私的良スレ書庫
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元スレ武内P「あだ名を考えてきました」
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乙
愛さえあれば問題ない……多分、きっと
ま、少しは覚悟しておけ
愛さえあれば問題ない……多分、きっと
ま、少しは覚悟しておけ
そろそろ暗い話が読みたいな
四つ葉のクローバーの花言葉をちゃんと知っているちえりんとか
結局最後は負け犬になる運命のしぶりんとか
四つ葉のクローバーの花言葉をちゃんと知っているちえりんとか
結局最後は負け犬になる運命のしぶりんとか
「――ん?」
車のドアを開けて外に出たら、違和感を感じた。
どこが、って聞かれたら困るんだけど、何かが、おかしい。
道行く人とか、景色とか……とにかく、絶対変!
うまく説明出来ないんだけど――
――ここに私が居るのは間違い。
そんな気がしてならない。
「ねえ、卯月」
後ろを振り返り、続いて車から出てくるだろう卯月に声をかける。
卯月なら、私の言いたいこと、わかってくれると思う。
未央は……どうかな、なんだか気付かなさそう。
「……えっ?」
だけど、結果的に私の声は誰にも届かなかった。
だって、後ろを振り返ったら、卯月も、未央も、そして、乗ってきた車さえも。
まるで、最初からそこに居なかったかのように、綺麗さっぱり消えていたから。
私だけを降ろして、プロデューサーが車を発進させた?
ううん、有り得ない。
あのプロデューサーに限って、そんな悪戯は絶対にしない、断言出来る。
「何なの……!?」
急いで、携帯を取り出す――……圏外。
有り得ない、こんな渋谷の街中で。
っていうか、車を降りる少し前まで電波は通じてたのに、そんなのある?
あっ、もしかして、Wi-Fiが悪さをしてるとか? うん、それかも。
「……」
色々と、携帯の設定画面をいじってみるけど、電波は圏外のまま変わらない。
暖かくなってきたとは言っても、まだ、ちょっと寒いと思う気温。
それなのに、汗が止まらない。
LIVE前に緊張して汗をかく事はあるけど、それとは違う、とても嫌な汗。
「……」
何一つ変化のない携帯を見るのをやめ、顔をあげる。
そこで、違和感の正体に、一つ気付いた。
――誰も、私を見てないんだ。
普段、街を歩いた時は、誰かしらがアイドルの私に気付き、遠巻きに見てくる。
今は、その視線を全く感じず、私はただの普通の女子高生――普通の存在と認識されてる。
「……何なの、この状況」
私のつぶやきは、街の喧騒に簡単に飲み込まれていった。
・ ・ ・
「……」
遭難した時やはぐれた時は、その場を動かない方が良い。
そういうの、どこかで聞いた事がある。
こんな街中でそれを実行するなんて、思ってもみなかったけど。
ああ、でも、昔はコンクリートジャングルなんて言葉があったんだよね、確か。
「……」
ガードレールに軽く腰掛けながら、通り過ぎていく人の姿を眺める。
そこにも違和感があるのに、それが何なのかは、今ひとつわからない。
数分毎にチラチラと携帯を見てみるけど、変化は無し。
ねえ……皆、どこに行ったの?
ねえ……私、どこに来たの?
「……」
ここは渋谷の街だけど、私の知ってる場所じゃない。
顔をあげて、ビルの看板を眺めて、それがハッキリとわかった。
だって、私達の……346プロダクションのアイドルの看板が、一つも無いから。
美嘉の、大人っぽいけど、凄く似合ってるファッションブランドの看板も無い。
楓さんの、物凄くご機嫌そうに笑ってる、変に神秘的なビールの看板も無い。
「……」
携帯で時間を確認してみると、もうすぐお昼を回る所だった。
物凄く長い時間ここに居たと思ったのに、まだ、三十分しか経ってない。
だけど、三十分。
卯月や未央、それに、プロデューサーが三十分も私を放り出して置くなんて、有り得ない。
「……」
後ろを振り返っても、やっぱり車は居ない。
こんな事になるなら、お財布、持って出れば良かった。
……ううん、こんな事になるなんて、誰にも予想出来ないよね。
そして、こんな時、どうしたら良いかわかる人なんて、居ないと思う。
「……」
プロデューサーが言っていたビルの看板を見上げる。
車の中で、その看板を未央と卯月と三人で見て歓声を上げて、笑い合った。
私達、ニュージェネレーションズの、新曲の宣伝をする看板だし、無理ないよね。
だけど、それが今では遠い昔の事のように感じる。
「……昔じゃないか」
それは、十年以上先に起こる、未来の話。
同じアイドルだけど、看板に写っているのは、私が小さい頃に流行っていたアイドルだった。
あの人、将来女優になるんですよって言ったら、誰か信じるかな。
「……」
遭難した時やはぐれた時は、その場を動かない方が良い。
そういうの、どこかで聞いた事がある。
こんな街中でそれを実行するなんて、思ってもみなかったけど。
ああ、でも、昔はコンクリートジャングルなんて言葉があったんだよね、確か。
「……」
ガードレールに軽く腰掛けながら、通り過ぎていく人の姿を眺める。
そこにも違和感があるのに、それが何なのかは、今ひとつわからない。
数分毎にチラチラと携帯を見てみるけど、変化は無し。
ねえ……皆、どこに行ったの?
ねえ……私、どこに来たの?
