多くはないから」

    「そうなのか? ものすごく豪華なのに」

    黒髪娘「ふふふっ。わたしは変わり者で……。
     ああ、そうだな。ヒキコモリなのだ」
    「引きこもり?」

    黒髪娘「そうだ。祖父君に聞いたのだが。
     家に籠もって読書三昧の日々を過ごす
     放蕩者を言うらしいではないか」

    「えー、っと。まぁ……間違ってはいないか」
    黒髪娘「それゆえ、女房以外、余り人と会うこともなくてな」

    「そか(……美人なのに、もったいない話だなぁ)」

    黒髪娘「しかし、夜も更けた」
    「あぁ、そうかも」
    13 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 06:15:12.36 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-258)
    黒髪娘「男殿のお陰で、祖父君の最期を聞くことも出来た」
    「ん? そだな」

    黒髪娘「感謝に堪えない」 ふかぶか
    「そんなに頭下げることないじゃん。
     正座とか、土下座っぽくて怖いよっ」

    黒髪娘「いや、気にかかっていたのだ。
     お見舞いに行くことも出来ないゆえ。
     物忌みはしていたのだが……」

    「いいっていいって。爺ちゃんの生徒さんじゃん」

    黒髪娘「……あの長びつに入れば戻れる。
     酒でも飲んで忘れてしまうと良い」
    「?」

    黒髪娘「こんな気持ち悪い話は、
     一夜の夢として忘れてしまった方が良い。
     手間を取らせて本当に申し訳なかった」

    「へ?」

    黒髪娘「時を超えて漂流するなど、出来の悪い戯作の
     ような物語だろう? 祖父君は哀れみ深くわたしの
     我が儘に付き合ってくださったが、普通に考えて
     気持ちの悪い話だ」
    14 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 06:26:52.20 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-136)
    「それは……そなのかな」
    黒髪娘「男殿には、大きな感謝を」

    「あのさ」
    黒髪娘「なんだろう?」

    「黒髪は、いくつ?」
    黒髪娘「歳か? 15になった」

    「中学生じゃんよっ!」
    黒髪娘「はぅわっ」びくっ

    「なんでそんなに落ち着いちゃっているわけ?」
    黒髪娘「びっくりするではないか。
     ――ごく普通かと思うが」

    「……」

    黒髪娘「何か、まずかったのだろうか?」
    「……なんでもないけど」
    15 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 06:29:24.90 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-218)
    黒髪娘「礼節を失うのは人として恥ずべきだ」
    「そりゃそうだけど」

    黒髪娘「恩人の孫でもあり、また恩人の消息を伝えてくれた
     この上なき恩人でもある。その男殿の平安を祈念したいのだ」
    「それはもう判ったけどよ」

    黒髪娘「そうか」 ほっ
    「なんで、爺さんが何度も来たのかも判る気がするな」

    黒髪娘「?」

    「俺も、また来るから」
    黒髪娘「……良いのか? 気持ち悪くないのか?」

    「爺さんが出来たんだし、俺に出来ないわけがねぇ。
     それに、爺さんが『あの家を頼む』って云った意味が
     これじゃないかって云う気もする」

    黒髪娘「よく判らないが」

    「また来っから」
    黒髪娘「あの、それはっ」

    「また来っからな!」

    ざくっ、ばたんっ
    16 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 07:31:37.28 ID:6zE+EAk3P (+3,+18,-1)
    続き続き
    17 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 07:32:19.26 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-136)
    ――祖父の平屋。納戸

    どてっ。ごろっ

    「……って、ってって。脚! 小指! ぶっけたっ!!」

    「くはぁ痛ってぇ……。って」

    「どうやら」

    (戻れたか。……してみると、最初のは、
     頭から落ちたせいで気絶したのか。
     普通に足から入れば、ちょっと飛び降りるような
     感覚なのかね……)

    「ま、いっか。安全に往復できるって判れば」

    ……良いのか? 気持ち悪くないのか?

