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元スレ妹「兄さんって呼ばせて下さい」
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──車内
男「さて、月に一度の病院での検査だ」
妹「はぁ……」
男「気乗りしないか?」
妹「……そうですね」
男「いつも言っているが、やはり万全を期さないとな」
男「それは、お前も分かってるはずだろ?」
妹「はい……」
男「ん、ならいい」
妹「……お兄ちゃんは嫌になりませんか?」
男「嫌になる?」
妹「わたしは、この日が来る度に……」
妹「自分が未だ病気のままなんだって、再確認させられます」
男「…………」
男「さて、月に一度の病院での検査だ」
妹「はぁ……」
男「気乗りしないか?」
妹「……そうですね」
男「いつも言っているが、やはり万全を期さないとな」
男「それは、お前も分かってるはずだろ?」
妹「はい……」
男「ん、ならいい」
妹「……お兄ちゃんは嫌になりませんか?」
男「嫌になる?」
妹「わたしは、この日が来る度に……」
妹「自分が未だ病気のままなんだって、再確認させられます」
男「…………」
妹「普段は何の支障もなく、それこそ、楽しい生活を送っていて」
妹「だけど、やっぱり、今のわたしは本来の自分じゃなくて」
妹「……何年ぐらいになるんですか?」
男「ん?」
妹「わたしが昔の記憶を失ってから……合わせてどれくらいに?」
男「……約六年だ」
妹「六年……もですか」
男「…………」
妹「そんな長い事、思い出せなかった」
妹「何度繰り返しても、また、同じことの繰り返し」
妹「同じ場所を行ったり来たり……ただそれを永遠と」
男「違う。少しずつだけど、前進してる」
妹「そう思いますか?」
男「ああ」
妹「だけど、やっぱり、今のわたしは本来の自分じゃなくて」
妹「……何年ぐらいになるんですか?」
男「ん?」
妹「わたしが昔の記憶を失ってから……合わせてどれくらいに?」
男「……約六年だ」
妹「六年……もですか」
男「…………」
妹「そんな長い事、思い出せなかった」
妹「何度繰り返しても、また、同じことの繰り返し」
妹「同じ場所を行ったり来たり……ただそれを永遠と」
男「違う。少しずつだけど、前進してる」
妹「そう思いますか?」
男「ああ」
妹「わたしは今回も駄目な気がしちゃうんですよね」
妹「以前と確かに状況は違うみたいですけど」
妹「急激な変化があったわけでもないですし……それこそ」
男「考えすぎても駄目だぞ?」
妹「でも……」
男「ほら、俺があげた指輪」
妹「え?」
男「形にしたプレゼントを送ったのは初めてだ」
妹「…………」
男「そうやって、些細な変化が積み重ねって」
妹「以前と確かに状況は違うみたいですけど」
妹「急激な変化があったわけでもないですし……それこそ」
男「考えすぎても駄目だぞ?」
妹「でも……」
男「ほら、俺があげた指輪」
妹「え?」
男「形にしたプレゼントを送ったのは初めてだ」
妹「…………」
男「そうやって、些細な変化が積み重ねって」
男「いつの日か、きっと前に進める日が来るはずだ」
妹「……そう願ってます」
男「ん……」
妹「…………」
妹「最後に一つだけ」
男「……何だ?」
妹「わたしが今感じてる感情は……」
妹「……昔のわたしも抱いていたんでしょうか……?」
男「…………」
男「……すまん」
男「……俺には分からない……」
妹「……そう願ってます」
男「ん……」
妹「…………」
妹「最後に一つだけ」
男「……何だ?」
妹「わたしが今感じてる感情は……」
妹「……昔のわたしも抱いていたんでしょうか……?」
男「…………」
男「……すまん」
男「……俺には分からない……」
──親友の部屋
男「…………」
男「……なぁ、親友」
男「お前に語りかけるのは、久しぶりだな」
男「とっくの昔にお前は死んじまってるっていうのに」
男「形見のカメラに向かって、こうやって語りかけている」