「……」
ここは渋谷の街だけど、私の知ってる場所じゃない。
顔をあげて、ビルの看板を眺めて、それがハッキリとわかった。
だって、私達の……346プロダクションのアイドルの看板が、一つも無いから。
美嘉の、大人っぽいけど、凄く似合ってるファッションブランドの看板も無い。
楓さんの、物凄くご機嫌そうに笑ってる、変に神秘的なビールの看板も無い。
「……」
携帯で時間を確認してみると、もうすぐお昼を回る所だった。
物凄く長い時間ここに居たと思ったのに、まだ、三十分しか経ってない。
だけど、三十分。
卯月や未央、それに、プロデューサーが三十分も私を放り出して置くなんて、有り得ない。
「……」
後ろを振り返っても、やっぱり車は居ない。
こんな事になるなら、お財布、持って出れば良かった。
……ううん、こんな事になるなんて、誰にも予想出来ないよね。
そして、こんな時、どうしたら良いかわかる人なんて、居ないと思う。
「……」
プロデューサーが言っていたビルの看板を見上げる。
車の中で、その看板を未央と卯月と三人で見て歓声を上げて、笑い合った。
私達、ニュージェネレーションズの、新曲の宣伝をする看板だし、無理ないよね。
だけど、それが今では遠い昔の事のように感じる。
「……昔じゃないか」
それは、十年以上先に起こる、未来の話。
同じアイドルだけど、看板に写っているのは、私が小さい頃に流行っていたアイドルだった。
あの人、将来女優になるんですよって言ったら、誰か信じるかな。
「……」
何か、行動をしなくちゃいけないとは思う。
でもさ、一体、どこへ行けばいいの? 何すればいいの?
全然、わからない。
考えてはみるけど、それを否定する考えが、すぐに浮かんでしまう。
「……見ててって、言ったのに」
ここに居ないプロデューサーに文句を言う。
プロデューサー、今頃、どうしてるんだろ。
急に私が居なくなって、焦ってるのかな。
未央や卯月は、きっと、慌ててるに違いない。
「っ……!」
唇を噛み締め、涙をこらえる。
今ここで涙を一粒でも零してしまったら、もう、耐えられない。
私はこの状況を受け入れる事が出来ずに、崩れてしまう。
だから、必死に、必死に考えないようにする。
皆のことを考えたら、泣きわめいてしまうだろうから。
「……うえっ……ぐすっ……!」
聞こえるのは、泣き声。
耳に飛び込んでくる音の中でも、私の耳は、その声を一際鮮明に拾い上げている。
その泣き声から伝わってくるのは、二つ。
一人になってしまったという、不安。
これからどうなってしまうかわからない、恐怖。
どちらも、まるで、今の私の心を代弁するかのような、感情の発露。
その泣き声の主を誰も助けようとしない。
見えているのに、見えいないかのように、ただ、通り過ぎていく。
仕方ないのかも知れないけど――
――今の私は、それがとても悲しい事だとわかる。
「お母さんと、はぐれちゃったのかな?」
そんな悲しい思いをするのは、駄目だよね。
私だって、泣きそうになる位だもん。
今、私が私のために出来る事はわからない。
だけど、この目の前で泣いている小さな子のためには何か出来る。
「ひっく……ぐすっ……!」
……と、思ったんだけど。
さて……どうしよう?
「うっく……ううっ……!」
泣いている子の前にしゃがみ込み、目線の高さを合わせる。
こうすると良いって言う、よね? だよね?
手で目元をこすっているけど、大きな瞳からは涙がどんどんこぼれ落ちている。
こんなに小さいのに、大声で泣かないなんて……凄いね。
「ママぁ……パパぁ……!」
涙と鼻水でグシャグシャになった、小さな女の子。
耳まで真っ赤になる程、泣いている。
肩の所で切りそろえられたフワフワの髪。
服装も、ピンクでとっても可愛らしい感じ。
「そっか、パパとママとはぐれちゃったんだ」
それなのに歩き回らないのって、そういう風に教えられてるからだよね。
私も知ってたんだけど、この場合は仕方ないと思う。
だって、放っておくなんて、出来なかったから。
「ううう~っ……!」
私の言葉を聞いて、その子は、今までよりも大きな声で泣き出した。
人から言われて、今の自分の状態をハッキリと認識したんだと思う。
その声は、通行人の目を引くのに十分だったようで、
通り過ぎて行く人達が、私達に視線を向けながら歩き去っていくのがわかる。
「ごっ、ごめんね! お姉ちゃん、変な事言って!」
本当なら、この子の方が歳上――になる――なんだろうけど、今は違う。
今この子は、一人ぼっちで不安な、小さな女の子。
頼りないだろうけど、今、この子には頼れる人間が私しかいない。
それなのに、余計に泣かせちゃってどうするの、もう!
「えっと、えっと……!?」
どうしたら良いの!?
とりあえず、泣き止んで貰わないと!
そのために、私に、出来る事――
――ある。
「ね、ねえ! お歌は、好き!?」
お願い!
「うっく……ひっく……!」
迷子の迷子の、小さな女の子。
その子が泣きながらも、小さく、コクリと頷いてくれた。
これは、泣き止ませるだけじゃ、いけないよね。
「だったら、見てて」
――笑顔にしないと。
「どこが良いかな」
辺りを見回す。
この子から、目を離さずに居られる場所。
この子から、目を離させずに居られる場所。
「――あった」
立ち上がり、その場所を見る。
そこは、少し高くなっている、植え込みの縁。
あそこだったら、お互い見失わずに済む。
もしも人が集まってきちゃったら、この子のパパもママも、見つけにくいだろうし。
だから、歌うなら少し離れないと。
「……!?」
小さな手が、スカートを掴んでいる。
きっと、私もどこかへ行って、また完全に一人になるのが不安なんだと思う。
でもね、大丈夫。
ちゃんと見てるから。
「お姉ちゃんの歌、聞いて欲しいんだ。凄く、得意なんだよ?」
そう言って、笑いかける。
頭を撫でてあげると、フワフワの髪の毛の感触が心地良い。
自分の髪質も嫌いじゃないけど、こういう、少しパーマがかかった髪も、ちょっと憧れる。
ふふっ、そう言ったら、パーマをかけるなんて駄目って皆に言われたっけ。
「……そうなの?」
周りの人が笑っていると、自然と、自分も笑顔になれる。
