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元スレほむら「配給制の未来。完全管理社会。そしてまどかとの冒険」
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―――数秒後
私は目を閉じたまま、首を傾げることとなる
どうしたことか、いつまで経っても全身に液体が降りかかってこなかったのだ
ほむら「……?」
不思議なことに、唯一、両手にだけは液体が当たるのを感じるが、
身体のそれ以外の部分には、一向に何も起こる気配がない
さやか「ねえねえ! あーん!」
暗闇の向こう側で、さやかが大声で何かを言っている
いったい何が起きているのかを確かめるため、私はおそるおそる瞼を開いた
さやか「ムラにあげる!」
彼女は、お皿のような形にして謎の白い液体をためた両手を、私の口元へと差し出していた
私は目を閉じたまま、首を傾げることとなる
どうしたことか、いつまで経っても全身に液体が降りかかってこなかったのだ
ほむら「……?」
不思議なことに、唯一、両手にだけは液体が当たるのを感じるが、
身体のそれ以外の部分には、一向に何も起こる気配がない
さやか「ねえねえ! あーん!」
暗闇の向こう側で、さやかが大声で何かを言っている
いったい何が起きているのかを確かめるため、私はおそるおそる瞼を開いた
さやか「ムラにあげる!」
彼女は、お皿のような形にして謎の白い液体をためた両手を、私の口元へと差し出していた
まどか「ほむらちゃん! このお水みたいなの、手でしか触れないみたいだね」
ほむら「そうみたいね」
上空から降り注ぐ白い液体に手をかざし、不思議そうに首をかしげるまどか
いったいこれはなんなのだろうか
さやか「ほら!」
さやかは嬉しそうな顔で、私に白い液体の溜まった両手を差し出し続ける
助けを求めるように、私はまどかの顔を見た
まどか「ごー!」
彼女は親指を立ててゴーサインを出していた
飲めというのね。他人事だと思って
ほむら「そうみたいね」
上空から降り注ぐ白い液体に手をかざし、不思議そうに首をかしげるまどか
いったいこれはなんなのだろうか
さやか「ほら!」
さやかは嬉しそうな顔で、私に白い液体の溜まった両手を差し出し続ける
助けを求めるように、私はまどかの顔を見た
まどか「ごー!」
彼女は親指を立ててゴーサインを出していた
飲めというのね。他人事だと思って
そういえば他の人間はどうしているのだろうか
ふと思い立ち、周囲を見渡してみる
「……!」
「……。……!!」
そうして気が付く
さやか以外の住人も皆、手の平で謎の白い液体をすくい、それを“他人に”飲ませている
奇妙なことに、他人から差し出された液体に限っては、口で触れることが可能なようだった
さやか「ムラ!」
その声で意識をさやかの方に引き戻される
さやか「いらないの?」
彼女はどこか不安げな顔で、私のことを見つめていた
ほむら「……」
意を決して、さやかの手に溜まった謎の白い液体に口をつける
砂糖を水に溶かしたような甘ったるい味が、口中に広がった
ふと思い立ち、周囲を見渡してみる
「……!」
「……。……!!」
そうして気が付く
さやか以外の住人も皆、手の平で謎の白い液体をすくい、それを“他人に”飲ませている
奇妙なことに、他人から差し出された液体に限っては、口で触れることが可能なようだった
さやか「ムラ!」
その声で意識をさやかの方に引き戻される
さやか「いらないの?」
彼女はどこか不安げな顔で、私のことを見つめていた
ほむら「……」
意を決して、さやかの手に溜まった謎の白い液体に口をつける
砂糖を水に溶かしたような甘ったるい味が、口中に広がった
まどか「さやかちゃん、あーん!」
さやかとまどかが謎の白い液体を飲ませ合う光景を眺めながら、おぼろげに理解する
ここはきっと、そういう世界なのだ
「……?」
「……!!」
背丈のそっくりな2人の少女が、笑顔で液体を差し出しあっている
ほむら「ふふっ」
微笑ましい気持ちになった
心が、ようやく安らぐ
ほむら「……」
