元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」
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251 = 187 :
兄「ただい……うわっ」
妹「……にぃ、さ……ん」
玄関を開けてまず目の前に飛び込んできたのは、布団にくるまって小さく座っていた妹だった。
妹「ばか……! ばかっ! 心配した!!」
靴を脱ぐ間もなく、飛びついてきた妹がポカポカと俺の胸をたたく。
兄「すまん……」
妹「ずっと待ってた……待ってたんだから。長かったん、だからぁ……!」
兄「ごめん。ちょっと、いろいろあって」
妹「一人は、やだよぉ……」
兄「……」
妹の瞳から涙がポロポロ零れ落ち、嗚咽する。
そんな妹を、俺はそっと抱き寄せた。
252 = 187 :
兄「おみやげ、買ったんだけどさ。途中でだめにしちゃった」
妹「そんなの、いいから……」
妹「どんなおみやげなんかより、兄さんがいいの」
兄「……」
妹「兄さんと少しでも長くいられれば、それで、いいの……っ」
妹の髪を、そっと撫でた。
慰めというよりも、自分を求めてくれる妹が愛しくなった。
自然に手が動いていた。
妹「何にもいらないの……っ、何にも」
妹「でも、一人は……寂しいのは、嫌なの……!」
今日したことを、俺はあまり後悔していない。
選択するということは、何かを犠牲にすることなのだと、実感するだけだ。
もし妹の幸せだけを選ぶ事ができるのなら、生きることに迷いなんて少しもないのに。
253 = 187 :
妹「うっ……う、うっ……」
兄「ほんと、ごめんな。ごめん……ごめん」
兄「もうこんなこと、無いから。側にいるから」
妹「……一緒に、寝る」
兄「うん、寝ような」
妹「一人で、寝たくない」
兄「……うん。いいよ。これから毎日、一緒に寝よう」
妹「抱きついて寝ていい?」
兄「夏以外なら」
妹「……ばか」
兄「……うん」
254 = 187 :
それからすぐに、俺と妹は一緒の布団に入った。
今日は歯磨きも風呂に入るのも出来そうに無い。
妹「……あったかい」
妹「あった、かい」
俺の胸に頭を預けて、妹は何度もそう呟いた。
兄「寝にくくないか?」
妹「うぅん、落ち着く」
妹「兄さんの音を聞いてると、すごく、落ち着くの」
俺の音。
心臓の鼓動の事だろうか。
妹「でも」
妹「まだ、しばらく、眠れないかも」
257 = 187 :
妹「あのね、兄さん」
妹「思ったの」
兄「ん?」
妹「胸が、少し大きくなってきたの」
兄「え、……うん。」
妹「わかる、かな」
そう言って、妹は自分の胸を俺の体にこすり付けてくる。
腹部のあたりに、感じる。
気にしない振りをしていた、布一枚隔てた、やわらかみ。
寝ているので、ブラはしていない。
兄「あまり、そういう事、するなよ」
妹「うれしいくせに」
兄「そういう問題じゃなくて」
259 = 187 :
妹「ちえ」
妹「もう。……言いたいこと、わかるかな?」
兄「今度、買いに行こうか」
妹「……うん」
兄「今まで、Bだっけ」
妹「……デリカシーないんだ」
兄「やましい気持ちで聞いてるんじゃないぞ。ブラを買う上で必要な知識だろう」
妹「もう」
妹「なら、私も必要な知識を調べておく必要あるかな」
兄「え、何?」
妹「兄さんはどんな柄が、……好き?」
261 = 187 :
兄「お、おまっ」
妹「色でもいいよ。白とか、ピンクとか」
妹「透けてるのとか……あと、ヒモとか」
兄「後者はブラの話じゃなさそうだな」
妹「最近は、ブラもショーツもセットが普通なんだよ」
兄「そうだったのか」
知らなかった。
高校生も、みんなそうなのだろうか。
体育の時間、着替えている時に、これまで妹は恥をかいてきたのだろうか。
妹「だからね。兄さんが着けて欲しいもの、着たい」
妹「それなら、……兄さんに見てもらえるためなら」
妹「スーパーで売ってる下着、卒業してもいいかなって、思うの」
兄「俺が着けて欲しいったってな……」
妹「無いなら、別にいつものでも、いいかな」
兄「う、むぅ」
262 = 187 :
兄「あのさ……」
妹「うん」
兄「俺の為とか、そういうのさ」
兄「あんまり考えて、欲しくないかもしれない」
妹「……」
兄「あ、いや。もちろん嬉しいんだけど、さ……」
そう、嬉しい。
妹に想われて、妹に好かれて、妹に愛されて嬉しい。
妹のすべての行動は、俺ありきで成り立っている事実は、しごく甘美だ。
このまま酔いしれて、妹に溺れるのもきっと幸せな人生なのかもしれない。
……けれど。
兄「普通の家族に、なりたいんだ」
263 = 187 :
妹「……」
兄「だから、……だから」
兄「……うまく、言えないんだけど」