男「未練がましいというより……」
男「正直、端から見ると異常だな」
男「……でも、少しだけ」
男「自分でも分からなくなったんだ……」
男「俺の前回の選択は、明らかに間違いだったのかもしれない」
男「仕方ないと言えば、それで話は終わりなんだが……」
男「…………」
男「……なぁ、親友」
男「お前に語りかけるのは、久しぶりだな」
男「とっくの昔にお前は死んじまってるっていうのに」
男「形見のカメラに向かって、こうやって語りかけている」
男「未練がましいというより……」
男「正直、端から見ると異常だな」
男「……でも、少しだけ」
男「自分でも分からなくなったんだ……」
男「俺の前回の選択は、明らかに間違いだったのかもしれない」
男「仕方ないと言えば、それで話は終わりなんだが……」
男「あいつに……無駄な心配をさせてしまっている自分が嫌になるんだ」
男「妹がどんなに苦しくても、辛くても、悲しくても」
男「俺は、あの子の代わりをしてやることが出来ない……」
男「想像は出来ても、実際、どんなことを考えているのかは分からない……」
男「昔の、無駄に悩む癖に、決断はできなかった自分はとうに捨てたよ」
男「これが正しいと、例え、誤りでも前に進もうって」
男「この5年間、そう常に言い聞かせてきた」
男「けれど……」
男「妹がどんなに苦しくても、辛くても、悲しくても」
男「俺は、あの子の代わりをしてやることが出来ない……」
男「想像は出来ても、実際、どんなことを考えているのかは分からない……」
男「昔の、無駄に悩む癖に、決断はできなかった自分はとうに捨てたよ」
男「これが正しいと、例え、誤りでも前に進もうって」
男「この5年間、そう常に言い聞かせてきた」
男「けれど……」
男「今回はやってしまったのかもしれない」
男「……俺だけが苦しむだけなら、幾らでも構わないんだ」
男「けど、アイツが……」
男「…………」
男「……やめた」
男「こんなことやっていても、どうにもならない」
男「親友は……もう、死んだんだ」
男「この世界に、心を委ねられる友は……」
男「一人もいない」
男「……俺だけが苦しむだけなら、幾らでも構わないんだ」
男「けど、アイツが……」
男「…………」
男「……やめた」
男「こんなことやっていても、どうにもならない」
男「親友は……もう、死んだんだ」
男「この世界に、心を委ねられる友は……」
男「一人もいない」
【>>674の置き換え部分】
男「……ありがとうございます」
男性「……ん、話を変えよう」
男性「それで、君は何を買った?」
男「え?」
男性「ほら、分かるだろ?」
男「あー、はい」
男性「高価なものか? 今なら十分な給与もあるしな」
男「はは、全てお見通しですね」
男性「会社の社長は私なんだぞ?」
男性「部下がどれだけ稼いでいるかは、大体、把握しているよ」
男性「特に君の場合は浪費癖もないし」
男性「口座の残高は見るときは笑いが止まらないだろう」
男「そんなことはないですよ」
男性「またまた……で、何を買った?」
男「……ありがとうございます」
男性「……ん、話を変えよう」
男性「それで、君は何を買った?」
男「え?」
男性「ほら、分かるだろ?」
男「あー、はい」
男性「高価なものか? 今なら十分な給与もあるしな」
男「はは、全てお見通しですね」
男性「会社の社長は私なんだぞ?」
男性「部下がどれだけ稼いでいるかは、大体、把握しているよ」
男性「特に君の場合は浪費癖もないし」
男性「口座の残高は見るときは笑いが止まらないだろう」
男「そんなことはないですよ」
男性「またまた……で、何を買った?」
>>498でどうなったのか
──部長室
男「……ふー」
コンコン……。
女「入ってもよろしいですか?」
男「ああ」
……ガチャ。
女「お茶を持ってきました」
男「気が利くね。ありがとう」
女「実はお茶とコーヒーで迷ったんです」
女「もしかして、後者の方が良かったですか?」
男「あー……うん、今度はそうして貰った方が嬉しいかな」
