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    元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」

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    タグ : - 次スレ→1297841274 + - ちぢれ + - + - 本編は648まで + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    152 = 135 :

    そろそろ、寝ます。
    明日は多分遅くまで用事があるので
    夜のうちに一杯書きたかったですが、これくらいで。

    また明日、残っていたら続きを書かせてください。

    154 = 148 :

    157 :

    保守しときますね

    158 = 148 :

    ほっしゅ

    159 :

    161 :

    落とさん

    163 = 159 :

    164 = 149 :

    ほろろんちょ

    165 :

    んまげ

    166 = 161 :

    ほふ

    167 :

    169 :

    するか

    171 :

    >>170
    そのコピペ秋田
    新しく改変汁

    173 = 148 :

    179 = 167 :

    180 = 135 :

    「ただいま」

     返事はない。
     妹はまだ帰ってきていないようだ。
     
     母もとっくに家を出たらしい。

    「ふぅ……」

     玄関のドアを閉めると、肩の力が抜けた。
     外にいると、無意識に心が張り詰めている気がする。


     靴を脱ぐ。
     バイト帰りにスーパーで買った食材を、丁寧に冷蔵庫に詰めていく。

     家事は、兄妹で分担している。
     俺は買い物と掃除担当。妹はもちろん料理、それから洗濯担当。
     たまに逆になったり、一緒にやったり。

     母は滅多に家事をしない。
     ただ、家事に口を出すこともない。

    181 = 159 :

    しえん

    183 = 135 :

     チャリ、チャリリ。
     高い金属の音が、アパートの玄関の方から聞こえる。
     そしてガチャリと開錠の音が続く。

    「……」

     ゆっくりと、玄関の扉が閉まる。
     ……バタン。
     
    「……は、ぁ」

    「おかえり」

    「あ、……兄さん」

     声をかけると、妹の明るい声が返ってきた。

    「ただいま。帰ってたんだ」

    「うん。頼まれたやつ、買ってきておいたよ。小間切れ。」

    「ほんと? ありがとう。100gいくらだった?」

    「78円。ちょっと多いパックで買っちゃったかも」

    「余ったら冷凍かな。……でも、本当は兄さんがいっぱい食べたいんでしょ?」

    「ばれたか」

    184 :

    きてたか

    ちぢれさんはエロしか書かないのかと思ってた

    185 = 135 :

    「……」

    「……」

     妹はいつも学校から帰ってくると、夕飯を作る2時間ほどの間机に向かう。
     俺は、邪魔しないようにそれをぼんやり眺めている。

     3年くらい前までは妹に教える事ができる教科もあった。
     けれど、今は妹が勉強している内容は、中卒の俺には未知の領域だ。
     教えてやりたくても、俺がバイトをしている間じゅう、学校で勉学に勤しんでいる妹にかなうはずもない。

     『来年も奨学金とるから』

     そうやって意気込む妹を見る度に、苦しくなる。
     欲しいものを聞いたら、いつも参考書の名前が挙がる。
     参考書以外のものをと聞いたら、単語帳、筆記用具、それから調理器具。

     なにかプレゼントしてやりたくても、女子高生が欲しがるようなものは、てんでわからない。

    「なぁ、服とか今度、買いに行かないか?」

    「んー、……破けた?」

    「いや……」

    「……んー」

    186 = 135 :

     勉強中の妹に聞くべきじゃなかった。
     まぁ、どのタイミングで言ったとしても、うまく断られたと思う。
     それくらい妹はお金に対して謙虚なのだ。

    「……ふぁ、そろそろ時間かな」

    「今日は俺が夕飯作ろうか?」

    「駄目」

    「そうか……」

    「ありがと兄さん。テスト前とかに、またお願い。……私に出来ることは、やりたいから」

    「……」

     机から離れて台所へ向かう妹を見送った。
     布団に寝転がりながら、夕飯の準備を始める妹の後ろ姿を、じっと目で追う。

     妹は後ろ髪を結い始めた。
     真白いうなじがあらわになる。
     少し、色っぽい。

     そういえば、髪もずいぶんと切りに行かせていないように思う。
     たぶん、前髪は自分で切っているのだろう。
     ……忘れてた。後でそれも言ってやろう。

    187 :

     ほかに妹にしてやれることはないか、考えた。
     何か、あっただろうか。
     何か……

     普通は、やっぱり、子供は親にせがむんだろうな。
     あれがほしい、これがほしい、って……。

     ごめんな、妹……我慢、させて…………

     
     視界がぼんやりしてきた。
     心地よい誘いが、やってくる。
     そうして、どこかでみた風景が、闇の中に投影された。

     幸せな記憶。
     かつての記憶。
     
     無邪気に生きて、無邪気に甘えた。
     理不尽がこの世に存在する事すら知らなかった。
     願えば何もかも手に入ると信じていた。

     『おにいちゃんは わたしの おうじさま――』

     あぁ、そう。これは、たしか、眠り姫に、口付けをした、記憶。

    188 = 187 :

