元スレ新ジャンル「仲間に魔王」
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51 = 34 :
>>48の続き。
盗賊頭「ひゃははははっ! 燃えろ燃えろ、金喰いの巣を焼き尽くせ!!」
義賊B「不味いぞ…幾らなんでもやり過ぎだ。」
義賊A「ああ……まさかいきなり爆破するとは思わなかった。」
義賊C「ここは臨機応変、コレを活かすしかあるまい。」
盗「おぃどうした、さっさと御宝いただいてズラかろうぜ!」
A「……悪いが、それは出来ん。」
盗「…なに?」
B「御主人の命だ、お前には大人しく捕まって貰うぞ。」
盗「……どう言うことでぃ。まさか、オレ様を謀ったってのか?」
B「平たく言えば、そうだ。」
盗賊D「オレ達が探してたのは“囮につかえる”ヤツだったんだよぉ!! 『義賊』って言葉に釣られてノコノコとやって来やがって、バカだよなぁお前っ!!」
盗「……そうかい、まさかギルドからの連絡が嘘だとは思わなかったぜ。」
C「捺印をよく確かめなかった自分を恨め。そして我等の代わりに処刑されろ。」
盗「余りなめんなよクソガキがぁ…! この南国盗賊頭ローバー様が、手前ぇらの言うこと素直にきいてやるかよっ!!」
52 = 34 :
>>51の続き。
僧侶「ハァ…ハァ……。」
混血「ど、どこに向かってるッスか師匠!?」
僧「どこか…野次馬が居なくて、屋敷を見渡せる場所だ!!」
盗賊頭「おらぁっ!」
ドスッ
義賊D「ギャアァッ!!」
義賊B「くっ…コイツ、こんなに強かったのか!?」
義賊A「おい、大丈夫か!?」
D「うぐぐ…痛ぇ、痛ぇよぉ…!」
盗「ははははは! そんな強さでオレ様を捕まえるぅ? …笑わせんなよクソ雑魚っ!!」
D「ヒッ…!」
B「怯えるな! 顔を知られている以上、何がなんでもコイツを止めねばならんのだっ!!」
義賊C「ウオォォォッ!」
ガキンッ!
盗「……ンな“ひょろっこい”剣で、オレ様の大槍が防げる…」
ギリギリギリ…
盗「かよぉっ!!」
ガシャン…ズブッ!
C「ガッ……ハッ…!?」
A「なっ、剣を…」
B「へし折っただと!?」
盗「弱ぇ弱ぇ弱ぇ! …この程度のヤツらに騙されてた自分が恥ずかしぃぜまったく!!」
騎士長「──ではその“騙された”という話し、君が生きている内に訊いておくとしようか。」
54 = 34 :
>>53の続き。
僧侶「…見えたぞ!」
混血「昼間にアニキさんが居た丘…屋敷が半分燃えていて、庭にいる騎士たちがよく見えるッス!!」
僧「……囲まれてるな。」
混「例の騎士長さんとアニキさん、一騎討ちしてるッスね。」
僧「あのバカ野郎が……実力差が有りすぎるぞ…!」
混「どうするッスか? ここからじゃ遠すぎて、注意を惹くことも出来ないッスよ?」
僧「……ミックス、一つ頼みを訊いてくれるか?」
盗賊頭「ぬぉあ…っ!」
ガィン、ガィン、ガンッ…ガンガンガンガン
騎士長「どうしました? 私を倒さないと、ココから逃げる事なんて出来はしませんよ?」
盗「うる…せぇ! まだまだ、本気出してねぇんだよっ!!」
ガキィンッ!
騎「そうですか……残念です。」
盗「何ッ!?」
騎「もう少し──楽しめると思ったのですが。」
ガガガガ…ヒュンッ!
盗「(しまっ…!)」
バシンッ!
