私的良スレ書庫
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元スレ新ジャンル「幼女980円(税)」七人目。
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しばらく息の詰まるような沈黙が続く。
タマ君が踵を返し台所へ姿を消した頃、ようやく俺は
「いきなり来てごめん」 と口火を切った。
「そんなことはいいんだよ」
静かでありながらも、強い声だった。
「孫に遠慮されて、一体誰が得をするかね。
それより、ここへ来たからには、何かそれなりの用があるんだろう」
ばあちゃんの言うことは、いつも的確だ。
言葉の端々に余分なものが何一つとして無い。
それはいつもならとても親しみやすい要素のはずなのに、今この場では
少し心に痛かった。
胸の内のがらんとした空洞には頑なに気付かないふりをして、
俺は次の言葉を続ける。
「ミクが…いなくなった」
ばあちゃんは湯呑みに少しだけ口をつけ、ゆっくりした仕草でそれを置き、
答える。
「そうかい」
「こんなこと、今まで無かった。あいつは電車やバスなんかの乗り方を知らないから
どこへ行くにも、俺と一緒だった。
…いや、そうでなくとも実は今俺たち、少し厄介なことに巻き込まれてるんだ。だから余計に
ミク一人で出歩くようなこと、俺には考えられない」
「その『厄介なこと』について口を割る気はないんだね?」
俺は頷く。
「本当に悪いけど、今は何も言えない」
「そんなに長い話なのかい」
「それもある。だけどそれ以上に、これは多分、本当に繊細な問題なんだよ。
下手に話してしまったら、きっと取り返しのつかないことになる。
何か今ぎりぎり形を保てているものが、残さず崩れてしまう気がするんだ。
ばあちゃんにしてみれば、相談する立場でこんなことを言うなんて
どれほど非常識なんだと思うだろうけど、でもこれだけは譲れないんだ。
ただ、全てが一段落したその時にはきっと
何もかもを包み隠さずに話すから―」
自分でそんなつもりは無いのに、なぜだか最後は泣きそうな声になった。
たぶん色々なことが一度に起きた混乱のせいだろう。
少しでも気を弛めれば、我慢している感情が堰を切って溢れ出してしまいそうだった。
今や自分の口から出る言葉でさえ、余計に俺を動揺させる要因にしかならない。
どうしてこんなに、哀しいのだろう。
ばあちゃんは俺に茶を飲むよう促す。
混乱の中、言い返す言葉が思いつかなくて
俺は湯呑みに口をつけ、唇をほんの少し湿らす。
味は無かった。
「もうちょっとだけ落ち着きなよ。大丈夫だから。
…分かっとるかもしれんが、ずいぶんひどい顔をしてる」
ばあちゃんは、なだめるような口調だった。
「お前にしては珍しく、動揺してるみたいじゃないか」
「多分…そうだと思う」
と、俺は認める。
「正直、怖くてたまらないんだ。
ここ最近の俺はあいつのことばかり考えていたし、
いつも行動の基準に一番に置いてきた。
たとえばそれが突然なくなってしまったら、俺はどうなる?
そこから、誰と生きていけば良い?
そんなこと想像つかないし、できるなら想像したくない。
…少なくとも俺は俺じゃなくなって、二度ともどれなくなる。
そんな気がするんだ。理屈じゃない。
そうとしか思えないんだよ」
俺は早口にしゃべり、しかし尚言い足りない言葉を飲み込むように
茶を一息に飲みほした。
ばあちゃんは俺から目を逸らすように縁側の外へ視線を游がせていて、
それが俺にはありがたかった。
…分かっとるかもしれんが、ずいぶんひどい顔をしてる」
ばあちゃんは、なだめるような口調だった。
「お前にしては珍しく、動揺してるみたいじゃないか」
「多分…そうだと思う」
と、俺は認める。
「正直、怖くてたまらないんだ。
ここ最近の俺はあいつのことばかり考えていたし、
いつも行動の基準に一番に置いてきた。
たとえばそれが突然なくなってしまったら、俺はどうなる?
そこから、誰と生きていけば良い?
