元スレ朋也「軽音部? うんたん?」2
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
601 = 161 :
少し照れながら、両の手を広げて半回転した。
唯「ね?」
朋也「ああ…」
なんとなく察しがついた。
朋也「その服、似合ってるよ。可愛い」
唯「えへへ、正解だよ」
いい笑顔を向けてくれる。
唯「でも、気づくの遅いよぉ。私、けっこう頑張ったんだから、すぐに言って欲しかったな」
朋也「まぁ、おまえはいつも可愛いし、いまさら言うのも二度手間な気がしたんだよ」
唯「………」
朋也「ん?」
唯「う~…朋也ぁ」
体をすり寄せてくる。
唯「好きぃ~」
朋也「はいはい」
602 = 162 :
本当に可愛い奴だった。
―――――――――――――――――――――
映画館。
チケットは先日見回りに出た折、事前に購入しておいたので、スムーズに入館できた。
席も隣り合って観たかったので、指定席予約の準備もばっちりだった。
唯「もぐもぐ…」
ポップコーンをつまむ唯。
朋也「まだ始まってないのに、今から食ってどうするんだよ」
唯「ちっちっち、甘いね。こうやって最初から気分を盛り上げてた方がいいんだよ」
唯「そうすれば、ギャグシーンが来た時、声を出して笑えるでしょ」
朋也「それは典型的なちょっとウザい客なんじゃないのか」
唯「そんなことないよっ! 他のお客さんもみんな笑ってるし、私も小さい頃からそうだったもん」
唯「ああ、思い出すなぁ…ジョニーがアメリカンジョーク言いながら後ろで意味もなく車が爆発炎上したあのシーンを」
唯「あの時は、みんな手を叩きながらヒィヒィ笑ってたっけ」
どんな映画だ。そして、どんな客だ。
朋也「まぁ、なんでもいいけど、今回はそんなシーンないと思うぞ」
603 = 161 :
唯「『FUNSZUーフンスー』だっけ? どんな映画なの?」
朋也「漫画の実写化だよ。ひたすら星人を倒していくって感じの内容だ」
その漫画は、春原の部屋に既刊はすべてそろってあった。
俺も何度か読み返すほど気に入っていたので、映画化されると聞いた時は驚いた。
まさか、あの内容を実写でやるとは露ほども思っていなかったからだ。
ずっと気になっていたので、いつか観てやろうと心に決めていたのだが…
意外にもその機会は早くに訪れた。それが今日というわけだ。
ぶっちゃけて言うと、唯の嗜好を度外視した俺のスタンドプレーだった。
唯「星人?」
朋也「まぁ、敵だな。エイリアン的な」
唯「ふぅん、エイリアンかぁ…」
朋也「興味なかったか? そういうの」
唯「ううん、そんなことないよ。ただ、エイリアンとジョニーならどっちが強いのかなって考えてたんだ」
朋也「あ、そ…」
なぜジョニーにそこまでこだわるんだろう…。
―――――――――――――――――――――
唯「ふッざッけッんッなッ! ギョーン ギョーーン」
朋也「おまえ、もう影響されたのか…」
604 = 162 :
映画館を出ても、いまだ興奮冷めやらぬノリで、劇中のセリフを口走っていた。
唯「だッてッ! おもしろかッたもんッ! ふッざッけんなッ」
朋也「わかったから、その喋り方やめろ…聞き取りづらい」
唯「そんッなことッよりッ! お昼ッにしようよッ!」
朋也「…そうだな…じゃあ、どっか座れるとこ探そうか…」
唯「これがッ! カタスットロヒィッ! いや…お昼ットロヒィッ!」
唯「無理だろ…生き残れるわけねェッて…」
朋也「もうそれはいいよ…」
楽しんでくれたなら、俺としても嬉しいところだが…この状態は非常に面倒くさかった。
―――――――――――――――――――――
朋也「へぇ…こんなとこがあったのか」
町の外れへ出て、山を迂回して辿り着いた場所。
自然に囲まれ、秘密の場所のようにあった。
唯が言うには、ここが最高の昼ごはんスポットなんだとか。
唯「ここはね、この町の、願いが叶う場所なんだよ」
朋也「願いが叶う場所?」
605 = 161 :
唯「うん」
朋也「パワースポットかなんかなのか」
唯「知らなぁい。私も、アッキーからそう聞いただけだから。受け売りなんだ」
朋也「ふぅん…アッキーね…」
うさんくさそうな奴だ。
唯「小さい頃はよくここでアッキーに遊んでもらったんだよ。憂も、近所の子たちも一緒にね」
朋也「思い出の場所なんだな」
唯「うんっ。でさ、あそこに大きい木があるでしょ?」
奥の方に一本、存在感のある大樹があった。
風を受けて枝葉がそよそよと揺れている。
唯「あの木の下はね、私のお気に入りだったんだよ。寝転がると気持ちいいんだぁ」
朋也「へぇ…」
唯「だからさ、あそこで食べようよ。ごろごろ寝転がってさ」
朋也「いや、いいけど、座って食べような…」
―――――――――――――――――――――
木陰までやってくると、腰を下ろして木に背を預けた。
606 = 162 :
朋也(ん?)
