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    元スレ朋也「軽音部? うんたん?」2

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
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    101 = 5 :

    「3番人気なんて選ぶからそういうことになるんだよ」

    次の勝負の場は、メダルを使った競馬ゲームだった。

    「複勝と合わせて多点買いしとけよなぁ」

    春原「んなミミッチィことできるかよ。収支期待できねぇだろ」

    「マイナスよりマシじゃん」

    春原「ふん、所詮、女にはわかんないか…」

    春原「岡崎、おまえどうだった?」

    朋也「キチクオウ→センゴクランスの馬単が的中だ」

    春原「マジかよ!?」

    「ほぉ…」

    春原「ちょっとめぐんでくんない?」

    朋也「ああ? しょうがねぇな…」

    ―――――――――――――――――――――

    ひとしきり遊んだ後、昼飯を食べに出た。
    近場のファミレスに入り、腹を満たす。

    春原「部長、おまえも女なら、もっとらしいもん頼めよな」

    102 = 1 :

    「私ほどの美少女なら、なに食べてても絵になるのよ、おほほ」

    部長が頼んだのは、分厚い肉料理だった。
    そのうえに、ガーリックソースなんてゴツイものもかけていた。

    春原「おい、岡崎、聞いたかよ」

    春原「こいつ、すげぇナルシスト女だぜ」

    「おまえだって、メニュー言う時かっこつけてただろぉ」

    「通ぶって略しちゃってさ、まったく店員さんに通じてなかったじゃん」

    「どこのローカル呼称だよ、って顔してたぞ」

    春原「発音がよすぎて、ネイティブにしか伝わんないだけだよっ」

    「焼き魚&キノコ雑炊なんて日本語しかねぇじゃん」

    春原「&があるだろうがっ」

    「そこは略してただろうがっ」

    朋也(うるせぇ…)

    ―――――――――――――――――――――

    再びゲーセンに戻ってくる。

    春原「おし、結構金も使っちゃったからな…次で決めるぞ」

    103 = 5 :

    「ああ、いいぜ、雌雄を決してやるよ」

    春原「最後だからな、おまえにジャンルを選ばせてやるよ」

    春原「レディーファックユーってやつだ」

    「レディーファーストだろ…そのボケはちょっと無理があるぞ」

    春原「いいから、選べよ」

    「そうだな…う~ん」

    店内を見回す。

    「あ、あれは…」

    振っていた顔を止め、ある一点を見つめる。

    「あれにしようか」

    指さす先には、UFOキャッチャー。

    「たくさん景品取った方が勝ちな」

    春原「なるほどね、いいよ」

    春原は、不敵な顔でにやついていた。
    得意なんだろうか、こいつは。

    ―――――――――――――――――――――

    104 = 1 :

    「あのカチューシャ犬は特別、得点がでかいことにするぞ」

    ケース内には、カチューシャをかけた犬のぬいぐるみがふてぶてしく鎮座していた。
    小型、中型、大型とあるが、部長が指定したのは大型タイプだ。

    「あれが3点で、他のが1点な」

    春原「いいけど…ブサイぬいぐるみだな」

    「かわいいだろがっ、特にチャームポイントのカチューシャが」

    春原「そこが、僕の知ってる動物の同類にみえて、なんか馴染めないんだよね」

    「…それは、誰を指してるのかなぁ?」

    春原「さぁね」

    「…ぜってぇ勝つ。私が勝ったら土下座して詫び入れろよな」

    言いながら、財布から硬貨を取り出し、投入する。
    デラデラと機械音が鳴り出し、アームがプレイヤーの制御下に置かれる。
    チャンスは3回のようだった。

    「よし…」

    まず一回目。
    アームを一度横に動かしてx軸を合わせ、そのまま縦に移動させる。
    狙いは大型カチューシャ犬のようだった。

    「今だっ」

    105 = 5 :

    ぬいぐるみに向かってアームが下りていく。
    が、少し距離が足りず、手前で空を切っていた。

    「くそぉ…」

    アームが初期位置に戻ってくる。
    2回目。
    さっきと同じように、ぬいぐるみの上まで持っていく。
    今度は頭上に下りていった。
    が、カチューシャ部分を掴んでしまい、するりと抜けていった。

