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元スレ男「ずっと前から好きでした!」 後輩「……誰?」
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放課後 バスケ部部室
後輩姉「あーあ。これから練習か。球技大会の後くらい休みにしてほしいよね」
副部長「……お前、何かあったのか?」
後輩姉「なんで?」
副部長「1年がかなりビビってたぞ。球技大会で素人相手に本気を出してたって」
後輩姉「別に本気なんて出してないけどね」
副部長「本気を出さずに無失点ゲームしたのかよ。相手が素人とはいえ、バスケの試合で0-50なんて異常だろ」
後輩姉「いやいや、軽く流したよ。ほんの少し機嫌が悪かっただけでさ」
副部長「相手は災難だったな。機嫌の悪いお前と試合するなんて悪夢だ。想像もしたくない」
後輩姉「私のほうがよっぽど悲惨な目に遭ったから。あの二人の熱い抱擁を目の前で見せつけられたんだよ?」
副部長「それは悪夢だな。想像すると殺意が湧いてくる」
後輩姉「あーあ。これから練習か。球技大会の後くらい休みにしてほしいよね」
副部長「……お前、何かあったのか?」
後輩姉「なんで?」
副部長「1年がかなりビビってたぞ。球技大会で素人相手に本気を出してたって」
後輩姉「別に本気なんて出してないけどね」
副部長「本気を出さずに無失点ゲームしたのかよ。相手が素人とはいえ、バスケの試合で0-50なんて異常だろ」
後輩姉「いやいや、軽く流したよ。ほんの少し機嫌が悪かっただけでさ」
副部長「相手は災難だったな。機嫌の悪いお前と試合するなんて悪夢だ。想像もしたくない」
後輩姉「私のほうがよっぽど悲惨な目に遭ったから。あの二人の熱い抱擁を目の前で見せつけられたんだよ?」
副部長「それは悪夢だな。想像すると殺意が湧いてくる」
後輩姉「それに引きかえ、君は幸せな時間を過ごしたようだね。男くんの試合を見に行ったんでしょ?」
副部長「もちろん。男の勇姿を目に焼き付けてきたぜ」
後輩姉「で、少しは話すことできたの?」
副部長「……試合終わったら話しかけようとしたんだけどな。ある1年の女子が男に説教を始めたから近寄ることすら出来なかったよ」
後輩姉「そのまま別れてしまえばいいのにね」
副部長「もちろん。男の勇姿を目に焼き付けてきたぜ」
後輩姉「で、少しは話すことできたの?」
副部長「……試合終わったら話しかけようとしたんだけどな。ある1年の女子が男に説教を始めたから近寄ることすら出来なかったよ」
後輩姉「そのまま別れてしまえばいいのにね」
副部長「なんなんだよ、あいつ! あんなに一生懸命プレーした男に説教するとかあり得ないだろ!」
後輩姉「君は彼女じゃないんだから、あの子がやることに文句を言っちゃいけないよ」
副部長「だけど、男はあんなに頑張ったのにあんまりじゃないか……俺が彼女だったら、抱きしめて褒めてやるのに……」
後輩姉「君がそんなことをしても、男くんは悪態をつくだけで感謝なんてしないよ」
副部長「いいじゃねえか。ツンデレっぽくて可愛いぜ」
後輩姉「……恋は盲目、だね」
後輩姉「君は彼女じゃないんだから、あの子がやることに文句を言っちゃいけないよ」
副部長「だけど、男はあんなに頑張ったのにあんまりじゃないか……俺が彼女だったら、抱きしめて褒めてやるのに……」
後輩姉「君がそんなことをしても、男くんは悪態をつくだけで感謝なんてしないよ」
副部長「いいじゃねえか。ツンデレっぽくて可愛いぜ」
後輩姉「……恋は盲目、だね」
後輩姉「副部長は誤解しているようだけど、実際の彼は口も性格も悪くて、小憎らしいって感じなのよ」
副部長「それは強がってるんだよ。身体も気も小さい男が、周りからなめられないように、虚勢を張っているんだ」
後輩姉「んー……」
副部長「どうだ、可愛いだろ?」
後輩姉「確かに、弱い自分を隠すために強がっている姿は愛おしいと思うよ? でも、男くんはそういうキャラクターではないから。あれは生まれもった性格であって、演じているわけではない」
副部長「なんでわかるんだよ」