今、この子は私の笑顔に釣られて、少しの間だけ、泣くことを忘れてる。
だけど、いつまた悲しい気持ちが襲ってきて、涙が溢れるかわからない。
「うん、そうなの」
だから、それと同じくらい、楽しい気持ちにさせてあげたい。
涙を乗り越えるだけの、笑顔にさせたい。
「アイドルだから」
小さく、あいどる、と繰り返すその様子が可愛くて、また、笑う。
そのお返しじゃないけど、私に歌える、最高の歌をこの子に贈ろう。
頭をポンポンと撫でると、小さな手が、離れた。
よし、植え込みの縁――ステージに向かおう。
「よっ、と」
向かうと言っても、すぐ近くなんだけどね。
ソロステージだし、掛け声はなくても良かった。
飛び乗った時に、少し乱れた髪をかきあげながら、ゆっくり振り向く。
何かか始めるのか、厄介事じゃなければ良いと語る、沢山の見知らぬ目。
だけど、あの子は、期待に目を輝かせている。
「……ふーん」
まあ、悪くないかな。
・ ・ ・
「――……ふぅ」
歌え終わい、小さく息を吐く。
私の周辺だけ、街の喧騒から切り離されたかのような、静寂に包まれていた。
直後、歓声。
最初は奇異の視線で見ていた人達も、今では、笑顔で拍手を送ってくれている。
ああ、やっぱり、アイドルって良いな。
いつでも……そう、いつでも、世界が輝いて見えるようになるなんて、思ってもみなかった。
「……ふふっ」
どうやら、楽しんでもらえたみたい。
涙でグシャグシャだった顔は、今はもう、どこにも無い。
私の視線の先には、キラキラと輝く、素敵な笑顔があった。
笑いながら、ブンブンと手を振るあの子に、小さく手を振って応える。
「ぶいっ♪」
その笑顔が、私のよく知る人物を思い起こさせ、こうさせた。
こういう事をするタイプじゃないんだけど、こうするのが正解な気がして。
……それにしても、なんだか似てるな。
泣いてたし、髪型も違うから最初は思わなかったけど、あの子――
「居たっ!」
女の人の、大きな声が響いた。
なんだか聞き覚えのあるその声の出処を探そうと、周囲を見渡す。
えっ、ちょっと待って。
まさか、もしかして――
「ママッ! パパッ!」
弾けるような笑顔が、私の頭に思い描いた人物と、ハッキリと重なった。
ねえ、まさか――
「――う、わっ!?」
動揺した私の足は、植え込みの狭い縁から、気づかぬ内にはみ出していた。
視界が、やけにゆっくりと空の方へ向いていくのを感じる。
せっかく格好いい所を見せたのに、最後に転ぶって、なくない?
あ、大丈夫みたい……こっち、見てない。
「――っ!」
目を離さないでって、言わないで良かった。
言ってたら、私の、こんな格好悪い失敗を見せちゃう所だったから。
あー、でも……まあ、キラキラしてたでしょ?
「そう思うよね?」
ねえ――
「――……ふぅ」
歌え終わい、小さく息を吐く。
私の周辺だけ、街の喧騒から切り離されたかのような、静寂に包まれていた。
直後、歓声。
最初は奇異の視線で見ていた人達も、今では、笑顔で拍手を送ってくれている。
ああ、やっぱり、アイドルって良いな。
いつでも……そう、いつでも、世界が輝いて見えるようになるなんて、思ってもみなかった。
「……ふふっ」
どうやら、楽しんでもらえたみたい。
涙でグシャグシャだった顔は、今はもう、どこにも無い。
私の視線の先には、キラキラと輝く、素敵な笑顔があった。
笑いながら、ブンブンと手を振るあの子に、小さく手を振って応える。
「ぶいっ♪」
その笑顔が、私のよく知る人物を思い起こさせ、こうさせた。
こういう事をするタイプじゃないんだけど、こうするのが正解な気がして。
……それにしても、なんだか似てるな。
泣いてたし、髪型も違うから最初は思わなかったけど、あの子――
「居たっ!」
女の人の、大きな声が響いた。
なんだか聞き覚えのあるその声の出処を探そうと、周囲を見渡す。
えっ、ちょっと待って。
まさか、もしかして――
「ママッ! パパッ!」
弾けるような笑顔が、私の頭に思い描いた人物と、ハッキリと重なった。
ねえ、まさか――
「――う、わっ!?」
動揺した私の足は、植え込みの狭い縁から、気づかぬ内にはみ出していた。
視界が、やけにゆっくりと空の方へ向いていくのを感じる。
せっかく格好いい所を見せたのに、最後に転ぶって、なくない?
あ、大丈夫みたい……こっち、見てない。
「――っ!」
目を離さないでって、言わないで良かった。
言ってたら、私の、こんな格好悪い失敗を見せちゃう所だったから。
あー、でも……まあ、キラキラしてたでしょ?
「そう思うよね?」
ねえ――
・ ・ ・
「――卯月」
「はいっ?」
とても近くから反応があった。
何故か、それが、とても嬉しいことだと、そう思える。
その嬉しさの届け主の方へ、チラリと視線を向ける。
そこには、いつもの、笑顔があった。
「……」
小首を傾げるその仕草が、とっても女の子らしい。
「あの……凛ちゃん? もしかして、寝ぼけてます?」
いつの間にか、寝てたみたい。
二つのプロジェクトを掛け持ちで、疲れてるのかも。
そうじゃなかったら、最後の最後であんなミスしなかったのに。
……って、ミス?
そんなの、した覚え――無い。
「……」
だけど、とんでもなく格好悪いミスをした気がする。
全然記憶に無いのに、なんで?
「凛ちゃんでも、寝ぼけたりするんですね」
「……それくらい、するよ? もう、卯月は私を何だと思ってるの」
楽しそうに笑う卯月に、なんとか反論する。
「はいっ♪ 凛ちゃんは、とっても素敵でキラキラしてて、私の憧れなんです♪」
何言ってるの、もう。
卯月は、昔から……覚えてない位小さい頃から、アイドルに憧れてたんでしょ。
同じグループのメンバーなのに、私に憧れてどうするの。
「卯月が憧れてるのは、アイドルでしょ」
「でも、凛ちゃんもアイドルです!」
「それは卯月もでしょ」
「えへへ……そうでした♪」
卯月の笑顔なら、泣いた子供も見ただけで一発かも。
……あれ? 何か、今――
「――んがっ!? あっ、あれ?」
未央が、体を思いっきりビクリと震わせ、シートに座りながら、跳ねた。
そんなのを見せられた私と卯月は、顔を見合わせ、笑った。
「しまむー……しぶりん……?」
そんなに笑う事かって?
