元スレ春香「あれ、なんですかこの『弓と矢』?」
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101 :
乙
続き待ってますぞ
103 :
所々セリフがジョジョっぽいのがいいな
104 :
どうしたパワプロでダイジョーブ博士が失敗なんて当たり前だろ
105 :
ドドドドドドド
伊織(春香は『油断』している…)
伊織(なら、倒せないにしても…出し抜いて逃げることはできるはず…)
春香「伊織が何考えてるかわかるよ」
伊織「!」
春香「私から逃げようと考えてるでしょう?」
春香「無理、無駄無駄。私の『アイ・ウォント』からは逃れられない」
伊織「…せいぜい調子に乗ってなさい」
春香「ねぇ、伊織。スタンドは才能だって私言ったよね?」
春香「こんな素晴らしい才能を手にしてしまったら、調子になんて乗らずにいられないよ」
伊織「私にはそんなにいいものとは思えないけど」
春香「伊織も、そのうちわかるよ」
伊織「わかりたくも…ないわ」
106 = 105 :
春香「さてと」
伊織「…!」
春香「いつまでもお喋りしてても時間の無駄だよね。無駄」ザッ
伊織(来る…!! ソファから逃れなくては…)
春香「ヴァイッ!!」ブオン!
伊織「うおおっ!?」ゴロン
春香「んっ」ドムッ!
伊織(ちょっとは速いけど…避けられないものでもない…)
伊織(それに、ソファを見るにパワーも大したことはないわ…)
伊織(な、なんだ…スタンドってもっとヤバいと思ってたけど、どうしようもないようなもんじゃあないのね…)ドッドッドッドッ
伊織「あ…あんたどこに目ついてるのよ、全然見当外れのところを殴ってるわ!」
春香「違うよ…これで、スイッチは入った。伊織の『聴覚』は私の『アイ・ウォント』が出した音を捉えた」
伊織「え…?」
春香「今の風を切る音…あるいは、ソファを叩く音…聞いたよね? それがスイッチ」ボソッ
伊織「ひっ!?」ゾワッ
伊織(後ろから…! 耳元で話しかけられるこの不快感ッ…!)チラ
春香「後ろ見ても誰もいないよー?」
伊織「あ、ああ…」
伊織(春香は目の前にいるのに…声が変な方向から…)
107 = 105 :
春香「伊織って毎日美味しいもの食べてるんだよねー、いいなぁ」
春香「ねぇねぇ、先週のライブどうだった? どうだった? どうだった?」
春香「あははははははははは」
伊織(いや…それだけじゃあない、あちこちから春香の声が聞こえる…ッ!)
伊織「あああああ…っ!!」バッ
春香「耳を塞いでも無駄だよ、『聴覚』に直接訴えかけてるんだよ?」
春香「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」
春香「ねーねースタンドまだ?」
春香「はぁ…疲れてるプロデューサーさんの肩揉んであげたい」
伊織(これが…『聴覚支配』…春香の『スタンド』の能力…!)
春香「ね…これだけでいいんだよ。私の『アイ・ウォント』を『五感』に知覚させる…」
春香「臭いを嗅がせれば『嗅覚』、肌に触れれば『触覚』、さらに舌に触れれば『味覚』も、私の想い通りになる」
春香「本当はさっき冷蔵庫を開ける『音』を聞かせた時点で『聴覚』は奪ってはいたんだけど…こうした方がわかりやすいでしょう?」
伊織(知覚した瞬間…ですって!?)
伊織(つまり…『視覚』は春香のスタンドを見た時点で既に奪われているということ…!)
伊織(視覚や聴覚から得られる情報量は多い…そして、その二つを優先的に奪われる…ということ…!!)
108 = 105 :
伊織「春香、この声を止めなさい…!!」
春香「えー」
伊織「止めろって言ってんのよッ!!」
春香「やだよー。伊織が降参して謝るならすぐにでも止めてあげるけど」
ゴチャゴチャペチャクチャクチャクチャ
伊織「ああああっ…!!」
伊織(気が変になる…!)
春香「ほらほら、降参しなよ? 脳が破裂するよ?」
伊織「あんたが止める気ないって言うなら…」ガシッ
春香「あ…傘。誰かが置き忘れたのかな?」
伊織「その元凶を止める…!!」グオォ
春香「『アイ・ウォント』を狙う気…?」
ブオン!!
