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    元スレ巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」

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    501 = 1 :

    巌窟王「……」



    巌窟王の回想


    ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ「さあ! プレゼントをどんどん配りますよー!」

    JDASL「え? なんですかししょー。あのなんか黒炎出してる怖い顔のおじさんにもあげてきなさい……?」

    JDASL「え。あの正気ですか。サンタって子供にしかプレゼントは……いや、いいですけど……」

    JDASL「あ、あの……プレゼント……さっき王妃様に貰ったとっておきのマカロンなんですけど……」

    JDASL「……うう……後で私が食べようと思ってたのに……え? いい? くれてやる?」

    JDASL「貰ったものをどうしようが俺の自由だろうって……? ば、バカにしないでください!」

    JDASL「それはそれとして論理は完璧ですから貰いますけどね! 返しませんからね! いいんですね!?」

    JDASL「や、やったぁ……」


    回想終了


    巌窟王「……」プッ

    最原「何か思い出し笑いしてる……」

    502 = 1 :

    夢野「さて。風船も残り一個じゃのう」

    夢野「……今までの学園生活の立役者である巌窟王にやろうかの?」

    巌窟王「辞退しよう。それは我がマスターのアンジーに渡せ」

    夢野「了解じゃあ。ではアンジー。他に欲しいものはあるか? 既に結構渡しておるが」

    アンジー「うーんとねー……」

    アンジー「終一!」

    夢野「そうかー。最原かー。よし、それじゃあ」

    夢野「は?」


    パァンッ


    最原「……」

    巌窟王「……」






    一同「……」

    一同「……ゑ?」

    503 = 1 :

    最原(最後の風船は割れた。だが中身が現れることはなかった)

    夢野「それって……どういう意味で?」

    アンジー「お婿さんに欲しいなー。終一が」

    赤松「……」

    巌窟王「……」

    最原(そして……みんなの視線がこちらに向く……)

    最原(僕はいつの間にか冷や汗でビッショリで……いつの間に流れていたのかまったくわからなくって……)

    巌窟王「最原」

    最原(その声を聞いた途端に震えが止まらなくなった)

    最原(もう熱いのか寒いのかわからない。熱砂の砂漠のど真ん中のように熱いし、冬の湖の中のように冷たい気もする)

    ポンッ

    巌窟王「……返事は?」ゴゴゴゴゴゴゴ

    最原「さっき伝えました……」

    巌窟王「なんと?」

    最原「断ったんです……」

    最原(涙も止まらない。後ろから肩に手を置かれているけど振り向けない)

    最原(ここが地獄かな?)

    504 = 1 :

    最原(おかしいなあ。さっきまで僕たちは……)

    最原(束の間の平和を甘受してたはずなのになぁ……)

    巌窟王「……」

    巌窟王「……そうか……」

    巌窟王「よし。燃やすぞ?」

    最原「」

    赤松「やめてーーー! お願い、巌窟王さん落ち着いてーーー!」ガビーンッ!

    百田「アンジー! 冗談だよな!? 冗談なんだろ!?」

    アンジー「冗談じゃないよー! 本当に終一と結婚したいんだってー!」キラキラキラ

    キーボ「わあ。素敵な笑顔」

    入間「ダサイ原にとっては悪魔の笑顔だけどな……」

    春川「えーと、なに? 状況がよくわからないけど……」

    春川「おめでとう?」パチパチパチ

    王馬「おめでとー!」パチパチパチ

    アマデウス斎藤「静まりたまえー! 静まりたまえー!」

    獄原「その仮面まだ持ってたの!?」

    505 = 1 :

    最原(こうして夢野さんのマジカルショーは混沌の内に終わった)

    最原(アンジーさんの爆弾発言による余波を残して……)

    最原(後に何が起こったのかは覚えていない)

    最原(あまりにも……大騒ぎしすぎて疲れたので、バッタリ気絶するように眠ったこと以外は覚えていない……)

    巌窟王「我が霊基を犠牲にしてでも、この学園を破壊する……最原ごと……な」

    白銀「もうやめて巌窟王さん! 最原くんの精神的ライフポイントはゼロよ!」

    巌窟王「はなせ!」

    夢野「じゃあ後片付けは明日に回して今日はもう解散じゃあ。めんどい」スタスタ

    宮寺「真っ先に逃げちゃったネ」

    東条「……ふふっ……」

    506 = 1 :

    今日のところはここまで!

