元スレ妹「兄さんって呼ばせて下さい」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
451 :
先が気になって寝れない...
452 = 439 :
神スレすぎて眠れない……頼むから死守ってくれよ!
453 = 412 :
──路上
ザーザーザーッ……。
男「……雨、か……」
男「日中はあんなに晴れてたのになぁ……」
男「……ここから、何時間かかるんだっけ……」
男「ええと……」
男「まあいいや……」
男「とりあえず、車に乗らないと……」
男「…………」
男「『時間がかかってもいいから、落ち着いたら戻ってきて欲しい』か……」
男「は、はは……」
男「こんな自分を、まだ必要としてくれてるんだな……」
男「…………」
男「母さんに会いに……行こう」
男「…………」
454 = 412 :
──『お兄ちゃんっ……』
男「……え?」
男「嘘だろ……だって……」
455 = 412 :
妹「!!」
男「……あっ……」
男「あいつの部屋は……そうか、道路沿いか……」
男「……やっぱり、一言ぐらいかけたほうが……」
男「…………」
男「……おーい、聞こえるかっ!」
ザーザーザーッ……。
ザーザーザーッ……。
妹「?」
男「……だめ、か……」
男「そうだよな……」
男「雨降ってるもんな……これじゃあ、向こうに届かない……」
妹「…………」
男「…………」
456 = 412 :
男「……なぁ」
男「本当のことを言うとな」
男「実は、俺……」
男「……お前の兄じゃないんだよ……」
ザーザーザーッ……。
ザーザーザーッ……。
男「昔、別れも言わずに消えた……ただの知り合いなんだ」
男「お前にとってみれば、冷たくされた相手かもしれないな……」
男「この前に、約束したよな」
ザーザーザーッ……。
ザーザーザーッ……。
男「……そばにいるって」
男「助けてやるって」
男「でも……ごめん」
457 :
しえん
458 = 412 :
男「……もう、俺には出来そうもないんだ……」
男「今のおれじゃ……お前に勘づかれちまう……」
男「足引っ張っちゃうだけ……になるんだ……」
ザーザーザーッ……。
ザーザーザーッ……。
男「だから……」
男「また、別れを言わなかった俺を」
男「……恨まないでくれよ……」
男「…………」
男「じゃあな……」
男「──さよなら……」
ガチャ……。
……………。
………。
460 :
泣く
これは泣く
461 :
なんなの……なんなのこれ……
どうしてくれるのよ……
463 :
続きを…続きを頼む
464 = 433 :
うわああああああ
465 = 411 :
くそう、眠れん
466 = 412 :
男『…………』
男『……朝か……』
ガバッ……。
男『昨日は、母さんと父さん、喧嘩してたけど』
男『……でも、大丈夫だろ』
男『一日経てば、二人とも冷静になれると思うし』
男『……最後、父さん……自分のやったこと、後悔してるもんな』
男『うん……きっと大丈夫』
男『何事もなく、うまくいくはずだ』
男『……やっぱり、家族は仲良しが一番だ』
男『これを機に、父さん、変わってくれないかなぁ……』
トコトコトコ……。
男『でも、会社をクビか……』
467 = 412 :
男『……厳しいんだな、大人の世界は』
男『腹が立っても、殴れない、か……』
男『そんなこと言ったら、こないだ、親友を殴った俺は』
男『学校をやめなきゃいけなくなるな……』
トコトコトコ……。
男『うん……今日、謝ろう』
男『やっぱり、殴った俺が悪い』
男『それに……このままだと変な空気がずっと続きそうだからな』
男『大切な友達を、そんなことで失ったらもったいない』
男『……それに妹のことだって……』
トコトコトコ……。
男『でも……どうしような……』
男『もし仮に、あいつがあの子に言ったりしたら……』
468 = 412 :
男『……気持ち悪がらないかな? 今までみたいに遊んでくれるかな?』
男『あーわかんねぇっ、恋人いたことねぇからなー』
男『それに……あの三人の関係を壊していいのか……』
男『『兄さん』が『妹』を好きになったなんて……』
トコトコトコ……。
男『……ふぅー』
男『とりあえず、その件はひとまず置こう』
男『まずは、親友と……』
男『………ん?』
男『なんだろ、この臭い……』
トコトコトコ……。
男『リビングからかな? もしかして、誰か起きてる?』
469 = 412 :
ガチャ……。
男『…………』
男『……え』
父親『…………』
男『……首を……』
男『…………』
男『……うっ!』
……ぐええええぇぇっ!!
