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元スレ武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
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武内P「あのっ、炎陣の打ち上げも、この様な感じなのですか!?」
亜希「何がでありますか? 焼き肉でありますか?」
武内P「貴女は、炎陣の打ち上げの時も、ここまで酔っているのでしょうか!」
亜希「ふぁいっ! サバゲーとぉ、プラモ収集がぁ、趣味であります!」
武内P「聞いていません、大和さん!」
亜希「むむむっ! これはいけませんな!」
武内P「! あの……どうか、されましたか!?」
亜希「この餃子……ニンニクがきいていて、美味しい!」
亜希「これは、是非ともLIVE時の兵站に加えて頂きたい!」
亜希「この要望が通らない場合、切腹して果てる所存ですぞ!」
武内P「兵士を通り越して、武士になっているじゃないですか!」
亜希「何がでありますか? 焼き肉でありますか?」
武内P「貴女は、炎陣の打ち上げの時も、ここまで酔っているのでしょうか!」
亜希「ふぁいっ! サバゲーとぉ、プラモ収集がぁ、趣味であります!」
武内P「聞いていません、大和さん!」
亜希「むむむっ! これはいけませんな!」
武内P「! あの……どうか、されましたか!?」
亜希「この餃子……ニンニクがきいていて、美味しい!」
亜希「これは、是非ともLIVE時の兵站に加えて頂きたい!」
亜希「この要望が通らない場合、切腹して果てる所存ですぞ!」
武内P「兵士を通り越して、武士になっているじゃないですか!」
亜希「いやー、しかし、楽しいでありますなぁ!」
武内P「……大和さん?」
亜希「炎陣の打ち上げも、この様に! 皆で飲みたいのでぇ、あります!」
武内P「……大和さん」
亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」
武内P「や、大和さん……あの、もうやめておいた方が……」
亜希「――にも関わらず! あのヒヨッコ共は、未成年だからと!」
ダンッ!
亜希「断じてっ! 断じて、飲もうとしないのです!」
亜希「この私にも、グラス一杯でやめるようにと言う始末!」
亜希「如何思いますか、プロデューサー殿!」
武内P「皆さんの判断は、とても正しいものだと思います!」
武内P「……大和さん?」
亜希「炎陣の打ち上げも、この様に! 皆で飲みたいのでぇ、あります!」
武内P「……大和さん」
亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」
武内P「や、大和さん……あの、もうやめておいた方が……」
亜希「――にも関わらず! あのヒヨッコ共は、未成年だからと!」
ダンッ!
亜希「断じてっ! 断じて、飲もうとしないのです!」
亜希「この私にも、グラス一杯でやめるようにと言う始末!」
亜希「如何思いますか、プロデューサー殿!」
武内P「皆さんの判断は、とても正しいものだと思います!」
亜希「今、何と? まさかとは思いますが、私以外のメンバーの意見が、正しいと?」
武内P「……今の貴女の姿を見れば、そう、判断せざるを得ません」
亜希「なるほど……つまり、私の味方は出来ない、と」
武内P「そう、なります」
亜希「あーあー! 言いましたな! 言ってしまわれましたな!」
武内P「……」
亜希「んぐんぐっ……プハーッ!」
亜希「……ションボリでありますよ」ションボリ
亜希「まことに……ションボリする事態でありますよ」ションボリ
武内P「んんん……! 厄介……!」
武内P「……今の貴女の姿を見れば、そう、判断せざるを得ません」
亜希「なるほど……つまり、私の味方は出来ない、と」
武内P「そう、なります」
亜希「あーあー! 言いましたな! 言ってしまわれましたな!」
武内P「……」
亜希「んぐんぐっ……プハーッ!」
亜希「……ションボリでありますよ」ションボリ
亜希「まことに……ションボリする事態でありますよ」ションボリ
武内P「んんん……! 厄介……!」
亜希「私は、楽しく飲みたいだけでありますのに……」ションボリ
武内P「その……こうやって、別の機会に飲むのでは、いけませんか?」
亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」
亜希「それは……また、お付き合い頂けるという事でありましょうか?」
…きゅっ
武内P「っ!? や、大和さん、あの……手を離してください……!」
亜希「アイドルの……私の、色仕掛けであります」
武内P「ま、待ってください! いけません、大和さん!」
亜希「隙ありっ!」
バチーンッ!