後輩姉「そんなの目を見ればわかる」
副部長「……目?」
後輩姉「そう。目は口程に物を言う、って言うでしょう? 虚勢を張っている人は往々にして怯えた目をしてるのよ」
副部長「それは強がってるんだよ。身体も気も小さい男が、周りからなめられないように、虚勢を張っているんだ」
後輩姉「んー……」
副部長「どうだ、可愛いだろ?」
後輩姉「確かに、弱い自分を隠すために強がっている姿は愛おしいと思うよ? でも、男くんはそういうキャラクターではないから。あれは生まれもった性格であって、演じているわけではない」
副部長「なんでわかるんだよ」
後輩姉「そんなの目を見ればわかる」
副部長「……目?」
後輩姉「そう。目は口程に物を言う、って言うでしょう? 虚勢を張っている人は往々にして怯えた目をしてるのよ」
副部長「それはあくまでお前の推察だろ」
後輩姉「じゃあ、男くんが君の言うような性格だとしよう。それでも私は、彼への印象は変わらない」
副部長「だけど、さっき愛おしいって……」
後輩姉「それは別の人物に対しての話」
副部長「……誰だよ?」
後輩姉「さあ、誰でしょうね」
・
・
・
公園
後輩「さあ、誰でしょうね」
男「……」
後輩「試合中に足を捻挫したにも関わらず終了までプレーを続けて、全治3週間の診断を下された大馬鹿者は、誰でしょうね」
男「めんどくさそうな顔をしながら『球技大会なんて適当にこなしておけばいい』とかほざいていた野郎ですかね……」
後輩姉「じゃあ、男くんが君の言うような性格だとしよう。それでも私は、彼への印象は変わらない」
副部長「だけど、さっき愛おしいって……」
後輩姉「それは別の人物に対しての話」
副部長「……誰だよ?」
後輩姉「さあ、誰でしょうね」
・
・
・
公園
後輩「さあ、誰でしょうね」
男「……」
後輩「試合中に足を捻挫したにも関わらず終了までプレーを続けて、全治3週間の診断を下された大馬鹿者は、誰でしょうね」
男「めんどくさそうな顔をしながら『球技大会なんて適当にこなしておけばいい』とかほざいていた野郎ですかね……」
後輩「先輩は本当にどうしようもない馬鹿です。早々に交代しておけば、軽い捻挫で済んだのに」
男「後輩にいいところを見せたかったんだよ……」
後輩「試合前にこれ以上ないくらいの醜態を晒しておいて、球技大会でちょっといいプレーしたくらいで私が喜ぶでも思っているのですか?」
男「……なあ、俺はあの時、一体なにを間違えたんだ?」
後輩「間違いに気付かないとは、さすが唐変木」
男「後輩にいいところを見せたかったんだよ……」
後輩「試合前にこれ以上ないくらいの醜態を晒しておいて、球技大会でちょっといいプレーしたくらいで私が喜ぶでも思っているのですか?」
男「……なあ、俺はあの時、一体なにを間違えたんだ?」
後輩「間違いに気付かないとは、さすが唐変木」
後輩「先輩が痛みに耐えてプレーしている姿を見せられて、私は辛いだけでしたよ」
男「うまく隠せてると思ったんだけどな。現に捻挫してたことに気付いたのは後輩だけだし」
後輩「彼女なのですから当然でしょう。周囲の目は誤魔化せても、私を騙すことなど不可能です」
男「だな。今回のことで、後輩に隠し事ができないのがよくわかったよ」
後輩「なら、もう……あんな無茶はしないでください」ギュ
男「……心配かけてごめんな」ナデナデ
後輩「次はないですからね」ギュウ
男「うまく隠せてると思ったんだけどな。現に捻挫してたことに気付いたのは後輩だけだし」
後輩「彼女なのですから当然でしょう。周囲の目は誤魔化せても、私を騙すことなど不可能です」
男「だな。今回のことで、後輩に隠し事ができないのがよくわかったよ」
後輩「なら、もう……あんな無茶はしないでください」ギュ
男「……心配かけてごめんな」ナデナデ
後輩「次はないですからね」ギュウ
後輩「今回のことで身に染みてわかったのではないですか。人間、よくないことを考えているとろくなことにならないのですよ」
男「確かに、キスしてもらうためにゴールを決める、とか邪な考えはダメだよな」
後輩「はっ?」
男「ほら、約束しただろ? 俺がゴールを決めたら、後輩にキスしてもらうって」