手をついた時、なにか硬いものに触れた。
その全様を見てみると、立て看板のようだった。
錆び果てて、その上文字がかすれているため何が書かれてあるか詳細はわからない。
ただ、建設予定地、とだけかろうじて読み取ることが出来た。
とすると…ここに何かが建つはずだったんだろうか。
こんな景色もよく、居心地もいい自然があるこの場所に。
だとしたら、その計画が頓挫してよかったと、俺は思う。
なにも自然のためだけじゃない。一番の理由は、唯の思い出の場所だからだ。
唯「じゃ~ん、私のお弁当だよぉ~」
ふたを開けて現れたのは、サンドイッチだった。
容器いっぱいに敷き詰められている。
唯「どうぞ。遠慮せずに食べてね」
朋也「ああ、じゃあ…」
ひとつ取り出す。
朋也「むぐ…」
たまごサンドだった。なかなかにうまい。
朋也(む…)
ぼりっと音がする。
ぼりぼり…これは…まさか卵のカラ?
607 = 430 :
あずにゃんとのフラグがビンビンだな まさか乗り換えるのか?
どちらにしろマジおもしれえwwwwwww 支援
608 = 161 :
…どういう調理法だったんだろう。
唯「どう? おいしい?」
朋也「ん、ああ…うまいよ」
味の方は悪くなかったのでそう答えておいた。
唯「ほんとにっ? うれしいなぁ~、作ってきた甲斐があったよぅ~」
唯「もっと食べて、朋也っ」
朋也「ああ…じゃあ、遠慮なく」
今度はジャムサンドらしきものを選んだ。
もぐもぐ…ぐにゃ
朋也(ぐにゃ…?)
口の中で噛みしめる。これは…ガムだ。
朋也「なんか、ガムが入ってたんだけど…」
唯「あ、それ、ジャムガムサンドだよ。私の創作料理なんだぁ。イケるでしょ」
朋也「いや、ガムはガムで別々に食いたいかな、俺は…」
唯「えぇ、じゃあ、微妙ってこと?」
朋也「うん、まぁ…そこそこかな」
609 = 162 :
唯「ちぇ~…早苗さんみたいには、うまくいかなかったかぁ…」
早苗さん…その人は創作料理が上手いんだろうか。
朋也「それよか、おまえは食わないのか」
唯「私は朋也が食べてくれるの見てたいんだよ」
朋也「そっか…でも、これからも遊びに出るし、一応食っておいた方がいいと思うぞ」
唯「ん~、それもそうだね。じゃ、私も」
言って、唯も食べ始めた。
俺もガムをポケットティッシュにくるみ、三つ目のサンドイッチに手をつける。
朋也「そういえば、飲み物買ってなかったな」
唯「もぐ…ほういひぇば…」
朋也「喉渇いたまま食べるのもなんだし、さっさと全部飲み込んじまうか」
唯「むぐ…ん…だめだよっ、ちゃんと味わって食べてっ」
朋也「冗談だよ」
言って、軽く頭をわしゃっと撫でる。
朋也「近くに自販機あったから、買ってくるよ。おまえなにがいい?」
唯「緑茶でお願いっ」
610 = 430 :
GANTZEを出すとは良いセンスしてるな
611 = 161 :
朋也「了解」
俺は立ち上がり、自販機を目指した。
―――――――――――――――――――――
朋也(ふぅ…)
すべてのサンドイッチを食べ終わり、腹も十分に満たされた。
朋也「ごちそうさま」
唯「おそまつさま」
ふたをして、容器をバッグにしまう。
朋也「んじゃ、いこうか」
唯「あ、待って」
足を伸ばし、ゆったりと構えた。
唯「ヘイ、カモ~ン」
俺を見て、膝をぱんぱんと叩く。
朋也「うん? 虫でもいたのか」
唯「違うよぉ、膝枕の合図だよ」
612 = 162 :
朋也「頭乗せろって?」
唯「うん。せっかくだから、していこうよ」
朋也「そっか? じゃあ、遠慮なく…」
寝転がり、その膝に後頭部を預ける。ふにゅっと柔らかい感触。
視界には枝葉の隙間から見えるいっぱいの空が広がっていた。
と、そこで唯が俺を覗き込んできた。
下から仰ぎ見たその顔は、木漏れ日を背に境界線が煌いていた。
唯「朋也、目開けてちゃだめだよ。つむって?」
朋也「なんでだよ。いいじゃん、開けてたって」
唯「こういう時はそうするのが鉄板なのっ」
朋也「別に眠くないしなぁ、俺」
唯「形から入るのも大事だよ?」
朋也「まぁ、いいけど…」
俺は言われるまま目を閉じた。
すると…
ティロリン♪
朋也(なんだ?)