武内P「へぶっ!?」
亜希「あっはっは! セクシーコマンド―ですよ、プロデューサー殿!」
武内P「……」イラァッ
武内P「その……こうやって、別の機会に飲むのでは、いけませんか?」
亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」
亜希「それは……また、お付き合い頂けるという事でありましょうか?」
…きゅっ
武内P「っ!? や、大和さん、あの……手を離してください……!」
亜希「アイドルの……私の、色仕掛けであります」
武内P「ま、待ってください! いけません、大和さん!」
亜希「隙ありっ!」
バチーンッ!
武内P「へぶっ!?」
亜希「あっはっは! セクシーコマンド―ですよ、プロデューサー殿!」
武内P「……」イラァッ
アニメで楓さんとお茶してた軍曹
あのあとはやはり飲みにいったんだろうか
あのあとはやはり飲みにいったんだろうか
武内P「……大和さん。そろそろ、解散しましょうか」
亜希「お断りするでありまーす、ますまーす」
武内P「では……私は先に、帰らせていただきます」
亜希「おや、よろしいのですか?」
武内P「……何がですか」
亜希「私をこのまま放置して帰れば、どうなるかわかりませんよ?」
亜希「この店の他の客のみならず、外にフィールドを移し……」
亜希「通行人すらも、ちぎっては投げ、ちぎっては投げしますよ?」
亜希「そうなった場合、私は思い処罰を受けますよ、んんー?」
武内P「待ってください! あまりにも、非人道的すぎます!」
武内P「と、言いますか……自分を人質にするような作戦は、やめてください!」
亜希「お断りするでありまーす、ますまーす」
武内P「では……私は先に、帰らせていただきます」
亜希「おや、よろしいのですか?」
武内P「……何がですか」
亜希「私をこのまま放置して帰れば、どうなるかわかりませんよ?」
亜希「この店の他の客のみならず、外にフィールドを移し……」
亜希「通行人すらも、ちぎっては投げ、ちぎっては投げしますよ?」
亜希「そうなった場合、私は思い処罰を受けますよ、んんー?」
武内P「待ってください! あまりにも、非人道的すぎます!」
武内P「と、言いますか……自分を人質にするような作戦は、やめてください!」
武内P「あの、一つ……聞いても良いでしょうか」
亜希「一つ? スリーサイズを聞く時は、三つでありましょう?」
武内P「飲み仲間、というのは……いらっしゃらないのでしょうか?」
亜希「勿論、居ますとも! 戦場を共に駆け抜ける、友人が!」
武内P「では、その方と一緒に飲む機会を増やせば……満足なさるのでは?」
亜希「ふむ……炎陣の打ち上げとは、別の機会を主戦場とする、と」
武内P「はい。そうすれば、炎陣の打ち上げでアルコールを飲まなくても――」
亜希「――確かに! それなら、補給は十分です!」
亜希「成人している友人と、存分に飲み明かします!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
亜希「しかし、高垣殿と飲んだ時は、翌日専務にこっぴどく叱られましてなぁ!」
武内P「えっ」
亜希「一つ? スリーサイズを聞く時は、三つでありましょう?」
武内P「飲み仲間、というのは……いらっしゃらないのでしょうか?」
亜希「勿論、居ますとも! 戦場を共に駆け抜ける、友人が!」
武内P「では、その方と一緒に飲む機会を増やせば……満足なさるのでは?」
亜希「ふむ……炎陣の打ち上げとは、別の機会を主戦場とする、と」
武内P「はい。そうすれば、炎陣の打ち上げでアルコールを飲まなくても――」
亜希「――確かに! それなら、補給は十分です!」
亜希「成人している友人と、存分に飲み明かします!」ニコッ!