そんなこと想像つかないし、できるなら想像したくない。
…少なくとも俺は俺じゃなくなって、二度ともどれなくなる。
そんな気がするんだ。理屈じゃない。
そうとしか思えないんだよ」
俺は早口にしゃべり、しかし尚言い足りない言葉を飲み込むように
茶を一息に飲みほした。
ばあちゃんは俺から目を逸らすように縁側の外へ視線を游がせていて、
それが俺にはありがたかった。
その視線の先にある庭の風景は、彼女にはずいぶん見慣れたもののはずだ。
しかしばあちゃんはそうすることで何か別にある
目に見えないものを見据えてるらしいということが、俺には分かった。
それを倣うように、ばあちゃんの視線の先をたどる。
しかし俺の目に見えたのは、やはり見慣れた風景だけだ。
冬の空気は冷たく透き通っていて、
草木は夏に比べると幾分その生気を抑えこんでいるようだ。
俺たちはどちらからともなく口をつぐんでいた。
二人の間に、めいめい思考をめぐらすだけの穏やかな時間が流れた。
充分な時間が経った後、ばあちゃんは静かに
「ミクちゃんは、ここに来てない」
と言った。
両者楽しみにしてますお!
ミク氏はいいとこまで来てるねー、ミク幸せにしてね?
ミク氏はいいとこまで来てるねー、ミク幸せにしてね?
>>@黒百合さん乙!
>>@ミクさんも乙!読み手としてはそれほど気にならないかも?
にしてもミクさんの文章にどことなく村上春樹の匂いを感じる…文体の雰囲気が似てるとゆーか…
これ単純に俺の感想なんで気に障ったらごめん。
各SS職人の皆さんって意識してる作家さんとか愛読書とかあるの?
気まぐれに質問。
>>@ミクさんも乙!読み手としてはそれほど気にならないかも?
にしてもミクさんの文章にどことなく村上春樹の匂いを感じる…文体の雰囲気が似てるとゆーか…
これ単純に俺の感想なんで気に障ったらごめん。
各SS職人の皆さんって意識してる作家さんとか愛読書とかあるの?
気まぐれに質問。
>>157
意識している作家さんはいないなぁ。私。
愛読書は……もう売って無いけど、ゼロの使い魔とか……
今あるので、マリア様が見てるシリーズと、ノエインもう一人の君へ かな?
あーでも……やっぱここ最近は小説よんでないなぁ……
中学生とかの時なら、授業中でも読んでたのに。
ギブミー加速装置。
意識している作家さんはいないなぁ。私。
愛読書は……もう売って無いけど、ゼロの使い魔とか……
今あるので、マリア様が見てるシリーズと、ノエインもう一人の君へ かな?
あーでも……やっぱここ最近は小説よんでないなぁ……
中学生とかの時なら、授業中でも読んでたのに。
ギブミー加速装置。
>>157
いやいや、あんた凄いよ
というのは少し前に色々上手くいかなくて、このままじゃいかんなあと
その時書店で偶然手にとったのが海辺のカフカだったんだ。
だからもちろん及びつかないくらい稚拙な文章ではあるけど、
言われてみれば所々影響が出てるのかもしれないなあ。
同時期に読んでた東野圭吾の秘密とかも
意識してる作家さんは特に無いよ
雑食だし、まだそう言えるほど多い冊数読んでもいない
本というものを読みはじめたの本当に情けないくらい最近なんだ
しかしよく気付いたね
逆に村上春樹的な文体ってどんなの?と俺が教わりたいよ
いやいや、あんた凄いよ
というのは少し前に色々上手くいかなくて、このままじゃいかんなあと
その時書店で偶然手にとったのが海辺のカフカだったんだ。
だからもちろん及びつかないくらい稚拙な文章ではあるけど、
言われてみれば所々影響が出てるのかもしれないなあ。
同時期に読んでた東野圭吾の秘密とかも
意識してる作家さんは特に無いよ
雑食だし、まだそう言えるほど多い冊数読んでもいない
本というものを読みはじめたの本当に情けないくらい最近なんだ
しかしよく気付いたね
逆に村上春樹的な文体ってどんなの?と俺が教わりたいよ
うーむ。なんか短いネタなら浮かぶのに。
フランのヤツの続きが浮かばないって……
終わりだけあるのに、それに至るまでの肯定話が出来ない。
これは、あれか? 長編やめちまって短編を書けという神様のお告げか?
いや、神様なんて信じてませんが。
フランのヤツの続きが浮かばないって……
終わりだけあるのに、それに至るまでの肯定話が出来ない。
これは、あれか? 長編やめちまって短編を書けという神様のお告げか?
