元スレマミ「お友達100人できるかな」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
1 :
児童1「先生さようなら~!」
児童2「さよなら巴せんせ~」
マミ「はい、さようなら。気を付けて帰るのよ」
最後の子供たちを見送ってようやく一息つくことができる
ぐっと伸びをしてからかけた眼鏡を外して目を擦ると、ふとあの日のことを思い出す
ワルプルギスの夜が来たあの日から、もう15年経った
美樹さんはワルプルギスの夜が来る前に魔女となってしまい、佐倉さんは美樹さんと一緒に死んだ
私と暁美さんで迎え撃ったワルプルギスの夜、しかし二人の力では勝てなかった
鹿目さんが契約して撃退していなければ、私はあの時死んでいたのだろう
そこで死んでおけばよかったのにと、今まで何度思ってきたことだろうか
?「ミナサンサヨナラー」
暁美さんは魔女化する前の鹿目さんのソウルジェムを撃った
そして暁美さんは――
?「イヤー、コノ星ノ子供達ハオ元気デスネ~」
マミ「……あの、あなた誰?」
2 = 1 :
いつからいたのか、当たり前のように児童用の椅子に座っていた
目の前の彼(?)は、ボウリングのピンから手足が生えたような姿をしている
?「ドウモ初メマシテ。私アナタ方ノ言葉デ言ウトコロノ、宇宙人トイウモノデス
愛ニツイテ研究シテオリマス」
マミ「あー……QBのお仲間か何かかしら?」
宇宙人「オヤ?ソノ反応ハ珍シイデスネ」
マミ「宇宙人には一人というか、一匹知り合いがいるからかしらね
あなたのような姿の人は初めてだけれど…」
マミ「自分でもあまり驚いてないことに驚いてるわ」
宇宙人「ソレハ、私ガコノ装置デ若干ノ精神操作ヲサセテ頂イテルカラデショウ」
宇宙人「あどれなりんノ分泌量ヲ押サエル電波を発生サテオリマス
楽シクサセルコトモデキマスヨ」ポチッ
マミ「…ぷっ、ぷは、ふふ、あははははは!何言ってんのこの宇宙人!
ピンみたいな癖に!あはははははは!愛とかあはははは!!」
宇宙人「元ニ戻シマス」ピッ
マミ「コホン…それで、私に何か御用かしら?」
宇宙人「ハイ、チョット窓ノ外ヲゴ覧クダサイ」
3 = 1 :
窓の外、上空、そこには夕焼け空を埋めつくさんとする無数の円盤が存在していた
宇宙人「地球制圧ハ後数分デ完了スルデショウ。巴マミサンニハ地球存続ノタメニ……」
宇宙人「愛ノ存在ヲ立証シテ頂キマス」
マミ「……意味がよく分からないのだけれど、なんのためにそんなことを?そもそも、どうして私なの?」
宇宙人「一ツズツ答エマショウ。私達ハ規約ニヨリ他種族ガ生息スル土地ニハ侵攻デキナイノデス」
宇宙人「ソシテ規定ニヨリ他種族ト認メラレルノハ相互間ノこみにゅけーしょんガ発達シタ存在
スナワチ愛ヲ持ツ種族ノミトナリマス」
宇宙人「マミサンガ査定調査個体トシテ選ラバレタノハタマタマデス。オメデトウゴザイマス」
マミ「はあ……要するに私が愛を証明しないと人類が滅亡してしまう……
と、まあ、こういうことでいいのかしら?」
宇宙人「飲ミ込ミガ早クテ助カリマス」
マミ「…………なんてことなの……」
昔は正義のためにと意気込んで魔法少女をしていた自分
あの頃の自分とはとっくに決別してしまい、今はもうただ生きるために魔女を狩るだけの存在
そんな自分がまた、世界のために戦わなければならないという
4 = 1 :
マミ「これが魔法少女の因果って奴かしらね……」
かつて自分が守りきれなかった仲間、町、未来……それら以上のものを今度こそ、この手で守らなければならない
マミ「いいわ、やってあげる……どうせ拒否権はないんでしょう?」
