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    元スレ武内P「あだ名を考えてきました」

    SS+覧 / PC版 /
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    1 :

    未央「えっ?」

    美嘉「はっ?」

    「ふーん?」

    武内P「昨夜、三時間程悩みましたが……」

    武内P「皆さんのあだ名を考えてきました」

    三人「……」

    三人「!?」

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1510055875

    2 = 1 :

    未央「いやいやいや、どうしたの急に?」

    美嘉「熱でもあるの? マジヤバくない?」

    「エイプリルフールの時期じゃないよ、プロデューサー」

    武内P「いえ、本当です」

    未央「……えっ、ウソでしょ?」

    武内P「本当に、考えてきました」

    美嘉「またまたー★ アタシ達をからかってるんだよね?」

    武内P「あの……本当に考えてきました」

    「ふーん。そう」

    武内P「……」

    3 = 1 :

    未央「いやー、プロデューサーも冗談を言うんだね!」

    美嘉「ホント、アタシもビックリしちゃった★」

    「まあ、私は最初から冗談だってわかってたけどね」

    武内P「あの……本当に考えてきたんですが」

    武内P「今西部長の命令で」

    三人「……」

    三人「!?」

    4 = 1 :

    未央「……どう思う?」

    美嘉「美城常務……じゃなかった、専務の命令じゃない所が本当っぽい」

    「待って。まだ本当かわからないから」

    武内P「……」

    武内P「以前より、今西部長から『あだ名位良いのではないか』と言われていました」

    武内P「それで……あだ名で呼ぶのはともかく、考える位はしてみろ、と」

    三人「……」

    三人「!?」

    5 = 1 :

    未央「待って待って! コレ、ガチなやつだよ美嘉ねえ!?」

    美嘉「ウソでしょ!? えっ……えっ!?」

    「ふーん。まあ、私は最初から本当だってわかってたけど」

    武内P「……それで、宜しければ、ですが」

    三人「……」

    武内P「私が考えてきたあだ名を聞いて、感想を頂けないでしょうか?」

    三人「……」

    三人「!?」

    6 = 1 :

    未央「ぷ、プロデューサー?」

    美嘉「アタシ達に感想を聞くってことは……?」

    「……もしかして」

    武内P「……はい、皆さんのあだ名も考えてきています」

    三人「!?」

    武内P「あ、いえ、まだ全員分は考えていないのです」

    三人「……」

    三人「!?」

    7 = 1 :

    武内P「今、この場に居る中で考えてきているのは……」

    三人「……」

    武内P「本田さんと」

    未央「うっし! うっし、きた! 未央ちゃんの時代がきた!」

    「ふーん。ってことは、残りは私? 当然だよね、アンタ、私のプロデューサーだし」

    美嘉「……」

    武内P「あ、いえ……城ヶ崎さんです」

    美嘉「!?」

    「……」

    「!?」

    8 = 1 :

    未央「美嘉ねえ……美嘉ねえ!」

    美嘉「未央……未央!」

    未央「燃やせ♪」

    美嘉「友情パッションは♪」

    未央・美嘉「ミツボシ!☆☆★★★★★★★」

    未央「もー! 美嘉ねえったら、★多いよ!」

    美嘉「ゴメンゴメン★ テンション上がっちゃってさー★」

    武内P「……」

    「……」

    9 = 1 :

    「……でもさ、プロデューサーが考えたあだ名なんだよね」

    武内P「はい。あくまで私なりに……ですが」

    未央「良いんだよ、プロデューサー」

    美嘉「そうそう★ 頑張って考えてくれただけでも、ね★」

    武内P「本田さん……城ヶ崎さんも……ありがとうございます」

    「……」

    「私の分は?」

    武内P「その……企画検討中です」

    「……」

    10 = 1 :

    未央「えっと、それじゃあ……聞かせて貰っちゃおうかな!」

    美嘉「おっ、未央ったら積極的だねー★」

    未央「おっと美嘉ねえ、もしかしたらだけど、ホント、もしかしたらだけどね?」

    美嘉「ん?」

    未央「私を次に呼ぶ時は、プロデューサーの考えたあだ名を要求するかもよ!?」

    美嘉「……ヤバい★ えっ、それ、チョーヤバいんだけど!★」

    武内P「……そこまで期待されると、その、緊張します」

    「……」

    11 = 1 :

