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    元スレ黒髪娘「そんなにじろじろ見るものではないぞ」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×22
    タグ : - 黒髪娘 + - 2 + - あずにゃん + - ねとられ + - ほのぼの + - もう帰って + - ゼロ + - ダイゴ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 95 :

    ――黒髪の四阿、炬燵部屋

    黒髪娘「甘い。なんと美味しいのだ」じぃん
    「これは誠に甘露ですねぇ」じぃん

    「涙ぐむほどかな?」

    黒髪娘「何を言う、この黄色と茶色の美しいこと」
    「ええ、ええっ!」 じぃっ

    「だめ。全部食べちゃダメ」
    黒髪娘「お土産ではなかったのか!?」
    友女房 こくこく

    「他にも何人か居るでしょうに」
    黒髪娘「う゛」
    「しかし」

    「しかしもなにも。みんなにお裾分け。
     お裾分けしたらまた美味しいのもってくるけれど
     お裾分けしないと二度ともってきません」

    「そんな」しょぼん

    黒髪娘「そういえばそうだ。甘露の美味に我を忘れては
     上に立つ物としての示しもつかぬ」

    152 = 95 :

    「よしよし。黒髪はよい子」 くしゃ
    黒髪娘「っ」

    (あら)

    「また持ってきてやるぞ」

    黒髪娘「別に、土産目当てでもてなしているわけではない。
     男殿はいつでも我が庵の客人として歓迎する」

    「それはありがたいなぁ。別荘気分」

    黒髪娘「うむ。別荘気分でくつろいでくれればそれでよい」
    「姫も楽しいですしね」

    「そなの?」
    黒髪娘「うむ。男殿と過ごす時間は心楽しい。
     知識にすれ違いはあれ、お互い知らぬ分野の
     それがある上に、男殿はわたしを一人前の
     人間としてみてくれるからな」

    「……」

    黒髪娘「話して論を戦わせられるというのは
     この上なく愉快なことだ。……蝶よ花よと
     扱われるのは、やはり寂しい」

    153 = 95 :

    「そういう物か?」
    黒髪娘「うむ」

    「じゃぁ、今日はなんの話をする?」
    黒髪娘「男はれぽをとは終わったのか?」
    「終わったよ」

    黒髪娘「では、付き合え」
    「なんの話がよい?」

    黒髪娘「んーぅ。どうするか」
    「うーん」

    黒髪娘「?」

    「いや、話。しなきゃダメか?」
    黒髪娘「どういうことだ?」

    「結構勉強、根詰めてただろう?」
    黒髪娘「うむ」

    154 = 95 :

    「じゃぁ、しばらく茶を飲んで」
    黒髪娘「うむ」

    「で、ゆっくりしろ」
    黒髪娘「ゆっくりか……」

    「……」ずずずっ
    黒髪娘「温かいな」

    「だなぁ」

    「わたしは、このカステラを女房や雑色に
     分けて参りますね。珍しい菓子だと云っておきましょう」

    黒髪娘「すまぬな」
    「行ってらっしゃい」

    ぽやぁ

    黒髪娘「……ほぅ」
    「……」

    黒髪娘「どうした?」
    「髪、見てた」

    155 = 95 :

    黒髪娘「そ、そうか……。どうして?」
    「こんなに綺麗な髪は、こっちではまず見ないから」

    黒髪娘「そうか……。この髪だけは藤壺の上にも
     褒められたことがあるのだ」

    「そっか」

    黒髪娘「……その」
    「?」

    黒髪娘「触って、見るか?」
    「良いのか?」

    黒髪娘「うむ」
    「じゃ、ちょこっとだけ」 ひょいっ

    黒髪娘「っ!」ひくんっ
    「びびってるじゃないか」

    黒髪娘「そんな事はない」
    「そっか」

    156 = 95 :

    黒髪娘「ど、どうだ? 綺麗か?」
    「うん。すごい、すべすべ」

    黒髪娘「女房が毎朝とかしてくれるのだ。
     多い時は日に何度も……」

    「そうか」

    黒髪娘「引きこもりゆえな。湯浴みや髪梳きの時間はある」
    「世話してもらっている間にも、本読んでるんだろう」

    黒髪娘「そう言うことも、まぁ、ある」
    「やっぱし」

    黒髪娘「……男殿は短いな」
    「この時代は男も長いのか?」

    黒髪娘「いろいろだ」
    「そっか」

    黒髪娘「……」ふわり
    「なんか、優しい顔してるな」

    157 = 95 :

