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    元スレ巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」

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    551 = 544 :


    いやな打撃音が聞こえる・・

    552 :

    最原「……ん……?」

    最原(時間は十一時五十分……なんだかすごく中途半端な時間に起きてしまった)

    最原「……睡眠が浅いのかな。寝なおそう」

    最原「……」スヤァ


    ドンドンドンッ

    ピンポンピンポンピンポーン!


    最原「!」ガバァッ

    最原「……誰だ? こんな時間に」

    ピンポンピンポンピンポーン!

    最原「はい! 今出るからそんな慌ててインターホン押さないで!」

    ガチャリンコ

    茶柱「た、たたたっ、大変です最原さぁん!」

    最原「……茶柱さん? 珍しいね。時間も変だけど」

    茶柱「そ、そんなことを言っている場合じゃなくって! 早く! 外に出て!」

    最原(その慌てようは尋常ではなかった。段々と頭が冴えてくる)

    最原「何があったの?」

    茶柱「て、転子の……転子のッ!」

    553 = 1 :

    茶柱「超高校級の合気道家の研究教室が燃えてるんですーーーッ!」

    最原「……」

    最原「はあッ!?」ガビーンッ



    寄宿舎の外


    最原「……た、確かになにか焦げ臭い! 尋常じゃないくらい!」

    最原(ついでに中庭の方角が妙に明るい気がする!)

    茶柱「転子は他のみなさんも起こしてくるので、最原さんは研究教室の方へ!」

    茶柱「人数集めて消火活動すれば、どうにかなるかもしれません!」

    最原(そんなレベルだとは思えないけど……でも様子も見たい。乗ろうか)

    最原「わかった! 先に行ってるね!」ダッ

    554 = 1 :

    茶柱の研究教室「」ボオオオオッ!

    最原「う……なんだこれ。不自然なくらいに炎上してる……」

    最原「なんでこんなことに――!」


    オオ……オオオオオ……!


    最原「ん? この声……なんだ?」

    巌窟王「おおおおおおおおおお……ッ!」

    最原「……巌窟王さんの声? どこから……?」キョロキョロ

    最原「……」

    最原「嘘でしょ」

    最原(燃え盛る研究教室の中。黒い炎がチラりと見える)

    最原(何度も僕たちを助けてくれた、あの黒い炎は見間違えるはずもなく……!)

    最原「巌窟王さん!? 何してるの!?」

    巌窟王「うおおおおおおおおおおおおお……!」

    最原(その炎の主はしかし、出てくる気配が何故か無かった)

    555 = 1 :

    最原「……そうか。茶柱さんが慌ててた理由がなんとなく理解できた!」

    最原「中に巌窟王さんがいるからか!」

    最原(なんで中にいるのかは皆目見当も付かないけど)

    茶柱「さ、最原さぁん! ひとまず夢野さんと百田さんを連れてきましたよー!」ドタドタッ

    夢野「なんじゃあ!? こりゃあ!」ガビーンッ

    百田「おいおい! 冗談だろ! あん中に巌窟王がいるってのかよ!」

    巌窟王「うおおおおおおおおおおおおおお……!」

    茶柱「あの声と炎の色を見ても、まだそんなことが言えると!?」

    百田「マジかよ」

    最原「色々質問があるけど、最初にこれだけは」

    最原「人数が少なくない!?」

    茶柱「今は赤松さんが転子の代わりに部屋を回って人を集めてます!」

    最原(じゃあ後から増員が期待できるってことかな)

    最原「茶柱さん! 状況を教えてくれない!?」

    最原「何があったの!?」

    556 = 1 :

    茶柱「ことの発端は今から大体十分前のことでした。寝付けなくって、転子が寄宿舎の外に出たんです」

    茶柱「外の空気を吸って気分でも入れ替えよう……とか、そんな理由で」

    茶柱「そのときちょうど寄宿舎へと戻ってきていた巌窟王さんと顔を合わせました」

    茶柱「そのときです。どっちが先に気付いたのはもうまったく覚えてませんが、転子の研究教室が炎上していることに気付きました」

    茶柱「二人して研究教室まで走って行って、それで……」

    茶柱「巌窟王さんが炎の中に『何か』があることに気付いて、言ったんです」

    茶柱「『人手が必要かもしれない』と」

    茶柱「……聞き返す前に巌窟王さんは一人で……ん? うん……ええ」

    茶柱「『一応一人で』中に入っていってしまいました」

    最原(なんかところどころ不明瞭っていうか、あえてボカされた部分がある気がするけど)