何故かわからないけど、妙に笑いたい気分なんだよね。
おわり
「――卯月」
「はいっ?」
とても近くから反応があった。
何故か、それが、とても嬉しいことだと、そう思える。
その嬉しさの届け主の方へ、チラリと視線を向ける。
そこには、いつもの、笑顔があった。
「……」
小首を傾げるその仕草が、とっても女の子らしい。
「あの……凛ちゃん? もしかして、寝ぼけてます?」
いつの間にか、寝てたみたい。
二つのプロジェクトを掛け持ちで、疲れてるのかも。
そうじゃなかったら、最後の最後であんなミスしなかったのに。
……って、ミス?
そんなの、した覚え――無い。
「……」
だけど、とんでもなく格好悪いミスをした気がする。
全然記憶に無いのに、なんで?
「凛ちゃんでも、寝ぼけたりするんですね」
「……それくらい、するよ? もう、卯月は私を何だと思ってるの」
楽しそうに笑う卯月に、なんとか反論する。
「はいっ♪ 凛ちゃんは、とっても素敵でキラキラしてて、私の憧れなんです♪」
何言ってるの、もう。
卯月は、昔から……覚えてない位小さい頃から、アイドルに憧れてたんでしょ。
同じグループのメンバーなのに、私に憧れてどうするの。
「卯月が憧れてるのは、アイドルでしょ」
「でも、凛ちゃんもアイドルです!」
「それは卯月もでしょ」
「えへへ……そうでした♪」
卯月の笑顔なら、泣いた子供も見ただけで一発かも。
……あれ? 何か、今――
「――んがっ!? あっ、あれ?」
未央が、体を思いっきりビクリと震わせ、シートに座りながら、跳ねた。
そんなのを見せられた私と卯月は、顔を見合わせ、笑った。
「しまむー……しぶりん……?」
そんなに笑う事かって?
何故かわからないけど、妙に笑いたい気分なんだよね。
おわり
チョコレートとか激辛チャレンジで脱糞するアイドル達
正月の件はクソだった(褒め言葉)
正月の件はクソだった(褒め言葉)
アイドルはトイレしない
→漏らすようなのはアイドルじゃない
→この時空線にはアイドルがいない・・・?
まさかな
→漏らすようなのはアイドルじゃない
→この時空線にはアイドルがいない・・・?
まさかな
うんこで喜ぶのは小学生か農家だけだぞ、多分
つまり、小学生農家アイドルの話を希望する
つまり、小学生農家アイドルの話を希望する
あの時、ああしていれば良かった。
「っ……!」
誰であれ、そう思った事があるだろう。
老若男女関係なく、自分が選択した行動を悔いた事位は、あるはずだ。
私は、あまり人の気持ちを察する能力が高くは無い。
それ故に、コミュニケーションの面での失敗は数多い。
「うっ……ぐ……!?」
突如、強い吐き気に襲われ、手に持っていた携帯電話を取り落とした。
口を手で抑え、歯を食いしばり、一瞬だけ思考する。
トイレまで走っていては、絶対に間に合わない。
事務所の隅に設置されている大きなゴミ箱に駆け寄り、頭を突き入れ、
「お――えええっ!」
吐いた。
胃の内容物だけでなく、そのまま、口から内臓が飛びててしまうかと、そう、思った。
もしもそうなったら、私はどうなってしまうのだろう。
……いや、そんな事を考えている場合ではない、か。
「うっ、ぷ……おええっ……おっ、う……!」
早く、全て出しきり、これを片付けなくてはいけない。
私が、ここで嘔吐したという事を彼女達に知られてはいけない。
ゴミ箱の中身を片付け、部屋の換気をし、何事も無かったように。
そう、これは、誰にも知られてはならないのだ。
「……はぁ……はぁ、っ……!」
何故ならば、これは、私の問題なのだから。
かつて、私が犯してしまった過ちへの、後悔。
それは、私が思っていた以上に、私の中に強く在ったようだ。
その証拠に、その後悔が少し揺り動いただけで、この様。
「……はぁ……はぁ……っ」
落ち着いた、だろうか。
自分でも、よく、わからない。
わからないが、床の上に落ちている携帯を見て、思う。
――何故、今になって……と。
「っ!? う、お、えええっ……!」
危うく、床に吐瀉物をぶちまける所だった。
鼻の奥がツンとするのは、吐いているからだけでは、無いだろう。
私は、人知れず、泣いた。
・ ・ ・
ひとしきり吐いた後、すぐに片付けを開始した。
ゴミ箱には袋がしてあるので、吐瀉物そのものに関しては、
袋の口をしばり、そのまま処理するだけ。
部屋の匂いも、頭ごとゴミ箱に突っ込んでいたので、そこまでひどくはなかった。
少し換気をすれば済むだろうし、まだ、メンバー達が来るまで時間があるのも幸いだった。
「……んっ……んぐっ」
だが、いつまたあの嘔吐感に襲われるか、わからない。
なので私は、一人、トイレに籠もり、水を飲んでいる。
喉をひんやりとした水が通り抜けていく。
二リットルのペットボトルを三分の一程飲み干した所で、体を折り曲げ、
「お……おぁ、ええっ……!」
手を口につっこみ、指で喉を突き、
「っ、ぶ、お、ええええっ!」
先程吐ききっていなかった残りを飲んだ水の助けを借り、吐き出す。
水分がほとんどなため、とても、勢いよく口から飛び出した。
しぶきがスーツに飛ぶとまずいと思ったので、顔を便座の位置まで慌てて降ろした。
トイレの水が、どんどん濁っていく。
「……っ……はぁ、ぁ……はぁ」
これを最低でもあと二回は繰り返す。
吐き出すものが無くなってしまえば、嘔吐感があっても、そうする可能性はほぼ無くなる。
今日も、やるべき事は、山程あるのだ。
こうやって中断していては、メンバーの方達に迷惑をかけてしまう。