直接、自分のために何かをすることができない
できるのは他人に施すことだけ
いうなればB7階というのは、完全な相利社会なのだろう
この時の私は、そう思っていた
さやかとまどかが謎の白い液体を飲ませ合う光景を眺めながら、おぼろげに理解する
ここはきっと、そういう世界なのだ
「……?」
「……!!」
背丈のそっくりな2人の少女が、笑顔で液体を差し出しあっている
ほむら「ふふっ」
微笑ましい気持ちになった
心が、ようやく安らぐ
ほむら「……」
直接、自分のために何かをすることができない
できるのは他人に施すことだけ
いうなればB7階というのは、完全な相利社会なのだろう
この時の私は、そう思っていた
まどか「謎の白い液体攻撃ー!」
さやか「あはは! やったなー!」
まどか「きゃっ! 助けてほむらちゃーん!」
白い液体を満足に飲んだのか、まどかとさやかは液体を、互いの口元にかけあって遊んでいた
どうも他人からかけられた白い液体でも、口以外は擦り抜けてしまうようだ
そこには何らかの意味があるのかもしれないが、
私には、その理由を推察だけで探り当てる自信はなかった
まどか「ほむらちゃん! この謎の白い液体の正体を教えて!」
考え事をしていた私の顔に、冷たい液体がかかる
ほむら「ちょっと!?」
まどか「えへへ!」
そうして私も無理やりに謎の白い液体遊びへと参戦させられた
遊びは、白い液体の噴出が止むまで続けられた
さやか「あはは! やったなー!」
まどか「きゃっ! 助けてほむらちゃーん!」
白い液体を満足に飲んだのか、まどかとさやかは液体を、互いの口元にかけあって遊んでいた
どうも他人からかけられた白い液体でも、口以外は擦り抜けてしまうようだ
そこには何らかの意味があるのかもしれないが、
私には、その理由を推察だけで探り当てる自信はなかった
まどか「ほむらちゃん! この謎の白い液体の正体を教えて!」
考え事をしていた私の顔に、冷たい液体がかかる
ほむら「ちょっと!?」
まどか「えへへ!」
そうして私も無理やりに謎の白い液体遊びへと参戦させられた
遊びは、白い液体の噴出が止むまで続けられた
白い液体は、高い栄養価を持っていたらしい
肉体的疲労はいつの間にかどこかへと吹き飛んでいた
まどか「なんだか楽しい世界だね」
ほむら「そうね」
こんな世界なら、それほど悪くはないのかもしれない
確かに、自由は少ないけれど、それでも
ほむら「皆が仲良くできるこんな世界なら、幸せにやっていけるんじゃ……」
しかし、私はすぐに、自分の考えを改めることとなる
さやか「それじゃ、ワッカ会議に参加しようか!」
ほむら「ワッカ会議?」
さやか「うん! 次のワッカを決める会議!」
何か嫌な予感がした
肉体的疲労はいつの間にかどこかへと吹き飛んでいた
まどか「なんだか楽しい世界だね」
ほむら「そうね」
こんな世界なら、それほど悪くはないのかもしれない
確かに、自由は少ないけれど、それでも
ほむら「皆が仲良くできるこんな世界なら、幸せにやっていけるんじゃ……」
しかし、私はすぐに、自分の考えを改めることとなる
さやか「それじゃ、ワッカ会議に参加しようか!」
ほむら「ワッカ会議?」
さやか「うん! 次のワッカを決める会議!」
何か嫌な予感がした
さやかにも番号が割り振ってあるなら、桁がえらいことになりそうだな
俺「はいはーい!おれがワッカやりまーす!皆に俺の白い液体を飲んでもらいまーす」
ほむら「次のワッカを決める?」
さやか「うん。だってワッカは元がいないといけないから」
元? ワッカの、元?
「さあさあ円になれ!」
マーライオンの周りに雑然と集まっていた人の群れが、綺麗な円の形にまとまっていく
1人の、どこか威厳ある老人が円の中心に立って、大きな声を上げた
「それでは次回のワッカを決める!」
「わーわー!」
「誰か立候補者! もしくは推薦者!」
一見すると、誰もが皆、楽しそうな笑顔を浮かべている
しかし、実は誰ひとりとして目が笑っていないことに気が付き、
私は背筋が凍るような感覚を覚えた
さやか「うん。だってワッカは元がいないといけないから」
元? ワッカの、元?
