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    元スレ妹「温もりがほしい笑いかけてほしい受け入れてほしい。寂しい。」

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    52 :

    早くエロを

    55 :

    まだかよ

    56 :

    おい

    58 :

    紫煙

    62 = 61 :

    もっかい保守

    63 :

    早くエロを

    65 :

    うぁ……変な寝方しちゃった……首痛いし寒いし寝すぎ
    保守ありがとうございます。
    もう少ししておちついたらまた書かせてください。
    濃厚なエロはないかもしれません。

    66 :

    おもしろくない

    67 = 65 :

    「お菓子作りじゃなくってもいい」
    「買い物だって、お茶しにだっていいの」

    「……」

    「妹さんのしたいことでいいから」
    「そうだ、妹さんは何か私としたいことない?」

    「別に」

     ……あ。

    「今日の放課後、どこか行こうよ。ね、決まり」

    「……」

     妹さんは答えてくれない。
     無言でお弁当を口にゆっくり運んでいく。

     短い付き合いで、キャッチボールもろくにできない私たちだけど。
     妹さんのこの反応は、NOじゃない。それくらいは分かる。

    「ふふっ」

     なんだか嬉しくなって、笑顔がもれた。

    69 = 65 :

    「ちょ、ちょとまって」

    「……」

     放課後。
     先生の号令と同時に席を立って教室を出て行こうとする妹さんの手をつかんだ。

    「海いこうよ、海」

     昼休みから今まで、妹さんと今日どこに行こうかずっと考えてた。
     迷いすぎて、最初にパッと浮かんだところに決めた。
     海だ。

    「ほら、歩いてすぐのところに公園あるでしょ。海沿いに」
    「あのあたりをさ、一緒に散歩しようよ」

    「……でも」

    「いいから、いいから。いこ?」

    「……」

     妹さんの反応は、相変わらず薄い。
     それでも私は、多少強引でも妹さんと関わりたい。

    70 :

    きも

    71 = 65 :

     私たちの学校は、横浜の丘の上にある。
     西洋かぶれの古い校舎で、一見敷居が高そうに見えるけれど、なんてことはない。
     ギャルもいればガリ勉もいる。偏差値だって普通だ。
     ちょっと校則が厳しくて、制服が……自分で言うのもなんだけど、可愛い水色セーラー服。

     そんな私たちの学校から坂を下って15分ほど歩くと海に出る。
     海といっても、泳げるような浜はない。
     豪華客船なんかが着く港だ。
     それから屋形舟なんかも浮いてたりする。

     ともかく、私は半ば無理やり妹さんの腕を引っ張って、海沿いの公園までやってきた。

    「いい天気だねー」

    「……」

    「あ、ねぇねぇ、かもめだよ。かわいい!」

    「……」

    「あはは……」

     だ、大丈夫。
     こんな事で折れる私じゃない。

    72 = 65 :

    「今日、あんまり元気ない?」

    「……」

    「ごめんね、こんなところに連れてきちゃって」

    「……て」

    「ん?」

    「手、……ちょっと、痛い」

    「あ」

     妹さんに言われて、私は繋いでいた手を離した。
     そんなに私は痛くなるほど引っ張った覚えはないのだけれど……

    「……ぅ」

     妹さんは繋いでいた手が自由になると、反対の手で撫でた。
     よく見ると、顔が少し赤い。

     うーん、恥ずかしかった……かな?

    「えへへ……。ほんとごめんね。怒った?」

    73 = 65 :

    「……別に」

    「そっか……うん、そっか」

     静かな波の音。
     かもめの高い鳴き声。
     今日はあまり観光客が居ない。

    「私ね、海って、好き。ここの海も、……泳げないし、汚いけど……嫌いじゃない」
    「妹さんは?」

    「……どうだろ」

    「家族で海とか、行かない?」

     私がそう言うと、妹さんは目を反らしてうつむいた。

    「……」

     ……分かりやすい反応。
     何かを心の内に隠しているのは分かる。
     けれど、それだけだ。私はその「何か」を、妹さんが話してくれるのを待つだけ。 

    74 = 65 :

    「今度、一緒に泳ぎに行こうよ」

     つとめて、明るく言った。

    「お昼にも行ったけどさ……、どこか、一緒に行こうよ。遊ぼうよ」

    「……どうして?」

    「どうして、って……妹さんと、仲良くなりたいから」

    「どうして?」

    「気になるから」

    「…………どうして?」

    「妹さんが、何を思ってるのか知りたいから」

    「迷惑」

    「ほんとに?」

    「……」

    75 :

    おせえ

    76 = 65 :

    「……じゃあ、ちょっとだけ、話すね」
    「私ね、秘密があるの」

    「秘密」

    「誰にも言えないの」
    「だけど」
    「いつか、私の秘密を話せる人が現れるって、信じてるの」

    「……」

    「もしかしたら、その人が……妹さんかもしれない」

    77 = 65 :