後輩「……私が訊いているのは、無茶した理由が私にキスしてもらう為なのか、ということです」
男「そうだけど?」
後輩「……」ギロッ
男「こ、後輩……?」
後輩「キスくらいいくらでもしてあげますよ!」チュウウ
男「!?」
男「確かに、キスしてもらうためにゴールを決める、とか邪な考えはダメだよな」
後輩「はっ?」
男「ほら、約束しただろ? 俺がゴールを決めたら、後輩にキスしてもらうって」
後輩「……私が訊いているのは、無茶した理由が私にキスしてもらう為なのか、ということです」
男「そうだけど?」
後輩「……」ギロッ
男「こ、後輩……?」
後輩「キスくらいいくらでもしてあげますよ!」チュウウ
男「!?」
男「お、おい!」
後輩「なんですか!? キスしてほしいのでしょう!?」チュ
後輩「何度だって!」チュ
後輩「してあげますよ!!」チュウウウウウウウウ
男「○△□×!!?」
後輩「なんですか!? キスしてほしいのでしょう!?」チュ
後輩「何度だって!」チュ
後輩「してあげますよ!!」チュウウウウウウウウ
男「○△□×!!?」
後輩「あと何回すれば満足なのです!? 100回でも200回でもしますよ!」
男「も、もういいって!」
後輩「そもそも、試合前にキスしていますよね!? 無茶してまでキスしてもらうほど飢えていたはずではありませんけど!」
男「あれは頬っぺたにだったしな……」
後輩「不満だったら、その場で言えばいいでしょう!?」
男「……自分から言うのはアレだし」
後輩「私は、貴方が望むなら唇どころか身体さえ喜んで差し出しますよ! なんなら、証明しましょうか!?」
男「俺が全部悪いです。ごめんなさい……」
男「も、もういいって!」
後輩「そもそも、試合前にキスしていますよね!? 無茶してまでキスしてもらうほど飢えていたはずではありませんけど!」
男「あれは頬っぺたにだったしな……」
後輩「不満だったら、その場で言えばいいでしょう!?」
男「……自分から言うのはアレだし」
後輩「私は、貴方が望むなら唇どころか身体さえ喜んで差し出しますよ! なんなら、証明しましょうか!?」
男「俺が全部悪いです。ごめんなさい……」
男「……自分からはできないから、せめて勝ち取ろうと思ったんだ」
後輩「先輩ってどこまで馬鹿なのですか。貴方は既に私の心を勝ち取っているのですよ。それ以上のことなんてないでしょう」
男「でも……」
後輩「そりゃあ、私だって先輩からキスされたいです。時には不満を覚えますけど、でも先輩が奥手なことは理解しているので我慢はできますよ」
男「……」
後輩「まあ、せめてプロポーズくらいはしてくれないと困りますけど」
男「……ああ。任せてくれ」
後輩「期待はしませんけど、待っていますよ」
後輩「先輩ってどこまで馬鹿なのですか。貴方は既に私の心を勝ち取っているのですよ。それ以上のことなんてないでしょう」
男「でも……」
後輩「そりゃあ、私だって先輩からキスされたいです。時には不満を覚えますけど、でも先輩が奥手なことは理解しているので我慢はできますよ」
男「……」
後輩「まあ、せめてプロポーズくらいはしてくれないと困りますけど」
男「……ああ。任せてくれ」
後輩「期待はしませんけど、待っていますよ」
後輩「さて、そろそろ帰りますかね」
男「もうこんな時間か……。ごめんな、貴重な練習時間を削ってしまって」
後輩「先輩とたくさんキスできたのでいいですよ」
男「お、お前なあ!」
後輩「別に恥ずかしがることないでしょう。先輩って本当に初心……」
男「どうした?」
後輩「……いえ、なんでもないです」
男「なら、いいけど……」
後輩(こんなに奥手な人が姉を押し倒すなんてことできるの……?)
男「もうこんな時間か……。ごめんな、貴重な練習時間を削ってしまって」
後輩「先輩とたくさんキスできたのでいいですよ」
男「お、お前なあ!」
後輩「別に恥ずかしがることないでしょう。先輩って本当に初心……」
男「どうした?」
後輩「……いえ、なんでもないです」
男「なら、いいけど……」
後輩(こんなに奥手な人が姉を押し倒すなんてことできるの……?)