    春原「ははっ、そんにカチューシャ欲しいのかよ」

    春原「もう自分のしてるくせに、他人から奪おうとするなよ」

    「うっさい、あんたは黙っとけ」

    「ちくしょお…」

    3回目。大型は諦めて、小型狙いにしていたが、これも失敗していた。
    結果、部長は0点。
    春原が一つでも取れば、勝ちが確定する状況になった。

    「うぐぐ…」

    春原「はは、ほら、どけよ。次は僕だ」

    入れ替わり、春原がプレイする。
    慣れた手つきで、アームを移動させていく。
    小型カチューシャ犬に向けて、迷いなく進んでいく。

    106 = 1 :

    止める位置もばっちりに見えた。
    アームが下りていく。
    そして、見事掴んだまま持ち帰っていた。

    春原「おらよ、これで、もう僕の勝ちだね」

    取り出し口からぬいぐるみを出し、一度空中に放ってキャッチしてみせた。

    「うぅ…くっそ…」

    春原「欲張ってあんなデカいの取ろうとするからだっての」

    春原「あれはおまえの器以上の業物なんだよ」

    「だって…欲しかったし…」

    しゅん、としおれてしまう。
    それは負けたからなのか、目当てのものが取れなかったからなのかはわからない。
    ただ、本当に欲しかったのだろうということだけはその様子から伝わってきた。

    春原「…はぁーあ、普段はこんなことしねぇからな」

    言って、UFOキャッチャーと向き合った。
    春原の目線、狙う先は、大型カチューシャ犬に向けられていた。

    朋也(こいつ、もしかして…)

    アームが移動する。
    止まったのはやはり、大型カチューシャ犬の頭上。
    まっすぐにターゲットめがけて下りていくアーム。

    107 = 5 :

    そして、少し細くなっている首周りを掴んだ。
    しっかりと固定される。
    そのまま、こちらに持ってきて…
    すとん、と落ちていた。
    それを気だるげに取り出す春原。

    春原「おらよ、やる」

    「え? いいのか?」

    春原「ああ。僕は、こんなのいらないしね」

    「あ、ありがとう…」

    受け取る。
    大事そうに、ぎゅっと抱きしめた。

    春原「ふん…」

    照れ隠しなのか、わざとしらけた態度を装っているようにみえた。

    春原「じゃあ、もういいか」

    アームを二度小さく動かし、1ゲームを自分の意思で降りていた。

    春原「ああ、そうだ、この小せぇのも、やるよ」

    「うん…ありがとう」

    受け取って、大きい方と一緒に抱える。

    108 = 1 :

    「あんた、上手いな、UFOキャッチャー」

    春原「まぁね。この界隈じゃ、ゲーセン荒らしって呼ばれてるくらいだからね」

    朋也「そうだな…」

    朋也「おまえ、よく機械に体当たりして、振動を与えることで景品落としてるもんな」

    春原「そういうブラックリストに載るような意味じゃねぇよっ!」

    「わははは!」

    春原「ったく…」

    いろいろあったが、部長も春原も、今は笑顔を浮かべていた。
    これを機に、こいつらの仲が改善されていけばいいのだが…。

    朋也(ダメ押ししとくか…)

    朋也「おまえらさ、プリクラでも撮ってこいよ。俺がおごってやるから」

    春原「なんで僕らが…」

    「そ、そうだよ、意味がわからん…」

    朋也「そのプリクラ、明日琴吹に見せてやれよ」

    朋也「それで、一日仲良く過ごしたって言えばいいじゃん」

    朋也「口だけじゃ、信用されないかもしれないしさ。いつものおまえら見てるわけだし」

    109 :

    ほほう、ここで惚れさせるのか
    支援

    110 = 5 :

    春原「………」

    「………」

    ふたりともだんまりを決め込んでいる。

    春原「…ま、僕はいいけど。ムギちゃんのためにね」

    春原が先に口を開く。

    「…私も。おやつのために、しょうがなくだけど」

    部長もそれに続く形で了承する。

    朋也「そっか。じゃ、行ってこい」

    春原に100円硬貨を4枚渡す。部長からはぬいぐるみを預かった。
    シートをくぐり、筐体の内側に入っていくふたり。
    しばらく静かだったと思うと…

    「おまえ、なんでこれ選ぶんだよっ」

    春原「これが一番僕の写りがいいからね」

    「ざっけんなっ」

    なにごとかわめき出していた。
    そして、勢いよく出てきたと思うと、すぐに隣の落書きスペースに移動した。
    そこでもシートが揺れるほど騒いでいる。
    その騒音が収まったと同時、ふたりとも外に出てきた。

