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    元スレ巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」

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    751 = 1 :

    今日のところはここまで!

    752 :

    赤松「どういうこと? 巌窟王さんの行動を限定する方法って……」

    入間「バイブのスイッチでも見つけたか?」

    天海「入間さーん、入間さーん。ステイ。それ以上口を開くとまた王馬くんに罵倒されるっすよー」

    王馬「やだなー! ゲロ臭い口臭の入間ちゃんのことなんてバカにできるわけないじゃん! ゲロ臭さが移るー!」

    入間「手遅れじゃねーかッ!」ガビーンッ!

    最原「限定……というよりは特定に近いかもしれない」

    最原「ほら。巌窟王さん、超高校級の美術部の研究教室に行く途中の階段でさ、無くなったものがあったじゃない?」

    巌窟王「……もしや赤外線センサーのことか?」

    東条「赤外線センサー?」

    最原「うん。夜時間に人を訪ねようって考える人なんてほとんどいないだろうし……」

    最原「赤外線センサーに反応があったら、それは高確率で『巌窟王さんが去った』ってことになる」

    753 = 1 :

    春川「そんなものがあったの?」

    巌窟王「ああ。我が忘却補正にかけて断言しよう。アンジーの研究教室のある階層へ続く階段には赤外線センサーが配置されていた」

    巌窟王「……」

    赤松「あ。また急に黙っちゃった」

    夢野「またアンジーロスか? 世話が焼けるのー」

    茶柱「いやいや。流石に巌窟王さんもそこまでじゃ……」

    巌窟王「……」ズーン

    キーボ「いや確かに実際そうじゃなかったんでしょうが、夢野さんの発言がスイッチになって再発したようですね」

    王馬「全裸土下座で謝れよ夢野ちゃんさぁ!」

    夢野「ううっ……ご、ごめんなさ……巌窟王……」ヌギヌギ

    白銀「やめてーーーッ! 児ポ法に引っかかる! 児ポ法に引っかかっちゃうからーーーッ!」ガビーンッ!

    754 = 1 :

    巌窟王「だが、あの赤外線センサーが現れたのは」

    最原「わかってる。『巌窟王さんが研究教室を去るとき』で『巌窟王さんが階段を上ったとき』は無かったんだよね」

    最原「次に、僕と一緒にアンジーさんを探すときには消えていた」

    「巌窟王を警戒してたにしちゃ、何か行動がチグハグだぜ」

    赤松「そこまで警戒するのなら、最初から赤外線センサーを付けておけばいいって話だしね……」

    夢野「そもそもあの赤外線センサーは『有効範囲が異常に狭い』んじゃぞ。犯人自身の立ち回りも相当限定されるはずじゃなあ?」

    入間「ま、俺様にかかりゃあ、あんなガラクタ同然のセンサーでも華麗に改造できっけどな」

    最原「それだよ!」バンッ

    入間「ひいいいいッ!? いきなり大声出すんじゃねーよぉ!」ビクウッ

    入間「あ、ちょっと濡れた」

    赤松「最悪だ! モノクマ! 替えのパンツ持ってきて!」

    モノクマ「ごめんボクも関わりたくない!」

    755 = 1 :

    最原「入間さん。あの赤外線センサーを夢野さんのマジカルショーで貰ったとき、なんて言ってた?」

    入間「も、もう覚えてねーけど……?」

    夢野「一字一句とはいかんが、ウチは覚えておるぞ」

    夢野「『俺様にかかりゃあ学園中どこにいても警報器が鳴るようにできるぜ』とか言っておったな?」

    入間「実際できるし、したし……なんか元に戻っちまったけど」

    百田「あ? 元に戻った?」

    最原「そうなんだよ。入間さんの改造を施したはずの赤外線センサーは、事件発覚後には何故か元の何の変哲もない状態に戻ってたんだ」

    最原「多分、誰かが『未改造のセンサー』と『入間さん改造のセンサー』をこっそり入れ替えたんだと思う」

    キーボ「ということは……!」

    最原「うん。あのセンサーに誰かが引っかかったら、学園中どこにいても巌窟王さんの行動を特定できるんだよ」

    756 = 1 :

    休憩します!

    757 = 1 :