    「……なにそれ」

    「知りたくない? 私の秘密」

    「……」
    「別に」

    「ふふっ、……そう」

     私はもう一度、妹さんの手をつかんだ。
     今度は、できる限り優しく。

     そうして海沿いの広い公園を、ゆっくりと歩く。

    「海を眺めてるとね、いつも思うの」
    「海は、終点で、始まり」

    「……?」

    78 = 65 :

    「山から流れる川は、めいっぱいの水を受け止めて、海に流れる」
    「海にながれた水は、少しずつ空気になって、雨になる」
    「雨はまた川にながれて……海にたどり着く」

    「これって、すごく面白くて……悲しいよね?」

    「……うん」

    「うなづいてくれるんだ」

     ずっとずっとそれを繰り返して、ずっとずっと変わらない。
     仏教ではこういう事を輪廻とか言うのだろうか。

    「妹ちゃん」
    「私ね、……私は終点かもしれない」

    「……」

    79 = 65 :

    ちゃんとかさんとか呼び捨てとか安定してないですごめんなさい

    80 :

    構わん続けろ

    81 = 65 :

    「……なんてね」
    「今のって、なんか意味ありげでしょ?」

    「……」

     妹さんは、不思議なものを見るような目で、私を覗いてくる。
     少し悲しい目をしているのは、気のせいだろうか。

    「あ、あそこ……クレープ売ってるよ。ね、ね。買い食いしようよ」

    「……」

    「クレープ、嫌い?」

    「別に……」

    「じゃあ、決まり」

    82 = 65 :

     チョコバナナクレープを二人分。
     生クリームがたっぷり入ってるやつだ。
     クラスの女の子が、あそこのクレープは美味しい、と話題にしていたから、ちょっと気になっていた。

     妹さんはお金を持ってなかったので、私が出した。

    「……」

    「食べないの?」

    「……いい、の?」

    「奢った事、遠慮してるの? いいって。一緒に食べよ?」

    「……ん」

     何か意を決した様にうなづいた後、妹さんはゆっくりとクレープに向かって口を開いた。

     あむっ。
     そんな効果音が聞こえてきそうな、可愛い食べ方だった。

    「わ、……おいし」

    「わゎ、わぁ……」

    83 :

    じゃがいもさんにんじんさん

    85 = 65 :

    「~~~っ」

     ブルブルッ、と、体が震えた気がした。
     奢ってよかった。つれてきて良かった。
     食べる前から、私はご馳走様な気分だった。
     
     クレープは偉い。美味しいから、偉い。

    「よかった、口に合ったみたいで」

    「……ん、んぅ」

     はぐらかしたって、ちゃんと歓喜の声を聞いちゃったもんね。

    「私もたべよっ、と」

     ぱくり。
     クリームの柔らかい甘みと、チョコのほんのりした苦味、とろけるバナナ、そしてなにより香ばしいクレープ生地が……

    「う~~~っ、うま……じゃなくて、美味しいっ」

    「ぷっ……ふふっ」

    「あ、わ、笑った!」

    「だ、だって……おかしっ。 言い直さなくても……っ」

    86 = 65 :

    「だ、だって一応わたし乙女だしっ。乙女が『うまい』とか言っちゃ駄目でしょ」

    「いちおう……」

    「お、乙女に見えないですか……見えませんか……?」

     精一杯、乙女っぽいポーズをとってみた。
     口に手を当てて、妹ちゃんを下から覗き込む。もちろん目はウルウル。

    「うるうる」

    「っ、ふ、ふっ……。別にっ」

    「うあーっ、もうっ、妹さんのばかーっ!」
    「それくらいちゃんと答えてよー! じゃないと妹さんの分までクレープ食べちゃうぞ」

    「駄目、無理」

    「そ、それは否定するんね!」

    「あは」

    「……あはっ、あはははっ!」

     嬉しさと、面白さ。感動と、驚き。
     いろんなものが、いろんなプレゼントが、いっぺんに私に贈られてきた。

     ……もっと、妹さんと打ち解けたい。笑い合いたい。

     純粋に、そう強く願った瞬間だった。

    87 = 65 :

    教師「じゃあ、次……妹、読んで」

    「はい」

    「……」

     妹さんは、いつも背筋がきれいだ。
     しっかり顎を引いていて、座ってる時は頭から腰までまっすぐ。

     所作の一つ一つも丁寧。
     椅子を引いて立つ動作ひとつとっても、ゆっくり。
     食事の時にスプーンを鳴らしたりしないのがマナーであると同じかの様に、イスを引く音もさせない。

    「御かたがた公達上人など、御前に人多く侍へば」
    「廂の柱によりかかりて、女房と物語してゐたるに、物をなげ賜はせたる。」

    「……」

     普段のか細い声がうそのように、声がしっかりと出ている。
     しかも、私が読めない漢字を妹さんは平然と読んでみせた。

    「あけて見れば」
    「『思ふべしやいなや、第一ならずばいかが』」
    「と問はせ給へり。」

    88 = 65 :