    「未央、あんまり期待しない方がいいよ」

    未央「わかってるって! でも、楽しみなんだからしょうがないじゃん?」

    「……」

    武内P「それでは……その、考えてきた本田さんのあだ名ですが」

    未央「……!」


    武内P「みーちゃん、です」


    未央「へっ!?」

    美嘉「……ウソ★」

    「……」

    12 = 1 :

    未央「プロデューサー、あの、ちょっと、もう一回言って?」

    武内P「? すみません、緊張して声が小さかったかもしれません」

    未央「ああまあ、うん、そんな感じ」


    武内P「みーちゃん、です」


    未央「……えっ? あっ、えっ?」

    美嘉「普通に……えっ、普通にカワイイあだ名なんだけど!?」

    「……」

    13 = 1 :

    未央「美嘉ねえ……美嘉ねえ!」

    美嘉「未央……ううん★」


    美嘉「みーちゃん!」


    未央「お、おおおっ! 凄い、なんだか今物凄く私の時代な気がする!」

    美嘉「もう完全にみーちゃんの時代★ いよっ、みーちゃん★」

    未央「ちょ、ちょっともー! あんまり呼ばないでよー///」

    武内P「……そこまで喜んでもらえるとは……考えた甲斐がありました」

    「……」

    15 = 1 :

    未央「それで? プロデューサーは、いつ私をみーちゃんと呼ぶのかな? ん?」

    武内P「それは……はい、善処します」

    美嘉「ちょっとー、欲張りすぎ★」

    未央「えへへっ、いっけね! みーちゃん焦っちゃった」テヘペロ

    美嘉「……でもさ、この感じだと」

    未央「美嘉ねえのあだ名も……期待出来ちゃいますなー!」

    美嘉「やっぱり!? やっぱりみーちゃんもそう思う!?★」

    「……」

    16 = 14 :

    美嘉もみーちゃんなんやろなあ

    17 = 1 :

    未央「ほらほら! モタモタしてると気が変わっちゃうかもよ!」

    美嘉「そ、そんなの有り得ないっしょ★ あだ名聞けないとかナイナイ★」

    「……」

    武内P「それでは……その、考えてきた城ヶ崎さんのあだ名ですが」

    美嘉「……!」


    武内P「みーちゃん、です」


    美嘉「へっ!?」

    未央「……ウソ、えっ、また可愛いあだ名じゃん!」

    「……」


    「……ん?」

    18 :

    >>16
    思ってても言わないようにしよう

    19 :

    「み」で始まる名前のアイドル、結構多い気がするぞ

    20 :

    言いたくてしゃーないキッズなんやろ

    21 = 1 :

    美嘉「ヤダ……ウソ、ホントに……?」

    未央「ホントだよ! ちゃんと、可愛いあだ名だよ!」

    「ねえ、待って」

    美嘉「夢じゃないよね? ねえ、これって夢じゃないよね?」

    未央「現実だよ! 現実を受け入れて前に進もう!」

    美嘉「~~っ!」


    未央・美嘉「みーちゃん!」


    未央・美嘉「!?」

    「かぶってるんだけど」

    未央・美嘉「……」

    未央・美嘉「!?」

    武内P「!?」

    「なんでプロデューサーも驚いてるの」

    22 = 1 :

    未央「……あれ、おかしいな」

    美嘉「……ちゃんと、見といてって言ったじゃん」

    武内P「……!?……!?」

    「ねえ、プロデューサー」

    武内P「し、渋谷さん?」

    「あだ名を考えてきたのって、この二人以外は誰?」

    武内P「それは……新田さんと、前川さんですね」

    「あだ名は?」


    武内P「みーちゃん、です」


    未央・美嘉「!?」

    「みーちゃん、四人いるね」

    23 = 1 :

    「やっぱりさ、向いてないんだって」

    武内P「……」

    「変に考えるんじゃなくてさ、そのまま呼べば良いのに」

    武内P「そのまま……ですか?」

    「ちゃん付けとかは、頑張るとしてさ」

    武内P「ちゃん付け……ですか」

    「そう。ちゃん付け」



    未央・美嘉「……」

    未央・美嘉「!?」

    24 = 1 :