    宮寺「でも一体どのタイミングでそのすり替えは行われたのかな?」

    百田「巌窟王がアンジーを迎えに行ったときには、階段にそんなもん仕掛けられてなかったんだろ?」

    百田「じゃあ東条が襲われた十一時ニ十分より後じゃねーのか?」

    春川「バカでしょ。夜長を襲った後で入間の研究教室に行って、わざわざ階段に戻ってセンサーを取り付けるとか」

    春川「そんな危険なマネをするくらいなら何もしない方がマシだよ。だって巌窟王とバッタリ出くわしたら最後なんだからさ」

    最原「そのすり替えなんだけどさ。発覚したのが事件後なんだよ。入間さん、改造するだけ改造して、その後まったく使ってなかったんじゃない?」

    入間「ああ。よくあることだぜ? 俺様は捕まえた魚にエサをやるのは面倒なタイプなんだ」

    入間「犬なら話は別だけどな! バターとかガンガンやるぜ?」

    キーボ「第一、入間さんは事件の最中、ずっと研究教室に引きこもってましたよね?」

    キーボ「火事の間、ボクは定期的にドアを叩き続けてましたからわかります」

    東条「そうなると……話がおかしいことになるわね」

    東条「夜長さんが襲撃されたのは偶然の可能性が高いのに、改造センサーのすり替えが行われたのは、どの事件よりも前の話……」

    最原「あ。待って。僕は『誰かが』センサーをすり替えたって言っただけで『犯人が』すり替えをやったとは言ってないよ」

    天海「え? それ、どういうことっすか?」

    最原「改造センサーを取り付けたのは犯人だろうけど、それにしてはタイミングがチグハグだ」

    最原「でも全然不自然じゃないんだよ。犯人と改造センサーのすり替えを行った人物が、別人なんだからさ!」

    巌窟王「……」

    最原(……やっぱり巌窟王さんは知ってたな。この調子だと)

    最原(改造センサーのすり替えを行った人物は間違いなく……!)

    758 = 1 :

    赤松「……もしかして、アンジーさんってこと? 改造センサーのすり替えを行ったのって」

    最原「そう考えるのが一番妥当だよ。犯人視点で考えてみるとわかりやすいかな」

    最原「センサーを取り付ける前と、センサーを取り付ける後……その間に何があったのか」

    最原「その時点では犯人は赤外線センサーを持っていなかった。だからセンサーを取り付けるという発想が無かった」

    最原「でもアンジーさんと犯人の間で何かが起こり、犯人はアンジーさんを襲撃」

    最原「その後、巌窟王さんがアンジーさんを探していることに気付いた犯人は……」

    最原「どうにかして巌窟王さんの動向を遠隔で特定する方法はないかと考えて、手始めに手近の材料を探し始める」

    最原「……アンジーさんのその時点での持ち物の中に、赤外線センサーがあったんじゃないかな」

    最原(なんでそんなものを偶然持っていたのかは気になるけど……多分、入間さんに返すつもりだったんだろうな)

    最原(……入間さんが気付く前にこっそりと)

    759 = 1 :

    百田「でもそれってよ、犯人がアンジーの持っていたセンサーのことを入間が改造してチューンナップしたってことを知らねーとおかしいよな」

    百田「本来のセンサーの機能って信じられないくらいショボかったんだろ?」

    巌窟王「……犯人は知っていたのかもしれんな。アンジーがすり替えを行ったことを」

    夢野「入間がセンサーを改造すること自体は、マジカルショーに参加していた人間……つまり全員知る機会があったはずじゃ」

    夢野「……というか、今から考えるとアンジーの言動もその時点でなにか不可解じゃった」

    最原「入間さんがセンサーを受け取った後で、アンジーさんは夢野さんから『アレと同じのが欲しい』って注文されたんだよね」

    夢野「あのセンサーそのものは倉庫にいくらでも替えがあった。すり替えは誰にでも可能だったと言えるんじゃが……」

    夢野「……アンジー、ハッキリ言って隠す気皆無じゃな。わかりやすすぎるぞ」

    「ある意味で入間のことを舐め切ってた、と言えるかもしんねーな。気持ちはわからんでもねーが」

    入間「ち、ちくしょう! ふざけやがってあのサイコカルトブス!」

    760 = 1 :

    休憩します!

    761 = 1 :

    最原「ええっと、入間さんが研究教室に引きこもり始めたのって具体的には」

    入間「夜時間より前だな。その後は寝落ちてたぜ。キーボがドアをガンガン叩いてるときは流石に目が覚めたが」

    入間「面倒だったので居留守を使ったぜ!」

    天海「あのドアって内側からしか鍵が掛けられないから、鍵がかかってる時点で居留守として破綻してるんすけどね」

    赤松「これまでわかっている犯人の足取りを考えると、火事の間中ずっと一所にいるわけにはいかないから……」

    赤松「入間さんは犯人じゃないのかな?」

    キーボ「ボクもずっと入間さんの研究教室の前に張り付いてたわけじゃありませんが」

    キーボ「でもボクが扉を叩くタイミングで都合良く研究教室に戻ってドアを閉めるのって凄い労力ですよ」

    キーボ「入間さんのアリバイだけは真の意味で完璧かもしれません」

    「逆に、あの消火活動に参加していた連中は『いつ欠席しようがほぼお構いなし』だ」

    「巌窟王が研究教室から脱出した後は混乱も収まって、誰がいるかを判別できるようになったが……」

    最原「そこだよね。鎮火もしくは巌窟王さんが脱出した後でやっと個々人のアリバイが成立し始める」

    最原「……その時間帯にアンジーさんが死ぬように調整すれば、殺人の委託にも意味が出てくるんじゃないかな」

    762 = 1 :