    111 = 1 :

    春原「ちくしょー、僕に変な文字上書きしやがって…」

    「私なんか目が半開きになってるやつだし…待ってって言ったのに…」

    出力されたシールを手に苦い顔をしている。

    朋也「なんだよ、さっきまでいい感じだったのに…」

    春原「岡崎、見てくれよ、これ」

    朋也「あん?」

    プリントシールを受け取る。
    二つに区切られた枠の片方に写っている春原には、上から罵詈雑言が書きこまれていた。
    もう、悪口なのか春原なのかわからないほどに。こっちは部長が編集したのだろう。
    もう片方は、春原の周りにオーラのようなものが描かれていた。
    まるで、なにかの能力者のようにだ。どっちがどっちを編集したか一目でわかる出来だった。
    一方、部長の方だが、キメポーズの途中だったのか、残像が写っていた。
    その顔も、引力に引きずられているような感じになっている。

    春原「ざけやがって、デコっ!」

    「死ね、ヘタレっ!」

    ああ…結局最後はこうなってしまうのか…。

    ―――――――――――――――――――――

    112 = 5 :

    4/26 月

    「岡崎くんたち、きのう、りっちゃんと遊んだんだってね」

    朋也「ああ、そうだけど…」

    なんでこいつが知っているんだろう。

    「りっちゃんから写メ来たんだよねぇ…ほら」

    疑問に思っていると、平沢が携帯の液晶画面を見せてくれた。
    そこに映し出されているのは、あのぬいぐるみだった。

    「これ、春原くんに取ってもらったんだよね?」

    「りっちゃん、すごく気に入ってるみたい」

    「待ち受け画面にしてるんだってさ」

    朋也「へぇ…」

    人に報告したくなるくらいなら、相当嬉しかったんだろう。
    あの後、いつものように春原と軽口を叩き合って別れていたのに。
    それでも、家に帰って一旦落ち着けば、ぬいぐるみをその手に上機嫌となれたのだ。
    一緒に遊んだ半日も、そう無駄ではなかったようだ。

    「でもさぁ、私も呼んでくれればよかったのに。暇だったんだよ、きのう」

    「お姉ちゃん、結局一歩も外に出なかったもんね」

    113 = 1 :

    「そうだよぉ、引きこもり歴丸一日になっちゃったよ。これから続く引きこもり人生の初日だよ」

    朋也「でも、ゲーセンだぞ? おまえ、ゲームとかするのか」

    「う~ん…しないかなぁ…」

    朋也「じゃあ、意味ないじゃん。結局、来ても暇なままだろ」

    「そんなことないよ。応援とかしたりさ…」

    「あ、ほら、あの、負けたら怒って台叩くのとかやってみたいし」

    朋也「それはギャラリーがやることじゃないからな…」

    「お姉ちゃんは、モグラ叩きとか得意なんじゃない?」

    「へ? なんで?」

    「こう、リズムに乗って、えいっ、えいっ、ってするのとか好きそうだし」

    「そうだね、うんたん♪ うんたん♪ って、カスタネットに似てるしね」

    そうだろうか…まずジャンルからして違う気がする。

    「そんな感じだよ。お姉ちゃん、やっぱりモグラ叩きの才能あるよっ」

    全肯定だった。
    やっぱりこの子も平沢の血筋なのか…。

    「えへへ、ありがと」

    115 :

    春原いい奴だな

    116 = 5 :

    姉もそれを真に受けている…。
    恐るべき一族だった。

    ―――――――――――――――――――――

    がらり。

    ドアを開け、教室に入る。

    春原「やぁ、おはよう」

    すぐに寄ってきたのは、妙に元気な金髪の男だった。

    春原「一緒に登校してきてるって、やっぱマジだったんだね」

    春原「仲いいじゃん、おふたりさん」

    朋也「いや、つーかおまえ、なんで朝からいるんだよ」

    朋也「きのうは昼まで寝てたいとか言ってたくせによ」

    春原「ん? べっつにぃ…」

    「でも、偉いよ、春原くん。その調子でこれからも頑張ってねっ」

    春原「ああ、そうだねぇ…」

    子生徒「おっ、春原、岡崎。おまえら、バスケ部と試合して勝ったんだって?」

    子生徒「けっこう噂になってるぞ」

    117 = 1 :