    507 :


    何よりやばいやつが動き出すな……
    今のキルミーは友達として極上だろうし夢野のランクもかなり上がってそう

    508 :

    乙乙
    さて、塩はどう対処するんだろう?
    巌窟王が男である以上まず狙われないだろうし…赤松の時みたいに偶然なんてのもないだろうし…

    509 :

    ハロウィンが……来る……!
    待っていた。私は待っていたぞ、ソロモン!

    510 = 1 :

    翌日 食堂

    赤松「で。えーと。昨日は色々あったけど」

    アンジー「終一ぃー」スリスリ

    最原「……」ズーン

    赤松「されるがままに抱き着かれてるね。最原くん……」

    百田「おい。こんなところ巌窟王に見られたら、またアイツ怒るぞ」

    アンジー「あ。大丈夫。今日の神様は部屋で不貞寝してるから」

    夢野「メンタル弱ァ……」

    アンジー「少し経ったらモノクマにカウンセリング頼んでるから部屋に来ないでくれって」

    「本当にショックだったんだな……」

    東条「まあ……彼は夜長さんのことを相当可愛がっていたから当然と言えば当然かしら」

    王馬「それを横からかっさらうとか、最原ちゃんも相当命知らずだよねー!」

    王馬「……」

    王馬「本当に死にたいの?」

    最原「ガチトーンで問いかけるのやめて……!」ガタガタ

    511 = 1 :

    最原「ええっと、アンジーさん。僕はそろそろ……」

    アンジー「どこ行くのー? アンジーもついていくよー!」キラキラキラ

    最原「あの……本当に迷惑じゃないっていうか、迷惑じゃないんだけど僕たちは離れてた方がいいっていうか……」シドロモドロ

    最原「いややっぱり迷惑なので近づかないでくれると嬉しいなぁ!」

    宮寺「もう形振り構ってられないんだネ」

    春川「百田。私、思い出した。ああいうのをスケコマシっていうんでしょ?」

    百田「あんまり思い出しても嬉しくない知識だな……」

    茶柱「……」

    最原「……」

    茶柱「……ハッ……」スタスタスタ

    最原(めっちゃ見下した笑み浮かべてどこか行っちゃった……)

    512 = 1 :

    数十分後 屋外

    夢野「と、いうわけで! 後回しにしたマジカルショーの片付けを開始する!」

    夢野「が! その前に!」

    最原「その前に?」

    夢野「……ウチの研究教室から手品用の鳩が一匹いなくなったんじゃ」

    夢野「最原。片手間に探してほしいんじゃが」

    最原「う、うん。任せてよ」

    最原(鳩……?)



    同時刻 アンジーの私室


    モノクマ「どんな気分ですか?」

    巌窟王「シャトーディフにとらえられた数年後並みに頭が重い……」

    巌窟王「未来に希望が持てない……これが現実なのか……」

    モノクマ「明日はアンジーさんも一緒にカウンセリングした方がいいかもしれないですねー」

    巌窟王「段階をいくつか吹っ飛ばしてるな! 真面目にやれ!」

    モノクマ「はぁい」

    513 = 1 :

    休憩します!

    514 = 1 :

    中庭

    最原「……鳩……鳩か……安請け合いしちゃったけどそうそう簡単に見つかるわけないよな」

    最原「というか既に外に逃げちゃった可能性もあるし……」


    ドガシャーンッ!


    入間「あああんじゃこりゃあああああああああッ!」

    最原「!?」ビクゥッ

    最原(今の声……研究教室の方か?)