    宮寺「ククク……でもちょっと待ってくれないかな。話が段々軌道に乗り過ぎてきたからネ」

    百田「ん? 何か異論でもあんのか真宮寺」

    宮寺「いや……ただ消火活動に参加していたヤツが逆に怪しいって論法はちょっと乱暴すぎるんじゃないかなって思っただけだヨ」

    宮寺「ちょっと話を巻き戻させてもらうけど、犯人は夜長さんを泥酔させるお酒をどうやって調達したっていうの?」

    春川「それは……東条の研究教室に行って、東条を引っ叩いて気絶させて、隠し扉の向こうから悠々と奪ったって話じゃないの?」

    宮寺「かもネ。それに対する反論はないんだけどさ」

    宮寺「もう一つ可能性があるんじゃないかなって思ったんだヨ」

    王馬「それって東条ちゃんがすべての事件の犯人である可能性のこと?」

    東条「……それは」

    王馬「ないない! ありえないよ! だって東条ちゃんは俺のママなんだよ!」

    百田「違ぇーけどな」

    王馬「仮に前回の超残酷な事件の犯人だったとしても、外に出ることを諦めきれてないとしても」

    王馬「全身を切り刻まれたり心をぶち折られたりの蹂躙の末に心を若干病んでしまったとしても」

    王馬「なんかもう犯人臭が凄すぎて逆にあるよね!?」

    百田「どっちだよ」

    763 = 1 :

    最原(ハッキリ言って、この謎はそこまで難しくない。だって途中で破綻したから。故に肝があるとしたら絶対にここだ)

    最原(何が何でも押し通してくると思ってたよ真宮寺くん)

    最原(さて。ここからが正念場だ。決定的な証拠は何もない)

    最原(……一言でも間違えたら真実は永遠に闇の中だ)

    最原「東条さんが犯人って……待ってよ。だって彼女は」

    宮寺「怪我をしていた? 掃除用ロッカーに閉じ込められてた?」

    宮寺「前回の裁判で改心した?」

    宮寺「いやいや……楽観的すぎるネ。そんなの全部嘘かもしれないじゃないか」

    茶柱「あなた……それ以上口を開いたら、転子のネオ合気道で床と仲良しにさせてあげますよ?」

    茶柱「もしくは壁と抱き合う面白新体操でもさせてあげましょうか?」

    百田「どんな新体操だよッ!」ガビーンッ!

    764 = 1 :

    休憩します!
    え? 今日は切嗣の誕生日なの?

    765 = 1 :

    巌窟王「……」ジーッ

    東条「……あまり私のことを見ないでくれると嬉しいのだけど」

    東条「照れるわ」テレッ

    赤松「怖いんじゃなくて!?」ガビーンッ!

    巌窟王「安心しろ。お前のことは恨んではいない。疑ってもいない」

    巌窟王「……真実がどうあれな」

    最原(現状は、って言ってるも同然だな。本当に東条さんが犯人だった場合は……)

    最原「前回の学級裁判がどうあれ、今回もそうって考えるのはそれこそ乱暴じゃない?」

    宮寺「ククク。まあ確かに、説としてはどっちもどっちかもネ」

    最原(譲る気が更々ないな……)

    766 = 1 :

    最原「このトリックは『アンジーさんの死体を後で加工する』って工程があったはずだ」

    最原「だから、東条さんが気絶させられた状態で掃除箱のロッカーに入れられたのも当然意味があるはずなんだよ」

    宮寺「東条さんがアンジーさん死亡時点でのアリバイがない状態を作り出すため、だよネ?」

    宮寺「でもこれはこれで、話が上手く纏まりすぎてる気がするんだよネ」

    最原「……」

    春川「確かに。何か事件が起こったときに前科者を疑うのは当然の流れではあるよね」

    春川「議論する価値くらいはあるんじゃない?」

    巌窟王「無条件に信じるよりはマシか」

    東条「……私は犯人じゃないわ」

    東条「今度こそ。あなたたちを裏切ったりしない」

    王馬「嘘臭いなぁ……」ニヤァ

    百田「黙ってろ!」

    獄原「えーと、それじゃあ……何をすればいいの?」

    最原「東条さんの証言の中に、信用できるものがあるかどうかを議論しよう」

    最原「でも確か巌窟王さんは」

    巌窟王「先を急いでいた上に、俺が調べたのはアンジーが見つかった階層が中心だ」

    イシュタル『ああー……東条がいる階層に関する写真はほとんどないわねー』

    巌窟王「……」

    巌窟王「イシュタルか?」

    イシュタル『げげっ!? ナーサリーのときは反応しなかったのになんで私だけピンポイントでわかるのよ!?』

    767 = 1 :

    巌窟王「ナーサリーライムもいるのか。いいかイシュタル。間違っても機械をいじるなよ」

    巌窟王「貴様はパソコンを適当にいじって壊した後で『何もしてないのに壊れた』と言うタイプの英霊だからな」

    巌窟王「ブルーレイレコーダーすらまともに扱えないだろう」

    イシュタル『ちょ、見て来たみたいに言わないでよ。実際そこまで酷くないし!』

    ナーサリー『安心して! 私がいれば何も問題はないわ!』

    最原「……何人いるの? 電話の向こうに」

    巌窟王「ざっと百人ほどだ」

    キーボ「なんでそう意味のわからない冗談を言うんですか」

    巌窟王(冗談なら笑えたのだが)

    巌窟王「気を取り直して始めるぞ!」

    768 = 1 :