    春原「まぁねっ! 楽勝だったよっ!」

    子生徒「すげぇな。ただのヤンキーじゃなかったのか」

    春原「たりまえじゃんっ。超一流スポルツメンよ、僕?」

    自慢げに語り出していた。

    朋也(まぁ、そんなことだろうと思ったけど…)

    あまりにも露骨過ぎて、こっちが恥ずかしくなってくる。

    「う~ん、私も自慢したくなってきたっ」

    朋也「やめとけ…」

    ―――――――――――――――――――――

    ………。

    ―――――――――――――――――――――

    昼。

    「あなたたち、一昨日は大活躍だったんですってね」

    春原「そうっすよ、もうボッコボコに…」

    「………」

    118 = 87 :

    やっと、うんたんktkr

    119 = 5 :

    春原「あ、いや…」

    春原「…そうだよ、すげぇかましてやったんだよ」

    「勝敗は聞いてたんだけどね。あとひとり、助っ人がいたことも」

    「あの非合法組織から人材が派遣されるなんて、ちょっと驚いたけど」

    キョンのことだろう。
    しかし…

    朋也「非合法?」

    「ええ。SOS団といって、学校側から正式に認可されていないクラブがあるの」

    「そこの構成員よ。知らなかったの?」

    朋也「いや、俺はよく知らないけど」

    春原「なにしてるかよくわかんない、変な奴らなんだよね」

    「そうね。詳しい実態はつかめていないんだけど…」

    「普段は、ボードゲームに興じたり、イベントを企画したりしているらしいわ」

    「まぁ、言ってみれば、唯たち軽音部のような空気を持った集団ね」

    「あんな過激な奴らと一緒にするなよなぁ」

    「過激なのは団長の涼宮さんひとりだけで、後は比較的まともでしょ?」

    120 = 1 :

    「まぁ…確かに、キョンの奴は普通だったけど…」

    「あ、でも、あんな部活入ってるし、このふたりとも友達だし、やっぱ変かも…」

    春原「どういう意味だよっ」

    「友達?」

    春原「ん? ああ、僕と岡崎の友達だよ、キョンは」

    「へぇ…興味深い人付き合いしてるのね、あなたたち」

    朋也「そうか?」

    「そうよ。だって、この学校では特異とされる存在同士が交わっているんですもの」

    「それも、あなたたちふたりを起点にしてね」

    「そこになにか、物語めいたものを感じるわ」

    朋也「そういうもんか…」

    言われても、自分ではあまりピンとこない。

    「しっかし、和も大変だよなぁ、こうも問題児が多くてさ」

    「もしかして、歴代で一番大変な生徒会長になったんじゃないのか」

    「かもしれないわね。でも…おもしろい人間がそろった年代だとも思うの」

    121 = 109 :

    久々に風子フォルダ覗いたらとても可愛かった
    支援

    122 = 5 :

    「あんたたち軽音部も含めてね」

    「え、ええ? 私たちもか?」

    「ええ。だから、同じ学校、同じ学年にいられたこと、誇らしく思うわ」

    「誇りなんて、そんな…」

    「和ちゃん、シブイこと言うね」

    「そう?」

    「うん。なんか、この次会う時は、一人称が『俺゛』になってそうなくらいだよ」

    「今のどうやって発音したの…」

    こうして俺たちと普通に会話している真鍋だが…
    それも、表の顔で、裏ではいつも高度な政治戦を繰り広げているのだ。
    おもしろい人間…そうは言うが、こいつ自身も強烈な個性を持っていると、俺は思う。

    ―――――――――――――――――――――

    ………。

    ―――――――――――――――――――――

    放課後。軽音部部室に訪れ、茶を飲み始める。

    「今日は私からもみんなにプレゼントがあります」

    123 = 1 :