    バターンッ

    入間「ち、ちくしょう! やりやがったな! やぁりやがったな、ちくしょーーー!」

    入間「……ハッ! ダサイ原! テメェの仕業かァ!? ああん!?」

    最原「え? 何が?」

    入間「とぼけてんじゃねぇ! 俺様の研究教室から巌窟王と同じ色の……!」

    入間「……な、なんでもねぇ……!」

    入間「……クソッ……クソッ……ふざけやがって……! 燃やされる前に取り返さねぇと」ブツブツ

    最原「……?」

    最原(不満気な声を漏らしながら、入間さんは自分の研究教室へと戻って行った)

    515 = 1 :

    図書室

    天海「さーてと。それじゃあ俺はいつも通り、魔術に関する書籍の再分析を……」

    天海「……ん……?」

    天海「あれ。これは……そんな!?」

    天海「ページがいくつか破り取られてる!? なんで!?」ガビーンッ



    中庭

    最原(そう。この時点で、わかってもよかった)

    最原(一度狂った歯車は、元には戻らないんだってことを……)

    最原(……わかってもよかったんだ)

    516 = 1 :

    今日のところはここまで!

    518 :


    色々不穏すぎる……

    519 :

    皮肉なことに事件が起こってない時の方がギスギスしているな

    520 :

    王馬「完成! 悪の総統印の落とし穴ー!」

    獄原「ええっ!? 土を掘ってみれば虫さんがいるかもって王馬くんが言ってたから掘ったんだけど!?」

    王馬「ああ、ごめんねゴン太。今のは嘘なんだ。冗談だよ」

    獄原「冗談だった! よかった!」

    白銀「王馬くーん。こんなところに呼び出してなんのつもりー?」スタスタ

    獄原「あれ。白銀さんも呼んでたの?」

    王馬「ちょっと用事があって……ああっ! 白銀ちゃん! あそこに!」

    白銀「え?」

    王馬「あそこに野生のマフィア梶●がーーー!」ビシィッ

    白銀「マフィアさーーーん! 羽海野チカ先生のサインくださーい!」ダッ


    ズボォッ


    白銀「きゃー!」

    王馬「……マフィアのサイン貰いなよ……まあいいや」

    王馬「悪は滅びた。このまま放置して帰るぞ、ゴン太!」

    獄原「……」

    王馬「ん? どうした木偶の坊?」

    獄原「う……」


    バタリッ


    王馬「……は? ゴン太?」

    521 = 1 :

    三十分後 獄原の私室

    東条「過労ね」

    白銀「か、過労!? なんで!? ゴン太くんがそういうのと一番無縁そうなのに!?」

    獄原「う、うう……最近は巌窟王さんに憧れて、トレーニングしてたからかな……」

    獄原「寝る前に腕立て伏せ一万回腹筋一万回スクワット一万回背筋一万回インナーマッスル強化トレーニングもろもろ多数とか……」

    王馬「わかっていたことだけどやっぱりお前、バカだろ」

    獄原「ご、ごめん……」

    白銀「って言ってる割には部屋まで運んだり東条さん呼んだり……男のツンデレ?」

    王馬「やだなー。俺が優しいからだよ。もう白銀ちゃんにはわかってたことだと思ったんだけどなー」

    白銀「え。やさしさ? どの口が?」

    王馬「ショック!」

    522 = 1 :

    夕方 食堂

    「くるっぽー」

    夢野「おお! ハトムギ! 帰ってきたか!」

    最原「ええっと……近くの木に留まってたからどうにか連れてきたけど」

    最原「ハトムギ……」

    夢野「よくやったぞ最原。後で撫でてくれてもよいぞ?」

    最原(僕が撫でる側かよ)

    最原「……巌窟王さんが食堂にいないのはともかくとして」

    最原「他にもアンジーさんやゴン太くんがいないな」

    東条「獄原くんは……しばらく食堂には来れないと思うわ」

    王馬「アイツは過労でぶっ倒れてるからね」

    百田「なにぃ!?」


    ヤイノヤイノ


    最原「……」

    最原(……なんだろう。特に何が起こったってわけじゃないんだけど……)

    最原(イヤな予感がする……)

    523 = 1 :

    アンジーの研究教室

    ボオッ


    巌窟王「これは……!」

    アンジー「どう? これがアンジーの……神様に捧げる、本気だよ……」ニヤッ

    巌窟王「……なんてことを……アンジー……!」

    アンジー「罰は受ける。だから神様、どうか……」

    アンジー「アンジーの話を、聞いて?」

    524 = 1 :