宇宙人「当然デス」
マミ「それで、私は何をすればいいのかしら?」
宇宙人「オオ!ソレデハサッソク屋上ニ向カイマショウ」
マミ「屋上?」
宇宙人「ハイ、私ノ船ヲ待タセテオリマス」
彼(?)についていき屋上へと向かう
扉の向こうには、見たこともない壮観な景色が広がっていた
マミ「わあ…綺麗ね……」
そのままゆっくりと、私は意識を失っていった
5 = 1 :
随分と不思議な夢を見た気がする
眠たい目を擦りながら、ベッドから起き上がる
いつもと違う、いや、昔使っていたような懐かしい感じのするベッドだ
ゆっくり立ち上がると、私はふと、部屋に置いてあった鏡に目を奪われた
マミ「……肌が瑞々しいわ」
宇宙人「気付クぽいんとハソコデスカ?」
マミ「きゃっ!びっくりした!」
宇宙人「マア大局的ニハ同ジ意味ナノデスカネ」
マミ「私、若返ってるんだけど!?あっ眼鏡もなくなってる」
宇宙人「ソウデス…私モ姿ヲ変えまショウカ」
6 = 1 :
そう言って彼…いや、彼女は小学生三年生、ちょうど私が受け持っている子供たちのような姿に変身した
宇宙人「この方ガコチラの世界では動きやすいですカラネ
宇宙人「そして、コノ世界でマミさんに試験ヲ受けて頂きマス」
マミ「ちょ、ちょっと待ってちょうだい……何が起こってるのかさっぱり分からないわ」
宇宙人「懐かしいデスか?マミさんが小学三年生の頃のぱられるわーるどデス」
マミ「えっ?いや、今の私、どう見ても中三の姿なんだけど……」
宇宙人「……オヤ?」
マミ「……あの、宇宙人さん?」
7 = 1 :
宇宙人「おかしいデスねえ、一番友達が作り易い時期デアル期間ヲ選んだハズなのデスが……」
マミ「友達?…どういうことなの?」
宇宙人「コノ星では子供時代に多くの友好の基盤が築かれると聞きマス
生育期間によって心の扉の開き具合が違うのデス
ツマリ、一番友達の作りやすい期間を選んだハズなのデス」
マミ「にも拘わらず、私は小三ではなく中三になってるのね……
マミ「それで、友達を作りやすいっていうのは、何か試験と関係があるのかしら?」
宇宙人「ソレは勿論。試験の内容は、マミさんにコノ世界で友達ヲ100人作って頂くコトデス」
宇宙人「できなかったら人類滅亡デス!」
マミ「友達を……100人も!?」
宇宙人「期間は小学校…はもう卒業してマスので、中学校を卒業するマデ」
マミ「短すぎるわよ!?もう中三なのよ!?」
8 :
読みづらい
9 = 1 :
???「マアマア、実ハソノコトニツイテ話ガアル」
マミ「また変な宇宙人!?なんなのよ一体!」
宇宙人「これはこれはシリウス議長直々にトハ、何事デスカ?」
シリウス議長と呼ばれた宇宙人は、やはりボーリングのピンのような姿をしており、目まで隠れるヘルメットのようなものを身につけている
シリウス「ドウヤラコノ星デハ、コノ時間ヲ中心ニ無数ノぱられるわーるどガ存在シテイルヨウデナ
ココデ多クノ世界線ガ束ネラレテイルヨウナノジャ」
シリウス「無駄ニぱられるわーるどヲ増ヤサナイタメニモ、セッカクナノデコノ日カラヲ試験ニ採用スルコトニシタトイウ訳ダ」
10 :
構わん続けて
12 = 1 :
宇宙人「ナルホド、そういうことデシタか。しかし不思議なコトもあるもんデスね~」
マミ(ここを中心にパラレルワールド?……きっと暁美さんのせいね、彼女が何度も繰り返しているはずだから)
宇宙人「期間はどうしマスカ?」
シリウス「中学校卒業デハ短イナ……高校卒業デイインジャナイカ?」
宇宙人「そうしマショウ…マ、高校に合格できれバ、の話デスけどネ」
宇宙人's「はっはっはっは」ゲラゲラゲラゲラ