スゥ…
・ ・ ・
伊織「あ…」
伊織「当たらないッ!! どうして!?」ブンッ!!
春香「スタンドはスタンドでしか倒せない」
春香「スタンドからものに触ることはできるけど、その逆はできない。無駄だよ」
春香「もちろん、伊織もスタンドを使えば『アイ・ウォント』には触れるけど…」
伊織「ぐ…」
春香「できたらもうやってるよね?」
109 = 105 :
伊織「だったら、操ってるあんたを…」
春香「え?」
伊織「…叩く!」ブンッ!!
春香「わっ!?」バッ
伊織「はぁ、はぁ…」
春香「や…やめなよ伊織、そんなの人に振り回しちゃ危ないよ」
伊織「うるさいっ!!」ブンッ
バキッ!!
伊織「!!」
春香「………」フラ…
バタン!
伊織「あ…」
ドクドクドク…
伊織「ひっ…!」
伊織(な、なんで避けないのよ…!?)
110 = 105 :
伊織「ああ…春香…!」
春香「あーあ、伊織がそういうことするなんてねぇ」
伊織「!?」バッ
春香「うわ、モニターが完全に割れちゃってる…みんながっかりするだろうなぁ」
伊織(テレビが壊れている…私が殴ったのはこれか…)
伊織「い、今の…『視覚操作』ね…」
春香「そうだよ。一度奪った感覚は『射程距離』の外に出るまではいつでも支配できる」
伊織(射程距離…? 能力には範囲がある…?)
伊織(それより、いつ切り替わったの…? 全然気づかなかった…)
春香「でも、本当に私に当たってたら、今伊織が見たようになってたんだよ? 結構本気で殴ってたよね」
春香「ひどいなぁ、伊織」
伊織「う…」
111 = 105 :
伊織「………」
ドサ
春香「あ、捨てちゃうんだ? 持っててもよかったのに」
伊織(スタンドだとか…殺すだとか…)
伊織(何が現実で何が幻覚なのかもわからなくなる…このままだと春香にじわじわと心を壊されていくわ、きっと)
伊織(そうなったら、自分でさえどういう行動に出てしまうかわからない…)
伊織(だけど、『アイ・ウォント』…わかったこともある)
伊織「春香…いつの間に『視覚操作』に切り替えたのかは知らないけど、『聴覚操作』は消えていたわ」
伊織「あんたが操れる『感覚』は、一度につき『ひとつ』までのようね」
春香「うん、そうだよ」
伊織「く…」
伊織(こいつ、少しも動揺しないわ…慢心が過ぎる)
伊織(能力の制限がバレることなんて、蚊に刺されるほども気にしていない…)
112 = 105 :
伊織(でも、一度につき『ひとつ』…『ひとつ』の感覚しか操られないのなら…)
伊織「………」ピタ…
春香「あれ? どうしたの伊織。降参?」
伊織「別に…あんたは直接手を出してこないみたいだし、下手に動かない方がいいと思っただけよ」
伊織「私から動かなければ、『視覚操作』はあまり意味をなさないわ。変な幻惑見せられたところでどうってことないし」
春香「へぇ、じゃあ…」
ゴチャゴチャワサワサガーンゴーン
伊織「!」
伊織(来た…『聴覚操作』!)ダッ
春香「あ」
ペラペラカサカサペラペラ
伊織(くうっ…うるさい!! だけど、我慢しなきゃ…)
伊織(『視覚操作』されていては正しい出口もわからないけど…『聴覚操作』されているならそういう心配はない!)
伊織(逃げないと…とにかく、春香から遠くへ…!!)
113 = 105 :
………
伊織(音が消え…『視覚操作』!?)
伊織「あうっ!?」ドンガラガッシャーン
伊織(つまずいた…何よ、こんな時に…!!)
春香「大丈夫伊織? 手貸そうか?」
伊織「わ…私に近づくなッ」ダッ
伊織「きゃっ!?」ドンガラガッシャーン
伊織(ま、また…? こんな何もないところで…)
春香「ひどい転びっぷりだねぇ」
伊織「あんたに言われたく…」グイ…
伊織「ひゃっ!!」ドンガラガッシャーン
伊織(立てない…! 何度やっても転んでしまう!)