武内P「……良い、笑顔です」
亜希「しかし、高垣殿と飲んだ時は、翌日専務にこっぴどく叱られましてなぁ!」
武内P「えっ」
武内P「……待ってください……今、何と?」
亜希「二人して、謝罪しか出来ない、辛い状況でありました!」
武内P「誰と……そして、何をしたのですか!?」
亜希「飲みながら、高垣殿と交互に、専務にイタ電をば!」
武内P「叱られるには決まっているじゃないですか!」
亜希「しかし、プロデューサー殿が止めてくれるならば、安心ですな!」
武内P「待ってください! 私を巻き込ま」
楓「ふふっ! ビールを……浴びーる程、飲めますね……うふふっ!」
武内P「っ!?」
亜希「任務、お疲れ様であります! ささっ、飲みましょう!」
武内P「待ってください! あの、何故、彼女が此処に!?」
亜希「増援でありますよ? そして、伏兵は、基本でありますからな!」
武内P「来ることを伏せていただけじゃないですか!」
亜希「二人して、謝罪しか出来ない、辛い状況でありました!」
武内P「誰と……そして、何をしたのですか!?」
亜希「飲みながら、高垣殿と交互に、専務にイタ電をば!」
武内P「叱られるには決まっているじゃないですか!」
亜希「しかし、プロデューサー殿が止めてくれるならば、安心ですな!」
武内P「待ってください! 私を巻き込ま」
楓「ふふっ! ビールを……浴びーる程、飲めますね……うふふっ!」
武内P「っ!?」
亜希「任務、お疲れ様であります! ささっ、飲みましょう!」
武内P「待ってください! あの、何故、彼女が此処に!?」
亜希「増援でありますよ? そして、伏兵は、基本でありますからな!」
武内P「来ることを伏せていただけじゃないですか!」
武内P「あ、あのっ! 私はもう、ここで!」
楓「その話、お受けできません」
亜希「そうであります! 我々が、叱られても良いと!?」
武内P「そういう問題ではなく!」
亜希「しかし……作戦は、うまくいきましたな!」
楓「ええ♪ これで、思う存分飲めるもの」
武内P「……えっ?」
亜希「プロデューサー殿を騙すのは気が引けましたが……」
亜希「騙すのではなく、トラップにはめると思えば、存分に出来ました!」
亜希「正に、見事な作戦でありました!」
武内P「……待ってください」
武内P「まさかとは思いますが……その……待ってください……!」
楓「その話、お受けできません」
亜希「そうであります! 我々が、叱られても良いと!?」
武内P「そういう問題ではなく!」
亜希「しかし……作戦は、うまくいきましたな!」
楓「ええ♪ これで、思う存分飲めるもの」
武内P「……えっ?」
亜希「プロデューサー殿を騙すのは気が引けましたが……」
亜希「騙すのではなく、トラップにはめると思えば、存分に出来ました!」
亜希「正に、見事な作戦でありました!」
武内P「……待ってください」
武内P「まさかとは思いますが……その……待ってください……!」
武内P「あの……最初から、私を巻き込むつもりで……!?」
楓「ここは、ライトが、く、らいと、思うわ」
亜希「他の方達は、遅れていらっしゃるので?」
武内P「待ってください! まだ、増えるのですか!?」
楓「ええと……あと、三人?」
亜希「今日は、多くて五人です。いやはや、楽しみでなりません!」
武内P「お願いします! 話を聞いてください!」
楓「……私達が誘っても警戒されているので……」
武内P「……」
楓「警戒されてない亜希ちゃんに、ふふっ、軽快に連れてきて貰いました♪」
亜希「孤軍奮闘するプロデューサー殿に、敬礼ッ!」ビシッ!
武内P「……良い、敬礼です」
武内P「ですが、流石に――」
武内P「……グレたくなりますね」
おわり
楓「ここは、ライトが、く、らいと、思うわ」
亜希「他の方達は、遅れていらっしゃるので?」
武内P「待ってください! まだ、増えるのですか!?」
楓「ええと……あと、三人?」
亜希「今日は、多くて五人です。いやはや、楽しみでなりません!」
武内P「お願いします! 話を聞いてください!」
楓「……私達が誘っても警戒されているので……」
武内P「……」
楓「警戒されてない亜希ちゃんに、ふふっ、軽快に連れてきて貰いました♪」
亜希「孤軍奮闘するプロデューサー殿に、敬礼ッ!」ビシッ!