いや、神様なんて信じてませんが。
幼女を九百八十円税込みと言う屈辱的な値段で買ってやった。
僕を見てひどく憎たらしい表情を浮かべるので、幼女の頭をワシワシにしてやった。
さらに、その幼女を風呂にぶち込み、熱湯をぶっ掛ける。
無論、服は剥ぎ取って今は、錐もみ状態で回転しながら水浸しだ。愉快だ。
熱湯をぶっ掛けた幼女の全身を、ぬるぬるする液体を刷り込む。
その後で、さらに何度も熱湯をかける。
度重なる熱湯とストレスで、ふらふらの幼女を見る。ふふふ。愉快だ。
身体が、熱気に犯された所に、凄まじく冷えた甘ったるい液体を飲ませる。
温度差で苦しむがいい! 幼女の様子を見てニヤリと笑ってしまう。
熱湯に塗れたままだったので、さらに熱風を加えてやる。無論冷たい液体を飲ませつつだ。
温度差の苦しみがどれだけつらいか思い知る幼女を見てやはり笑う。
しばらくして、熱風による攻めをやめ、幼女にヒラヒラがたくさん付いて動きにくそうな服を与える。
ふんだんに存在するそのヒラヒラは、絶対に幼女の動きを鈍くするだろう!
「『 』。何を笑ってるんですか?」
「ん? いやぁ。似合ってるなって」
よく分からない終わり。
僕を見てひどく憎たらしい表情を浮かべるので、幼女の頭をワシワシにしてやった。
さらに、その幼女を風呂にぶち込み、熱湯をぶっ掛ける。
無論、服は剥ぎ取って今は、錐もみ状態で回転しながら水浸しだ。愉快だ。
熱湯をぶっ掛けた幼女の全身を、ぬるぬるする液体を刷り込む。
その後で、さらに何度も熱湯をかける。
度重なる熱湯とストレスで、ふらふらの幼女を見る。ふふふ。愉快だ。
身体が、熱気に犯された所に、凄まじく冷えた甘ったるい液体を飲ませる。
温度差で苦しむがいい! 幼女の様子を見てニヤリと笑ってしまう。
熱湯に塗れたままだったので、さらに熱風を加えてやる。無論冷たい液体を飲ませつつだ。
温度差の苦しみがどれだけつらいか思い知る幼女を見てやはり笑う。
しばらくして、熱風による攻めをやめ、幼女にヒラヒラがたくさん付いて動きにくそうな服を与える。
ふんだんに存在するそのヒラヒラは、絶対に幼女の動きを鈍くするだろう!
「『 』。何を笑ってるんですか?」
「ん? いやぁ。似合ってるなって」
よく分からない終わり。
>>@黒百合さん
小説・漫画・アニメ・映画、どれもそうだけど何かのジャンルに刺激されると結構加速装置になりそうな…ww
まぁ自分物書きしてないからこの感想自体ただの駄文なんですがwwww
>>@俺野良さん
氷点読んでみます!SS書きの方たちって分野問わず色々読んでそうだから1回聞いてみたかったんですよね。
>>@ミクさん
う~ん…文章表現を言葉で伝えるって難しいですよね。
ただ、村上春樹はあの抽象的な言い回しと心理描写のみで話を展開したりしたり、好きな作家の1人だったんでww
さて、調子に乗り過ぎなんでここらへんでROMに戻ります!m(_ _)m
小説・漫画・アニメ・映画、どれもそうだけど何かのジャンルに刺激されると結構加速装置になりそうな…ww
まぁ自分物書きしてないからこの感想自体ただの駄文なんですがwwww
>>@俺野良さん
氷点読んでみます!SS書きの方たちって分野問わず色々読んでそうだから1回聞いてみたかったんですよね。
>>@ミクさん
う~ん…文章表現を言葉で伝えるって難しいですよね。
ただ、村上春樹はあの抽象的な言い回しと心理描写のみで話を展開したりしたり、好きな作家の1人だったんでww
さて、調子に乗り過ぎなんでここらへんでROMに戻ります!m(_ _)m
お久しぶりです、まとめにきました。
多忙なので今の所まとめは月1更新で行っております
このスレの生命力はすばらしいなー
俺も書ける状況なったら書きたいのぅ
小説とか読んだ事ないけど
ここが小説だというのならみんなの小説が俺の小説知識だwwww
【まとめ更新】
>>@ミク
人探しは悲しくなるねぇ、読んでると夏の幸せな時間が本当に懐かしくなるのが不思議だwwww
「うたう幼女6」
「ペットショップにて」
>>50って↑の続きだよね?ちがう?ちがったら言うてください
>>@ハチ公
短編でもなんでもどんどん投下しちゃってよ、カワイイヨカワイイヨwwww
「ようじょふたり」 小ネタに保管
>>@ビックバン
待ってたぜーこれからも超熱いのwktkしてるよwwww
「富男の幼女日記5」
>>@黒百合
SSも絵も沢山投下ありがとう、今後も期待しまくりです
>>118「今でない時の話」
>>140「名前のない幼女」
>>162「SS@黒百合」
とりあえず仮タイトルで小ネタに保管してます