    獄原「東条さんは誰かに殴られて気絶した後、ロッカーに閉じ込められたんだよね?」

    東条「犯人の顔、凶器、その他色々はいまいち思い出せないわ」

    百田「凶器が見つからねぇのは、誰かがどこかに処分したからだよな」

    百田「……そうだよ。東条に凶器の処分は不可能じゃねーか? ハルマキの研究教室に片付けるっつったって……」

    茶柱「あ。そうですよ! 東条さんは血塗れで、転子が発見したときもほぼ傷は塞がりかけでしたが出血中ではあったんです!」

    茶柱「傷そのものは本物でしたから、アレを作った後で凶器を片付けるのは……」

    春川「廊下に血痕が残るから危険、か」

    春川「……いい根拠なんじゃない? 私も廊下に血痕があるのなんて見てないし。掃除したにせよ、そこそこ距離があるから時間がかかるしね」

    天海「……」

    天海「いや、その、実は……」

    白銀「さっきは言い忘れてたんだけど、私たち凶器は見つけてた……んだよね」

    最原「え?」

    天海「ほら、俺って東条さんのところに駆けつけるときに、窓から入ろうとして転落したじゃないっすか」

    天海「そのときに視界の隅に何か黒光りするものが見えて、急いでたから無視したんすけど……」

    天海「入間さんの研究教室が解放された後で気になって、窓の下の方に戻ったんすよ。そしたら」

    最原「……あったの!? 凶器が!?」

    天海「転落したとき折れた枝の隙間からバッチリ見えてたので回収してきたっす」


    ゴトリ


    天海「……新しい証拠。血塗れのハンマーっすよ」

    宮寺「掃除する範囲の問題も、一部屋だけならほぼ問題にならないんじゃない?」

    宮寺「ククク。というか東条さんが発見された場所がそもそも掃除用ロッカーだしネ」

    白銀「バックトラックよろしく、血痕を掃除しながら掃除箱に入れば……掃除用具も片付けられるよね」

    天海「だって掃除用具入れのロッカーっすもんね」

    最原「……!」

    769 = 1 :

    茶柱「さ、最原さん! 何か反論はないんですか!?」アタフタ

    最原(ある!)

    最原「天海くん。それってただの凶器であって、東条さんを疑う理由には足りないんじゃない?」

    最原「むしろ東条さんに疑念を向けるための偽装工作の一つだとも言えるはずだ!」

    天海「……」

    最原(まずいな。僕の説も『こういう解釈もできる』っていう説の一つに過ぎない)

    最原(みんな東条さんを疑って……)

    百田「それだけか終一?」

    最原「えっ」

    百田「早くなんか言え! 東条に投票されちまうぞ!」

    赤松「凶器があったところで自分自身を殴るってことが本当に可能なのかな?」

    赤松「いや、東条さんには可能そうだけど、でも……!」

    獄原「ゴン太も……一度裏切られたからって、東条さんのことを疑うのは……無理だよ」

    茶柱「最原さん……!」

    夢野「なんか言えい最原! これで打ち止めではないじゃろう!」

    最原「……」






    巌窟王「何を意外そうな顔をしている?」

    最原「巌窟王さん?」

    巌窟王「……お前も信じたいのだろう? 東条を」

    巌窟王「ならば、それに追従したいと思う人間が現れて当然だ」

    巌窟王「東条を信じたいという願望だけではない。コイツらは、お前を信じたいとも願っているのだ」

    巌窟王「……忘れるな。この場に敵なぞ、モノクマ以外に誰もいない」

    最原「ッ!」

    770 = 1 :

    「そうだな。俺たちだって東条のことを信じたい」

    「……信じたいから疑ってるんだ」

    キーボ「この場に敵なんて誰もいない……? それって犯人も含めて、ですか?」

    宮寺「ある意味、それを知るための学級裁判だよネ」

    宮寺「……この学級裁判が終わったときどんな結末を迎えるのか、それが楽しみだヨ。僕は」

    入間「ド変態野郎が。理解できねー趣味だぜ」

    春川「……自分で自分のことを殴ることは可能だよ。多分、東条だって……」

    白銀「うん。私だって東条さんが再びこんなことをしたなんて思いたくないけど……」

    天海「それでも、前回の学級裁判の件があるんすよ。無条件に信じるわけにはいかないんす……!」

    王馬「……あれ?」

    天海「ん? どうしたんすか? 王馬くん」

    王馬「……あ! 気付いちゃった気付いちゃった!」ピコーンッ

    白銀「え? 気付いたって……何に?」

    王馬「みんな! 裁判場をよく見てよ!」

    王馬「意見が真っ二つに割れてるよ!」

    最原「あっ」

    百田「っつーことは……!」




    モノクマ「簡単なことだ! 友よ!」待った!

    771 = 1 :

    休憩します!

    772 = 1 :

    モノクマ「はいはい一旦ストップー! いい具合に現場が乱れてきたからねー!」

    モノクマ「それではお待ちかね、才囚学園の誇る『変形裁判場』の御登場でーっす!」

    百田「いや誰も待ってねーよ!」

    巌窟王「モノクマ。今回の俺はアンジーの代理出席だ」

    巌窟王「……参加しても文句はあるまい?」

    モノクマ「当然です!」

    巌窟王「……」ワクワク

    巌窟王「……」ソワソワ

    赤松「明らかに楽しみにしてるね」

    天海「前回の学級裁判のときにモノクマに詰め寄ってたっすからねー」

    最原「……東条さん。当然、自分の潔白を主張する側だよね?」

    東条「……最原くん」

    最原「お願いだ。東条さん。僕たちのために戦ってよ」

    最原「そのために僕はいくらでも力を貸す」

    東条「……ええ。もちろんよ。私を救ってくれたあなたにこそ、私の滅私奉公は相応しい」ニコリ

    最原(東条さんは絶対に犯人じゃない。議論が続けばそれがわかる)

    最原(とにかく……今は議論を続けさせるために、一時的にでもいい!)

