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    元スレ武内P「『次はお前だ』」

    SS+覧 / PC版 /
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    601 :

    相変わらずの面倒臭さ

    602 :

    「……つまりさ、わかる?」

    「そう言うの、良くないと思う。違う? 違わないよね?」

    「なんか……ね? なんか……うん」


    武内P・乃々「……」


    「の、乃々ー?」


    乃々「……はい」


    「ぷ、プロデューサー?」


    武内P「……はあ」


    「……」


    「ふうううぅぅぅん!!」ジタバタ!

    603 = 602 :

      ・  ・  ・

    「絶対、ここから出ないから!」ズデーン!

    「何なの!? 私、頑張ったでしょ!?」バンバン!

    「それなのに、納得出来ない!」ジタバタ!

    「ふざけないでよ! ふざけないでよー!」ゴロゴロゴロゴロッ!


    武内P「お願いです、渋谷さん!」

    武内P「エレベーターから、出てきてください!」

    乃々「り、凛さん……いつもの凛さんに戻って欲しいんですけど……!」

    乃々「今の凛さんを見続けるなんて、精神的に、むーりぃー……!」


    「ふうううぅぅぅん!!」ジタバタ!

    604 = 602 :

      ・  ・  ・

    ちひろ「それで……ずっとエレベーターが止まってたんですね」

    武内P「閉まろうとすると、飛び起きて……開ボタンを押して、はい」

    ちひろ「また、床に転がってた……と」

    武内P「……」

    ちひろ「それで、あの……どうしたんですか?」

    武内P「何とか説得し、移動していただきました」

    ちひろ「……お疲れ様です」

    武内P「……」

    605 = 602 :

    武内P「いえ……話はまだ、終わっていないのです」

    ちひろ「えっ?」


    「あ、あの……狭いんですけど、ここに二人は無理なんですけど……」

    「大丈夫だよ、乃々。もうちょっとくっつけば平気だから」


    ちひろ「あの……今、足元から声が」

    武内P「はい……移動しては頂けました……が」


    「何なの? アンタ、私のプロデューサーでしょ?」

    「ちゃんと見ててよね。でないと、承知しないから」


    武内P・ちひろ「……」


    「あうぅぅ……もう、むーりぃー……」



    おわり

    606 :

    森久保は人間をやめるんですけどー!!

    607 :

    しぶりんは見た目だけでレッテルを貼られて決めつけられる苦しみを知ってるからな
    援助交際してそうなアニメキャラとか…

    608 :

    乙です
    久々のまともな蒼だと思ったのに…
    安定のオチwww

    609 :


    さすがのオチ


    アイドルの担当振り分けってどうなってたかな
    非武内P担当アイドルというか

    610 :


    サンクチュアリが移転したか

    611 :

    良い、ポエムです

    612 :

    しぶりん、そのポジショニングはエロ漫画的にはマウントを取ったも同じだぞ

    614 :

    乃々も武内Pとなんだかんだ相性いいよな
    初期から担当してたのが武内Pでも違和感ない

    616 = 602 :


    「……」


     何時もの様にプロジェクトルームのソファーに座り、膝の上に書を置く。
     ハードカバーのそれは、発売を楽しみにしていたシリーズの最新作。
     叔父の古書店を手伝っているとは言え、新しい作品に興味が無いわけでは無いのです。
     美しい、金の刺繍の模様が印刷された表紙をめくると、新しい紙の香りがします。


    「……」


     この書は、私にどんな新しい世界を見せてくれるのでしょうか。
     現実ではあり得ない光景でも、繊細で美しい情景描写によって、
    目を閉じれば物語の登場人物達が見ている光景が瞼の裏に浮かぶよう。
     輝きに満ちたその世界は、優しく、時に彼らに苦難を与える。


    「……」


     そんな、困難に立ち向かっていく姿を見るのが、とても頼もしく見えるのです。
     自分も、彼らの様でありたい、挫けずに、前を向いて歩いて行きたいですから。
     何故ならば、俯いていては、素晴らしい景色も、歩いて行くその先も、見えなくなってしまうから。
     だから私は……彼らから――ファンタジーな世界から、人知れず勇気を貰っています。


