元スレ女「うぇっ……吐きそう……」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
202 = 137 :
ヴぉす
206 = 137 :
ヴぉす
207 = 205 :
さ
208 :
男「それで、いつになったら話してくれるんだ」
女「えっ?」
遅めの夕飯時。
俺は野菜炒めを口で咀嚼しながら、何げなく問う。
男「家に帰らない、本当の理由だよ」
女「……わけわかんない……」
少女はふて腐れたように、そっぽを向く。
身体は大人びていても、年相応の幼さが滲み出る。
男「分かるだろ、ほら」
彼女の触れたくないことだって。
既にわかっていたことだけど。
それを話さない限り、前には進めないはずだから。
女「…………」
男「お母さん、バーのママやってんのな」
女「……ッ」
209 = 208 :
女「ま、まさか」
男「ちょうど、仕事が早めに終わったもんだから」
男「無駄話を少々」
あの後、同僚から女の家の連絡先を聞き、
日が暮れるまで少しの間、保護者面談擬きをしていた。
まあ、同僚には多少怪しまれたけれど。
女「ちょっ、ちょっと信じらんないっ!」
女「連絡はしないって言ってたのに! 嘘つきっ!」
男「嘘つきで結構です。嘘も方便っていうしな」
バンッ!
女「最悪っ! もう私、出てくっ!」
よほど母親と会われたのが腹に立ったのだろう。
貸した箸をテーブルに叩き付けて、席を立つ。
211 = 208 :
男「まあ、そう怒るな」
女「ちょっと信頼しかけてたのに……ホント最低」
男「……まあいいから座れ」
女「いやですっ! もうあんたと同じ空気を吸うのも嫌よ」
意外にやっかいだった。
仕方ない……。
男「特にお前のことを話してきたわけじゃないよ」
女「はっ? また得意の嘘?」
男「違う違う。さっきも言ったろ、『無駄話』だって」
212 = 208 :
女「……じゃあ」
男「ん?」
女「何を話して来たって言うの?」
男「とりあえず、座れ。話はそれから」
女「…………」
ガタン。
多少、音は立てたが、席に座ってはくれた。
ただまだ顔に残るのは猜疑心のみ。
ちょっと話の出始めを間違えたかな。
警戒心を解くのは時間がかかりそうだった。
215 = 174 :
>>214
高校のゆとり君、お帰り
218 = 208 :
男「教師ということは隠していった」
女「……どういうこと?」
男「ただの客として行ったってことだよ」
男「最近の世間話とか、ママの生い立ちとか……」
男「まあ、娘の話も多少はね」
女「……最低」
男「まあ、そう言うなよ」
女「結局、聞いてるわけじゃん」
男「別にお前のことばかり話してたわけじゃない」
男「今日の本題はな」
男「お前が嫌っているその母親が、どういう人となりかってことだよ」
女「…………」
219 = 208 :
さきほどの怒りはどこにいったのやら。
今は下を向いて口を閉じ……
この後、何を言われるか、分かりきっているように。
男「はっきり言うぞ」
男「娘思いのいいお母さんじゃないか」
女「……ッ」
普通に喋ってみれば、ある程度の性格は分かる。
たとえそれが猫かぶりであったとしても。
本当に娘のことを邪魔に思っているのならば、
あんな、笑顔……娘の話の最中に、するわけないじゃないか。
男「自慢の娘だってよ」
女「…………」
220 = 208 :
男「時々、モデルもやってるって言ってな」
男「頼んでもいないのに、その写真も見せてもらった」
女「……変態」
侮蔑の言葉にもキレがない。
ということは、自覚しているってことか。
なら……
男「お前さ、俺に昨日言ったよな」
男「『あの母親が心配するわけない』みたいなこと」
女「………う……」
男「心配しない? そんな親じゃない?」
男「いいや、違うな」
男「心配しないわけがない。そんな親なわけがない」
男「お前自身が一番、分かってるんだろ?」
女「…………」
その沈黙は肯定だ。
221 = 208 :