    最原「なるほど。大雑把な事情はわかったよ」

    百田「とにかく、中に巌窟王がいんだな!? ならさっさと鎮火させるぞ!」

    夢野「このままじゃ巌窟王のスモークステーキの出来上がりじゃあ! 一刻を争う!」

    夢野「このあたりに水道は……!」

    茶柱「一番近いものはあっちにあります! バケツもいくつかそこに!」

    夢野「バケツリレーの開始じゃあああああああッ!」ダッ

    百田「行くぞおおおおおおッ!」ダッ

    最原「……」

    最原(なんだ? 巌窟王さんは何に気付いた……?)

    557 = 1 :

    巌窟王「……やはり見つけたぞ。これは……!」

    焼け焦げたペットボトル「」ボロッ

    巌窟王「だが『ヤツ』が見つからない! どこだ。どこにいる!」

    巌窟王(火事で発生する有毒ガスは問題なく無毒化できるが……それはそれとして熱い)

    巌窟王(この火事を発生させたのは間違いなく生徒だ。ならば俺がその影響を受けるのも必定)

    巌窟王(あまり長い時間はかけられないな)

    巌窟王「……何故だ。何故魔力の供給が安定しない……こんなときに……!」

    巌窟王「うおおおおおおおおおおおおッ!」

    558 = 1 :

    休憩します!

    559 :

    恩讐の炎で燃えまくっててもやっぱ火は効くのね

    560 = 1 :

    十二時五十分

    最原「ダメだ! 全然鎮火しないよ!」

    赤松「なんならさっきより火力が上がってる気もするんだけど……!」

    百田「……ごほっ……ごほっごほっ……!」

    百田「やべ、ちょっと出た」ゴシゴシ

    春川「百田?」

    百田「ヘーキだ! まだやれるぞ! 俺ァ!」

    巌窟王「おおおおおおおおおおお……!」

    天海「……妙っすね。一体あの中で何をしてるんでしょう。巌窟王さんは」

    最原(もしかしたら何かを言っているのかもしれないけど……)

    最原(それを聞き取れる程度には巌窟王さんの声が漏れてきてくれないんだよな)

    最原(そうか。火事って結構、音も凄いんだな)

    561 = 1 :

    午前一時十分

    夢野「よしキーボ! 行けい! 今こそ救助ロボの力を見せるときじゃ!」

    キーボ「そんな目的のために作られたわけじゃありません! 無理です! 死にます!」

    最原「……」

    最原(いつの間にか人が増えている……のは、赤松さんが声をかけてくれたおかげだろうけど)

    最原「……?」

    最原(人が……減ってる気がする)

    最原(いや、最初のときと比べると間違いなく増えてる。んだけど……)

    最原(さっきいたはずの人がいなくなったりしてないか?)キョロキョロ

    最原「茶柱さんは?」

    夢野「んあ? 転子?」

    キーボ「さっき『ちょっとしたらすぐ戻ってきます』って言って、どこかに走って行きましたが」

    最原「……」

    最原(待てよ。巌窟王さんの『人手が必要になるかもしれない』って、どういう意味だ?)

    最原(てっきり火事をどうにかするのに、って意味だと勘違いしてたけど……!)

    最原「……茶柱さんを探して来る!」

    夢野「んあ?」

    最原「ごめん、時間はかけないから!」

    562 = 1 :

    最原(考えろ。こんなときに茶柱さんが現場を離れるに至った理由……!)

    最原(……そうだ。赤松さんが生徒を呼んだのは寄宿舎の中でのことだ)

    最原(だとすると寄宿舎にいない人間は当然呼べない)

    最原(じゃあ、茶柱さんは『赤松さんでは呼べない人』を呼びに行ったんじゃ……)

    最原(もしかしたら倉庫に何か便利な道具……消火剤とかを取りに行ったのかもしれないけど……)

    最原(どっちにしろ空振りにはならない。僕が行くべきは……!)