613 :
もう外明るいじゃねーか…
どうしてくれんだよ面白いよしえ
614 = 161 :
音がして目を開ける。
唯「やったっ、朋也の寝顔ゲット~」
携帯を手に、一人はしゃいでいる。
朋也「おまえ、それがしたかったのか」
唯「えへへ、まぁね~。今度はツーショットだよ」
唯「よいしょ…」
携帯を斜めに構え、顔を俺に近づけた。
ティロリン♪
唯「う~ん、これでまたひとつ朋也フォルダが充実したよ」
朋也「変なカテゴリ作るなよ」
唯「いいじゃん。これからどんどん増やしていこうね、朋也」
朋也「一人で頑張ってくれ…」
俺は再び目を閉じた。
唯「朋也も協力してくれなきゃやだよ」
言いながら、俺の頭を撫でてくれていた。
思いのほか心地いい。
615 = 162 :
俺は安息の中で、ただこの少女に身を任せ続けていた。
―――――――――――――――――――――
朋也「ん…」
目を開ける。
もう結構な時間横たわっていた気がする。
ここいらで引き上げておくのが無難だろう。
朋也「そろそろいくか」
唯「うん、そうだね」
立ち上がり、尻を払う。
そして、連れ立って歩き出した。
朋也(あ…)
ふと端に目をやると、また看板を見かけた。
木陰に落ちてあったものと違い、テーピングが施されてあった。
まるで、警察が事件現場に敷くトラロープのようにだ。
そして、そのテープ…琴吹建設、と印字されてあった。
それはやっぱり…俺もよく知る、あの琴吹の家が関係しているんだろう。
工事を請け負っていたのは琴吹建設だったのか…一瞬そう思ったが、どうやら少し事情が違うようだ。
看板には他の建設会社の名前が書かれていて、その上からテープが貼られているのだ。
おそらくは、なんらかの都合により主導権が移り、一時的な措置として上書きされたのだろう。
それはつまり、予定されていた下請け業者が覆ったことを意味する。
もし、そんなことが意図的に起こったのであれば、元請け先に直接なにか働きかけがあったのかもしれない。
建設業界のことは詳しくは知らないが、琴吹の名前を見て、そんな考えが頭をよぎった。
616 = 162 :
だが…それだと腑に落ちない点もある。
発注を受けたゼネコンに圧力をかけてまで手に入れた仕事なら、中途で終わるようなことには絶対ならないはずだ。
なんといっても、琴吹家の息がかかった仕事なのだから。
………。
もしかしたら…逆に、この場所を守るために動いたのかもしれない。
ここは、荒らされた気配もまったくないどころか、むしろ整備されている風ですらあるのだ。
それに、発注元と話をつけて建設場所を遷すことも、なんなくやってのけてしまいそうでもある。
ただそれだけの、憶測も多分に含む根拠だったし、俺の希望的観測も同居しているが、そんな気がしてならなかった。
でももし、俺のこの推測が当たっているのなら、やっぱり琴吹の家は普通じゃない。
この町の産業を牛耳っているんじゃないのかと、そう思えるほどの大きな力を持っている。
唯「どうしたの、朋也? 急に立ち止まっちゃって…」
朋也「ああ、いや、なんでもない」
―――――――――――――――――――――
町なかに戻ってくると、そのまま商店街へ入った。
たい焼きや、たこ焼きを買って、食べ歩きのようなことをする俺たち。
唯「ん~、味のメタミドホスや~」
朋也「食中毒になってるからな…」
唯「あ、朋也。見て、あそこ」
朋也「ん?」
唯の指さす先。こじんまりとした相席テーブルに女性が腰掛けていた。
その横に立てかけてある看板を見ると、どうやら手相占いをしてくれるらしいことがわかった。
617 = 161 :
唯「新宿の妹、だってさ。なんか、おもしろそうじゃない? 占ってもらおうよ」
朋也「いや、でもなぁ…ああいうのって、ボッタ価格だったりするしなぁ…」
示し合わせたように、料金のことに触れたポップなども一切なかった。
唯「大丈夫だってぇ。そんなにしないよ、多分」
わくわくが抑えきれないといった顔で言う。
とにかくやってみたくて仕方がないんだろう。
唯「いこっ」
と、手を引っ張られてしまう。
朋也「あ、おい…」
―――――――――――――――――――――