    「渋谷凛。し、ぶ、や、り、ん」

    武内P「? 渋谷さん?」

    「し、ぶ、や、り、ん。ほら、繰り返して」

    武内P「……し、ぶ、や、り、ん」

    「ちゃん付け」

    武内P「……ちゃん付け」


    未央「ねえ……あれ、名前をちゃん付けで呼ばせようとしてる!?」

    美嘉「ウッソ……えっ? それズルくない!?」

    25 = 1 :

    「今、私が言った中にヒントがあるから。2……ゲフンゲフン」

    武内P「2?……! わかりました」

    「ふ、ふーん? 何がわかったの?」

    武内P「渋谷さんの、可愛いあだ名です」

    「か、可愛いんだ」

    武内P「聞いて……いただけますか?」

    「い、良いけど……」

    武内P「それでは……今考えついた渋谷さんのあだ名ですが」

    「……!」


    武内P「ぶーちゃん、です」



    おわり

    26 = 1 :

    HTML化依頼だしておきます

    27 :

    おつ
    ぶーちゃんとふーりん、似てるような気がしなくもなくもない

    28 = 1 :

    IDが変わる前に補足です
    俺は全部即興で書いてるので予測レスでもなんでもオッケーです

    29 :

    みりあもみーちゃんやん

    30 :

    三村もみーちゃん

    31 :

    イブもぶーちゃんで、かな子もぶーちゃんかよ……

    32 :

    1が男前でワロタ

    34 :

    飛んで

    35 :

    「しぶやりん」・・・

    “ぶり”だな

    36 :

    おい!かなこのどこに「ぶ」があるんだよ!言ってみろよ!

    37 = 35 :

    しぶりんオチの人とでも呼ばれたいのかw

    38 :

    ぶりりんやな

    39 :

    とんでぶーりん、ですか

    40 :

    >>36
    お腹の方に残念ながら…

    41 :

    ぶーりんはアイキャッチがマジで印象に残っています
    1000まで埋めて自力で落とそうと思ったけど、マジで落ちないっすな
    今まで何本書いたか定かじゃないですが、このスレでもよろしくです

    寝ます
    おやすみなさい

    42 :

    魅惑の奏ほんとすこ
    可愛すぎるうんこ漏らしてるとこみたい

    43 :

    お疲れ。運営まじでどうなってのや…
    まあ再利用する>>1は応援してまた張り付かせてもらうけど

    44 = 41 :


    「――私の言いたいことは、わかるな?」


     専務が、デスクに座りながら言った。
     呼び出されたから、来てみたのだけれど……。
     まるで、見当がつかない。
     思い当たる事と言えば……もしかして、あれの事かしら。


    「今度は、飲み過ぎには気をつけます」


     この間、飲みに行った時。
     その時のお酒が、あんまりにも美味しくて、楽しくて。
     ついつい飲みすぎて、少し、騒ぎになっちゃたの。
     でも、早苗さんも、瑞樹さんも一緒に騒いだのに、どうして私だけ呼び出しを?


    「なので、禁酒をしろという話でしたら、お断りします」


     三人で、一緒に、夜の特別LIVE。
     歩きながら、歌って、時に踊って。
     通行人の人達も、次第に注目して、人の流れが出来て。
     うふふっ、怒られちゃったけど、とっても楽しかった。


    「違う。今回は、その話ではない」


     今回は、という事は、別の機会にあの時の話をするつもりかしら。
     もう、十分に叱られたと思うのだけれど……。
     それにしても、他に、思い当たる事が無いです。
     眉間にシワを寄せて、とっても怖い顔をされても、困っちゃいます。


    「この仕事は、君のイメージを損なう恐れがある」


     そう言いながら、専務はデスクに資料をパサリと置いた。
     その資料は、私自身の希望で、やりたいとお願いしたお仕事の資料。
     どうやら、私がそのお仕事をするのを止めようと思っているらしい。
     でも……私は、やりたい。


