元スレ妹「兄さんって呼ばせて下さい」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
751 :
なかなかいい
752 = 651 :
こんなのありかよおおおおお
753 :
あー俺一乃のパターンか。可哀想に。
754 :
追いついた~
と思ったら今一番良いところじゃないか~
757 :
追いついた
>>743はどういう意味?
759 = 651 :
>>757
また記憶を失くしたちまったんだよ
760 = 757 :
>>759
なんで指輪のことは覚えてるの?
誰かに聞いたのか?
読解力なくてすまん
761 = 662 :
──病院
男「…………」
男「…………」
男「考えろ、考えろ考えろっ」
男「次の方法だ……次の……」
男「……っ」
男「くそっ!」
……ガンっ!
男「どうしてうまくいかないっ!」
男「何が悪かった? 何をミスしたっていうんだっ!」
男「……くそ、くそ……」
男「…………」
男「……ふぅー……」
男「落ち着け……落ち着くんだ……」
762 = 662 :
男「焦っても仕方ない……もう一度……」
男「今度こそは失敗しないぞ……」
男「…………」
ガチャ……。
男「……ん」
男性「……大丈夫か?」
男「俺のことはいいです……彼女は?」
男性「今、先生が検査しているところだ」
男性「まあ、毎度のこと、同じ結果だろうがな」
男「…………」
男性「……しかし、何度経験しても辛いものだな」
男性「ああやって、急に初対面の対応をされると……」
男性「……胸を締め付けられるものがあるよ」
男「……七回目」
男性「ん?」
763 = 662 :
男「アイツが再度記憶を失うのはこれで、七回目ですよ……」
男性「…………」
男「初めてを入れれば、八回……」
男「……何も前に進む事が出来ていない」
男性「だが、今回はいつもより長かっただろ?」
男性「全く進んでいないとは、言い切れないんじゃないか」
男「そんなのたかが数ヶ月の違いですよ……」
男「しかも今回の場合、彼女を相当苦しませてしまった……」
男「……にもかかわらず、この結果です」
男性「……そんなに自分を責めるな」
男性「君がいたからこそ……あの子も約一年過ごせたんだ」
男「…………」
男「……あ……」
男性「どうした?」
764 = 662 :
男「……『君がいたからこそ』か……」
男「…………」
男性「……何か、問題があったか?」
男「違います……もしかしたら」
男性「なんだ?」
男「……今までをもう一度、整理してみましょう」
男性「あ、ああ」
男「……彼女が二回目に記憶を失った時」
男「あれは俺のせいですが……妹は兄の死を知ってしまった」
男「そして、記憶を失った」
男性「そうだったな」
男「三回目から七回目までは、余り、変化もなく……」
男「一年も経たない程度で、まあ、長さに若干の違いはありましたが」
男「これまた、記憶を失いましたね」
765 = 662 :
男「そして、八回目」
男性「…………」
男「彼女が約一年周期で、記憶を失っていることを本人に伝えました」
男「あえてその事実を隠さずに、アイツに認識してもらったわけです」
男「そのせいで、妹は日々を悩み続けることになったわけですが……」
男性「その代わり、猶予が伸びた」
男「でも、結果は同じ」
男「俺にとっては、余り大差はないです」
男性「…………」
男「だから、今度」
男「次は今までと全く変わった手段を取りましょう」
男「それが『急激な変化』になる……」
男性「……どうする?」
男「俺は家を出ます」
766 = 662 :
男性「……なっ」
男「兄を偽るという前提……」
男「それを一旦、やめてみませんか?」
男「兄という存在を、今回は、無かった事にするんです」
男性「しかし、君は一度、会っているんだろう?」
男「その辺りは、うまく誤摩化してもらうことにして……」
男「今後はしばらく病院で生活してもらうようにしましょう」
男「その間に親友の荷物は一旦、違う場所に移して」
男「兄の存在がない家にしてから、彼女に普段の生活を送らせるんです」
男「ん……そうすれば、うまくいく」
男性「…………」
男「どうかしました?」
男性「……本当に意味があるのか?」
男「今は、分かりません……もしかしたら、悪い方向に進むかもしれない」
男性「なら……」
767 = 662 :
男「でも、前に進むことを躊躇っていたら」
男「いつまで経っても、同じことの繰り返しです」
男「永遠に、彼女は元の記憶を取り戻さない」
男性「……それは」
男「はい?」
男性「それは、そこまで必要なことなのだろうか……?」
男「……どういうことです?」
男性「確かに、昔の思い出も全て思い出せば」
男性「私としても嬉しい事だ……だが」
男性「結局、あの子は現実で兄の死を受け止められず」