マミ「私もう30歳なんだけど……もしかして馬鹿にされてる…?」
13 = 1 :
シリウス「ソレデハ失礼スルヨ」
そう言ってシリウスさんは窓の外へと飛び出していった
マミ「あの、ここ結構高いんだけど、あの人大丈夫なの?」
宇宙人「心配はゴ無用デス。それでは詳しい説明でもしまショウカ」
マミ「そうね……とりあえずお茶でも淹れましょうか」
そういえばこの人に地球の食べ物など与えても大丈夫なのだろうか
冷蔵庫を開けてみると、誰かに貰ったのか、買った覚えのない桜餅が入っていた
お茶を淹れ桜餅をお皿に乗せ、テーブルへと運ぶ
14 = 1 :
懐かしい台所、懐かしいテーブル、懐かしい部屋
本当に時を越えてきたのだと実感する
宇宙人「さてさて、マミさんの左腕をゴ覧ください。『かうんたー』ヲつけさせて頂いテおりマス」
マミ「この腕時計みたいなもののことね」
宇宙人「ソレを友達になりたい相手に向けて横のぼたんヲ押して『せっと』しマス
すると親愛度が表示されマスので、ソレをMAXにして頂きマス」
マミ「親愛度がMAXになると、つまりお友達が成立する…ということかしら?」
宇宙人「流石デスネ。そういうことデス」
15 :
>>8
同感。まぁ長い目で見守ろう
16 = 1 :
マミ「あなたは……私の味方なの?」
宇宙人「私は科学者として客観的ニでーたを取るだけデス。よって味方トハ言えまセンので、中立的な立場にありマス」
マミ「なるほどね……私がいるこの世界は、私の過去の世界なの?」
宇宙人「正確ニハたいむわーぷではなく、あったカモしれナイぱられるわーるどデス」
マミ「そう……なら、ここで何かを変えても私の世界には何の影響もないってことになるのかしら?」
さくら「ソノ通りデス」
マミ「でも、変えられるかもしれないのね…あの悲劇を……
暁美さんが今も戦っているのかもしれない、あの悲劇を」
ワルプルギスの夜…あれと戦いその力を知っている今でも、勝てるかどうか分からない
どうにかできるのだろうか、この私に?
でも……例え私の世界が変わらなくても、暁美さんが選んだ世界に
できるのなら
せめて平和をあげたい
私が手に入れられなかった平和を、この手で
17 = 1 :
マミ「そういえば、あなたお名前はなんていうの?」
宇宙人「コレは失礼、自己紹介がまだデシタネ……ところで、コノ食べ物はなんという名前なのデスカ?」
マミ「それ?それは桜餅よ……確か道明寺の……だったかしら?」
宇宙人「ふむ、ナルホド……アリガトウゴザイマス」
マミ「それがどうかしたの?」
さくら「では、私の名前は道明寺さくら、というコトニしておきマショウカ」
マミ「今名付けるのね……」
19 = 1 :
マミ「道明寺さん…は、これから私と一緒にいることになるのかしら?」
さくら「できるカギリ一緒ニいることデショウ」
マミ「ふんふん…これを相手に向けてセット……」
さくら「マア実際にやって実物ヲ見た方が早いデスよ」
さくら「ソレデハ、私は帰りマスので、マタ明日オ会いしまショウ」
マミ「ちょっと待って!その前に……」
さくら「まだ何か?」
マミ「私の最初のお友達になってほしいの」
さくら「オオ!そういう反応も珍しいデスネ!」
マミ「これを道明寺さんに向けて……セット!」カチッ
ボタンを押すと画面に渦が現れる
両端から始まる二つの線は渦となって中心に向かって繋がっており、線をなぞるように光っている部分がある
20 = 1 :
さくら「左カラ始まる渦ノ光がマミさんから私への愛、右カラの光が私からマミさんへの愛デス」
さくら「中心に近づくホド、親愛度は高くなりマス」
マミ「私の光は少ししかないのに、道明寺さんの光は中心まで届いてるわね」
