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    元スレ春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」

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    851 = 514 :

    ズオッ

    伊織「!」

    コォォ…

    キュラキュラ

    伊織(また『麻酔液』が来る…いや、直接撃ってくるかも…避けられるの…?)

    伊織「避ける…」チラ…

    貴音「………」

    伊織「………」

    伊織「避けるだとか…バテるだとか…」

    伊織「そんなこと考えてたら、いつまで経っても追いつけないわね」

    ズズズ

    伊織「『スモーキー・スリル』」

    852 = 842 :

     

    854 = 842 :

     

    855 = 514 :

    伊織(律子の奴、ペースを上げたみたいだけど…私の方が全然速い! もうそこに近づいてる)

    伊織(視界に捉えれば、またスピードは上げられる…)

    伊織(この速度なら、こっちの体力が切れる前に追いつくわ!)

    ゴォォォォ

    タッタッ

    伊織(この角を曲がれば…)

    律子「はぁ、はぁ…」

    伊織(見えた…!)

    クルッ

    伊織「ん!?」

    律子「ふぅ…」ガチャ…

    バタン!!

    伊織(家の中に入っていった…?)

    856 = 842 :

     

    857 = 514 :

    ヒョイッ

    伊織「ここは…」

    伊織(『秋月』…ここが、律子の家なのかしら…?)

    伊織(元々はアルバイトだったらしいし、前の事務所の近くにあったのね。今のからもそこまで遠くはないけど)

    グッ

    ガガッ…

    伊織(鍵をかけていったか…)スゥゥ…

    ガチャッ!

    キィ…

    伊織「…スタンド使いって、不法侵入し放題よね」

    858 = 842 :

     

    859 = 514 :

    伊織「お邪魔します…」

    シーン…

    伊織(返事がないわ…)

    伊織(人の気配もあまりない。今、家には誰もいないのね…律子以外は)

    貴音「………」フワ…

    トサッ

    伊織(流石に…疲れた。体もボロボロ…)

    伊織(けど、貴音はもっと…こんな、倒れるまで無理してスタンドを使っていた)

    伊織(こんなんで弱音吐いちゃいられないわ)モクモク

    スゥーッ

    伊織(律子は…上にいるわね)

    貴音「………」

    伊織「貴音、ここでしばらく休んでなさい。決着をつけてくるわ」

    860 = 842 :

     

    861 = 514 :

    カチャッ…

    律子「ノックくらいしたらどう、伊織…?」

    伊織「律子…アンタのスタンド、相当厄介なもんだったけど…」

    伊織「こう近づいたら、自分の身を守るには物足りないわ…袋の鼠ってやつね」

    律子「袋の鼠…?」

    律子「それを言うなら、伊織…あんたの方がネズミ取りの罠に引っかかった哀れな鼠よ」

    伊織「なんですって?」

    バタン!!

    伊織「は…」クル!

    ガタガタ

    伊織(細工してある…? ホテルのドアのようにビクともしない!)

    ゴトゴト

    伊織(『スモーキー・スリル』でも駄目か…!)

    862 = 842 :

     

    863 = 514 :

    伊織(…だから何よ、元から逃げるなんて選択肢はないわ)

    律子「私はね、伊織。あんたを少し甘く見ていたのよ」

    伊織「は…? 何よ、いきなり」

    律子「貴音の『フラワー・ガール』…あれと比べたら、『スモーキー・スリル』は大したスタンドだとは思わなかった」

    律子「だけどあんたの決断力、そして実行力…正体を見破られ、車を止められ、場所を見つけられ…」

    律子「私の行動は次々と裏目に出て、ここまで追いつめられた」

    伊織「………」

    律子「けど、もう油断はない。最後には勝つわ」

    伊織「私を閉じ込めたくらいで…何を勝ち誇ってんのよアンタは?」

    律子「残念だけどね伊織…この部屋に入った時点で、もうあんたの負けよ」

    伊織「はぁ…? そういうことはね…」

    伊織「勝ってから言うもんよ、このウスバカがッ!」

    864 = 842 :

     

    865 = 514 :

    伊織「行け、『スモーキー・スリル』!」ボウッ

    律子「硬球で頭カチ割るつもり…? 野蛮ね」

    伊織「んっ!?」クラ…

    ピタ…

    律子「やれ」

    シューッ

    伊織「んぷっ!? うあっ…あ…」

    ダラダラ

    伊織(これは、催涙スプレー…!? 目が…)

    伊織(いや、それもそうだけど…今の目眩は、律子が『何か』したの…?)