男性「自殺未遂を謀ったんだぞ……?」
男「…………」
男性「もし仮に、今後、記憶が戻るとして……」
男性「けれど、その時には……」
男性「あの子が自殺してしまう可能性が生まれてしまう」
768 = 662 :
男性「親としては、それだけは避けたい」
男「……しかし」
男性「君の気持ちは理解しているつもりだ」
男性「だが、最近、私は思う……」
男性「一年毎に娘が記憶を失ってしまったとしても」
男性「別段、何の問題もないのじゃないか、と」
男「……それを彼女本人に言えますか?」
男「一年しか……いや、一年も生きられない、あの子に?」
男性「……もちろん、言えんよ」
男性「だが、生きていることに変わりはないだろう?」
男「…………」
男性「幾ら記憶を失おうとも、親の子に対する愛は消えたりしない」
男性「それにな……最早、私は、あの子より君の方が心配だ」
男「……はい?」
769 = 662 :
男性「少し取り憑かれているんじゃないか?」
男性「勝手な私の見解だが、君は人生をあの子にために犠牲にしている」
男「……何を言うかと思ったら」
男性「…………」
男「『犠牲』?」
男「俺が、あいつの為に人生を無駄にしてる?」
男「そんなことありませんよ」
男「……というより、逆です」
男性「……逆?」
男「アイツがいてくれているからこそ、今の俺がいる」
男「生き恥晒しながら、生きていられるんです」
男「……もしも、妹が今後、死んだりなんかしたら」
男「そのときこそ、俺の死ぬときですね」
男性「……今までも、薄々感じていたが」
770 = 662 :
男性「……君は少し異常だな……」
男「……かもしれません」
男「けど、今の俺にはアイツしかいないんです」
男「父も、母も、親友も失った今」
男「アイツだけが、俺をこの世界に繋ぎ止めてくれる」
男「大切な人たちを無意味に奪っていった、汚いこの世界からね」
男性「…………」
男「俺は諦めません」
男「仮に誰もが匙を投げたとしても、俺だけは決して」
男「──諦めない」
771 = 747 :
もうそろそろか?
ラスト前に昼飯調達してくる ノシ
772 = 716 :
しえん
774 = 754 :
ふむ
775 = 678 :
④
VIPのSSでこんな良い物が読めるとは…
776 :
追いついたぜ・・・ちくしょう・・・ハッピーエンドであってくれ・・・
全力で支援
779 = 662 :
──部長室
男「…………」
男「……仕事が全く進まないな……」
男「あれからまだ一週間も経たないというのに、この調子か……」
男「アイツに会えないっていうのは……」
男「想像していた以上に辛い……」
男「……でも」
男「今度は、うまくいくような気がする」
男「今までとは違う、全く新しい試みだ」
男「……きっと、アイツも昔のように……」
男「根拠はないのに、そう信じてしまいそうだな……」
男「…………」
……………。
780 = 662 :
コンコン……。
女「部長、失礼します」
男「……ああ」
……ガチャ。
女「コーヒーをお持ち……って、どうかしたんですか?」
男「……ん?」
女「その……」
男「……何だ?」
女「凄く辛そうな表情をしてましたよ……?」
男「……はは……そう見えたか?」
女「は、はい……」
男「……少しな、プライベードで色々あって」
女「もしかして……こないだ言っていた『彼女さん』のこと?」
女「うまくいきませんでしたか?」
781 = 662 :
男「『彼女さん』じゃないよ……妹──」
男「……って……」
女「……妹?」
女「部長に妹がいたんですか?」
男「……話すつもりはなかったんだがな」
男「思わず、口走ってしまったみたいだ……」
男「……ほんと駄目だな……」
女「その……差し支えなければいいんですけど」
女「……少しお話を聞かせて貰えませんか?」
男「……それは」
女「私、思うんです」
女「時には、他人に話すってだけで」
女「気持ちが多少和らぐことが……誰にでもあるって」
男「……確かにそうだ」
782 = 662 :
男「なら、少しだけ話させて貰おうかな……」
女「……はい」
男「……実のところ」
男「私には……いや、俺には妹がいるんだ」
女「そうだったんですか」
男「ああ……で、こないだ話した、落ち込んでいる子っていうのが」
女「妹さんだったんですね……」
男「その通り」
女「どうやって、励まそうと?」
男「話を聞いてやって、悩みを受け止めて」
男「それで一緒にそれを背負ってやる……的なことを言った」
女「……私は、凄くいいと思いますよ」
男「でも、結果は駄目だったんだよ」
783 = 662 :
男「……何度も何度も、繰り返した」
男「時には遠ざけたり、辛く当たってみることにもした」
女「……ええと」
男「でも、そんな些細な変化じゃ何も生まれなくて」
男「逆に、悪化させてしまうこともあった」