「……んっ……んぐっ」
口を端から涎を垂らしながら、水を飲む。
どうせすぐに汚れるのだから、拭う必要は無いだろう。
吐いた後に飲む水が、こんなにも涼やかに喉を通り抜けていくとは思わなかった。
しかし、これは水分を補給するための行為では、無い。
「おっ、おえっ……!」
一度、強引に吐いてしまえば、二回目は指で喉を突く事もなく、
ただ、吐こうと思って胃の所に力を入れるだけで済む。
脂汗をかいているのが、自分でもわかる。
頭に血が回っていないのか、首から上にだけ、妙な寒気を感じる。
「うぶ、お、えええっ!」
だが、吐く。
誰にも言えない、このざわつきは、胸に残したまま。
吐瀉物も、あまり色はついていず、水に近くなっている。
だが、まだ、足りない。
「はぁっ、はぁ……んっ……んぐっ」
全て吐き出すには、足りていない。
ひとしきり吐いた後、すぐに片付けを開始した。
ゴミ箱には袋がしてあるので、吐瀉物そのものに関しては、
袋の口をしばり、そのまま処理するだけ。
部屋の匂いも、頭ごとゴミ箱に突っ込んでいたので、そこまでひどくはなかった。
少し換気をすれば済むだろうし、まだ、メンバー達が来るまで時間があるのも幸いだった。
「……んっ……んぐっ」
だが、いつまたあの嘔吐感に襲われるか、わからない。
なので私は、一人、トイレに籠もり、水を飲んでいる。
喉をひんやりとした水が通り抜けていく。
二リットルのペットボトルを三分の一程飲み干した所で、体を折り曲げ、
「お……おぁ、ええっ……!」
手を口につっこみ、指で喉を突き、
「っ、ぶ、お、ええええっ!」
先程吐ききっていなかった残りを飲んだ水の助けを借り、吐き出す。
水分がほとんどなため、とても、勢いよく口から飛び出した。
しぶきがスーツに飛ぶとまずいと思ったので、顔を便座の位置まで慌てて降ろした。
トイレの水が、どんどん濁っていく。
「……っ……はぁ、ぁ……はぁ」
これを最低でもあと二回は繰り返す。
吐き出すものが無くなってしまえば、嘔吐感があっても、そうする可能性はほぼ無くなる。
今日も、やるべき事は、山程あるのだ。
こうやって中断していては、メンバーの方達に迷惑をかけてしまう。
「……んっ……んぐっ」
口を端から涎を垂らしながら、水を飲む。
どうせすぐに汚れるのだから、拭う必要は無いだろう。
吐いた後に飲む水が、こんなにも涼やかに喉を通り抜けていくとは思わなかった。
しかし、これは水分を補給するための行為では、無い。
「おっ、おえっ……!」
一度、強引に吐いてしまえば、二回目は指で喉を突く事もなく、
ただ、吐こうと思って胃の所に力を入れるだけで済む。
脂汗をかいているのが、自分でもわかる。
頭に血が回っていないのか、首から上にだけ、妙な寒気を感じる。
「うぶ、お、えええっ!」
だが、吐く。
誰にも言えない、このざわつきは、胸に残したまま。
吐瀉物も、あまり色はついていず、水に近くなっている。
だが、まだ、足りない。
「はぁっ、はぁ……んっ……んぐっ」
全て吐き出すには、足りていない。
・ ・ ・
「……」
トイレの大きな鏡で、身だしなみの最終確認をする。
服が少し濡れてしまっている所もあるが、すぐに乾くだろう。
問題は匂いだが、これは、どうするか。
……ああ、そういえば、彼が香水を使用していたな。
プロデューサーたる者、匂いも身だしなみの一つだ、と。
「……」
そうと決まれば、プロジェクトルームに戻る前に、彼の所へ行こう。
私が香水を借りたいと言ったら、彼はどんな反応をするだろうか。
それに、私が香水をつけているとわかった時の、彼女たちの反応は?
……何にせよ、この鼻につく匂いよりは、良いだろう。
「……」
トイレに入る時は、誰にも見られないように確認した。
だが、出た時に、誰に出くわすとも限らない。
なので、明らかに手に持っていてはおかしい、二リットルの空ペットボトルを小さく潰していく。
中の空気を抜いて、丁寧に折りたたんでいく。
「……よし」
出来るだけ、小さく折り畳めた。
スーツの上着のポケットにそれをしまい、
すぐ近くのペットボトル用のゴミ箱が設置されている場所を頭に思い浮かべる。
ここに置いて行くと、清掃員の方に、迷惑がかかってしまうかもしれませんから。
「……」
無理矢理吐いたおかげか、嘔吐感はなりを潜めている。
足取りが少しフワフワとしているが、歩行に支障が出る程では無い。
だが、早くどこかに座って、落ち着きたい。
もっとも、落ち着けるとは思わないが。
「プロデューサーさん?」
想定しうる限り、最悪のケース。
今、この場面で、最も会いたくない人物が、居た。
だが、決して怪しまれてはならない。
自然な風を装い、廊下に出て、挨拶をする。
「おはようございます、千川さん」
少し、声がかすれてしまったが、許容範囲内だろう。
千川さんが、
「はい、おはようございます」
と、笑顔で挨拶を返してくれたのだから。
「……」
トイレの大きな鏡で、身だしなみの最終確認をする。
服が少し濡れてしまっている所もあるが、すぐに乾くだろう。
問題は匂いだが、これは、どうするか。
……ああ、そういえば、彼が香水を使用していたな。
プロデューサーたる者、匂いも身だしなみの一つだ、と。
「……」
そうと決まれば、プロジェクトルームに戻る前に、彼の所へ行こう。
私が香水を借りたいと言ったら、彼はどんな反応をするだろうか。
それに、私が香水をつけているとわかった時の、彼女たちの反応は?
