私的良スレ書庫
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元スレほむら「配給制の未来。完全管理社会。そしてまどかとの冒険」
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>>293の続き
――――
それからどのぐらいの間、私達はエレベーター内で立ちつくしていたのか
手元に時計がないため、時間の感覚がよく掴めない
ほむら「行きましょう」
まどか「そう、だね」
1階での出来事は、依然として私達の心の重しとなっている
しかし、いつまでもここでこうしているわけには、やはりいかない
私達は次の階層へと移動することにした
ほむら「順番でいくと次はまどかが行き先を決める番かしら」
まどか「それなんだけどね、今度は2人できちんと話し合って考えたいなって思うんだ」
ほむら「そうね。私もその考えに異存はないわ」
――――
それからどのぐらいの間、私達はエレベーター内で立ちつくしていたのか
手元に時計がないため、時間の感覚がよく掴めない
ほむら「行きましょう」
まどか「そう、だね」
1階での出来事は、依然として私達の心の重しとなっている
しかし、いつまでもここでこうしているわけには、やはりいかない
私達は次の階層へと移動することにした
ほむら「順番でいくと次はまどかが行き先を決める番かしら」
まどか「それなんだけどね、今度は2人できちんと話し合って考えたいなって思うんだ」
ほむら「そうね。私もその考えに異存はないわ」
行き先を決めるにあたって最も考慮すべきことは、やはり例の紙に書かれた言葉だろう
事実上、虹の根元という語句だけが、私達の頼りである
まどか「虹……、根元……」
ほむら「虹というと、やはり7という数字が絡んでくるのかしら?」
まどか「うん。わたしも思った。虹に関連する数字だと、まずそれが思いつくよね」
ほむら「始まりが7、そして終わりがB7なら、なんとなくおさまりはいいし……」
2人で顔を見合わせ、頷き合う
まどか「B7階に行こう!」
ほむら「ええ!」
事実上、虹の根元という語句だけが、私達の頼りである
まどか「虹……、根元……」
ほむら「虹というと、やはり7という数字が絡んでくるのかしら?」
まどか「うん。わたしも思った。虹に関連する数字だと、まずそれが思いつくよね」
ほむら「始まりが7、そして終わりがB7なら、なんとなくおさまりはいいし……」
2人で顔を見合わせ、頷き合う
まどか「B7階に行こう!」
ほむら「ええ!」
エレベーターが下降を開始する
前回、前々回よりも移動前後の階層が近いためか、移動にかかる時間も短かった
ほむら「……」
次、両開きのドアが中心から左右に割れる時は、
いったいどのような世界が待ち受けているのだろうか
3度目とはいえ色褪せない緊張が、胸に走る
ほむら「うっ!? けほっ、けほけほ!」
しかしそんな緊張は、エレベーターのドアが開き始めると同時に霧散してしまった
40階に着いて初めに感じたのが甘い匂いだったのと対照的に、
B7階にきて最初に知覚したのは、吐き気を催すような悪臭だった
前回、前々回よりも移動前後の階層が近いためか、移動にかかる時間も短かった
ほむら「……」
次、両開きのドアが中心から左右に割れる時は、
いったいどのような世界が待ち受けているのだろうか
3度目とはいえ色褪せない緊張が、胸に走る
ほむら「うっ!? けほっ、けほけほ!」
しかしそんな緊張は、エレベーターのドアが開き始めると同時に霧散してしまった
40階に着いて初めに感じたのが甘い匂いだったのと対照的に、
B7階にきて最初に知覚したのは、吐き気を催すような悪臭だった
あまりの臭いに、私は思わず何度も咳き込んでしまった
それはまどかも同じようで、涙に揺れる視線をちらりと横にやると、
彼女は手の平で必死に口元を押さえていた
ほむら「まどか……、ここは、さすがに……」
耐えきれないから、引き返そう
そう、後ろ向きな提案をしようとするも、込み上げる嘔吐感に邪魔されて上手く言葉を紡げない
「開いた……?」
不意に聞き覚えのない声が、耳に飛び込んできた
滲む視界で、ぼんやりとエレベーターの外を見る
「この割れ目の中に人がいたなんて!」
エレベーターを降りてすぐの場所から、ボロ衣1枚纏ったショートカットの少女が、私達のことを眺めていた
見たところ彼女は、長い期間風呂に入っていないようであった
悪臭の原因は、恐らくこれだろう
それはまどかも同じようで、涙に揺れる視線をちらりと横にやると、
彼女は手の平で必死に口元を押さえていた
ほむら「まどか……、ここは、さすがに……」
耐えきれないから、引き返そう
そう、後ろ向きな提案をしようとするも、込み上げる嘔吐感に邪魔されて上手く言葉を紡げない
「開いた……?」
不意に聞き覚えのない声が、耳に飛び込んできた
滲む視界で、ぼんやりとエレベーターの外を見る
「この割れ目の中に人がいたなんて!」
エレベーターを降りてすぐの場所から、ボロ衣1枚纏ったショートカットの少女が、私達のことを眺めていた
見たところ彼女は、長い期間風呂に入っていないようであった
悪臭の原因は、恐らくこれだろう
「きて!」
私達は強引な勢いで手を取られて、エレベーターの外へと引きずり出された
彼女は両手で私達を引いたまま、どこかへと歩きはじめる
「こっち! ちょうどワッカの時間だから!」
わっか、とはつまり、丸いリングを表す言葉だろうか
朦朧とする意識の片隅で、そんなことを考えた
ほむら「ううぅ」
よろよろとふらつきながら、ショートカットの少女のリードに従い、B7階を歩く