    「なんか、物わかりの云い中学生とか気持ちわりぃっつの」

    「ったく。ヒッキーなめんな」
    18 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 07:43:19.06 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-231)
    ――数日後、典侍の東屋

    ぼて。がたっ

    「おーい! 黒髪~」

    からから

    黒髪娘「男殿ではないか。本当に来てくれたんだなっ」
    「ちゃんとそう言ったじゃねぇか」

    黒髪娘「いや、あれは。その……。
     社交辞令というか、虚ろ言かと」
    「なんでそう思うかなぁ」

    黒髪娘「それは、女房達がそういう風に」
    「女房ってなに?」

    黒髪娘「ああ。それは、ん……。侍女? 召使い?
     そのような存在だ。生活を補佐してくれる」

    「ああ。うん(そか、こいつかなり偉いんだもんな)」

    黒髪娘「男性の去り際の言葉は信じるものではない、と」
    「なんだかなぁ。すげぇ耳年増な」

    黒髪娘「そ、そうか? すまない」 しゅん
    19 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 07:49:52.05 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-158)
    「まぁ、いいや。黒髪はヒッキーなんだろう?」
    黒髪娘「うむ、ヒキコモリだぞ」

    「まぁ、そんなわけで色々もってきたわけだ」
    黒髪娘「?」

    「まずはー。びゃーん。シュークリームっ!」
    黒髪娘「お、おおっ!!」

    「お、すげぇ反応」
    黒髪娘「それは知っている!!」

    「なんと!」
    黒髪娘「祖父君に頂いたことがあるっ」

    (熱い視線だ。ふふんっ。やはりな。作戦成功だ)

    黒髪娘「頂けるのか」
    「うむ」

    黒髪娘「感謝する」 ふかぶか、ぺとり
    「だからいきなり土下座はやめれっ」
    20 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 07:55:43.68 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-224)
    黒髪娘「そう言うことならば、一席設けよう」
    「一席って?」

    黒髪娘「飲むものくらい欲しいのではないか?」
    「ああ、うん」

    黒髪娘「茶を入れる」
    「ああ。そう言えば前ももらったっけ。茶、あるんだ」

    黒髪娘「うむ、飲むのは貴族だけだが。
     祖父君も好きだったゆえこの庵でも沸かすことが出来る」
    「そかそか」

    黒髪娘「ぬるめがよいのであろう?」 にこっ
    「あ。……うん」
    黒髪娘「?」

    (不意打ちで笑われるとびっくりするな。
     やべぇやべぇ。こっちも引きこもり同然だと見破られちまう)

    黒髪娘「しばし待っていてくれ」
    「おーけー。この部屋にいればいいのか?」

    黒髪娘「うむ、準備をしてくる」
    21 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:00:26.75 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-207)
    「ふぅむ。なんか、すかすかした部屋の作りだなぁ」

    (これは……箱? ああ、本か。和綴じの)

    ぺらぺら

    「うへぇ。古典だ。あいつ古文読めるのか?
     ってあたりまえか。これがあいつらの現代語か。
     ……これは植物か、薬草かな?
     こっちのは、なんだろう。
     オカルトか? こっちは漢文か
     毎日本を読んでいるとか云ったもんな。
     結構あるなぁ」

    ぺらぺら

    「ってか、多いな。おいおい。こっちのは天文に見えるな」

    「……よく分かんないけど、平安の中学生って
     こんなに勉強するのか? どんだけやってんだ?」

    からん

    「お」
    黒髪娘「待たせたな」
    「いやいや」
    22 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:02:53.39 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-181)
    黒髪娘「冷ましてある」
    「ありがとう。ほら、これ、シュークリームだろ」

    黒髪娘「わぁ」

    「で。これが堅焼ポテチ。
     こっちは俺の好きなサラダせんべい。
     で、カントリーマァムと、
     抹茶ポッキーと、羊羹と……」

    黒髪娘「なんだ、それらは」
    「おやつだよ」

    黒髪娘「菓子……なのか?」
    「そうだね」

    黒髪娘「こんなにか?」
    「うん、何が気に入るか判らなかったしさ」

    黒髪娘「……」そわそわ
    「もしかして、結構気になっている?」

    黒髪娘「そんなに不作法ではない」
    23 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:18:51.97 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-168)
    「これ、ちょと開けてみ?」
    黒髪娘「?」

    「これは包装って云って、まぁ、包む紙みたいなもの」
    黒髪娘「うむ」

    「ここを引っ張って」

    ぺりぺり

    黒髪娘「良い香りが」
    「で、あとはこの内側の小さな包装も」 ペリペリ

    黒髪娘「! このように愛らしい菓子が出てきたぞ」

    「食べて」
    黒髪娘「頂く……」ちらっ
    「いいよ、どうぞどうぞ」

    黒髪娘「甘いっ! これは美味しい」 にこっ
    「そうかそうか」
    24 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:25:47.47 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-286)
    黒髪娘「こちらも美味しいな」
    「うん。……爺ちゃんはあんまりもってこなかったの?」