……何にせよ、この鼻につく匂いよりは、良いだろう。
「……」
トイレに入る時は、誰にも見られないように確認した。
だが、出た時に、誰に出くわすとも限らない。
なので、明らかに手に持っていてはおかしい、二リットルの空ペットボトルを小さく潰していく。
中の空気を抜いて、丁寧に折りたたんでいく。
「……よし」
出来るだけ、小さく折り畳めた。
スーツの上着のポケットにそれをしまい、
すぐ近くのペットボトル用のゴミ箱が設置されている場所を頭に思い浮かべる。
ここに置いて行くと、清掃員の方に、迷惑がかかってしまうかもしれませんから。
「……」
無理矢理吐いたおかげか、嘔吐感はなりを潜めている。
足取りが少しフワフワとしているが、歩行に支障が出る程では無い。
だが、早くどこかに座って、落ち着きたい。
もっとも、落ち着けるとは思わないが。
「プロデューサーさん?」
想定しうる限り、最悪のケース。
今、この場面で、最も会いたくない人物が、居た。
だが、決して怪しまれてはならない。
自然な風を装い、廊下に出て、挨拶をする。
「おはようございます、千川さん」
少し、声がかすれてしまったが、許容範囲内だろう。
千川さんが、
「はい、おはようございます」
と、笑顔で挨拶を返してくれたのだから。
「プロジェクトルームへ戻る所ですか?」
少し、違和感のある微笑みを向け、千川さんが聞いてくる。
その違和感がなんなのかはわからないが、気のせいかもしれない。
今の私は、動揺しきった後で、まともな精神状態とは言えないだろうから。
そんな私が、誰かの笑顔を疑うのは、あまりにも愚かだろう。
「はい。その予定です」
戻って、やらなければならない事がある。
誰にも気づかれないようにと、痕跡を消し去る事にだけ意識を割いていた。
だが、向き合わなければいけない。
――かつて、私の元を――城を去っていった、彼女と。
「あっ、その前に……少し、屈んでもらえますか?」
千川さんが、チョイチョイと、手で屈むようにと指示してくる。
何、だろうか。
身だしなみの確認は十分に行ったはずだが、見えていない所に、問題が?
私が見なかった場所に、おかしな所があるのだろうか。
「はい。あの、何か問題でも――」
バシンッ!
「……?」
顔が、自分の意志とは関係なく、横を向いた。
続いて、頬に、じんわりとした痛みが広がっていくのが、わかった。
何が起こったのだろうか。
あの、
「千川さん?」
何故、私は、頬を叩かれたのでしょうか?
「何か? 問題でも?」
千川さんの、こんな表情は初めて見た。
目を大きく見開き、声は震え、片方の口の端だけ、釣り上がっている。
向けられる視線は、強く、雄弁に物語っている。
「あるに決まってるじゃないですか!」
バシリと、また、頬を張られた。
それだけでは止まらず、手に持っていたクリップボードで頭を何度も叩かれる。
たまらず立ち上がると、千川さんは手に持っていたものを投げ捨て、胸に拳をうちつけてくる。
何度も、何度も……涙を流しながら。
「……」
それを見つめながら、散らばった書類を片付けなくてはと、ボンヤリと考えていた。
・ ・ ・
「待ってください! 彼女は、また歩き出そうとしています!」
千川さんとの一悶着は、ちょっとした騒ぎになった。
しかし、それを見ていた人間はほんの数人で、それも、終わり際を見られただけ。
ボンヤリと立ち尽くす私と、泣きじゃくる千川さん。
私達二人は、すぐに専務に呼び出され、ここに居る。
「結構な事だ。だが、城の門は既に閉じている」
専務は、パソコンの画面をつまらなさそうに見ながら、言った。
そして、彼女のデスクに置かれている、私の携帯の画面を見て、フンと鼻で笑う。
一体、何がおかしいというのか。
夢を諦めきれずに、また、階段を登ろうとする事の、何が!
「しかし! 一時とは言え、彼女もまたここの人間でした!」
「それが、何か?」
携帯の画面に映し出されているのは、一通のメールの画面。
その内容は、
また、私と――プロデューサーと一緒に階段を登りたい。
……そんな、願いだった。
彼女は、私のせいで、一度はその道を諦める事になってしまった。
だから……だから、私は――
「っ、うっ……!」
頭から、血の気が引いていく。
ソファーから浮き上がりかけた腰をおとし、ソファーに沈み込む。
そんな私の様子を見つめる千川さんは、とても悲痛な表情をしている。
専務は、ただ、無表情にそんな私を眺めている。
「彼女を346プロダクションで預かる事は、今後は絶対に無い」
どこまでも冷たく、言葉は続く。
「逃げ出しておいて、戻りたい? 私がそれを許すと、君は思うか?」
だが、それでも、
「シンデレラプロジェクトが成功しているのを見て、戻りたい……と」
それでも――
「夢を見るのは結構だが、寝言を聞き入れる程、この城は甘くは無い」
それでも、私は……!
「……」
……本当は、わかっているのだ。
専務の言葉の方が、正しいという事を。
「待ってください! 彼女は、また歩き出そうとしています!」
千川さんとの一悶着は、ちょっとした騒ぎになった。
しかし、それを見ていた人間はほんの数人で、それも、終わり際を見られただけ。
ボンヤリと立ち尽くす私と、泣きじゃくる千川さん。
私達二人は、すぐに専務に呼び出され、ここに居る。
「結構な事だ。だが、城の門は既に閉じている」
専務は、パソコンの画面をつまらなさそうに見ながら、言った。
そして、彼女のデスクに置かれている、私の携帯の画面を見て、フンと鼻で笑う。
一体、何がおかしいというのか。
夢を諦めきれずに、また、階段を登ろうとする事の、何が!
「しかし! 一時とは言え、彼女もまたここの人間でした!」
「それが、何か?」
携帯の画面に映し出されているのは、一通のメールの画面。
その内容は、
また、私と――プロデューサーと一緒に階段を登りたい。
……そんな、願いだった。
彼女は、私のせいで、一度はその道を諦める事になってしまった。
だから……だから、私は――
「っ、うっ……!」
頭から、血の気が引いていく。
ソファーから浮き上がりかけた腰をおとし、ソファーに沈み込む。
そんな私の様子を見つめる千川さんは、とても悲痛な表情をしている。
専務は、ただ、無表情にそんな私を眺めている。
「彼女を346プロダクションで預かる事は、今後は絶対に無い」
どこまでも冷たく、言葉は続く。
「逃げ出しておいて、戻りたい? 私がそれを許すと、君は思うか?」
だが、それでも、
「シンデレラプロジェクトが成功しているのを見て、戻りたい……と」
それでも――
「夢を見るのは結構だが、寝言を聞き入れる程、この城は甘くは無い」
それでも、私は……!