    「さぁ、受け取るがよい、皆の衆」

    鞄を逆さにして、上下に振った。
    中から大量に何かが落ちてくる。

    「…ウメボシ太郎?」

    「なぁんだよ、これはっ」

    「ウメボシ太郎」

    「いや、見りゃわかるよ。そうじゃなくて、量のこと言ってんのっ」

    「いやぁ、実は、ウメボシ太郎が食べたくなる衝動に襲われちゃってさぁ」

    「それで、いっぱい買ったんだけど、二個食べたら飽きちゃったんだよね」

    「あんなに渇望してたのにさ…」

    「すごい次元の衝動買いですね…」

    「でもそういうことってあるよね?」

    「まぁ、あるけどさぁ…ここまではねぇよ」

    「いや、おまえもけっこうひどいぞ」

    「中学の時、修学旅行先で木刀三本も買ってたじゃないか」

    「それで、旅行中ずっと私に試し切りしてきたけどさ…」

    124 = 5 :

    「帰ってから一度も触ってるとこみたことないぞ」

    「う…よく覚えてるな、そんなこと…」

    「律先輩、典型的な中学生だったんですね」

    「う、うっさい」

    春原「はは、そんなもん買ったって、荷物がかさむだけじゃん」

    春原「普通、自宅に送ってもらうだろ」

    「って、おまえも買ったんかい…」

    春原「い、いや…一般論を言っただけさ」

    絶対にこいつは経験者だ。

    「でもさ、ムギちゃんの衝動買いってすごそうだよね」

    「そんなことないよ」

    とはいえ、高級料理店にふらっと立ち寄るくらいはしそうなのだが…

    「たまに、M&Aするくらいだから」

    企業買収だった!

    「す、すごいな、ムギ…」

    125 :

    最萌スレから来ました

    126 = 98 :

    しえらっちょい

    127 = 1 :

    「さすがです…」

    「M&A? なにそれ」

    「誰かのイニシャル? 二人組ユニット?」

    春原「お笑い芸人にそんなのいたよね」

    春原「きっと、個人的に呼んで、ネタみせてもらってるんじゃない?」

    「おおぅ、そうだよ、それだよっ」

    「やるじゃん、春原」

    春原「へへっ、まぁね」

    アホが三人、ずれまくった結論で盛り上がっていた。

    「梓ちゃんは、どんな感じなの?」

    「私ですか…」

    「あずにゃんは、なんかしそうにないよね」

    「計画とか立ててそうだよな」

    「はぁ…でも、たまにしますけどね」

    「え? ほんとに? なに買うの?」

    128 = 5 :

    「えっと…カツオブシ…」

    「カツオブシ?」
    「カツオブシ?」

    「あう…」

    「猫みたいな奴だな…」

    「でも、あずにゃんのイメージにぴったりだよ」

    「カツオブシがか?」

    「猫のほうだよぉ」

    「み、澪先輩はなにかないんですか?」

    「私? 私は…」

    「澪は衝動食いだよな。ヤケ食いでリバウンドとか…」

    ぽかっ

    「いっつぅ…」

    「そんな失敗談持ってないっ。いちいち変な情報出してくるなっ」

    「うぅ、わかったよ…。で、おまえはなんなんだ?」

    「ん、私は、マシュマロとかかな」

    129 = 1 :

    「へぇ、澪先輩らしい感じがしますね」

    「でもそれってやっぱ、デブる要因になるんじゃ…」

    「で、デブとかいうなっ」

    「ひぃ、すみましぇん…」

    「ほんとにもう…」

    「…あの、岡崎くんは、なにかあったりする?」

    朋也「俺か? 俺は、そうだな…」

    朋也「たまに甘いものが欲しくなったりするな。そんな時は駄菓子とかたくさん買ってるよ」

    「へぇ…それって、反動っていうのかな?」

    「岡崎くん、いつも甘いもの避けて、お茶とおせんべいだしね」

    朋也「そうかもしれないな」

    「甘いものが欲しくなった時は、いつでも言ってきてね。ケーキも、紅茶も用意するから」

    朋也「なんか、悪いな、いろいろと…」

    「ううん、全然よ」

    「春原、あんたはどうせエロ本とか大量に買ってんだろ?」

    130 = 5 :

