元スレ八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 :
乙 ゆきのんかわいすぎ
52 :
期待
ぜひゆいゆいも書いてくれ
53 :
おつ
54 :
乙 できれば1行ずつあけてくれると読みやすくて嬉しい
56 = 1 :
読んで頂いて感謝です。
次の話もちょこちょこ書き始めてます。ガハマさん出さないと!
改行、開け過ぎると何か間延びしそうで怖かったんですが、もうちょっと開けた方がいいのかもしれませんね。
少し意識してみます。
どういう最後にするかは考えてますが、そこまでの流れはまだまだふんわりしてます。
ちょっとラブったり無駄にコメったりしながら日常的な話をつらつらと書いていきたいなと。
原作がちょっと不穏な感じなだけにSSの中くらい平穏に流れてほしいんですよねー。
ゆきのんには幸せになってほしい。
57 :
とても素晴らしい
58 :
ゆきのんかわいいのん
59 :
戸塚はどこだ…?
60 :
ゆきのんかわいい続きまだー?
62 :
かわいいゆきのんが見れるならいくらでも待ちますわ
63 :
ガハマさんに期待
64 :
結衣ちゃんに期待
65 :
八雪の絡みマジで良いわぁ
66 :
ゆいゆいかもん
67 :
期待してる
68 :
ゆいゆいー!はやくきてくれー!
69 = 65 :
ゆきのんはよ
70 :
いやいや、台本形式じゃあるまいし行開けるなんて冗談よしとくれ
71 :
地の文は開けなくていいよ 会話部分は開けてもいいんじゃね?
72 :
見やすさ的には異形ずつ開けがいいと思うけど
まあ好きにしてもらうのが一番
73 = 72 :
異形→一行
74 :
珍しく文章レベル高いのに、わざわざ低くする必要性はないと思うよ
75 :
どうもです。
やっとこさ九割方書けました。
後は仕上げと見直しをやりつつって感じで、この調子なら土日のどっちかには上げられるかなと考えてます。
ただ最近暑くなってきて、集中力が続かんのが……
行間については、皆さん色々意見あるみたいで正解はないのかなと思い、自分の慣れた書き方で行きたいと思います。
多少なり見易くなるように気を使うようにはしますので、どうぞよしなに。
しかし八雪の絡みはいいよね。
乙女なガハマさんも可愛いし。
8巻が早くでてほしいもんです。
77 :
やっはろー、夜だけど。
お待たせしまして。
ということで②上げてきます。
もうちょっと校正してもと思わんでもなかったんですが、まぁ切りが無いのでこの辺でと。
ガハマちゃんマジ乙女。
ゆきのんマジ天使。
アニメの方も佳境だし、まだまだ楽しみが多くて何よりです。
78 :
おっしゃああああああバッチ来い!!
79 = 1 :
② 決然たる意思で、由比ヶ浜結衣はその壁に手をかける
代わり映えのしないチャイムの音が、校内に遠く響き渡る。
授業の終了――というか放課後の始まりの方が意識としては近いか――を告げるその音を聞いて、教室にいる生徒たちは皆一様にその表情に喜色を滲ませている。
一方で俺はというと、こんな時でも平常心を忘れることはない。
否、皆が浮かれ騒ぐ時にこそ、その存在感を抑えることが肝要なのだ。
学校行事のあれこれで地に落ちた、どころか更に穴を掘って地中深く潜り込んでいるとさえ言われている俺の評判だが、最近はやや落ち着きを取り戻すことができている。
あるいは、ただ皆が飽きたってだけなのかもしれないけれど。
80 :
とはいえ、過ごし易くなったということに間違いはないのだ。
あとは、それを引っ繰り返さないようにすることを心掛けるのみ。