114 = 105 :
春香「『触覚操作』」ザッ
伊織「…!!」ビクッ
伊織(追い…つかれた…)
春香「熱いものに触れれば手を引っ込めるように…人間には経験や本能による反射行動が身体に刻み込まれている」
伊織(逃げなきゃ…春香から逃げなきゃ…)スクッ
春香「踏み出した瞬間、グイッ! と足を引っ張るような感触があれば…」
伊織「うっ!?」ガクッ
春香「体性反射により足の筋肉は硬直して…」
伊織「きゃあああっ!!」ドンガラガッシャーン
春香「何もなくても、バランスを崩して、転ぶ」
115 = 105 :
伊織「あ…あんたのせいなの…? あんたの『アイ・ウォント』がやってるの…?」
春香「痛覚とか熱を感じる神経は厳密には『触覚』とは違うから、私の『アイ・ウォント』じゃあ支配できないんだよね」
伊織「そんなことを聞いてるわけじゃ…」グッ
伊織「あ…れ…」ガクガク
春香「そして、行動によって生まれる『痛み』は体に刻み込まれ…」
春香「『立とうとすれば転ぶ』、それを学習した肉体はやがて立つこと自体を拒否し始める」
伊織「そんな…こと…」
伊織「う…」ブルブル
春香「もう、伊織は立てない」ザ…
伊織「あ…」
伊織「あああああああああっ!!」ガバッ
春香「そこに跪いて」
伊織「あぐっ…!」ドサァ
116 = 105 :
ドドド
伊織(春香からは手を出してこないのは…)
春香「これで逃げられないのはわかってくれたと思うけど」
伊織(こっちが何をしても、無駄だとわからせるため…)
春香「次はどうされたい?」
伊織(こうやってじっくりと、私の心を折るためだ…)
ドドドドド
春香「『視覚支配』で失明ギリギリの光を浴びせるとか」
伊織(ヤバい…)
春香「『聴覚支配』でさっきみたいにあちこちから話しかけるとか…」
伊織(思った以上に『無敵』すぎるわ、春香のスタンド…)
ドドドドドドド
春香「『触覚支配』で死ぬほど笑わせるとか」
伊織(『春香が相手なら大丈夫…なんとかなる』)
春香「『味覚操作』で変なものを味わせるとか? 舌に触らないと駄目だけど」
ドドドドドドドド
伊織(そう、心のどこかで思っていたのかもしれない)
春香「『嗅覚操作』で…伊織、ドブの臭い嗅いだことある?」
伊織(油断していたのは…私の方…?)
春香「ねぇ、どうされたい? 伊織」
ドドドドドドドドド
117 = 105 :
伊織「私…」
伊織「さっき、傘を持って暴れたけど…その時に、結構大きな音が出たはず…」
春香「そうだね」
伊織「何で誰も気づかないの…律子は…」
春香「さぁ…どうしたんだろう?」クスッ
伊織「…!」ゾワ…
伊織(『アイ・ウォント』が支配できる感覚が、『一人につきひとつ』だとしたら…)
伊織(いや、それとも…)
春香「ほら、早く降参してよ伊織」
伊織(どっちにしろ、助けも期待できない…)
春香「強情張ってもいいことなんて何もないよ」
伊織(必然…)
伊織(私は、最初からすでに追いつめられていた…)
118 = 105 :
春香「伊織、もう一度聞くね。私に協力して」
春香「協力してくれるなら、『再起不能』(リタイア)にはさせないであげる…『アイ・ウォント』もすぐ解除するね」
春香「ねぇ、いいでしょ伊織?」
伊織「………」
伊織「わ…」
春香「一緒にトップアイドル目指そうよ!」
伊織「!」
春香「?」
伊織「………」
伊織「春香…一緒にトップアイドル目指そう…ですって? 冗談じゃあないわ」
伊織「こんな得体の知れないものを使って人を傷つけるような奴と…何を目指せってのよッ!!」
春香「なんで伊織がそこまで拒むのか、私にはわかんないよ…」
伊織「他の奴らにも聞いてみなさいよ…あんたに着いていく奴なんて…」
春香「もう765プロメンバーのうち7人…半分以上は私の方につくと言っているけど、それでも?」
伊織「………」
ドドドドドドドド
伊織「え…」
伊織(7人…? もう、事務所のメンバーのほとんどはスタンド使いで…)
伊織(そのほとんどが春香の味方ってこと…?)