タイトルあるんだよ、とか、これってあれの続きだよとか
長編になるから未完に保管してくれとかあれば言ってください
「画廊8」
漏れてるのあったら指摘&うpしてくれれば保管できます
多忙なので今の所まとめは月1更新で行っております
このスレの生命力はすばらしいなー
俺も書ける状況なったら書きたいのぅ
小説とか読んだ事ないけど
ここが小説だというのならみんなの小説が俺の小説知識だwwww
【まとめ更新】
>>@ミク
人探しは悲しくなるねぇ、読んでると夏の幸せな時間が本当に懐かしくなるのが不思議だwwww
「うたう幼女6」
「ペットショップにて」
>>50って↑の続きだよね?ちがう?ちがったら言うてください
>>@ハチ公
短編でもなんでもどんどん投下しちゃってよ、カワイイヨカワイイヨwwww
「ようじょふたり」 小ネタに保管
>>@ビックバン
待ってたぜーこれからも超熱いのwktkしてるよwwww
「富男の幼女日記5」
>>@黒百合
SSも絵も沢山投下ありがとう、今後も期待しまくりです
>>118「今でない時の話」
>>140「名前のない幼女」
>>162「SS@黒百合」
とりあえず仮タイトルで小ネタに保管してます
タイトルあるんだよ、とか、これってあれの続きだよとか
長編になるから未完に保管してくれとかあれば言ってください
「画廊8」
漏れてるのあったら指摘&うpしてくれれば保管できます
>>165
まとめ乙です。
違ってないですそれで合ってます。
超多忙に関わらず、毎度毎度丁寧な仕事ありがとう。
しかし、やはりみんな忙しいんだな…こんなことくらいしか言えないが、
くれぐれも力抜いて体壊さない程度にがんばれー(´・ω・)
まとめ乙です。
違ってないですそれで合ってます。
超多忙に関わらず、毎度毎度丁寧な仕事ありがとう。
しかし、やはりみんな忙しいんだな…こんなことくらいしか言えないが、
くれぐれも力抜いて体壊さない程度にがんばれー(´・ω・)
今さらなんだけどage進行のほうがいいのかな?
俺ずーっとsageてたけどどうなんだろ?過疎化のこともあるしageにするかなぁ。
俺ずーっとsageてたけどどうなんだろ?過疎化のこともあるしageにするかなぁ。
書き手は多いに越したことはないけど
夏休みが近いことを考えると微妙だな・・・
夏休みが近いことを考えると微妙だな・・・
ごめん、パー速で夏休みを迎えるのは初めてだ
全く沸かないとも思えないけどな
全く沸かないとも思えないけどな
>>163
ジャンル……ここ最近考えているのが、魔法幼女プリティー(ry
こう、刺激されるというか……こうしたらどうだ~? っていう妄想も少なくなってきて困ってますorz
お勧めのナニカないもんでしょうか?
>>164
だいぶ昔にみたコピペをうろ覚えのままに幼女風にしてみただけです。
でも、いいよね。あのコピペ(ほわわん
>>165@まとめ師
まとめご苦労様です。
タイトルとかもう考えてない私です(ダメだろ。
>>167@ミク師
夏場は忙しいと言うのがもう、何処も一緒なんでしょうかね。
私の職場も、かなり忙しい……?
あ、でも腰痛が治ったのはなんでだろう?
>>170
書き手にな ら な い の ?
漫画を描いてみたいが、どうやっても動作絵やらがかけないので断念。
ミク師のSSを漫画に(ry
ジャンル……ここ最近考えているのが、魔法幼女プリティー(ry
こう、刺激されるというか……こうしたらどうだ~? っていう妄想も少なくなってきて困ってますorz
お勧めのナニカないもんでしょうか?
>>164
だいぶ昔にみたコピペをうろ覚えのままに幼女風にしてみただけです。
でも、いいよね。あのコピペ(ほわわん
>>165@まとめ師
まとめご苦労様です。
タイトルとかもう考えてない私です(ダメだろ。
>>167@ミク師
夏場は忙しいと言うのがもう、何処も一緒なんでしょうかね。
私の職場も、かなり忙しい……?
あ、でも腰痛が治ったのはなんでだろう?
>>170
書き手にな ら な い の ?
漫画を描いてみたいが、どうやっても動作絵やらがかけないので断念。
ミク師のSSを漫画に(ry
パー速にいきなり沸くってよりも
vipにここのURLが載せられて、そこから夏厨が寄ってくる気がする
vipにここのURLが載せられて、そこから夏厨が寄ってくる気がする
いつかやっていたみたいにvipで宣伝するのは控えたほうがいいってことだな
そもそもあんまり効果なかったし
そもそもあんまり効果なかったし
夏休み入ったけど、試しにいったんage進行にしてみる?
