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元スレ姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」
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勇者「ただいまー……」
勇者(まあ1人暮らしなんだけどな、兵士の寮だし)
勇者「…………」
勇者(もう姫のわがまま聞いてられないな)
勇者(このまま隠し通したら、姫の心が壊れるかもしれない)
勇者(………)がさっ
●ラダトーム王女、姫の体質
○男性恐怖症
○低血圧
○貧血?
○足に若干の障害有り(強く踏み込む事が出来ない)
○極度の不眠症(近くに人がいれば眠れるのを12歳の時に確認)
○今までの16年間で三度に渡って意識不明の昏睡状態になる(原因は不明・呪いの可能性有り)
○風邪を引くと咳が止まらない為、吐血する(キアリーで対処可能なのが幼少期に確認)
勇者(……こんな物を見せて、どうするんだ)
勇者(姫が結婚すれば将来は安泰だ)
勇者(きっと俺より優秀な魔法使いも雇える)
勇者(姫の人生は明るいはずじゃないかよ)
『勇者……おんぶ』
勇者「…………はいはい」
姫「なんでいるのよ」
勇者「鍵開いてたぞ」
姫「最悪、なんで開けるのよばか」
勇者「眠れないだろ」
姫「眠くない」
勇者「この時間は眠くなるからいつも撫でてたろ」
姫「……」
勇者「……」なでなで
姫「……勇者」
勇者「んー」なでなで
姫「私のこと、嫌いになるの?」
勇者「ならないだろ、姫に嫌われる事はあってもさ」
姫「……そう」
姫「………明日は……一緒に踊りの練習…しよ」
勇者「はいはい、おやすみ」なでなで
姫「そんなわけで練習ね、ちゃんと教えなさいよ」
勇者「無理するなよ」
姫「無理させないでよ?」
勇者「りょーかい」
姫「……じゃあまず腰に手を…」ごにょごにょ
勇者「はいはい」ぎゅっ
勇者「……やっぱり難しいな」
姫「特にターンがね」
勇者「なんか、姫の足が折れそうで怖いな」
姫「そこまで貧弱じゃないわよ、ばかっ!」ズキズキ
勇者「はいはい、既に挫いたのな」
伯爵「これはこれは、姫様、もしや舞踏会に向け練習を?」
姫「!」
勇者「……ええ、少し苦戦していますが」
伯爵「なんと、私が少々見ましょうか姫様」すっ
姫「っ……」びくっ
勇者(…)
伯爵「……ふむ、お世辞にもダンスが上手いとは言えませぬな」
姫「っ、勇者」
勇者「はいはい……伯爵殿、姫様はこれより少々移動しますので」がしっ
伯爵「おやそうですか、では私もそろそろ行きましょうかな」
姫(………っ)ぎゅぅ
勇者「……」
姫「……勇者、お風呂入る」
勇者「大丈夫か」
姫「大丈夫よ……当たり前でしょ」
勇者「そうか、なら俺はメイド呼んで来る」
姫「すぐに浴びたいのよばか、呼ぶ間待つのは嫌」
勇者「はいはい…って、ぇ?」////
勇者「俺は見てないぞー大丈夫だからなー」
姫「何赤くなってるのよ」
勇者「五年は久しぶりだからだよ、一緒に入るのは」
姫「別にいいでしょ、アンタは脱いでないんだから」
勇者「姫は脱いでるだろ」
姫「見ないんでしょ? なら平気よばか、早く私の体を洗いなさいよ」
勇者「はいはい…ってだから、え!?」
勇者「痒い所はありますかぁ?」
姫「なによそれ、とりあえず最悪ね、メイドの方が上手く洗ってくれるわよ」
勇者「目が見えないんだよ」
姫「もう、じれったいわね早くしてよ」
勇者「ああ、わかっ……」もみっ
姫「はぅ……、も、もう少し強く擦りなさいよっ」
勇者「今やっと気づいた、姫お前さっきから恥ずかしさで冷静じゃないだろ」
姫「胸に触って冷静になる勇者はどうなの?」
勇者「うっ…」
姫「うぅ、のぼせた」
勇者「……服が蒸し蒸ししてる」
姫「勇者のせいよ、最悪……次から優しく丁寧にしてよね」
勇者「次なんて無いから」
姫「……」
勇者「はいはい」なでなで