盗賊頭、騎士長「!?」
僧「……危ねぇなぁ。今の、防がなきゃ死んでたぜ?」
55 = 34 :
>>54の続き。
混血「よいしょ、よいしょ。」
パタパタパタパタ
僧侶「…よーし良いぞ、ここで落としてくれ。」
混「わ、わかったッス。…けど、本当に大丈夫ッスか?」
僧「大丈夫かどうかはミックス、お前の働き次第だ。…さっき言ったこと、出来るか?」
混「ももも勿論ッス! 師匠の為なら火の中水の中草の中ッス!」
僧「はは……くれぐれも、無茶はするなよ。」
混「師匠こそ。」
僧「……よし、落とせッ!!」
盗賊頭「手前ぇ……どうして、」
僧「どうしてだろうな? ……お前と、まだ白黒つけてなかったから…とかな。」
盗「……へっ、キザな野郎だ。」
騎士長「君は昼間の……どう言うつもり、かな?」
僧「ちょいと気にかかる事が有ってな。それの真偽を確かめてる間、時間を稼ぎにきたんだ。」
騎「……それはなんの時間でしょう?」
僧「“友達(ダチ)”が殺されるまでの時間だよっ!!」
──ガキィ!
騎「……わかりました。君も貴族の私有地に足を踏み入れた以上、生きては帰せないからな。」
56 = 34 :
>>55の続き。
混血「うんしょ、うんしょ。……師匠よりは軽いッスけど、マオたん様を抱えながら飛び続けるのは流石に辛いッス…。」
パタパタパタパタパタ…パタパタパタパタパタッ!
混「それにしても、半分近くが燃えてるって言うのに、人気がまったくないッスねこの屋敷は。」
…ユラッ…ユラッ…
混「(あ。明かりが漏れてる部屋ッスっ!)」
…ソー…
貴族「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっ、今頃アイツらが囮をつかって罪を擦りつけているころじゃな…。」
混「(……なんだか師匠の言ってた通りみたいッスね。)」
貴「我ながら良いアイディアよ。手下を使い各地からお宝を盗ませて、頃合いを見計らって『義賊気取り』のガキを“あえてワシの館”に盗みに入らせる。仲間だと思っていた手下共に裏切られて、騎士に捕まり即処刑。……まったく、騎士長さまさまじゃのぉ。」
混「(自白ってレベルじゃねーッスよ!? ……このオッサンが犯人なのは間違いないッスから、あとは証拠品かなにかと一緒にしょっぴいて……)」
魔王「うぅん……モンくん万歳っ!!」
混「(……寝言!?)」
貴「だ、誰だぁ!!」
57 = 49 :
作者頑張りすぎだろwww
58 = 34 :
>>56の続き。
混血「(……仕方ないッス、ここはオイラが戦らないと…!!)」
貴族「誰だときいているんだ! そこに居るんだろぅ!!?」
混「……はじめましてッス。」
貴「ガキぃ? …なんでお前みたいなのがウチ居る。不法侵入だぞ!?」
混「法を唱うのなら、アンタがやってる事はなんだって言うッスか!!」
貴「チッ…やはり聴かれてたか。」
混「独り言であんなに長く喋る人は初めて見たッス。」
貴「聴かれたからには……死んでもらおぅかい!」
混「…そんなに脂のノッた体で、オイラが殺せると思ってるッスか?」
──バサァッ!
貴「なっ…お前、魔族か!?」
混「だとしたら?」
貴「……ククッ、面白い。ワシとてかつて騎士を束ねた身、老いてなおも魔族を狩れるか、試してみるかのぉ!」
混「──はあぁぁぁッ!!」
59 :
おお
みっくんの見せ場だ
60 :
さて、ミッくんは餃子からヤムチャに昇格できるか!?
61 = 49 :
>>60
それは降格だwwwwwwww
62 = 34 :
>>55の続き。
僧侶「うぉっ!?」
ヒュンヒュン、ヒュヒュンッ
盗賊頭「──うぉりあぁぁっ!」
騎士長「……ッ!」
ガキンッ!
僧「……ったく、2対1じゃ勝てるもんも勝てねぇってんだ。」
盗「あぁん? そりゃぁどう言う意味でぃ。」
僧「……オマエの槍がチョイチョイ当たりそうになって、俺が攻撃できねぇんだよ!!」
盗「ぁんだとこの野郎! ケツの穴刺すぞゴラ!?」
僧「おーおーおー、やってみやがれ。その前にオマエ股間でカビ生えてるモン握り潰してやんよぉ。」
騎「……随分と、余裕が有るようだね。」
ヒュヒュヒュヒュヒュッ
僧侶、盗賊頭「のわっ!!」
騎「……コレだけ私の剣がかわされたのは久しぶりだよ。」
僧「ほー、自慢する割りには余り速く感じないがな。」
騎「いやはやお恥ずかしい、本当ならこの一撃で──」
ガキィン!