>>747
ありがとう。
ありがとう。
>>751
嘘乙。更新されたじゃん
嘘乙。更新されたじゃん
翌日 朝 中学校校庭
妹「お兄ちゃんと部長が付き合ってた? なにそれ?」
後輩「知らないのですか……?」
妹「知らないもなにもあの二人は付き合ってないよ」
後輩「で、でも、姉が告白したのは事実なのです!」
妹「部長がお兄ちゃんに? いやー、それはなにかの勘違いだよ」
後輩「この目で見たのです! 間違いありませんよ!」
妹「うーん。それが事実だとしても、お兄ちゃんは受けなかったはずだよ。中学時代から後輩さんに夢中で他の女の子なんて眼中になかったし」
後輩「……私がはっきりしないから、自暴自棄になって姉と……」
妹「あー、ないない。実はお兄ちゃん、昔から部長のこと嫌いでさ。なんかライバル視してるみたい。『あいつには絶対に負けない』って中学の頃は事あるごと
に言ってたし」
後輩「なら、あの話は……」
妹「お兄ちゃんと部長が付き合ってた? なにそれ?」
後輩「知らないのですか……?」
妹「知らないもなにもあの二人は付き合ってないよ」
後輩「で、でも、姉が告白したのは事実なのです!」
妹「部長がお兄ちゃんに? いやー、それはなにかの勘違いだよ」
後輩「この目で見たのです! 間違いありませんよ!」
妹「うーん。それが事実だとしても、お兄ちゃんは受けなかったはずだよ。中学時代から後輩さんに夢中で他の女の子なんて眼中になかったし」
後輩「……私がはっきりしないから、自暴自棄になって姉と……」
妹「あー、ないない。実はお兄ちゃん、昔から部長のこと嫌いでさ。なんかライバル視してるみたい。『あいつには絶対に負けない』って中学の頃は事あるごと
に言ってたし」
後輩「なら、あの話は……」
妹「安心しなよ。お兄ちゃんは後輩さん一筋だって。そんなの後輩さんだってわかってるでしょ?」
後輩「それはそうですけど……」
妹「そんなに気になるなら、本人に直接訊いてみれば? お兄ちゃん、嘘つくのヘタだから誤魔化せないだろうし」
後輩「……検討してみます」
後輩「それはそうですけど……」
妹「そんなに気になるなら、本人に直接訊いてみれば? お兄ちゃん、嘘つくのヘタだから誤魔化せないだろうし」
後輩「……検討してみます」
妹「そろそろ練習しようよ。今日は山場なんだし、気合入れていこー!」
後輩「……なんで、あの人がここに」
妹「えっ?」
副部長「……」キョロキョロ
妹「副部長……?」
副部長「お、男はどうしたんだ?」
妹「お兄ちゃんなら捻挫したので家にいますけど」
副部長「そ、そうなのか……」ガックシ
後輩「……」
後輩「……なんで、あの人がここに」
妹「えっ?」
副部長「……」キョロキョロ
妹「副部長……?」
副部長「お、男はどうしたんだ?」
妹「お兄ちゃんなら捻挫したので家にいますけど」
副部長「そ、そうなのか……」ガックシ
後輩「……」
妹「副部長はどうしてここに?」
副部長「お前を呼びにきたんだよ。朝練に参加しないで、こんなとことで遊んでる場合じゃねえだろ。レギュラーの自覚あんのか」
妹「す、すみません……」
副部長「いいから早く行けよ。時間を無駄にすんな」
妹「……後輩さん、ごめん」
後輩「私は大丈夫ですから、行ってください」
妹「じゃあ、また学校で……」
副部長「行けよ!」
妹「は、はいいいいいいいい!」ダッ
副部長「ちっ……」
後輩「……それで、何の用ですか?」
副部長「さすが出来のいい後輩さん。察しがよろしいようで」
副部長「お前を呼びにきたんだよ。朝練に参加しないで、こんなとことで遊んでる場合じゃねえだろ。レギュラーの自覚あんのか」
妹「す、すみません……」
副部長「いいから早く行けよ。時間を無駄にすんな」
妹「……後輩さん、ごめん」
後輩「私は大丈夫ですから、行ってください」
妹「じゃあ、また学校で……」
副部長「行けよ!」
妹「は、はいいいいいいいい!」ダッ
副部長「ちっ……」
後輩「……それで、何の用ですか?」
副部長「さすが出来のいい後輩さん。察しがよろしいようで」
副部長「姉と賭けをしてるそうだな」
後輩「貴女には関係ないでしょう」
副部長「それがあるんだな、これが」
後輩「何があるというのですか」
副部長「男が好きなんだよ。ずっと、ずっと前からな」
後輩「……なるほど。確かに関係ありますね」
後輩「貴女には関係ないでしょう」
副部長「それがあるんだな、これが」
後輩「何があるというのですか」
副部長「男が好きなんだよ。ずっと、ずっと前からな」