唯「あのぉ、すみませぇん…」
女「…なんだい。客かい」
唯「はい、そうですっ」
女「じゃ、座りな」
唯「あ、はいっ」
易者と対面する。
618 = 162 :
女「で、なにをみて欲しいんだい。将来性、恋愛運、金運…自分が気になることを言ってごらん」
唯「えっと…じゃあ、将来性でお願いしますっ」
女「手、貸してみな。両手な」
唯「はい」
言われたとおりに従う。
女「ふむ…」
時に揉んだ手をじっと見つめ、時に指で掌線をなぞったりしていた。
女「あんた、変わった感性をしてるようだね。はっきりいって変人だよ」
唯「へ、変人…」
女「それに、注意力散漫なところもあって、どこか抜けてる」
唯「うぅ…」
女「でも、人の気持ちを察したり、周りを明るくすることに長けてる」
女「そんなところが好かれて、人が集まってくるようだね」
…当たっている。その通りだった。
女「味方が多い人生を歩めるだろうね。なにかあれば誰かが助けてくれるくらいに」
620 = 161 :
女「そんな環境だから、なにかやりたいことがあれば、成し遂げられる可能性は高いよ」
女「それに、あんた自身も素質に恵まれているようだしね」
唯「ほんとですか?」
女「ああ。芸術面と知能面に適正があるよ。音楽でもやれば、人の心をしっかり掴むことができるだろうし…」
女「勉強すれば、いい成績を残せるだろうね」
唯「ええ、私成績ぜんぜんよくないですよ? 一年生の時は追試になっちゃったし」
女「それはあんたの努力不足だよ。やればできるんだから、頑張りな」
唯「はぁい…」
女「それと、あんた今いくつだい?」
唯「17歳です。高校三年生です」
女「そうかい。じゃあ、心しておきな。この時期、あんたの人生に今後深く関わってくるパートナーが現れるから」
唯「パートナー?」
女「まぁ、ありていに言えば彼氏だね。それで、その男なんだけど、必ずしもあんたとくっつくわけじゃないからね」
女「もし、一緒になれなかった時は、もちろんその後の人生もガラッと変わってくるよ」
女「ああ、でも、不幸になるって言ってるわけじゃないよ。ただ、幸せの形が変わるってだけだからね。そこは心配ないよ」
621 = 162 :
唯「それなら、大丈夫ですっ。もう、朋也が私の彼氏になってくれましたからっ」
なんて恥ずかしいことを初対面の人間に言うのだろう、こいつは…。
唯「朋也は、私の運命の人だったんだねっ」
朋也「んな大げさな…」
女「この無愛想なのがそうとは限らないよ。あんたくらい器量がよければ、他にも候補はたくさんいるだろうからね」
唯「そんなことないですっ、私には朋也だけですからっ」
朋也(ぐあ…)
体温が上がっていく。顔が熱い…。
俺はシャツをはだけさせて必死に熱を逃がしていた。
女「愛されてるじゃないかい、彼氏くん」
朋也「はは…」
唯「朋也、愛してるぅ~、ちゅっちゅっ」
朋也「こ、こら、やめろっての…」
女「まぁ、これであんたの占いは終わりだよ」
唯「ありがとうございましたっ」
女「次は彼氏くんかい?」
622 = 161 :
朋也「俺はいいっす」
唯「ええ~、朋也も占ってもらおうよぉ~」
女「彼女もこう言ってるんだ、座りな」
朋也「はぁ…」
成り行きで俺も占ってもらうことになってしまった。
唯と交代で座る。
女「で、なにをみてほしい?」
朋也「寿命で」
女「そんな具体的なのは無理だよ。もっと全体的な大きな流れのあることにしな」
朋也「漠然といつ死ぬかでいいっす。何歳代の時とか、そんな感じで」
唯「朋也、死んじゃやだよぉっ」
後ろから抱きついてくる。
朋也「いつかは死ぬんだからしょうがないだろ…離れろって」
唯「うぅ…その時は、私が楽しいお葬式にしてあげるからね…」
こいつは本当は俺のことが嫌いなんだろうか。
女「…まぁ、そんなに死期が知りたいなら、一応やってあげるよ。手、出しな」
623 = 169 :
ドキドキ
624 = 162 :
さっきと同じ要領で鑑定が始まる。
最中はずっと手がくすぐったかった。
女「…こりゃ、また珍しい…」
目を丸くして、溜めがちに言った。
女「ちょっとした行動、選択次第で、ここまで結末が変わるとはね…」
結末…?