騎「……首が飛んでいるはずなのに。」
僧「今のは速かった……が、俺がいつも相手をしてる嫁さんの“抱きつき攻撃”に比べりゃ全然遅ぇ!!」
63 = 34 :
>>58の続き。
──ズバッ
混血「ギャッ…!」
貴族「ククク……いくら空を飛べても、この際限有る“部屋の中”ではそう高く飛べないだろう?」
混「く…そ……(オイラは師匠みたいに体が強いわけでも、騎士みたいに武器が使えるわけでもないッス。…ただ、飛ぶだけしか……)。」
貴「ほれほれ、高度が下がってきたぞ? 次はどこを斬られたい、腿か、脛か、股か?」
混「…!」
もっと。
もっとチカラがあったら。
貴「キエェェェッ!!」
嫌いだった魔族の血。
けどそれが、ナニか役に立つチカラを持っていたら。
混「う……うああぁぁぁっ!!」
おいらはどれだけ自分が好きになれるだろう。
どれだけ自信をもてるだろう。
……どれだけの『人生』を、幸せにすごせるんだろう。
魔王「──目を醒ませ! “ケイオス”!!」
64 = 38 :
テラカオスwwwwwwwwwwwwwwww
65 = 34 :
>>63の続き。
混血「ガアァァァァァ!!」
貴族「な、なに…? 羽根が大きく……?」
魔王「違うよ。」
貴「!?」
魔「あれが、ミッくんの本当の『翼』だもの。」
貴「ま、またガキ!? …そ、それよりアイツ…なにか様子が…!?」
混「ガアァァァ…! ガガアァッ!!」
魔「……体に頭がついて行かないんだね。…大丈夫、ミッくんならすぐに──」
混「ぶっ潰すッスよー!!」
魔「制御できたね、ミッくん偉いっ!」
貴「ヒイィィィ!!」
魔「さーてミッくん、(殺さない程度に)やっちゃおー!」
混「な、なんか出そうッス、口からなにか……!!」
ゴオォォォォッ!
貴「ギャ──!!」
ォォォォ……プスン
混「ゲフッ。……火ッス、オイラ火ぃ吐いちゃったッス!!」
魔「ミッくんはレベルが上がったー。火炎放射を覚えたー。」
66 :
wwwwwwwwwwwwミッくんすげえwwwwwwww
67 = 60 :
何というドラゴラムwwwwwwwwwwwwwwww
68 :
ミッくんまさかドラゴンの混血なのかwwwwwwwwwwwwww
69 = 34 :
>>65の続き。
混血「なんか気を失った……と思ったら、急に火ぃ吐いてびっくりしたッス。」
魔王「あたしも目が覚めたら廊下に放置されててびっくりしたッス。」
混「………。」
魔「…ん? なぁに?」
混「たしかマオたん様、気絶際にオイラの“本当の名前”を呼んだような……。」
魔「あ…うん、なんでかわかっちゃった。…ごめんね?」
混「あ、べつに構わないッスよ。マオたん様と師匠は恩人ッスし、いつか言おうと思ってたッス。」
魔「そっか……よかった。」
混「……で、コイツどうするッスかね。」
魔「取りあえずふんじばってみましたーっ。」
混「(……なにゆえ亀甲縛り…?)じゃあ、師匠のところに運ぶとするッス。」
魔「あ、そう言えばモンくんどこに居るの!?」
混「屋敷の庭で、アニキさんを庇ってるはずッスけど…」
ダダダダダダダダッ…
混「……オイラこのオッサン独りで運ぶんすか。」
70 :
TUEEEEE
71 :
おっさんの亀甲縛りは萎えざるをえないwwwwww
72 = 43 :
ミッくんかっこえーW
…わっふるわっふる
76 :
ここまで携帯使ってるヤツが多いスレも珍しいな
77 :
>>62>>69の続き。
僧侶「おかしいと思わないか。」
カンッカンカンッ
騎士長「……なにがです。」
僧「今まで小さな村の富豪程度を狙っていた盗賊が、いきなり国の貴族の家に忍び込むなんてよ。」
騎「彼等のことをご存知で?」
ヒュッヒュッ、ヒュンッ
僧「1年か半年か、それくらい前にポッと出てきた窃盗団の話しは旅をしてれば一度は聴いた事があるだろう。…まさか、ソイツらと“このバカ”が組むなんて思っても見なかったが。」
盗賊頭「誰がバカだって!?」
騎「……しかし一度組んだ以上、罪人として裁かれなければいけないが。」
僧「生憎とコイツは『義賊』に憧れちゃってるイタい奴だ。俺には利用されたとしか思えんね。」
──ガィン!