     頬に温もりを感じて、目が開いた。
     妹が、いた。

    「……」

    「……」

     俺を覗いていた妹を、覗き返す。
     目が合う。
     時間がゆっくりと流れる。 

     頬の温もりが動いた。
     妹の手のひらだった。

     子猫になった気分で、その妹の手に甘えた。
     皮膚と皮膚が擦れあうと、ほのかに熱を発して、心地良い。
     ……もう一度、まどろみたい。

    「疲れてるんだよ」

     消えそうなくらい小さい声だった。
     ただ、やさしい声だった。

    「眠いだけだよ」

     ありがとうの気持ちを込めて、できるだけ柔らかく答えた。

    192 = 187 :

    「ごめん、……ご飯」

    「もう少し、このまま」

    「……うん」

     妹の手のひらは、俺の頬をゆっくりと撫で続ける。

    「兄さんの寝顔、好きだよ」

    「寝顔がイケメンでも困るな」

    「そうじゃないよ。なんか、ね。穏やかなの」

    「つまり、遠まわしにイケメンではないと」

    「もう。……兄さんのバカ。せっかく褒めてるのに」

    「だって、照れるだろ」

    「そう、だけど……」

    193 = 187 :

    「……今、いいムードだった」

    「兄と妹に、ムードもへったくれもあるのかな」

    「兄さんが壊さなければね」

    「そうかい」

    「そうです。今度からは気をつけてくださいね」

     言い終わると、妹がふふっ、と笑みをこぼした。
     俺も釣られて、ははっ、と笑った。

    「夢を見てたんだ」

    「へぇ、どんな?」

    「……昔のこと、だったと思う」

    195 :

    シエンタ
    そろそろ寒いがいい感じ

    196 = 187 :

    「父さんも、母さんも、妹も」
    「みんなが笑っていた頃の夢だった」

    「楽しかった?」

    「さぁ……、でも、たまにこうやって夢に見るんだ」
    「だからか分からないけれど、あの頃の記憶は、なかなか忘れられない」

    「父さんが生きている頃って、あまり覚えてないけど」
    「私も焼きついてるあの頃の記憶、あるよ」

    「キスをしたのも、あの頃だったな」

    「そうだね」

     頬を撫でていた妹の手が止まった。

    「さ、……起きる」

    「ご飯、よそうね」

     妹は立ち上がり、俺は腰を起こした。
     つかの間の愉しみだった。

     ……腹ごしらえをしたら、風呂に入って、また寝よう。

    198 = 187 :

     それから、ひと月ほどが過ぎた。
     相変わらずバイトに勤しみ、妹を見守る毎日だ。
     
    「いらっしゃいませー」

     夜のコンビニ。
     朝と違って客足のペースはまばらで、レジを打つのも急がず丁寧にできる。

     今日は遅番に欠勤が出て、俺が朝から延長して入る事になった。
     妹に帰りが遅くなると連絡したいが、携帯電話なんかもちろん持たせてないから出来ない。
     まぁ、こういう事はたまにあるから、そんなに心配はしないだろう。

    「おはよーございまーす」

    「おはよう」

     夜なのに『おはよう』。
     なぜか挨拶は夜だろうが昼だろうが『おはよう』なのが決まりになっている。

    「わ。もしかして朝からずっと居るんですか。うわー」
    「私ならぜったい死んでます」

    「はは。でも、まぁ、もうすぐ帰れるし」

    199 = 187 :

    「あ……欠勤、男さんなんですか」

    「そうみたいだね」

    「絶対パチンコですよ。あー、スロットでしたっけ?」
    「やめるにやめれなくて、仮病でも使って休んでるんですよきっと」

    「いやあ、どうだろう」

    「もう、……ほんっと、腹立ちますねー。一回問い詰めてやりたいぐらいです」

    「……」

     仮病だろうがなんだろうが、どうでもよかった。
     男さんは男さんなりの生き方があるんだろう。
     もし本当に仮病だったとしても、俺はむしろ、仮病を使う甲斐性がある男さんが少しうらやましい。

    「女さんは、今日は遅番なんだね」

    「あぁ、えぇ。毎週この曜日は大学の授業が朝から昼すぎまでなんで」
    「朝晩に入ってる時は昼からなんですけどね」


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