470 = 412 :
男『はぁ……はぁ……はぁ……』
男『いいか、落ち着け、落ち着くんだ……』
男『……今、この家に男は俺しかいない』
男『だから、俺がしっかりしないと……』
男『そうだっ、まずは母さんをここに入れちゃいけないっ』
男『こんな父さんの姿は……見せちゃいけない……っ』
男『ことがすむまでは……絶対に……』
男『…………』
男『……父さん』
男『今、降ろして上げるからね』
男『ちょっと待っててよ……今、椅子と鋏を』
ががっ……。
男『……よし』
471 = 412 :
父親『…………』
男『…………』
男『……うぅ……くっ……』
男『駄目だっ……泣くな……男は泣くなっ!』
男『全てが終わったら……一人で泣くんだっ』
男『……父さん』
男『約束する……』
男『俺……絶対に強い男になるから』
男『母さんを守るから』
男『俺が……必ず……』
472 = 412 :
男『……ん』
男『……今、降ろすね』
男『少し乱暴になるかもしれないけど、許して』
男『父さんの身体を支えられるだけの力はないんだ』
男『……だから、地面に落ちる時、少し痛いかもしれない』
父親『…………』
男『うん、じゃあ切るよ』
男『……よし』
男『せいのっ……』
……バタンッ!
473 :
このスレが日曜か月曜に立ってたら自殺してたかもな
474 :
寝る前にしえん
475 = 412 :
──病院 霊安室
看護婦「……お母様のご遺体はこちらに」
男「…………」
看護婦「……その」
男「……はい」
看護婦「お母様、癌の病にしては、とても安らかに亡くなられました」
男「…………」
看護婦「それに……」
看護婦「いつも、自慢の息子がいるのだと、誇らしげに言っておられまして」
看護婦「亡くなられる直前も、あなたの自慢話を聞かせて頂きました」
男「……そうですか」
看護婦「……はい」
476 = 412 :
男「すみません……」
男「少しの間だけ……母と二人だけにして頂けますか?」
看護婦「……もちろんです、失礼します」
男「……本当に申し訳ないです」
ガチャン……。
男「…………」
男「……やあ、母さん」
男「半年ぶりかな? それとも、それ以上、経ったっけ?」
男「ここ最近忙しくてさ、あんまり時間の感覚が分からないんだ」
男「……うん」
男「そうか、死んじゃったんだね」
男「せっかく、この業界で有名なお医者さんに手術を頼もうと思ったんだけど」
男「間に合わなかったみたいだ」
477 = 412 :
男「……結局、俺、何も出来なかった」
男「こんなことになるならさ……」
男「前の街になんか戻らずに、母さんの側にいれば良かった」
男「前の仕事だと給料は安かったけど、結構、時間は取れたからね」
男「もっと病院へ通って、母さんと話が出来たはずだ」
男「……ごめん……本当にごめん……」
男「電話も何度もしてくれたのに、それも出なくて……」
男「……本当に、俺は親不孝者だよ」
男「役立たずにも程があるよ……」
男「……父さんが死んだ前の夜、結局、俺は止められなかった」
男「いつもと様子が違ったのに……気づけなかったんだ」
男「……あの時から、何も変わってない」
478 = 412 :
男「身体は大きくなったけど、中身は成長できていないんだ」
男「いつもそうなんだよな……」
男「俺って不器用だからさ、どうあがいても器用にはいかない」
男「大事なところで、肝心な場面で」
男「……ミスをおかす」
男「ただただ、運命に翻弄され続けてる」
男「…………」
男「ごめん……母さん……」
男「……本当に……」
男「……父さんと約束したはずのに……」
男「守るって……言ったのに……」
男「……うぅ……くっ……」
男「……で、でもっ」
479 = 412 :
男「今は、涙をこらえるよ……」
男「母親の前で、大きなった息子が泣くなんて」
男「あまりにも、みっともなさすぎるからね……」
男「……だけどね、母さん」
男「……俺さ」
男「正直、これからどうしたらいいか、分からないんだ」
男「……もう、何もかも、失った気がするんだ……」
男「……俺は……」
男「一体……どうすればいいんだろう……?」
男「…………」
……………。
………。
480 = 457 :
胸が苦しい
481 :
だめだ
だめだよ
482 :
あせらずにじっくり進めて欲しい。
しっかり読ませていただきます。
483 :
追 い つ い た ぞ
あえて言わせて貰おう。支援すると
484 :
久々に最高傑作を生で見れるとは幸せだ