武内P「……良い、敬礼です」
武内P「ですが、流石に――」
武内P「……グレたくなりますね」
おわり
おつ
遠慮せずにビールのんでいいですよって敬語になるところですごい笑った
遠慮せずにビールのんでいいですよって敬語になるところですごい笑った
乙、ふと思ったが武内pはありすに待てますか?と聞かれたらなんと答えるんだろう?待てると言ったら言ったでどこぞのクールたちが黙ってなさそうだが…
ほんと武内Pは誰とでも違和感なく絡むな
なんて使いやすい食材なんだ・・・
なんて使いやすい食材なんだ・・・
楓さんとの謎の関係が生かされるとは…
ほんと何で一緒にいたんだろ
ほんと何で一緒にいたんだろ
アッキーとかヒョウくんとかブレッツェンとかペロさんとかと会話できそうだよね彼
イベント最終日だけど武内Pの流し目とかピアノ演奏とか良い…良くない?無骨な手が鍵盤を踊るの
>>221
書きます
書きます
>>221
ロックだね
ロックだね
「……ん」
レッスンルームの隅に、白いタオルが落ちているのを見つけた。
室内を確認しようと思っていた訳では、ない。
偶然前を通りがかり、偶々ソレを見つけたに過ぎない。
だが、見つけたからには、そのままにしておく訳にはいかないだろう。
「……」
ドアを開け、すぐ横にある部屋の照明のスイッチを入れる。
窓から差し込む光は弱々しく、代わりに、雨音を運んできていた。
やはり、この時期になると、どうしても雨の日が多くなる。
湿度が高く、髪がまとまらないと苦労しているアイドルの方も、多く居る。
「……」
そんな、良いとは言えない天気でも、アイドルの方のレッスンは行われる。
室内だから天候は関係無いと、そう、思うかも知れない。
しかし、どんよりとした空を窓から見ながらでは、気分は盛り下がるというもの。
そう思い、窓の外を見ると、昨夜から不休で働いている雨雲と、
「……」
中庭に咲く、鮮やかな紫陽花が、目に入った。
雨の水滴を受けているにも関わらず、その姿がこそ美しい。
レッスンを受けるアイドルの方も見ただろうか。
いや……彼女達自身が、花なのだ。
より美しく咲き誇るために、脇目も振らず、レッスンに打ち込んだ事だろう。
「……」
タオルを拾い上げ、確認すると……タグの部分に、小さく名前が書いてあった。
>>227
1、三船
2、渋谷
3、神埼
4、神谷
5、上条
――と。
・ ・ ・
「ああもうっ! どうして忘れるかな~!」
レッスンが終わって、シャワーを浴びようとロッカーを開けたら気付くんだもんなぁ!
全く、凛の奴も気づいてたんなら言ってくれっての!
な~にが、そういえばタオルが落ちてたかも、だよ!
……いやまあ、忘れたあたしが悪いんだけど……そ、それはそれだよ!
「う~……!」
本当、この時期は駄目だ!
何が駄目って、この湿度! 最悪だよ、もうっ!
前髪は決まらないし、髪が広がって広がってしょうがない!
こんなんじゃ、ファンの皆の前に立つ時……って、
「……あたし、アイドルになったんだよな」
凛と、加蓮と、一緒にトライアドで……クローネでデビューして。
その後も、順調に仕事して、アイドルやってる。
髪がまとまらないのも、ただ鬱陶しいだけじゃなくて、
応援してくれるファンの皆に、最高のあたしを見せたいから、って理由になってる。
「――うしっ! 気合、入れないとな!」
廊下で、一人気合を入れる。
雨が振ってると、イマイチ気分が乗らないけど、そうも言ってられない!
だってさ、もうすぐLIVEなんだぜ、LIVE!
ちょっとやそっとの雨でへこたれてちゃ、凛と加蓮にまたイジられる!
「しっかし……雨、やまないかなぁ」
歩きながら、髪を手で梳くけど、ちっともまとまりやしない。
良いシャンプーがあるって聞いたから、早くシャワー浴びたいんだよ。
今度のLIVEのメンバーの人が、持ってきてくれてさ!
トリートメントとか、ブラッシングとか教えてくれるって――
「……なんだ……?」
――ピアノの……音……?