後輩「……なるほど。確かに関係ありますね」
副部長「俺がお前らの関係を終わらせてやるよ」
後輩「できるといいですね」
副部長「バスケを投げだしたお前が俺に勝てると本気で思ってるのか?」
後輩「困難なことはわかっています。ですが、なんとしてでも勝たなければならないのです」
副部長「精神論でどうにかできる実力差か?」
後輩「それは……」
副部長「まあ、今回は運がなかったな。俺と当たらなければ、姉を相手に10点決めればいいだけだったのに。そもそもお前のような軟弱な女が男を守ろうなんておこがましいんだがな」
後輩「……守る?」
副部長「そうだ。俺なら、あいつを守れる、幸せにしてやれる。お前じゃ役不足なんだよ」
後輩「……」クスッ
副部長「なんだよ?」
後輩「いえ。貴女は安い女だな、と思いましてね」
後輩「できるといいですね」
副部長「バスケを投げだしたお前が俺に勝てると本気で思ってるのか?」
後輩「困難なことはわかっています。ですが、なんとしてでも勝たなければならないのです」
副部長「精神論でどうにかできる実力差か?」
後輩「それは……」
副部長「まあ、今回は運がなかったな。俺と当たらなければ、姉を相手に10点決めればいいだけだったのに。そもそもお前のような軟弱な女が男を守ろうなんておこがましいんだがな」
後輩「……守る?」
副部長「そうだ。俺なら、あいつを守れる、幸せにしてやれる。お前じゃ役不足なんだよ」
後輩「……」クスッ
副部長「なんだよ?」
後輩「いえ。貴女は安い女だな、と思いましてね」
副部長「ああ!?」
後輩「だって、そうじゃありませんか。守るとか幸せにするとか一方的に相手を大切にできれば満足なのでしょう? 相手を愛するだけで満足なんて独善的な思考です」
副部長「なら、お前は見返りを求めてんのかよ」
後輩「ええ。私は愛し合いたいですから。もちろん、相手から愛されるように努力しますけどね」
後輩「愛することが目的な貴女には、先輩を振り向かせることはできませんよ」
後輩「だって、そうじゃありませんか。守るとか幸せにするとか一方的に相手を大切にできれば満足なのでしょう? 相手を愛するだけで満足なんて独善的な思考です」
副部長「なら、お前は見返りを求めてんのかよ」
後輩「ええ。私は愛し合いたいですから。もちろん、相手から愛されるように努力しますけどね」
後輩「愛することが目的な貴女には、先輩を振り向かせることはできませんよ」
副部長「ふん。お前たちが別れることになれば、俺にはいくらだってチャンスはあるんだ。じっくり時間をかけて関係を築くさ」
後輩「貴女にチャンスなど訪れません。年下の女に想い人を奪われた負け犬になんて、私は負けませんから」
副部長「ほざいてろ。重圧に負けてバスケを投げ出したお前なんかに負けねえよ」
後輩「……」
副部長「……」
後輩「では、学校で」
副部長「首洗って待っとけよ」
後輩「貴女にチャンスなど訪れません。年下の女に想い人を奪われた負け犬になんて、私は負けませんから」
副部長「ほざいてろ。重圧に負けてバスケを投げ出したお前なんかに負けねえよ」
後輩「……」
副部長「……」
後輩「では、学校で」
副部長「首洗って待っとけよ」
体育館
後輩「……身体を動かしてきます」
男「俺も行くよ」
後輩「いえ。集中したいので、一人でやってきます」スタスタ
男「……後輩、やけにピリピリしてるけど、なんかあったのか?」
妹「なんか悩んでるみたいだよ、お兄ちゃんのせいで」
男「俺? ……なにかしたのか?」
妹「んー。私にはよくわからなかったけど、お兄ちゃんが悪いんじゃないじゃないかなー。うん。絶対にそうだと思う」
男「曖昧なくせに、断定してんじゃねえよ」
後輩「……身体を動かしてきます」
男「俺も行くよ」
後輩「いえ。集中したいので、一人でやってきます」スタスタ
男「……後輩、やけにピリピリしてるけど、なんかあったのか?」
妹「なんか悩んでるみたいだよ、お兄ちゃんのせいで」
男「俺? ……なにかしたのか?」
妹「んー。私にはよくわからなかったけど、お兄ちゃんが悪いんじゃないじゃないかなー。うん。絶対にそうだと思う」
男「曖昧なくせに、断定してんじゃねえよ」
後輩姉「おはよー!」
妹「あ、おはようございますー!」
男「面倒なのがきやがった……」
後輩姉「男くんだー。妹ちゃんから聞いたよ。捻挫したんだってー?」ギュウ
男「!?」
後輩姉「大丈夫?」ギュウウウウウウ
男(こ、こいつ……笑顔で捻ったところを踏んでやがる……!)