今んとこ多分書き手の方々以外はだいたいsageてると思うけど…
今んとこ多分書き手の方々以外はだいたいsageてると思うけど…
その言葉を聞いても、俺はあまり動揺しなかった。
寧ろなんとなく察しはついていた。
俺がこの部屋に足を踏み入れた時から、ここの空気は以前と全く同じものだった。
何も不足していないし、何も加えられていない。
季節が止まっているのではないかと錯覚するほどに
何一つとして変わっていなかった。
もし近いうちにミクがここを訪れていたとしたら、
少なからずその存在の「余韻」のようなものが残されているに違いなかった。
その気配を、今俺は誰より敏感に感じとることができる。
そんな確信があった。
しかし今この場にあるそれは、単に俺たちが夏に来たときに遺して
それが少しずつ時間をかけながら風化した残りかすのようなものでしかなかった。
それに気付いたとき、俺の中でミクがここにいる可能性は自ずと消失していたのだ。
だから彼女の言葉は、とりたて俺に絶望をもたらしたわけじゃない。
ただ予感を確信づけるきっかけのような役割を果たしたに過ぎなかった。
―ああ、やはりここにも彼女はいないのか―
ただそれだけだ。
孤独だけが静かに継続していた。
寧ろなんとなく察しはついていた。
俺がこの部屋に足を踏み入れた時から、ここの空気は以前と全く同じものだった。
何も不足していないし、何も加えられていない。
季節が止まっているのではないかと錯覚するほどに
何一つとして変わっていなかった。
もし近いうちにミクがここを訪れていたとしたら、
少なからずその存在の「余韻」のようなものが残されているに違いなかった。
その気配を、今俺は誰より敏感に感じとることができる。
そんな確信があった。
しかし今この場にあるそれは、単に俺たちが夏に来たときに遺して
それが少しずつ時間をかけながら風化した残りかすのようなものでしかなかった。
それに気付いたとき、俺の中でミクがここにいる可能性は自ずと消失していたのだ。
だから彼女の言葉は、とりたて俺に絶望をもたらしたわけじゃない。
ただ予感を確信づけるきっかけのような役割を果たしたに過ぎなかった。
―ああ、やはりここにも彼女はいないのか―
ただそれだけだ。
孤独だけが静かに継続していた。
「力になってやれなくて、すまんね」
と、ばあちゃんは言った。
だがしかし、それはいかにも見当外れな謝罪だった。
「なあばあちゃん、たしかに俺はここにミクを捜しに来たよ。
『もしかしたら』って、ほんの僅かだけど期待して来たんだ。
逆に言うとつまり、それほどまで今俺が希望を託せる場所って少ないんだ。
そしてそれはたしかに俺がここに入った瞬間、また一つ失ってしまったよ」
そこまで言って、また少し考える。
言いたいことを言葉に変換するには、
充分に時間を費やさなければならなかった。
その間もばあちゃんはなんだか疲れたような目をして
ただ黙って俺を見ている。
「…でもそれならすぐに俺はそれを認めて、回れ右をして引き返すべきだった。
まっすぐに駅へ向かって電車に乗って、次の場所へ向かえば良かったんだ。
でも、それをしなかった。
それはただの気まぐれみたいなもので、無意識の行動だろうけど」
どれだけ言葉を選んでみたところで、自分の言葉が思惑通りにちゃんと
相手に伝わっているのか自信が無かった。
だがしかし、伝えないわけにはいかない。
理解してもらわなければ、俺はもっと孤独だった。
「俺はきっとこの場所で、幾つか
しなくちゃならないことがあったんだと思う。
上手く説明できないけど、とにかくそれらを片づけないことには
いくら先へ進んでみてもきっと無意味だったと思うんだ。
…その一つとして、俺はきっと誰かに話を聞いてもらわなきゃならなかった。
だからここにミクがいなかったとしても、それは
全くの徒労だったというわけじゃない。…きっと、そうなんだ」
なんだか、半分は自分に言い聞かせているみたいだった。
また少し不安になって、俺はばあちゃんの反応を伺う。
見るに、ともかく彼女なりに真摯に受け止めてくれたように感じられて、それだけで
なんだか少し救われた気がした。
「じいさんが死んだ時のこと、覚えとるか」
突然、ばあちゃんはそんなことを言い出した。