    超高校級のメイドの研究教室

    茶柱「……おかしいですね。ここで料理しているはずなんですけど……」

    茶柱「女子トイレにも姿はありませんでしたし……」キョロキョロ

    茶柱「ううーん。引き返すべきですかねー……?」

    茶柱「あれ。なんでしょう。この掃除道具用ロッカー……なにか……変ですね?」

    563 = 1 :

    超高校級のメイドの研究教室周辺

    最原「ふう……ふう……疲れてきたな……ちょっと走り過ぎたかも」

    最原「でも急がないと、だよな。巌窟王さんをあのままにはしておけないし……」


    ……アアアア……!


    最原「ん?」

    茶柱「……いやあああああ……!」

    最原「……茶柱さんの声? いや……」

    最原「悲鳴?」

    564 = 1 :

    最原「……!」ダッ

    最原(気付いたら走り出していた)

    最原(……段々と茶柱さんの声が大きくなっていく)

    茶柱「誰か……誰かああああああああ!」

    茶柱「お願い! 誰か助けてえええええええ!」

    茶柱「誰か……誰かああああああああ!」

    最原(辿り着いた先は、超高校級のメイド教室の入口)

    最原(悲鳴は中から聞こえてきている)

    最原(僕はそのドアノブを握ったとき、手に汗をかいていたことに気付いた)

    最原(……疲れ? 違う。僕は……ドアを開けたくなかったんだ)


    ガチャリンコ


    最原「茶柱さん! どうか……した……?」

    最原「え?」

    最原(その先にある光景を、僕は一番見たくなかった)

    565 = 1 :

    茶柱「あ、あ、あう……最原、さん……!」

    茶柱「助けて……!」

    最原「……」

    最原(助けを求められているのに、足がすくんで動けない)

    最原(ドアを開けた先にいるのは、血塗れの茶柱さん……?)

    最原(違う)

    最原「東条さん……?」

    最原(血塗れで、ぐったりしている東条さん。それを抱いて泣きじゃくっている茶柱さんの姿だった)

    最原(……僕は……巌窟王さんの言葉の意味を、勘違いしていたんだ)



    第三章

    Unlimited 在校生 Works 非日常編

    566 = 1 :

    休憩します!

    567 :

    ああ、キルミーが……塩め、なんてことを

    568 = 1 :

    最原(東条さん……)

    最原(超高校級のメイドとして、僕たちに奉仕してくれていた女の子)

    最原(……責任の大きさを利用されて、僕たちを裏切りはした。でも罪悪感も呑み込んで、先に進める人だった)

    最原(これから、いいことがいっぱいある。あるはずだったんだ。なければいけなかったんだ。この人は)

    最原(その東条さんが――)

    茶柱「最原さん……!」

    最原「……死んでるの?」

    茶柱「……」

    茶柱「動かなくって……ぐったりしてて……」

    最原「……」

    最原「嘘だ……こんなの。起きてよ……東条さん!」

    最原「目を開けてよ、東条さんッ!」





    東条「了解したわ」スック

    茶柱&最原「え゛」

    東条「……頭がくらくらするわね。ごめんなさい。次の指示を貰う前に治療してもいいかしら?」フラフラ

    最原「……」

    最原「生きてるじゃんッ!」ガビーンッ

    茶柱「う、うえええええええええん! よかったあああああああああ!」ダバーッ

    569 = 1 :

    茶柱「え、ええと! 治療できる人……天海さんを呼んできますね! ちょっと待っててください!」ダッ

    最原「あ、う、うん!」

    東条「……つっ……!」

    最原「大丈夫? 東条さん……って」

    最原(そんなわけがない。どう見ても無事じゃない)

    最原(ただ、傷口からはいまいち殺意を感じないのも確かだ)

    最原(……手加減されてる?)