485 = 433 :
翌朝まで保守頼んだよ…
バタッ
486 = 412 :
親友『……大変なことになったな』
男『ああ……』
親友『明日、引っ越すんだろ?』
男『うん』
親友『……遠いな、自転車じゃ行けないぐらい、遠いよ』
男『……ああ』
親友『高校はどうするつもりだ?』
男『向こうで、働く予定』
親友『……そう、か』
男『それよりさ……』
親友『ん?』
男『悪いな、妹に黙っててもらって』
487 = 412 :
親友『ああ、気にすんな……こうなったら、仕方ない』
男『うん……』
親友『……でもさ』
親友『ほんと、こういう時って、何て言っていいのか、分かんないな』
親友『何言っても、下手な同情みたいだし』
親友『俺たちの間に、そんな感情があったら駄目だし』
男『……ありがとうな』
親友『……なあ、男』
男『ん?』
親友『「頑張れ」なんて有り触れた言葉は言わない。てか、言えない』
親友『でもな、これだけは分かってて欲しいんだ』
男『……何だ?』
488 = 412 :
親友『どこに行ったとしても、お前には、俺がついてるから』
親友『どんなに辛くても、苦しくても……』
親友『悲しい時は、一緒に悲しんでやる』
親友『泣きたい時は、一緒に泣いてやる』
親友『それで……時間が経ってな』
親友『大丈夫って、胸を張って言えるようになったらさ』
男『…………』
親友『そん時は……』
親友『一緒になって、笑ってやろうぜ』
……………。
………。
491 :
寝ようにも寝れないぜ続きが気になって
492 :
明日も仕事なんだが…つうか今日だが
今夜やらなくても間に合う仕事の資料作りしながら支援してるわ…
今夜俺は寝られるのか?
493 = 457 :
しえん
494 = 412 :
男「……ああ……」
男「……一緒になって……か……」
男「はは……」
男「……懐かしい、な……」
男「……でもよ……」
男「お前も……もう、死んじまったじゃないか……」
男「……何で……」
男「何で、俺の大事な人たちはみんな……」
男「……俺だけを残して、死んじまうんだ……」
男「……うぅ……」
男「くっ……うっ……うぁっ……」
男「……何でだっ」
男「どうして、こんなにうまくいかないっ……」
495 = 412 :
男「これ以上、俺に……」
男「俺に……どうしろって言うんだ……よ……」
──『先に、■きになったのは■■じゃないから』
男「……あ」
男「違う……」
男「まだだ……」
男「……まだ、俺には……」
男「……そうだよ」
496 = 412 :
男「……アイツがいるんだ……」
男「俺のことを必要としてくれる……あの子が……」
男「俺はっ!」
──……さんっ……さんっ
男「……ん?」
男「あっ……もしかして……」
男「……これは夢だったのか……?」
……………。
………。
497 = 412 :
──待合室
ゆさゆさっ!
看護婦「男さん、男さんっ!」
男「……えっ?」
……ピピピピピッ!
男「電話……?」
看護婦「さっきから、男さんの携帯が鳴ってますよ?」
男「ええと、う、うん……」
看護婦「大丈夫ですか? 目覚めてますか?」
男「あ、うん。もう、大丈夫」
ピピピピピッ……。
看護婦「なら、そろそろ電話出てあげたほうがいいですよ」
看護婦「この時間です。きっと緊急の用のはずですから」
男「ありがとう……出るよ」
看護婦「はい」
498 = 412 :
ピッ。
男「もしもし……」
父親『男君かっ……!?』
男「は、はい……一体どうしたんですか?」
父親『今、君は母親の元に行ってるんだよなっ?』
男「そうですが……その」
男「多分、今週中には戻れると思います」
父親『……そ、そうなのか?』
男「……はい」
男「恥ずかしいことですけど」
男「一度回りきって……やっと大事なことに気づけたみたいです」
父親『そ、そうか……それは良かった』
男「で……あの、どうかしたんですか?」
499 = 412 :
父親『いや、そのだな……実に言いにくいことなんだが』
男「はい?」
父親『……今の君に聞かせるのは、正直、心許ない……』
父親『だが、覚悟を決めてくれたのなら』
父親『今はもう、家族の一員である君に伝えるほかない』
男「……ええと」
父親『……実はだな』
父親『君がいなくなった後……妹が────────」
男「…………」
500 :
追いついた・・・
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