     私が変われるよう――アイドルして、輝いていけるように。


    「……ん」


     最初のページに目をやり、物語の世界に入ろうとした時、違和感を感じました。
     前髪が、視界を遮っていたのです。
     最後に髪を切ったのは……いつ、だったでしょうか。
     アイドルなので、気をつけなければいけないと言われるのですが、
    ここ最近は、レッスンと……そして、続きが読みたいと言う、抗いがたい誘惑に負けてしまっていました。


    「……」


     前髪に手をやりますが、私はスタイリストの方とは違います。
     LIVEの時、あの方達は私の髪に櫛を通し、視界を――世界を広げてくださいます。
     たったそれだけの事と思うかも知れませんが、確かに、ハッキリと変わるのです。
     けれど……何度指で梳いても、細く柔らかと言われる私の髪は、
    厚く硬い壁となって書との間に立ちはだかります。


    「……」


     もう少し背中を曲げれば、問題無く読めるとは思います。
     以前の私ならば、それこそ、毛ほどの躊躇いもなくそうしていた事でしょう。


    「……」


     しかし、今の私は、アイドルです。
     トレーナーの方にも、少し猫背気味なのを指摘されていました。
     なので、改善のために普段から背筋を伸ばすよう心がけるようにしてはいるのですが……。
     まさか、この様なタイミングで、それを意識させられる事になるとは、思いもよりませんでした。


    「……ふう」


     ため息を一つ付き、始まろうとしていた物語のページをそっと閉じます。
     時間を確認してみると……問題は、無さそうに思えます。


     本を読む前に、髪を切ろう。


     ……そう考えるようになったのは、私にとっては、劇的な変化と言えるでしょう。

    617 = 602 :

      ・  ・  ・

    「……」


     どうして……私は、此処に居るのでしょうか。
     ……などと、現実から目を背けて思考しても、眼の前の光景は何一つ変わりません。
     私の目の前には、今まで私が踏み入れた事の無い、綺羅びやかな――美容室が。
     外からで店内が覗けるガラス張りの其処は、中が見えているにも関わらず、
    いえ、見えているからこそ、不可視の魔物が潜んでいるように見えるのです。


    「……」


     外出してきます、と……最初に、私はそう告げただけなのです。
     理由を尋ねられ、それに答えたばかりに、皆の奔放さに巻き込まれてしまいました。


     ――行きつけの美容院を紹介する。


     誰が放ったかは定かではありませんが、その一言がきっかけでした。
     あれよあれよと人が集い、誰が私に美容院を紹介するか、という話にまで発展したのです。
     どの方も可愛らしく、綺麗な方達なので、私は決める――選ぶ事が、出来ませんでした。
     思いもよらず大事になってしまい、思考が纏まらなくなってしまったのです。


    「……」


     私が、誰を選ぶのかという、期待の視線に晒される中、声が響きました。


     ――ふふっ! 予約が、よーやく取れました……うふふっ!


     集まってきた方の一人が、もう、予約を取ってしまわれたのです。
     その方が利用している美容室は、モデルの方も利用する様な所で、
    プロダクション内でも、他に利用している方がいらっしゃるような、そんな場所。
     取り囲んでいた皆も、誰が紹介するかという話を忘れたかのように、
    其処ならば、と、頷いて納得していました。


    「……」


     ただ一人……私を除いて、ですが。


    「……」


     本来ならば、この様に当日に予約が出来る場所では無い、と。
     思いがけず訪れた、幸運のようなものだ、と。
     私の事を本当に思ってしてくれた、優しさの発露だ、と。
     ……そう、わかってはいるのですが。


    「……」


     私の足は、中々、前に進んでくれようとはしません。
     店の前を通り過ぎるのは、もう……三度目になるでしょうか。
     ガラスの壁の向こうから、私の姿を確認し、店員さんは不審な人物が居ると思っていないでしょうか。
     そんな、考えても仕方の無いような事ばかりが、頭に浮かんで消え、また、浮かび上がります。