    黒髪娘「そうかな?」 きょとん
    「うん、良い顔だったよ」

    黒髪娘「……くっ」かぁ
    「どしたんだよ」
    黒髪娘「眉も描いてないのにっ」
    「は?」

    黒髪娘「いや、なんでもない。油断しすぎだ。わたし」
    「よく判らん」

    黒髪娘「炬燵でのぼせただけだ」
    すっ
    黒髪娘「ひゃわっ!」

    「おい、危ないな。髪の毛長いんだから」
    黒髪娘「ううう」

    「もう少し、落ち着きなさいって」
    黒髪娘「ううっ。不覚だ」

    158 :

    黒髪ょぅι゛ょ ぃぃゎぁ

    159 :

    なんか、ほっこりする

    160 = 95 :

    ――黒髪の四阿

    「あらあら、どうなさいました?
     燭灯も着けずに、こんな場所で」

    黒髪娘「うん……」
    「男様は?」

    黒髪娘「今日は、帰った。
     バイトとか言うのがあるらしい」

    「そうですか。お茶を一旦下げますよ?」
    黒髪娘「……」

    かちゃかちゃ……

    黒髪娘「……」
    「どうされました?」

    黒髪娘「ん?」
    「どうか、なされました?」

    161 :

    ドラゴンと獣姦の奴書いた人のにおいがする

    162 :

    なにこれきゅんきゅんする

    163 = 95 :

    黒髪娘「男殿に」
    「男様に?」

    黒髪娘「髪を触られた」

    「なっ!? なんてことを!!
     これは気が付かずに申し訳ありませんっ。
     すぐお櫛をけずりましょうね。
     この友が清らかになるまでお梳かしします。
     それにしても男様も、男様ですっ。
     いくら異界の方とは言え、姫の髪に手を触れるなどっ。
     冗談で済ませられることではございませんよっ。
     常識という物を弁えて頂かないとっ」

    黒髪娘「いや、違うっ」
    「ど、どうしたんですか? 姫」

    黒髪娘「その……」
    「??」

    黒髪娘「触るのを、許したのは、わたしだ」
    「ひ、め……?」

    黒髪娘「私が、触って良いと云ったんだ」
    「ひょぇぇ」

    164 = 95 :

    「大丈夫ですか、お熱ですか?
     さっきのカステラに酒でも入ってたのでしょうか」

    黒髪娘「いや、違うと思う……」
    「……」

    黒髪娘「どうすればいいだろう?」
    「……姫。姫?」

    黒髪娘「……」
    「いや、でしたか?」

    黒髪娘「――」ふるふる
    「どんな感じがしましたか?」

    黒髪娘「楽の音と、鳥の囀りが。
     聞こえた訳じゃないんだけど、溢れそうになって。
     どきどきして頬が熱くなって。
     ……それに」

    「それに?」

    黒髪娘「こんなに不器量じゃなければいいのにって。
     ――泣きたくなった」

    165 :

    朝飯前ほす

    166 = 95 :

    「さようですか」

    黒髪娘「……」

    「姫はなぁんにも悪くありませんよ」

    黒髪娘「そうだろうか」

    「それはもう。友が気を利かせすぎましたか」
    黒髪娘「?」

    「いえいえ。何でもございません。
     姫は……清らかでいらっしゃるから」

    黒髪娘「そんな事はない。もう15にもなる。
     塵にも埃にもまみれた、みっともない黒い鳥だ」
    「……」

    黒髪娘「……」
    「さ。髪を梳きましょう」 にこりっ

    黒髪娘「……ん」
    「今晩は温かくして寝ませんとね」

    167 = 162 :

    胸が切ないはずなのに腹がなった
    ママレードサンドくれ

    168 = 114 :

    じゃあ俺にはカステラをくれ
    もちろん黒髪の食べかけな

    169 = 165 :