「……」
……本当は、わかっているのだ。
専務の言葉の方が、正しいという事を。
「君も、そう思っているのだろう。私よりも強く、そして、複雑だろうがな」
専務は、私に言い聞かせるように、調子を少しやわらかくした。
頬杖をつき、少し、面倒そうにしている理由は、わかる。
彼女は、私の内心に気づいているのだ。
そして、それをあえて言葉にする事により、ハッキリと認識させようとしている。
「降りた馬車が素晴らしいものだとわかっても、もう遅いのだよ」
悔しいが、私は、何も反論出来ない。
「既に馬車は走り出し、遥か遠く、手の届かない所まで進んでいるのだから」
したとしても、一笑に付されて終わりだろう。
「御者は、そのような者のために、馬車を止めるべきではない」
だが、私は、諦められない。
「私には、城を守る義務がある」
彼女の、あの、笑顔をもう一度――
「――その中には、君も含まれている」
わかるね、と、とても優しい、諭すような口調。
私はうなだれ、唇を強く噛み締めた。
「話は以上だ。この件は、私が預かる……下がりなさい」
・ ・ ・
「これで、彼が担当し、城を去っていった者達全員か?」
「はい。間違いありません」
「では、346プロダクションでは一切の関わりを持たぬよう、全部門に通達しよう」
「お願いします。それが、プロデューサーさんには、一番だと思います」
「他の馬車に乗り、彼の前に現れる可能性は?」
「有り得ません。だって、私も近くで見てたんですから」
「力があれば、今の彼女達の様に困難を乗り越え、輝いていただろうから、な」
「はい。それに、今更戻って来たいだなんて――」
「――虫唾が走ります」
おわり
地続きだから台本挟んで奈緒加蓮にします、メモったの忘れてました
寝ます
おやすみなさい
寝ます
おやすみなさい
おつー いいよ いいよ この胃がキリキリするような展開好きだよ でもちひろさんは優しいね
今日もお疲れさま おやすみなさい
今日もお疲れさま おやすみなさい
お、おう。トラウマは克服できてないのか。
某爬虫類さんの同人 みたいにはいかんもんだな。
某爬虫類さんの同人 みたいにはいかんもんだな。
地続きって事は奈緒と加蓮は城に残って輝けた側なのかな?
となると、凛は…
となると、凛は…
未央「うん、やっぱり気になっちゃってさ」
卯月「はい。もし良かったらなんですけど、聞かせて貰えませんか?」
凛「無理にとは言わないけど、どう?」
武内P「……」
武内P「……わかりました、お話します」
未央・卯月・凛「!」
卯月「はい。もし良かったらなんですけど、聞かせて貰えませんか?」
凛「無理にとは言わないけど、どう?」
武内P「……」
武内P「……わかりました、お話します」
未央・卯月・凛「!」
武内P「ですが、名前の方は伏せさせていただきます」
武内P「個人情報ですし、もう、一般の方なので」
未央「オッケーオッケー! 全然問題ないよ!」
卯月「でも、本当に良いんですか?」
凛「プロデューサー、まだ、気にしてるんだよね?」
武内P「……気にしていないと言えば、嘘になります」
武内P「……ですが、今は、貴女達が居ますから」
未央・卯月・凛「……!」ジーン!
武内P「個人情報ですし、もう、一般の方なので」
未央「オッケーオッケー! 全然問題ないよ!」
卯月「でも、本当に良いんですか?」
凛「プロデューサー、まだ、気にしてるんだよね?」
武内P「……気にしていないと言えば、嘘になります」
武内P「……ですが、今は、貴女達が居ますから」
未央・卯月・凛「……!」ジーン!
武内P「そうですね……一人は、本田さんに似ていました」
未央「えっ、私に?」
武内P「とても明るく、快活で、周囲の人に活力を与えるような人でした」
未央「そ、そんな人が私と似てるって?」
卯月「ふふっ! 未央ちゃんって、そういう所ありますよ!」
凛「そうだね。うん、そうかも」
未央「いやー、ははは……照れますなー///」
武内P「私には、彼女の笑顔が……とても輝いて見えました」
未央・卯月・凛「……」
未央「えっ、私に?」
武内P「とても明るく、快活で、周囲の人に活力を与えるような人でした」
未央「そ、そんな人が私と似てるって?」
卯月「ふふっ! 未央ちゃんって、そういう所ありますよ!」
凛「そうだね。うん、そうかも」
未央「いやー、ははは……照れますなー///」
武内P「私には、彼女の笑顔が……とても輝いて見えました」
未央・卯月・凛「……」
未央「それでそれで? 他には?」
武内P「そうですね……ある、トラブルがあった時です」
凛「あっ、なんだか覚えのある話だね」
未央「ちょっと、しぶりん!? あの時の話はもうやめよう!?」
卯月「そうですよ! だって、未央ちゃんは戻ってきたんですから」
未央「うん、プロデューサーのおかげでね!」
武内P「あの時は……彼女には随分と助けられました」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「ん?」
武内P「そうですね……ある、トラブルがあった時です」
凛「あっ、なんだか覚えのある話だね」
未央「ちょっと、しぶりん!? あの時の話はもうやめよう!?」
卯月「そうですよ! だって、未央ちゃんは戻ってきたんですから」
未央「うん、プロデューサーのおかげでね!」
武内P「あの時は……彼女には随分と助けられました」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「ん?」
武内P「諦め、くじけそうになった時」
武内P「……その時、彼女は笑ったのです」
武内P「輝くような笑顔で……私が居るから大丈夫だ、と」
未央「お……おう、そっか」
卯月「……なんか、物凄く頼れるリーダーって感じですね」
凛「なんだろう、なんかこう……」
未央「……何? ねえ、どうして二人共、私を見てるの?」
卯月・凛「……」
未央「……」
武内P「彼女は、全てを照らす太陽のような、そんな存在でした」
未央・卯月・凛「……」
武内P「……その時、彼女は笑ったのです」
武内P「輝くような笑顔で……私が居るから大丈夫だ、と」
未央「お……おう、そっか」
卯月「……なんか、物凄く頼れるリーダーって感じですね」
凛「なんだろう、なんかこう……」
未央「……何? ねえ、どうして二人共、私を見てるの?」
卯月・凛「……」