    最原(みんなに納得してもらわないと!)

    773 = 1 :

    意見対立

    東条は犯人なのか?


    犯人だ!
    真宮寺
    王馬
    入間
    天海
    白銀
    春川

    キーボ

    犯人じゃない!
    最原
    百田
    赤松
    東条
    獄原
    茶柱
    夢野
    巌窟王

    スクラム開始!

    774 :

    あれ、キーボ!?

    775 = 1 :

    今日のところはここまで!

    776 :


    スクラム楽しみだ

    777 :

    真宮寺は罪を擦りつける
    星は真相を知るためにあえて回る
    他多数は普通に疑ってる
    キーボはモノクマが人数調整で回したんだきっとww

    778 :

    天海「『凶器』のハンマーは研究教室の近くで見つかったんすよ?」

    最原「東条さん!」

    東条「『凶器』の処分を私がやったという根拠としては弱いわね」

    入間「アンジーを泥酔させた『ワイン』は東条の研究教室のものだろ?」

    最原「赤松さん!」

    赤松「『ワイン』だけで決めつけるのは無理だと思うけど……」

    白銀「東条さんなら掃除用ロッカー周辺の血痕の『掃除』もできたよね?」

    最原「ゴン太くん!」

    獄原「犯人にだって『掃除』はできたはずだよ?」

    春川「東条は誰かに発見されることを予測して『掃除用ロッカー』に隠れたって可能性は?」

    最原「茶柱さん!」

    茶柱「転子が『掃除用ロッカー』を調べたのは偶然ですよ。予測できるはずがありません」

    キーボ「犯人ではないと言うのなら『根拠』を示して欲しいのですが……」

    最原「夢野さん!」

    夢野「その『根拠』を示すために議論を進めようと言っているんじゃ!」

    王馬「なにか事件が起こったときに『前科者』を疑うのは当然でしょ?」

    最原「百田くん!」

    百田「『前科者』だからって疑うのもそれはそれで危ねぇなあ?」

    「一連の事件が『東条』に可能だったのは事実だろう?」

    最原「巌窟王さん!」

    巌窟王「『東条』以外にも怪しい者はいたはずだぞ」

    宮寺「彼女は『消火活動』には参加していなかったはずだよネ?」

    最原(僕が!)

    最原「むしろあの『消火活動』に参加していた人こそが怪しいんだ!」



    全論破!

    『これが僕(私)(俺)(転子)(ウチ)(ゴン太)たちの答えだ!』


    BREAK!

    779 = 1 :

    最原「お願いだみんな! 東条さんのことを信じてよ!」

    最原「議論をもう少し進めれば、彼女が犯人じゃないことを証明できるはずなんだ!」

    天海「最原くん……」

    王馬「でもさぁ最原ちゃん。東条ちゃんが前回、殺意丸出しで俺たちのことを蹴落とそうとして、巌窟王ちゃんを殺したことを忘れてないよね?」

    王馬「確かに結果的に全部無事で済んだとは言っても、アレを全部引きずらずに議論するってのは、それはそれで不可能だって」

    東条「……」

    夢野「そうじゃの。ウチらは全員、確かに東条に殺されかけた」

    夢野「……じゃが殺されかけただけじゃぞ! 巌窟王を殺したことはともかくとして起こってない出来事に関して責めるのは論外じゃ!」

    王馬「それ言ったらさぁ。今回の裁判だってそもそも『未遂事件』を議論してるんだよね?」

    王馬「アンジーちゃんのことを直接見たわけじゃないけどさ。相当グロテスクな有様だったんでしょ?」

    王馬「『結果的になんともなかった』ってことがそんなに重要なのかなぁ?」

    王馬「未遂だったから許すっていうのは、偽善以外の何物でもないはずだよ?」

    百田「ハッ! 俺たちのやっていることが偽善なら、テメェの言っていることは欺瞞だぜ王馬!」

    百田「俺は! 終一を信じる! そして終一が信じた、東条のこともだ!」

    赤松「……ね。今回の裁判は命がけじゃないんだしさ、もうちょっと肩の力抜いて行こうよ」

    赤松「それで、この前の裁判のときみたいに仲直り。私たちならきっとできるって!」

    王馬「……」

    王馬「……綺麗ごとだなぁ。甘ぇよ」

    白銀「だがその甘さ、嫌いじゃないぜ!」クマー

    宮寺「何故今いいセリフを……」

    780 = 1 :

    休憩します!