    「衝動買いっつーか、本能買いって感じでさ」

    春原「馬鹿にすんなっ! ちゃんと厳選してんだよっ!」

    春原「ジャケ買いなんか、素人のすることだねっ」

    「んな主張で胸張るなよ…」

    朋也「おまえは、よく俺のジュース買いに走る衝動に駆られてるよな」

    春原「パシリじゃねぇよっ!」

    「わははは! やっぱ、あんたオチ要員だわ」

    春原「くそぅ…いつの間に定着してんだよ…」

    ―――――――――――――――――――――

    部活も終わり、下校する。

    「はぁ…結局今日も練習できなかった…」

    「だって めんどくさいんだもの りつを」

    「相田みつをさん風に言うな」

    「いいじゃん、息抜きも大事だぜ」

    「抜きすぎだ。それに、再来週にはもう創立者祭があるんだぞ」

    131 = 1 :

    「あんまりだらだらもしてられないだろ」

    「でも、二週間以上もあるから、まだ大丈夫だよ」

    「いえ、今のうちからしっかりしてないとダメですっ」

    「三年生は出し物がないからいいですけど、一、二年生は準備がありますから」

    「それに、ゴールデンウィークも挟みますし」

    「えぇ~、でも、あずにゃんだってトークしながら紅茶飲んでたじゃん」

    「あ…う、そ、それは…」

    「あ、明日からちゃんとするんですっ!」

    「ムキになっちゃってぇ、かわいいなぁ、もぉ」

    中野に抱きつき、頭を撫で始める。

    「あ…もう、唯先輩は…」

    春原「なぁ、岡崎、創立者祭ってなんだっけ」

    朋也「文化祭みたいなもんだ」

    春原「ふぅん、そうなんだ。初めて知ったよ」

    「マジで言ってんの? あんた、ほんとにうちの生徒かよ」

    132 = 5 :

    春原「授業がないってことだけは知ってたよ。単位に関係ないし、ずっとサボってたけどね」

    「ほんとにロクでもない奴だな、おまえは…」

    「でも、今回は来てもらうぞ。またおまえらには機材運んでもらうからな」

    春原「あん? やだよ、めんどくせぇ」

    「なに言ってんだよ、部室に入り浸って飲み食いしてるくせに」

    「今後もそうしたいなら、文句言わずに手伝えよな」

    春原「ちっ、汚ねぇ取り引き持ちかけやがって」

    「相応の条件だろ。それと、朝からちゃんと来とけよ。文化系クラブの発表は午前中にあるんだからさ」

    春原「午前中ぅ? まだ夢の中にいるんだけど」

    「夢遊病者のようになってでも出て来い」

    春原「そんなことしたら、なにかの拍子に事故が起こるかもしれないじゃん」

    春原「例えば、僕がふらついて、おまえに激突したりとかさ」

    春原「それで、おまえが隠し持ってた育毛剤が床に転がりでもしたら、ショックだろ?」

    「最初から持ってないわ、そんなもんっ!」

    春原「うそつけ、おまえ、いつも胸ポケットもり上がってるじゃん。入ってんだろ、例の物がさ」

    133 = 1 :

    「ちがうわっ! これは携帯だっての!」

    ポケットから取り出してみせる。

    春原「そんな型のもん買ってきやがって、偽装に命かけてるね、おまえ」

    「本物の携帯だっつーの!」

    折り畳んでいた状態から、ぱかっと開き、ディスプレイを春原に向けた。

    春原「あれ、それ…」

    「っ! うわ、しまっ…」

    そそくさと畳み直し、ポケットにしまった。

    「………」

    ほのかに顔を赤らめて、決まりが悪そうに顔を伏せていた。

    「ああ、そういえば…」

    「律、春原くんにもらったぬいぐるみ、待ち受けにしてたんだっけ」

    「うぐ…」

    春原「ふぅん、けっこう可愛いとこあるじゃん」

    「な、か、可愛いって、おま…」

    134 = 1 :