未央「……」
武内P「彼女は、全てを照らす太陽のような、そんな存在でした」
未央・卯月・凛「……」
未央「そ、そっかぁ、す、スゴイネー、オヒサマハスゴイヨー」
卯月「みっ、未央ちゃん! しっかりしてください!」
凛「でもさ! ほら、もう辞めたんだから!」
武内P「そう……ですね」
武内P「月に二度程会う機会があるので、説得してはいるのですが」
武内P「アイドルのままだと、手に入らない欲しいものを見つけた、と」
武内P「……いつも、そう、笑って誤魔化されてしまっています」
未央・卯月・凛「……プロデューサー」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「えっ!? 今も会ってるの!?」
武内P「? はい」
未央・卯月・凛「……!?」
卯月「みっ、未央ちゃん! しっかりしてください!」
凛「でもさ! ほら、もう辞めたんだから!」
武内P「そう……ですね」
武内P「月に二度程会う機会があるので、説得してはいるのですが」
武内P「アイドルのままだと、手に入らない欲しいものを見つけた、と」
武内P「……いつも、そう、笑って誤魔化されてしまっています」
未央・卯月・凛「……プロデューサー」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「えっ!? 今も会ってるの!?」
武内P「? はい」
未央・卯月・凛「……!?」
未央「月に二回!? 隔週じゃん!」
武内P「ああ、いえ、御実家に住まわれているので、泊まりの時は月一ですね」
卯月「もっとひどいですよ! じ、実家にお泊り!?」
武内P「はい。ご兄弟の方や、お父様も一緒に、飲みに付き合わされ……」
凛「家族公認なの!? えっ、何……何なの!?」
武内P「……彼女が辞めてしまったのは、私の責任ですから」
武内P「泣かせるなと、ご家族の方からも何度も言われてしまっています」
未央・卯月・凛「……!?」
武内P「ああ、いえ、御実家に住まわれているので、泊まりの時は月一ですね」
卯月「もっとひどいですよ! じ、実家にお泊り!?」
武内P「はい。ご兄弟の方や、お父様も一緒に、飲みに付き合わされ……」
凛「家族公認なの!? えっ、何……何なの!?」
武内P「……彼女が辞めてしまったのは、私の責任ですから」
武内P「泣かせるなと、ご家族の方からも何度も言われてしまっています」
未央・卯月・凛「……!?」
卯月「……みっ、未央ちゃん! 頑張ってください!」
凛「……そうだよ、未央! 頑張って!」
未央「無理だよ! だって……なんか凄いもん!」
武内P「……必ず、彼女とまた、階段を」
未央「想像してた感じじゃないじゃん!」
卯月「ちょっと気になった程度で、聞かなければよかったです!」
凛「ね、ねえ! 欲しいものの、心当たりとかは!?」
武内P「私にも、わかりません」
武内P「聞いた時、一度、はにかみながら駐車場を指さしていたのですが……」
武内P「車ではないそうで――」
未央・卯月・凛「ぴいいいいいいいい!!?」
凛「……そうだよ、未央! 頑張って!」
未央「無理だよ! だって……なんか凄いもん!」
武内P「……必ず、彼女とまた、階段を」
未央「想像してた感じじゃないじゃん!」
卯月「ちょっと気になった程度で、聞かなければよかったです!」
凛「ね、ねえ! 欲しいものの、心当たりとかは!?」
武内P「私にも、わかりません」
武内P「聞いた時、一度、はにかみながら駐車場を指さしていたのですが……」
武内P「車ではないそうで――」
未央・卯月・凛「ぴいいいいいいいい!!?」
武内P「? あの、皆さん?」
武内P「! まさか、彼女が欲しいものが……わかったのですか?」
未央「わっかんないなぁ! ほんと、全っ然わかんない!」
卯月「車じゃないなら、バイクですかね! あっ、自転車かも!」
凛「そ、その人の話はもう良いから! 別の人の事教えてよ!」
武内P「……はぁ、わかりました」
未央・卯月・凛「……ふぅ」ホッ
武内P「! まさか、彼女が欲しいものが……わかったのですか?」
未央「わっかんないなぁ! ほんと、全っ然わかんない!」
卯月「車じゃないなら、バイクですかね! あっ、自転車かも!」
凛「そ、その人の話はもう良いから! 別の人の事教えてよ!」
武内P「……はぁ、わかりました」
未央・卯月・凛「……ふぅ」ホッ
武内P「そうですね……一人は、渋谷さんに似ていました」
凛「ふーん、そうなんだ」
武内P「凛とした佇まい、涼やかな空気の、夜風のような人でした」
凛「わ、私って、そんな感じ?」
未央「あー、わかるわかる。しぶりん、そんな感じだよ?」
卯月「はいっ♪ 凛ちゃんは、私の憧れのアイドルの一人です♪」
凛「も、もう……でも、悪くないかな」
武内P「私には、彼女の笑顔が……とても輝いて見えました」
未央・卯月・凛「……」
凛「ふーん、そうなんだ」
武内P「凛とした佇まい、涼やかな空気の、夜風のような人でした」
凛「わ、私って、そんな感じ?」
未央「あー、わかるわかる。しぶりん、そんな感じだよ?」
卯月「はいっ♪ 凛ちゃんは、私の憧れのアイドルの一人です♪」
凛「も、もう……でも、悪くないかな」
武内P「私には、彼女の笑顔が……とても輝いて見えました」
未央・卯月・凛「……」
凛「それで? 他には?」
武内P「そうですね……これも、先程のトラブルの時です」
未央「おっ、しぶりんが怒鳴った時の事ですな」
凛「ちょっと未央! 仕返しのつもり?」
卯月「でっ、でも! それがきっかけで、何とかなったんですから!」
凛「まあ……そうかも知れないけど」
武内P「あの時は……彼女には随分と支えてもらいました」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「ん?」
武内P「そうですね……これも、先程のトラブルの時です」
未央「おっ、しぶりんが怒鳴った時の事ですな」
凛「ちょっと未央! 仕返しのつもり?」
卯月「でっ、でも! それがきっかけで、何とかなったんですから!」
凛「まあ……そうかも知れないけど」
武内P「あの時は……彼女には随分と支えてもらいました」
未央・卯月・凛「……」
未央・卯月・凛「ん?」
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