    「ですが……」


     反論しようと、口を開く。
     そんな私の言葉が口から出るのを専務は片手を上げて静止させた。


    「君が、私の思い通りに行動する人間だとは、最早思っていない」


     だったら、良いじゃないですか。
     こう、どうしても、行動しちゃうって……ふふっ、わかってるんですし。


    「だが、もう一度よく考えてみる事だ」


     続く言葉は、思いの外、


    「ファンが、君に――アイドル、高垣楓に、何を望んでいるのかを」


     私の内に、届いた。

    45 :

      ・  ・  ・

    「何よ~、どうしたの? 何だか元気無いじゃないの!」


     早苗さんが、右手にビールのジョッキを握りながら、明るく笑いかけてくる。
     私は、早苗さんの、こういう所がとても好き。
     いつも明るくて、前向きで、とっても素敵な笑顔向けてくれる。
     だから、彼女と飲むお酒は、いつも楽しい。


    「わかりますか?」


     手元のお猪口の縁を、ツイと指でなぞる。
     フルーティーで、とても飲みやすく、美味しいお酒。
     それなのに、今日はあまりペースが上がらない。
     良い事なのだろうけれど、私としては、とても不本意です。


    「わかるわ。だって、私より飲んでないもの」


     瑞樹さんが、手に持ったお猪口をコトリとテーブルに置き、優しく笑いかけてくる。
     私は、瑞樹さんの、こういう所がとても好き。
     いつも優しくて、可愛くて、とっても素敵な笑顔を向けてくれる。
     だから、彼女と飲むお酒は、いつも嬉しい。


    「実は……お仕事の事で、少し」


     二人は、私にとても良くしてくれる。
     優しいだけじゃなく、時に、厳しくもしてくれる。
     こんな、とっても素敵なお友達が居る私は、幸せだと思う。
     今も二人は、続けて、と、揃って片手を差し出してくれている。


    「私の、アイドルとしてのイメージについて考えてたら、ゴチャゴチャしてきちゃって」


     神秘的、ミステリアス、クール……それに、ダジャレ好き。
     これが、ファンの方が私に抱いている、イメージだと思う。
     ファンの方は、私はこうあるべきだ、こういうアイドルだ、
    と考えているから、ファンでいてくれてる、とも。
     だから、イメージを損なうと言われた時、思ったのだ。


    「やってみたいお仕事が、イメージにそぐわない時……どう、しますか?」


     今の私があるのは、ファンの方達が支えてきてくれたから。
     その人達を裏切るような真似は、出来ないし、したくない。


    「そうねぇ……」
    「うーん……」


     だから、専務の言うように、やめておくのが正解なのか。
     それとも、自分の思うまま、ワガママを通しても良いのか。
     ファンあってのアイドルだからこそ、私にはわからない。


     私は、どうしたら良いの?


    「「楓ちゃんは――」」


     二人の声が、重なった。

    46 = 45 :

      ・  ・  ・

    「おはようございます」


     346プロダクションの、エントランスホール。
     入ってすぐ、よく見慣れた、大きな姿を見つけた。
     いつもなら、挨拶をしに近寄っていく事までは、しないけれど。
     だけど、今日は別。


    「高垣さん? おはよう、ございます」


     わざわざ近寄ってきた私を不思議に思ったんですよね。
     頭の上に、はてなマークが浮かんでるのが見えます。
     だけど、彼は、何も言わない。
     私が何か言い出すのをジッと待ってくれている。


    「少し、お聞きしたい事があって」


     挨拶を終えたままの姿勢で、何でも無い事の様に、聞く。
     だって、私がお仕事の事で悩んでるなんて知られるのは、なんだか悔しいもの。
     私はアイドルで、貴方はプロデューサー。
     担当じゃないからこそ、対等な関係で居たいと……そう、思うんです。


    「はい。私に、答えられる事でしたら」


     そう言うと、彼は腕の時計を見て、時刻を確認した。


    「少し、場所を移しましょうか」


     早めに切り上げて欲しいというアピールじゃなかった事に、ホッと胸を撫で下ろす。
     時間に余裕があるから、立ち話でなく、座れる場所に行こう、と。
     ……今、ホッとしたのは、貴方に話を聞いて貰えそうだからじゃありませんから。
     迷惑をかけなくて済みそう、っていう安心ですからね。