目的地の、さっきまでボイスレッスンをしてたホールから、聞こえる。
僅かに開いたドアの隙間から聞こえてくる音色は、静かだけど……とても、力強い。
「誰か、演奏してるのか?」
何の曲だろうと、ちょっと考えてみたんだけど……全然わかんない。
もしかしてあの曲かな、と思った途端、いつの間にか全然感じの違うメロディーになる。
探るように、だけど、踏みしめるように。
徐々に、徐々に……その音色は、力強さを増していく。
「あ」
あたしの、曲だ。
「ああもうっ! どうして忘れるかな~!」
レッスンが終わって、シャワーを浴びようとロッカーを開けたら気付くんだもんなぁ!
全く、凛の奴も気づいてたんなら言ってくれっての!
な~にが、そういえばタオルが落ちてたかも、だよ!
……いやまあ、忘れたあたしが悪いんだけど……そ、それはそれだよ!
「う~……!」
本当、この時期は駄目だ!
何が駄目って、この湿度! 最悪だよ、もうっ!
前髪は決まらないし、髪が広がって広がってしょうがない!
こんなんじゃ、ファンの皆の前に立つ時……って、
「……あたし、アイドルになったんだよな」
凛と、加蓮と、一緒にトライアドで……クローネでデビューして。
その後も、順調に仕事して、アイドルやってる。
髪がまとまらないのも、ただ鬱陶しいだけじゃなくて、
応援してくれるファンの皆に、最高のあたしを見せたいから、って理由になってる。
「――うしっ! 気合、入れないとな!」
廊下で、一人気合を入れる。
雨が振ってると、イマイチ気分が乗らないけど、そうも言ってられない!
だってさ、もうすぐLIVEなんだぜ、LIVE!
ちょっとやそっとの雨でへこたれてちゃ、凛と加蓮にまたイジられる!
「しっかし……雨、やまないかなぁ」
歩きながら、髪を手で梳くけど、ちっともまとまりやしない。
良いシャンプーがあるって聞いたから、早くシャワー浴びたいんだよ。
今度のLIVEのメンバーの人が、持ってきてくれてさ!
トリートメントとか、ブラッシングとか教えてくれるって――
「……なんだ……?」
――ピアノの……音……?
目的地の、さっきまでボイスレッスンをしてたホールから、聞こえる。
僅かに開いたドアの隙間から聞こえてくる音色は、静かだけど……とても、力強い。
「誰か、演奏してるのか?」
何の曲だろうと、ちょっと考えてみたんだけど……全然わかんない。
もしかしてあの曲かな、と思った途端、いつの間にか全然感じの違うメロディーになる。
探るように、だけど、踏みしめるように。
徐々に、徐々に……その音色は、力強さを増していく。
「あ」
あたしの、曲だ。
「……」
雨の音は今でも聞こえてるのに、あたしの耳は、流れてくるメロディーしか拾おうとしない。
普通よりも、少しゆっくりと弾かれる『2nd SIDE』は、まるで違う曲みたいだ。
ハッキリと違うのは、低音……だよな、うん、そうだ。
全体を支えるような、その音が、凄く、耳に心地良い。
「……」
その音に吸い寄せられるように、足がレッスンルームへ向かっていく。
元々、そこへ向かってたんだけど……そうじゃなくても、きっと、そうしてた。
だって、気になるだろ?
一体、どんな人が、こんな演奏をしてるのか、ってさ。
「……」
勝手に弾いてるんだろうけど……邪魔にならないよう、そっと中を覗く。
レッスンに使う電子キーボードの前に座ってたのは、思いもよらない人だった。
背が高くて、顔が怖いけど……凛が言うには、真面目だけど、ちょっと抜けてる人。
シンデレラプロジェクトの、プロデューサー。
「……」
遠くからでも、大きな手が鍵盤の上を踊るように走ってるのが、わかる。
上着を着ながら弾くのはちょっと邪魔だったのか、軽く、腕まくりしてるのかな。
……うわ、凄いな、あれ……プロデューサーって、ピアノも弾けるもんなのか?
言っちゃ何だけど、意外すぎて、誰もピアノが弾けるなんて思ってないんじゃないか?
「……」
でも、それにしたって――なんで、あたしの曲なんだよ!?
他の人の……例えば、凛の曲だったら、スッと入っていけるっての!
