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元スレ姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」
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―――――― パシュッ!!
姫「!」
メイド「きゃあっ!? ひ、姫様!? どうしてここに……」
兵士「お、おい! 『光』が動き出したぞ!!」
姫が光の中から出た時には、ラダトーム城の屋上にいた。
そこから遠く彼方で唸る『闇』と、間違いなく姫がいた筈のリムルダールの町から輝く『光』を城の人間達が見守っていた。
メイドが姫に近寄り、声をかける。
メイド「ここは危険です! 中に入りましょう!」
姫「……お願いメイド、見届けたいの」
メイド「しかし……あれ」
メイド「………まさか、あの光って……!?」
振り向き、見上げた先でメイドは見た。
最後の決着が、最後の幕が、戦いが終わろうとする瞬間を。
勇者「……竜王」
【【 ・・・ 】】
勇者「もう終わらせよう、これが俺の最後の一撃だ」
勇者「お前が吸収した魔物達も含めて、俺が全て『地獄』まで連れて行く……!!」
【【 ・・・!! ヴォオェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! 】】
勇者「来い・・・竜王」スッ
勇者「 ―――――― 【【【 『マダンテ』 】】】 ―――――― !! 」
・・・音は無かった。
勇者を中心に展開された『光』はあらゆる魔力のベクトルを『破壊』に変え、飲み込んだ。
当然、その効果範囲は竜王の『闇の衣』もまた例外ではなかった。
アレフガルドの魔物全てを飲み込んだ究極の魔力は、全てベクトルを『破壊』に強制された。
結果、光は巨大な破壊魔法と化し……リムルダールの海岸を含んだ陸を削り、巨大な爆発に巻き込んだ。
その中心にいた勇者がどうなるかなど、想像も出来ない。
伯爵王「いやあ明日が楽しみだ! いよいよだな」
大臣「そうですな」
伯爵王「思い出すなぁ、彼女と初めて出会った時を!」
大臣「はて、どんな風に出会いましたかな」
伯爵王「ふふ、いいだろうあれはたしか・・・」
メイド「失礼します」コンコンッ
< 「開いてるわ」
メイド「……」ガチャ
姫「久しぶりね、メイド」
メイド「……姫様、あの噂は本当なのですか」
姫「なにが?」
メイド「伯爵と明日結婚式を行うという話です!!」
姫「……本当よ」
メイド「なぜですか! あんな男と結婚するなんて……」
姫「メイド、私が今この部屋にいられるのはなんで?」
メイド「は? 姫様のお部屋だからです……」
姫「違うの、私は伯爵に正式に王位を渡したからよ」
メイド「?」
姫「今の私はね、ただの姫なのよ……城にいられるのは伯爵王の許しを得ているからなの」
メイド「……それで、伯爵と結婚するなんて事になるんですか」
姫「違うわ」
メイド「……何か、理由が?」
姫「メイド、私ね」
メイド「……」
姫「……勇者の子供がいるの、お腹に」
メイド「……………………え」
姫「私1人じゃこの子供を無事には育てられない、だから伯爵と結婚してこの子を守りたいの」
姫「……勇者が私を守ってくれたみたいに」
メイド「……姫様」
< 翌日 >
姫(……)ジャラッ
姫(あの日から、もうずっと『愛』が光ってない)
姫(そして……)
メイド「姫様、綺麗ですよとても」
姫(……こうして、結婚式を前にしても……)
姫「ね、メイド」
メイド「なんですか?」
姫「……勇者がいたら、綺麗って言ってくれたかな」
メイド「勿論ですよ」
姫「……そっか」
―――――― 『 ヌゥ、まさかこの私が敗北するとは…… 』
『さすがはたった1人で魔王を倒した事はあるようだ』
『では、約束通りそなたの願いを叶えよう・・・』
「ぴきーっ!! ぴぃ!」
「!! 姫が伯爵と結婚……?」
『どうかしたか』
「すまない、出来れば急いでくれ」
『……ならば少々おまけをしてやろう』
「?」
―――――― ゴォォン!! ゴォォン!!