ドドドドド
119 = 105 :
春香「あの2人とあの厄介なスタンド…」
春香「それらを倒せるくらいの戦力はもう揃っている」
春香「でも、やっぱり伊織にも本当の意味で『仲間』になってほしいから」
伊織(………)
伊織「あんた、私に『仲間』になってほしいのよね」
春香「うん!」
伊織「私が『仲間』になると言えば…もう手は出さないと約束してくれるのよね?」
春香「うん、うん! それじゃあ…」
伊織「嫌よ」
春香「………」
春香「は…?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
120 :
伊織「私の体…ボロボロよね」
春香「それは伊織が転んだから」
伊織「あんたがやったのよ」
春香「だって伊織が逃げようとするから」
伊織「相手を思いやれないヤツに、本当の『仲間』なんてできるわけがない」
春香「………」
伊織「以前のあんたはそれができる奴だった…でも今のあんたは違う! 相手を恐怖で『支配』して、それが『仲間』であると思い込んでいるだけよッ!!」
伊織「アイドルとして…人として、あんたの仲間になんて絶対にならないわ…!」
春香「……はぁ」
春香「言いたいことはそれだけかな」
伊織「春香ッ!!」
121 = 120 :
春香「伊織がそこまで嫌だって言うなら、もういい…」
春香「もう、引き止めることはしない。これからは『敵』と見なす」
春香「『団結』を乱す伊織には、消えてもらうよ」
ゴゴゴ
春香「『アイ・ウォント』」
ゴゴゴゴゴゴ
春香「私の誘いを断ったことを後悔するといい」
伊織(やっぱり…今の春香には何も通じないみたいね…)
伊織(だったら、やっぱりこんな奴の下につくなんて…)
伊織(死んでもごめんだわ)グッ
122 = 120 :
モクッ!!
春香「わぷっ!?」ボフッ
伊織「!?」
春香(『煙』…天井に溜まっていた…!?)
伊織(う、動いた…私のスタンドが…)
伊織「っ!」ダッ
春香(伊織の『スタンド』…)
春香(さっきまで全然動かなかったのに、追いつめられて力を発揮したのかな)
春香「伊織、待…」
ググググ
春香「きゃっ!!」ドテッ
春香(煙に押し戻…される)
伊織(逃げる…みっともなくたって、今は春香から逃げることが最優先!)
123 = 120 :
春香(前が見えない…そして、この『パワー』…)グイグイ
春香(『押す』力が強い! 窮鼠猫を噛むと言うけど…この伊織のスタンド、パワーは『アイ・ウォント』よりも上…!)
春香「でも逃がさない…『触覚操作』」グイ
・ ・ ・
春香「…………?」
春香(倒れる音がしない…?)
ズル!
春香「!」
ズルズルズル…
春香(………)
春香(この『煙』…私を押し戻すだけじゃなく、伊織を引っ張っている…?)
春香「邪魔…ヴァイッ!!」ゴオ!
ブオン!!
スゥ…
春香「………」キョロキョロ
春香「伊織…?」
春香(『アイ・ウォント』の手応えがない。もう射程距離の外…ということは)
スタスタ…
春香「……」ガラッ
ダッダッダッ
春香(伊織はもう窓の外)
春香「うーん…」
春香「逃げられちゃったかぁ」
124 = 120 :
伊織「はぁ、はぁっ!」ダッダッダッ
伊織「私の『スタンド』…不意打ちみたいなものだったけど、春香に通用したわ…」
伊織「でも、逃げるのが精一杯…春香の…」
伊織「…はぁっ! 『アイ・ウォント』… ………」
伊織「『五感支配』…ですって? あんなもん、どうやって倒せっての…!?」
伊織「っていうか…逃げたはいいけど」
伊織「明日また事務所で顔合わせなきゃならないじゃない! どうすんのよ畜生ッ!」
To Be Continued...
125 = 120 :
スタンド名:『アイ・ウォント』
本体:天海 春香
タイプ:近距離パワー型・人型
破壊力:C スピード:C 射程距離:D(5m) 能力射程(能力が続く範囲):C(10m程度)
持続力:D 精密動作性:C 成長性:A
能力:相手の五感を支配する、春香のスタンド。
相手に『アイ・ウォント』を知覚させることで、その感覚を奪うことが出来る。『触覚』『味覚』以外は直接触れる必要すらない。
姿を見せるだけでいいので、スタンド使い相手なら『視覚』はとりわけ容易に支配できる。
『五感支配』にスタンドパワーの多くを割いているため、スタンド自体の性能はそれほど高くなく、『人間より強い』程度のパワーしかない。
A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ
127 :
おもしれー 乙
128 :
ホワイトスネイクみたいだな
乙
129 :
なんだこれ
鬼のように面白いぞ
130 :
三半規管殺したりはできないのか?
