元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
152 = 135 :
そろそろ、寝ます。
明日は多分遅くまで用事があるので
夜のうちに一杯書きたかったですが、これくらいで。
また明日、残っていたら続きを書かせてください。
154 = 148 :
ほ
157 :
保守しときますね
158 = 148 :
ほっしゅ
159 :
ほ
161 :
落とさん
163 = 159 :
ほ
164 = 149 :
ほろろんちょ
165 :
んまげ
166 = 161 :
ほふ
167 :
ほ
169 :
するか
171 :
>>170
そのコピペ秋田
新しく改変汁
173 = 148 :
ほ
179 = 167 :
お
180 = 135 :
兄「ただいま」
返事はない。
妹はまだ帰ってきていないようだ。
母もとっくに家を出たらしい。
兄「ふぅ……」
玄関のドアを閉めると、肩の力が抜けた。
外にいると、無意識に心が張り詰めている気がする。
靴を脱ぐ。
バイト帰りにスーパーで買った食材を、丁寧に冷蔵庫に詰めていく。
家事は、兄妹で分担している。
俺は買い物と掃除担当。妹はもちろん料理、それから洗濯担当。
たまに逆になったり、一緒にやったり。
母は滅多に家事をしない。
ただ、家事に口を出すこともない。
181 = 159 :
しえん
183 = 135 :
チャリ、チャリリ。
高い金属の音が、アパートの玄関の方から聞こえる。
そしてガチャリと開錠の音が続く。
妹「……」
ゆっくりと、玄関の扉が閉まる。
……バタン。
妹「……は、ぁ」
兄「おかえり」
妹「あ、……兄さん」
声をかけると、妹の明るい声が返ってきた。
妹「ただいま。帰ってたんだ」
兄「うん。頼まれたやつ、買ってきておいたよ。小間切れ。」
妹「ほんと? ありがとう。100gいくらだった?」
兄「78円。ちょっと多いパックで買っちゃったかも」
妹「余ったら冷凍かな。……でも、本当は兄さんがいっぱい食べたいんでしょ?」
兄「ばれたか」
184 :
きてたか
ちぢれさんはエロしか書かないのかと思ってた
185 = 135 :
妹「……」
兄「……」
妹はいつも学校から帰ってくると、夕飯を作る2時間ほどの間机に向かう。
俺は、邪魔しないようにそれをぼんやり眺めている。
3年くらい前までは妹に教える事ができる教科もあった。
けれど、今は妹が勉強している内容は、中卒の俺には未知の領域だ。
教えてやりたくても、俺がバイトをしている間じゅう、学校で勉学に勤しんでいる妹にかなうはずもない。
『来年も奨学金とるから』
そうやって意気込む妹を見る度に、苦しくなる。
欲しいものを聞いたら、いつも参考書の名前が挙がる。
参考書以外のものをと聞いたら、単語帳、筆記用具、それから調理器具。
なにかプレゼントしてやりたくても、女子高生が欲しがるようなものは、てんでわからない。
兄「なぁ、服とか今度、買いに行かないか?」
妹「んー、……破けた?」
兄「いや……」
妹「……んー」
186 = 135 :
勉強中の妹に聞くべきじゃなかった。
まぁ、どのタイミングで言ったとしても、うまく断られたと思う。
それくらい妹はお金に対して謙虚なのだ。
妹「……ふぁ、そろそろ時間かな」
兄「今日は俺が夕飯作ろうか?」
妹「駄目」
兄「そうか……」
妹「ありがと兄さん。テスト前とかに、またお願い。……私に出来ることは、やりたいから」
兄「……」
机から離れて台所へ向かう妹を見送った。
布団に寝転がりながら、夕飯の準備を始める妹の後ろ姿を、じっと目で追う。
妹は後ろ髪を結い始めた。
真白いうなじがあらわになる。
少し、色っぽい。
そういえば、髪もずいぶんと切りに行かせていないように思う。
たぶん、前髪は自分で切っているのだろう。
……忘れてた。後でそれも言ってやろう。
187 :
ほかに妹にしてやれることはないか、考えた。
何か、あっただろうか。
何か……
普通は、やっぱり、子供は親にせがむんだろうな。
あれがほしい、これがほしい、って……。
ごめんな、妹……我慢、させて…………
視界がぼんやりしてきた。
心地よい誘いが、やってくる。
そうして、どこかでみた風景が、闇の中に投影された。