     否応無しに時間過ぎ、約束の時間は迫っています。


    「っ……!」


     私は、意を決し、一歩を踏み出しました。
     時計の針は止めることは出来ません……ですが、止られるものなら、そうしていたとは思いますが。

    618 :

      ・  ・  ・

    「……」


     事務所へと戻る道すがら、何度か立ち止まり、前髪に手をやります。
     詳しくは無いのですが、美容師の方は、私でもわかるほど、腕が良いように思えました。
     ああいった場所では、美容師の方と話さなければいけないと緊張していたのですが、
    それを察してか、あまり話しかけらえる事もなく、静かに過ごす事が出来ました。


    「……」


     けれど、少しだけ。
     ほんの少しだけ、いつもよりも前髪が短くなったのです。


    「……」


     恐らくは、ほとんどの人が気付かないような、小さな変化。
     しかし、私はそれが気になって仕方ありません。


    「……ふう」


     再び歩を進め、皆の待つ事務所へと向かいます。


     ――切り終わった姿を見たい。


     と……そう、頼まれてしまったからです。
     紹介する事が出来なかったからその楽しみは、などと言われては、
    首を横に振るような真似をするには、あの場の空気は期待に満ちすぎていました。


     小さな変化ですが……私は、気になります。


     どう見られるかを意識するようになった、私の変化。
     アイドルとして変わった私の思考が、足に鎖となって巻き付いているのです。


    「……」


     しかし、これで何の気兼ねをする事なく、書の世界に没頭出来る。
     そう考える事で、気を紛らわし、やっとの事で戻ってくる事が出来ました。
     ……はい……戻ってくるまでお預けと、新刊を人質にされています。


    「……」


     ゆっくりとした歩みですが、遂に、事務所へと辿り着きました。
     重い足取りで階段を登り、大きな玄関ホールの扉をくぐります。


     すると――


    「――おはよう、ございます」


     ――シンデレラプロジェクトの、プロデューサーさんが、立っていました。


    「おはよう……ございます」


     これから、何処かへ向かおうとしているのでしょうか。
     左手に鞄を持ち、玄関口へと向かっていたので、まず、間違いないと思います。
     嗚呼……どうして、よりによって、今なのでしょうか。

    619 = 618 :


    「……」


     この方には、以前、とてもお世話になりました。
     なので、挨拶を交わして、すぐさまこの場を辞するのも憚られたのです。
     何か、一言だけでもかけた方が良いのでは。
     そんな風に、うっすらと思った私の思考は、



    「前髪を少し、短くされましたか?」



     いとも容易く、断ち切られました。


    「っ!? は……はい……」


     返事をしながら、俯きます。
     何故、すぐにわかってしまったのでしょうか。
     わかりません……どうして、なのですか。
     貴方は、何故……私にそう、言ったのでしょうか。


    「やはり、そうでしたか」


     緊張。
     やってくるであろう続く言葉を待つ、ほんの僅かな時間。
     そんな短い時間の中で、私は、心臓が鼓動する音を意識しました。
     いえ……大きくなったその音を意識せざるを得なかっただけ、ですね。



    「とても、よく似合っていると……そう、思います」



     更に大きくなった、心臓の音。
     静かな、書の世界に居ては感じる事の無かっただろう、激しい音。
     心臓とは、血液を全身に送り出すエンジンだと、誰かが言っていました。
     以前の私は、それに耐えきれず、倒れてしまいました。


     ……けれど、


    「ありが、とう……ございます」


     私は、アイドルです。


     困難を乗り越え、むしろ、糧として変化――成長しています。
     頬は熱く、鼓動の音は、今もとても大きく鳴り響いています。
     だからと言って、また、止まってしまうわけには……いきませんから。


     特に――この人の前では。


    「……良い、笑顔です」


     言われて初めて、私は笑みを浮かべている事に気付きました。
     その、驚きのせいでしょうか……。


    「――いってらっしゃいませ」


     私の口からは、自然と言葉が出ていました。


     ……あ……この人の顔を見上げても、前髪が目にかからない。

    620 :

    安定の25歳児

    621 :

    青いサキュバス2号ことふみふみじゃろ?