姫「なんで撫でるのよ」
伯爵「いやあ楽しみですな、16になったばかりとはいえ美しくなられた姫様と踊れるとは」
王様「しかし姫は少々礼儀作法に欠ける、教育係たる者がしっかりしないのだ」
伯爵「おやいけませんよ王様、彼はとてもよく働いておいでだ」
王様「む? 伯爵殿は勇者の奴をご存知だったか」
伯爵「えぇ、彼は実によく働いてましたよ」
伯爵「所で王様、実はお伺いしたい事があるのです」
王様「ほう、何かな」
伯爵「……随分とこの城は魔物の侵入を許してしまうのですね」
王様「何を言っている?」
伯爵「スライムすら侵入してしまう城……おお恐ろしい、民衆が聞いたらどんな顔をするか」
王様「……伯爵殿、何を……!」
伯爵「【それに比べてメルキドはとても防衛に優れている】……と思いませんか」
王様「……っ」
伯爵「王様、ここはどうかお考え下さいね? 私と姫様の婚約を絶対の物とする事をね」
姫「……」ぶるっ
勇者「どうした」
姫「寒い、勇者あっためてよ」
勇者「熱計ったらな」
姫「抱っこしながら計るから」
勇者「はいはい」がしっ
姫「……見方わかんない」
勇者「あー、割と高い熱だな」
姫「そうなの?」
勇者「今日は安静にしてろよ」
姫「嫌よ、せめt
勇者「はいはい」←トランプに食料に水を取り出した
姫「手に力入らない」
勇者「はいはい、あーん」
姫「んっ」ぱく
勇者「美味しいか」
姫「最悪ね、今度は調子が良い時に食べたいわ」
勇者「そうか」ぎゅー
姫「……涙出る」
勇者「指でこすらないで、俺が拭くから」
姫「どうして涙が出るのよばかぁっ」
勇者「熱だからだな」
姫「知ってるわよ、ばーか!」
勇者「はいはい」←ちょっと今のばーかに萌えた
勇者「ん、水なくなったからメイドに取り替えて貰う」
姫「まだ喉乾いてないからいいわよ」
勇者「水分補給は大切なんだぞ」
姫「トランプの続きしたいの」
勇者「勝った方が罰ゲームってルールなのに?」
姫「そ、そうよ」
勇者「はいはいわかったよ」←直後にロイヤルストレートフラッシュ
メイド「……で、負けないで勝っちゃったんですか」
勇者「ああ、姫に罰ゲームするわけにもいかないしな」
メイド「ふーん」
勇者「なんだよ」
メイド「いえ、勇者さんって本当に男性なのかなっと」
勇者「罰ゲームで姫とキスしようかとは思った」
メイド「……勇者さんって煽られると負けたくないタイプ?」
勇者「素直なんだよ」
勇者「ただいまー」
姫「けほっけほっ、遅かったわね勇者」
勇者「咳か」
姫「そうよ…けほっ、けほっけほっ!」
勇者「姫、よしよし」なでなで
姫「なによ」
勇者「楽になるおまじないとかどうだ」
姫「ばかじゃないの? ……おまじないなんて年じゃないし」
勇者「はいはい」
姫「……zZZ」
勇者「……」なでなで
勇者(ちょっと眠くなってきた、椅子持ってくるか)
勇者「よっと」
勇者(……じゃあおやすみー)なでなで
姫「zZZ」
勇者「……」
勇者(よく寝た……って、なんかあったかい?)もぞっ
姫「zZZ」ぎゅ
勇者「……」
勇者(俺をベッドに上げるのも辛いのに、わざわざ……)
勇者「ありがとな」なでなで
姫「……」
姫(……はいはい)←熱のせいにしつつも顔真っ赤
姫「……だーるーいー」
勇者「ね、寝過ぎたな……昼寝にしては……」
姫「私は熱のせいね」
勇者「だな」
姫「勇者、冷たい物食べたい」
勇者「かき氷だめだぞ」
姫「勇者の作った物ならなんでもいいからぁ」
勇者「はいはい」←今の言い方にクラッとキタ
姫「なにこれ」
勇者「姫にも優しいバニラアイスだ」←全力で作った
姫「……ひんやりしてて真っ白」
勇者「はい、あーん」
姫「んっ」ぱく
姫「……最悪、しょっぱい」
勇者「なんだとっ!?」
勇者「……砂糖と塩間違えた」
姫「これじゃ食べられないじゃない、ばか!」
勇者「ごめん」
姫「最悪よ、もういいから下げて」
勇者「ああ……」
姫「勇者」
勇者「ん?」
姫「次は失敗してない、美味しいのが食べたいわ」