騎「どれも、言い訳としては弱いですね。」
僧「別に言い訳をしてるんじゃねぇ。“真実を受け入れる準備”をしてやってるのさ。」
騎「それはそれは、ありがとうございます。……ですがそろそろ陽の昇る時間、いい加減に終わらせなければ今日の仕事に支障が出てしまいます。」
78 = 77 :
>>77の続き。
僧侶「…どうやって終わらせるつもりだ?」
騎士長「[ピーーー]しかないでしょう。君も、そこの盗賊も。」
盗賊頭「チッ…!」
僧「………。」
騎「…? 何故拳を下ろすのです。まさか観念したわけではないでしょう?」
僧「ウォリアとか言ったな、お前さん。」
騎「はい。」
僧「お前さんは強い。が、俺の嫁はお前さんよりも強い。」
騎「……?」
僧「──身に染みろ、渾身の一撃を!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ
魔王「モーンくぅーん!!」
騎「!!?」
ダダダダダダダダダ…バキィィッ!
騎「(な…速──)グハァッ…!!」
魔「えーいっ!!」
僧「おっとぉ。…起きたのか、マオ。」
魔「うん! モンくんが居なかったから突っ走ってきちゃった!」
僧「流石にお前をおぶったまま殴り合いすんのは辛くてな。…済まん。」
魔「うぅん、モンくんの足ひっぱらなくてよかった!」
79 = 76 :
読み手の興奮を良い意味で裏切ってくれたwwww
80 = 77 :
>>78の続き。
騎士長「カ…ハッ…!」
僧侶「無理するなって。背後からマオの全力突進を受けたんだ、下手すりゃ骨が折れてるぞ。」
魔王「うにゅ?」
騎「……これしきの痛みでは、『騎士長』の名が重すぎて寝ていられないんですよ…。」
僧「…仕事熱心なことだ。」
盗賊頭「オマエ、なにをどうすりゃあんな速く走れんだ?」
魔「う? …うーんと、モンくんへのラヴをたぎらせると?」
騎「…では、改めて決着をつけ…ましょうか。」
僧「やめとけ。剣で支えて立つのもやっとじゃねぇか。」
騎「……君も、意外とフラついているように見えるが。」
僧「眠いだけだよ。……おっ、“証拠”が届いたぜ。」
騎「?」
混血「師匠~、連れてきたッスよぉ~。」
81 = 77 :
>>80の続き。
騎士長「…この方は!」
僧侶「この屋敷の主、王に仕えて200年の大貴族…だっけか?」
貴族「むー! むーむー!!」
盗賊頭「(……なんで亀甲縛りなんだ?)」
騎士A「(なぜ亀甲縛り…。)」
騎士B「(貴族方の趣味か…?)」
騎士C「(あの縛り目、気持良さそうだな…ゾクゾクゾクッ…。)」
騎「貴族にこのような……本当に生きては帰せないぞっ!!」
僧「ミックス、ソイツの猿轡を外しな。」
混血「はいッス。」
…カパッ
貴「ぶひゃいぃ! わ…ワシの、ワシの屋敷があぁぁっ!!」
僧「ん? …あぁ、そう言や燃えてたな。」
盗「悪ぃ、オレ様気が短くてよ。」
僧「……で、俺はべつにオマエの悲鳴が聴きたくて喋れるようにした訳じゃない。」
グィッ
貴「ヒッ…!」
僧「オマエは“義賊(アイツ)ら”を知っているか?」
騎「よせ! それは脅迫と同じ…」
貴「し、知っている! 奴等はワシが雇ったゴロツキじゃ!! なんでも話すから、命だけは助けてくれぇぃ…!!」
82 = 77 :
>>81の続き。
騎士長「な…貴族殿っ!?」
僧侶「……オマエらはどうだ、このオッサンの顔を知ってるか?」
義賊A「……クソッ、」
義賊B「知っている。路頭に迷う我らを拾い、仕事を与えてくれた人だ。」
盗賊頭「仕事ぉ? …ハッ、盗みに入って他人の財産かき集めるのが仕事かよっ?」
B「生きてさえゆければ、仕事内容など問題ではない。」
義賊C「また飢えに苦しむ生活に戻るくらいなら、手を血に染めた方がよっぽどましだ!!」
盗「甘ったれんな!!」
A、B、C「…!?」
盗「……地べた這いつくばって、土を舐めて泥すすって! そんな生活だったとしても、罪を犯して人をコロす生活がましなはずがねぇだろぉが!!」
A「お、お前になにがわかる…」