    622 = 618 :

      ・  ・  ・

    「……」


     プロジェクトルームのソファーに座り、戻ってきた書を膝に置く。
     そして、表紙の上に手を添えて、ふぅ、と、息を吐く。


    「……」


     髪を切った私への感想は、とても好意的なものでした。
     しかしそれは、髪型への――前髪が少し短くなった事へのものではなく、


     ――表情が明るくなった。


     ……と、そういったものでした。


    「……」


     前髪に手をやり、その先端を指先で軽く揺らします。
     ほんの少しだけ視界が開けただけなのに、表情まで変わるものなのでしょうか。
     前髪を少し短くしたと告げても、それ以外にも何かあったかと、問い質されました。
     心当たりは確かにありますが、それを言う事は、不思議と躊躇われたのです。


    「……すぅ……ふぅ」


     胸に手を当てて、大きく深呼吸。
     思い出すと速くなってしまう鼓動を落ち着かせるため、ゆっくりと。
     一度読み始めてしまえば集中出来ますが……いつまでも、ページがめくれません。
     今日の、予想していなかった展開に、まだ心が追いついて来ていないのでしょう。


    「……」


     時間を確認してみると、そろそろ、レッスンの時間が迫ってきています。
     読むのはレッスンが終わってからにした方が……良さそうですね。


    「……」


     少し時間は早いですが、ロッカールームへと。


    「……」


     少しだけ考えた末、ソファーに本を置いて、立ち上がります。
     だって、私が戻ってくる場所は此処なのですから。


     足取りが、軽い。


     その理由は……髪を切って、頭が軽くなったから――


    「……」


     ――……に、しておきます。




    おわり

    623 :

    なんという爽やかな読後感
    これでいつ下品がやってきても怖くないわ

    624 :

    ああー 武文いいぞーコレ なんかおとなしい二人なりに会話はなくとも通じ合ってるのイイヨネー

    625 :

    読ませるねぇ

    626 :

    ああ、上品だ。そこがいい…

    627 :

    綺麗の後には汚いが待っている

    628 :

    ふみふみの汚いの…本読んでたらトイレ行くの忘れて武内pに声をかけられた瞬間に漏らしちゃうとか?

    629 :

    汚いのより怖いのが読みたい
    怖いアイドルいっぱいいるんだから…

    630 :

    綺麗なアイドル達の汚い話とか怖ろしいにも程があるだろ

    631 = 620 :

    ポプテピピックと化した渋谷さん

    632 :

    アイドルの子型化とか、見てみたいな

    633 :

    みりあにキスの味ってどんな味って聞かれて迫られるPをお願いします!

    634 = 618 :


    「貴女のプロデューサーさんって、素敵よね」


     テレビ収録の、休憩時間に、そんな事を言われました。
     そう、言ってきたのは、アー、共演者の女優さん、です。
     事務所にも色っぽい人、大勢居ます。
     でも、この人みたいな人は、あまり居ませんね?


    「ダー♪ プロデューサーは、とっても優しいです♪」


     始めは、私をどう思っているか、わかりませんでした。
     でも、今は違います。
     プロデューサーは、私をとても大切にしてくれています。
     今日も、一緒に収録に来てくれたのが、その証拠、です!


    「まあ! 見た目によらず、ジェントルマンなのね」


     女優さんは、少し、アー、砕けた? 感じで、言いました。
     私は、それがおかしくて、クスクスと笑ってしまいました。
     そんな私を見て、女優さんも、笑います。
     色っぽくて、優しい人だと、思いました。



    「――夜は、見た目通りワイルドだと良いんだけど」



     この言葉を聞くまでは。


    「……シトー?」


     私は、最初、この人の言っている意味が、わかりませんでした。
     だから、ゆっくり、落ち着いて、考えます。


    「ちょっと、彼に挨拶してくるわね」


     女優さんは、ニッコリと笑いながら、言いました。
     そして、プロデューサーの方へと、歩いていきます。


    「……アー」


     女優さんは、プロデューサーに、笑いかけました。
     その笑顔は、とっても、可愛い!