    黒髪の飲みかけのお茶は私が貰っていきますね

    170 = 132 :

    俺も何か買ってこようかな。急に腹が減った。

    171 :

    支援出来るかな

    172 :

    試演

    出来る限り魔王SSみたいなシリアス展開は止してほしい

    173 :

    朝っぱらからニヤニヤさせやがってどうしてくれる

    174 :

    スレタイでこの画像がぱっと浮かんだ
    .html

    175 = 95 :

    ――黒髪の四阿

    ことん、かたん

    「んっと。ほいさ」 すたんっ
    「男様」

    「お。友さん」
    「いらっしゃいませ」

    「お邪魔します。平気そう? 黒髪は居る?」

    「いまはお留守にしていらっしゃいますよ。
     外せない御用事で尚侍処へいらっしゃっています」

    「ああ。仕事か」
    「ええ。おそらくすぐに戻ってらっしゃいますよ。
     顔を見せに、と云うか、出仕したという形式のための
     出仕ですからね」

    「そっか。待ってて良い?」

    「ええ、おこたにどうぞ。お茶をお持ちしますよ」
    「助かる」

    176 = 174 :

    やべぇ既出だった
    死ぬ

    177 = 95 :

    こぽこぽこぽ

    「寒いな」
    「ええ、寒さが続きますね」

    「ありがとう」
    「いえいえ、どういたしまして。
     しばらくご一緒して宜しいですか?」

    「もちろん」
    「では、失礼します」

    「ふー。温まる」
    「ですねぇ」

    「……黒髪は、元気?」
    「はい」

    「そっか」
    「何かありましたか?」

    「いや、なんか色々抱え込んじゃいそうな人だから?」
    「そうですねぇ」

    178 :

    俺の好みど真ん中過ぎて吹いた

    179 = 95 :

    「……」
    「尚侍(ないしのかみ)という官職はですね。
     帝に仕えて、皇室行事を取り仕切る秘書のような役割です」

    「ふむ」

    「その権力は、時に大臣を凌ぎますね。
     『位人臣を極める』等と申しますが、
     女性としてはまさに最高位の官職だと云えるでしょう」
    「そう……なのか?」

    「ええ。もちろん何事にも例外はありますが。
     姫は尚侍としては、規格外です。
     何しろ仕事していませんからね」
    「そうだなぁ」

    「尚侍、尚侍所の重要な役割の一つに東宮の教育があります」
    「東宮って云うのは、確か帝の息子だろ」

    「そうですね。子供の頃から云うことを良く言い聞かせて
     育てるわけですから、歴代の帝でも、育ての尚侍には
     頭が上がらないことも少なくありませんね。
     内裏における影響力は絶大な物があるわけです。
     こほん。
     その。
     下世話な話をすればですね」

    「?」

    「察しが悪いですね」

    180 = 117 :

    いってきます支援

    181 :

    平安時代の貴族の女性は……

    ・1か月に1度しか風呂に入りません
    ・その風呂も占いの結果によりナシになったりします
    ・てか占いで全てが決まります。引きこもったりもします
    ・しびんも大用の壺も室内で使いました
    ・眉毛は全抜きして水銀で眉描いてます
    ・笑う時に口元を扇子で隠すのは、おしろいがボロボロ落ちるのを隠すためです
    「卑しい庶民の家の屋根に綺麗な雪が積もるなんてもったいない」などと普通に思ってます
    ・記録を再現すると摂取カロリーは適正値の1.5倍~4倍、さらに十二単で運動不足です
    ・和歌を詠めないと人間されません、和歌の出来で結婚の成否や上司の評価も変わる時代です
    ・能ぐらいののろのろしたスピードでしゃべります、現代人の会話速度にはついてこられません

    182 = 95 :

    「ごめん」
    「いえ、すみません。
     照れ隠しですからお気に為されぬよう。
     ――こういう事です。
     幼い東宮にそば近く接して、その心も身体も導く。
     それは、往々にして、えーと、その。
     祖父君のいうところの、その……ほら初物を」

    「童貞!?」

    「それです。ええ。
     それをですね、こう。シてしまうこともあるというか
     むしろそれが推奨されているというか……。
     東宮の身体を大人にして差し上げるというか。
     妃になる尚侍所の女性も少なくはありません」