どうあれ目立てば無用な軋轢を生みかねない下地は変わっていないのだから、大人しくしていた方がいい。
その方がきっと、誰もが穏やかに過ごせるはずだ。世はなべてこともなし。
さて、そうと決まれば話は早い。
可及的速やかに撤退の一字あるのみである。
静かに、しかし素早く。
急ぎつつも、されど動きは最小限に。
机の上を片付けて、鞄の中に荷物を詰めて、すっと立ち上がる。
流れるような動作に隙はない。
比企谷八幡はクールに去るぜ。
81 = 1 :
「あ、八幡、これから部活?」
「お、おぅ」
「ぼくも部活なんだ。大会も近いし頑張らないと。じゃあまた明日ね」
「あぁ、また明日、な」
いつの間に傍まで来ていたのか、戸塚が俺に声をかけてきて、それから輝くような笑顔でぶんぶんと手を振りながら教室を出ていった。
対する俺はというと、茫然と見送ることだけしかできず。
振り返そうと上げかけた手に至っては、ぼんやり宙を掴むのみだった。
82 = 1 :
見事なまでに中途半端。
静かでも素早くもなく、流れは澱み、クールでもない。
何だ、いつも通りの俺じゃないか。
そんな時間をかけたつもりはないんだけどなぁ。
とはいえ、戸塚の笑顔が見れたからもう何でもいいか。
思い返して少し癒される。戸塚さんマジ天使。
さて、改めて気を取り直して席を立つ。
向かうはいつも通り奉仕部の部室だ。
というか、他に行く当てなんてないわけだが。
83 = 1 :
「おつかれー」
声をかけつつ扉を開けると、部屋には既に雪ノ下がいた。
いつもの席に腰掛けて、本を広げて読書の真っ最中だ。
俺が部屋に一歩踏み出すと、ちらと視線を上げてこちらを見てくる。
しかし俺も授業が終わって真っ直ぐにここに来たはずなのに、何で既にくつろぎモードに入ってるんだ、こいつは。
どんだけ瞬発力高いんだよ。
何? チャイム鳴った瞬間にクラウチングスタート切ってんの? 陸上の星にでもなるの?
84 = 1 :
「遅かったわね」
「お前が早過ぎるんだよ」
「愚鈍なあなたを基準に考えないで頂戴、失礼だわ」
「まずお前が俺に対して失礼だという発想はないのか?」
挨拶代わりのやり取りを挟みつつ、鞄を置いて俺も文庫本を取り出す。
今日も今日とて、やることは変わらない。
同じくいつもの席に座り、栞を挟んでいた頁を開いて読み始めようとしたのだが。
85 = 1 :
「……」
ふと視線を感じて、横目でちらと窺う。
何か知らんが、雪ノ下がこちらをじっと見ていた。
黙ったまま、微動だにせずに、じっと。
相も変わらず精緻な人形のように整ったその相貌からは、表情も感情も読み取れない。
普段は俺の事なんて、道端を歩くアリよりも興味無さそうなくせに、今日に限ってどうしてまたそんなに注視してらっしゃるのでしょうか。
今日のここまでのやり取りに引っかかるような所はなかったと思うんだけど。
86 = 1 :
「雪ノ下?」
何となく落ち着かなくなり、呼びかけてみる。
人間観察を常としている俺ではあるけれど、観察される側に回ることは滅多にない。
見るのはともかく、見られるのには慣れていないのだ。
「……」
「な、何だよ」
呼んだ瞬間、雪ノ下の目がすっと細められた。
無言で睨まれるとちょっと怖いんですが。
整い過ぎている容姿というのは、それだけで凶器に近い。
微笑みを見せられれば心を奪われ、睨みを受ければ自由を奪われる。
一介の男子高校生が相対するには、あまりにも荷が重いのだ。
87 = 1 :
「……雪ノ下、ね」
「?」
聞こえてきた小さな呟きに、一瞬何を言ってるのか分からず戸惑ってしまう。
が、次の瞬間思い当たった。
まさか、つい先日の名前呼びの話まだ続いてたのか?