姫(……? どこかで聞いたような)
メイド「もう、誰か間違えて鐘を鳴らしちゃったのかな」
姫(鐘……)
メイド「さ、姫様……私が先導しますから」
姫「うん、ありがとう」
「すまない! 式場はどこだ!?」
兵士「ダンスホールだが……」
兵士「て、なんだお前!? 怪しい鎧を着た奴め!」
「『スラリン』!」
スラリン「ぴきーっ!!」ズドォッッ
兵士「ぐあああ!?」
神父「汝、良き夫として・・・」
< 「警備兵が三名やられた、来てくれ」
< 「なに?」
< 「敵はスライム一匹らしい」
< 「魔物は3ヶ月前に絶滅したんじゃ…」
伯爵王「~! 騒がしいぞ!! 何事だ!」
兵士「それが……」
姫「……スライム?」
< 「ぐあああっ!」
兵士「!」
伯爵王「な、なんだ!?」
< ざわ・・ざわ・・・
キィィン!! キィィン!!
姫「光ってる……!!」
メイド「きゃ! なんですかそれ!?」
ドバーン!!
スラリン「ぴきーっ!!」ぴょん
兵士「うわ! 魔物だ!」
兵士長「囲め!! 槍兵前へ!」
スラリン「ぴっ、ぴい……」じりっ
「『ラリホーマ』」
< キィン・・・
兵士「あ、あふん?」
兵士長「魔法……だ、と」ドサッ
「やれやれ、危なかったなスラリン」
スラリン「ぴきーっ♪」
勇者「 迎えに来たぞ、姫! 」
姫「勇者っ!!」
伯爵王「~~!? おのれ、であえ、であえ!」
< 「そこまでだ、伯爵」
伯爵王「?」
王様「その男は私を殺し、王の座を奪おうと企んだ男だ!」
姫「お父さん!?」
メイド「何がどうなってるの!!?」
伯爵王「くっ……こうなれば!」バッ
姫「ひゃあっ!?」
伯爵王「姫の命がおしければ全員うごく……
メイド「せぃやァッッ!!」
ドゴン!!
伯爵王「ぐへぇ!?」
ドサッ
メイド「アンタが悪者ってわかったからには、容赦しないんだから!」スタッ
勇者「……」
姫「勇者……」
勇者「3ヶ月も待たせて、ごめんな……」
姫「ううん、ずっとはやかったくらいだよ……」ポロポロ
勇者「……」なでなで
王様「よくぞ世界を救い、国を救ってくれたな……勇者よ」
勇者「王様! 本当に生き返ったんですね」
姫「勇者が生き返らせたの?」
王様「うむ……まさか神との戦いに勝って私とそなたを蘇らせようとは、伝説として語るに相応しい勇者だ」
王様「ところで、勇者よ……」
王様「私も年だ、何よりこのアレフガルドを救ったそなたこそ、王に相応しいのではないか」
勇者「……」くすっ
姫「勇者?」
勇者「王様、申し訳ないが俺にはずっとやりたかった事があります」
勇者「それは時期のせいで不可能でしたが、今なら可能なのです」
王様「それはなにか」
勇者「……」がしっ
姫「え?」
勇者「姫はッッ!! 俺が貰っていく!!」ぎゅっ
王様「なっ……」
メイド「えぇぇっ!?」
勇者「はっはっはー!! 国の王なんかにはならない! 俺は姫と一緒に幸せになるんだー!!」
姫「……////」
勇者「それでは皆さん! お元気で……あ、メイド」
メイド「はい?」
がしっ
メイド「え」
勇者「『ルーラ』!!」
―――――― シュバァッッ!!
王様「……なんと豪快な」
―――――― シュバァッッ!!
メイド「ひああ……そ、空飛んだの初めてですよぉ」
姫「慣れると楽しいよ♪」
メイド「……あはは」
勇者「……姫、話があるんだ」
姫「……なにかな」
メイド(お……)
勇者「……俺と結婚してくれ、今度こそずっと一緒にいてくれ」
姫「いいよ」
勇者「……////」
メイド(そ、即答……!?)
姫「……ふふん、ごめんねメイド付き合わせて」
メイド「いえ、お幸せに……」
姫「じゃ、まずどこいく?」
メイド「えっ」
勇者「姫の行きたい所ならどこでも」
姫「うーん……あっ」
ご愛読ありがとうございました
月曜日か明日明後日の午後にHTML化と質問受付をします
おやすみなさいっ!
月曜日か明日明後日の午後にHTML化と質問受付をします
おやすみなさいっ!
うわあああああおおお乙ぅうううう!
話の盛り上がりや展開が神がかってすごかった
素敵な物語をありがとうございました
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素敵な物語をありがとうございました
( ゚Д゚)<スゲェ
マジ面白かった
やっぱ王道は素晴らしい、盛大に乙でした
マジ面白かった
やっぱ王道は素晴らしい、盛大に乙でした
乙!
よく分からんこともあったけど面白かった!
やっぱハッピーエンドは最高だ!
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