    最原(大雑把に見て、血が流れ出てるのは頭部。出血は酷そうだが、意識もハッキリしているし、止血さえすれば現時点では問題はなさそうだ)

    最原「……他に怪我はない?」

    東条「手が……痛いわ」

    最原「手?」

    東条「両手が……ちょっと動かすのを躊躇する程度には、痛いの」

    最原「……手袋を取って見せてくれる?」

    570 = 1 :

    ボタボタッ

    最原「……!」

    最原(手袋の下には包帯。これは前に見た通り)

    最原(ただ、その包帯ごと手が真一文字に切り裂かれていた)

    最原(両手ともに)

    東条「これは……どういうことかしら?」

    最原「……」チラッ

    最原(考えろ。茶柱さんは東条さんを抱きしめていた)

    最原(抱き上げた……って感じじゃない。どこかから東条さんが落ちて来るか倒れて来たのを受け止めてああなった感じだ)

    最原(だとすると、その前の東条さんはどんな状態だった?)

    最原(……すぐ近くに掃除道具を入れる縦長のロッカーがある。ドアは開かれていて、モップが倒れて飛び出している)

    最原(床には引きずったような痕……)

    最原(後で茶柱さんから訊かないとなんとも言えないけど、茶柱さんが発見するまで東条さんはこの中にいたのかな)

    最原(……いや。いたはずだ。ロッカーのドアの隙間に固まった接着剤がついてる)

    最原(多分これでドアを固定して東条さんがドアに倒れ込み、外に飛び出すのを防いだんだろう)

    最原(……わからない。なんでこんなことを……?)

    最原(……いや。心当たりはある。最悪の可能性だけど)

    571 :

    生きてるんかい

    572 = 1 :

    最原(でも現段階で東条さんを見つけたのが僕と茶柱さんだけでよかった)

    最原「……」

    最原「東条さん。お願いがあるんだけど」

    東条「何かしら?」

    最原「包帯は持ってるよね。自分で自分の傷を治療するためにさ」

    東条「……そうね。手から出血したときのために、替えの包帯は常に携帯してるわ」

    最原「だったらさ――」

    573 = 1 :

    午前一時ニ十分

    巌窟王「……もう、いいな……これだけやれば充分だ。ヤツはここにはいない!」

    巌窟王「クハハ……やってくれたな。誰だかはわからないが、随分とナメた真似をしてくれる……!」

    巌窟王「さて。後は脱出するだけだが……」

    巌窟王「難しいか? これは」

    巌窟王「……」

    巌窟王「また始まるかもしれないな。学級裁判が」

    巌窟王「すまない。アンジー」

    574 = 1 :

    今日のところはここまで!

    576 :


    キルミー苦悶の糸だけでもきついのに更に怪我させられるとは……

    577 = 571 :

    ここまで死者ゼロで来てるし多分なんとかなると思うけど
    正直あの状況でアンジーが生存するのはかなり厳しいと思うんだが

    578 :

    待てしか使えば大丈夫と言いたいけど魔翌力供給不安定だし無理か

    579 :

    魔翌力供給不安定ってことはなんとか生きてるんだよな?
    アンジー、東条の合格女子二人をギリギリで生かしておく理由がわからないし、塩以外にやらかした奴がいたりして

    580 :

    刑部姫出ねぇ!
    あ、間違えた。フラグ管理が間に合わねぇ!

    ちょっとガチャって来ます!
    違う! メモ帳にメモって状況整理します!

    581 :

    出ねえもんは出ねえんだよ!

    582 :

    やはりガチャは悪い文明…

    583 = 1 :

    百田「……」

    百田「なんか巌窟王の声が聞こえてこなくなったぞ? 気のせいか?」

    白銀「た、多分コレ、気のせいじゃないよ……!」

    「ちっ。このままだと、鎮火した後で巌窟王の焼死体を拝む羽目になるぜ」

    キーボ「入間さーーーん! 大変ですー! ここを開けてくださーい!」バンバンッ

    天海「……入間さんの研究教室って鍵あったんですっけ?」

    夢野「どうでもよいわ! とにかく水をかけ続けなければいかんぞ!」

    赤松「でもそのころまでに巌窟王さんが生きてるかどうか……!」


    バシャァッ


    春川「?」

    百田「……」ポタポタッ

    春川「百田? なんで急に水を被ったの?」

    百田「行く!」

    春川「は?」

    百田「うおおおおおおおおおおお!」ダッ

    春川「……はあッ!?」ガビーンッ

    584 = 1 :

    午前一時三十分

    ボオオッ

    巌窟王「……くっ!」

    巌窟王(笑い話にもならんな。恩讐の炎で万物を焼き尽くして来た俺が焼死などと……)

    巌窟王(あと一歩が果てしなく遠い。ここまでか?)

