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元スレ武内P「大人の魅力、ですか」

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51 = 40 :

卯月「私はー! ずっと養成所でレッスンをしていましたー!」

卯月「いつかアイドルになるんだって、夢見て頑張ってたんですー!」


アイドル達「知ってるー!」

武内P「……」


卯月「そんな私を見つけてくれたのが、プロデューサーさんでしたー!」


アイドル達「ヒュウウウウウ!」

武内P「!?」

52 = 40 :

卯月「プロデューサーさんはー! いつも私達を見守ってくれていますー!」

卯月「私がくじけそうになった時もー! 必死にはげましてくれましたー!」


アイドル達「わかるー!」

武内P「……///」


卯月「そんなプロデューサーさんにー!」

卯月「伝えたい事がありまーす!」


アイドル達「ヒュウウウウ!」

武内P「……!?」


  ・  ・  ・


坂本「え、何!? 告白!? マジで!?」

岡田「え、大丈夫? 放送出来るのこれ?」

53 = 40 :

卯月「プロデューサーさーん!」

卯月「……」


アイドル達「……」

武内P「!?……!?」


卯月「……」


アイドル達「がんばれー!」

武内P「!?」


卯月「島村卯月、頑張ります!」


  ・  ・  ・

坂本・岡田「……」

54 = 40 :

卯月「……プロデューサーさーん!」


アイドル達「……」

武内P「……」


卯月「反応に困るので、ポエムを言ってこないでくださーい!!」


  ・  ・  ・


坂本「え!? あの人あの顔でポエム言うの!?」

岡田「やべえ、めっちゃ聞きたいwwww」


  ・  ・  ・


武内P「……」


武内P「善処しまーす!」


卯月「それ、ダメな時の返しじゃないですかああ!!」


  ・  ・  ・


坂本「やめてやれよwwww」

岡田「聞きたくなるわ―」

ハハハハハッ!

55 = 40 :

  ・  ・  ・

坂本・岡田「こんにちは!」

みく「こんにちは!」

坂本「お名前は!」

みく「前川みくですにゃん♪」

岡田「岡田准一ですにゃん♪」

みく「!?」

坂本「お前もやるのか――坂本昌行ですにゃん♪」

みく「!?」

みく・坂本・岡田「……」

みく・坂本・岡田「にゃんにゃん♪」

坂本「なんだよこれwwww」

ハハハハッ!

56 = 40 :

本日の主張

『プロデューサーさんへ』


  ・  ・  ・


坂本「もう直接言えよwwww」

岡田「どれだけ距離が遠い関係なのwwww」


  ・  ・  ・


みく「にゃああああああ!」


アイドル達「にゃああああああ!」

武内P「……」


  ・  ・  ・


坂本・岡田「にゃああああああ!」

ハハハハハッ!

57 = 40 :

みく「Pチャーン! みくは、ずっと言えなかった事があるにゃー!」


アイドル達「なーにー!」

武内P「……」


みく「ずっと頑張ってきたけどー! もう限界にゃあああああ!」


アイドル達「にゃあああああ!」

武内P「……!」


  ・  ・  ・


坂本「俺、この子好きだわ―」

岡田「俺は別にそうでもないわ」

坂本「えっ?」

58 = 40 :

みく「みくはー! みくはー!」


アイドル達「……」

武内P「……」


みく「猫キャラだけど、お魚は嫌いにゃあああああ!」


アハハハハッ!


アイドル達「にゃああああああ!」

武内P「!?」


  ・  ・  ・

坂本「ダメじゃんwwww」

岡田「どうして魚嫌いなのに猫キャラ選んじゃったのwwww」

59 = 40 :

みく「もうホントきついから、お魚関係の仕事はやめてー!」


アイドル達「……」

武内P「……」


  ・  ・  ・


坂本「これは本気だね、『にゃあ』取れちゃってるもん」

岡田「さあ、どう返す!?」


  ・  ・  ・


武内P「……」


武内P「企画、検討中でーす!」


みく「まだお魚のお仕事続くのおおおおおお!?」


アイドル達「にゃあああああ!」


  ・  ・  ・


坂本「このプロデューサー、自分の主張曲げねえなwwww」

岡田「もうこの人に主張して貰う?」


ハハハハハッ!