勇者「はいはい」
メイド「そんなことがあったんですかー」
勇者「ああ、今は姫寝てる」
メイド「今日はもうお帰りになりますか?」
勇者「まあな、姫も寝たし」
メイド「じゃあ私も帰ります」
勇者「そうか、送ってくよ」
メイド「助かりますね、いつも♪」
姫「勇者、おんぶ」
勇者「もう平気なのか」
姫「治ったわよ、当たり前でしょ」
勇者「そうか」がしっ
姫「今日は城の裏庭に行くわよ!」ぺしぺし
勇者「はいはい頭叩くな」
メイド「あれ、何しに来たんですか姫様」
姫「散歩!」
勇者「仕事中か? 悪かった」
メイド「いえいえ、1人で草刈りするよりは楽しいです」
勇者「1人? 他のメイドは?」
メイド「伯爵様をもてなす為に他の仕事中ですよ」
姫「……あの人、また来てるの」
勇者「最近頻繁に来てるな」
姫「勇者、私メイドの手伝いをするわ」
勇者「なんで」
姫「メイド1人じゃかわいそうじゃない!」
勇者「あー、メイドは手伝って平気か」
メイド「助かりますよ」
姫「ほらね! 私だってたまにはメイドの手伝いくらい……」
勇者「はいはい」がしっ
姫「なんで勝手に私を背負うのよ」
勇者「草刈り鎌は危ないんだ、もし姫が怪我したりしたら大変だろ」
姫「最悪ね、女は鎌も使えないっていうの?」
勇者「姫の手にこんなの刺さった所見たくない」ギラッ
姫「………」ぞぉ
勇者「わかってくれて良かった」
メイド(なんか面白いなぁこの2人)
勇者「終わったな」
姫「は、早い……」
メイド「大丈夫ですか勇者さん」
勇者「大丈夫」
姫「ほとんど1人で刈ったわねアンタ……」
勇者「どうだった?」
姫「え? そりゃかっこよ……って、何言わせたいのよばかっ」
勇者「はいはい」←満足
メイド「姫様と勇者さんにジュース入れて来ました」
勇者「悪いな」
姫「おー! 甘そうな匂いねっ」
勇者「オレンジ……に蜂蜜か?」
メイド「匂いで見破られたのは初めてです」
勇者「姫が好きな組み合わせなんだ」
姫「うんうん♪ 甘露甘露♪」
姫「ふぁぁ……気持ちいい陽気ね」
勇者「風とかいい具合だな」
姫「……」ぎゅー
勇者「?」
姫「しばらく勇者がベッドになっててよ」
勇者「はいはい」なでなで
メイド「……勇者さんと姫様は、いつからお知り合いに?」
勇者「なんだ急に」
メイド「なんとなく気になりまして」
勇者「なんとなくか、んーと……」
姫「……♪」zZZ
勇者「……多分赤ん坊の時からかな」
メイド「……ほー」
勇者「……両親が今の王の教育係で、俺も親と同じように姫の教育係になったんだ」
メイド「勇者さん、歳は?」
勇者「19……当時は3歳で俺はよくわかってなかったよ」
メイド「凄まじい記憶力ですね」
勇者「ああ、不思議だよな」
姫「zZZ」
勇者「姫との記憶は全部欠ける事なく覚えてるんだ」
勇者「今まで色々あったな、病気とか怪我とか」
メイド「姫様、昔から体が弱かったですよね」
勇者「……必死に姫の病気治すために色々学んだな」
メイド「魔法も?」
勇者「ああ、姫を守る為に必要な力は全部」
メイド「惚れそうです」
メイド「……さて、と」
勇者「どうした」
メイド「いえ、そろそろ私も伯爵様の持て成しに参加しようかと思って」
勇者「そうか、ありがとうな」
メイド「ありがとうって?」
勇者「色々話し聞いてくれてだよ」
メイド「いえいえ♪」
メイド「……」スタスタ
メイド(本当になんていうか、聞いてるこっちが嬉しくなるくらい姫様愛されてるなぁ)スタスタ
メイド(今日は大収穫かな、勇者さんが姫様をどう思ってるか聞けたし)スタスタ
メイド(今度は是非とも姫様の気持ちを聞きたいかなー)スタスタ
メイド(………)
メイド(そう言えば、勇者さんって伝説ロトの一族なんだよね)
メイド「……あははっ」
メイド「なんか、おとぎ話みたいに勇者さんなら悪い魔王に捕まった姫様を助けに行っちゃいそう♪」
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