    「あはは、りっちゃん顔真っ赤ぁ~」

    「ゆ、唯、こら…」

    「あら? ラブが芽生える感じ?」

    「む、ムギまで…」

    いつもとは逆の立場で、揶揄される側に回っていた。
    自分が的になるのはなれていないのか、しどろもどろだ。

    春原「はは、ムギちゃん、僕、デコはお断りだよ」

    「な、な、なんだとぉ? あたしだってヘタレは願い下げだってのっ!」

    春原「ああ? てめぇ、デコのくせに生意気だぞ!」

    「うっせー、ヘタレ!」

    春原「ぐぬぬ…」
      「ぐぬぬ…」

    「喧嘩するほど仲がいいってね」

    「はは、そうかも」

    春原「んなわけないっ!」
      「んなわけないっ!」

    「あははっ、息ピッタリだよ」

    135 = 109 :

    胸ポッケからとな

    136 = 1 :

    春原「………」

    「………」

    春原「けっ…」
      「ふん…」

    似たような反応をする。
    やはり、同系統の人間な気がする。

    ―――――――――――――――――――――

    137 :

    上手いなぁ

    138 = 98 :

    いいねえ

    139 = 5 :

    4/27 火

    「あ、お姉ちゃん、寝癖ついてるよ」

    「え、どこ?」

    「襟足近くがハネちゃってるぅ…ちょっと待ってね」

    立ち止まり、鞄からクシを取り出した。
    撫でつける様に、やさしく平沢の髪をといていく。

    「これでよし」

    「ありがとぉ、憂」

    「うん」

    「………」

    俺をじっと見てくる憂ちゃん。

    朋也「ん? なんだ?」

    「岡崎さんは、髪さらさらですね」

    朋也「そうかな」

    「はい。なにかお手入れとかしてるんですか?」

    朋也「いや、したことないよ」

    140 = 1 :

    「ナチュラルでそれですか…うらやましいです」

    「キューティクルも生き生きしてて、ツヤもあるし…」

    「あの、触ってみてもいいですか?」

    朋也「ああ、いいけど」

    身をかがめ、憂ちゃんに合わせる。

    「じゃあ、失礼して…」

    手ですくうようにして、側頭部に触れてきた。

    「うわぁ、女の子みたいです…いいなぁ」

    「岡崎くん、私も触っていい?」

    朋也「ああ、いいけど」

    俯いたまま答える。

    「ほんとだ、さらさらだぁ」

    「だよねぇ…」

    ふたりして好き放題触っていた。

    朋也「そろそろいいか」

    141 = 5 :

    「あ、はい。ありがとうございました」

    朋也「ん…」

    体勢を戻す。

    「シャンプーはなに使ってるの?」

    朋也「スーパーで買った適当なやつ」

    「そうなの? ほんとに全然気を遣ってないんだね…」

    「でもさ、卑怯だよっ、そんなの。私はケアしても寝癖つくのにさ」

    朋也「そういわれてもな…」

    「髪が綺麗な分、どこかにしわ寄せがきてなきゃだめだよっ」

    「例えば、脇がめちゃくちゃ臭いとか」

    朋也「そんな奴と登校したくないだろ…」

    「でも、それくらいじゃないと納得できないよっ」

    「だから、岡崎くんは脇が臭いことに決定ね」

    朋也「決めつけるな…」

    ―――――――――――――――――――――

    142 = 1 :

    ………。

    ―――――――――――――――――――――

    昼。

    春原「おい、平沢。そこの醤油取ってくれよ」

    「いいよぉ」

    「はい、どうぞ」

    春原「お、サンキュ」

    受け取って、納豆にそそいでいく。
    全体に絡めると、それを混ぜて、ご飯の上に乗せた。

    春原「やっぱ、ご飯には納豆が至高だよね」

    ひとりごちて、口に運ぶ。

    春原「お゛え゛ぇえええっ!」

    朋也「うわ、きったねぇな、至高のゲロ吐くなよっ」

    「そうだぞっ、もらいゲロでもしたらどうすんだっ」

    春原「ちがうよっ! これ、醤油じゃなくてソースだったんだよっ!」

    春原「平沢、てめぇ、僕をハメやがったなっ!」

    143 = 51 :

    寝るか
    容量不足で落とさないでね☆

    144 = 5 :