幸せな記憶。
かつての記憶。
無邪気に生きて、無邪気に甘えた。
理不尽がこの世に存在する事すら知らなかった。
願えば何もかも手に入ると信じていた。
『おにいちゃんは わたしの おうじさま――』
あぁ、そう。これは、たしか、眠り姫に、口付けをした、記憶。
188 = 187 :
頬に温もりを感じて、目が開いた。
妹が、いた。
兄「……」
妹「……」
俺を覗いていた妹を、覗き返す。
目が合う。
時間がゆっくりと流れる。
頬の温もりが動いた。
妹の手のひらだった。
子猫になった気分で、その妹の手に甘えた。
皮膚と皮膚が擦れあうと、ほのかに熱を発して、心地良い。
……もう一度、まどろみたい。
妹「疲れてるんだよ」
消えそうなくらい小さい声だった。
ただ、やさしい声だった。
兄「眠いだけだよ」
ありがとうの気持ちを込めて、できるだけ柔らかく答えた。
192 = 187 :
兄「ごめん、……ご飯」
妹「もう少し、このまま」
兄「……うん」
妹の手のひらは、俺の頬をゆっくりと撫で続ける。
妹「兄さんの寝顔、好きだよ」
兄「寝顔がイケメンでも困るな」
妹「そうじゃないよ。なんか、ね。穏やかなの」
兄「つまり、遠まわしにイケメンではないと」
妹「もう。……兄さんのバカ。せっかく褒めてるのに」
兄「だって、照れるだろ」
妹「そう、だけど……」
193 = 187 :
妹「……今、いいムードだった」
兄「兄と妹に、ムードもへったくれもあるのかな」
妹「兄さんが壊さなければね」
兄「そうかい」
妹「そうです。今度からは気をつけてくださいね」
言い終わると、妹がふふっ、と笑みをこぼした。
俺も釣られて、ははっ、と笑った。
兄「夢を見てたんだ」
妹「へぇ、どんな?」
兄「……昔のこと、だったと思う」
195 :
シエンタ
そろそろ寒いがいい感じ
196 = 187 :
兄「父さんも、母さんも、妹も」
兄「みんなが笑っていた頃の夢だった」
妹「楽しかった?」
兄「さぁ……、でも、たまにこうやって夢に見るんだ」
兄「だからか分からないけれど、あの頃の記憶は、なかなか忘れられない」
妹「父さんが生きている頃って、あまり覚えてないけど」
妹「私も焼きついてるあの頃の記憶、あるよ」
兄「キスをしたのも、あの頃だったな」
妹「そうだね」
頬を撫でていた妹の手が止まった。
兄「さ、……起きる」
妹「ご飯、よそうね」
妹は立ち上がり、俺は腰を起こした。
つかの間の愉しみだった。
……腹ごしらえをしたら、風呂に入って、また寝よう。
198 = 187 :
それから、ひと月ほどが過ぎた。
相変わらずバイトに勤しみ、妹を見守る毎日だ。
兄「いらっしゃいませー」
夜のコンビニ。
朝と違って客足のペースはまばらで、レジを打つのも急がず丁寧にできる。
今日は遅番に欠勤が出て、俺が朝から延長して入る事になった。
妹に帰りが遅くなると連絡したいが、携帯電話なんかもちろん持たせてないから出来ない。
まぁ、こういう事はたまにあるから、そんなに心配はしないだろう。
女「おはよーございまーす」
兄「おはよう」
夜なのに『おはよう』。
なぜか挨拶は夜だろうが昼だろうが『おはよう』なのが決まりになっている。
女「わ。もしかして朝からずっと居るんですか。うわー」
女「私ならぜったい死んでます」
兄「はは。でも、まぁ、もうすぐ帰れるし」
199 = 187 :
女「あ……欠勤、男さんなんですか」
兄「そうみたいだね」
女「絶対パチンコですよ。あー、スロットでしたっけ?」
女「やめるにやめれなくて、仮病でも使って休んでるんですよきっと」
兄「いやあ、どうだろう」
女「もう、……ほんっと、腹立ちますねー。一回問い詰めてやりたいぐらいです」
兄「……」
仮病だろうがなんだろうが、どうでもよかった。
男さんは男さんなりの生き方があるんだろう。
もし本当に仮病だったとしても、俺はむしろ、仮病を使う甲斐性がある男さんが少しうらやましい。
兄「女さんは、今日は遅番なんだね」
女「あぁ、えぇ。毎週この曜日は大学の授業が朝から昼すぎまでなんで」
女「朝晩に入ってる時は昼からなんですけどね」
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