「さあさあ円になれ!」
マーライオンの周りに雑然と集まっていた人の群れが、綺麗な円の形にまとまっていく
1人の、どこか威厳ある老人が円の中心に立って、大きな声を上げた
「それでは次回のワッカを決める!」
「わーわー!」
「誰か立候補者! もしくは推薦者!」
一見すると、誰もが皆、楽しそうな笑顔を浮かべている
しかし、実は誰ひとりとして目が笑っていないことに気が付き、
私は背筋が凍るような感覚を覚えた
はーい俺は>>522さんがいいとおもいまーす
>>522さんは適任だろーなー
円の中に、先ほどまで笑顔で液体を施し合っていた2人の少女を発見した
「……」
「……」
少女達は、変わらぬ笑顔で、互いの顔を見ている
しかし私には、彼女達の心の声が聞こえるような気がした
“絶対に私を推薦するなよ”
“もしそんなことをしたら、私も”
それはまるで呪縛のようだ、と思った
この階層の人間は、人間関係で雁字搦めに縛られている
ほむら「いいえ……」
まだ決まったわけではない
ワッカの元とやらが何かは、まだきちんと聞いていない
「……」
「……」
少女達は、変わらぬ笑顔で、互いの顔を見ている
しかし私には、彼女達の心の声が聞こえるような気がした
“絶対に私を推薦するなよ”
“もしそんなことをしたら、私も”
それはまるで呪縛のようだ、と思った
この階層の人間は、人間関係で雁字搦めに縛られている
ほむら「いいえ……」
まだ決まったわけではない
ワッカの元とやらが何かは、まだきちんと聞いていない
まどか「ほむらちゃん……」
他人に施すことのできる世界ではなく、他人に施さなくては生きられない世界
ここがそういう場所である可能性に、まどかも気が付きつつあるのだろう
とても不安そうな顔を浮かべてている
ほむら「さやか」
意を決して私は、小声でさやかに話しかける
考えすぎであって欲しいと、そう願いながら、確認をとる
ほむら「ワッカの元って、なんなの?」
さやか「ボーネ」
他人に施すことのできる世界ではなく、他人に施さなくては生きられない世界
ここがそういう場所である可能性に、まどかも気が付きつつあるのだろう
とても不安そうな顔を浮かべてている
ほむら「さやか」
意を決して私は、小声でさやかに話しかける
考えすぎであって欲しいと、そう願いながら、確認をとる
ほむら「ワッカの元って、なんなの?」
さやか「ボーネ」
ほむら「ボーネ……」
ボーネ……、ぼーね……、BONE……
ほむら「……」
全ては、そういうことだった
ボーネ……、ぼーね……、BONE……
ほむら「……」
全ては、そういうことだった
ほむら「うっ、ぐっ……」
吐き気が、込み上げてくる
この階に下りた時の比ではない、底からくるような強烈な吐き気
私が、最後には嬉々として飲んでいた、あの液体は―――
ほむら「bone……、骨……」
まどか「……」
ほむら「人骨……」
人骨入りのジュースだったのだ
まどか「……」
人間関係から爪弾きにされた瞬間、マーライオンの生贄にされる
相利社会に思えたここは、一皮剥いてみればそんな世界だった
吐き気が、込み上げてくる
この階に下りた時の比ではない、底からくるような強烈な吐き気
私が、最後には嬉々として飲んでいた、あの液体は―――
ほむら「bone……、骨……」
まどか「……」
ほむら「人骨……」
人骨入りのジュースだったのだ
まどか「……」
人間関係から爪弾きにされた瞬間、マーライオンの生贄にされる
相利社会に思えたここは、一皮剥いてみればそんな世界だった
円の中心の老人が大声を上げる
誰か候補者はいないのかと、そう捲し立てているようだ
ほむら「……」
当然だ。誰かを推薦すれば、推薦し返されるのが関の山
今までよく候補を決められていたものだと、変な言い方だが感心してしまいそうになる程である
「……ん?」
その時、老人と目があった
誰か候補者はいないのかと、そう捲し立てているようだ
ほむら「……」
当然だ。誰かを推薦すれば、推薦し返されるのが関の山
今までよく候補を決められていたものだと、変な言い方だが感心してしまいそうになる程である
「……ん?」
その時、老人と目があった
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