さくら「私、結構愛情深いんデス」
マミ「これがお互いに中心まで光ったらお友達成立、なのね…」
さくら「マアマア、時間はあることデスシ、ゆっくり友達ニなっていけばいいのデスヨ」
マミ「……ありがとう」
さくら「?」
21 = 1 :
マミ「一ヶ月後、ワルプルギスの夜が来るの……あの悲劇がまた繰り返されるかもしれない
また皆が悲しい思いをするかもしれないのよ」
マミ「私はそれを、黙って見過ごすわけにはいかない!例えパラレルの世界だろうと、今度こそ、どんな悲劇も起させない……」
マミ「私一人では無理でも、仲間たちとなら一緒に戦えばきっと勝てるはず」
マミ「ありがとう道明寺さん、私にチャンスをくれて!これは人類を守るだけの戦いじゃない!私の運命を変える戦いでもあるの!」
マミ「だから、ここに連れてきてくれて本当にありがとう!!」
ピピピピ
マミ「私と、お友達になってください」
22 = 1 :
その瞬間、腕の機械に光が走り、カッと眩しく光った
マミ「……これからよろしくね、道明寺さん。私、あなたと出会えてよかったわ……」
さくら「……」ワクワク
さくら「ハイ、喜んで」
固い握手を交わす
その手は小学三年生とは思えないほど大きくなっていて、まるで同じ年のような……
マミ「――って、いつの間に成長してるわけ?」
さくら「流石に小三ノ格好デハ中学校に通えませんカラ」
マミ「転校してくる気満々なのね」
さくら「ところで、わるぷるぎすトハ一体何なのでショウカ?いまいちよく分からナイのデスガ…」
マミ「ああ、そうねえ……まずはそこから説明しないといけないみたいだけど……」
マミ「まずはQBを呼びましょうか」
23 = 1 :
マミ「久しぶりねQB。最近はグリーフシードを回収してもらう時くらいしか会ってなかったから」
QB「何を言ってるんだいマミ?昨日は僕と一緒に晩御飯を食べていたじゃないか」
マミ「……ホント、あの頃の私は何も知らなかったのよね、QB……
マミ「いえ、インキュベーターだったかしら?」
QB「……へえ、その情報をどこで手に入れたんだいマミ?」
マミ「そのことを説明するには、道明寺さんと一緒に話した方がいいかしら」
さくら「おやおや、コレは本当に珍しいデスネ…こんな星で私達以外の宇宙人に会うトハ……」
QB「……一体どういうことなんだい、マミ?そこにいるのは人間じゃないようだね」
マミ「あら?QBには分かるのね」
さくら「アナタは一体どうしてコノ星に?」
マミ「そうね、それも含めて、まずは三人で現状を整理しましょうか」
24 :
マミさんに友達100人なんて…この世界は残酷すぎる
25 = 1 :
私達は現状を話した
私が未来から来たこと、私がQBの正体や魔法少女の真実を知っていること
道明寺さんの目的、そのために私が友達を作らなければならないこと
QBたちは宇宙のために効率のいいエネルギーを探し魔法少女のシステムを作ったこと
魔法少女と魔女、そのカラクリ、そしてワルプルギスの夜の生む悲劇
ただし、暁美さん達のことは上手くぼかして話した
QBならいずれ気づいてしまうだろうが、それは今ではない
マミ「こんなところかしら?」
さくら「なんと酷いオ話なのデショウ」ホロリ
26 = 11 :
ほむ
27 = 1 :
QB「なるほどね…それでマミは色々と知っているわけだ」
マミ「QBには悪いけれど、あなたの思うようにはさせないから」
QB「まあ、未来になってもノルマ回収は済んでいないようだから、
そうなると僕としてもマミには試験に合格してもらわなければならないわけだね」
QB「つまり、僕はむやみに君のマイナスになるようなことは極力しない方がいいのかな」