朋也「あの、どういうことっすか」
女「そのまんまの意味さね。自分のありかた次第で未来が変わっていくってこと」
朋也「それ、普通じゃないですか」
女「あんたの場合はちょっと人と違うんだよ」
女「あったかもしれない未来、その可能性の振れ幅が大きいんだ」
女「例えば、怠惰な受験生がいて、入試に落ちたとする」
女「そして、本命じゃないにせよ、第三志望に受かっていたら、そこで選択肢が生まれる」
女「そのまま第三志望に進学するか、本命に受かるために浪人するか、すべてを諦めてニートになるか…様々だ」
女「それは一見、人生を大きく左右する大事な選択のようにみえるけど、実はそうでもない」
女「ニートを選ぼうが、一念発起して再受験を志す奴はそうするし…」
625 = 161 :
女「進学しても、腐って辞める奴もいれば、頑張っていい人生を目指す前向きな奴もいる」
女「浪人するにしたって、頑張る奴、怠ける奴、どっちも同じようにいる」
女「結局は、そんな選択とは無関係のところで、本人の資質が一番重要になってくるんだ」
女「それによって進むべき人生の方向性が定まっていくかんだからね」
女「だから、どの道をいこうが、最後には似たような場所にたどり着くことが多い」
女「例外があるとすれば、事故や、不運…自分の努力じゃどうしようもない巡り合わせだね」
女「そう…そんな抗いがたい運命とでもいうべき事の流れが極端なのが、あんたなんだよ」
女「身の振り方によってまるで別方向の人生に別れ、けっして一本で交わることがないんだ」
女「あたしも長くこの仕事やってるけど、こんな奴初めて見たよ」
朋也「はぁ…」
俺にはこの人が言っていることも、その例えもよくわからなかった。
朋也「それで…俺、いつ頃死ぬんすか」
女「そんなの、あんた次第としか言えないね」
朋也「そっすか」
単にわからなかったから適当なこと言ったんじゃないだろうな…。
627 = 162 :
朋也(まぁ、いいけど…)
朋也「じゃあ、もう行くんで、お会計お願いします」
女「ああ、お金なんかいらないよ。特別にタダってことにしてあげるよ」
唯「いいんですかっ?」
女「ああ。もうこの町も今日で去るしね。それに、変わった手相も見れたし、あたしゃ満足だよ」
唯「わぁ、じゃあ、朋也のおかげだねっ。さすが朋也だよぉ、好き好きぃ~」
また後ろから抱きついてくる。
朋也「立つから、離れてくれ」
唯「このまま立っていいよ?」
朋也「そしたら、おまえがぐちゃーってなるじゃん」
唯「ならないから、立ってみて?」
朋也「ほんとに立つぞ」
唯「どうぞどうぞ」
朋也「後で文句言うなよ…」
立ち上がる。すると、流れるように体をシフトさせ、そのまま俺の腕に絡んできた。
628 = 161 :
朋也「おお…」
唯「ね?」
朋也「ああ、すげぇな」
唯「えへへ」
変なところで器用な奴だった。
朋也「それじゃ、ありがとうございました」
唯「ありがとうどざいましたぁ」
女「ふたりとも、いつまでも仲良くするんだよ」
唯「はい、もちろんですっ」
しゅび、っと片手で敬礼の形をとる。
別れの挨拶を終えると、俺たちは腕を組んだままその場を後にした。
―――――――――――――――――――――
唯「ねぇ、朋也。プリクラ撮らない?」
陽も少し傾きかけてきた頃、唯が言った。
朋也「そうだな…じゃ、ゲーセン寄っていこうか」
唯「うんっ」
629 = 162 :
―――――――――――――――――――――
唯「う~ん…」
プリント機の中、唯が画面と向き合っていた。
唯「ねぇ朋也、美白にしちゃう?」
朋也「いや、普通でいってくれ」
唯「美白朋也もみてみたかったなぁ~」
朋也「俺は黄色人種でいいよ」
唯「お、アジア人の鏡だね」
朋也「だろ?」
唯「うん、あはは」
ガイド音声が流れ、撮影に移行したことが知らされた。
唯は俺の隣に立ち、寄り添うように腕を絡めてきた。
俺も枠に収まりきるよう、体をくっつけた。
少し照れくさい。カメラで映し出された俺の顔は、なんとも締まりがなかった。
朋也(む、いかん…)
キリッと表情を作る。だが、それだと怒っているように見えた。
自分の生まれ持った仏頂面が恨めしい。こういう時の微調整が難しいのだ。
一方、唯の方はいつも通りのにここやかな人懐っこい笑顔だった。
631 = 161 :
朋也(俺も合わせなきゃな…よし…)
俺の必死な試行錯誤が始まった。
そうこうしている内に、何度か撮られる。
次に、今撮った画像データが表示され、編集する一枚を選ぶよう促された。
唯「これでいい? 朋也が一番自然に笑ってるよね」
そう、その一枚以外は表情がぎこちなかったり、睨んでしまったりしていたのだ。
朋也「そうだな、それにしてくれ…」
唯「じゃ、これにするね」
選択すると、隣の落書きスペースへ向かった。
―――――――――――――――――――――
唯「ふんすっ、ふんすっ」
朋也「なにやってんの」