    黒髪娘「うむ。あ、いや。理屈は判っているのだ。
     このような物は、本来手に入るはずもないわけで。
     もし何らかの手違いでこの時代に残しては
     大問題になってしまう、と」

    (ああ、そうか。……プラスチックやビニールが
     遺跡から出土したら大変だもんな)

    黒髪娘「そう考えれば、これらも……」

    「ああ、いいよ。そんなにしょんぼりしないで。
     要するにばれなきゃ良いんだろう?
     俺は爺ちゃんとはちょっと考えも違うしさ。
     食い終わったら、残った包装紙とかは
     全部きれいにこのコンビニ袋に入れてさ。
     俺が持って帰れば、問題なしって訳だ」

    黒髪娘「そうしてもらえるか?」

    「ああ。もちろんだ」

    黒髪娘「しかし、このように高価な土産を頂いても
     わたしには返せる物が余りにもないのだが……」
    25 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:30:16.08 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-288)
    「いやいや。構わないよ。
     こっちって俺から見たら知らない国だからさ。
     来てみると、どきどきして楽しいし」

    黒髪娘「はははっ。祖父君も、あれは何か、これは何かと
     いくつもいくつも問いを重ねてきたなぁ」

    「俺も聞いちゃうと思うけれど、ごめんな」

    黒髪娘「かまわない。……その、男殿は、先生?
     ……それとも卜筮官や陰陽師なのか?」

    「へ?」

    黒髪娘「いや、だから。祖父君は、子弟に学問全般を
     指南する事を生業にしていたと聞く。
     で、あるから、家系的に男殿もそうなのかと」

    「いや、俺は違うよ。まだ学生だよ。
     教育いこうかどうかは、悩んでるなー」

    黒髪娘「学生とは? 祖父君の言う生徒とは違うのか?」

    「あー。似たようなもの。ちょっと年が上になって
     専門的なことを学んだり研究したり……」

    黒髪娘「ふむ」
    26 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:42:07.22 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-162)
    黒髪娘「よければ……」
    「?」

    黒髪娘「わたしに祖父君に続いて、
     学問の手ほどきをしてくれないか?」

    「えーっ。俺はそこまでの学識はねぇよ」
    黒髪娘「そうなのか? 先ほどから話していても
     知恵深く、賢者を感じるのだが」

    (そりゃ時代による格差だよ)

    黒髪娘「……」

    「そんなにしょんぼりしないでくれ」
    黒髪娘「していない」

    (表情に出ないけど、なんか判っちまうんだよな)

    黒髪娘「していないのだぞ?」

    「何を勉強しているんだ?」
    黒髪娘「それは、色々と」

    「ふむ。どんな?」
    27 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:46:24.75 ID:f8P8OXZL0 (+19,+29,-5)
    なに書いてんの?ばばあ
    28 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:54:03.76 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,+0)
    黒髪娘「大きく、文章、明経、明法、算だな。
     他にも本草、天文、暦法なども調べている」
    「ちょっと聞きたいな」

    黒髪娘「まず、文章(もんじょう)は、唐の歴史と漢文だ。
     唐は我が国から見ても隣国だし文化も花開いている。
     我が国は唐を手本にして居るから、それを知るのは重要だ」
    (歴史と漢文って事ね。この場合漢文ってのは
     大学の一般教養で英語やるくらい必須って訳だ)

    黒髪娘「明経は儒学を教える。この世の理と礼節についてだな。
     明法は律令についてだ。法……律というのか? あれだ。
     この辺は実学なので、位をえるためにはどうしたって必要だ。
     算は算術だ。えっと、祖父君によれば、算数? だそうだ」

    「ああ、うん。だいたいは判った。
     えっと、学ぶとどうなるんだ?」
    黒髪娘「学ぶと?」
    「ほら。位がどうとか」

    黒髪娘「ああ。大学寮というのがあって」
    「大学あるのか!?」

    黒髪娘「もちろんあるぞ? 大学寮は式部省の一部なんだ。
     ここは将来の有力な文官や武官を育てるところで、
     陰陽寮とともに、この国の学問の頂点だ。
     例えば明経道を教える大学博士ともなると正六位下
     という非常に高い位階をえることが出来る」

    「そうなのかぁ。結構きっちりとした機構なんだな」
    29 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:54:16.74 ID:NJgMs7aT0 (+24,+29,-5)
    あのさ、本気で面白いと思って書いてる?
    30 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:57:42.94 ID:Uols3fCW0 (+5,+17,+0)
    面白そう支援
    31 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 08:57:46.78 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-172)
    黒髪娘「殿上人にとって学識は、とても重要なんだ」
    「あれ?」
    黒髪娘「?」