つーかスペック自体はたいしたこと無いがスキルがとんでもなく凶悪
131 :
いおりんのは隠者紫的な感じかな おつおつ
132 :
この春香に逆らいそうなのは真と貴音、律子かね…
美希はどちらにもつくイメージがないな
どんな風にこいつらが出てくるのか期待
133 :
凶悪な能力でスタンドのスペックは低い…マンインザミラータイプだな
ジョースターの血統が相手だったら視覚操作しても最後には凄みでぶん殴られそうだが
134 :
成長性Aっておい
135 :
何気に成長性が超スゴイのは厄介極まるよな
ゴールド・Eみたいな成長ならまだしもバイツァダスト的なチート能力にでも目覚められたら一気に詰みそうだわ
136 :
>>135
でも、ジョジョのラスボスって時空系なのがお約束じゃん
まぁ原作で既に停止・巻き戻し・スキップ・加速・平行世界?と殆ど出し尽くした感があるからネタ考えるのが辛いけど
137 :
はいはい無駄雑無駄雑
139 :
鏡花水月をちょっと劣化したような能力だな。
これ自分の味覚を支配したら味ラジオみたいに好きな味を楽しめたりするのか。
140 :
伊織(私が春香の手によって『スタンド使い』にされてから…)
伊織(数日が…経った)
あずさ「伊織ちゃん、おはよう~」
伊織「おはよう。あずさが私より先に来てるなんて珍しいわね」
美希「デコちゃーん、ミキのおにぎり知らない? ここに置いといたんだけど」
伊織「知らないわよそんなの。それと、デコちゃん言うな!」
伊織(なんて言うか…私が心配していたような出来事は何もなく、みんなの態度も拍子抜けするくらいいつものままだった)
伊織(この中のほとんどが『スタンド使い』だなんて…とても信じられない)
春香「おはよー!」
伊織「…っ!」ビクッ
春香「あれ、どうしたの伊織? おはよう!」
伊織「………」
伊織「ええ、おはよう春香」
伊織(春香もまた…以前と変わらぬように私に接してくる。少なくとも表面上は…)
141 = 140 :
真美「ピヨちゃーん、ここのボスが倒せないよー! 攻略法教えてー」
小鳥「うぇぇ…ごめん、ちょっと後にして…徹夜でねむい…」ガクゥ
響「うわっ、ピヨ子が倒れたぞ!」
伊織(事務所は何一つ変わっていない。少し違和感はあるけれど、私がスタンド使いになっても以前と同じように動いている)
伊織(こうもいつも通りだと、あの出来事自体が何かの間違いなんじゃないかと思いたくなるわね)
伊織(だけど…)チラ…
春香「………」
ドドドドド
伊織「………」
春香「………」ジ…
ドドドドドドドド
伊織(監視… ……)
伊織(されている…春香に…)
春香(流石に、こんなところで堂々と手は出してこないみたいだけど)
伊織(あの顔…『伊織なんていつでも始末できる』…そういう顔をしてるわね)
142 :
「マイ・ソング」か「ダイアモンド」かなと思ってたけど、春香もiwantだしな
143 :
律子「春香」
春香「はい? 律子さん?」
律子「もうすぐ仕事でしょう? 送ってくわよ」ガチャ
春香「あ、はい。お願いします!」タッ
バタン!