盗「わからねぇなぁ! “他人から幸せを奪うだけしか”しねぇクズ共の気持ちなんて、わかるはずもねぇ!!」
83 = 77 :
>>82の続き。
僧侶「アイツ…。」
義賊B「お、同じ『盗賊』である貴様にそこまで言われる覚えはないぞ!」
盗賊頭「──オレ様は義賊だ!! 悪から幸せを奪ったあと、善に幸せを配りなおす、ソレが『盗む者』のあるべき姿だろうが! ただ搾取することしか出来ねぇ手前ぇらは、残飯にタカる害虫にも劣りやがる!!」
義賊C「……あるべき…姿か…。」
盗「恩義を感じるなら、恩人が道を踏み外すまえにぶん殴ってでも止めておけっ!!」
魔王「…あ、朝日が昇ってきたよーっ。」
混血「もうそんな時間ッスかぁ。……ふあぁ…、オイラそろそろ眠たいッス。」
僧侶「…宿に帰る前に、ちょいと決着をつけねぇとなぁ。」
騎士長「……いえ、貴方達はもう帰って構いません。」
僧「なにっ?」
騎「窃盗事件の犯人が貴族だと言うのなら、この方は貴族位を剥奪されます。なので、ココは“貴族の私有地”では無いことになります。」
84 = 77 :
>>83の続き。
僧侶「アイツは……ローバーはどうなる。」
騎士長「事情は理解していますし、あの説教をされた方達もあの人を悪くは言わないでしょう。…ただ、コレだけ大きな火事を起こしたのですから、少なくとも一度法廷に出てもらう事になりますが。」
混血「アニキさん…処刑されるッスか?」
騎「……いえ、させません。私の名に懸けて。」
僧「あーっ、眠ぃ。」
混「たった数時間だったッスけど、ドッと疲れたッス~…。」
僧「そう言えばミックス、いつの間にか背中のデカくなってないか?」
混「あ、そうッスよ! この翼のお陰で、前より高く飛べるようになったッスー!!」
僧「ほーぅ。(……コレがミックスの能力…か?)」
魔王「ねぇねぇ、帰ったらまた一緒に寝てねモンくんっ。」
僧「あ? …ああ、そうだな。」
魔「やっほーぃ!」
僧「(……今日は疲れたからな。北の国には明日から出発するか…。)」
85 = 77 :
>>84の続き。
西国の王「……ではなにか、余の側近であるアヤツが、今回の西の国における窃盗事件を目論んだ首謀者なのか。」
騎士長「…はい。既に本人、またその部下に当たる実行犯達からも確認を受けております。」
貴族「申し訳ございません、申し訳ございませんっ!!」
盗賊頭「見苦しいぜぇオッサン、さっさとゲロるもんゲロって楽になっちまえってっ!」
貴「ぐぬぬ……う、うるさいぞ小僧ッ!!」
盗「んだぁ? 手前ぇ反省する気有んのか無ぇのかドッチでぃ!!」
騎士B「こ、こらソコっ! 法廷内で槍を振り回すな! …まったく、警備は何をしている!!」
騎士A「お前だお前。」
86 :
おかえり
87 = 77 :
>>85の続き。
西国の王「…のぅウォリア、あの活きの良い男はなんじゃ。」
騎士長「はっ。……あの者は、今回の事件で私の愚直な行いを止めた、功労者です。」
西「……余に嘘を吐くか、ウォリアよ。」
騎「───。」
西「滅多に開かれる事がないとは言え、この『裁判』の際には関係者の情報を前もって渡されるのだぞ。」
騎「……そ、それは…」
西「ウォリア。」
騎「はっ。」
西「余は、御前を我が子のように可愛がっていたつもりじゃ。子のない余にとって、御前が成長して往くサマは実に心地好かった。」
騎「…私も、騎士隊に入った当時から王にはとても良くしていただき、絶対の忠誠を以って返礼をさせてもらおうと考えております。」
西「そんな御前が、余に嘘を伝えるほどに庇うのか、アヤツを。」
騎「……申し訳ございません。」
西「嘘を暴く御前の眼鏡に敵った、か……面白い、男だの。」
88 = 77 :
>>87の続き。
騎士長「はい、面白い男です。…今朝、屋敷領内で対峙していてソレがよくわかりました。」
西国の王「ほっほっほ、御前とはまるで正反対だと言うのにのぅ!」
騎「…それで国王、折り入った御話しが…」
西「よい。言わずともわかる。……叶えてやろうではないか、我が子よ。」
騎「……ありがとうございます…。」
カンッカンッカンッ!
