元スレ女「うぇっ……吐きそう……」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
男「…………」
初冬を感じさせるような、肌寒いある日の夜刻。
見知らぬ小娘が俺の家の前で──
女「グェェェーーーーッ!」
ゲロっていた……。
女「あー、すっきりしたぁ……」
男「う、嘘だろ……」
女「……ん?」
女「あっ、センセーじゃ~ん」
2 = 1 :
この酔っぱらいめ。
親御さんが泣いてるぞ、って……
男「……せ、せんせい?」
女「うへへ、こんばぁんわぁ~」
男「…………」
あれ? なんか見覚えが。
男「……ま、まさか」
女「うははは~」
男「……女?」
……………。
……………。
3 = 1 :
時は経過して……。
おんぼろアパート一室のソファーの上で、
酒臭い一人の小娘が寝転んでいた。
俺はコップを片手に彼女の元へ。
男「ほれ」
女「……え?」
男「水だ。少しは楽になるぞ」
女「どうも……」
今だ目をとろ~んさせ、顔を仄かに赤く染めていた。
明るい所で見ればよく分かる。
間違えるはずもない。この娘は俺の教え子だった。
男「……聞きたいことは山ほどある」
女「…………」
4 = 1 :
男「頭は少しは冴えてきたか?」
女「……まぁ、多少は」
コップに口を付けながら、彼女は上目遣いで俺を見る。
まだ酔いはかなりありそうだ。
喋りながら少しずつ改善してくれればいいが……。
男「まず初めに」
女「……はい」
男「どうやって、俺の家の住所を知った?」
女「……ええと」
男「このご時世だ。住所の名簿は渡されていないはずだが」
女「……見たんです」
男「ん?」
5 = 1 :
女「この通りを歩いていた時に偶然……」
男「俺がここに入るのを?」
女「……はい。……あ~……頭いたっ……」
男「……そうか」
女「すみません。もう一杯水貰えます?」
男「おう……」
流し台にいき、水道水をコップに注ぐ。
すると、ソファーの方から声が聞こえた。
女「……えっ。水道水なんすか?」
女「ちょっとそれ嫌なんですけど……」
意外とずうずうしかった。
6 = 1 :
男「水道水なめんなよ。殺菌されてるから心配ない」
女「いや、逆にそれが不安というか……」
男「わがまま言うな。俺の家には、水に金を払う余裕などない」
女「そんな自慢げに言われても……」
男「ほれ」
女「……ありがとです」
文句を言いながらも水を飲み始める少女。
相当、自分の酔いを自覚しているようだ。
男「続けて良いか?」
女「あ、はい」
男「俺の家を知っていた理由は分かった」
男「じゃあ次。どうして、そんな状態なんだ?」
女「…………」
7 = 1 :
男「未成年の飲酒は法律で禁止されてる」
女「う……」
男「今すぐ、ご両親に連絡してもいいが……」
男「教え子を易々売るのも気分がいいもんじゃない」
女「……すみません」
男「いやいや、まだそう決まったわけじゃないぞ」
男「きちんと俺に説明してくれてからな?」
女「…………」
俯いて黙りこくる少女。
少し厳しめにいこうか……。
男「黙ってちゃ分からん」
男「これだと連絡せざるを得ないぞ」
男「尋常じゃない飲酒量だ。問題ないというほうがおかしい」
女「…………」
8 = 1 :
男「ご両親もかなり心配しているはずだぞ」
女「……ッ」
少し反応があった。
男「…………」
目の前にいる少女は確か二年B組。
ちなみに俺は、彼女の担任ではない。
数学の科目を担当しているだけで、週に三回ほど会うだけだ。
そんな彼女のことを鮮明に記憶している理由は単純で、
それはつまり、彼女の容姿が一際目立つからに他ならない。
教師の間でも然ることながら、生徒の間だと最早芸能人扱いだ。
聞いた話ではそれもあながち間違いではなく、
時にはモデルとして、ファッション雑誌に載っているらしい。
性格は良。成績も良。
悪い噂はあまり聞かないし、教師受けも悪くない。
そんな彼女が目の前で、泥酔していた。
何かただならぬ訳があるのだろうと初めは考えていたが……。
男「違うな」
9 = 1 :
女「……え?」
男「こうやって酔うのは初めてじゃないだろう?」
女「……っ」
男「……常習犯か。どこで飲んでるのかしらんが、かなり問題だな」
女「……ぅ」
男「両親はこのことを知ってるのか?」
知らないはずはない。だが、敢えて聞いた。
それが恐らく彼女の弱みだと思うから。
女「…………」
男「悲しむと思うぞ。いいのか?」
女「くっ……」
男「こんなことばかりして、ご両親が可哀想だと……」
女「あん……に……な……わかる……」