    律子「伊織。あんたの『煙』のスタンドって、吸い込んだら体に害はあるのかしら?」

    伊織「は…? 何を…」ボタボタ

    866 = 842 :

     

    867 = 514 :

    律子「『ロット・ア・ロット』の『麻酔液』は…」

    律子「地面に落ちれば、温度ですぐに揮発してしまうわ」

    伊織「…!」

    律子「だけど、蒸発しても気体になるだけで、なくなるわけじゃあない」

    伊織「ま、さか…」

    律子「この通り、この空気中に漂う…『麻酔ガス』に早変わりよ」

    伊織「律子…!!」

    律子「もっとも、こうやってある程度密封されていて広さもない場所じゃないと使えないけど」

    クラ…

    伊織(頭が…またクラっと来た…)

    律子「ま、念のためってこともあるし…『催涙スプレー』であんたの動きは二重に制限させてもらった」

    伊織「ぐ…」ボタボタ

    伊織「り…律子ォォォォォォォォォッ!!」

    868 = 842 :

     

    869 = 514 :

    伊織(息を抑えなくては…肌に触れても効果があるのかもしれないけど、多く吸い込むのはヤバい!)

    伊織(ドアから外に…は出られない、そのための鍵かッ…!)

    伊織(なら…)

    伊織「あああ、ああああ…!」ダラダラ

    ドドドド

    伊織(『スモーキー・スリル』!)

    スゥッ…

    伊織(『窓』! 目が見えなくても…場所くらいはわかる…)

    伊織(こいつに硬球を投げつけて窓ガラスを割る…!)

    ドシュゥーッ

    律子「おっと」

    ガゴォ

    伊織(あ…)

    870 = 842 :

     

    871 = 514 :

    律子「これで窓ガラスを割られて終わり、ってのもなんだか間抜けじゃない」

    律子「『ロット・ア・ロット』。数体をあらかじめこの部屋に配置しておいたわ」

    伊織(律子の…『浮遊スタンド』…)

    伊織(闇雲に投げても、あれに阻まれる…)

    律子「貴音やあんたには結構な数がやられちゃったけど…」

    律子「飛び道具ならどんな力で襲ってこようが、痛くも痒くもないわよ」

    伊織「く…」

    伊織「だったら、直…接…」グラ…

    ガクン

    伊織「え、あ…」ガクガク

    伊織(な…体が…)

    伊織(どうしてこんな急に…吸い込む量は抑えてるはず…)

    律子「この部屋の『麻酔ガス』、正直吸い込んだだけで影響があるような濃度じゃあないわ」

    伊織「え…?」

    872 = 842 :

     

    873 = 514 :

    律子「自分のスタンドだから大丈夫だとは思うけど…濃すぎると、先に部屋にいた私が倒れる可能性もあるし…」

    律子「それに、多く撒くためにはその分『ロット・ア・ロット』を壊さなければならないし、そんな量を破壊したら私にまでダメージが及ぶ」

    伊織(え…じゃあ…どういうこと…?)

    律子「もし貴音の方がここに来ていたら、こんな手段は取らなかった。あの『フラワー・ガール』相手にこんなことをしても無意味だもの」

    律子「でも伊織、あんたが相手なら話は違う。こっちの方が残ったのは、私にとって幸運だった」

    伊織「一体どういう…私は… …!」

    モクモクモク

    伊織「まさ、か…」

    律子「『スモーキー・スリル』は『煙』のスタンド! そして、スタンドと本体は一心同体!」

    律子「気体の『スモーキー・スリル』にこの『麻酔ガス』が混ざったら…それはもう、あんたの体内にあるのと同じこと」

    律子「ただの薬品とかじゃあ同じことはできないでしょうけど…『麻酔ガス』は『ロット・ア・ロット』の一部…この空気中に漂っているガスも、スタンドなのよ」

    伊織(意識が朦朧としてきた…立て、ない…)フラ…

    ドサアッ

    874 = 842 :

     

    875 = 514 :

    律子「はぁーっ…」クタ…

    律子「やった、やってやったわ…ギリギリだったけど…」

    律子「あとは、念のために下の階に置いてきた貴音にも『麻酔液』をかけて…それで終わりね」

    カタカタ

    ジーッ…

    ・ ・ ・

    律子(あれ…)

    律子(貴音が…いない…?)

    ガチャッ!!

    律子「!?」

    律子(ドアノブが…まさか、そんなはずは…)

    ゴトッ ゴドォ

    律子(でも、もし本当にそうなら…鍵が閉まってても、ドアを破ってくる…!!)

    876 = 842 :

     

    877 = 514 :

    バキャッ!!

    「私が…どうかしましたか?」

    キラ…

    律子「『ロッ…」

    ヒュッ

    パリィン!!

    律子「は…速すぎ…でしょうが…」

    スゥゥーッ

    伊織「うっ…」パチ

    伊織「ふぅ、はぁ…」フラ…

    伊織「う…目痛っ…」ググ…

    「『フラワー・ガール』。この距離、窓硝子を割るくらいならば雑作もありませんね」

    律子「あんたは…」

    伊織「た…貴音…!」

    貴音「いえす、あいあむ」チッチッ

    878 = 842 :

     

    879 = 514 :

    伊織「貴音…アンタ、どうして…」

    律子「貴音はエネルギーを使い果たして『再起不能』したはずでしょうッ!?」

    ドドド

    貴音「冷蔵庫の中に…」

    ドドドドドド

    貴音「食材があったので…」

    ドドドドドドドドド

    カッラァァーン

    貴音「頂かせてもらいました。生のままだったのであまり美味ではありませんでしたがねッ!」

    伊織「火くらい通しなさい…腹壊すわよ…」

    律子「それより、人ん家のもの勝手に食べないでちょうだい!」

    貴音「緊急事態でしたので…やむを得ないことです」

    880 = 842 :