60 = 40 :

  ・  ・  ・

坂本・岡田「こんにちは!」

「こ、こんにちは」

坂本「どうしたー元気ないぞ―?」

岡田「こんにちは!!」

「こ、こんにちは!」

坂本「はい、お名前は!」

「渋谷凛です!」

岡田「あれ、君って敬語使えたんだ?」

「!?」

坂本「え、詳しいじゃん」

岡田「うん。それに、大声で挨拶するタイプじゃないよね?」

「なんでやらせたの!?」

ハハハハッ!

61 = 40 :

本日の主張

『プロデューサーさんへ』


  ・  ・  ・


坂本「また!?……またなの!?」

岡田「いやでも、俺あの人かなり好きになってきたから良いよ」

坂本「良いんだwwww」


  ・  ・  ・


「……」


アイドル達「いえええええい!」

武内P「……」

62 = 40 :

「私はー! プロデューサーにスカウトされてアイドルになりましたー!」


アイドル達「知ってるー!」

武内P「……」


  ・  ・  ・


坂本「敬語だね」

岡田「そっちでいくんだね」


  ・  ・  ・


「見た目が怖いから、捕まってるプロデューサーを何回か見てきました―!」


アイドル「私もー!」

武内P「!?」


  ・  ・  ・


坂本「皆見たことあるの!?」

岡田「俺も見て―wwwwww」

63 = 40 :

「けれどー! プロデューサーとか関っていく内にー!」

「怖いのは見た目だけだとわかりましたー!」


アイドル達「イエエエエイ!」

武内P「……」


「貴方のおかげでー! 毎日が輝いて見えまーす!」

「アイドルをやる意味もー! 見つかる気がしまーす!」


アイドル達「イエエエエイ!」

武内P「……」


  ・  ・  ・


坂本「良い話じゃなーい」

岡田「え、お金のためじゃないの」

坂本「……水差さないでくれない?」

ハハハッ!

64 = 40 :

「だからー! だからー!」

「もしも、アイドルをやる意味が見つかってー!」

「私がトップアイドルになって、引退した時にー!」


アイドル達「……」

武内P「……」


  ・  ・  ・


坂本・岡田「……!」


  ・  ・  ・


「っ……! 引退した時、お互い――」


武内P「善処しまーす!」


「逃げないでよー! そしてお断りなのかよー!」


  ・  ・  ・


坂本・岡田「アッハッハッハッハ!」

ハハハハハッ!


ナレ「続いてのコーナーは――」




おわり

65 = 40 :

今日は寝ます
またネタ拾って遊ぼうと思います
おやすみなさい

66 :

おつおつ

67 :

おつ
武内PのSS見てると、蒼い子や歩く{検閲済み}とかが迫ってきても武内Pは(突然裏切る可能性はあるけど)自分の味方になる他のアイドルがいるけど、恐らくまゆ専属ぽいまゆPはいつも逃げ場なさそうだな…

68 :

あれ、ウサミンの明らかに未成年じゃない主張は?

69 :

未成年じゃないから出させてもらえなかったんだろう

70 = 40 :

>>67
やってみよう

71 = 40 :

武内P「佐久間さん、お疲れ様です」

まゆ「お疲れ様です」

武内P「それでは早速ですが、成果の方はいかがでしたか?」

まゆ「うふ、貴方のおかげで、と~っても喜んでくれましたよぉ」

武内P「そうですか、それは、何よりです」

まゆ「やっぱり、CPのプロデューサーさんはとっても優秀ですねぇ」

武内P「……」

72 = 40 :

まゆ「貴方のおかげで、最近はとっても調子が良いんです」

武内P「はい。とても、良い笑顔だと私も思います」

まゆ「うふ、ダメですよぉ。まゆは、運命の紅い糸で結ばれた相手がいますから」

武内P「……そういう意味では」

まゆ「わかってますよぉ。冗談です」

武内P「……」

73 = 40 :

武内P「今回の件で何か問題はありましたか?」

まゆ「実は……」

武内P「また、ですか」

まゆ「はい……プロデューサーさんへの想いが止まらなくて」

武内P「佐久間さん、時には強引に押すことも必要でしょう」

武内P「ですが、彼はとても面倒見の良い男です」

まゆ「はい。だって、まゆの事をいつも見ててくれますから」

武内P「なので、焦る必要はありません。いいですね?」

まゆ「わかってはいるんですよぉ」

武内P「……」

74 = 40 :