    781 :

    やっと追いついた!
    続きはよ

    782 = 1 :

    王馬「まあそれはそれとして、巌窟王ちゃん。前回事件の被害者であるキミの口から言いたいことはないの?」

    巌窟王「……?」

    「……おい。まさか質問の意図自体わからないとでも言うつもりじゃ……」

    巌窟王「……」

    「言うつもりみてーだな……」

    巌窟王「アレはもう終わった事件だろう。俺が口を挟める余地が一体どこにある?」

    巌窟王「何よりも議論を脱線させるべきではない。禍根は確かに残っているが、それはモノクマに叩き込むべきものだ」

    巌窟王「……何度も言わせるな。俺の敵はモノクマただ一匹のみだぞ」

    最原「巌窟王さん……!」

    巌窟王「念のため言っておくが、敵の敵だからと言って味方だなどと勘違いするな」

    巌窟王「俺は夜長アンジーのサーヴァントだ。お前たちのことなど……」

    百田「わかってる! つまり味方ってことだな!」

    巌窟王「……」

    春川「かつてないほど苦い顔になってる」

    赤松「百田くんはさ。空気を読むべきだよね」

    百田「?」

    783 = 1 :

    春川「議論を進めること自体は構わないけどさ。でも他に事件に対する疑問点とかある?」

    最原「……火事だよね」

    茶柱「転子の研究教室大炎上事件……ド派手な割に話題に上がるのが最後になってしまいましたね」

    宮寺「普通に考えるのなら、校舎から注意を逸らす目的と、アリバイを確保する目的のために犯人が燃やしたって考えるべきだけど」

    宮寺「この場合、まず大前提として誰かが火事を『発見』する必要があるよネ?」

    百田「まあ、ヒルに殺人を委託した最大のメリットが無くなっちまうしな」

    入間「火事の第一発見者って二人いたよな? 巌窟王と……ん? 茶なんとかだったか?」

    茶柱「茶柱ですッ! 茶柱転子!」

    王馬「……ってことは、まさかの茶柱ちゃんが犯人説浮上!?」

    茶柱「へ?」

    巌窟王「……」ジーッ

    茶柱「いやいやいや違います違います違いますってェ!」

    巌窟王「違うと言っているぞ」

    獄原「よかった! じゃあ違うね!」キラキラキラ

    巌窟王「クハハハハハハ! 違うな!」ギンッ

    赤松「巌窟王さんって、たまに信じられないほど単純になるよね。普段は言動が滅茶苦茶遠回しな割にさ」

    784 = 1 :

    最原「そもそも、ずっと気になってたんだけどさ。なんで夜時間に寄宿舎の外に出ようって思ったの?」

    最原「巌窟王さんの場合はアンジーさんを探すためっていう明確な理由があったけど」

    茶柱「……」

    最原「茶柱さん?」

    茶柱「死んでください……」ギリギリギリ

    最原「なんでッ!?」

    茶柱「最悪な……最悪なところにツッコミを入れてくれましたね……これじゃあ話さなきゃいけなくなるじゃないですか」

    茶柱「茶柱転子がこの事件の最中、ずっと抱えていた秘密を」

    キーボ「茶柱さんの……秘密?」

    茶柱「告白しましょう。茶柱転子は……実は……」ガサッ

    最原(そう言うと茶柱さんはポケットの中から、一枚の紙を取り出した)

    785 = 1 :

    茶柱「最原さんへ。今までずっと探偵として学級裁判での余計な推理、本当にありがとうございま死ね」

    最原「は?」

    茶柱「前回、前々回も色々と余計でうざったくって重要な嫌われ役を引き受けてくださり、その心労はいかほどなのか転子には想像が付きません」

    赤松「……え?」

    茶柱「特に前回の東条さんの事件のときの、あなたのクソみたいな提案は、転子の中に殺意が産まれるには充分なイベントでした。くたばれ」

    百田「……ん?」

    巌窟王「……手紙だな?」

    ナーサリー『手紙なのだわ』

    イシュタル『手紙ねぇ』

    ナーサリー『いい感じのBGMを流して雰囲気を盛り上げるのだわ!』ポチッ

    春でも夏でも冬でもないアンジェラ『はいけえーこの手紙ー。読んでーいるあなたはぁー』

    最原「え。何コレ。何の話ッ!?」ガビーンッ!

    786 = 1 :

    茶柱「でも、転子にはとてもマネできないことをしてくれたのも確かです」

    茶柱「転子では、東条さんを救うことはきっとできなかったでしょう」

    茶柱「……転子には、その能力が致命的なまでに欠けていました。心だけでは無理だったのです」

    東条「……これ、謝罪文ね?」

    最原「くたばれとか言ってなかった?」

    茶柱「結局のところ、人間は適材適所。そして、綺麗ごとだけでは生きていけないのです」

    茶柱「でもそれはきっと、人間は全員汚いマネをしないと生きていけないという意味ではなく」

    茶柱「……あなたのような汚れ役を引き受けてくれる優しい大馬鹿がいるということなのです」

    最原「……」

    茶柱「あなたが救ったのはきっと東条さんだけじゃない。転子他、この学園にいる生徒全員があなたに救われたのです」

    茶柱「転子はずっと考えてました。誰も汚れない方法はなかったのかと。でもいつまで経っても答えは出ませんでした」

    茶柱「そして、いつまで経っても答えが出ないのであれば、すべてが手遅れになってしまうのです」

    茶柱「……答えを出せるあなたのことが、きっと転子はずっと羨ましかった」

    茶柱「だから今までキツく当たってしまった」

    最原「茶柱さん……」

    787 = 1 :