マミ「できればそれが一番助かるわね」
今日はこれでお開きになった
懐かしいベッドに横になって、暗い天井を見つめながら思う
絶対に悲劇は繰り返させない
地球も、きっと救ってみせる
マミ「お友達100人、できるかな」
━現在友達1人━
28 = 1 :
翌日
マミ「艶やかな髪と水晶の歯に曇りなき瞳…
肌のハリツヤだけでなく15年の歳月がこんなにも私を蝕んでいたなんて……恐ろしいわ」
マミ「それに、当たり前だけど制服も着ないといけないのよね…中身は大人だというのに」
いそいそと着替えているとまるでコスプレでもしているかのような気分になったが、着替え終わった姿を鏡で確認すると、そんな気持ちも吹き飛んだ
マミ「うわー、ほんとに懐かしいわ……ちょっとテンション上がってきちゃったかも」
ピンポーンとチャイムの音がする
こんな朝から一体誰なのかと思いながら確認すると道明寺さんが制服姿で立っていた
さくら「オハヨウゴザイマスマミさん」
マミ「おはよう道明寺さん、随分と早いのね」
さくら「お隣デスカラ」
マミ「えっ!?」
外に出て標識を確認
いつの間にか住みつく準備まで整えていたようだ
さくら「あとスイマセン、ちゃいむ壊しテしまいマシタ」 ボロー
マミ「どんな力で押したのよ!?」
29 = 1 :
学校に着くと、今までの思い出が少しずつ蘇ってきた
ここでまた過ごすことになるのかと思えば、少しの楽しみとそれ以上の不安が押し寄せてくる
さて、そういえば私のこの教室での友達といえば……
?「おっはようマミちゃん、元気してる~?」
マミ「あっ、あ~、ええっと……氷室!氷室まつりさんよね!そうよ思い出したわ!うわ~懐かしい~!」
氷室「何?ボクのこと忘れちゃってたの?」
マミ「ううん、ちょっと懐かしくって……」
氷室「???」
マミ「それより、さっそく…セット!」カチッ
親愛度を示す光は順調に中心まで届き、無事友達成立となった
マミ「ありがとう氷室さん!やっぱり私達はお友達よね!」ガバァ
氷室「何言ってんのマミちゃん…やっぱおかしいよ?」
少しづつ思い出してくる…他に二人ほど仲のいい子がいたはずだ
30 = 1 :
マミ「セット」カチッ カッ
倉橋「おっはー巴~…今なんか光った?」
マミ「セット」カチッ カッ
天野「おはようマミ…なんか光らなかった?」
マミ「……ありがとう二人とも~!私達お友達よね!」ダキッ
天野「えっ…いきなりどうしたの?」
氷室「さあ?なんか来てからずっとこんな調子で」
倉橋「ふーん、まあいいけどさ。おい西村ー、ジュース買ってこいよー」
31 = 1 :
そんなこんなで、朝のホームルームが始まった
先生「はい、今日はみんなに転校生を紹介する」
さくら「道明寺さくらト言いマス。どうぞヨロシクお願いしマス」ペコリ
\カワイクネ?/ \ヘンナナマリアルネー/
見た目は普通の中学生だが……その正体はへんてこな宇宙人であることを知っているのは私だけだ
\ダレカコエカケロヨー/ \オマエイケヨー/
ああ、それにしても教室の空気が若い……
この空間に年上ではなく同学年としていることに、とても違和感を覚えてしまう
いつか慣れる日が来るのだろうか
━現在友達4人━
32 = 1 :
道明寺さんは私の後ろの席になった
やがて授業が始まり、しばらく静かな時間が訪れる
一時間目は英語だった
マミ(この人は確か……英語の、えっと……早乙女!早乙女先生ね!)
……それにしても、既に学力が身についてる私には授業を聞く意味が全くないというのは、どうにも面白くない
授業の仕方を参考にして学ぶというのはどうだろうか?
