元スレ妹「兄さんって呼ばせて下さい」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
51 :
おもしろいよー
支援するっきゃない
54 = 1 :
──社長室
男「……失礼します」
ガチャ。
男性「おー、来てくれたかっ」
男「はい……それで、ご用件は……」
男性「もちろん、あの子のことだよ」
男性「最近、余り時間が取れなくてな……病院に行けてないんだ」
男「そうですか……」
男性「どうだ? 彼女の様子は?」
男「日が経つにつれて、元気を取り戻してるように見えます」
男性「うん、うん。それは良かった」
男「はい……」
55 = 1 :
男性「……ん? 浮かない様子のようだな?」
男「え……」
男性「もしかして、会社内のことか?」
男性「確かに、無理やり入れこんだ感があるから」
男性「初めのうちは、君も苦労することだろう。しかし……」
男「……いや、そのことではなくて」
男性「ん?」
男「彼女のことです」
男性「私の娘の話か?」
男「はい」
男性「……どうした? 何が問題だ」
男「これは……いつまで続ければいいんでしょうか?」
男性「…………」
56 = 1 :
男「今はまだいいです。彼女が思い出さないうちは、まだ」
男性「けれど?」
男「僕には分からないんです。この仕事の、終わりが」
男性「終わり……か」
男「何をもって達成とするんですか?」
男「彼女が事実を一人で、受け止められるようになってから?」
男性「……それは、恐らくない」
男「…………」
男性「事実がばれたら、そこで全て終わりだよ」
男性「私はまた大事なものを失う。それだけは避けたい」
男「……だから、永遠に隠し通せと?」
男性「いいか。そう難しく考えることなんかじゃないんだ」
男「…………」
57 = 1 :
男性「君は死んだ私の息子の代わりをする」
男性「自責の念にかられている娘の兄となる」
男「……はい」
男性「幸いにも、生前の息子と私の関係は良好なものではなかった」
男性「会社の人間で、成人した彼の顔を知っているものはいない」
男性「それに……今、この会社には不穏な空気がたちこもっているからな」
男「……というと?」
男性「時期が来たら、また知らせる」
男性「どう転んでも、君には悪い話ではない。だから、心配するな」
男「……はい」
男性「あと、そうだな」
男性「そろそろ、機会を設けるから、私の妻にも会って欲しいな」
男「……分かりました」
男性「よし、話は以上だ。職務に戻って欲しい」
58 = 43 :
しえん
59 = 1 :
──病院
妹「……お兄ちゃん?」
男「あ、うん?」
妹「すごい思い詰める顔してましたよ?」
男「そうだったか……いや、最近、少し仕事で疲れててね」
妹「大丈夫ですか?」
男「はは、病人のお前に心配されるなんてな」
妹「ふふ、そうだ。お話でもしませんか?」
男「話?」
妹「そうそう、両親のこと聞かせてください」
男「ええと……」
妹「ん?」
男「それは、お前の父親と母親の話か?」
妹「もちろん、そうですけど……」
60 = 1 :
男「あっ、うんとな……」
男「父さんは……その、ちょっと強面の人だったろ?」
妹「あ……はい」
男「初めて見た時、どう思った?」
妹「その……正直な感想言っていいですか?」
男「うん。親父には内緒にしとくよ」
妹「……実は、結構、怖かったんです……」
男「はは」
妹「だから、その父に「明日、お前の兄が見舞いに来るぞ」って言われた時」
妹「どんな怖い男の人がくるのかと、心配でした」
男「ほほう、それで」
妹「でも、実際の兄はとっても優しそうな方で」
61 = 1 :
妹「だから初めて会った時、兄じゃない人だと思ってました」
男「……うん」
妹「……その……ええと」
男「ん?」
妹「もしかしたら、わたしのこ、恋人だったり……したらなーみたいな……」
男「『恋人』……か」
妹「いやっ、そのもちろん……違ったわけですけど……」
男「昔のお前には恋人はいたのかなぁ……」
妹「その辺、お兄ちゃんも知らないですか?」
男「プライベートについては、あまり話さなかったしなぁ」
妹「……私って、今」
男「うん、大学生」
妹「だったら、恋人の一人や二人くらい、いてもおかしくないですよね……」
62 = 1 :
男「二人いたら困るけど、まあ、そういう年頃だよな」
妹「もしかして……わたしって、ブスだったりします……?」
男「……は?」
妹「その……恋人みたいな人が来ることもないですし」
妹「今は、自分の顔を見ても、なんだか自分のじゃない気がして」
男「…………」
妹「お兄ちゃんから見て、わたしってどうですか?」
男「……ええと」
63 = 1 :
妹「正直に言ってください。気を使ったりは、絶対しないで」
男「…………」
男「……綺麗だよ。普通に」
妹「ほんとに?」
男「ああ、もしも、俺が兄じゃなかったら……」
男「お前を好きになってたかもしれないな」
……………。
………。
64 = 43 :
なんかせつねえ
65 :
敬語妹に萌えに来たがシリアスだった
だが好きだ
66 :
これは期待せざるを得ないな
既に感動しそうになってるよ
支援
67 :
これはすごくいいな
おもしろくなりそうだ
完結するまで飯食わない
69 = 1 :