    巌窟王(……ふん。考えるだけ無駄だな。俺に諦める権利などないのだから)

    ガクリッ

    巌窟王「……足に力が入らなくなってきたな」

    巌窟王「ならばもう、這っていくしかないか?」

    百田「そんなことはねぇぞ! 巌窟王!」

    巌窟王「!」

    百田「助けに来てやったぜ! ありがたく思え!」ニィッ

    巌窟王「……」

    巌窟王「ふっ。バカめ」

    百田「んだとコラ!」

    585 = 1 :

    巌窟王「……あと十メートルほど前進したい。肩を貸せ。そこからは俺がなんとかする」

    百田「お? なにか奥の手があんのか?」

    巌窟王「機会は一度きり。かつ一瞬だ。そこですべてが決まる」

    百田「へっ。そういうの俺の大好物だ! やってやらァ!」グイッ


    ズリッ……ズリッ……


    百田「……こんなボロボロになるまで、ここで何してたんだよ」

    巌窟王「おそらく気付くヤツは気付いたはずだが……」

    巌窟王「……アンジーは外にいたか?」

    百田「あ? いや……悪ィ。よくわかんねー。誰がいたか、いなかったとか、この混沌だと判別しづらくってよ」

    百田「最低限、夢野とハルマキがいたことは覚えてるんだが……」

    巌窟王「そうか。それなら……やはり俺はハメられた、ということだろうな」

    百田「……あー?」

    巌窟王「外に出てから話そう。とにかく前へ!」

    百田「おうっ! ……っと」フラッ


    ガシッ


    春川「……もう片方の肩は私が持つから。しっかりしてよ」

    百田「は、ハルマキ!? なんで……」

    春川「こっちの台詞なんだけど。殺されたいの? ほら。前に行くんでしょ」

    百田「……ははっ!」

    巌窟王「……」ニィッ

    586 = 1 :

    百田「見ろよ巌窟王……俺たちは、強ェだろ?」

    巌窟王「ああ」

    百田「……助けてよかったって思うだろ?」

    巌窟王「そうだな」

    百田「……だから、俺たちもお前のことを助けてやんよ。それが仲間だからだ」

    巌窟王「……そうか」

    百田「とか言っている間にもうそろそろじゃねーか?」

    巌窟王「よし。一度、俺から離れろ。二人とも」

    巌窟王「……よくやった」

    春川「……上から目線がムカつく」

    巌窟王「そう言うな。許せ」ニヤァ

    巌窟王「さて。奥の手を出そう」ゴソゴソ

    587 = 1 :

    モノダム「ムグー! ムグウー!」ジタバタ

    百田「」

    春川「」

    巌窟王「それでは行くぞ。思い切り! 大きく振りかぶって!」ギンッ

    巌窟王「せーのっ!」

    百田「待て」

    巌窟王「ム?」

    百田「なんだそれ?」

    巌窟王「モノダムだ。俺の予備のマントでグルグル巻きにして身動きを取れなくした状態の」

    春川「いやまあ何をしようと文句はないんだけど、一応聞いておくね」

    春川「そいつをどうする気?」

    巌窟王「こうする気だ!」

    巌窟王「疑似宝具、展開!」

    巌窟王「ヘラクレス直伝!」

    巌窟王「オリジナル『ブーメランサー』改め……」

    巌窟王「友よ、お前のことは忘れない(ブーメランサー・モノダム)!」ブンッ



    モノダム「ムグウーーー……」


    カッ!

    ドカァァァンッ!