男「そんな小さな声じゃ聞こえん」
女「くっ──」
10 :
近づくと女の様子がおかしい事に気が付いた。
男「どうしたんだ?」
女「・・・」
男「?」
反応のない女を尻目に教室に入ろうとしたその時
男の目に映ったのは、
首のない彼女の両親だった
男が慌てて振り返ろうとすると頭部に強い衝撃を受けた。
薄れ行く意識の中で俺は全てを理解した。
(ああ、あんただったのか)
11 = 1 :
女「あんたに何が分かるんだって言ったんだよ!!」
男「…………」
唐突に彼女の感情が暴発した。
女「親、親、親って、私の親が心配してるわけねぇだろっ!」
男「…………」
女「ちょっと教師だからって良いヤツぶりやがって……」
女「分かってんだよ、お前らの視線が私の体に向かってることぐらいよ!」
男「…………」
女「ちっ……どいつもこいつも……」
いつもの様子からは想像もつかなかった。
言葉遣いは荒く、目つきは険しい。
だが、俺は疑問だった。
男「なぁ……」
13 = 1 :
女「……なんだよっ! 何か文句でもあるのかっ!」
男「その不良ぶった言い方さ……」
男「正直、疲れるだろ?」
女「…………」
男「普通に喋れよ普通に」
男「お前慣れてないだろ? わざわざ悪ぶろうとするな」
女「……っ」
先ほどの威勢はどこにいったことやら。
悔しそうに唇を噛み締めている。
少し沈黙の間が続いた。
先に口を開いたのは少女の方。
女「ど、どうして……?」
15 :
ふひひ………………………………………………
サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwww
16 = 1 :
男「ん? 何のことだ?」
女「……口調のこと……」
男「ああ、別に簡単だ。今時、あんな言い方するのはヤンキー崩れだけ」
男「レディースなんてのが存在してたときは、ああいう娘も少なからずいたけど」
男「今はそう見ないな」
女「…………」
男「分かった?」
女「……うん」
男「…………」
あれ? これはこれで違う気が……。
彼女の口調に違和感を覚える。正直、馴れ馴れしい……。
女「普通に喋れって言ったのはそっちでしょ?」
男「まあ、そうだが……」
18 = 1 :
女「私もこっちのほうが楽だから」
男「…………」
女「それで?」
男「は? それで、とは?」
女「これからどうすんの? 私の親に連絡するの?」
男「……それも一つの選択肢だ。お前はどっちがいい?」
女「私はどちらでもいいよ。今更あいつは何も言わないと思うし」
男「あいつ?」
女「母親のことだよ……。父親はいないから」
男「そうか……」
母子家庭か……。少々複雑のようだった。
19 = 10 :
おもしろい
20 = 1 :
男「分かった……。連絡はやめよう」
女「そう」
男「……嬉しそうでもないな」
女「別に……」
男「まあ、いい。それで、酔いは冷めたか?」
女「普通に歩けて、軽く冗談を言えるぐらいは」
男「ならオーケーだ。今度からは飲んだとしても軽めに抑えとけ」
女「冗談を聞いてくれる……てわけでもないのね」
男「当たり前だ。急いで家に戻れ。もうすぐ零時を回るぞ」
女「…………」
21 = 1 :
しかし、女はその場から全く動こうとしなかった。
俺は再度促す。
男「夜道が怖いなら送ってくぞ」
女「…………」
男「何も言わないんじゃ、こっちも分からん」
女「…………」
女「帰りたくない」
帰りたくないって……。
ここは俺の家だぞ……。
女「もう何日もあの家には戻ってないし」
男「……ちょっ、ちょっと待て」
聞き捨てならなかった。
22 = 1 :
男「なら、今までどうしてたんだ? 野宿か?」
女「そんなわけないでしょ。昨日までは女友達の家に泊まってた」
男「……はぁ」
色々大変だな……。
男「家庭の問題はひとそれぞれだから、あまり余計なことは言えんが」
男「その女友達の家に今日も泊めて貰えば……」
女「それは無理」
彼女の綺麗な瞳は、確実に俺を捕らえていた。
自然と目を逸らしてしまう。
男「ど、どうして……?」
23 :
ちょっ、まてよ
24 = 1 :
女「今日の朝に、喧嘩した」
男「それだけじゃ、分からん」
女「あんまり言いたくはないけど……聞きたい?」
男「ああ、簡潔に頼む……」
女「分かった。簡潔に説明すればいいのね」
男「……おう」
女「その娘には二年ほど付き合ってる彼氏がいたんだけど……」
女「私に惚れちゃった。おしまい」
男「…………」
驚きのあまり声が出なかった。
俺は急いで次の案を探る。
25 = 1 :
