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    元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」

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    タグ : - 次スレ→1297841274 + - ちぢれ + - + - 本編は648まで + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    「もっと違う私に生まれたかった」

    「……」

    「もっと、こう」

    「もっと……」

    「もっ、と……」

    「…………」

    「うん」

    3 = 1 :

    「た」

    「たとえばね、たとえば、兄さんと私がもしも他人で」

    「他人、で……他人だったとして」

    「うん」

    4 = 1 :

    「そしたら」

    「……」

    「そしたら、きっと」

    「きっと……」

    「うん」

    5 = 1 :

    「きっとね」

    「たぶん、ね」

    「ね……」

    「…………」

    「……………兄さんが居なかったら生きていけるわけない」

    「よね」

    「……」

    「はは」

    6 = 1 :

    「そんなことな」

    「いいの」

    「ごめん。兄さん。ごめん」

    「だめな妹で、ごめん。ごめんなさい」

    「ごめんなさい」

    「……」

    7 = 1 :

    「本当に、もっと、違う何かに生まれればよかった」

    「虫だっていいよ。草だっていいの」

    「こんなに辛くて怖いなら」

    「何だって良かった」

    「……」

    8 = 1 :

    「兄さん」

    「うん」

    「私が生きていられるのは、兄さんのおかげだから」

    「……」

    「でも、兄さんには幸せになってほしいから」

    「……うん」

    9 :

    ちぢれ久しぶりに見たわ
    とりあえず支援

    11 = 1 :

    「ずっと、覚悟しているから」

    「いつか兄さんが」

    「私以外の誰かのものになることを」

    「……」

    「だから」

    「だから……」

    12 :

    兄 身長149m

    13 :

    ひさしぶりだな 支援

    14 = 1 :

    「だか、ら……」

    「……」

    「…………」

    「寝ようか」

    「……うん」

    「どうする?」

    「一緒に、寝たい」

    「うん」

    15 = 1 :

    「抱きついて、いい?」

    「いいよ」

    「胸に顔こすりつけても、いい?」

    「いいよ」

    「……ん」

    16 :

    また擬音だらけのエロ書くのか?

    17 :

    これは>>1の本心じゃないか

    18 = 1 :

    「私たちがよく一緒に寝てるのを知ったら、お母さんは、なんて言うのかな」

    「そうだね」

    「驚くかな。駄目って言うかな。……怒る、かな」

    「どうだろうね」

    「やましいこと、してないのにね」

    「そうだね」

    「……ね」

    「ね」

    19 = 1 :

    「……兄さんは、あったかいね」

    「そう?」

    「ねえ、笑ってみて」

    「……え」

    「笑ってほしい、……な」

    「え、っと」

    「に、…………にぃ」

    「ぷ」

    「……ふふっ、あ、はは……」

    「あ、ははは」

    20 = 1 :

    「兄さん、可愛いよ」

    「そ、そうか」

    「うん。……可愛い」

    「照れるな」

    「……でも、嫌だったら、嫌って言ってほしいな」

    「別に嫌じゃ」

    「……そうかな」

    「うん」

    「そうか、な」

    「妹のお願いだから」

    「……」

    21 = 1 :

    「あのね」

    「兄さんの、そういうところ、うれしいの」

    「……」

    「うれしくて、でも、だから、でも、………でも」

    「でも、ね」

    「ううん。やっぱり」

    「今は……甘えさせてほしいよ」

    「今だけだから」

    22 :

    小野妹子スレか?ここは。

    23 = 1 :

    「……ねぇ」

    「ん」

    「ずっと、ずっと昔に」

    「キスをしたよね」

    「そうだな」

    「……した、よね」

    「うん」

    「あの頃は、よかった、な」

    「あの頃の私は、10年後、……うぅん、1年後の事さえ想像しなかった」

    「ずっと刹那の中に生きてた」

    24 = 1 :

    「いつの間にか、打算的になって」

    「気づかないふりをするのが上手くなった」

    「今だって、そう」

    「私は」

    「わたし、は」

    「未来の、私は」


    「とても寂しがっている……!」

    25 = 1 :

    「お願い兄さん」

    「私を兄さんのものにして」

    「私の寂しさを永遠に埋めて!」

    「……」

    「私は、兄さんの為に生きたいよ、ぉ……」

    「……」

    26 = 1 :

    「お願い」

    「兄さん、お願い……」

    「大丈夫、大丈夫だから」

    「ずっといるから。傍に居るから」

    「……ほんと?」

    「いつも言ってるだろ?」

    「そうだけど」

    「言葉だけじゃ……足りない」

    「……妹」

    「父さんが、見てる」

    27 = 1 :