武内P「それと、彼へのプレゼントに関する事で注意しておきたい点が」

まゆ「注意、ですかぁ?」

武内P「あまり、手作りの物を渡すのは控えた方が宜しいかと」

まゆ「えっ?」

武内P「佐久間さん、貴女はまだ16歳で、アイドルとしても階段を登っている最中です」

まゆ「でも……」

武内P「そんな貴女が、自分のために時間をかなり割いていると思っている」

まゆ「うふ、まゆの想いの強さがわかって貰えますね」

武内P「それもありますが、それ以上に彼は悩むでしょう」

まゆ「……悩む?」

武内P「はい」

75 = 40 :

武内P「彼は、貴女に慕われる事を嫌がってはいないと思います」

まゆ「だったら、悩む事はないですよねぇ?」

武内P「そうですね、一人の男性としてはそうかもしれません」

まゆ「だったら……」

武内P「しかし、彼もまた、プロデューサーなのです」

まゆ「……」

武内P「プロデューサーの自分が、アイドルである貴女の妨げになっているのかもしれない」

まゆ「そんな事は!」

武内P「貴女の事を大切に思っている彼ならば、きっとこう考えるでしょう」

まゆ「……」

76 = 40 :

まゆ「まゆの事が大切だから、ですか」

武内P「はい」

まゆ「……」

武内P「なので、手作りは重要なイベントの時に合わせていきましょう」

まゆ「でも、他は既製品になっちゃいますよぉ?」

武内P「緩急をつける事も大切です」

まゆ「緩急?」

武内P「手作りには思いの強さが篭っています」

武内P「ですが、それが続いてはそれに慣れてしまいますから」

まゆ「……なるほど」

77 = 40 :

武内P「そうですね……差し当たっては、クリスマスですか」

まゆ「はい、と~っても楽しみです」

武内P「佐久間さん、これは、一つの賭けになりますが」

まゆ「賭け、ですかぁ?」

武内P「クリスマスには、何もプレゼントを用意しない、という手もあります」

まゆ「!?」

武内P「続けても?」

まゆ「……聞かせてもらえますか?」

78 = 40 :

武内P「佐久間さんには、クリスマスまで今までより精力的に仕事に取り組んでもらいます」

まゆ「まゆは、いつも頑張ってますよぉ?」

武内P「今まで、彼のために使っていた時間も使用して、です」

まゆ「それは……」

武内P「そうする事により、彼はそれまでの悩みから開放され、心に余裕が生まれます」

まゆ「……それで?」

武内P「彼はこう思うはずです。――『まゆはとても頑張っているな』」

武内P「『やっと、アイドルとして一緒に、真剣に頑張ってくれるようになった』」

武内P「『せっかくのクリスマスだし、今までのお返しも込めて』――」

まゆ「ご褒美……!?」

武内P「その通りです」

79 = 40 :

武内P「しかし、彼のプレゼントに対して、貴女は何も用意していない……」

まゆ「つまり、大きなリボンを買って、私をラッピングすれば……!?」

武内P「佐久間さん、それは用意している内に入ります」

まゆ「……」

武内P「ですが、佐久間さんに限らず、女性は武器を持っています」

まゆ「武器? 女の武器と言えば……涙?」

武内P「そうです。それを最大限に活かしていきましょう」

まゆ「でも、プロデューサーさんからのクリスマスプレゼントを貰ったら悲しくなんて――」

武内P「――嬉し泣き、という物があるのはご存知ですね?」

まゆ「!」

80 = 40 :

まゆ「……うふ、確かにそれまでの我慢で嬉し泣きしちゃいそうですねぇ」

武内P「世の男性は、女性の涙に弱いものです」

まゆ「それで、プロデューサーさんはまゆの涙を拭って――」

武内P「――しかし、それだけでは足りません」

まゆ「まだ……ですかぁ?」

武内P「佐久間さん、貴女と彼の関係は、アイドルとプロデューサーですね?」

まゆ「うふ、そうですねぇ、運命の紅い糸で結ばれた、ですけど」

武内P「貴女は、女の武器ともう一つ、アイドルとしての武器も持っています」

まゆ「それは……?」

武内P「笑顔です」

81 = 40 :