    「でもさ。黒髪ってさ」
    黒髪娘「うむ」

    「なんだっけ、その。典侍(ないしのすけ)だっけ?」
    黒髪娘「そうだ、従四位となる」

    「数字が小さい方が偉いんだろう?」
    黒髪娘「そうだな」

    「じゃ、もうすでに偉いんじゃないか」
    黒髪娘「……そうかもしれない」

    「じゃぁ、勉強する必要なくないか?」

    黒髪娘「ああ。……うん。そうかもしれない。
     でも……わたしは女だからな。
     そもそも、この従四位も
     学識で手に入れたものでもなければ、
     自分で手に入れたものでもないのだ」

    「?」
    32 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 09:01:08.85 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-150)
    黒髪娘「いや、よそ事をいった」
    「う、うん」

    ことことこと

    黒髪娘「もう一杯いかがだろうか?」
    「お、もらう」

    黒髪娘「煎れよう」
    「えっとさ」

    黒髪娘「ん?」
    「次は、サラダせんべい行っておくか?」

    黒髪娘「開けさせてくれるのか?」 にこっ
    「ああ、いいぞっ」

    黒髪娘「嬉しいぞ。かたじけない、男殿」

    (なんだか、中学生なのになぁ……。
     年相応なんだか、大人びちゃってるんだかわからねぇ)

    黒髪娘「~♪」

    (あんな表情も出来るのになぁ……)
    33 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 09:02:41.49 ID:KUk4U0wK0 (-5,+4,-1)
    黒髪カワユス支援
    34 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 09:27:24.57 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-163)
    ――男の実家

    「あら、あんたどこ行ってたの?」
    「あ? 爺ちゃんの家」

    「ああ。あそこ、どう?」

    「んー。荒れ果ててないよ。何日か掃除したけどさ。
     わりと良いな、あそこ。
     俺バイクあるし、あそこ済もうかな」

    「そうねぇ。人がいないと荒れ果てるって云うしねぇ」

    「なんか、結構愛着あるかも。俺」
    「あんた子供の時はあそこの庭で
     相当やんちゃだったからね」

    「そう?」
    「まったくよぉ。心配で心配で母さん育児放棄よ」
    「心配してねぇじゃん」

    「まぁ、お爺ちゃんも、すぐ取り壊したり
     売られちゃったりしたら寂しいだろうしねぇ」

    「そうだなー」
    35 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 09:34:00.23 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-228)
    「夜は?」
    「もちろん食うよ」

    「父さんも母さんも遅いみたいだか、先食べちゃおっか」
    「うん。何食うの?」

    「メンチと煮物」
    「む。良いね。庶民って物がわかってるね」

    「あったり前よ。わたしクラスになるとね。
     足の爪先から黄金の庶民オーラが出て
     髪の毛金色で逆立つわけ」

    「すげぇな」

    「サイバイマンくらいなら鼻歌交じりで倒せるのよ。
     んっ。ほら、運んで」

    「へいへーい」

    「あんたちゃんとやってんの?」
    「やってる」 こくこく

    「ならいいけど」
    「さすがに、中学生に後ろから煽られると
     勉強する気に多少なるわ」
    36 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 10:06:20.67 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-184)
    ――黒髪の四阿

    がつんっ。すたっ

    男 きょろきょろ

    しーん

    「おーい、黒髪? いるかー?」

    「いないのかな。おーい?」

    ぱたぱたぱたっ

    「お、男様っ」
    「!?」

    「男様でございますね。ほ、本日はっ。
     はぁ、はぁっ」

    「いや、一つ落ち着いて」

    「は、はいっ」
    (なんか面白い女の人だな)
    37 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 10:09:14.87 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,+0)
    「済みません。取り乱しました。
     ……黒髪の姫はご実家の方に向かっておられまして。
     本日のところは、この友っ。
     黒髪姫の腹心の女房、友女房がお相手いたします」

    「はぁ」

    「お疑いですか? 男様の件は姫より聞いています。
     祖父君とも面識がありますし、そのぅ……」

    「あの、爺ちゃんさ。もしかして失礼なコトしなかった?」

    「……」
    「その、えーっと。ね?」

    「そ、それは……その。
     めいどおっぱいとか云いまして」 ごにょごにょ
    「良し、合格。面識があるのは判った」

    「ほっといたしました」
    「苦労してるんだね」 ほろり

    「そう言ってくださると幸いです」
    「そっか、黒髪、居ないのか」

    「ええ。申し訳ありません」
    38 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 10:33:04.50 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-306)
    「まぁ、それはしかたないよ。
     ケイタイで様子聞いてから来るわけにも行かないし」