    「見てたって、いい」

    「悲しむよ」

    「娘の幸せを願ってるなら、きっと父さん喜ぶよ」

    「……妹」

    「もういい。……なら、言葉でいい。言葉でいいから」

    「……」

    「もう、今、この刹那でもいいから」

    「兄さんに慰めの言葉を言ってほしい」

    「……わかった」

    28 = 1 :

    「好きだよ」

    「愛してるよ」

    「……うそつき」

    「……」

    「……」

    「……」

    「……私も」

    「……」

    「おやすみなさい」

    「おやすみ」

    29 :

    グチャグチャ喋ってねえではよ寝ろボケ

    30 :

    >>29
    許さない

    31 = 1 :

    第1章

     
    「ねぇ、妹さんって、好きな人とかいる?」

    「え、………っえあ……?」


     休み時間。
     なんとなく、だった。

     本を読んでいる隣の子――妹さんの事が気になって話しかけた。
     確かに、突然だったと思う。妹さんとは普段あまり話さないし。
     ……でも。

    「へ? ……あ? っっう」

    「ぷっ」

    「ふぇふぇっっ」

    「あっ、はははっ! 妹さん、おっかしー!」

    32 = 1 :

    「え、っ……え……」

    「あ、ごめん。ごめん。本読むのじゃましちゃって」

    「……ぁ」

    「ぁ、ぁ……ぅ」

     今頃事態を把握したのだろうか。
     妹さんは顔を赤くして、読んでいた本に頭を埋めた。
     
     ……そのしぐさが、またまた私のツボを刺激する。

    「くっ……ぷっ……」

     先ほどの慌てっぷりといい、照れ隠しの仕方といい、妹さんがこんなに可愛い人だとは思わなかった。
     私の妹さん像は、もっと……

    「いない……です」

    「……へ?」

    「好きな人」
    「いない……です」

     ……もっと、壁のある人だった。

    34 = 1 :

     妹さんの事は、この高校に入学してすぐ知った。
     初めての定期試験で学年トップの成績を修めて、廊下の掲示板に妹さんの名前が張り出されていたのだ。
     ……それだけなら印象は薄いはずだった。

     彼女は、なんと1年間の定期テストすべてで1位を守り抜いた。
     当然、妹さんにまつわる噂は、嫌でも私の耳に入ってきた。

     曰く――― 「つまらない奨学生」


    「ぜんぜんつまらなくない」

    「……へ?」

    「ね、ね。私も居ないんだ。好きな人」

    「……はぁ」

    「何か話ししようよ。もうね、恋バナ飽きちゃって」
    「TVとか何みるの? 音楽は? 好きな映画とか」

    「……」

     私が矢継ぎばやに話しかけると、妹さんの眉が僅かに寄った。

    35 = 1 :

     いけない。
     いつもの相手にいつもの様に話しかけるふうにしてはだめだ。

     なにしろ、相手は学年1の秀才。
     そしてなにより「つまらない」。

    「……なんてね」
    「もうね、こういう話はいいの」

    「……」

    「疲れちゃう」
    「そう、思わない?」

    「……べつ、に」

     「別に」。
     同意とも否定ともとれる。……どちらかといえば否定よりかな?
     しかし、何よりも相手を不快にさせる言葉。

    「うん。そう。……どうでもいいよね」

    「え」

    「おもしろいよ」

    「……え」

    「妹さんって、おもしろい」

    36 = 1 :

    「……」

     またさらに眉が寄った。
     妹さんの整った顔の中央上部に皺が一筋走る。

    「ごめん。からかってる訳じゃないの」
    「興味があるの」
    「妹さんに」

    「……?」

    「この学校、鳥かごみたいでしょ?」
    「うぅん。私たちが住んでいる世界が、鳥かごみたいだって、思ったことない?」

    「……」

    「誰もが鳥かごの中で飼われてる。殆どの人が、かりそめの自由を謳って喜んでる」
    「私は時々、そんなふうに思う」

    「ねぇ」
    「妹さんはかごの中から出たい人?」

    「……」

    37 = 1 :

    「ねぇ」
    「かごから出ちゃった小鳥は」
    「どうなると思う?」

    「…………」

     じっ、と私の目を、妹さんは覗いた。
     どうしてそんな事を聞くのかとは、妹さんの目は少しも訴えていなかった。
     少しの時間の後、まるで先生の質問に答えるかの様にはっきりと妹さんは答えてくれた。