妹「あ、おはようございますー!」
男「面倒なのがきやがった……」
後輩姉「男くんだー。妹ちゃんから聞いたよ。捻挫したんだってー?」ギュウ
男「!?」
後輩姉「大丈夫?」ギュウウウウウウ
男(こ、こいつ……笑顔で捻ったところを踏んでやがる……!)
後輩姉「痛いの?」
男(患部をダイレクトで踏まれてんだからな! 痛いだろうな!)
妹「お兄ちゃん?」
男「別に痛くねえよ……」
後輩姉「そっかあー」ギュウウウウウ
男「暑苦しいから離れろ……」
後輩姉「やーだー」ギュウウウウウウウウウウウウウウウウ
男「頼むから……」
後輩姉「なんでよー。昨日のお礼させてよー」
妹「うちの兄がお世話になったんですか?」
後輩姉「ちょっとね。……男くんと話をしたいから席外してくれる?」
妹「あ、はい……」
男(患部をダイレクトで踏まれてんだからな! 痛いだろうな!)
妹「お兄ちゃん?」
男「別に痛くねえよ……」
後輩姉「そっかあー」ギュウウウウウ
男「暑苦しいから離れろ……」
後輩姉「やーだー」ギュウウウウウウウウウウウウウウウウ
男「頼むから……」
後輩姉「なんでよー。昨日のお礼させてよー」
妹「うちの兄がお世話になったんですか?」
後輩姉「ちょっとね。……男くんと話をしたいから席外してくれる?」
妹「あ、はい……」
後輩姉「昨日は本当にありがとうね」
後輩姉「わざわざ、私の目の前であの子と抱き合ってくれて。おかげで大切なことを思い出せたわ」
後輩姉「君を殺したいほど憎い、ってことをね」ボソッ
男「……っ!」ゾクッ
後輩姉「わざわざ、私の目の前であの子と抱き合ってくれて。おかげで大切なことを思い出せたわ」
後輩姉「君を殺したいほど憎い、ってことをね」ボソッ
男「……っ!」ゾクッ
後輩姉「そういうことだから、行動には気を付けてね」パッ
男「……お前にとやかく言われる筋合いはねえよ」
後輩姉「私はあの子の姉よ。節度ある交際をするように導くのは当然でしょう」
男「導かねえで終わらせようとしてんじゃねえか……」
男「……お前にとやかく言われる筋合いはねえよ」
後輩姉「私はあの子の姉よ。節度ある交際をするように導くのは当然でしょう」
男「導かねえで終わらせようとしてんじゃねえか……」
後輩「……なにをしているのですか」
男「こ、後輩……!」
後輩姉「なんだと思う?」
後輩「なんでもいいですが、私の許可なく先輩に近付かないでください」
後輩姉「あら……」
後輩「目障りです。消えてください」
後輩姉「……そうね。そうするわ」
男「こ、後輩……!」
後輩姉「なんだと思う?」
後輩「なんでもいいですが、私の許可なく先輩に近付かないでください」
後輩姉「あら……」
後輩「目障りです。消えてください」
後輩姉「……そうね。そうするわ」
男「……やけに素直に聞いたな」
後輩「さあ? 私には関係ありませんし」
男「うーん……」
後輩「……」ベシッ
男「な、なんだよ?」
後輩「貴方は私のことだけ見てなさい」
男「お、おう……」
・
・
・
後輩姉「……」
妹「お兄ちゃんと話し終わったんですか?」
後輩姉「……妹ちゃん、中学校で朝練してたら副部長が来たって言ってたよね」
妹「そうですけど……?」
後輩姉「……」
妹「なにかあったんですか?」
後輩姉「あの馬鹿、余計なこと言ったな……」
後輩「さあ? 私には関係ありませんし」
男「うーん……」
後輩「……」ベシッ
男「な、なんだよ?」
後輩「貴方は私のことだけ見てなさい」
男「お、おう……」
・
・
・
後輩姉「……」
妹「お兄ちゃんと話し終わったんですか?」
後輩姉「……妹ちゃん、中学校で朝練してたら副部長が来たって言ってたよね」
妹「そうですけど……?」
後輩姉「……」
妹「なにかあったんですか?」
後輩姉「あの馬鹿、余計なこと言ったな……」
>>769
つーか、Twitterやってない。誤報もいいとこ。
つーか、Twitterやってない。誤報もいいとこ。
副部長「よお、雑魚。よく逃げなかったじゃねえか」
後輩「……」
副部長「シカトかよ」