    「妹さんは、どうしてそんなに勉強ができるの?」

    「……え」

     昼休み。
     お弁当を食べながら、私は常々気になっていることを妹さんに聞いてみた。

    「ずっと学年一位でしょ? 行きたい大学とかあるの?」

    「……ううん」

    「じゃあ、なんで?」

    「勉強、好きだから」

    「……ふぅん」

     好きこそものの上手なれ。
     確かに、勉強が何よりも好きだっていう人は、誰よりも成績が良くなるのは道理だろう。
     けれど、なぜか私は釈然としなかった。

    89 :

    しえんぴえん

    90 = 65 :

    「勉強が好きな人なんて、いたんだね……」

    「……」

    「じゃあ、将来の夢とか、そういうのは?」

    「……」

    「私の勘違いだったら、ごめんね」

    「勉強してるの、奨学金のため、とか」

    「どう、だろ」

     お弁当を口に運ぶ手を止めて、妹さんはつぶやいた。
     その表情は、苦笑しているようにも見える。

    「お金、大変なんだ?」

    「……どうだろ」

    91 = 65 :

    「そ、っか……」

     妹さんは、家庭の事を話さない。
     家族や兄弟の話を、少しも聞いたことがない。
     ほかにも話してくれないことは一杯ある。
     けれど、そういった基本的なことを話してくれないのは、私が信用されていないからだろうか。
     それとも、何か理由があるのだろうか。

    「ねぇ、今日うちに来てよ」

    「……え」

    「ほら、前に言ったでしょ? お菓子づくり……は、まぁおいておいて」
    「一緒に遊ぼうよ」

    「……でも」

    「でも?」

    92 = 65 :

    「この前……怒られた」

    「この前? 怒られた、って。誰に?」

    「……」

     この前とは、多分海に行った日の事。
     怒られた……っていうのは……?

    「門限とか、あるの?」

    「そういう、んじゃ」

    「じゃあどうして?」

    「……」

     私がしつこく聞くと、やがて妹さんは下唇を噛んだ。
     言いたくない事はしょうがない。
     
    「じゃあ、今日は遊べない? 明日からは?」

    「……え」

    93 = 65 :

    「ごめんね。私、うざいよね」
    「でも、この前言った。……もっと、妹さんの事を知りたい」
    「何を思って生きてるのか、知りたい」

    「……」

    「だから、学校以外の妹さんも、見てみたいの」

    「……ちょっと、なら」
    「少し、なら」

    「遊べる?」

     コクリ。
     妹さんは、ゆっくりうなづいてくれた。

    「やった。私の家、ここから10分くらいだから。すぐ着くから」

    「……ん」

    「何しよっか? あ、犬って大丈夫? おっきい犬がいるんだけど……」

    94 = 65 :

    朝からメガネが行方不明なんだが
    誰か知らない?

    95 = 65 :

    「ハッハッハッハッ」

    「あ……ぅ……」

    「あはは、チョビっていうんだ」

    「チョビ………にしては、おっき……うゃっ」

    「ハッハッハッハッハッペロペロペロ」

    「や、やめっ……んっ」

     うちの自慢のセントバーナード犬・チョビに襲われて、妹さんは床に倒れこんだ。
     妹さんは相当好かれてる……にしても、顔をナメナメはやりすぎだ!

    「ちょ、チョビ、やめ! やめ!」

     飼い始めの頃は「チョビ」っていう名前がぴったりの子だった。
     それがいつの間にかチカラが敵わないくらい大きくたくましくなっていた。
     げんに、妹さんからチョビを引き離そうとしても、びくともしない。

    「ペロペロペロペロ」 

    「っ、ひっ……や、ん……ぁっ」

    97 = 65 :

    「……ぁぅ」

    「ご、ごめん。ほら、チョビも謝って!」

    「くぅん」

    「だ、大丈夫。……うん」

    「ほ、ほんといきなりごめんね。私の部屋いこ?」

    「……うん」

     妹さんの手を引いて、私の部屋への階段をのぼる。
     当然の様にそれについてくるチョビ。

    「チョビは駄目!!」

    「……わぅ……」

    98 = 65 :

     私の家は、学校と同じ丘の上にある。
     この街は古風な西洋建築が多い。もちろん通っている学校もそうだし、多くの民家も街の雰囲気に溶け込むような家並みがおおい。
     私の家も例に漏れず、『明治時代の外交官の家』と言われても遜色ない位の雰囲気を持っている。

     決して自慢ではない。
     むしろ、私はこの家を嫌っている。

    「見て」

     部屋に妹さんを招きいれると、私はすぐに窓を開けた。

    「わ、ぁ」

     窓枠の向こうには、海が広がっていた。
     奥には水平線。手前には横浜の臨海工業地帯。

    「いい眺めでしょ。これだけは、気に入ってるの」

    「うん……、素敵」

     いつも一人で眺めている窓からの風景を、今は妹さんと一緒に見ている。
     それが、なんだか不思議で、くすぐったい気持ちになった。

    99 = 89 :

    しえんぴえん

    100 :

    3Pできなくて死にたいってスレは最後までいったの?


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