「あの後でほんの少しじゃったが、お前と話をしただろう」
俺は黙って頷いた。たしかにその時のやりとりは、よく覚えている。
ただこの場でその話題を持ち出すのは、いささか場違いな気がした。
率直に言うと、やめてほしかった。
これ以上考えることを増やさないで欲しかったのだ。
また少し不安になって、俺はばあちゃんの反応を伺う。
見るに、ともかく彼女なりに真摯に受け止めてくれたように感じられて、それだけで
なんだか少し救われた気がした。
「じいさんが死んだ時のこと、覚えとるか」
突然、ばあちゃんはそんなことを言い出した。
「あの後でほんの少しじゃったが、お前と話をしただろう」
俺は黙って頷いた。たしかにその時のやりとりは、よく覚えている。
ただこの場でその話題を持ち出すのは、いささか場違いな気がした。
率直に言うと、やめてほしかった。
これ以上考えることを増やさないで欲しかったのだ。
だがそんな俺の内心に構わずに、祖母は言葉を続けた。
「あの時私は『お前が本当に大切なものを失ったとき』と、そう言ったろう。
こんなこたぁ私だって言いたか無いが…じゃが、物事はいつだって時を選ばん。
一番悪いことが起こると決めてかかったほうがええ」
「わかった、わかったよ。だから、もうその話はやめてくれ」
とうとう俺はそう言ったが、しかしそれは聞き届けられなかった。
彼女は少し目を伏せてから、半ば突き放すように言ったのだった。
「…ひょっとすると、今が『その時』になるかもしれないよ」
俺はまた思考を余儀無くされた。
それは完全に、俺の想定できる領域の外にあった。
その宣告は、今の俺にあまりに不吉すぎた。
頭に空白が拡がって、もはや何も考えられなくなった。
多分傍目にも相当情けない顔をしていたのだろうな、と考えたのは
ばあちゃんが俺を見て慌てて
「そうじゃないんだよ、私が言いたいのはね」
と付け加えたからだ。
「もちろんお前がミクちゃんを失っただなんて、決めつけてるわけじゃないさ。
そんなこと、私だって望んじゃいないよ。
でも今回のことは、とても見過ごせることじゃない。違うかい?
なあ、あの賢い子が何も考え無しにこんなことするはずないじゃないか。
ただ、それについては私の出る幕じゃないからね、
全てが終わった後、せいぜいあんたら二人でよく話し合えば良い。
だから、ね、今はそんな深く考えんでいいさ。
ただ、覚悟だけはしておきなさい。
…もちろんそれはミクちゃんがこのまま
帰ってこなかったときの覚悟、なんて意味じゃなくてね、
あの子があの子なりに考えて出した結論がたとえ何であろうと
お前なりに受け止めてやる『心の広さ』を持ちなさいってことだよ」
頭に空白が拡がって、もはや何も考えられなくなった。
多分傍目にも相当情けない顔をしていたのだろうな、と考えたのは
ばあちゃんが俺を見て慌てて
「そうじゃないんだよ、私が言いたいのはね」
と付け加えたからだ。
「もちろんお前がミクちゃんを失っただなんて、決めつけてるわけじゃないさ。
そんなこと、私だって望んじゃいないよ。
でも今回のことは、とても見過ごせることじゃない。違うかい?
なあ、あの賢い子が何も考え無しにこんなことするはずないじゃないか。
ただ、それについては私の出る幕じゃないからね、
全てが終わった後、せいぜいあんたら二人でよく話し合えば良い。
だから、ね、今はそんな深く考えんでいいさ。
ただ、覚悟だけはしておきなさい。
…もちろんそれはミクちゃんがこのまま
帰ってこなかったときの覚悟、なんて意味じゃなくてね、
あの子があの子なりに考えて出した結論がたとえ何であろうと
お前なりに受け止めてやる『心の広さ』を持ちなさいってことだよ」
「俺は…あいつになんて言ったら良い」
「だから、それは全部がひととおり片づいてからの話じゃよ。
ひとまずそうならんことには、私たちはきちんとした物の見方ができん。
後から思い返せば、本当に拍子抜けするくらいつまらないことだった、なんてこともあろうさ。
だから今お前がせにゃならんのは
あの子の行動をまっすぐに捉えて、自分なりの答えで受け止めてやること。それだけだ。
…いつか言わんかったかい?せいぜい自分なりに相応しい態度を考えたなら―」
「―あとは背筋を伸ばして、しゃんとしてりゃ良い。」