女「分かりました。お砂糖はいくつで?」
男「いらない。ブラックでいい」
女「了解です」
男「……ふー」
コンコン……。
女「入ってもよろしいですか?」
男「ああ」
……ガチャ。
女「お茶を持ってきました」
男「気が利くね。ありがとう」
女「実はお茶とコーヒーで迷ったんです」
女「もしかして、後者の方が良かったですか?」
男「あー……うん、今度はそうして貰った方が嬉しいかな」
女「分かりました。お砂糖はいくつで?」
男「いらない。ブラックでいい」
女「了解です」
男「……どうだ? 仕事には慣れたか?」
女「おかげさまで、一通りのことは何とか」
女「同僚の方もみなさん良い人たちばかりで、感謝してます」
男「そうか、それは良かった」
女「お仕事、大変そうですね」
男「ん……まあな」
女「今日、お昼休み取ってませんよね? 部屋から出てきませんでしたし」
男「ちょっと仕事の進行が遅れててな」
男「今後に支障をきたすから、早めにこなしておかないと」
女「そうですか? 部長は仕事が早いと、もっぱら噂ですよ?」
男「はは、これまた誰が持ち上げてくれたんだ?」
女「みんなです」
女「上が出来ると俺たち部下は大変だって」
男「そんなことも言ってるのか」
女「おかげさまで、一通りのことは何とか」
女「同僚の方もみなさん良い人たちばかりで、感謝してます」
男「そうか、それは良かった」
女「お仕事、大変そうですね」
男「ん……まあな」
女「今日、お昼休み取ってませんよね? 部屋から出てきませんでしたし」
男「ちょっと仕事の進行が遅れててな」
男「今後に支障をきたすから、早めにこなしておかないと」
女「そうですか? 部長は仕事が早いと、もっぱら噂ですよ?」
男「はは、これまた誰が持ち上げてくれたんだ?」
女「みんなです」
女「上が出来ると俺たち部下は大変だって」
男「そんなことも言ってるのか」
女「ここだけの内緒の話ですよ」
女「だから、聞かなかったことにして下さいね?」
男「ふむ……内緒の話なら仕方ない」
女「ふふっ」
男「……そうだ、少し時間をもらってもいいか」
女「何でしょうか? 仕事の話?」
男「いや、ものすごく私事の話」
女「私事……」
男「少し女性の意見が聞きたくてな」
男「もしもだぞ、本当に仮の話なんだが……」
女「はい」
男「理由は分からないが、落ち込んでいる女性がいる」
女「……へ?」
女「だから、聞かなかったことにして下さいね?」
男「ふむ……内緒の話なら仕方ない」
女「ふふっ」
男「……そうだ、少し時間をもらってもいいか」
女「何でしょうか? 仕事の話?」
男「いや、ものすごく私事の話」
女「私事……」
男「少し女性の意見が聞きたくてな」
男「もしもだぞ、本当に仮の話なんだが……」
女「はい」
男「理由は分からないが、落ち込んでいる女性がいる」
女「……へ?」
男「そんな女性を励ます時、一番、効果的なのはどんな手段だ?」
女「何かと思えば……ふふ、そうですねぇ……」
男「あくまでも、仮の話だからなっ」
女「その女性は部長とどんな関係なんですか?」
男「……まぁ、近しい関係であることは確かだ」
女「なら、何でもいいと思います」
男「おいおい、適当に流さないでくれ」
女「いや、本気で言ってますよ」
女「部長自身が励ましてやりたいって、元気にしてあげたいって」
女「そう思ってした行動なら、きっと」
女「彼女さんは、分かってくれるはずですから」
男「……そうなのか?」
女「女っていうのは、意外と単純なんですよ?」
女「男性の方の多くは、余り分かっていないようですけど」
男「…………」
女「何かと思えば……ふふ、そうですねぇ……」
男「あくまでも、仮の話だからなっ」
女「その女性は部長とどんな関係なんですか?」
男「……まぁ、近しい関係であることは確かだ」
女「なら、何でもいいと思います」
男「おいおい、適当に流さないでくれ」
女「いや、本気で言ってますよ」
女「部長自身が励ましてやりたいって、元気にしてあげたいって」