     さっき見た笑顔とは……まるで、違いますね?


     だから、ゆっくり、落ち着いて、考えます。
     考えて、考えて……考えて、考えて――



    「――ヴラーク」



     答えが、出ました!
     あの女優さんは、ヴラーク、ですね?


     ヴラーク……アー……敵、です。

    635 = 618 :


    「……」


     女優さんは、笑顔で、プロデューサーに、話しかけています。
     プロデューサーは、笑顔が好き、です。
     笑顔で話しかけられて、ンー、少し、表情が……アー、柔らかく、見えます。
     でも、その笑顔は、本当の笑顔じゃない、です。


    「……」


     プロデューサーと、女優さんの話が、続いています。
     全部は聞こえないけど、少しだけ、内容、聞こえます。
     私の話をしていますね?
     フフッ! プロデューサーが、私を褒めてくれてます!


    「~♪」


     プロデューサーと、女優さんが、こっちを見ました。
     私は、笑顔で、手を振ります。
     プロデューサーに、本当の、笑顔を向けます。
     ……ハラショー! プロデューサーが、笑って、くれました!


     なのに、



    「もう、手を振り返してあげたら?」



     女優さんが、プロデューサーをポンと叩いて、


    「は……はあ」


     笑顔を止めてしまいました。
     プロデューサーは、右手を首筋にやって、困っています。
     女優さんは、それを見て、笑いました。


    「……」


     シトー? 何が……おかしいのですか?
     エータ ストゥラーンナ……変、ですね。
     ミシャエシュ、アー、邪魔をしたのに?


     プロデューサーが、私に、笑いかけてくれたのに。


     邪魔をして、何故、笑っていますか?


    「……ヴラーク」


     ヴラーク、ヴラーク、ヴラーク、ヴラーク!
     あの人……ニェート! あの女は、敵、です!


     だから、もう――


    「……フフッ!」


     ――許さない、です。

    636 = 618 :


    「――私の話、ですか?」


     プロデューサーの隣に立って、聞きます。
     プロデューサー、私の笑顔、見てください。
     可愛い、ですか? プロデューサー?
     

    「はい。とても、よく頑張っていると――」


     ウラー! 嬉しい、です!
     今日も、とっても、頑張りました!


    「ええ! 彼と話してたのよ、ねっ?」


     女は、そう言って、また、プロデューサーに笑いかけます。


    「スパシーバ! とっても、嬉しい♪」


     私は、そう言って、プロデューサーの腕に、抱きつきました。
     少し、恥ずかしいけど、全然嫌ではない、です。
     当たり前ですね?
     プロデュサーは、私の、プロデューサー、です。


    「あっ、あのっ!?」


     プロデューサーが、慌てています。
     フフッ! とっても、可愛い、です!
     可愛いプロデューサーと、スキンシップ!
     ポカポカ、します♪


    「――イズヴィニーチェ、すみません」


     でも、プロデューサーを困らせるのは、いけませんね?


    「少し、アー、はしゃぎすぎました」


     両手を後ろにやって、謝ります。


     プロデューサーのポケットから、ムゥーサラ、アー、ゴミを取って。


     このゴミは、女が、プロデューサーのポケットに入れた物、です。
     プロデューサーは、気付いていませんでした。
     だけど、私は気付いていました。


     ゴミは、ちゃんと、ゴミ箱に捨てないといけませんね?


    「あらあら、貴方達って仲が良いのね!」


     私が何をしたか、女は、気付いてないみたい、です。


    「ダー♪」


     笑顔で、手の中のゴミを握りつぶしました。

    637 :

      ・  ・  ・

    「……」


     収録が終わって、控室。
     私は、ポケットに入れておいたゴミを取り出し、広げました。
     思った通り、名前と、電話番号と、一言が、書いてありました。
     思った通り、ゴミでしたね?