    「そんなのありか-!?」

    「ええ。そもそも、尚侍所に娘を『あげる』というのは
     高度に政治的な問題なのです。
     もちろんその背景には政治的な闘争もありますし
     右大臣家としても後に引くわけにはいかない。
     たとえ、東宮が8歳で、姫より6つもお若くとも」

    「……」

    「身体のつながりが有れど、無けれど。
     姫は東宮の『もの』です。それが尚侍というものですし、
     この内裏の秩序なのです」

    184 = 95 :

    「――なんて」 にっこり
    「え?」

    「まぁ、そういう俗世の噂もあったり
     無かったりするのですが、男様は異界より来られたる客人。
     内裏の事情などお気になさることもないでしょう。
     ましてやうちの姫は妖憑きの変わり者。
     東宮のお召しもあるはずもない。
     このまま庭の片隅で咲いて、
     誰見ることなくひっそり朽ちるのでしょうし。
     そのような姿は、見たくありません」

    「……」
    「余計なことを申し上げましたか?」

    「あのさ。俺の世界での話したっけ?
     黒髪は、今年14だよね。
     それは俺の常識では、まだ子供の部類なんだよ」

    「ええ、存じておりますよ」
    「だからそういう艶っぽい話はさ、まだ早くてさ」

    「そう思うなら、それはそれで結構かと」
    「……うう。とりつく島もない」

    186 = 173 :

    いいぞ友女房もっとやれ
    どっちも奥手っぽいからな

    187 = 95 :

    ――黒髪の四阿、炬燵の間

    黒髪娘「ただいま帰参した」
    「おかえりー」

    黒髪娘「寒かった。すごく寒いぞ」
    「入れ入れ」
    黒髪娘「ありがたい」

    いそいそ、ばふっ

    黒髪娘「はふぅぅ~」
    「温まった?」

    黒髪娘「いや、まだ指先が痺れている」
    「重症だな」

    黒髪娘「冬の出仕は大変なのだ」
    「この季節はなぁ。ヒートテックなさそうだし」

    黒髪娘「?」
    「いや、こっちの話」

    189 = 172 :

    平安貴族おっかねぇ

    試演

    190 = 95 :

    黒髪娘「まぁ。物の怪じみた娘だからな。
     仕事らしい仕事もない。気楽と云えば、気楽だ」

    「んー」

    黒髪娘「どうした?」

    きゅむ

    黒髪娘「らにをひゅる?」
    「いや、ほっぺた引っ張ってみたんだよ」

    黒髪娘「らかや、いったひ、なんてそんな」
    「んー」
    黒髪娘「むぅー」

    「突っ張ってるのかなぁ、って」
    黒髪娘「う゛ぅ?」

    「仕事。出来るよな。案だけ学んだもんな。
     漢詩も報告書も、上奏文だって律令だって
     何でもござれでしょう?」
    黒髪娘「……」

    「身につけたもの、使いたくないなんて変じゃない?」

    192 = 95 :

    黒髪娘「……」じぃっ
    「三白眼で睨んでも、普段可愛いんだから意味ありません」

    黒髪娘「う゛ぅー」
    「ぷぷっ」

    黒髪娘「いいかけん、はらさるかっ」
    「ほいほいっ」

    黒髪娘「ふむっ……。そのようなことを」
    「気を張り過ぎなんだよ」

    黒髪娘「内裏に云っていたのだ。多少は気を張らねば、
     どのような政争に巻き込まれるか知れた物ではない」
    「そりゃ、そうか」

    黒髪娘「……それは、わたしだって」
    「……」

    黒髪娘「学んだ物を、試したい気持ちがないわけではない」
    「うん」

    193 = 95 :

    黒髪娘「しかし、この身は女だ。
     ……望むと望まないとに関わらず。
     内裏で女が仕事を為そうとすれば方法は二つしかない。
     何らかの閥を率いて、邪魔者を廃するための
     権力工作を常にしながら事を為すか、
     東宮か帝にはべり、その愛妻、愛妾として
     権勢を振るうか……。
     多分、私にはどちらも無理だと思う」