女「そう思ってした行動なら、きっと」
女「彼女さんは、分かってくれるはずですから」
男「……そうなのか?」
女「女っていうのは、意外と単純なんですよ?」
女「男性の方の多くは、余り分かっていないようですけど」
男「…………」
女「人と人の付き合いだからこそ、想いが大事なんです」
女「それは、異性同性問わず一緒のことだと思いますよ」
男「……そうか」
女「少しでも参考になりましたか?」
男「ああ、胸の中の靄が消えたようだ」
女「それは良かったです。じゃあ、これで」
男「ん、ありがとう」
女「はい。では失礼します」
男「……あ、そうだ」
女「何ですか?」
男「『彼女さん』じゃないからな」
女「……ふふっ」
女「それは、異性同性問わず一緒のことだと思いますよ」
男「……そうか」
女「少しでも参考になりましたか?」
男「ああ、胸の中の靄が消えたようだ」
女「それは良かったです。じゃあ、これで」
男「ん、ありがとう」
女「はい。では失礼します」
男「……あ、そうだ」
女「何ですか?」
男「『彼女さん』じゃないからな」
女「……ふふっ」
──妹の部屋前
男「…………」
男「……よし」
コンコン……。
妹「はーい」
男「俺だけど、入ってもいいか?」
妹「お、お兄ちゃん? 何の用ですか?」
男「ちょっと二人で話をしたいなって思ってな」
妹「え、ええと……」
男「それとも今日はやめた方がいいか?」
男「…………」
男「……よし」
コンコン……。
妹「はーい」
男「俺だけど、入ってもいいか?」
妹「お、お兄ちゃん? 何の用ですか?」
男「ちょっと二人で話をしたいなって思ってな」
妹「え、ええと……」
男「それとも今日はやめた方がいいか?」
妹「い、いやっ! そんなことないですっ!」
妹「でも、ちょっとだけ待ってて下さいねっ!」
男「それはいいけど……」
妹「すぐに終わりますからっ!」
ガサゴソッ!ガタンッ!バタンッ!
男「…………」
……………。
妹「でも、ちょっとだけ待ってて下さいねっ!」
男「それはいいけど……」
妹「すぐに終わりますからっ!」
ガサゴソッ!ガタンッ!バタンッ!
男「…………」
……………。
ガチャ……。
妹「はぁ……はぁ……」
妹「もう入ってもいいですよ……」
男「う、うん」
妹「どうかしました……?」
男「凄くげっそりしてるけど、大丈夫か?」
妹「……色々、片付けたいものもありましたし」
妹「この際、良い機会でした」
男「そ、そうか……」
妹「はい。そこのベット座っていいですよ」
男「ありがとう」
妹「……で、話って何ですか?」
男「いや、特に決まった話題があるわけじゃないんだが」
男「少しお前と雑談でもしたいなぁって思ってさ」
妹「はぁ……はぁ……」
妹「もう入ってもいいですよ……」
男「う、うん」
妹「どうかしました……?」
男「凄くげっそりしてるけど、大丈夫か?」
妹「……色々、片付けたいものもありましたし」
妹「この際、良い機会でした」
男「そ、そうか……」
妹「はい。そこのベット座っていいですよ」
男「ありがとう」
妹「……で、話って何ですか?」
男「いや、特に決まった話題があるわけじゃないんだが」
男「少しお前と雑談でもしたいなぁって思ってさ」
妹「でも、夕飯の時もしましたよね?」
男「二人だけじゃなかっただろ?」
妹「あ……はい」
男「どうだ、身体の調子は?」
妹「いたって健康です。お兄ちゃんも仕事の方はどうですか?」
男「順調……って、わけにはいかないなぁ」
妹「もしかしていじめられてたり……?」
男「はは、そんな学生時代じゃあるまいし」
男「ただここ最近は、仕事の量がいつになく多くてな」
妹「……大変そうですね」
男「楽しくはあるよ。充実してるっていう実感もある」
妹「流石、お兄ちゃんです」
男「二人だけじゃなかっただろ?」
妹「あ……はい」
男「どうだ、身体の調子は?」
妹「いたって健康です。お兄ちゃんも仕事の方はどうですか?」
男「順調……って、わけにはいかないなぁ」
妹「もしかしていじめられてたり……?」