男「どうしてだ?」
男「一人でお前を育ててきたんだろ?」
男「女の身一つで養っていくのがどれだけ大変か」
男「お前だって……」
女「──分かってるっ」
急に声を張り上げる。
女「そんなこと……言われなくても分かってる……」
男「それなら何でなんだ?」
純粋に疑問だった。
しかし──
女「…………」
……少女は答えてはくれない。
222 = 208 :
男「ふーむ……黙ってちゃわからんのだが……」
正直、埒が開かない。
恐らく彼女の中で、
俺が話すに値するのか、計りかねているのだろう。
女「…………」
よし、なら俺の話でもするか。
最悪、彼女の気分転換にはなるだろう。
まあ、ちょっと重い話ではあるけど。
男「実はな、俺も片親なんだよ」
女「……へっ?」
男「ただお前と違うのは、それが父親だったってこと」
男「でも、血は繋がっていない」
女「それって……」
223 = 208 :
男「父親代わりをしてくれたってことだよ」
女「…………」
男「赤ん坊の頃に両親が死んで、母親の弟、つまり叔父か」
男「その独身だったあんちゃんが俺を引き取って……」
男「一応、育ててくれたったわけ」
女「……じゃあ、両親の顔は覚えてるの?」
少し喰いついてきた。
俺は彼女の疑問に答える。
男「覚えていない。いや、正確には覚えていなかった」
224 = 208 :
男「後で写真を見せてもらったからな」
男「その時に、初めて知った」
女「…………」
少女は思い詰めるような表情で。
喉まででかかっていた言葉を……やっと、吐き出す。
女「わ、私……」
男「……ん?」
女「お父さんの顔……みたことないんだ……」
男「…………」
俺は黙って彼女の言葉に耳を傾ける。
女「母さんは……」
225 :
さる
227 = 174 :
何この、最初からは全く想像のつかない展開。
あの時の選択肢が違ったらどうなってたの?
228 = 205 :
紫煙
229 = 106 :
>>225
>>226
おいやめろ
感動して泣きそうだったのに吹っ飛んだじゃねえか
230 = 109 :
ほっほっほ
231 = 225 :
>>229
何言ってんだお前?
232 = 109 :
>>229
こいつは何を言っているのだ?
233 :
お母さんがサルに見えたんだろ
234 :
ハンマー・セッション思い出した
235 = 226 :
さるまだ
237 = 208 :
女「お父さんのこと、何一つ話してはくれない」
女「こないだもそうよ……」
女「私が、お父さんの写真を見せてって言ったら……」
女「『そんなのはどこにもない』って」
女「『もう、父親のことは忘れなさい』って」
男「…………」
女「だから私……母さんと喧嘩しちゃって……」
男「……そうか」
そういう事情があったわけか。
238 = 208 :
女「で、でもっ! 普通なことでしょっ!」
男「ん?」
女「父親の顔を一度でも見てみたいって、思うことは……」
女「……当然、だよねっ?」
男「…………」
……………。
君は気付いているのか。
……意識しているのだろうか。
……………。
父の存在を何故か隠そうとする母。
それに反抗し、父の影を追い求める娘。
何かがまだ、欠けているような気がした。
“お”父さん……か。
……………。
……………。
240 = 109 :
厨二臭いと思ってしまった
241 :
ナメック星の下にこんなスレタイだったから
ピッコロが卵を吐いてる所を想像しちまった。
243 :
携帯小説っぽいが、おもしろいのでしえん
244 :
まさか男=お父さん…んなわけないかwww
246 :
ちょっと年齢が上がったこじかみたいな話だな
247 :
このスレ気持ち悪い
248 = 106 :
これは次すれいるんじゃまいか?
250 = 233 :
さっぱり意味がわからないが支援
みんなの評価 : ★★★
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