早乙女「つまり、関係代名詞とはある名詞がどんなものであるかを文で説明するときに使う接続詞なんですね。それから――」
マミ(早乙女先生の授業は結構分かりやすいわね……参考にしようかしら)
33 = 1 :
早乙女「例えば、『私は嫌味を言った彼をビンタしました』という文章ならば――」
マミ(……あぁ、少し思い出してきたたわ)
早乙女「とにかく!女子の皆さんはそういうなんでもかんでも塩じゃないと駄目だと文句を言うような、
嗜好の偏った男子と交際してはいけませんよ!」
マミ(自分の恋愛事をよく絡めてくる人だったわね)
早乙女「男子の皆さんも、そういう偏見を持った大人になってはいけませんよ!」
マミ(まあでも、分かりやすいし授業が面白いのは事実よね……私にはちょっと真似できそうにないけど)
コツン
マミ「ッ!……?」
34 = 11 :
ほむほむほむほむ
35 = 1 :
ふと、頭に何か軽くぶつかった
どうやら左隣の席から投げられてきたらしい丸まった紙だった……投げたのは当然隣の席の子だ
その子は手を合わせて謝りつつ、この紙を私の右隣の人に渡してほしい様子だ
マミ(えっと……誰だったかしらこの人、中三の時はあんまり話したことなかったはずよね?名前は…………)
マミ(駄目だわ、周りの皆はあだ名で呼んでたから全く思い出せない……)
マミ(こっちの人も……あだ名しか覚えてないわね…どうしようかしら)
そっと紙を渡しながら考える
そういえばこうして二人に挟まれて良く授業妨害をされていた
当時の私は怒りこそしなかったものの、少しイラついていたかもしれない
マミ(でも、決して悪い人たちじゃなかったはずよね……お友達に、なれるかな…?)
こんなことを考えている間にも私の頭上を紙が行ったり来たり、たまに当たったりしているわけだった
さて、どうしたものか……
36 = 1 :
キーンコーンカーンコーン
?「いやあ、ごめんごめん。ちょっと手元が狂っちゃって」
?「気をつけなきゃダメっすよ、ラブやん。すいませんね、巴さん」
マミ「いいのよ、気にしないで」
ラブやん「いやいや、みのっちだって二回くらい当ててたし」
マミ「でも、授業はちゃんと聞いた方がいいわよ。将来苦労することになるって、大人になってから思うのよ」
ラブやん「おお、なにやら上から目線な大人な発言……成長しているのは胸の脂肪だけではなかったということね」ジトッ
マミ「もうっ、からかわないでよ!そんなことより、私が仲介してあげるから投げるのは勘弁して頂戴」
みのっち「それは助かるっスね。これからは巴さんも仲間っスよ」
マミ「んー……仲間というよりは、」
マミ「お友達になりましょう」
37 = 11 :
さる注意
38 = 1 :
ラブやん「フゥ~何を言ってるの…私達はすでにこの教室で同じ釜の飯を食い同じ空気を吸い日々を過ごす烏合の衆…!
その先にある未来は…オオ、輝かしい栄光への花道なのでは!?」
みのっち「よく分かんないっスけど、烏合の衆は違うと思うっス」
ラブやん「とにかく!私達はすでにお友達になっているのではないかしら!?ということよ!!」
マミ「な、なるほど……そういうものなのかしらね?じゃあさっそく…セット!」カチッ
キーンコーンカーンコーン
みのっち「じゃあ次の授業はよろしく頼むっス」
ラブやん「ほんじゃねー」
マミ「……あら、おかしいわね…?」
親愛度は私が7割、ラブやんが5割といったところだった
マミ「お友達になれたと思ったのに」
さくら「そう簡単ニハいきマセンよ」
39 = 1 :
さくら「どうやら私も含めテ四人ハ一気に友達になったカラ勘違いしたのカモしれマセンガ、これが本来なのデス」
さくら「言葉だけノ友情デハなく、心で繋がってコソの友達デス。ユックリ近づいてイケバいいのデス」
マミ「そうよね……お友達って、そういうものよね」
ならばこれからどうすれば友達になれるのか考えなければならない
しかし、結局何も思い浮かばないまま放課後になってしまった