    最原(……水面下で何が起こっているのか、なんて僕たちに知る由はなく)

    最原(知ることができたとして、何を変えられたわけでもない)

    最原(次の日の夜。僕たちは直面しなければならなくなる)

    最原(……多くの人間を巻き込んだ『最悪』の事件に)

    525 = 1 :

    今日のところはここまで! パソコン調子悪い……

    526 :

    パソコンの調子が悪いので、休日でも更新頻度は、落ちるぞう!

    527 :

    事件が起こる前の何かが確実に近づいてくるざわついた平穏がたまらない
    ハロウィンピックアップに巌窟王こないかなぁ・・・

    528 :

    翌朝

    最原「……」

    最原(体が……重い)

    最原(何故だろう。昨日からイヤな予感が止まらない)

    最原(……周期的にはそろそろモノクマの動機の提示があってもおかしくないころだけど)

    最原(……警戒はしておこう。とにかく、朝ご飯を)ガチャリンコ



    巌窟王「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    最原「」

    巌窟王「……すぐに済む。時間は取らせない」

    最原(瞬殺的な意味で?)

    529 = 1 :

    巌窟王「……」ポンッ

    最原「え」

    最原(肩に手を置かれた……そこから炭化させられるのかなー。急所を燃やされてサクッと逝きたいんだけど)

    巌窟王「……」

    巌窟王「アンジーを……頼んだ……」

    最原「え」

    巌窟王「不本意だ。不本意だが……!」

    巌窟王「マスターの意志を曲げる矜持を俺は持たない。故に、これ以上は何も言うことはない」

    巌窟王「……本当に……不本意だ……」スタスタ

    最原「いやそんな悲しそうな顔されても……」

    最原「待って。行かないで。あの!」

    最原「だから僕、断ったんだってーーーッ!」ガビーンッ!

    530 = 1 :

    ハロウィンに取り掛かるので更新はしばらく後!
    また小出しシナリオだろうからすぐだろうけど……

    531 = 1 :

    人理滅ぼそう

    532 :

    外堀 (檻) を埋める

    533 = 1 :

    食堂

    最原「……あの……アンジーさん……」

    アンジー「なぁに、終一ー? なんでも言ってー! 未来の夫婦なんだからねー!」キラキラキラ

    最原「くっつくのをやめてください……」

    アンジー「それはヤダ」

    赤松(ガチトーンだ……)

    最原「だから僕は巌窟王さんの件が仮になかったとしてもアンジーさんとは付き合えないんだって……」

    アンジー「終一ー」スリスリ

    最原「主従揃って話を聞かないなぁ、もう!」

    王馬「巌窟王ちゃんは? どうしたの?」

    百田「……さっき学園の屋根で寂しそうに空を見上げているのを見たぞ……」

    春川「凄い遠い目をしてたね」

    天海「……ちょっと様子見てくるっす。相談したいこともあるので」スタスタ

    534 = 1 :

    白銀「でも凄いよねアンジーさん。この前までは最原くんからアンジーさんを殺してでも奪い取る勢いだったのに」

    最原「元からもらってない……!」ガタガタ

    白銀「どうやって説得したの?」

    アンジー「……秘密ー!」

    アンジー「真面目な話、ちょっと言えないような手段だしさー……」

    アンジー「神様から本気で心配されちゃう始末だったし……」

    アンジー「……だから、ね? アンジーの犠牲のためにも、お願い。お婿さんになってー!」キラキラキラ

    最原「知ったことじゃないッ!」

    宮寺「最原くんも最原くんで、なんか不自然なくらい拒絶してるよネ?」

    宮寺「そんなに仲悪かったっけ? あるいは他に好きな人がいるとか?」

    最原「いや、それは……!」

    最原(アンジーさんの告白の理由が死ぬほど不誠実だったからなんだけど……)

    最原(……万が一巌窟王さんの耳に入ったらマズイよな。代わりがいるだなんて思われたくないだろうし)