武内P「アイドルの貴女の笑顔は、女性の武器にも匹敵する強力なものです」

武内P「これを活用しない手はありません」

まゆ「……どうやって?」

武内P「嬉し泣きからの――笑顔です」

まゆ「そんなにうまくいきますか?」

武内P「まず、間違いないでしょう」

まゆ「……言い切りますね」

武内P「一緒に努力を重ねてきたアイドルが、涙と共に笑顔を浮かべている」

武内P「……プロデューサーは、笑顔に弱いのですよ」

まゆ「……うふ、さすがですねぇ」

82 = 40 :

武内P「この流れで、ほぼ間違いなく彼は貴女への好意を意識するでしょう」

まゆ「やっと、プロデューサーさんと結ばれる事が出来ます」

武内P「佐久間さん、焦ってはいけません」

まゆ「?」

武内P「この場合は……そうですね、頬にキスが限度でしょうか」

まゆ「それだけ……?」

武内P「十分です。今後の展開も含めて考えると、それがベストだと私は考えます」

まゆ「今後……?」

武内P「はい」

まゆ「……」

武内P「続けても?」

まゆ「お願いします」

83 = 40 :

武内P「彼は、あくまでもアイドルとプロデューサーという関係でいようとするでしょう」

武内P「なので、一気にそこから逸脱するような行動はあまりよろしくありません」

武内P「だからこその、頬にキスです」

まゆ「……」

武内P「プレゼントを用意しなかった事も、ここで活きてきます」

武内P「アイドルとして頑張ってきて、お返しを用意する暇も無かった」

武内P「そんな貴女が、アイドルとしてお返し出来る精一杯」

まゆ「それで、頬にキス……ですかぁ」

武内P「頬にキスした後、照れ笑いも浮かべれば……はい、間違いないですね」

まゆ「……素晴らしいです」

84 = 40 :

まゆ「でも、そんなに上手くいくでしょうか?」

武内P「それを何とかするのが、プロデューサーの役目ですから」

まゆ「あの……」

武内P「はい、何かありましたか?」

まゆ「プレゼントに、指輪を贈ってもらう事は可能ですか?」

武内P「それは……少し、難しいでしょうね」

まゆ「……そうですかぁ」

武内P「ですが、アクセサリーの類を送るように、それとなく話をふっておきます」

まゆ「うふ、ありがとうございます」

85 = 40 :

武内P「それでは、確認をさせて頂きます」

まゆ「はぁい」

武内P「佐久間さんは、クリスマスまで手作りの贈り物を控えてください」

武内P「これは、貴女が趣味に時間を費やすのを控えてまで努力した、という演出にもなります」

武内P「料理の差し入れ等はそうですね……二回までなら良いでしょう」

まゆ「それだけですかぁ?」

武内P「はい。全てはクリスマスで、最大の結果を得るためと自重してください」

武内P「そして、アイドルとしての活動にも一層励んでください」

武内P「努力に応じて、アクセサリーのランクが上下するのはおわかりですね?」

まゆ「もちろん」

86 = 40 :

武内P「あと、ご協力頂きたい事が」

まゆ「許可?」

武内P「仕事の合間の世間話では、十分に時間が取れません」

武内P「なので……そうですね、クリスマスまでに二回、彼と飲みに行きたいのです」

まゆ「二回、ですか」

武内P「一回では恐らく時間がたりませんので」

まゆ「わかりました。まゆから、CPの皆にはそれとなく許すように言っておきますねぇ」

武内P「ありがとうございます」

まゆ「うふ、こちらこそ、ありがとうございます」

87 = 40 :

武内P「……それでは、私は午後の仕事がありますので、これで」

まゆ「まゆもレッスンがありますから」

武内P「はい、頑張ってください」

まゆ「本当、思い切って相談してみて良かったです」

武内P「担当は違えど、アイドルの悩みを解決するのはプロデューサーの役目ですから」

まゆ「CPのプロデューサーさんは、とっても優秀なんですねぇ」

武内P「……こうでもしないと、飲みに行く自由すらありませんが」


まゆ「うふ、でも……まゆのプロデューサーさんもとっても優秀なんですよ」


武内P「? はい、それは良く知っていますが……?」


まゆ「CPは人数が多いから大変でしょうけど、頑張ってくださいね♪」




おわり

88 :

相談屋まゆP

89 :

…と、同じことをまゆPにも言ってそうな武内P

90 = 40 :