親友『おらー、当たれっ!』
妹『きゃっ!』
ビューン……。
親友『あっ、やちった』
男『おいおい、どこ投げてんだよ。草むらのほうに行っちゃったぞ?』
親友『くそぉ……なんで、お前、当たんないんだよ』
妹『お兄ちゃんこそ、本気で妹に当てにいくなんて、たち悪いよ……』
男『いいから、取ってこいって。多分、川までには行ってないと思うから』
親友『うー、めんどくせぇなぁ』
男『はやくっ』
親友『分かったよ……でも、今度こそ、お前に当ててやるからな!』
男『はいはい』
たたたたっ……。
70 :
はよ書け気になるだろボケ
72 = 1 :
男『やっと行ったな』
妹『だね』
男『しかし、こんな遊びに参加しなくてもいいんだぞ?』
妹『うーん……』
男『玉当たると、痛いぞ?』
妹『でも……外で見るだけじゃ、つまんないし』
男『いいんだよ、女の子はそれで』
男『学年も全然違うんだし、無理するなよ』
妹『……うぅ』
男『怪我したらどうすんだ。俺の母さんがいつも言ってるんだ』
妹『なんて?』
男『『女の子への傷は一生もんだから』ってさ』
73 = 67 :
>>70
水道水でも飲んで落ち着きな
案外うまいよ
74 = 1 :
妹『ええと……意味わかんないかも』
男『実は俺も分かってない』
妹『なにそれ、ふふっ』
男『ははっ』
妹『あっ、兄さん』
男『ん?』
妹『ここほら、血が出てる』
男『あーほんとだ……でも、これぐらいの傷……』
妹『駄目だよっ! ばい菌が入っちゃったらどうするのっ!』
男『えっでも、いつもはこんなの……』
妹『ほら、こっち来て』
男『お、おう……』
75 = 1 :
ガサガサ……。
妹『確かここに、キティーちゃんのバンドエイドがあったはず』
男『お、おい……?』
妹『うん、あった!』
男『やっ、やめろって、そんな女っぽいやつ』
妹『いいから、じっとしてて』
男『…………』
妹『消毒して……貼って……これで、よしっと』
男『……あ、ありがと』
76 = 1 :
妹『ううん、いつも兄さんには優しくしてもらってるし』
妹『それに……やっぱり、使う時に使わないとね』
男『?』
親友『おーいっ! ボール見つかったぞっ!』
妹『あっ、お兄ちゃん戻ってきた』
男『…………』
妹『ほら、兄さんっ! 行こっ!』
男『う、うん』
77 = 1 :
──会社
男「ふぅ……終わった」
上司「ん?」
がたっ。
上司「どうした? 俺はもう帰るぞ?」
男「頼まれていた仕事、とりあえず、全て終わりました」
上司「ほう……」
男「慣れるまで時間がかかってしまい、申し訳ないです」
男「いままでパソコンを使った作業をしてこなかったもので」
男「本当にご迷惑をおかけしました」
上司「……ふむ」
男「それで、追加のお仕事があれば早速……」
上司「いや」
78 = 1 :
男「え?」
上司「今日はもう帰りなさい。今まで毎日、残業だっただろ?」
男「ですが……」
上司「いいんだ。警備の人からも話は聞いてる」
男「ええと」
上司「毎日、夜遅くまで、時には明け方まで……本当に頑張ったな」
男「…………」
上司「初めは全てにおいて鈍臭いし、やることは不慣れだし」
上司「本当に困ったやつを部下にさせられたものだと憤慨した」
男「……申し訳ないです」
上司「だが、人一倍の根性は持ってるみたいだ」
男「え?」
79 = 1 :
上司「そういう奴は大成する」
上司「文句も言わずに、仕事を黙々とこなす奴を俺はもう貶さない」
男「……あの」
上司「四ヶ月、本当に大変だったな」
上司「明日からはもう新入りみたいな仕事はしなくていい」
男「…………」
上司「俺が進めている新規の顧客との会談に付いてこい」
上司「少なからず、得るものはあるはずだと思うぞ?」
男「……はいっ」
男「よろしくお願いしますっ!」
80 = 36 :
上層部から脅されたのか
かわいそうに
82 = 1 :
──自宅
男「……ふぅ……」
男「今日も一日が終わった……っと」
男「よし、母さんに電話しようか」
ピッ……ピピッ。
男「……もしもし」
男「あっ、うん。夜遅くごめんね」
男「もう時間過ぎてる? あーそうか、でも電話、大丈夫?」
男「うん……あ、うん」
男「いや、こっちの仕事がうまくいきそうなんだ」
男「ん……ははっ、やっぱり、声が違う?」
83 = 1 :
男「うん……頑張るよ」
男「みんなに認められるように……失敗はしちゃいけないよね」
男「うん、それは分かってる」
男「……そうだね」
男「俺も戻りたいんだけど……まだ、ちょっと難しそう」
男「うん……」
男「土日はいつも用事が入っててさ……」
男「もう少しすれば、こっちも落ち着けると思う」
男「うん……だから、その時にね」
男「ん、じゃあ、また」
84 :
泣くヨカーン
85 = 1 :
ちょい飯の準備してくる。
86 :
とっとと書いて下さいませ太郎
88 = 66 :
まだ?
89 = 84 :
カモーン
90 :
いもスレは
91 = 70 :
バイト行ってくる支援
93 :
なんて切ない…
96 :
いいぞ
98 :
面白いじゃないか支援だ
100 = 84 :
何時まで飯食ってんだ
みんなの評価 : ★★★×4
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