    茶柱「……転子は今この場をもって、あなたに対する禍根を捨てることにしました」

    茶柱「でも一つ条件があります」

    茶柱「……次にああいうバカなマネをするときは、巌窟王さんだけではなく、転子にも、いや他の誰かにも相談してほしいのです」

    茶柱「一人だけで汚れ役を実行するとか、そういう恰好いいマネを独り占めさせられません」

    茶柱「転子たちは確かに巌窟王さんほどに力はありません。ですが、仲間のことを思っているのは事実で、真実です」

    茶柱「忘れないでください。あなたが汚れを引き受けようと思ったとき、その背中を見ている仲間がいることを」

    茶柱「転子たちも、あなたのことを助けたいと思っていることを」

    茶柱「次に、あなたへの謝罪を」

    茶柱「最原さん。本当に、すみませんでした」

    茶柱「最後に、この一言だけ伝えさせてください」

    茶柱「……ありがとうございました」

    788 = 1 :

    ウッウッ グスッ グスッ

    夢野「い、いや、転子……なんで唐突に手紙を読みだしたのかさっぱりわからんが、なんか謎に涙が出て来たぞ」グスングスン

    百田「ああ。心が籠ったマジな手紙だったぜ」スンスン

    宮寺「ひっく……な、なるほど……茶柱さんが今まで何を思っていたのか、よく伝わってきたよ……誰かタオル持ってない?」ポロポロ

    モノクマ「わあ凄い。一瞬で裁判場の空気がしんみりムードに」

    巌窟王「……」

    赤松「もしかして巌窟王さんも泣いてる? 帽子深く被って真上見てるけど」

    巌窟王「巌窟王(モンテ・クリスト・ミトロジー)は精神干渉系のスキルを軽減する。小娘の手紙程度で泣きはしない」

    最原(微妙に涙声になってない? いや気のせいか?)

    789 = 1 :

    茶柱「えー。というわけで、転子はこの手紙を何度も何度も手直ししてて……」

    茶柱「で。ずっと机に向かってたから疲れちゃって、外の空気吸おうかなーって外に出たところで」

    巌窟王「俺に会ったというわけか……」

    茶柱「ええそうです……って、なんで帽子深く被って真上見てるんですか」

    巌窟王「アイマスク代わりだ。あまりの退屈さに眠くなってしまってな」

    茶柱「ちょ、ちょっと……もう……確かに慣れないことしたなって思いましたけど」オロオロ

    「気にしないでいい。明らかな強がりだからな」

    茶柱「へ?」

    最原「え、ええと……あの、茶柱さん……」

    茶柱「返事は後! 議論を再開しますよ!」

    最原「え、ええーっ……」

    790 = 1 :

    休憩します!

    791 = 1 :

    最原「ええっと、じゃあ議論を元に戻すけど……」

    イシュタル『確か茶柱と巌窟王が火事を認識したのが十一時四十分ごろの話よね』

    ナーサリー『ええ。その時点で茶柱の研究教室は不自然に大炎上していたと彼から聞いているわ!』

    イシュタル『この場に信長がいなくて良かったわねー。アイツ、笑顔で自分の死ネタをぶち込んで来るからたまに空笑いしか出てこなくなるのよ』

    ナーサリー『持ちネタが増えるのはいいことなのだわ! 私もあと十回くらい死んでみようかしら!』

    イシュタル『はいはーい。危ないブラックジョークはそこまでよー』

    宮寺「巌窟王さん。何なのこの人たち」

    巌窟王「俺に! 訊くな!」ギンッ!

    百田「話がここまで戻ってきたところで、やっとこの疑問にとっつけるかもな」

    百田「結局、なんで巌窟王は炎上中の研究教室に入ったんだ?」

    最原「……」

    最原「心あたりが……あるかもしれない」

    792 = 1 :

    春川「……うっ……ぐすっ……」

    春川「その心当たりって?」キリッ

    最原「切り替え早いのか遅いのかよくわからないな……」

    最原「えと、アンジーさんを探しているときにさ、巌窟王さんに確認したんだけどさ」

    最原「なんで大火事の研究教室に突っ込んだのかって」

    最原「……具体的には何も教えてくれなかったけど、なんで入ったのかを遠回しに一応教えてくれたよ」

    赤松「え? アンジーさんを探すためだよね?」

    最原「は?」

    赤松「だって火事の研究教室の中からずっと『アンジー! どこだ!』って叫びがちょいちょい聞こえて……」




    裁判場全体「……」

    赤松「……」

    赤松「えっ!? 聞こえてなかったの!?」ガビーンッ

    夢野「言うのおっそいわァーーーッ!」ウガァッ!