兄「妹は、もっとわがままでも、いいと……思う」
何度か同じ様な事は言ってきた。
十分わがままさせてもらってるよ、と返されてきた。
けれど、何度だって言うのだ。
俺の過去も将来も命も、妹の為にあるのだから。
妹が妹たりえる為なら、俺は何だってするのだから。
妹「兄さん」
妹「……話」
妹「もどす、ね」
兄「……?」
妹「思ったの」
265 = 187 :
妹「下着ひとつとっても、私は兄さんが居なければ、用意することが出来ないの」
兄「それは違う」
妹「聞いて」
兄「……」
妹「……私は、ずっと兄さんに甘えてきた」
妹「もう何万回って後悔したよ」
妹「高校なんて行かずに働けば良かった」
妹「勉強なんか鼻にかければよかった」
妹「ずっとずっと、悔やんでる」
妹「ずっとずっと、甘えちゃってる」
妹「こうなるって……後悔するって、分かってた」
妹「でも無理だったの」
妹「私が一人で生きていけるようになったら、きっと兄さん」
妹「私から離れていっちゃう……」
266 = 187 :
兄「そんな、こと……」
言い切れなかった。
もし、……もし、妹が自分の力で生活できるようになったとして。
今と同じぐらいの距離を保って居られるだろうか。
妹「兄さん……」
妹は、俺の手のひらを掴んで、自分の胸に押し付けた。
はっきりとした乳房の感触。
ぞくりと何かが掻き立てられる。
妹「わかりますか?」
妹「私の、気持ち」
兄「……」
妹「もっと、兄さんとの繋がりが欲しいの……」
268 = 187 :
妹「そうすれば、もっと安心して兄さんに甘えられると思う」
妹「兄さんが望む姿の私で居ることに自信が持てると思う」
兄「……愛してる」
妹「愛してるなら、抱いて、ください」
兄「嘘じゃない」
妹「たとえ嘘じゃなくても、言葉は残らないから」
妹「私の体に、残してほしいの」
妹「傷を」
兄「だめだ……、出来ない」
妹「兄さん」
妹「私を傷つけて……」
271 = 187 :
キスをした、あの頃。
唇と唇を重ね合わせて幸せを感じた、あの時。
『結婚できるのは4等親から』が産まれるもっともっと前に決められていた事を、知らなかった頃。
よく、物語を読んで聞かせた。
いつも絵本のお姫様にあこがれていた。
運命の王子様とお姫様を演じて、誓いのキスをした。
何度も。
けれど。
そんな「ごっこ」はすぐ卒業した。
「お姫様と王子様」から「兄と妹」になるのだと
どこにでもいる兄妹になるのだと
ぼんやり分かってきた、その頃。
父が命を絶った。
272 = 267 :
私怨
273 = 187 :
死の際に、父の声を聞いた。
学校で「グリーングリーン」という唄を習っていたから、父はなにか大切なことを言ってくれるのかと思っていた。
しかしそうではなかった。
父は何度も何度も、謝るだけだった。
弱弱しい声で、死んだ後も謝り続けるのかと思うくらい「すまない」を繰り返していた。
その時、なぜ謝るのか理解できなかった俺は、父に聞いた。
「ぼくはこれから どうすればいいですか」
謝る事を辞めた父は、2つの答えを言った。
言い終わると、もう一度だけ「すまない」と言って、静かになった。
それから数年が経ち
中学3年生になり、担任がこう言った。
「高校には行きなさい。将来を決めるには、まだ幼すぎる」
違うんだ、先生。
俺の将来を決めたのは、俺だけど、父さんなんだ。
275 = 187 :
兄「俺は妹を傷つけたりなんか出来ない」
兄「俺は妹を守るために生きているから」
妹の目をまっすぐ見据えて、俺は言った。
言葉が残らないなんて言わせない。
俺は父さんの言葉を頼りに、ずっと生きてきたのだから。
妹「……言うと、思った」
兄「父さん言ってた。兄は妹を守るものだって」
妹「意気地なし」
兄「……」
妹「父さんのせいにしたって駄目なんだから……」
妹「知ってるんだから。私に手を出す勇気が無いんだって……知ってるんだからっ」
ボロボロと涙を零しながら、ずっと堪えていたものを妹は吐き出した。
兄「……」
妹「ほら、否定できない……っ」
276 :
ちぢれとか久々に見た
しえ
277 = 187 :
妹を大切に想う気持ち。
妹を手に入れたい気持ち。
ずっと抱え続けてきた、二律背反の苦しみ。
大切に思えば思うほど、妹への想いは募ってきた。
そんな俺に否定できるはずもない。
妹「お願い……もう、限界なの……!」
妹「兄さんが今日、いろいろあったように、私にもいっぱいいっぱいあるんだよぅ」
妹「兄さんはずっとコンビニで働いて、私を養ってればいいと思ってるの?」
妹「違うんだよ……」
妹「私も、選ばなきゃいけない」
妹「何かを犠牲にして、前に進まなきゃいけない」
妹「……言ってること、分かる?」
妹「お願い」
妹「私に兄さんを選ばせて……」
兄「……」