    「ケイタイ?」
    「いや、こっちの話」

    「姫より、もし男様が来られるようならば
     お相手をしてくつろいでいただけと
     仰せつかっております」

    「そっか、どうしようかな」

    「?」
    「……。ん、いいや、 んじゃしばらく
     お邪魔させてもらう。ってか、俺ここにしばらく居て良いの?」

    「ええ、ここは姫の引きこもりの砦ですから。
     滅多に客人も来ません。少なくとも奥までは。
     安心してくださって大丈夫ですよ」

    「ありがとう。ああ、女房さん、だっけ?」

    「友女とお呼びください」
    「友女さん。女房さんって結構人数居るんでしょ?」

    「この四阿には数人ですね」
    「じゃ、このお菓子、みんなで分けて食べてよ」
    39 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 10:35:13.99 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-256)
    ――四阿の一室

    「お茶を……あら、書ですか?」
    「ああ、うん。俺も勉強しようと思って」

    「そちらの書ですか? ずいぶん厚いですね」
    「面倒なんだわ、それ」

    「どうぞ」 ことり
    「ありがとう」

    「……」
    「……」

    カリカリカリ

    「えーっと、その。男様」
    「ん?」

    「宜しければ、お召し替えをなさいませんか?」
    「なんで?」

    「実は前回いらっしゃった時も思ったのですが
     男様は見た目はわたし達とたいして変わりませんから
     狩衣でも着て頂ければ、もし誰かに見かけられた場合も」

    「ああ。あんまり不審に思われないで済む、と」
    40 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 10:44:13.17 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-290)
    「ええ、そうです」
    「いいですけど。そういう服ってあるんですか?」

    「ございますよ。僭越ながら用意させて頂きました」
    「申し訳ないです。じゃ、着ちゃった方がいいかな」

    ――着替え中

      友「いえ、それは後ろ前が逆です」
      「え? え?」

      友「紐を先に締めてから」
      「こうです?」

      友「あら。意外に……」
      「うわぁぁん。見るなぁ!!」

    「ご立派ですよ? 男様」
    「生温かい励ましは要りません。
     でも結構温かいですね。見た目よりは」

    「外歩き用の衣装ですからね」
    「はぁ」

    「太刀でも佩けばご立派な公達でございますよ」
    41 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 10:52:44.06 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-272)
    そよそよそそよ

    「良い風でございますねぇ」
    「静かだなぁ。こんなに静かなの?」

    「もう夕暮れでございますから」
    「?」

    「内裏に出仕……勤めにいらっしゃる方は、
     夜明け前にはいらっしゃいます。
     昼には勤務を終えて帰られるのが普通ですよ」

    「そうなの?」

    「ええ、灯りがありませんから。
     祖父君も驚いていらっしゃいましたが」

    「そっか」

    そよそよそそよ

    「ささでもお持ちしましょうか?」
    「ささ?」

    「お酒ですよ」
    「え。あ。いや……。きゅるる」

    「むしろお食事ですね」くすっ
    「面目ない」
    42 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:01:26.00 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-277)
    ――四阿の一室

    「たいしたお持てなしも出来ませんが」
    「いえいえ。温かい匂いします。ご馳走の雰囲気!」

    ことん、かちん

    「こちらは瓜の漬け、ササゲ豆の煮物、
     赤魚の醤付けの干物です。あとは豆飯と
     酒(ささ)を――」

    「あ、どうも」

    とぷとぷとぷ

    「どうぞ」
    「頂きます」

    「……」にこっ
    「友さんは飲みませんか?」

    「わたしは女房ですからね」
    「……んー。頂きます」

    「召上がれ」
    「あ。美味いです! 魚すげー美味いっ!」

    「それは良かった」
    「いや、ほんと……ん。美味いです」
    43 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:04:26.91 ID:KmqRKDbT0 (+93,+30,-227)
    「……男様は、姫様を普通に扱ってくださいますね」
    「へ? 普通って?」