よりによって、どうして『2nd SIDE』を弾いてるんだよ~!
そんな状況で入っていくなんて、お互い、すっごく気まずくなっちゃうだろ!?
「……」
……でも、まあ、もうちょっと聞いてても――って、駄目だ駄目だ!
急いで戻ってくるから待ってて、って言って来てるんだから!
うし! ここは、気づかれないように、そ~っと中に入って、タオルを――
「っ!?」
――って、なんでだよ!?
なんで、あたしのタオルが、キーボードの横にかかってるんだ!?
しかも、綺麗に折りたたんで……ああ~っ、拾ってくれてたのかぁ……!
「――……!」
曲が、サビに近づいていく。
忘れて帰ったと思われてるなら、多分、弾き終わるまでにもうちょっと時間がかかる。
終わるまで待って……でも……いや、だけどっ!
――あああ、もうっ!
勇気を出して試すのさ!
「聞いて・・!」
歌いながら、レッスンルームに入る。
いや、だって、この人だって、演奏してるのを聞かれてただけじゃ、気まずいだろ!?
だったら、あたしも歌えば、これでチャラになるし、終わりに――
「はい」
――ならなかった。
「っ!?」
キーボードの鍵盤を弾く手を緩める事なく、チラリとこちらを流し見て、言ったんだ。
楽しそうに……それも、凄く楽しそうに、笑いながら。
その笑顔が、あたしには……輝いて、見えたんだ。
……でも――
「――!」
――そう思わされるだけなんて、悔しいだろ。
あたしは――アイドルなんだから!
「ここ、だけ~の話♪」
やってやろうじゃんか! その勝負、受けて立ぁつ!
アイドルの歌が、プロデューサーの演奏に!
あたしの笑顔が、あんたの笑顔に負けてたまるかってんだ!
「そうよ♪」
歌に合わせて、演奏の調子も上がっていく。
降り続く雨の音が、手拍子の様に、エチュードを囃し立てる。
「夢のような気持ちを~♪」
あたしの、そんな想いが伝わったのか、また、流し目に見られた。
口の端が少し上がってるから、多分、同じ気持ちなんだと思う。
滅茶苦茶楽しいっ! って!
「あな、たは、知ら~ない♪」
でもな! まだまだ、こんなもんじゃないぞ!
覚悟しとけよな!
本当のあたし、見せるから!
全力を出すため、顔にかかる髪をバサッとかき上げた。
まとまりなんて、気にしてる場合じゃない!
・ ・ ・
「――!」
大きな手が、指が、キーボードの端から端へと滑っていく。
そして、締めは一番右端。
一番高いドの音が、ピンッ、と響いた。
こんなの……こんなの、もうっ!
「いえーいっ!」
テンションが上がって、しょうがない!
両手を上げて、プロデューサーの方に、近づいて行く。
何をしようと察したのか、プロデューサーも、戸惑いつつも、両手を上げた。
おいおい、演奏してる時はあんなに楽しそうだったに、終わったらすぐそれか!?
――パァンッ!
なーんて、まあ、良いか!
あたしが二人分笑ってるから、それで十分だろ!
「それにしても……手、大きいなぁ!」
打ち合わせた手をそのままに、大きさを比べる。
あたしの手よりも随分と大きいそれは、合わせてみるとその差は一目瞭然!
あっはは、あたしの手がスッポリ収まるサイズだぞ!
そうだよなぁ、これだけ大きい手だったら、ピアノの演奏も――って!
「うわーっ!?」
あたしは何をやってるんだー!?
いくらテンションが上がってたからって、てっ、手と手を合わせるなんて!
いや、握手会とかで、男の人の手を握りはするけど!
でも、だけど、今のは……うわあああ!? うわああああ!?
「……」
急に飛び退いたあたしを見ながら、右手を首筋にやって困った顔をしてる。
そっ、そんな顔するなよな!? あたしだって、驚いたんだから!
く、くっそう……ジメジメしてるからか、歌ったからか、すっごく暑い!
顔が熱くて……うううっ、タオル! 早く、タオルを!
「……どうぞ」
……そう思ってたら、当初の目的だったタオルが、差し出された。
いや、ちょっと待ってくれよ……あたし、そんなに汗かいてるのか!?