男「はは、そんな学生時代じゃあるまいし」
男「ただここ最近は、仕事の量がいつになく多くてな」
妹「……大変そうですね」
男「楽しくはあるよ。充実してるっていう実感もある」
妹「流石、お兄ちゃんです」
妹「あっ、そうだ」
男「ん、どうした?」
妹「お兄ちゃんに、わたしからも話がありました」
男「というと?」
妹「実は今日、久しぶりに服でも買いたいなって思って」
妹「日中、買い物をしに外に出てたんですけど」
男「ほう、いいじゃないか」
妹「それで、気に入った服が一つ見つかって」
妹「お店の方に『試着をなさいますか?』って聞かれたんです」
男「ああ」
妹「……その、この前の誕生日にお兄ちゃんから指輪貰いましたよね」
妹「だから、わたし、最近、いつも指輪をはめているんですけど」
妹「その時に、店員さんがわたしの指輪を見つけて……」
妹「『とても綺麗な指輪ですね。お似合いですよ』って」
男「ん、どうした?」
妹「お兄ちゃんに、わたしからも話がありました」
男「というと?」
妹「実は今日、久しぶりに服でも買いたいなって思って」
妹「日中、買い物をしに外に出てたんですけど」
男「ほう、いいじゃないか」
妹「それで、気に入った服が一つ見つかって」
妹「お店の方に『試着をなさいますか?』って聞かれたんです」
男「ああ」
妹「……その、この前の誕生日にお兄ちゃんから指輪貰いましたよね」
妹「だから、わたし、最近、いつも指輪をはめているんですけど」
妹「その時に、店員さんがわたしの指輪を見つけて……」
妹「『とても綺麗な指輪ですね。お似合いですよ』って」
男「……うん」
妹「とっても、嬉しかったです」
妹「なんかここ最近、一番、幸せだった気がします」
男「そんなに喜んでもらえるとは、贈った俺も嬉しいよ」
妹「……お兄ちゃんは」
男「ん?」
妹「多分、わたしを励ましにきてくれたんですよね?」
男「……え?」
妹「大丈夫ですよ。わたしは、落ち込んだりしてませんから」
妹「今も毎日が、幸せですから」
男「お前……」
妹「『些細な変化が積み重なって』」
妹「『いつの日か、きっと前に進める日が来るはず』」
妹「とっても、嬉しかったです」
妹「なんかここ最近、一番、幸せだった気がします」
男「そんなに喜んでもらえるとは、贈った俺も嬉しいよ」
妹「……お兄ちゃんは」
男「ん?」
妹「多分、わたしを励ましにきてくれたんですよね?」
男「……え?」
妹「大丈夫ですよ。わたしは、落ち込んだりしてませんから」
妹「今も毎日が、幸せですから」
男「お前……」
妹「『些細な変化が積み重なって』」
妹「『いつの日か、きっと前に進める日が来るはず』」
妹「お兄ちゃんの言った通りです」
男「……そうなのか?」
妹「…………」
男「本当に、全く心配がないって言い切れるんだな?」
妹「……それは」
男「お前を見てるとさ、いつも頑張りすぎているような気がするんだ」
男「弱音を吐かずに、他人を心配させまいと必死になって」
男「端からは、何の問題もなく過ごしているようだけど」
男「でも……そんなわけ、ないじゃないか」
妹「……っ」
男「他の家族に言えない事でも」
男「俺は、お前の全てを受け入れてやりたい」
男「…………」
男「……そうだな」
妹「お兄ちゃん……?」
男「……そうなのか?」
妹「…………」
男「本当に、全く心配がないって言い切れるんだな?」
妹「……それは」
男「お前を見てるとさ、いつも頑張りすぎているような気がするんだ」
男「弱音を吐かずに、他人を心配させまいと必死になって」
男「端からは、何の問題もなく過ごしているようだけど」
男「でも……そんなわけ、ないじゃないか」
妹「……っ」
男「他の家族に言えない事でも」
男「俺は、お前の全てを受け入れてやりたい」
男「…………」
男「……そうだな」
妹「お兄ちゃん……?」
男「『どんなに辛くても、苦しくても……』」
男「『悲しい時は、一緒に悲しんでやる』」
男「『泣きたい時は、一緒に泣いてやる』」
男「だから」