地形を確認する余裕はないが、40階のように大部屋式になっていることだけは、かろうじて確認できた
体調不良の私達を気づかってか、少女の歩調はえらくゆっくりしていた
ほむら「……」
途中、何人かの人間に追い抜かれた
そうしてすれ違う人々は、皆一様に私達と同じ方向へと進んでいた
私達は強引な勢いで手を取られて、エレベーターの外へと引きずり出された
彼女は両手で私達を引いたまま、どこかへと歩きはじめる
「こっち! ちょうどワッカの時間だから!」
わっか、とはつまり、丸いリングを表す言葉だろうか
朦朧とする意識の片隅で、そんなことを考えた
ほむら「ううぅ」
よろよろとふらつきながら、ショートカットの少女のリードに従い、B7階を歩く
地形を確認する余裕はないが、40階のように大部屋式になっていることだけは、かろうじて確認できた
体調不良の私達を気づかってか、少女の歩調はえらくゆっくりしていた
ほむら「……」
途中、何人かの人間に追い抜かれた
そうしてすれ違う人々は、皆一様に私達と同じ方向へと進んでいた
ほむら「質問を、しても、いい……、かしら?」
ワッカとは一体何なのか
先ほどから浮かんでいた疑問を私が尋ねるのに先制して、少女が口を開いた
「さやか」
ほむら「えっ?」
「あたしはさやか」
どうも、名前を聞こうとしたのだと勘違いされたらしい
せっかくなのでこちらも名乗り返す
ほむら「そう、なの。私は暁美ほ、むら」
まどか「わたし、まど、か」
さやか「アケミホ・ムラとマド・カ?」
何か勘違いされているようだが、悪臭に咽びがちな今の状態では、
咳に邪魔されずにまともに訂正できる自信もない
名前についてはひとまずこれでよしとしておくことにした
ワッカとは一体何なのか
先ほどから浮かんでいた疑問を私が尋ねるのに先制して、少女が口を開いた
「さやか」
ほむら「えっ?」
「あたしはさやか」
どうも、名前を聞こうとしたのだと勘違いされたらしい
せっかくなのでこちらも名乗り返す
ほむら「そう、なの。私は暁美ほ、むら」
まどか「わたし、まど、か」
さやか「アケミホ・ムラとマド・カ?」
何か勘違いされているようだが、悪臭に咽びがちな今の状態では、
咳に邪魔されずにまともに訂正できる自信もない
名前についてはひとまずこれでよしとしておくことにした
ほむら「それなら、さやか」
さやか「うん!」
ほむら「さっき言っていたワッカって、何?」
さやか「へ? ワッカはワッカだけど?」
彼女から返ってきた答えは、残念ながら理解の助けにはならないものだった
さやか「あ。そろそろつくよ!」
さやかはそう嬉しそうな声を上げると、歩幅を気持ち大きくした
自分達はいったいどこへ向かっているのだろうか
今更ながらに気になった私は、伏し目がちにしていた顔を上げてみる
ほむら「あれは……」
私達の行く先には、巨大な一つの石像があった
さやか「うん!」
ほむら「さっき言っていたワッカって、何?」
さやか「へ? ワッカはワッカだけど?」
彼女から返ってきた答えは、残念ながら理解の助けにはならないものだった
さやか「あ。そろそろつくよ!」
さやかはそう嬉しそうな声を上げると、歩幅を気持ち大きくした
自分達はいったいどこへ向かっているのだろうか
今更ながらに気になった私は、伏し目がちにしていた顔を上げてみる
ほむら「あれは……」
私達の行く先には、巨大な一つの石像があった
まどか「マーライオン、だった、かな?」
まどかの呟きに、私も石像のモチーフが何かを理解する
下半身が魚、上半身がライオンという、伝説上の生物
まどかの言う通り、あの巨大な石像は、どうもそのマーライオンを模しているようである
まどか「わたしマーライオンなんて見るのはじめてだから、なんか得した気分!」
さやか「だーかーらー、ワッカだったら!」
マーライオン、もといワッカの周りには、大きな人だかりができていた
よく見ると人の群れはワッカの正面に集中している
まどか「何が始まるんだろうね?」
徐々にこの臭いにも慣れつつあるのだろう
先ほどと異なり、特に言葉を途切れさせることなく、まどかが私にそう囁いた
まどかの呟きに、私も石像のモチーフが何かを理解する
下半身が魚、上半身がライオンという、伝説上の生物
まどかの言う通り、あの巨大な石像は、どうもそのマーライオンを模しているようである
まどか「わたしマーライオンなんて見るのはじめてだから、なんか得した気分!」
さやか「だーかーらー、ワッカだったら!」
マーライオン、もといワッカの周りには、大きな人だかりができていた
よく見ると人の群れはワッカの正面に集中している
まどか「何が始まるんだろうね?」
徐々にこの臭いにも慣れつつあるのだろう
先ほどと異なり、特に言葉を途切れさせることなく、まどかが私にそう囁いた
>>495
おまえかよ
おまえかよ
ほむら「そうね。何か宗教的な儀式でもするのかしら」
まどか「あはは……。それあり得そう、かも」
まどかは私の予想に笑って答えた
と、その時だった
マーライオンの口から、大量の濁った白色の液体が、勢いよく噴き出された
ほむら「なっ!?」
まるで雨のように、像の前方一帯へと謎の白い液体が降り注ぐ
私は反射的に目を閉じてしまった
まどか「あはは……。それあり得そう、かも」
まどかは私の予想に笑って答えた
と、その時だった
マーライオンの口から、大量の濁った白色の液体が、勢いよく噴き出された
ほむら「なっ!?」
まるで雨のように、像の前方一帯へと謎の白い液体が降り注ぐ
私は反射的に目を閉じてしまった
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