なんだか甘い話が書きたくなったので書きます

91 = 40 :


 ある、男と女の話をしようか。


 その男は、とても誠実だが、とても不器用な男だ。
 背は高く、顔も厳しい。
 男の顔を突然見せられた少女が気絶した事もある位ね。


 そして女は、とても神秘的だが、とても親しみの持てる女だ。
 美しい容姿はいつでも人を惹き付け、魅了する。
 まさしく、本の中から出てきたお姫様といった具合だね。


 私は、一見何の共通点も無い彼らが少し似ていると思っているのだよ。


 ん? どこがかって? っと、その前に煙草に火を付けてもいいかな?
 何? ダメ? アイドルの前で煙草は駄目か……そうか…・・。
 せっかく喫煙所の設置を取り付けたんだがねぇ……。

92 = 40 :


 君達は、年に一回開かれる事務所のパーティーには参加した事があるかな。
 ああ、そうだね、もうそんなに経つか。
 だったら、詳しい話はせずとも平気だね。
 しかしまあ、せっかくだから聞いてくれたまえよ。


 346プロでは、年に一回パーティーが開かれる。
 社員やアイドルに関係なく、とても盛大に、華やかに。
 これは昔からの伝統でね、プロの楽団を招きもするし、毎年大いに盛り上がる。


 私はこれがとても楽しみでねぇ!
 皆が見せる、普段見たことの無い表情がとても新鮮で、出る酒もまた美味い!
 あんなに高価なワインをタダで飲めるんだ、楽しみにしない訳がないさ!
 ……ああ、すまない、また脱線してしまった。
 っとと、そんなに怒らないでくれたまえよ!


 ゴホン!


 これは、先に言った誠実な男と、神秘的な女の、不器用で、親しみの持てる話さ。

93 = 40 :


 パーティー会場には、多くの人が集まっていた。
 赤や黄色、青にピンクにオレンジと、色とりどりのドレスを纏ったお姫様――もとい、アイドル達も沢山。


 それはとても華やかで、私はここで働いていて良かったと思ったね。
 だってそうだろう? こんな仕事をしても居ない限り、年頃の娘さんと接する機会なんて無いからね。
 ……っと、話を戻そうか。


 会場にはとても陽気な音楽が流れ、参加者は皆、それぞれ楽しんでいた。
 仲の良い者同士で談笑する者、普段関わることの無い者同士で交流する者。
 会話よりも食べることに集中する者や、中にはひたすらメガネを布教している者もいたね。


 皆、それぞれが自由に、とてもいい笑顔で笑っていた。


 しかし、男の顔には笑顔はなかった。


 いつもの事?
 いやいや! 男が表情を出すのが苦手だから笑顔では無かったのではないよ!


 男はね、とても緊張していたんだ。

94 = 40 :


 男は、いつものスーツの上下では無かった。
 それは当然だね、何せパーティーだから。
 黒いタキシードを着こなし、髪を整えた姿は、まあ、様になっていたね。
 背が高いせいで調達に苦労したようだが、その甲斐はあるだけの見栄えだった。


 そんな男の姿を見て、担当のアイドル達はとても色々な反応をしていたねぇ。
 素直に褒める声や、普段からそうしていろという声。
 悪くないかな、という素直ではない声を聴いた時は私も笑ってしまったよ!


 女は、いつものアイドルとしてのドレスでは無かった。
 それも当然だ、何せパーティーだから。
 新緑のパーティー用のドレスは彼女の美しさを際立たせ、ある種、近寄りがたい神秘性を感じたね。
 細身な彼女のために仕立てられたドレスを纏った彼女は、まるで女神のようだったよ。


 そんな女の周りには、とても色鮮やかな花達が一緒に居た。
 しかし、普段とは違う女の様子を心配する声がほとんど。
 最初は私も何事かと思っていたんだが、すぐに納得したよ。


 陽気な音楽が、優美なワルツに切り替わる前に、男が女の方へ歩み寄っていったのを見てね。

95 = 40 :


 着飾っているとは言え、男の風貌はとても恐ろしいものだ。
 男の事をよく知らない人間は、自然と彼に道を譲っていった。
 だから、男は真っ直ぐ、曲がることなく、女の元へ向かっていった。
 そう、まるで花道のようだったね。


 男が近づいてくるのを見た女の周りの花達は、
何かを察したように、あとは任せたと言わんばかりに女の元を離れていった。


 陽気な音楽が終盤に差し掛かった時、男は女の元へたどり着いた。
 男の恐ろしげな容姿と、女の美しい容姿は、とても並び立つようなものではない。
 それなのにね、まるで、一枚の絵画の様に美しい光景だと私は思ったよ。


 男は真っ直ぐに女を見つめ、言った。


「私と、踊っいただだっ――……すみません」


 ハッハッハ! 肝心な場面でこれだよ! 傑作だろう?