ばあちゃんに言われた中でも、最も強烈に記憶に残っている言葉の一つだった。
「本当に、そのとおりだよ」
と、ばあちゃんは遠くを見ながら呟いた。
それから俺たちはどちらともなく話をやめて、
しばらく外の風の音に耳を澄ました。
庭に吹き抜ける風が木々を揺らして、さらさらと音をたてていた。
それはおおよそ冬に似つかわしくない、涼しげな音だった。
「やっぱりこの家だけは今でも夏のような気がする」
と俺は独り言のように呟いた。
「ここにだって冬は来てるよ。じきにもっと冷え込むようになる」
と、祖母は笑った。
それからすっかり冷めてしまったお茶にもう一度だけ口をつけ
視線をもどすと、本当に穏やかな口調で
「お前も家にお帰り」
と言った。
「いつか行き詰まって、もう一人ではどうしても先に進めないと思ったなら、またおいで」
「ああ、ありがとう」
と俺は言った。
「ただ、最後にもう一つだけ頼みがあるんだ」
「私にできることなら、何でも言ってみるが良いさ」
「もう一度、あの時のピアノが見たいんだ」
言った瞬間、祖母は少しだけ不可解な表情を浮かべた。
だがすぐに穏やかな表情を取り戻し
「あんたがそうしたいならね、それくらいお安い御用だよ」
と笑ったのだった。
しばらく外の風の音に耳を澄ました。
庭に吹き抜ける風が木々を揺らして、さらさらと音をたてていた。
それはおおよそ冬に似つかわしくない、涼しげな音だった。
「やっぱりこの家だけは今でも夏のような気がする」
と俺は独り言のように呟いた。
「ここにだって冬は来てるよ。じきにもっと冷え込むようになる」
と、祖母は笑った。
それからすっかり冷めてしまったお茶にもう一度だけ口をつけ
視線をもどすと、本当に穏やかな口調で
「お前も家にお帰り」
と言った。
「いつか行き詰まって、もう一人ではどうしても先に進めないと思ったなら、またおいで」
「ああ、ありがとう」
と俺は言った。
「ただ、最後にもう一つだけ頼みがあるんだ」
「私にできることなら、何でも言ってみるが良いさ」
「もう一度、あの時のピアノが見たいんだ」
言った瞬間、祖母は少しだけ不可解な表情を浮かべた。
だがすぐに穏やかな表情を取り戻し
「あんたがそうしたいならね、それくらいお安い御用だよ」
と笑ったのだった。
>>ミク師
乙です。
くっ……この物語の終わりはいったいどんな結末が……(ウズウズ
乙です。
くっ……この物語の終わりはいったいどんな結末が……(ウズウズ
ROMが1人しか乙してない…だと…?
今さらだが>>@ミクさん乙!!!
今さらだが>>@ミクさん乙!!!
野良幼女と月見うどん。
俺が帰宅途中。夜飯にうどんでも食べようと思いうどん屋に足を運ぶ。
うどん屋に入った時、店員が?img src="http://emj.vip2ch.com/e/301.gif">bな表情を浮かべた。
なんだ? 俺の何処かに変なモンでもあったか? と、思うが店員が見ているのはどうやら俺の後ろらしい。
つられて俺は後ろに視線を移すと……其処には、汚れた幼女が一人。
「お二人様ですか?」
店員は、義務的に答える。
さて、俺は一人で入るはずだったのだが……この汚れた幼女はなんなのか?
店員への答えを言う前に、俺は幼女をジッと見た。
幼女は、俺の目を同じようにジッと見る。瞳に浮かぶのは怯えと恐れ。
しばらく考えた後で俺は、店員に答えた。
「二人だ」
「此方へどうぞ~」
とりあえず、その幼女も連れて店に入る。
汚い姿と言うのもあってカウンターから大分遠い席だ。
俺と幼女は対面する様に座った。と言うか座らせた。
「さて、お前はなんだ?」
「………名前無い。幼女」
さて、困った。名前が無いらしい幼女は、ただ、簡素に自分が幼女だと答えた。
俺が帰宅途中。夜飯にうどんでも食べようと思いうどん屋に足を運ぶ。
うどん屋に入った時、店員が?img src="http://emj.vip2ch.com/e/301.gif">bな表情を浮かべた。
なんだ? 俺の何処かに変なモンでもあったか? と、思うが店員が見ているのはどうやら俺の後ろらしい。
つられて俺は後ろに視線を移すと……其処には、汚れた幼女が一人。
「お二人様ですか?」
店員は、義務的に答える。
さて、俺は一人で入るはずだったのだが……この汚れた幼女はなんなのか?