    588 = 1 :

    百田「……壁に大穴が開いたな」

    春川「外が見えるね」

    巌窟王「何をしている! 走れ!」

    巌窟王「あと三秒ほどで屋根が落ちて来るぞ! 潰されたいのか!」

    百田「そういうことは先に言えェ!」ガビーンッ


    ベキミシミシッ


    春川「という会話をしている内にもう余裕が――」

    百田「ぎゃああああああああ!」

    巌窟王「クハハハハハハハハ!」



    ドガシャアアアアアッ!



    ――モノダムは星になった。巌窟王という友を救うために。

    きっと、彼らは生涯忘れない。自分たちのことを救ってくれた、あの優しいナマモノを……

    589 = 1 :

    休憩します!

    590 :

    モノダム…良いヤツだったぜ…くっ

    593 = 1 :

    気にするな!

    594 = 1 :

    巌窟王「クハハハハハハ! 脱出できたぞ! 俺自身信じられん!」

    百田「たっく……よく考えれば壁壊したら、そりゃあ天井が降ってくるわな。考えなしにもほどがあるぜ」

    巌窟王「だが生きているぞ。全員な。結果こそがすべてだ」

    巌窟王「……いや。過程を蔑ろにするわけではないが、な」

    百田「ああ。とにかく生きてりゃ儲けモンだ! な、ハルマキ!」

    春川「」チーン

    百田「ハルマキィーーーッ!?」

    巌窟王「む?」

    モノダムの首「」ゴロッ

    巌窟王「ふむ。どうやら逃げるとき勢い余って、モノダムの首に足を引っかけて転び、地面に突き出た尖った岩に額をしこたま打ち付けたようだな」

    春川「」ダクダクダク

    巌窟王「引くほど流血しているな」

    百田「死ぬなハルマキィーーーッ!」

    595 = 1 :

    春川「……ハッ!? 私の名前は春川魔姫! 超高校級の暗殺者」ガバリッ

    百田「うおおっ! 急に起きた!」

    春川「そ、そう……思い出した! 私はこの前、巌窟王にハネ飛ばされて……記憶を……!」

    春川「……」チラッ

    巌窟王「?」

    春川「フンッ!」ブンッ

    巌窟王「がはぁ!?」ゴキィッ

    百田「ハルマキの上段回し蹴りが見事に決まったーーーッ!?」

    春川「これでチャラ」フン

    巌窟王「」チーン

    596 = 1 :

    ドタドタドタッ

    夢野「んあ! 天海! こっちじゃこっち! なんか凄い音がしたと思ったら脱出しておるぞー!」

    天海「了解っす! 応急処置でいいのならすぐに……!」

    茶柱「いやいやいや待ってください! こっちの方が先ですってば! 東条さんの研究教室で……!」

    巌窟王「……なんだ? 騒がしくなってきたな」

    宮寺「ククク。おかえり、巌窟王さん。みんな心配していたんだヨ?」

    茶柱「……ああ、もう! いいです! 確かにこっちも治療必要そうですもんね!」

    茶柱「じゃあせめて巌窟王さんだけでも連れて行きます! 彼が傍にいれば安全ですからね!」

    天海「いや、そんなこと言われても……」

    百田「……んだよ。他に誰か怪我してんのか?」

    赤松「実は、超高校級のメイドの研究教室で東条さんが……」

    597 = 1 :

    かくかくしかじかえりえり~

    巌窟王「……」

    巌窟王「天海を連れて行くぞ」ガシッ

    天海「え。百田くんと春川さんは……」

    巌窟王「応急処置なら自分でできるだろう?」

    春川「……はいはい。行ってらっしゃい、巌窟王」

    百田「おう! 後のことは俺たちに任せておけ!」

    茶柱「こっちです、こっち!」ダッ

    巌窟王「行くぞ、天海!」

    天海「はいっす!」

    598 = 1 :

    巌窟王(……やはりアンジーはいなかった)

    巌窟王(やはり俺は誰かにハメられたのだ)

    巌窟王(……しかし本当の標的は俺ではない。決して)

    巌窟王(だとすると、真の標的は……!)

    599 = 1 :

    今日のところはここまで!
    ミッションは全部片づけたので、あとはゆっくりメカエリチャンを育てられる……

    600 :


    キルミーがロッカーに入れられた理由はなんとなく分かってきたけどアンジーの所在はどうなってるんだ


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