    「あわわ、ごめん。でも、ラベルが貼ってなくてわかんなかったんだよ…」

    「だから、とっさに濁ってる方を選んじゃった」

    春原「その時点で確信犯だろっ!」

    朋也「まぁ、受け取った時気づかなかったおまえも悪いよ」

    朋也「だから、前向きに考えて、事態を好転させろよ」

    朋也「このケチャップで中和させたりしてさ」

    春原「最悪のトッピングですねっ!」

    「わははは!」

    ―――――――――――――――――――――

    ………。

    ―――――――――――――――――――――

    放課後。
    今日は最初からさわ子さんも交えた状態で活動が始まった。

    春原「おまえら、昔いたアーティストで、芳野祐介って知ってる?」

    春原「あの人さ、今この町にいるんだぜ」

    145 = 98 :

    「わはははははは」

    146 = 1 :

       「えぇ!?」
       「えぇ!?」
    さわ子「えぇ!?」

    さわ子「春原、それ、ほんとなの…?」

    春原「ほんとだよ。この前、名刺もらったし」

    春原「え~っと…」

    上着のポケットをまさぐる。

    春原「これだよ」

    一枚の名刺を取り出す。
    長い間ポケットの中に入れられていたのだろう…しわくちゃになっていた。
    最悪の保存状態だ。
    にもかかわず、声を荒げて反応していた三人の注目を集め続けていた。

    「本物ですか…?」

    春原「間違いねぇよ。顔も一致してたし」

    春原「な、岡崎」

    朋也「いや、俺は顔のことはよく知らねぇけど」

    「岡崎くんも、みたの?」

    朋也「ああ。その時、俺もこいつと一緒に居合わせてたんだよ」

    147 = 5 :

    さわ子「ちょっとそれみせて」

    春原「いいけど」

    名刺を受け渡す。

    さわ子「…電設会社、ね…」

    さわ子さんは名刺を眺め、そう小さくこぼしていた。
    その表情は、なぜか複雑そうだった。

    「びっくりです…同じ町に住んでたなんて」

    「うん。全然知らなかった…でも、なんか感動」

    「そういえば、おまえ、かなり芳野祐介好きだったもんな」

    「今でも好きだっ」

    「さいですか」

    「澪先輩も、芳野祐介好きだったんですね…意外です」

    「あの人、ハードなロックを歌ってますからね」

    「澪先輩が書くような感じの詩とも、ずいぶんとかけ離れてますし」

    「って、梓も好きなのか?」

    「はいっ、すごく好きですっ。いいですよね、芳野祐介の音楽は」

    148 = 1 :

    「うんうん、だよなぁ!」

    「歌詞は激しいのに、聞いてると涙が出そうになるくらい胸を打ってきたりするしな!」

    「ですよね! それに、ギターのテクもすごいですし!」

    ファン魂に火がついたのか、話題が尽きることはなかった。
    アルバムがどうだの、お気に入りの曲はなんだのと語り合っていた。

    「話についていけねぇよ…」

    「私もだよ…」

    「私も芳野祐介さんの事はちょっと知ってるけど、あそこまでコアじゃないなぁ」

    「にしても…さわちゃんもファンなの? ずっと名刺見てるけど」

    さわ子「え? ああ、ファンっていうか、まぁ、ね…」

    さわ子「あ、これ、ありがと、春原」

    言って、春原に返す。

    「なに? なんかワケアリ?」

    さわ子「いや、まぁ…なんでもないわよ」

    「ところで、春原先輩は、どこで見かけたんですか?」

    春原「商店街を抜けたあたりだったよ」

    149 = 5 :

    「あの辺かぁ…あんまり行かないからなぁ…」

    「私も…」

    春原「もしかして、会いたいの? おまえら」

    「それは、できたらそうしたいですけど…でも…」

    「うん…遠くから見るくらいでいいかな」

    春原「なんでだよ。せっかくなんだから話しかければいいじゃん」

    「だって…芳野祐介って…その…引退理由が少し特殊ですし…」

    「まずいじゃないですか。ファンなんです、なんて言ったりしたら…」

    春原「ああ、そのことね…」

    春原「ま、そんなことなら、僕と岡崎がいれば問題なく近づけるんだけどね」

    春原「もう、知らない仲じゃないし」

    といっても、そこまで親しいわけでもないが。

    「そ、そうなの? すごいね…」

    春原「ふふん、まぁね」

    褒められて気を良くしたのか、したり顔になっていた。

    150 :

    軽部「うんたん!!」


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