店員への答えを言う前に、俺は幼女をジッと見た。
幼女は、俺の目を同じようにジッと見る。瞳に浮かぶのは怯えと恐れ。
しばらく考えた後で俺は、店員に答えた。
「二人だ」
「此方へどうぞ~」
とりあえず、その幼女も連れて店に入る。
汚い姿と言うのもあってカウンターから大分遠い席だ。
俺と幼女は対面する様に座った。と言うか座らせた。
「さて、お前はなんだ?」
「………名前無い。幼女」
さて、困った。名前が無いらしい幼女は、ただ、簡素に自分が幼女だと答えた。
「なんで、俺の後ろについてきた?」
「………お腹すいてた。何か食べ物ほしかった。でも、私お金ない」
……まぁ、此処まで入れてしまったのだ、嫌ならさっさと突っぱねればよかったはずなのだ。
しょうがないので、俺はため息を一つ付いた後で、店員に月見うどんを二つ注文する。
俺のは、刻み葱を増量と大盛りを頼んだ。
うどんが来るまで、しばらくの時間がある。丁度良いのでこの幼女と話をして暇つぶしをする事にした。
「お前一人か?」
「……私は、捨てられてしまった。名前も住処も何も無い」
「ふぅん……お前みたいな幼女は他にもいるのか?」
「いない。少なくとも、私は見てない。出会ってない……一人」
へぇ~ふぅ~ん。と、なんともいえない会話を繰り返す事数分。
二人分の月見うどんがやってくる。うどんを前に固まる幼女。
そんな幼女に、食べれ。と、割り箸を渡した後で、自分の葱増量大盛りのうどんを食べ始める俺。
食べ終わるとまだ幼女が、うどんを食べていた。
なんか、コレが最後のまともな食事と言う感じがするのは気のせいだろうか。
やっと食べ終わった幼女。口端に刻み葱が引っ付いてて笑ってしまった。
「………お腹すいてた。何か食べ物ほしかった。でも、私お金ない」
……まぁ、此処まで入れてしまったのだ、嫌ならさっさと突っぱねればよかったはずなのだ。
しょうがないので、俺はため息を一つ付いた後で、店員に月見うどんを二つ注文する。
俺のは、刻み葱を増量と大盛りを頼んだ。
うどんが来るまで、しばらくの時間がある。丁度良いのでこの幼女と話をして暇つぶしをする事にした。
「お前一人か?」
「……私は、捨てられてしまった。名前も住処も何も無い」
「ふぅん……お前みたいな幼女は他にもいるのか?」
「いない。少なくとも、私は見てない。出会ってない……一人」
へぇ~ふぅ~ん。と、なんともいえない会話を繰り返す事数分。
二人分の月見うどんがやってくる。うどんを前に固まる幼女。
そんな幼女に、食べれ。と、割り箸を渡した後で、自分の葱増量大盛りのうどんを食べ始める俺。
食べ終わるとまだ幼女が、うどんを食べていた。
なんか、コレが最後のまともな食事と言う感じがするのは気のせいだろうか。
やっと食べ終わった幼女。口端に刻み葱が引っ付いてて笑ってしまった。
「合計九百八十円になりま~す」
千円札を一枚だして、二十円のおつりをもらう。
うどん屋を出た俺と幼女。さて、俺は帰路に着くか。
「私は……お返しするモノが無い」
忘れてた。うん。一瞬で幼女の事忘れてて、驚いた。
お返しってもなぁ……
「んじゃ、俺と一緒に来るか? お返しなんてその後で考えてくれ。俺はさっさと帰って寝たい」
「……いいの?」
「別に一人暮らしだから……おお、そうだ。部屋の掃除でもしてくれ」
「……わかった」
あらま。嬉しそうに笑み浮かべちゃって……
「あーそうだ。なら名前無いとめんどくさいな」
「………」
「月見うどんでいいか? 名前」
「……わかった」
「んじゃ、帰るか月見うどん」
千円札を一枚だして、二十円のおつりをもらう。
うどん屋を出た俺と幼女。さて、俺は帰路に着くか。
「私は……お返しするモノが無い」
忘れてた。うん。一瞬で幼女の事忘れてて、驚いた。
お返しってもなぁ……
「んじゃ、俺と一緒に来るか? お返しなんてその後で考えてくれ。俺はさっさと帰って寝たい」
「……いいの?」
「別に一人暮らしだから……おお、そうだ。部屋の掃除でもしてくれ」
「……わかった」
あらま。嬉しそうに笑み浮かべちゃって……
「あーそうだ。なら名前無いとめんどくさいな」
「………」
「月見うどんでいいか? 名前」
「……わかった」
「んじゃ、帰るか月見うどん」
スレタイに興味を示し、まとめの数作品を読んではや2日
ファンタジックな舞台設定で幼女→ホムンクルスやらゴーレムやらのもアリなのかなぁ
ファンタジックな舞台設定で幼女→ホムンクルスやらゴーレムやらのもアリなのかなぁ
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