唯「ハートスタンプいっぱいつけてるんだよ」
朋也「そっか…」
唯の方のタッチパネルを見てみる。もうかなりの数がふたりの周りにあった。
朋也「でも、もうそろそろいいんじゃないか、ハートもさ」
632 = 162 :
唯「そうだね、このくらいにしとこうかな」
ペンを置く。
唯「あれ? 朋也はなにもしないの?」
朋也「ああ、俺は別に」
唯「じゃ、そっちも私がやっていい?」
朋也「ああ、いいけど」
唯「やったっ」
俺の側にあったペンを取り、嬉々としてパネルと向かい合った。
今度はネタに走ったようで、当て字で『愛死手瑠(あいしてる)』などと書き込んでいた。
―――――――――――――――――――――
空がオレンジ色に染まる中、俺たちは帰り道をゆっくりと歩いていた。
唯「えへへ~」
ゲーセンを出てからも、唯はずっとシールを眺めていた。
唯「どこに貼ろうかなぁ…携帯に貼っとこうかな…あ、ギー太もいいかもっ」
朋也「あんまり目立つとこはやめとこうぜ。バレたらことだしな」
唯「私たちが付き合ってること?」
633 = 161 :
朋也「ああ」
唯「もう言っちゃおうよ。公言して回ろうっ。そしたら、朋也の浮気防止にもなるし」
朋也「そんなことする予定ないから、しなくていいって」
唯「朋也にその気がなくても、女の子の方から、好き~ってくるかもしれないでしょ」
朋也「そんなこと一度もなかったし、もしこれからあったとても絶対断るよ」
唯「ほんとかなぁ? 朋也、可愛い女の子に弱いからねぇ…」
朋也「そうだな。だから、逆に信用できるだろ? おまえが一番可愛いと思ってるからな、俺は」
唯「…えへへ、ありがとう」
小首をかしげて、照れたように微笑む。
結果的に口止めを続行させることに成功していた。
今度からなにか言いくるめようとする時は、こういう手を使っていこうと、そう思った。
―――――――――――――――――――――
唯「あ、そうだ。憂にお土産買って帰ってあげなきゃ」
もうそろそろ平沢家に帰り着こうかというころまでやってくると、思い出したようにそう口に出した。
朋也「って、もうとっくに町なかから離れちゃったぞ」
唯「大丈夫、お土産はパンにするつもりだったから」
634 = 161 :
朋也「そんなこと一度もなかったし、もしこれからあったとしても絶対断るよ」
635 = 162 :
朋也「コンビニかなんかか」
唯「ううん、行きつけのパン屋さんがこの近くにあるんだ。朋也も来る?」
朋也「ああ、いくよ。最後までおまえを送っていきたいしな」
唯「えへへ、そっか。じゃ、いこうっ」
朋也「ああ」
―――――――――――――――――――――
朋也(ここか…)
公園のすぐ正面。一軒のパン屋があった。『古河パン』と看板にある。
朋也(すっげー地味な店…)
ガラス戸は半分閉じられていたが、中からは煌々とした明かりが漏れている。
まだ営業中のようだった。
にしても、入りづらい佇まいである。常連客以外が、訪れることがあるのだろうか?
俺がパンを求める客であったなら、遠くても別のパン屋を探すだろう。
唯「こんばんはぁ~」
でも今は唯について来ているのだから、ここに入るしかない。
戸の敷居を跨いで、中に踏み入る。
―――――――――――――――――――――
636 :
おはよ。
>>1は寝ずに書いてるのかな?
637 = 161 :
唯「あれぇ…」
誰もいなかった。
唯「早苗さぁ~ん、アッキ~」
声をかける。
それでも返事はなかった。
朋也(留守なのか…だとしたら、取られ放題だぞ…)
俺は棚に並べられたパンに目を向ける。
朋也(かなり残ってるな。どうするんだろ、これ…)
こんな遅い時間だというのに、トレイには大量のパンが並べられていた。
見た目はうまそうだ。
声「こんばんはっ」
いきなり背後で声。
驚いて振り返ると、ひとりの女性がすぐ近くに立っていた。
エプロンをしているところを見ると、きっと店員なのだろう。
唯「あ、早苗さんっ」
早苗「あら、唯ちゃん。今日はどうしましたか」
この人が昼に唯の口から出てきていた例の『早苗さん』なのか…。
若く、とても綺麗な女性だった。
638 :
前スレってどこで落ちたんだ?
iPhoneで見てたんだが途中作業してて692までなんだが・・・
639 = 162 :
唯「パンを買いにきたんだよ」
パン屋に来るのにそれ以外の理由があるんだろうか。
早苗「そうでしたか。でも、代金は結構ですよ。全部、余り物ですから」
唯「ほんとに? やったぁっ」
そんなことで、この店の経営は大丈夫なんだろうか…。
唯「じゃあ、早苗さんの今週の新商品がいっぱいほしいなぁ」
早苗「どうぞ、持っていってください、私の『パン・インザ・パン』」
唯「今回のはどんな感じなの?」
早苗「パンの中に、さらにもうひとつ小さいパンが入ってるんです」
早苗「もちろん、どちらも同じ味ですよ」
それは二重にする意味があるのか…?