男「じゃ、じゃあ、他の女友達んとこに──」
女「他はほとんど上辺だけの友達だから無理」
男「…………」
そんな寂しいことを平然とした顔で言うな……。
そうやって諭したいところを、何とか抑える。
男「ふーむ……」
足りない頭では妙案が思いつきそうもなかった。
しばし黙って熟考していると、
目の前の彼女は少し気分を害しているようだった。
女「ちょっといい?」
男「むー……ん? 何だ? 良い案でも見つかったか?」
女「良い案って……。聞くけど、そんなに私を泊めるの嫌なわけ?」
26 :
私怨
27 = 1 :
男「好みの問題ではない。教師としての倫理がな」
女「じゃあ、それを抜きにして考えてよ」
男「抜きにしてって……」
女「私は泊めるに値する? しない?」
男「…………」
正直、男としては確実に前者だった。
それだけ彼女は女として魅力的だ。
スタイルもいいし……って……。
女「で、どっちなの?」
男「…………」
男「……し、しない」
女「…………」
周りの温度が二三度下がった気がする……。
28 :
さすが数学教師!そこにしびれるあk(ry
29 = 1 :
女「……そう、ならもういい」
男「お、おい……もしかして素直に家に帰るのか?」
女「はっ? 帰るわけないでしょ?」
男「野宿するつもりなら、それはダメだ」
女「はいはい違いますから。てかもう関係ないんだから干渉しないでよ」
男「そういうわけにはいかない」
男「お前の担任ではないが、教師としては最後まで見届ける必要がある」
女「ふん、大人ってホント綺麗事ばかり」
男「ああ、綺麗事で結構。で、どこに泊まるんだ?」
女「だから、きちんとした住まいだって。もう、おせっかいは十分です」
男「いいから言え。どこだ?」
すると、彼女はここにはもう用が無いといわんばかりに立ち上がり、
俺を見下ろしてこう言った。
31 = 1 :
女「ほかの男んとこ」
男「な……」
女「先生と違って、他のみんなは喜んで泊めてくれると思うし」
自信の顕われか、彼女の右の口元が上がっていた。
しかし、どう考えたって……
男「ダメに決まってんだろっ!」
自然と立ち上がり、俺は怒声を挙げた。
胸の内では怒りがむらむらと沸き上がる。
男「相手がどういう意図で泊めるか分かって言ってるのか!」
女「わかってるわよ。私の好意目当てでしょ?」
男「それだけじゃない。運良ければ身体も、なんて考えてるんだぞ!」
女「べ、別にそんなの承知の上よっ!」
女「せ、SEXの一度や、二度くらい、減るもんじゃないわよっ」
こ、こいつぅ……。
33 :
ほほう
34 = 1 :
女「てかそんなことでピリピリしちゃって、先生まさか童貞?」
男「なっ……」
女「はっ、もしかしてマジだったり? うわ、その歳で童貞とか……」
男「ち、違う、俺は童貞ではない」
女「いいえ、童貞ですから。態度でバレバレよ」
女「しかもそれなら今までの怖じ気づきぶりも理解できるし」
男「ご、誤解だっ!」
女「はん? チェリー君が何言っても無駄ですから」
男「くっ……」
女「ほんと大人のクセしてガキ臭い」
何故かいつのまにか、俺が童貞か否かの問題に……。
色んな意味でマズかった。
37 = 1 :
男「てか、そんなことはどうでもいいっ!」
女「あ、ついに認めたんだ」
男「そのことじゃないっ!」
女「じゃあ、何?」
男「お前が男んとこに泊まるって言い出した話だ!」
女「いいじゃん、私の勝手でしょ?」
男「勝手じゃない。俺は許可しないからな」
女「何の権利をもってそんなこと言ってるわけ? ただのバカ?」
女「教師でも、プライベートまで干渉していいはずないんですけど」
男「くそ、あーいえば、こーいいやがって……」
女「しかも許可って……先生の許しなんて何の価値もないから」
38 = 1 :
確かに彼女の言い分は正しい。
教師だからといって、そこまで口出す権利はない。
一応、止めたのだから、後は本人の自己責任だ。
ただ──
男「俺は認めんぞ」
女「……はぁ……まだそんなこと言って……」
正直な話、ここが彼女にとっての分岐点のような気がするのだ。
選択を間違えれば、全てが悪い方向へ言ってしまうような。
そんな嫌な予感が付きまとって仕様がない。
だから……
1.男の恐ろしさを分からせる。
2.家に泊まらせる。
3.もう干渉しない。
>>50
39 :
なんだ、ただの神展開か
41 = 26 :
エロはいらん
46 = 33 :
遠いな
みんなの評価 : ★★★
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