いや待ってくれ。
それはもう、さすがに勘弁してほしい。
雪ノ下からすれば大したことではないのかもしれないが、こっちはそうは行かないのである。
あの時に思い知ったのだ――俺にとって、名前呼びのハードルが如何に高いのかを。
今だって、ちょっと想像してみて、それだけで心拍数が上昇する始末だ。
実際に口にしたら、それこそまた赤面して、いたたまれなくなってしまうこと請け合いである。
88 = 1 :
そもそも、そんな風に馴れ馴れしく振舞えるような間柄でもあるまいし。
手の届かない所で咲いているからこそ、高嶺の花と呼ばれるのだ。
間違っても、俺なんかが軽々しく触れていいものではない。
地を這う蛙が月に焦がれたとして、一体何ができようか。
眺めているだけで満足しとけ、という話である。
触れられるほどには近くはなく、見えないほどには遠くもない。
そんな距離にある事が、きっと今の俺たちにとって一番良いんだと思う。
ヤマアラシのジレンマではないけれど、今更距離感に頭を悩ませる必要なんてないはずだ。
89 = 1 :
なので、何も言わない。
断固たる意志でもって読書を再開する。
ちくちくと視線は刺さってくるけれど、敢えて無反応を貫く。
雪ノ下の負けず嫌いは百も承知だが、こればっかりは譲ってもらわないと困る。
そんな俺の意思が通じたのか、雪ノ下は聞こえよがしにため息をついてから、視線を改めて手元の本に戻した。
かかっていたプレッシャーが去り、俺の体もようやく緊張から解放される。
俺も盛大にため息をつきそうだったけど、そんなことしたらまたややこしいことになりかねないので、そこは忍耐の一字だ。
90 = 1 :
本当にこいつは、もう少し自分の挙動が周囲に与える影響について自覚してほしいね。
こいつの思わせぶりな仕草に、これまでどれだけの男子が涙を流してきたか、全く想像に難くないというものだ。
思春期男子の勘違いし易さをなめるなよ。
とは言っても、あまり自覚し過ぎるのも困りものではある。
だって、それこそ雪ノ下が陽乃さん化するだけなのだから。
何しろあの人、本当に自分の魅力を完全に理解して使いこなしてるっぽいし。
免疫の無い男子なんて、手玉に取られていることすら悟れまい。材木座とかが良い例だ。
あそこまで達せられる位なら――うん、今のままの方がむしろいいのかもしれない。
実に悩ましいものである。
91 = 1 :
「やっはろー!」
微妙な空気が流れること暫し。
そんな空間をぶち壊したのは、最近では耳慣れた感のある明るく陽気な声だった。
勢い良くドアを開けて入ってきたのは、由比ヶ浜結衣――奉仕部のもう一人のメンバーだ。
普段はちょっと煩く思ってしまうこともあるんだけど、この時ばかりはちょっと感謝した。
ちょこちょこと部屋に入ってくる由比ヶ浜に、雪ノ下が微笑みを向ける。
92 = 1 :
「こんにちは、由比ヶ浜さん」
「ゆきのん、昨日来れなくてごめんね」
「気にしないで、あの男と二人きりだったこと以外に問題はなかったから」
「あはは、ゆきのんってばもー」
その言葉が俺にとっては割と問題なんですが。
もっとも空気を読めることに定評のある八幡くんは、そんなことを口に出すような愚は犯さない。
あとどうでもいいけど、池上って話の中でそこまでディフェンス凄い描写なかったよね。
93 = 1 :
仲良さげに会話を交わしている二人。
しかし雪ノ下も、由比ヶ浜に対しては結構自然だよな。
こうして外から見てる分には、普通に仲の良い女子高生同士にしか見えん。
あんな柔らかな表情、俺に対しては痛烈な皮肉を言う時くらいしか向けてこないけど。
少しして、ポットから湯が沸いたことを知らせる音が聞こえてきた。
いつの間にやらティータイムの準備まで進めていたらしい。
相変わらずそつがないというか。貴女どれだけ手際が良いんですか。
94 = 1 :