唯「おもしろいねっ」
早苗「私も自信があったんですけど、なぜかひとつも売れなくて…少し落ち込んでたんです」
唯「大丈夫だよ、私は早苗さんのパンが素ですごく好きだから」
早苗「いつもいつも、ありがとうございます、唯ちゃん」
640 = 636 :
>>638
そこで終わり
641 = 161 :
唯「えへへ」
早苗「ところで…」
俺を見る。
早苗「こちらのかっこいい男の子は、もしかして唯ちゃんのボーイフレンドですか?」
唯「実はねぇ…その通りなんだ」
早苗「まぁ…唯ちゃんも、やりますねっ」
唯「えへへ~、そうでしょ~」
ピースサインを作ってみせる唯。
早苗「お名前、教えてもらってもいいですか?」
俺に向き直り、そう訊いてきた。
朋也「岡崎っす」
早苗「私は、古河早苗といいます。よろしくお願いしますね」
朋也「ああ、はい、こちらこそ…」
早苗「それで、岡崎さん」
朋也「はい」
642 = 162 :
早苗「唯ちゃんと、末永くお付き合いしてあげてくださいね。すごくいい子ですから」
朋也「はぁ…」
憂ちゃんに言われたこととほとんど被っていた。
だが、この人からはなにか母親のような、そんな包容力が感じられた。
そこが憂ちゃんと唯一違う点だった。
こんなに若いのに、そう思えてしまうのは、大人の落ち着きと、この人の持つ温かい雰囲気からだろうか。
ならきっと、憂ちゃんも成長すればこの人のようになれるだろう。
あの子も似たような資質を持っているのだから。
声「あーっ! てめぇはぁっ!」
朋也「あん?」
聞き覚えのある声。振り返ると、今度は目つきの悪い男が立っていた。
そう、その男とは…
秋生「きのう俺様が買ったエロ本を物欲しそうな目で眺めてた小僧じゃねぇかっ」
あのオッサンだった。
朋也「んなことしてねぇだろっ」
秋生「女々しいぞてめぇっ! そうまでして無垢な少年を演じてぇのか、こらっ」
早苗「秋生さん、そういう本を買ってたんですか?」
秋生「しまったぁあああああああああっ!」
643 = 161 :
秋生「早苗、好きだ」
早苗「はい、私も好きですよ」
ものすごいごまかし方だった!
朋也(つーか、このふたり、夫婦かなんかなのかな…)
そう見えなくもない。というか…多分、そうなんだろう。
この店の名前が古河パンで、早苗さんの苗字も古河。
そして、このオッサンのサバゲーのチーム名も古河ベーカリーズだった。
これはもう、入籍していると見て間違いない…と思う。
唯「やっほ、アッキー」
朋也(アッキー?)