    「……高垣さん?」


     チョコンと立った寝癖を睨みつけてたら、気づかれちゃった。
     もう、こういう、変な所で察しが良いんですから。
     だけど、私は今の感情を表情に出すことはしない。
     元々、そこまで表情豊かな方じゃありませんから。


    「はい?」


     そう言って、こちらを見ている彼に、微笑む。
     その微笑みに対し、彼は、右手を首筋にやり、


    「あの……休憩スペースに、行きましょう」


     と、促してきた。


     彼の背中を見てたら、気付かない間に、彼との距離が開いていた。
     私は、慌ててその後ろを追いかけた。

    47 :

    きたか 今日は綺麗な楓さんで終わってくれよ

    48 = 45 :

      ・  ・  ・

    「イメージに合わない仕事、ですか」


     休憩スペースの椅子に並んで座りながら、彼が私の言葉を繰り返した。
     二人の手には、それぞれ種類の違う缶コーヒーが。
     遠慮したのに、奢ってもらっちゃった。
     缶コーヒーから伝わる熱が、私の手を温めてくれる。


    「ファンの方がどう思うか、気になってしまって」


     そう言うと、彼は、右手を首筋にやって、少し沈黙。
     言葉を探しているのか、その視線は、宙を彷徨っている。
     時折、ああ、とか、うう、とか、低い唸り声が聞こえてくる。
     私、そんなに悩ませるような事を聞いちゃったのかしら。


    「……そう、ですね」


     考えがまとまったのか、彼は缶コーヒーを一口だけ飲んだ。
     そんなに喉が渇いたのかしら?


    「私は、高垣さんがどうしたいかが、一番重要だと思います」


     少し、予想していた答え。
     早苗さんも、瑞樹さんも、同じ事を言ってくれたもの。
     けれど、彼の言葉には、続きがあった。


    「確かに、今までの高垣さんのイメージとの違いに、驚くかもしれません」


     彼の瞳から、とても真剣な想いを感じる。


    「ですが、それもまた、貴女の一面だと、そう捉えるでしょう」


     彼の言葉から、とても熱い想いが伝わってくる。


    「そんな新たな一面を見られるのは、嬉しいことだと、私は思います」


     彼の、



    「――貴女のファンとして」



     その想いに、私は今、勇気を貰った。


     予想外の、予想以上の、彼の答え。
     それに応えるのが、アイドルとして、あるべき姿じゃないかしら。
     だって、その方がお互い退屈せずに済むものね!

    49 = 45 :


    「……」


     じい、と彼の顔を見つめる。
     そうね、私のファンの方達は、貴方の言うように素敵な方達ばかりだもの。
     わかっていたようで、わかってなかったのね、私ったら。
     ふふっ、ファンの方達の反応を不安がる、ふふっ、それじゃ駄目よね。


    「ありがとうございます。決心がつきました」


     目の前の、私のファンの人にお礼を言う。
     精一杯の、私に出来る、最高の笑顔で!


    「……良い、笑顔です」


     それに、彼もとっても穏やかな笑顔で返してくれる。
     こういう、嬉しい時にする事と言えば……。


    「はい♪」


     手に持っていた缶コーヒーを掲げ、彼の前に差し出す。
     驚いちゃったようだけど、観念したのか、彼も缶コーヒーを掲げる。
     だって、今、すぐにでもしたくなっちゃったんだもの。


    「「カンパイ」」


     しょうがないでしょう?


    「……貴方の言葉を聞いて、とっても楽しみになってきました♪」


     カンパイの流れのまま、コーヒーを一口だけ飲み、語りだす。


     やってみたかった、お仕事。
     今までのイメージにない、挑戦。
     理由は、一つ。


     ――とっても、楽しそうだったから!


    「ちなみに、どんな内容のお仕事か、お聞きしても?」


     うふふっ、どんなって……貴方も、よく知ってる内容のお仕事ですよ。
     あっ、今それを言ったら、ファンの人がどんな反応をするのか、わかっちゃうわね!
     ふふっ! どんな反応をするのかしら?



    「とときら学園でーす♪」



     彼は、目を大きく見開いて、口をパクパクさせた。
     それがまたおかしくって……もうっ、笑いが止まらなくなっちゃったわ!



    おわり

    50 :

    予想はできてた。が、耐えられるかどうかはまた別の話だ


    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
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