マミ(ちょくちょく話してみてもなかなか親愛度は上がらないわね…どうすればいいのかしら)
倉橋「じゃあね巴ー、あたし西村達と野球してくるわー」
天野「あたしは部活行かなきゃ」
氷室「ボクもワンゲルに呼ばれてるんだった」
マミ「さようなら」フリフリ
40 = 1 :
さくら「オヤ、というコトは、マミさんは帰りハいつもオ一人だったのデスカ?」
マミ「そうだったわね。まあ魔女退治もあったから仕方ないんだけど……」
さくら「ウゥ、ナルホド寂しい時代ヲ過ごされてイタのデスネ」ホロリ
マミ「そんな可哀相な目で見ないでよ……別に寂しくなかったわよ」
ラブやん「みのっち帰ろー、帰りにアメリカン寄ってかない?」
みのっち「またっスか…相変わらずチャレンジャーっスね」
マミ(そういえばお友達と放課後どこかに遊びに行くなんてこと、全然してなかったわね……)
マミ「あの、二人とも……」
ラブみの「?」
マミ「その、私も、たまには一緒に帰ってもいいかな~?なんて、思ったり……」
ラブやん「別にいーんじゃない?あっ、さくらちゃんも一緒に来る?」
さくら「オオ!私モ連れて行ってくだサルのデスネ?」ワクワク
41 = 1 :
ラブやん「決まりね…皆でアメリカンに挑戦するわよ!」グッ
みのっち「なるほど、それは名案っスね」ギラリ
マミ「ありがとう二人とも…ところで、そのアメリカンってなんなの?」
ラブやん「フフン……それは行ってからのお楽しみよ」ニヤリ
数十分後、私は地獄を見ていた……
私が頼んだ『アメリカン牛たたき』は見るも無残な姿の……
道明寺さんは、この不可思議かつグロテスクな料理を異様に喜んでいて、なぜか店長らしき人に気に入られていた
ラブやんとみのっちは、普通っぽい料理を喜々として食べ続けていた
マミ「うっぷ……なんて危険…いえ、デンジャラスなお店なのかしら…」
さくら「どちらも同ジ意味デスヨ。いやー、トッテモいいお店デシタネ!是非また今度行きマショウ、マミさん!!」
マミ「絶っ対に無理!」
ラブやん「いやあごめんごめん、いきなりあんなレベルの高い料理に挑戦するとは思ってなかったからさー」
みのっち「知ってて黙ってたくせによく言うっスね」
ラブやん「セイッ」プルリ みのっち「目がッ!」
42 = 1 :
マミ(でも、こうやって誰かとはしゃぐのって久しぶりな気がするわね……大人になってからは騒ぐことなんてなかったし)
ラブやん「じゃあねー今日は楽しかったわ」
みのっち「今度は普通の料理食べにまた皆で行こうっス」
マミ「え、えぇ……私も今日は楽しかったわ…さようならラブやん、みのっち」
ラブやん「おっ?やっと呼んでくれたね」
マミ「?…何のこと?」
ラブやん「何って、あだ名よあだ名!マミちゃんったら全然呼んでくれないんだもの」
みのっち「皆呼んでるから抵抗ないかと思ってたっスよ。やっぱり呼んでくれた方が嬉しいっスね」
ラブやん「オオ、夕日をバックに何やら溢れんばかりの力を貰っている気がするわ…これが友情パゥワーってやつなのかしら!?」
ピカッ
マミ「みのっち、ラブやんが何を言ってるのかよく分からないのだけれど……」
みのっち「面倒なので突っ込みはなしっスよ?」
43 = 1 :
マミ「あらっ、いつの間にか友達になってる…?」
さくら「オメデトウゴザイマス、マミさん。元々好意を抱かレテいたようデスシ、今日ノ交流で一気ニ距離が縮まったようデスネ」
マミ「気が付いたらお友達になってる、のね……」
さくら「コレが友情ぱわーなのデスネ!」
マミ「感化されてるわよ」
みのっち「さて、あたしらもそろそろ帰るっスかね」
マミ「みのっちにも…セット」カチッ ピカッ
ラブやん「また明日ねー」
ラブやん「ところでみのっち、なんで体育会系みたいな口癖なわけ?一応同学年なのに」
みのっち「これが私の個性っスから」
ラブやん「ソ、ソウデスカ……」
44 = 1 :
マミ「……そういえば」
さくら「どうかシマシタ?」