何も言わなくても、タオルを差し出されるくらい!? 嘘だろ!?
「ど、どうモっ!」
ぐわあああ! 今、声が裏返った!
って、変に目を逸らされると、余計に気まず――
「――あっ」
流し目につられて見た窓の外は、いつの間にか雨がやんでいた。
そして、広がる青空には、大きな……大きな虹がかかっていた。
おわり
「――!」
大きな手が、指が、キーボードの端から端へと滑っていく。
そして、締めは一番右端。
一番高いドの音が、ピンッ、と響いた。
こんなの……こんなの、もうっ!
「いえーいっ!」
テンションが上がって、しょうがない!
両手を上げて、プロデューサーの方に、近づいて行く。
何をしようと察したのか、プロデューサーも、戸惑いつつも、両手を上げた。
おいおい、演奏してる時はあんなに楽しそうだったに、終わったらすぐそれか!?
――パァンッ!
なーんて、まあ、良いか!
あたしが二人分笑ってるから、それで十分だろ!
「それにしても……手、大きいなぁ!」
打ち合わせた手をそのままに、大きさを比べる。
あたしの手よりも随分と大きいそれは、合わせてみるとその差は一目瞭然!
あっはは、あたしの手がスッポリ収まるサイズだぞ!
そうだよなぁ、これだけ大きい手だったら、ピアノの演奏も――って!
「うわーっ!?」
あたしは何をやってるんだー!?
いくらテンションが上がってたからって、てっ、手と手を合わせるなんて!
いや、握手会とかで、男の人の手を握りはするけど!
でも、だけど、今のは……うわあああ!? うわああああ!?
「……」
急に飛び退いたあたしを見ながら、右手を首筋にやって困った顔をしてる。
そっ、そんな顔するなよな!? あたしだって、驚いたんだから!
く、くっそう……ジメジメしてるからか、歌ったからか、すっごく暑い!
顔が熱くて……うううっ、タオル! 早く、タオルを!
「……どうぞ」
……そう思ってたら、当初の目的だったタオルが、差し出された。
いや、ちょっと待ってくれよ……あたし、そんなに汗かいてるのか!?
何も言わなくても、タオルを差し出されるくらい!? 嘘だろ!?
「ど、どうモっ!」
ぐわあああ! 今、声が裏返った!
って、変に目を逸らされると、余計に気まず――
「――あっ」
流し目につられて見た窓の外は、いつの間にか雨がやんでいた。
そして、広がる青空には、大きな……大きな虹がかかっていた。
おわり
他アイドルのパターンは書きません
エチュードは1曲だけ、なので
おやすみなさい
エチュードは1曲だけ、なので
おやすみなさい
乙
性格悪い黒魔術士ばかりが生まれ育つ黒魔術士村でとてつもなく汚いスラングかなにかで
殺人や暴行のことを「ピアノを弾く」の方だと思ったわ
性格悪い黒魔術士ばかりが生まれ育つ黒魔術士村でとてつもなく汚いスラングかなにかで
殺人や暴行のことを「ピアノを弾く」の方だと思ったわ
>>234
キル!(キルはつかえない)
キル!(キルはつかえない)
>>234
ピアノくらいなら弾けるキリランシェロ懐かしいからやめろ
ピアノくらいなら弾けるキリランシェロ懐かしいからやめろ
Pに学生時代の写真とか持ってきてもらってアイドル同士で盛り上がる話とか?