伊織「ふぅ…」
伊織(春香は今や押しも押されもせぬ有名アイドル。スケジュールはギチギチ…)
伊織(それに、敵対者は私の他にもあと『2人』いる)
伊織(今は私の相手をしている暇なんてないんでしょうね)
伊織(でも、春香も納得はしていないでしょう。スタンドもろくに使えない私を一方的にいたぶって…その上逃げられたんじゃ…)
伊織(いずれ、仕掛けてくるはず…)
伊織(とりあえず、遅くまで事務所に残るのはやめておいた方がいいか…)
144 = 143 :
やよい「伊織ちゃん!」
伊織「あら、やよい。どうしたの?」
やよい「えっと、今日、弟のお誕生日パーティーをやるんだけど…」
伊織「へぇ、そうなの?」
やよい「せっかくだし伊織ちゃんにも来てほしいかなって」
ゴゴゴゴゴゴ
伊織「………」
伊織「やよい、他には誰か来るの?」
やよい「えっと、響さんと…千早さんと…」
伊織「あいつら…」
やよい「それと、春香さんも!」
伊織「!」
145 = 143 :
やよい「伊織ちゃん、来てくれるかな…?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
伊織「………」
伊織「い… ………」
伊織「行けないわ。今日の夜は、予定があるのよ」
やよい「そっかー…」シュン
伊織「ごめんなさい、やよい」
やよい「ううん、予定があるなら仕方ないよね…」
やよい「それじゃ、今日も頑張ろうね!」
伊織「ええ」
トタトタ
伊織(やよいが私を騙すとは思えないけど…)
伊織(万が一ということもある…春香が来る以上、安全とは思えないわ…)
146 = 143 :
ザ…
真「あれ? 伊織、どこ行くのさ」
伊織「ちょっと、外の空気を吸ってくるわ」ガチャ
バタン
伊織「………」
伊織(春香を…)
伊織(春香を倒さなくては…)
伊織(春香を倒さなくては、私は一生春香の影に怯えて生きなくてはならなくなる! そんなのは嫌ッ!)
伊織(あいつのせいで、私は事務所の仲間をも疑わなければいけない…こんなの、耐えられないわ!)
伊織(だけど、私は一人…それで春香を倒す…できるの?)
伊織(…矢を壊そうとしている『2人』…できれば、協力して春香を倒したいけど…)
伊織(誰が『敵』で誰が『味方』なのかもわからない…)
伊織(春香の側は、春香を入れれば『8人』…下手に誰かに話しかければ、その中に当たってその場で始末されてしまうかもしれないわ)
147 = 143 :
伊織(まず、さっき話しかけてきたやよい)
伊織(敵とは思いたくないけど、やよいは何も疑わず仲間に加わるタイプね…)
伊織(あずさもそうかしら? いや、意外とそういうところはしっかりしている気もする…)
伊織(うーん…考えれば考えるほどワケわかんなくなってくるわね…)
伊織(待てよ…)
伊織(春香は、スタンド能力を『アイドルとしての才能』と言っていた)
伊織(その話が本当かどうかはともかく…春香がそう信じているということは、アイドルじゃない人間は『スタンド使い』ではないということ!)
伊織(小鳥は経歴が結構謎だし、律子はアイドルやってた時期があるから可能性はゼロじゃないにしても…)
伊織(少なくともプロデューサーは春香の仲間ではない!)
伊織「あーっ、だからなんなのよ~っ…! スタンド使いじゃないなら何の役にも立たないじゃない…」
148 = 143 :
伊織(一人一人考えるのはやめましょう。『春香の仲間にならないであろう人物』を考えた方が早そうだわ)
伊織(『スタンド使い』になり、春香に誘われた上で『矢を壊した方がいい』と言うようなのは…)
伊織(真、貴音、律子…可能性があるとしたらこのあたりかしら?)
伊織(律子は…あの日、事務所にいたにも関わらず、私達のいざこざに対し無反応だった)
伊織(春香の『聴覚操作』にやられていた可能性もあるけど…もしかしたら、もう…)
伊織(でも、真と貴音で断定できるわけでもないわ。そもそも、この中にいるとも限らないし…)
伊織(………)
伊織「あーっ、もう!」
伊織(考えるだけ時間の無駄! どうせ周りは敵だらけなのよ!)
伊織(だったらリスクを冒してでも動かなきゃ、最終的にやられるだけ!)
伊織(仲間を増やせれば儲けもの、春香の仲間に当たったら…)
伊織(返り討ちにしてやるわ! 春香の戦力を一人でも減らすッ!)
149 = 143 :
伊織(私の『スタンド』…)
モクモクモク
伊織(この『煙』のスタンド、練習して少しは使いこなせるようになった)
伊織(できることと言えば…)
…モクモクモク
ググ…
グオン!
伊織(昨日やったみたいに、ものを押したり引いたり)
伊織(それと…)
ガシッ
ヒュン!
伊織(掴んで投げるってことはできる)
伊織(『高校球児』よりはいい球投げてるんじゃあないかしら? よくわかんないけど)
150 = 143 :
おっと、まちがい
>伊織(昨日やったみたいに、ものを押したり引いたり)
伊織(この前やったみたいに、ものを押したり引いたり)
みんなの評価 : ★
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