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    元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」

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    401 = 354 :

    「そっか……」

    「妹は俺がほかの人と仲良くした方がいいと思う?」

    「……」

     少し悩んだ。
     顔の見えない誰かと、兄さんが笑い会っている姿が頭の中に浮かんで消えた。

    「……やだ」

    「なら、このままでいいかな」

     独占欲が無いって言ったら嘘になる。
     でも、それだけじゃないの。
     兄さんと私は、ずっと支えあって生きてきた。

     私は兄さんが居なかったら生きられない。
     ……だから、兄さんも私無しで生きられないで居てほしい。

     こう思うのって、いけないことかな。
     悲しいことかな。
     でも、私を求めてくれる兄さんじゃないと、私は安心して息もできないくらい、苦しいの……。

     そんな兄さんに、私以外の理解者が現れるなんて……許せない。
     受け入れられない。

    402 = 400 :

    さんくす
    VIPたまにしか覗かなくなったから結構抜けてたわ
    まとめて読んでくる

    403 = 354 :

    「ごめんね、兄さん。わがままな妹で」

    「もっとわがままになって欲しいくらいだけどな」

     兄さんの声は優しい。
     「私以外の誰とも仲良くしないで」なんて言ってる私を許してくれるのは、兄さんだけだ。
     兄さんが居ればいい。
     兄さんしか、要らない。

    「……妹はいいんだからな」
    「俺に遠慮なんか、しなくていいんだからな」

    「うぅん。……友達とか、そういうのは、やっぱりいらない」

    「……決め付けちゃ、だめだよ」
    「俺は、俺に何かあったとき、妹の支えになってくれる人が……」

    「やめてよ……」
    「そんな悲しいこと、言わないでよぅ」

     想像すらしたくなかった。
     もし、兄さんが居ない世界が『用意された』としたら。
     私は迷わず、こんな世界を捨てるだろう。

    404 = 364 :

    しえんしえーん

    406 :

    しぇんしぇー

    408 = 354 :

     兄さんが寝息をたて始めたころ、、友さんの事を思い出した。

     友さんは、私と仲良くなりたいんだろうか。
     私なんかと友達になりたいんだろうか。

     だとしたら、私は友さんを拒絶しなきゃいけない。

     ……今日、友さんに抱いた想いは、すべて幻想だ。
     誰かに慕われて、悪い気になるはずがない。
     慣れてない事だから、ちょっと浮かれてしまっただけだ。
     そうなのだ。
     私には、兄さんしか居ないのだ。
     兄さん以外の人に慕われて、幸福を感じるべきではない。
     そうでなければ、兄さんに対して筋が通らない。申し訳が立たない。
     兄さんは兄さんの全てを賭して、私と生きてくれている。
     だから、私も私の全てを、兄さんにささげなければいけない。
     いけないんだ。

    「おやすみなさい、兄さん」

     兄さんの胸元に、そっと口付けをして、私は眠りについた。

    409 :

    よし

    411 = 354 :

    うだうだ何度もすいません
    もう全体の3分の2以上終わってるんですが
    いま他の用事を済ませているので、もう少し時間を下さい

    412 :

    完結までがんばれ

    413 = 394 :

    しえーん

    415 :

    ほー

    416 :

    ほるほーす

    417 :

    ホルスタインやっぱかわいいな

    419 :

    ほっしゅ

    420 = 417 :

    バレンタインデーだね

    422 = 417 :

    人いないな・・・

    424 :

    ホッシュ

    426 = 417 :

    長友出たね

    428 = 417 :

    保守しとく

    429 :

    一応IP変えて保守
    間隔早いかな

    430 = 429 :

    全く人いないな
    仕事休みだから保守

    433 :

    ほっしゅる

    437 :

    保守
    完結することを祈ってる

    442 :

     結局のところ、私は友さんを拒むことができなかった。

    「お昼たべよっ」

     いつもこの時、一瞬迷う。

     誘われるのは分かっていた。
     頭の中で断る練習を何回もした。
     それでも私は友さんに「嫌」の一文字が言えない。

    「……ん」

     創造してしまうのだ。
     友さんを私の中から消してしまった後の事を。

     そしたら必ず怖くなって、伝えなきゃいけない事も、伝えられなくなってしまう。
     いつかは友さんとの関係を絶たなければいけない。
     遅ければ遅いほど、きっと別れはつらくなる。