281 = 187 :
妹「兄さん、お願い……兄さんっ」
俺を求めて、俺の名前をを呼んでくれる。
嬉しい。心地が、いい。
こんなに自分の事を想ってくれる人が居ることを、幸せに思う。
妹「もういいの……。私の為に、父さんの為に、苦しまないで」
妹「私が、父さんの呪いを解くから……」
父さんの、呪い。
そう、俺は父さんの言葉に忠実に……
兄は妹を守るものだと、忠実に……
常に俺を衝き動かしていたものは、父さんの言葉―――
―――いや
違う
妹「思い出して」
妹「兄さんは、兄さんである前に」
妹「王子様だったこと」
282 :
王子は竜と戦った。
王子は悪い魔女をこらしめた。
王子は姫を永遠の眠りから解き放った。
なんてことはない。
父の言葉はきっかけにすぎない。
俺を衝き動かしていたものは、父が死ぬよりもずっと前にあったじゃないか。
兄「王子は、姫を、守る」
妹「それから、姫と王子は、幸せになる」
兄「……もう、兄と妹には戻れないかもしれない」
妹「いいよ」
兄「幸せにしてやれないかもしれない」
妹「兄さんと一緒に居られる以上の幸せなんて、ないよ」
285 :
やっとですよはい
286 :
面白いよ
287 = 282 :
兄「なら、俺は王子として呪いを解かなきゃいけないな」
妹「お約束だね」
いっぱいの涙で濡れている妹に、笑顔がこぼれた。
兄「あぁ、お約束だ」
笑顔に引き寄せられるように、妹を近くに引き寄せた。
ぐっ、と顔が近づく。
吐息が熱く、くすぐったい。
妹「呪いを解く方法は?」
まるで秘密を言い合う様な、ささやきあい。
昔もこうやって、親に内緒の秘密を教えあった。
兄「もちろん―――
ずっとずっと隔てていた、保ってきた距離を、今、縮めた。
唇が、誓いを帯びて、妹の唇と触れ合った。
そして兄妹の呪いは解かれ、男女の契りへと変わる。
289 = 282 :
ずっと見ていた肢体。
狭い家だ。成熟してきた妹の裸を見たのは、一度や二度ではない。
感じぬ振りをしていた。嘘を自分についていた。
いつだって、この肢体を手に入れたくて仕方なかった。
兄「ごめん」
妹「なに……が……?」
兄「待たせて、ごめん」
ふくよかな双丘。ツンと勃ちあがった乳首。
折れそうな程細い腰。その中央の薄い茂みに隠れた、妹の秘密の部分。
すべて、いつも近くにあった。
兄「好きだ」
祈るようにつぶやいて、やがて妹と繋がった。
俺は生まれて初めて、妹を傷つけた。
292 = 282 :
「死ぬほど」という言葉が使いたくなるほど、妹の粘膜は気持ちが良かった。
狭くきつかったが、俺自身が締め付けられれば締め付けられるほど、求められているような気がした。
快楽に夢中になって、妹を壊してしまうのではないかと怖くもなった。
それでも妹は、俺の欲望の全てを肯定して、受け入れてくれた。
この行為が命を産み出す行為だと、もちろん知っていた。
妹が俺を求めて、俺も妹を求めて、お互いを受け入れ合っているのだ。
兄妹で無くなった今、引け目を感じる必要などまったく無かった。
俺はむしろ、もっと先の事を想像していた。
1年後の事すら想像できなかった、あの頃とは違う。
10年以上先の、未来を。
この行為の結果を。
妹「兄さんの温もりが、全部、ほしい……!」
最高だ。幸せだ。
やっと、叶えられる。
妹の願いを。
兄「妹―――」
ずっと、ずっと耐えてきたものを、妹の中に解き放つ。
生まれてからずっと、何か足りないと感じたものが埋まった充足感に、俺は打ち震えた。
294 = 282 :
兄「透けてるやつが、いいな」
妹「え?」
兄「下着」
兄「一緒に買いに行くんだろ?」
妹「あ……」
俺の腕を枕に寝ている妹の、にごった返事。
顔に「しまった」と書いてある。
兄「エッチな下着をはいてる妹、見たいな」
妹「も、もう……兄さん、調子に乗りすぎ」
そう言って、赤くなった顔を隠すように布団に隠れた。
兄「嫌?」
妹「べ、別に嫌じゃないけど……」
296 :
紫煙
299 = 282 :
兄「心配しなくても、普通の下着も買ってやるって」
妹「……ほんと?」
兄「ただし、条件がある」
妹「条件?」
兄「遠慮なく、妹の好きな柄を選ぶこと」
妹「……兄さん」
そうだ。
もう、我慢しなくていい。
もっと俺に甘えていい。わがままを言っていい。望みを持っていい。
いいんだ。
兄「ほしいものはほしいって、ちゃんと言っていいから」
妹「……うん」
小さい体を、愛しい気持ちを込めて抱きしめる。
妹を守り、共に生きていくのだと、そっと自分に約束をした。
第2章 おわり
300 = 285 :
知的でかわいくてお兄ちゃんっことか最高過ぎ
4円
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