騎士A「それでは国王様より、各人への判決を申し渡すー!!」
89 = 77 :
>>88の続き。
魔王「あ、出て来たーっ!」
盗賊頭「応! …手前ぇら、わざわざ待ってたのかよ?」
僧侶「『裁判』には国民しか入っちゃいけねぇんだとよ。」
混血「……出てくるのはアニキさんだけッスか?」
盗「オッサンとアイツらは、そのまま奥の牢屋ん中連れて行かれたぜ。ま、死ぬほどの刑じゃねぇみてぇだが。」
僧「…で、オマエは無罪か。」
盗「いや、そうでもなぇ。“今日の陽が沈んだ時より、我が国への入国を永久に禁止する”だとよ。」
僧「そりゃまた…、」
混「良いのか悪いのかわからない罰ッスね……。」
盗「ま、命が有るだけよかったってモンよ!」
僧「そうだな、これで殺されちゃ助けに行った意味が無ぇや。」
魔「ジジィふんじばった甲斐が無いやー。」
混「オイラはちょっと強くなれたから満足ッスー。」
盗「……、」
僧「どうした?」
盗「いや…今回は手前ぇらに助けられたからよ……礼が言いたいんだが言葉が見当たらねぇ。」
90 = 77 :
>>89の続き。
僧侶「よせよ気味悪ぃ。ンな“しおらしく”なったオマエが見たくて助けた訳じゃねぇぞ。」
盗賊頭「何…?」
僧「俺がオマエを助けようと思ったのは、オマエが故郷に置いてきた弟達の為だ。」
盗「──!」
混血「家族が待ってるのに、命が危なくなるような事をするのはよくないッス!」
僧「もし今朝オマエが処刑されてたら、故郷にいる弟はどうなる? …絶対に帰って来ない兄を待って、待ち続けて、ろくに生活能力も無くて死んで逝くのか!?」
魔王「モンくん…。」
僧「背負う者がある奴が命を捨てる立場に居るな! …忠告したはずだぞ! 田舎に行って静かに暮らせってな!!」
盗「……悪ぃ。」
僧「謝る相手が違う。」
盗「………。」
僧「さっさと帰って、弟たちに言ってやれ。そしたら、もう二度とこの仕事をするのは止めろ。」
盗「…あぁ。」
僧「……もう昼過ぎだ、宿屋に帰るぞ。」
混「あ…はいッス。」
魔「待って待ってぇ~。」
盗「………。」
91 = 77 :
>>90の続き。
僧侶「──はぁ?」
騎士長「…だから、君達の旅に同行させてもらえないだろうか。君達さえ良ければ、だが。」
魔王「良いよ…ムグッ!」
僧「……なんでまた。」
騎「何と言えばいいか……今回の件の礼も兼ねて、と言うことなんだが。」
僧「いきなり過ぎだろ。…仕事はどうするんだ、『騎士長』がいきなり欠ける訳にもいかんだろう。」
騎「後任は、私の側近をしていたアリ(騎士A)を推挙しておいた。」
僧「アリ?」
騎「君達が最初に会った騎士の、体の大きい方だ。」
僧「(アイツか…。)それにしたってアンタ、俺たちの旅の目的知りもしないのに…」
騎「では、教えてくれないか? てっきり旅行や“根を張る場所”を探しているのかと思っていたのだけど。」
僧「…どうするよ。」
混血「オイラは、師匠にまかせるッス!」
魔「モンくんのしたいようにして? あたしはそれに従うから。」
僧「……仕方無ぇな、他言無用だぞ?」
92 :
騎士を最初盗賊頭かと思った
93 :
そこらの連載より面白いから困る
94 :
>>93
同感
95 = 77 :
>>91の続き。
騎士長「君みたいな子供が……魔王…。」
魔王「魔族は寿命が長いから、こう見えても500歳は超えておりますっ。」
僧侶「なんという婆さ…」
魔「いゃんっ。」
バキィッ!