96 = 40 :


 男は何事も無かったかのように――とは行かなかったが、もう一度女に言った。


「私と、踊って頂けませんか?」


 男の真っ直ぐな誘いに、女は問いで返した。


「どうして、私をお誘いに?」


 女は、もう枯れた私から見てもとても魅力的な女性だ。
 その問いは、我々男性からしたらなんとも意味の無いものだ。
 魅力的な女性をエスコートしたい、それだけで十分なのさ。


 しかし、男の答えは普通とは違っていた。


「私がプロデューサーで、貴女がアイドルですので」


 失礼な答えだと思うかね?
 ……だが、その答えを聞いた女は、とても満足そうに微笑んだのさ。

97 = 40 :


「まあ、貴方がプロデューサーで、私がアイドルだからダンスのお誘いを?」
「はい」


 楽しそうに微笑む女に、男は真っ直ぐに返した。


「今日の貴女が履いているヒールでは、ダンスの相手に困るだろうと思いまして」
「確かにそうですね。私、女にしては背が高くて可愛げがないですから」
「い、いえ! そのようなことは、決して!」
「ふふっ、冗談です」


 焦る男を見た女は、綻ぶ様な笑顔を浮かべていたね。


「……貴女は、とても素晴らしいアイドルです」
「はい、ありがとうございます」
「そんな貴女が、せっかくの舞台で壁の花になるのは見過ごせませんから」
「まあ、とても情熱的なお誘いをする、仕事熱心なプロデューサーさんですね」


 男は無言で女へ手を出しだし、女はその手をとり、笑った。
 その笑顔は、私にはアイドルとしての笑顔ではなく、ただの女の子の笑顔に見えたがね。

98 = 40 :

誤)男は無言で女へ手を出しだし、女はその手をとり、笑った。

正)男は無言で女へ手を差し出し、女はその手をとり、笑った。

99 = 40 :


 ――あとは、君達も見ていただろう?
 二人のダンスはとても素晴らしいもので、君達も盛大に拍手をしていたじゃないか。
 他に何か? そうだねぇ……。
 ああ、少しだけ話を補足しておこうか。


 一見無趣味に見える男はね、ある時期になるとダンス教室に通うんだよ。
 それに加えて、うちの事務所のトレーナーに何やら協力をお願いしているみたいだ。
 職権乱用? ああいや、違う違う! トレーナー達も楽しんでいるみたいだよ。
 無口な馬車が、必死になって頑張ろうとしているのは、応援してたくなるものじゃないか。


 女が、普段とどう様子が違ったのかって?
 そんなのは簡単だよ。
 私でもつい飲みすぎてしまうようないい酒を前にして、彼女が一滴も飲んでいなかったからさ。
 ああそれに、あんなに高いヒールを履いているのもパーティーの時だけだね。


 まるで『美女と野獣』?
 いやいや、あれはとんでもなく甘いラブ・ストーリーじゃないか。 
 言うなれば、あれは三角関係だね。
 男と、女と、そして、仕事の。
 とても不器用で、親しみが持てるだろう?

100 = 40 :


 さあ、話はおしまいだ。
 気になっていた謎は解けたかな?
 いやいや、これ以上私から話す事は何もないよ。
 これ以上は、本人の口から聞くべきだ。


 さ、もう行きなさい。
 私はこれから至福の時間を過ごすんだから。
 必死になって勝ち取った、この喫煙所!


 ん、そういえば、君達ならわかるかな。
 彼女が言っていたんだけどね、私には意味がサッパリわからなかったんだよ。
 何だったかな……ああ、そうそう!


 ハイヒールを履いて、はい、ヒール。


 ――だったかな。


 ああっ!? もうこんな時間じゃないか!
 ……やれやれ、煙草を吸いそびれてしまったよ。


 私の癒やしの時間が。




おわり



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