    「いえ」
    「んー。俺は爺ちゃんと違って学が足りてないんで、
     まだ色々と判って無いんですよね。多分」

    「ええ、まぁ……」
    「?」

    「我が姫にこんなことを言うのも何ですが、
     姫は皆からは……
     妖憑きのキチガイ姫だと云われておりまして」

    「なんでまた?」

    「まぁ、もう14ですし?」
    「――?」

    「14ですし」
    「よく判らないです」

    「14でまだ嫁いでも居ないわけでして。
     もう時間の問題で15です。完全な嫁き遅れです。
     それなのに宴にも出ず引きこもりで、お恥ずかしい」

    「!?」
    44 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:11:37.99 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-267)
    「なんですか、うちの姫は」
    (目が座ってる……)

    「幼い頃はそれはそれは清らかな心優しく
     学問に優れた、それはそれは聡明な姫だったのですが」

    (いまでも勉強好きなのじゃないか?)

    「そのうち勉学にどっぷりつかってしまい
     時間さえあれば、やれ漢詩がどうのこうの、
     天文が巡ってどうのこうのと」

    (あー)

    「私どもがお世話をしない限り
     碌に髪もとかさぬような出不精のダメ人間に」

    (あー)

    「届かれる恋文にも、漢詩で返事を……
     しかも痛烈なのを送りつける始末。
     和歌ならばともかく、あんなに堅い漢詩で
     議論をふっかけられてしまっては返答できるのは、
     いまは亡き道真様くらいにちがいなく」

    (あー)
    45 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:17:32.05 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-257)
    「わたし達も頑張ったんですけれどね。
     すごく頑張って色々可愛い襲(衣服)を集めたり
     年頃の女性の好む絵巻物をみせたり。
     そんなものにはまったく興味もなく、
     それでも身分だけは高いものですから
     内侍司(ないしのつかさ)入りが決まって
     これでなんとか普通になるかと思えば……」

    「?」

    「こんな秘密の離れを造って引きこもり三昧」がくり

    「はぁ……。もぐもぐ」

    「いえ、姫は悪い訳じゃないんですよ。
     悪い姫じゃないんです。
     ……下々に至るまで優しいですし」

    「はぁ」

    「それにしたって、学問に操を捧げるとは
     あんまりにもお労しいと……」

    「だってまだ14でしょ?」
    「もうすでに残念なことに14なんです」

    「はぁ」
    46 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:20:27.83 ID:uUg2RVOiO (+17,+29,-3)
    >>1
    俺がおとといやったエロゲのキャラ設定まんま
    47 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:21:11.53 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,+0)
    「ですから、せめて男様には姫のお心を
     こう、軽やかに、出来れば浮き立った感じに
     して頂きたいとか思うんですが」
    「それは本人のつもりがないとあんまり意味がないかと」

    「ダメですか」
    「ダメでしょ……もぐもぐ」

    「……」 がくり
    (つか、嫁き遅れなのか……)

    「なぁ、運も色々なかったんですが」
    「そうなんです?」

    「右大臣家のご息女ともなりますと。
     お相手にも不足いたしますし……。
     当代の東宮はまだ八つにしかなりませんしね。
     本来であれば尚侍として後宮に権勢を振るうことも
     いえ、我が姫には、似合いもしませんが……」

    「よく判らないけど。身分の高い姫が学問没頭で
     婿捜しも放り出して恋愛音痴で婚期を逃したと。
     そんな感じ?」

    「そうです」 こくり
    (つまり婚活放置で賞味期限間近の腐女子?)

    「どこでこうなっちゃったんでしょうか」
    「それは俺に聞かれてもなぁ」
    48 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:23:29.25 ID:WdgTnUu2O (+32,+29,-7)
    これ読んでると黒髪がむぅとしか思えんね
    49 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:25:27.28 ID:KmqRKDbT0 (+95,+30,-223)
    さらさらさらさら

    「ごちそうさまでした」

    「お粗末様でした。ささは?」
    「いえ、もう結構です」

    「はい。では灯明はこちらに」
    「はい。もう少しレポートを薦めます」

    「レポート……勉学ですね?」
    「ええ、なぁ。こっちでやると捗るんで」

    「さようですか。姫からくれぐれも粗相の
     無いようにと申し使っております。ご存分に」

    「ありがとうございます」

    「では……」
    「ふぅ」

    (まぁ、こっちの方が時間の流れが遅いみたいだし。
     こっちで三日くらい勉強して帰っても
     向こうでは数時間だしな。レポートあげるには都合がいいや)
    50 : 以下、名無しにか - 2010/01/19(火) 11:35:04.58 ID:/1oxOsaF0 (+9,+21,-2)
    紫煙
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