後輩「……弱いやつほどよく喋るとはよく言ったものですね」
副部長「なんだと!?」
後輩「では、試合が始まりますので」スタスタ
副部長「ちっ……」
後輩「……」
副部長「シカトかよ」
後輩「……弱いやつほどよく喋るとはよく言ったものですね」
副部長「なんだと!?」
後輩「では、試合が始まりますので」スタスタ
副部長「ちっ……」
後輩「……」ダムダム
妹「後輩さんはどうやって攻略するんだろう」
男「ドリブルで切り裂く」
妹「はあ……これだから素人は。副部長が守るゴール前でシュートを決めるのは簡単じゃないわよ。まして、シュートを決められるのが後輩さんだけなんだもん。的を絞って守れるから、より後輩さんは難しいよ」
副部長「させるかあ!」
後輩「!」
妹「ほらね。ゴール前には簡単に侵入できる。でも、その後は副部長が手ぐすねを引いて待ち構えているのよ。苦しい体勢に追い込んで、シュートモーションに入ったら、あの身長を活かしてブロックショット決めてくる。……本当に嫌らしいのよ」
男「なら、外から打てばいいじゃねえか」
妹「馬鹿? 現役のバスケ部員だって3Pを決めるのは難しいのに、何年もバスケをやってない後輩さんに決められるはず……」
後輩「……」シュ
副部長&妹「えっ」
「……」パサッ
副部長「……」
妹「……」
後輩「さあ、次です!」
副部長&妹「えっ」
妹「後輩さんはどうやって攻略するんだろう」
男「ドリブルで切り裂く」
妹「はあ……これだから素人は。副部長が守るゴール前でシュートを決めるのは簡単じゃないわよ。まして、シュートを決められるのが後輩さんだけなんだもん。的を絞って守れるから、より後輩さんは難しいよ」
副部長「させるかあ!」
後輩「!」
妹「ほらね。ゴール前には簡単に侵入できる。でも、その後は副部長が手ぐすねを引いて待ち構えているのよ。苦しい体勢に追い込んで、シュートモーションに入ったら、あの身長を活かしてブロックショット決めてくる。……本当に嫌らしいのよ」
男「なら、外から打てばいいじゃねえか」
妹「馬鹿? 現役のバスケ部員だって3Pを決めるのは難しいのに、何年もバスケをやってない後輩さんに決められるはず……」
後輩「……」シュ
副部長&妹「えっ」
「……」パサッ
副部長「……」
妹「……」
後輩「さあ、次です!」
副部長&妹「えっ」
副部長(3Pだと……そんな馬鹿な……)
後輩「……」ダムダム
副部長(そ、そうだ。たまたまに決まってる。何本も決められるはずが……)
後輩「……」シュ
副部長「……」ゴクリ
「……」パサッ
副部長「!?」
男「何が『決めるのは難しい』だ。二本連続で決めてるじゃねえか」
妹「噓でしょ……」
後輩「……」ダムダム
副部長(そ、そうだ。たまたまに決まってる。何本も決められるはずが……)
後輩「……」シュ
副部長「……」ゴクリ
「……」パサッ
副部長「!?」
男「何が『決めるのは難しい』だ。二本連続で決めてるじゃねえか」
妹「噓でしょ……」
妹「今の2本は大きいよ。これで、副部長はゴール前に留まることができない……」
副部長(……やつが3Pを習得しているなら打たせるのは危険だ。だが、もし俺をゴール前から誘い出すのが目的だとしたら……)
後輩「……」ダムダム
副部長(く、くそったれ……)
後輩「……」ニヤァ
妹「ゴール前を空けて3Pを防ぎにいけば、逆にドリブルするスペースを与えて振り切られるリスクを負うことになる。でも、3Pを決められるのは避けたい」
妹「これで後輩さんが優位になった……」
男「俺は最初から楽勝だって言ってただろ」
副部長(……やつが3Pを習得しているなら打たせるのは危険だ。だが、もし俺をゴール前から誘い出すのが目的だとしたら……)
後輩「……」ダムダム
副部長(く、くそったれ……)
後輩「……」ニヤァ
妹「ゴール前を空けて3Pを防ぎにいけば、逆にドリブルするスペースを与えて振り切られるリスクを負うことになる。でも、3Pを決められるのは避けたい」
妹「これで後輩さんが優位になった……」
男「俺は最初から楽勝だって言ってただろ」