    赤松「ご、ごめんなさぁーーーい!」

    793 = 1 :

    天海「俺たちは消火活動の途中、たまに聞こえてくる巌窟王さんの咆哮しか聞こえてなかったっす」

    天海「だから誰一人としてその真意に気付けなかった。でも気付いてた人もいたんすね!」

    最原「む、無駄に遠回りしてしまった……!」

    赤松「え? え? ちょっと待って、本当に聞こえてなかった? 本当に? 誰も!? 一人くらいはいたでしょ!? ねえ!」

    百田「……俺よー。お前のことをずっと『自称ピアノバカ』だと思ってたんだけどよー」

    百田「実際本当にバカだったな……」

    赤松「がはあ!?」グサァッ

    春川「やめてよ百田! アンタにバカ呼ばわりとか、自殺するしかなくなっちゃうから!」

    百田「ハルマキも歯に衣着せることを覚えようぜ!」

    最原「……まあともかくとして……」

    最原「そうなんだよ! 巌窟王さんはアンジーさんを探してたんだ!」

    794 = 1 :

    百田「でもよ。アンジーを探してたからって、なんで巌窟王が燃えてる研究教室の中に入ったんだ?」

    百田「それも隣にいたはずの茶柱に大した説明もなしに。相当慌ててたとしか思えねーぞ」

    最原「……多分、見えたからだよ。炎上中の研究教室の中に、アンジーさんに関連してる何かが」

    巌窟王「……」

    最原「茶柱さん。教えてくれないかな。炎上中の研究教室で、何か気付いたことはない?」

    茶柱「気付いたことって言っても……そんな大したものは見てませんよ?」

    茶柱「ただ妙なことがたった一つあったってだけで」

    「妙なこと?」

    茶柱「あの研究教室、何故か黒く燃えてたんですよ」

    王馬「はえ?」

    茶柱「ええっと、だから……巌窟王さんが入る前から、巌窟王さんと同じ色の炎を出して燃えている部分があったんです」

    キーボ「え? それって……」

    入間「ッ!」

    天海「巌窟王さん。何か心当たりはないっすか?」

    巌窟王「……」

    最原(またダンマリ、か……)

    795 = 1 :

    今日のところはここまで!

    796 :


    ここの茶柱可愛すぎる

    797 :

    最原「……なんとなくさ。巌窟王さんが今回の裁判で、どういう話題になると黙るのかわかってきたよ」

    最原「アンジーさんに不利益になるようなことは口を閉ざしてるよね?」

    宮寺「え? そうなの?」

    巌窟王「……」

    「なるほどな。赤外線センサーの話題に入ったとき、最初の内こそ饒舌だったが……」

    赤松「アンジーさんがすり替えを行ったって話題に入ったときは黙ってたね……」

    巌窟王「……ふん。だが義理に欠いたつもりはないぞ。そもそも赤外線センサーの話題が出たのは俺が覚えていたからだろう?」

    百田「そりゃそうだな。その件のセンサーを見たのがそもそもテメェしかいなかったわけだしよ」

    最原「今回の場合、その巌窟王さんと同じ色の炎っていうのがそうなんだろうね」

    最原「アンジーさんにとって不利益になるもので、なおかつアンジーさんを想起させるもの」

    巌窟王「……」

    夢野「また黙ったぞ」

    王馬「こんなときになってまでアンジーちゃんを守りたいんだねー。随分と頑固っていうか律儀っていうか……」

    798 = 1 :

    最原「もうこの際、単刀直入に聞いてしまおうか」

    最原「巌窟王さん。アンジーさんが入間さんの研究教室に忍び込んで、色々盗んだことを知ってたよね?」

    入間「は?」

    巌窟王「……」

    最原「……やっぱりね」

    入間「ま、待て! アンジーが俺様の研究教室から盗んだ、だァ!? まさかセンサーだけじゃなくって……」

    最原「巌窟王さんの炎と同じ色を出して燃える燃焼促進剤」

    最原「……ここまで来たら間違いないよ。アンジーさんはそれも盗んでたんだ!」

    百田「あ?」

    春川「……あっ」

    王馬「……あー」

    白銀「あ、あれ? 何人か変な反応してる人がいるけど……どうしたの?」

    百田「心当たりがあってよ。入間! 本当にそんなもん作ったのか?」

    入間「作った! でも無くなった! いつの間にか! う、嘘だろ……ショックすぎて涙が出て来たんだが……!」

    799 = 1 :

    宮寺「ちょっと待ってほしいんだけど、本当に巌窟王さんの炎色を出す方法がそれしかなかったわけじゃないよネ?」

    宮寺「仮に、夜長さんが入間さんの研究教室からそんな燃焼促進剤を盗んでいたとして……」

    宮寺「それ以外にも二通り、その炎色を出す方法があるはずだヨ」

    白銀「え? 二通りもあるの?」

    宮寺「まず一つ目に、巌窟王さん本人が研究教室に着火させた場合」

    宮寺「そして二つ目に、入間さんが新しく、その燃焼促進剤を作って使用した場合」

    宮寺「ああ、この二つ目の可能性には『燃焼促進剤はすべて盗まれたわけではない』というパターンも含んでるヨ」

    春川「その辺、どうなの入間?」

    入間「俺様の燃焼促進剤は2Lのペットボトルに入れて保管してたんだが……」

    入間「それ一本ですべてだぜ。ついでに、新しくも作ってねぇ! そこのメイドババァに問い合わせればわかるはずだ!」

    東条「……えっ?」

    入間「えっ?」

    王馬「いや、なにもわかってないって顔してるけど」

    入間「ええっ!?」ガビーンッ

    800 = 1 :

    休憩します!


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