「あ、お湯沸いたね、おやつにしよー」
明るい声で言いながら、ぱっと由比ヶ浜が立ち上がり、自分の鞄の方へと向かう。
と、歩くその背に雪ノ下が待ったをかける。
「由比ヶ浜さん、今日はクッキーを焼いてきたの。良かったらどう?」
「え? ホント? やった!」
紅茶の茶葉を用意しながら雪ノ下が口にした言葉に、由比ヶ浜が敏感に反応した。
飛び跳ねんばかりの勢いで向き直り、主に呼ばれた犬が如く俊敏に雪ノ下の傍へ駆け寄る。
元気ですね、ホントこの子。
95 = 1 :
「私の鞄に紙袋入ってるから、それ取り出してくれる?」
「おっけー、任せて」
話をしつつも、流れるような手際の良さで紅茶の準備を進める雪ノ下。
誰が見ている訳でもないのに、指の先まで神経を使っているかのように、動作の一つ一つがいちいち綺麗で細やかだ。
気品ってこういうのを言うんだろうなぁ。
それこそ生まれ持った素養というか。
小町が紅茶淹れても、絶対こんな風になんないもんな。
96 = 1 :
「何をしているの? ぼーっとしてないでお皿の準備くらいしたらどう?」
ぼんやりと、つい先日の適当に紅茶を淹れていた際の小町の粗雑な振舞いを思い起こしていたところに声をかけられ、少しびくっとしてしまう。
視線を向けると、雪ノ下が手を止めて冷ややかな目で俺を見ている。
まさか俺に声をかけてくるとは驚いた。
「え? 俺?」
「何を動揺しているのよ、少しは手伝おうという姿勢くらい見せなさい。まぁいらないのなら別にいいけど」
「あれ? 食べていいの? てっきりお前ら二人だけで楽しむもんかと」
思わず本音を零すと、深いため息で返された。
どうでもいいけど、今日はため息多いですね、幸せが逃げますよ。
97 = 1 :
「そんな仲間外れみたいな真似はしないわよ、あなたも奉仕部の一員なんだから。非常に不本意ではあるけれど」
「惜しい、最後の一言がなければ良い台詞だった」
「それで、どうするの?」
「いやもちろん手伝うに決まってるって。ぜひご相伴に預かりますって」
「無理に食べなくていいのよ」
「んなわけあるか、折角なのにそんな勿体ない。前にお前が作ったクッキーもすげぇ美味しかったし」
由比ヶ浜の依頼で動いた時のことを思い出す。
あの時、お手本として雪ノ下が作ったクッキーの味は最高だった。もう普通に店に出せるレベル。
ちなみにその時由比ヶ浜が作ったモノは、違う店でなら出せるかもというレベルだったけど。ホームセンターとか。
98 :
デレのんか?
99 = 1 :
「そう、まぁ一応褒め言葉と受け取っておくわ」
「いや、今の言葉をどうしたら褒め言葉以外に受け取れるんだよ、お前は」
俺の言葉だけ謎のフィルターにかけようとするの止めてくれない?
褒める時くらい俺だって素直に褒めるわ。多分。
それから俺も手伝って、机の上にクロスを敷き、皿やカップを並べていく。
由比ヶ浜が俺用にと紙コップも取り出してくれた。
ちなみに、それらはいずれも雪ノ下が自分で持ってきた私物だ。
何か最近加速度的にここが何をしている部なのか分からなくなってきてる感があるな。依頼も来ないし。いいのかこれ。
100 = 1 :
そんな疑問はとりあえず脇に置き、ありがたくティータイムと洒落込む。
早速、皿の上から一枚とって口に放り込んだ。
と、程良い上品な甘さが口一杯に広がる。
「おぉ、やっぱりすげぇ美味い、もう最高」
「ホント、何でこんなに美味しく作れるの? ゆきのんやっぱすごい」
「そう言ってもらえるのは嬉しいわね、でも特別なことなんてしてないわよ、レシピ通りに作っているだけだもの」
やはり由比ヶ浜の感想は素直に受け取るらしい。格差社会反対。
ここで不用意にツッコんで食べられなくなっても困るので黙っておくけど。
みんなの評価 : ☆
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