後輩「さあ、ラスト2分で10点差です。どうしますか?」ダムダム
副部長「……お前からボールを奪って速攻で8点差だ。まだわからない」
後輩「そうですか。ぜいぜい最後まで足掻いてください」
副部長「男は……俺が守るんだ。俺しか守れないんだ」
後輩「一つだけ言っておきます」スッ
副部長「……っ!」ダッ
後輩「貴方が思っているほど先輩は弱くありませんよ」クルッ
副部長「なっ……」
後輩「……」シュ
「……」パサッ
後輩「奥手ではありますけどね」
副部長「……お前からボールを奪って速攻で8点差だ。まだわからない」
後輩「そうですか。ぜいぜい最後まで足掻いてください」
副部長「男は……俺が守るんだ。俺しか守れないんだ」
後輩「一つだけ言っておきます」スッ
副部長「……っ!」ダッ
後輩「貴方が思っているほど先輩は弱くありませんよ」クルッ
副部長「なっ……」
後輩「……」シュ
「……」パサッ
後輩「奥手ではありますけどね」
妹「これで12点差……」
男「……」
妹「なんで、さっきから黙ってんの?」
男「あいつ、どこかで見たような……」
妹「そりゃ中高一緒なんだし、どっかで顔合わせたことくらいあるでしょ」
副部長「……あいつ、泣いてたんだよ」
後輩「はい?」
副部長「俺があいつと初めて出会ったとき、男は公園の片隅で泣いてたんだ」
副部長「小さい体をさらに小さく丸めて、誰にも負けないってつぶやきながら……」
副部長「……あの時、決めたんだ。俺が守るって。守り抜いてみせるって」
後輩「……」
副部長「だから、お前に負けるわけにはいかないんだ……!」
男「……」
妹「なんで、さっきから黙ってんの?」
男「あいつ、どこかで見たような……」
妹「そりゃ中高一緒なんだし、どっかで顔合わせたことくらいあるでしょ」
副部長「……あいつ、泣いてたんだよ」
後輩「はい?」
副部長「俺があいつと初めて出会ったとき、男は公園の片隅で泣いてたんだ」
副部長「小さい体をさらに小さく丸めて、誰にも負けないってつぶやきながら……」
副部長「……あの時、決めたんだ。俺が守るって。守り抜いてみせるって」
後輩「……」
副部長「だから、お前に負けるわけにはいかないんだ……!」
後輩「貴女の想いはわかりました。しかし、私にとっても先輩は大切な存在なのです」
後輩「譲ることはできません」
副部長「残り2分。俺は最後まで諦めねえぞ」
後輩「望むところです」
後輩「譲ることはできません」
副部長「残り2分。俺は最後まで諦めねえぞ」
後輩「望むところです」
試合終了後
妹「お疲れ様!」
後輩「ありがとうございます」
男「圧倒的だったな」
後輩「そうでもなかったですけどね……それより先輩、副部長のことですが」
男「ん?」
妹「お疲れ様!」
後輩「ありがとうございます」
男「圧倒的だったな」
後輩「そうでもなかったですけどね……それより先輩、副部長のことですが」
男「ん?」
副部長(終わった……。なにが男を守るだよ……。男に嫌われるのが怖くて、ずっと逃げてたくせに。なんて傲慢なんだ……)
後輩『相手を愛するだけで満足なんて独善的な思考です』
副部長「……」チラッ
後輩「~~~」
男「~~~」
副部長(どう見ても、男の隣にふさわしくないのは俺のほうだよな……)
男「おい」
副部長「な、な、な……なんで……」カァァ
男「あの時はありがとうな」
副部長「お、覚えてたのか……?」
男「いや、ついさっきまで忘れてた」ドーン
副部長「ああ、そう……」
後輩『相手を愛するだけで満足なんて独善的な思考です』
副部長「……」チラッ
後輩「~~~」
男「~~~」
副部長(どう見ても、男の隣にふさわしくないのは俺のほうだよな……)
男「おい」
副部長「な、な、な……なんで……」カァァ
男「あの時はありがとうな」
副部長「お、覚えてたのか……?」
男「いや、ついさっきまで忘れてた」ドーン
副部長「ああ、そう……」
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