    「そっか」

    黒髪娘「不器量だからとかではないぞ?
     いや、その。もうちょっと目鼻立ちが
     整っていればよいとは思うのだが」

    (現代美少女ですからな。きみは)

    黒髪娘「性格として、受け入れがたい。……のだと思う。
     あるいは無駄な矜持か、こだわりなのかとも思うのだが
     それは自らが身につけた学識ではないような気がするのだ」

    「……」

    黒髪娘「どうも釣り合いが取れていないのだ。私は」
    「……そっか」

    黒髪娘「考えても仕方ないだろう」
    「そだな」

    194 :

    女であんまり有能過ぎるとチャングムみたいに厄介者扱いされるもんな
    あれは朝鮮王朝の話だけど

    195 = 95 :

    ――黒髪の四阿、炬燵の間

    黒髪娘「……昴は船乗りの星にて」こくっ
    「眠そうな」

    黒髪娘「う……む」こくり
    「寝れば?」

    黒髪娘「しかし、うむぅ……」
    「どうしたのさ?」

    黒髪娘「部屋に戻るには炬燵から出る必要がある」
    「当たり前だな」

    黒髪娘「寒い」
    「うん」

    黒髪娘「……寒いではないか」
    「ここで寝たらダメだぞ? 事故があるかも知れないし。
     火事なんてまっぴらだろう? 低温火傷も怖い」

    黒髪娘「そうは云うが……」
    「仕方ないなぁ。友さーん。友さーん」

    196 = 95 :

    「はい、なんでしょう?」

    「黒髪が寒がって動かないから。
     ここに褥(しとね)と、掻巻(かいまき)※かなんか
     持ってきて貰える?」

    「判りました」
    黒髪娘「これでは子供みたいだ」
    「寒いから動きたくないなんて
     子供のようなことを云うからだろう?」

    黒髪娘「そうは言ったって」
    「じゃ、部屋に引き上げるか?」

    黒髪娘「寝ている間に男が帰るのは……不本意だ」
    「別にそれはないけどさ」

    きぃ、ふぁさん

    「寝具の準備が整いましたよ」

    黒髪娘「む」
    「どうする?」

    黒髪娘「せっかくだから、今宵はここで」
    「ふっ」
    黒髪娘「馬鹿にしないで欲しいのだ」

    ※褥(しとね)と、掻巻(かいまき):平安時代の寝具
     麻などで作られた敷き布団と、袖のついた掛布団

    198 = 95 :

    「温かいか-?」
    黒髪娘「うむ、期待以上だ」

    「おっと。爪先を炬燵に突っ込むのは禁止だぞ」
    黒髪娘「そうなのか?」

    「ちらちら見えるだろ」
    黒髪娘「なにがだ?」 きょとん

    「うるせぇ。禁止だ」
    黒髪娘「横暴だな」

    「いいのっ。禁止」
    黒髪娘「判った。
     ところで……男殿は、何を読んでいるんだ?」

    「持ってきた本。勉強してるの」
    黒髪娘「なにを?」

    「料理の基本」
    黒髪娘「男殿は庖丁(料理人)なのか?」

    「違うから勉強してるんだよ」

    199 = 95 :

    黒髪娘「未来の料理か……。
     いつも美味しい土産を頂いている」
    「んー。気にしないでくれ。たいした物じゃないからさ。
     そもそも、ここで結構飯とかご馳走になってるし」

    黒髪娘「ここで供されるのは、ありふれた物だ」
    「あの菓子だって、向こうではコンビニに
     売ってる程度の物だよ」

    黒髪娘「こんびに?」
    「ああ。えっと、街のあちこちにある商店だ」

    黒髪娘「そうか。何が売っているんだ?」
    「飲み物、食べ物、菓子、本」
    黒髪娘「本が売っているのか!?」

    「コンビニに売ってるのは漫画や雑誌がせいぜいだけどな。
     本は専門の本屋に売っていて、たいがい本屋ってのは
     一つの街に一つや二つはあるな」
    黒髪娘「そうなのかぁ」

    「布団に入ったら元気だな」
    黒髪娘「う」

    「眠くないのかー?」
    黒髪娘「少し眠気が去ったのだ」

    200 :

    投下ペースも量も良いな


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