妹「……うん」
男「俺の前では隠さなくてもいいんだ。我慢しなくていいんだ」
男「……言うだけでも、少しは楽になるぞ?」
妹「……う……」
妹「…………」
妹「……あ、あのね……」
男「ああ」
妹「……本当は……怖い……」
男「『悲しい時は、一緒に悲しんでやる』」
男「『泣きたい時は、一緒に泣いてやる』」
男「だから」
妹「……うん」
男「俺の前では隠さなくてもいいんだ。我慢しなくていいんだ」
男「……言うだけでも、少しは楽になるぞ?」
妹「……う……」
妹「…………」
妹「……あ、あのね……」
男「ああ」
妹「……本当は……怖い……」
妹「怖くて、怖くて……」
妹「時には、気が狂っちゃうぐらい、恐ろしい」
男「……やはり……か」
妹「その中でも、寝る時が一番怖いかな?」
妹「朝起きて、もしもまた記憶を失ってたら……」
妹「そう考えたら、夜も眠れない……」
男「…………」
妹「ねぇ、お兄ちゃん……」
男「……ん?」
妹「もしも、明日」
妹「或いは、これから先」
妹「……記憶を失ったら、今のわたしはどうなるんですか?」
男「…………」
妹「死んじゃうの? 消えちゃうの?」
妹「時には、気が狂っちゃうぐらい、恐ろしい」
男「……やはり……か」
妹「その中でも、寝る時が一番怖いかな?」
妹「朝起きて、もしもまた記憶を失ってたら……」
妹「そう考えたら、夜も眠れない……」
男「…………」
妹「ねぇ、お兄ちゃん……」
男「……ん?」
妹「もしも、明日」
妹「或いは、これから先」
妹「……記憶を失ったら、今のわたしはどうなるんですか?」
男「…………」
妹「死んじゃうの? 消えちゃうの?」
男「……それは」
妹「怖いよ……本当に怖い……」
妹「今の自分がなくなっちゃうって……嫌だよ……」
妹「せっかく、指輪も貰ったのに……」
妹「こんなに毎日が楽しくて幸せなのに……」
妹「そうやって抱いた記憶も、感情も……」
妹「想いも……」
妹「全部、なくなっちゃうの……?」
男「……っ」
ぎゅっ……。
妹「お兄ちゃん……」
妹「明日が怖いよぉ……」
妹「怖いよ……本当に怖い……」
妹「今の自分がなくなっちゃうって……嫌だよ……」
妹「せっかく、指輪も貰ったのに……」
妹「こんなに毎日が楽しくて幸せなのに……」
妹「そうやって抱いた記憶も、感情も……」
妹「想いも……」
妹「全部、なくなっちゃうの……?」
男「……っ」
ぎゅっ……。
妹「お兄ちゃん……」
妹「明日が怖いよぉ……」
妹「……失うのが怖いの……」
男「分かってるっ」
男「俺が側にいるからっ、守るからっ」
男「だから、だからっ!」
妹「……うん」
妹「……ありがとう、お兄ちゃん」
妹「…………」
妹「でも……」
妹「何となく、分かってる」
妹「……今回は、長く持った方だよね……」
男「……え……」
妹「わたしは……」
妹「もう……」
男「分かってるっ」
男「俺が側にいるからっ、守るからっ」
男「だから、だからっ!」
妹「……うん」
妹「……ありがとう、お兄ちゃん」
妹「…………」
妹「でも……」
妹「何となく、分かってる」
妹「……今回は、長く持った方だよね……」
男「……え……」
妹「わたしは……」
妹「もう……」
男「……あ」
男「ああ……」
妹「…………」
男「……妹……?」
妹「……え?」
ぎゅっ!
妹「あの……」
男「いいんだ……」
男「……何も言わなくていいんだ……」
妹「……えっと……」
男「ああ……」
妹「…………」
男「……妹……?」
妹「……え?」
ぎゅっ!
妹「あの……」
男「いいんだ……」
男「……何も言わなくていいんだ……」
妹「……えっと……」
男「…………」
妹「すみません……」
妹「こんなこと、失礼かもしれませんが……」
妹「──あなた、誰ですか……?」
妹「すみません……」
妹「こんなこと、失礼かもしれませんが……」
妹「──あなた、誰ですか……?」
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