女「…………」
男「だから、今回こそはうまくいくって思ってたんだけどな」
男「アイツには辛い思いをさせちゃったけど、仕方なかった」
男「最早……手段がなかったんだ」
女「……はい」
男「でも、結末は変わらない」
男「何度やっても、同じ事の繰り返し」
男「……けど、今度こそは……もしかしたら、ってね」
男「思わずにはいられないんだ」
784 = 662 :
女「すみません……」
男「ん?」
女「途中から少し分からなくなってしまって……」
男「ああ、ごめん……後半、独り言のようになっちゃったな」
男「余り気にしないでくれ……今日の俺はどうかしてるから」
女「……でも、何となく分かりました」
女「部長は、その妹さんのことを凄く大切に感じていて」
女「掛け替えのない家族の一人だとか思っているんですね」
男「……家族、か」
女「私にも、昔、一人の弟がいました」
男「弟?」
女「すっごく、やんちゃな子だったんですよ」
女「いつも帰ってくると、服を泥だらけにして」
女「そのまま廊下に上がるもんだから、よく母に怒られていました」
男「……そうか」
785 = 662 :
女「それに悪戯好きで、その対象はいつも私」
女「時には腹が立つこともされましたけど、今となってはいい思い出です」
女「怒られたときに、しゅんとする表情なんて」
女「とても愛らしくて……今でも懐かしくて……」
男「……君の家族は」
女「はい、死にました」
男「そうだった……面接の時にもそう言っていたな」
女「みんなで県境の山にキャンプに行く予定だったんです」
女「弟なんか、絶えず車内で、はしゃいでいて」
女「私は平常を装ってましたけど、内心は凄くわくわくしていました」
女「大好きな両親と愛らしい弟と」
女「テントを張って、近くの川で魚釣りをして」
女「夜はバーベキューでおいしいものを食べて、みんなで仲良く寝る」
女「そんな光景が、容易に想像できたから……」
男「…………」
786 = 662 :
女「でも、高速を降りて二車線の県道を走っていた時」
女「居眠り運転をしていた対向車線の車がはみ出してきて……」
女「……一瞬でした」
女「大きな衝撃が一回……その後の記憶はありません」
女「気がついたときには、病院のベットで管という管に繋がれて」
女「……みんな、死んじゃったんです」
女「私だけを残して……そう、みんな……」
男「……ああ」
女「それから数年程、生きる気力が湧かない時期が続いて」
女「何度も、自分で命を断とうとも思ったんですけど」
女「その時に限って、弟の笑顔が浮かぶんです」
女「私より小さかった、あの子の笑い顔が頭から離れなくて……」
女「……それで思いました」
女「弟の分も生きよう。強く生きようって」
男「…………」
787 = 662 :
女「すみません……なんだか急に私の身の上話をしちゃって……」
男「いや、いいんだ」
女「……余り他人に話したくない内容だったんだけどなぁ」
女「部長って、よく聞き上手って言われますか?」
男「はは、生憎、君が初めてだよ」
女「ならなんだろ……でも、部長と私って」
男「ん?」
女「もしかして、凄く似たもの同士なんじゃないですか?」
男「…………」
女「初めて会ったときから」
女「この人は……私と似てるな……って思ったんです」
男「……それはさ」
女「はい」
男「当たり前の話なのかもしれない」
女「……え?」
788 = 662 :
男「俺も、君が話しやすいって感じているから」
男「だからこそ、秘書に採用したわけだしね」
女「……でも、それって」
男「実のところさ……俺もな」
男「両親がいないんだよ……」
女「え?」
男「だから、共感できるのかもしれない」
男「二人とも家族を失っているから、かな?」
女「……えっと」
男「ん?」
女「でも、部長」
男「何だ?」
789 = 662 :
女「部長には、お父さんがいるじゃないですか?」
女「この会社の社長が……あなたの父親でしょ?」
男「…………」
男「……ぷ」
女「え?」
男「はははっ」
女「そ、その……」
男「駄目だなっ、今日の俺は本当にうっかりしてるよ」
女「……ええと、はい……」
男「この際だ。君に打ち明ける」
女「?」
男「社長と俺は血が繋がってない」
男「数年前に、養子縁組をしただけなんだ」
790 :
私怨
791 :
俺が支援するっていってるんだぜ?
792 :
1000までに終わるのか
793 :
やっと追いついた
794 = 673 :
この本どこで売ってるの?
796 :
男×女とか誰得
797 :
>>796
ハーレムルートで俺得
798 :
>>796
スレタイ1000回読み直せ
799 :
資縁だな
800 :
なるほど、>>798でやっとわかったわ
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