     

    881 = 514 :

    貴音「さて、満腹となり…これで私の『フラワー・ガール』も全力を出せます…が」

    ゴゴゴゴ

    伊織「どうするわけ、律子…? 私も、まだちょっとは戦えるわ…」フラ…

    律子「降参、降参よ!」バッ

    律子「こんな距離で私の『ロット・ア・ロット』があんた達に勝てるわけないでしょうが!」

    貴音「なるほど、正体が掴めぬ間は恐るべきスタンドでしたが…この距離となれば話は違うようですね」

    伊織「でも、ここで逃がしたら、また仕掛けてくるんじゃ…」

    律子「正体もバレてるし…同じようなことをして同じように負けるほど馬鹿じゃあないわよ」

    伊織「手変えてくればいいんじゃない? あんたのスタンド、応用性高そうだし」

    律子「また窓割られたり、冷蔵庫の中身を食べ尽くされるのは勘弁願いたいわ…あんた達のこと、最悪車も壊されかねないし…」

    貴音「懸命ですね」

    伊織「否定しなさいよ、そこまで野蛮じゃあないっての」

    伊織「あーっ…目洗ってきていいかしら…」

    伊織(一応元、ってことになってるけど自分の担当アイドルに催涙スプレーなんて吹きかけて…痛くて仕方ないわ…)

    882 = 842 :

     

    884 = 842 :

     

    885 = 514 :

    グー

    貴音「…お腹が空きました」

    伊織「さっきまで戦ってたってのに、緊張感ないわねまったく…」

    伊織「じゃ、そこらの店に食べに行きましょ。律子の奢りで」

    律子「はぁ? ちょっと待ってよ、なんで私がそんなこと…」

    伊織「私達に負けたんだからそれくらいいいじゃないの」

    律子「あーもう…わかったわかった、近くの食べ放題でいいわね? 普通の店じゃ財布が持たないわ…」

    To Be Continued…

    886 = 842 :

    律子大好き

    887 = 514 :

    四条貴音…バイキングの料理を食べ尽くした後、帰っていった。

    水瀬伊織…バイキングの食事が口に合わず大いに愚痴を吐く。食後は町を回り、滅茶苦茶やった場所を直しに行く。

    秋月律子…道のど真ん中で放置していたため、レッカーで移動させられていた車を回収。その後もバイキングで嫌な視線を店員に向けられたり、伊織達に町の修復に付き合わされたりで、せっかくの休暇は散々な結果に終わった。

    高槻やよい…この後、特売に行った。

    菊地真…昨日の分も合わせ、無事予定していたレッスンを終える。絶対に途中で呼び出されると思っていたので、少し複雑な気分だったらしい。


    本日分はこれで終了です。支援ありがとうございました。

    888 = 842 :


    次回も楽しみにしてます

    889 = 838 :

    投下乙でした。
    貴音が仲間になったけど、残る一人の春香の敵対者(=味方?)は誰なのやら。
    小鳥さんはスタンド持ちなのかなぁ……?

    890 :

    りっちゃん散々ww
    乙でした

    891 :


    お姫ちんが春香の敵確定で後一人は多分あの二人のどっちかかな…楽しみ

    892 = 842 :

    スタンドがまだ出てきてないのは
    亜美、真美、雪歩、響、美希、小鳥さん(?)
    かな

    893 :

    食材の気配を感知して冷蔵庫まで這っていく貴音を想像したら可愛くて仕方ない

    894 :


    なんかあれだけのスタンドバトルやった後なのに
    バイキング一緒に行くとかなんかほのぼのしてんなw

    895 :

    明確に敵対してるのは春香で、あとは言いなりになってるだけだからな

    896 :


    律子が言いなり・・・涼ちんを人質に取られたのかッ!!!!!

    897 :

    律子みたいにカメラでも春香は支配できるのか?

    898 :

    お姫ちんつええ!美しい!
    最近一番楽しみなSS。続きが楽しみだ。

    899 :


    相変わらずのクオリティで面白かった!

    900 :

    ティンときた!まとめずにはいられない!!俺はまとめるぞ!ジョジョーーー!!!

    スモーキースリル >>140から
    ミスメイカー >>262から
    ストマvsゲンキ >>446から
    フラワーガール >>647から

    はるかっか: アイ・ウォント>>125
    まっこまっこりーん: ストレイング・マインド>>177
    いおりん: スモーキー・スリル>>253
    あずささん: ミスメイカー>>361
    ちひゃー: ブルー・バード>>421追加解説>>502
    うっうっー!: ゲンキトリッパー>>546
    >>1:関西>>628 (悩んだけど一応)
    りっちゃん: ロット・ア・ロット>>749
    おひめちん: フラワー・ガール>>821

    まだ追加すると思われ
    足りないのあったら追加しますんで


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