    「きっと」
    「死ぬ」

     私がいつもつるんでいる女子たちに、同じ質問をしてもこんな返し方をする人は絶対に居ない。
     きっと、怪訝な顔をされて「友ちょっとどうしたの? 変なものでも食べた?」とか言われるに違いない。

    「あはっ、ほんと……おもしろい」

     くだらなくって、ガキっぽい考えだってわかってる。
     それでも、私の幼い妄想に妹さんが付き合ってくれた事が、どうしようもなくうれしかった。
     

     ……学校に居る間、妹さんと一緒にいるようになったのは、それからだ。

    38 :

    ちぢれ懐かしいな

    39 = 1 :

    ちょっとご飯行ってきます。
    早く書けるよう努力します。

    40 :

    爆発は?

    41 :

    こんな理屈っぽい妹いらんわ

    42 :

    ちぢれ久しぶりに観た
    シエンタ

    43 = 13 :

    友目線は珍しいな

    44 = 1 :

    「う、……わ。今日もおいしそ」

    「別に」

    「照れない照れない」

     私たちは、お昼を一緒に食べるようになった。
     はじめは嫌がっていた妹だけれど、今ではすっかりこれが日常になった。

     そんな妹が持ってくるお弁当はいつも手作り。
     今日は美味しそうな唐揚げが入っている。
     冷えていても美味しいように、甘辛いたれがからめてある。

    「残り物、だし……」

     彼女が言うには、お弁当の中身はいつも前日の夕飯や朝食の残り物だという。
     しかも、その夕飯や朝食もすべて彼女が作っているそうだ。

    45 = 1 :

    「妹さんって、思ったよりもずっと家庭的」

    「別に」

    「また照れてる」

    「え……べ、別に」

     そっぽを向いて、ぱく、とご飯をひとすくい口に入れた。
     どうもこの娘は、褒められるのに弱いらしい。
     いつも物静かで、表情に乏しいけれど、よく観察しているとわかってきた。

     私の言動で、彼女のちょっとした動作に差異が出る。
     そんなささいなことが、なかなか楽しい。

    「いいなー、私、料理へただから」

    「……」

    「おしえて、ほしいな」

    46 = 1 :

    「嫌」

    「そんなこと言わずにさ」

    「……駄目」

    「それ、言い方変えただけジャン!」

     たまに、さりげなく、ボケてくれる。
     彼女のボケはつまらないし、わかりにくい。
     それでも私は、彼女が発信する細く弱い信号をなんとかキャッチして、それに応える。

    「……ん」

     ……あ。
     いま、ほんの少し、笑った。

    47 :

    かわいい

    48 = 1 :

     会話はキャッチボール。そういう言葉がある。
     キャッチボールは、相手がどんなに上手くたって、ボールを投げてくれなければキャッチボールにはならない。
     しかし、会話だけがコミュニケーションの道具ではない。
     ボールなんか投げなくても、意思を読み取る事はできるはずだ。

    「今度、妹さんち行っていいかな。それで、料理おしえてよ」

    「……」

    「……だめ?」

    「無理」

     珍しく、彼女は強い拒否をあらわにする。
     何か私に触れられたくない事があるのだろう。

     まぁ、それは後々ひもといて行く事にしよう。

    「そっかぁ。……じゃあ、うちにくる?」

    49 = 1 :

    「どう? お菓子でも一緒につくろ?」

    「……」

     正直のところ、あまり家に人をあげるのは趣味ではない。
     けれども妹さんは別だ。

     私は彼女のことがもっと知りたい。
     なら、彼女には私のことを曝け出さないとフェアじゃない。
     そのためには、大も小も、私の痛いところを全部見てもらわなくちゃだめだ。

     そうしてはじめて、彼女を安心させることができる。
     ……そう、思う。 

    「きっと、楽しいよ。妹さんはお菓子、何がすき?」

    「……いそが、しいから」

    「妹さんが忙しくない日でいいよ」

    「……」

    50 = 1 :

     ちょっと、意地悪かもしれない。
     でもこれくらいしないと、妹さんはきっときてくれない。

    「ごめん。……でも、どうしても、妹さんと遊びたくて」
    「ほら、学校以外で会わないでしょ? それって、なんか……」

    「必要ない」

    「……え」

    「会う必要、ない」

     冷たい一言。
     ……けれども、妹さんは二言目に僅かに澱んだ。

    「それって」
    「私の会いたい気持ちと、どっちが上かな?」

    「……」

    「いつでもいいから。ずっと、待ってるから」
    「考えておいてほしいな」


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