ということは…このオッサンが唯と小さい頃遊んでいた人物だったのか…。
なぜか、小さい子供と一緒になってはしゃぐこの人の姿が容易に想像できてしまった。
それはやっぱり、この人もまた子供のような振る舞いを平気でしてしまえるからなんだろう。
秋生「お、唯じゃねぇか。どうした、道に迷って家に帰れなくなったのか」
唯「そんなわけないでしょ~、いくら私でもこんなご近所さんじゃ迷えないよ」
秋生「じゃあ、なんだ、あれか…冷やかしか、おいっ!」
唯「違うってぇ。ちゃんと買いに来たんだよ」
秋生「おー、そうかそうか。じゃあ、早苗のパンを買っていけ。おまえ、好きだろ」
644 = 162 :
唯「うん、大好きっ」
秋生「よしよし、いい子だ。おまえくらいのもんだからな、自ら舌に過酷な負荷を与える奴なんて」
早苗「あの、どういう意味でしょうか」
秋生「早苗、愛してるぞ」
早苗「ありがとうございます。私も、秋生さんが大好きですよ」
ごまかしたということは…早苗さんのパンは、この店に並ぶパンの中での地雷なんだろうか。
そういえば、唯も創作サンドイッチで妙な物を作って、早苗さんを参考にしたような旨の発言をしていた。
つまりは、そういうことなんだろう。
唯「ていうかさ、アッキーと朋也って知り合いなの?」
秋生「ああ、きのうこいつがエロ本強盗しようとしてたところを、俺様が踏みとどまらせてやったんだ」
朋也「って、んな根も葉もない嘘をつくなっ! そもそもエロ本を買ってたのはあんたのほうだろっ」
秋生「シャラーーーーーーーップ! あれはただの参考書だっ!」
早苗「秋生さん、お勉強するんですか?」
秋生「ああ、俺はインテリになる。そして、この古河パンを全国チェーンで展開できるまでに発展させるんだ」
早苗「それは、すごいですねっ。頑張ってくださいっ」
秋生「ああ、任せろ。がーはっはっは!」
645 = 638 :
>>640
そうか
よかった
646 = 350 :
>>1もうあと3時間くらいで24時間連続だぜ…
寝なくて大丈夫かよ
647 = 161 :
なんなんだろう、この人たちは…。
あまり関わり合いになってはいけない気がする…。
朋也「おい、唯。さっさと選んで帰ろうぜ」
秋生「こら、小僧っ! なに下の名前呼び捨てしてやがるっ」
早苗「秋生さん、この岡崎さんという方は、唯ちゃんのボーイフレンドなんですよ」
秋生「なにぃいいいいいっ!? 許さんぞっ! こんなウジ虫なんかにうちの娘はやらんっ!」
唯「って、私はアッキーの子供じゃないでしょ」
秋生「ん、そういえば、そうだった時期もあるな」
なぜ反抗期のように言うのだろう。
唯「アッキーの本当の子供は、渚ちゃんじゃん」
秋生「ああ、そうだな…そうだよな…」
早苗「秋生さん、渚が進学してこの町を出てしまったものだから、寂しがってるんですよ」
早苗「だから、唯ちゃんが娘だったらっていう願望が出ちゃったんですよね」
唯「へぇ、そうなんだ、アッキー?」
秋生「ん、まぁ確かにそういう事情もあるが…」
秋生「そうじゃなくても、俺はおまえを我が子のように思ってるけどな。もちろん憂もだが」
648 :
渚がでるのかドキドキする
649 = 162 :
早苗「私も、そう思ってますよ」
唯「えへへ、ありがとう。私もふたりを本当の両親みたいに思ってるよ」
唯「うちのお父さんとお母さんはお仕事で家にいないことが多かったから、小さい頃からお世話になってるもんね」
秋生「そうだな。俺もよくおまえのオシメを替えてやったもんだぜ」
唯「そこまではしてもらってないよね…幼稚園の頃くらいからだから」
秋生「ま、それくらいに思えるほど長い付き合いだってこった」
唯「そうだね。渚ちゃんにも、ずっと遊んでもらってたしね」
唯「もう、私と憂にとっては、本当のお姉ちゃんだよ、渚ちゃんは」
お姉ちゃん…年上か? なら、確実に高校は卒業している年齢のはずだ。
それが娘だというこのふたり…とてもそうは思えないほど若く見える。
早苗さんなんか、制服を着れば今でも女学生といっても通用するくらいなのに…。
にわかには信じられない…。
秋生「渚のやつも、おまえら姉妹を本当の妹のように思ってるぞ」
秋生「おまえらが志望校に合格できたってわかった時は、自分の時より喜んでたからな」
秋生「力有り余って、あの地獄のようなだんご大家族ラッシュで祝ってたしな」
唯「ああ、あれはすごかったよね」
その時のことを思い出したのか、三人とも笑い出していた。
650 = 161 :
なんだか俺一人が蚊帳の外で、少しだけ寂しかった。
唯「それで、渚ちゃんは今元気?」
秋生「ああ、何事もなく楽しい女子大生ライフを送ってるみてぇだ。近況報告の手紙に書いてあった」
唯「そっか…よかった。渚ちゃん、病気がちだったからね」
秋生「そうだな…原因不明だったせいで、治療のしようがなかったからな…」
秋生「だが、定期的に起きてた発熱が、ある時を境に全く無くなって、そこからだな。あいつが元気になっていったのは」
秋生「っとに、気まぐれすぎるぜ、神様ってのはよ…」
言って、くわえタバコをくゆらせた。
秋生「ま、それはいいとして…パンだったな」
店内を見渡す。
秋生「好きなもん好きなだけ持っていけ。どうせ売れ残りだ。この後近所にさばく予定だったからな」
秋生「ただし小僧、てめぇは有料だ。倍額で買ってけ、こらっ」
朋也「いらねぇっての。つーか、一割引きしてくれるんじゃなかったのかよ」
秋生「なんでおまえなんかに割り引いてやらにゃならねぇんだっ! そんな筋合いはねぇっ!」
朋也「サバゲーで負けて、自分から言い出したんだろうがっ」
みんなの評価 : ★★★×4
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