     それでも私は、一時の幸福を選んでしまう。

     ……ごめんなさい、兄さん。
     私は弱いです。

    「えへへ、やった。今日はどこで食べよっか?」

    443 = 442 :

    「妹さんに、私の得意料理教えてあげる」

    「あるんだ」

    「ホットケーキ。市販の粉で作ったやつ」

    「……景色、きれい」

    「ちょ、ちょっとスルーしないでよぉ」

     今日は学校の屋上でお昼を食べることにした。
     屋上まで出るのは結構めんどくさいので、ほかの生徒はあまり立ち寄らない。
     眺めがいいのでそれでも休み時間に来る生徒はちらほらいるけど、今いるのは私たちだけ。

     この学校は丘の一番高いあたりに建っている。
     屋上は、その学校の一番高い場所なので、あたり一帯視界を遮るものはほとんどなかった。

    「ちゃんと計らないと、案外、難しい」

    「ホ、ホットケーキの事?」

    「うん」

     私なりに、友さんの事を褒めたつもりだった。

    444 = 442 :

    「そ、そうなの。ちゃんと粉に合った分量の牛乳入れたりとかさ」
    「トッピングにこだわってみたりとか、焼き加減とか」
    「ホットケーキひとつとっても難しいの!」

    「そう、だね」

    「……だから」
    「私なんか、ホットケーキを作るのが精一杯なのに」
    「妹さんはお弁当においしそうな煮物が」

    「……食べたい?」

    「いいの?」

     察してあげると、友さんはすぐに目をキラキラさせた。
     なあんだ。欲しいなら普通に言ってくれればあげたのに。
     
    「はい」

     煮物の中からレンコンを一つお箸で挟んで、友さんの方に向けてあげる。

    「いただきますっ」

     レンコンが私の箸ごと友さんの口の中にパクリと収まった。
     ちょっと行儀は悪いけど、別に悪い気はしなかった。

    445 = 442 :

    「おいしぃ……っ」

    「……ども」

    「うちの家ってさ、お母さん料理するにはするんだけど、洋風なのばっかりで」
    「簡単にできる炒めものとか多いし。あとスパゲッティ」

    「うん……スパゲッティは簡単」

    「だから、妹さんみたいに家庭的な和食作れるのって、ちょっと憧れるんだよね……」

     なんてことんはない。
     要は、ご飯を作らざるを得ない環境にあったから、自然と覚えただけ。
     私はむしろ、自分で作るよりも作ってもらう方に憧れてしまう。

    「……」

     ついこの前、友さんの家に行った。
     人の家に入ったのはどれくらいぶりだったろう。
     
     家というと、私の住んでいるアパートが普通だったから、ちょっと驚いた。
     もしかしたら、友さんにとってはあの家が普通なのかもしれない。

    447 = 435 :

    支援

    ここまで見てると、途中で落ちたものがちらほらあるみたいで
    ちゃんと完結させてくれよな

    450 = 442 :

     友さんの家に行ったときから、友さんと一緒にいることへの後ろめたい気持ちが、急に薄くなったと思う。

     あの時、友さんは私に「友達になれたかな」と言った。
     それを聞いて私は、凄く残念な気持ちになった。
     私はずっと、友達なんて要らない人だったから。
     やはり友さんは友達なんだなと、思えた。
     だから友さんへの踏ん切りがついた気がした。気がしたのに。

     気付けば、私はこうして友さんとお弁当を食べている。
     以前よりもよく話して、よく笑いあって。
     そして明日は、今日よりも仲良くなるだろう。

     ……私は友さんに、いったい何を求めてるんだろう。

    「友さんの家から見た景色、思い出す」

     目の前に広がる、横浜の街。
     青い海。工場。道路。住宅。
     そんなごちゃごちゃした街並みから生える、幾つかの高層ビル。
     ……私の家は、ごちゃごちゃの中にある。

    「よかったら、また来てね。チョビも、さびしがってる」

    「うん」


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