マミ「二人の本名って結局何だったかしら……」
さくら「ズコー!」
マミ「古いわよ、それ」
さくら「まあ結果おーらいトいうやつデスネ…しかし一日で一気ニ5人も成立トハ、カナリノはいぺーすデスネ」
マミ「そうね、これなら100人も夢じゃない気がするわ!」
さくら「果たシテそうウマクいきマスかね……」
━現在友達6人━
45 :
おもろい
46 = 1 :
翌日
マミ「あっ」
さくら「?ドウカなさいマシタカ?」
さやか「はっはっはー。まどかはあたしの嫁になるのだー!」
まどか「もう、さやかちゃんってばー」
仁美「まあ、いけませんわお二人とも」
キャッキャキャッキャ
マミ「……よかった…二人とも、ちゃんと生きてるのね……」グスン
さくら「ナルホド、ゴ自分に一緒に登校されるオ友達がいなかったコトを後悔なさっているのデスネ」ホロリ
マミ「違うわよ!……でも、ほんとによかったぁ……」
47 = 1 :
一週間後、暁美ほむら転校予定日の前日
マミ「はぁ……」ズーン
さくら「ドウカされマシタカ?何ヤラ暗い顔をしておりマスガ」
マミ「ちょっとね、今セットしてる子なんだけど……なかなか親愛度が上がらなくって」
さくら「どの方デスカ?」
マミ「委員長のメテ・ルーさん。帰国子女で成績も優秀
ちょっと喋りが変だったり子供っぽい見た目だったりするけど、美人だから結構男子からの人気もあるのよ」
さくら「ナルホド…親愛度はマミさんが6割、ルーさんが3割といったところデスカ」
マミ「一緒に帰ったりお昼食べたり休み時間に話しかけたり、結構友達っぽいことしてると思うんだけどなあ……」
さくら「私ハ中立の立場なのでアマリ言イたくはありマセンガ、『友達』とシテ言わせて頂くナラ……」
さくら「マミさんの態度ニ少々問題がアルのデハないデショウカ」
48 = 11 :
ほむ
49 = 1 :
マミ「私に?」
さくら「ソウデス。これ以上は言えマセンガ、モウ一度よく考えてみた方が良いト思いマス。何度も言いマスガ、ゆっくりでよろしいのデスヨ」
マミ(そうはいっても、もうすぐ暁美さんが転校してくるはず。そこから全てが始まるのだとしたら、うかうかなんかしていられないわ)
放課後
マミ「ルーさん、一緒に帰らない?」
ルー「ああ、別にかまわんが、そのルーさんというのはやめれ……普通に委員長で頼む」
マミ「ごめんねル…委員長」
マミ「じゃあ皆で帰りましょうか……って、あら?道明寺さんは?」
ラブやん「ああ、なんか見たいテレビがあるとか言って真っ先に帰って行ったわ」
マミ(道明寺さん、友達を作りやすいように気を使ってくれたのかな?)
50 = 1 :
ラブやん「じゃあ、あたしらこっちだから」
みのっち「また明日っス」
マミ「さようなら…さ、私達も帰りましょうか」
ルー「……そうじゃな」
マミ(暁美さんの転校日は確か明日のはず…なんとしても今日中にルーさんと友達に……)
ルー「なあマミ、一つ聞いてもいいかの?」
マミ「あら、なあに?」
ルー「何をそんなに焦っておるのじゃ?」
マミ「焦って…?私が?」
みんなの評価 : ★★
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- マミ「お腹が減ったわね」 (151) - [53%] - 2011/11/23 8:30 ☆
- マミ「大切な物だったのに」 (583) - [53%] - 2011/9/10 14:15 ★★
- マミ「おいしい!おいしいわ!」 (235) - [51%] - 2011/12/30 9:15 ★
- マミ「ぼっちなう…っと」 (466) - [51%] - 2011/12/25 6:00 ★★★
- モバP「お茶飲んでまったり」 (143) - [51%] - 2013/1/14 19:00 ☆
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