>>234
武内Pと駄作破壊装置とボンバー君シリーズの絡みが待たれるわ
武内Pと駄作破壊装置とボンバー君シリーズの絡みが待たれるわ
加蓮「はーい、お疲れ様」
奈緒「はー、疲れた疲れた!」
武内P「渋谷さんも、お疲れ様です」
凛「……」
武内P「? 渋谷さん?」
凛「ねえ、おかしくない?」
武内P「えっ?」
加蓮・奈緒「ん?」
奈緒「はー、疲れた疲れた!」
武内P「渋谷さんも、お疲れ様です」
凛「……」
武内P「? 渋谷さん?」
凛「ねえ、おかしくない?」
武内P「えっ?」
加蓮・奈緒「ん?」
武内P「何が、でしょうか?」
加蓮「どうしたの? 何かあった?」
奈緒「不機嫌そうな顔して、どうしたんだよ?」
凛「もしかして、わからないの?」
武内P・加蓮・奈緒「?」
凛「……北条さん、神谷さん、お疲れ様でした」
加蓮「うん、お疲れ様」
奈緒「お疲れ様ー、って、急に名字で呼ぶなんて、どうした?」
凛「違う。そうじゃなくて」
武内P・加蓮・奈緒「……?」
加蓮「どうしたの? 何かあった?」
奈緒「不機嫌そうな顔して、どうしたんだよ?」
凛「もしかして、わからないの?」
武内P・加蓮・奈緒「?」
凛「……北条さん、神谷さん、お疲れ様でした」
加蓮「うん、お疲れ様」
奈緒「お疲れ様ー、って、急に名字で呼ぶなんて、どうした?」
凛「違う。そうじゃなくて」
武内P・加蓮・奈緒「……?」
凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ?」
武内P「? はい、その通りです」
凛「トライアドでの収録に、付き添いで来たんだよね?」
武内P「はい」
凛「最初に声をかけるのって、私じゃない?」
武内P「えっ?」
加蓮・奈緒「はあ?」
武内P「? はい、その通りです」
凛「トライアドでの収録に、付き添いで来たんだよね?」
武内P「はい」
凛「最初に声をかけるのって、私じゃない?」
武内P「えっ?」
加蓮・奈緒「はあ?」
加蓮「えっ、何? もしかして、拗ねてるの……?」
奈緒「最初に、お疲れ様でした、って言われなかったから……?」
凛「別に、拗ねてるとかそんなんじゃないから」
凛「普通は、担当してる私に、最初にお疲れ様って言うものじゃない?」
凛「違う? 私、変なこと言ってるかな」
武内P「も、申し訳ありません」
武内P「こちらに来られた順で……特に意識せずに、言っていました」
凛「なんだ、そうなんだ」
凛「じゃあ、やり直すから。次は、ちゃんとしてよね」
武内P「えっ?」
奈緒「最初に、お疲れ様でした、って言われなかったから……?」
凛「別に、拗ねてるとかそんなんじゃないから」
凛「普通は、担当してる私に、最初にお疲れ様って言うものじゃない?」
凛「違う? 私、変なこと言ってるかな」
武内P「も、申し訳ありません」
武内P「こちらに来られた順で……特に意識せずに、言っていました」
凛「なんだ、そうなんだ」
凛「じゃあ、やり直すから。次は、ちゃんとしてよね」
武内P「えっ?」
・ ・ ・
武内P「――渋谷産、神谷さん、北条さん、お疲れ様でした」
凛「うん、お疲れ様」ニコッ!
奈緒「お、お疲れ様ー……って、凄く機嫌良さそうになってるし」
加蓮「……」
武内P「? あの……北条さん?」
加蓮「今、変じゃなかった?」
武内P「えっ?」
奈緒「はあっ?」
凛「そう? 私は、変だとは思わなかったけど」
武内P「――渋谷産、神谷さん、北条さん、お疲れ様でした」
凛「うん、お疲れ様」ニコッ!
奈緒「お、お疲れ様ー……って、凄く機嫌良さそうになってるし」
加蓮「……」
武内P「? あの……北条さん?」
加蓮「今、変じゃなかった?」
武内P「えっ?」
奈緒「はあっ?」
凛「そう? 私は、変だとは思わなかったけど」
奈緒「おいおい、加蓮まで何を言い出すんだよ!?」
凛「うん。私が最初で、合ってるし」
武内P「あの……北条さん?」
加蓮「呼ぶのは、来た順番、って言ったよね?」
武内P・凛・奈緒「?」
加蓮「アタシの方が、奈緒より前に居たんだけどな」
武内P「……はあ」
奈緒「……そうだったか?」
凛「ごめん、見てなかった」
凛「うん。私が最初で、合ってるし」
武内P「あの……北条さん?」
加蓮「呼ぶのは、来た順番、って言ったよね?」
武内P・凛・奈緒「?」
加蓮「アタシの方が、奈緒より前に居たんだけどな」
武内P「……はあ」
奈緒「……そうだったか?」
凛「ごめん、見てなかった」
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