僧「痛ててて…。」
混血「口は災いの元ッスよ師匠。…あ、ちなみにオイラは『魔族の力が使える人間』なんで、寿命は人間と同じッス。いまは14歳と2ヶ月ッス。」
騎「ふむ……ところでモンクくん。」
僧「むしろその呼び方はやめろ。で、なんだ。」
騎「いや…君はまだ何か隠し事をしていると思うのだが。マオくんにも、ミックスくんにも。」
魔「ふぇ? そーなの?」
混「水くさいッスよ! 何かあったらドンドン言って欲しいッスよ!?」
僧「……今はまだ言えないんだが、北の国に着けば、話せると思う。」
魔「北の国?」
混「そこに、なにかあるッスか?」
僧「いや…マオに会わせたいヒトが居る。俺が知っている話しは、ソイツから聞かないとダメなんだ。」
96 :
>>95の続き。
騎士長「…取りあえず、大まかな話しは理解した。確かにこの事は他言無用としよう。」
僧侶「ああ、そうしてくれると助かる。」
騎「それで、今日はもう陽が沈んでいるし、出発するのは明日だろう?」
僧「……本当についてくる気か?」
騎「なに、足手纏いになるつもりはないよ。」
混血「ウォリアさんならオイラよかよっぽど役に立つと思うッスよ~。」
魔王「ウォリあん! ウォリあん! 助けてウォリあん!」
騎「では、私は寮に帰るとする。明日の昼頃に、北門の前で会おう。」
僧「ああ。防寒着は自分で用意してくれよ。」
騎「わかっている。君も、最悪そ自分達が困らない程度の食糧は買っておきたまえ。」
混「師匠、オイラ防寒着持ってないッスよ…。」
魔「あたしもーっ。」
僧「……そうだな、まだ時間も早いし、今から買い物に行くか。」
97 :
マオたん自重wwwwwwwwwwwwww
98 = 96 :
>>96の続き。
僧侶「防寒着防寒着…。」
混血「オイラ、サーカスに居たときは寒くなると毛皮着せられてたッス。」
魔王「あたしは、ちょっとくらいの寒さだったら“お守り”が防いでくれるよー。」
僧「いまの時期の北は極寒だ。ウカツな装備で行くと凍え死ぬぞ。」
混「寒いのと暑いのだとドッチが苦手ッスか?」
僧「……寒さは服でカバーできるが、暑さは脱ぐにも限界がある。だから暑い方が苦手だ。」
魔「あたしも暑いのは好きじゃないよぉ。お肉がすぐ傷んじゃって、一気に食べないと勿体無くなっちゃうから。」
混「あ、オイラこれでいいッスよー。」
僧「……ただの長袖服じゃないか。」
混「へっ? 長袖の服はぜんぶ防寒着じゃないッスか? オイラ半袖しか着たことないからよくわかんないッス…。」
僧「………。」
ナデナデ
混「え…ど、どうしたッスか? なんでオイラ頭なでられてるッスか?」
僧「なんでもない……取りあえずこのファー付きのコート買ってやるから…。」
99 = 96 :
>>98の続き。
僧侶「マオの防寒着は……。」
魔王「お守りが有るからいいよぉ?」
僧「気温をある程度防げたとしても、吹雪いてくる雪が体に当たったら冷たいだろ? そうやって体温が奪われいって、動けなくなっていくんだ。」
魔「うにゅ…。」
僧「…ん、コレがいいんじゃないか? ボンボンもついてるし、可愛いだろ。」
魔「……いい。」
僧「気に入らなかったか?」
魔「赤い…から、血みたいな色…。」
僧「あ……そうか、悪い。」
魔「ごめんね? 血の色は好きだけど、それ着たら血だらけになったみたいでお腹空きそうなの。」
僧「……じゃあ、コッチはどうだ。正反対の青だし、女の子に人気みたいだぞ?」
魔「静脈の色に…」
僧「じゃあこのベージュは?」
魔「肌の色…」
僧「───。」
魔「───。」
僧「───。」
魔「───。」
僧「ハァ、ハァ……お前、遊んでるだろ?」
魔「モンくんが可愛いくて…つい。」
僧「もうこの黒いのでいいな?」
100 :
わっふる絶えないぜwwww
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