    「……」


     でも、このまま捨てるのは、良くない、です。
     このゴミは、あの女が、プロデューサーに押し付けたもの、です。
     もしも、何かあったら、プロデューサーが悪者になってしまいます。
     それは、いけません。


    「……」


     ゴミは、持って帰ります。
     本当は、今すぐ、捨てたいです。
     こんな汚いもの、持っていたくない、です。


    「……」


     プロデューサーに近づくのは、敵、です。
     プロデューサーは、私のプロデューサー、です。
     プロデューサーを困らせるのは、私が許さない、です。
     プロデューサーには、笑顔でいてもらいたい、です。


    「……」


     でも、プロデューサーは、私だけのプロデューサーじゃ無い、です。
     プロデューサーは、シンデレラプロジェクトの、プロデューサー、です。
     他の部署とも、アー、連携する、とっても凄い人、です。
     だから、346プロダクションの人は、近づいても許します。


     それ以外は、


    「……」


     こうやって、全部、握りつぶします。


     プロデューサーは、忙しいけど、とっても、優しい。
     こんなゴミを渡されたら、困ってしまいます。
     だから、気づかれないように、こう、します。


     フフッ! とっても、良い子ですね?


    「……」


     プロデューサーが、待っています。
     もう、行かないといけませんね。


    「~♪」


     帰りは車で、二人っきり、です♪
     プロデューサーを独り占め、出来ます♪

    638 = 637 :

      ・  ・  ・

    「――あら、帰るの?」


     プロデューサーと廊下を歩いていると、後から、声がしました。
     プロデューサーは、立ち止まって、振り返ります。
     この声は、あの女、です。
     私は、早く、プロデューサーを独り占めしたい、です。


    「ねえ――」


     どうして、また、邪魔をしますか?
     時間に、アー、余裕があれば、どこかに寄ったり、出来ます。
     アヴィヤダチ、夕食を一緒にする事も、出来ます。
     だから、早く、行きたいです。


    「――プロデューサーさん?」


     フフッ!


     ……ブリン ナダィェロ……もう、うんざり、です。


    「ダー。お疲れ様、でした」


     プロデューサーが、何か言う前に、私が先に、言います。
     私は、今、プロデューサーの少し後ろに、立っています。


     つまり――今、私がどんな顔をしているかは、見えませんね?


    「っ……!?」


     女が、一歩、後ろに下がりました。
     少し、顔が、アー、青くなる? 青ざめて? います。


     ――どうしましたか?


     ――体が震えて……寒いのですか?


    「あ、あの……どこか具合でも、悪いのですか?」


     プロデューサーは、優しい、です!
     でも、その優しさは、この女に向ける必要は、ありません。


     ――そうですよね?


    「えっ、ええ……お、お疲れ様!」


     女は、そう言うと、私達に背を向けて、早足で行ってしまいました。
     私は、そっとプロデューサーの横に行って、顔を見ます。
     ……フフッ! プロデューサー、キョトンとしています!


     プロデューサーは、とっても、可愛い♪



    おわり

    639 :

    高垣楓さんを召喚したい

    640 :

    アーニャ最高や…綺麗な娘って笑顔も見方によっては怖くなるよね

    641 :

    アーニャさん素敵
    他の子バージョンも読んでみたい
    キュートとパッションから愛の重そうな子で

    642 :

    ふむ、まあ他の会社ではそうなるよな。現状で殺し合いに至ってないのが不思議なくらいだし

    643 :

    こんなことしてるから武内Pにいい人できないんだよなあ

    644 :

    まあ相手が業界人だと色々スキャンダラスに巻き込まれて相手側な利用されちゃうかもしれないしね
    ええ、身内なら大丈夫ですよ?

    645 :

    ということは専務…

    646 :

    Pの元カノないし、非業界人の彼女が居れば問題ないのでは?(同種の怪物オチ)

    647 :

    どこかの世界線にはモデル経験もアイドルをやっていない、お酒好きな和歌山県出身の女性が相手の場合もあるだろう

    648 :

    ついスカウトしちゃうからダメだろな…

    649 :

    莉嘉に夏だからカブトムシ採りに行きたいとせがまれるPをください!

    650 = 645 :

    また凛凛蝉が出るのか


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