    最原「……」

    赤松「え? 本当に好きな人がいるの?」

    最原「いないけどさ!」

    535 = 1 :

    入間「……くそ……見つからねぇ……ちくしょう……善行詰んだ俺様になんて仕打ちを……」ブツブツ

    「くるっぽー」

    夢野「なんか調子悪いんじゃよなー。変なものでもついばんだかー?」

    東条「吐き出させてみせましょうか? いっそのこと出るまで待つのも手だとは思うのだけど」

    王馬「……で。ゴン太はどうしたんだっけ?」

    「過労でぶっ倒れてるって話だったろうが」

    最原「……」

    最原(……やっぱりいつも通り平和、だよな。気のせいだったのかな)

    アンジー「にゃははー!」

    最原「本当に離れてよ……!」

    茶柱「……」

    茶柱「……フッ……」スタスタ

    最原(アンニュイな笑み浮かべてどっか行っちゃったよ……)

    536 = 1 :

    屋外

    天海「それでーーー! よく見てみたら破り取られたページっていうのがー!」キィィィン!

    天海「目次を見てみる限り『令呪の移譲』についての項目でー!」ポヒュンポヒューン!

    天海「なくなったページがページっすからー! 凄いイヤな予感がするんすよー!」ポヒュキィィンッ!

    巌窟王「……」ボーッ

    天海「ダメだ。聞いてるのか聞いてないのか全然わかんない……」

    モノタロウ「ねー。そろそろエグイサル返してー。お父ちゃんから他の拡声装置を何かしら借りてくるからさー」

    天海「ごめんなさいもうちょっと……」

    537 = 1 :

    休憩します!
    もしかしたらそのままハロウィン漬けかも

    538 :

    そういやこの学園生活見てるカルデアのメンバーは誰推しとか応援してるとかあるのかな?ww

    539 :

    夕ご飯食べたら更新します!

    540 = 1 :

    百田「さてと。色々ゴタゴタがあったが、今日こそは終一を見つけて茶柱のところにけしかけてやるぜ」

    百田「終一ー! どこだー!」

    赤松「さっきアンジーさんから逃げて全力疾走してたけど……」

    百田「アイツ本当に面倒ごとに巻き込まれる天才だな……」

    アンジー「終一ー。どこー?」キョロキョロ



    超高校級のメイドの研究教室

    最原「……しばらくクローゼットの中に隠れていよう」

    541 = 1 :

    数時間後

    トントントントン

    最原「……ハッ! しまった、寝ちゃってた」

    最原「ん……包丁の音?」

    最原(……ちょっとだけクローゼットを開けて覗いてみよう)

    茶柱「食材を切るときは猫の手……食材を切るときは猫の手……!」

    東条「ふふ。そう。上手よ、茶柱さん」

    最原(……茶柱さんが東条さんと料理してる……)

    東条「ごめんなさい。手が無事だったなら手伝わせたりはしなかったのに」

    茶柱「いいんですよ! むしろ転子は東条さんの役に立てて嬉しいくらいです!」

    最原「……」

    542 = 1 :

    茶柱「……でもゴン太さんの過労を治すためとは言え、これから深夜までアク取りでしょう?」

    茶柱「大丈夫ですか? なんなら転子も手伝いますが……」

    東条「いいのよ。仕事ですもの。なにより私がやりたいの」

    茶柱「でも……」

    東条「……みんな優しすぎるわね。本当に」

    東条「大丈夫。自分を犠牲にしすぎるようなことは、みんなのためにもしないわ」

    茶柱「……ん……ちょっとは立ち直ったようですね」

    茶柱「よかった。でも、転子は結局なにもしてあげられませんでした」

    茶柱「……それが心残りです」

    東条「その言葉だけで充分すぎるわ」

    東条「でもそうね、もしも私のために何かをしたいというのなら、もう一つ」

    茶柱「なんですか?」

    東条「……最原くんのことを、あんまりイジメすぎないであげて?」

    茶柱「ッ!」

    最原(……別にいいのに。茶柱さんは僕を責める資格がある)

    最原(というより、彼女みたいな主張を持っている人間がいないと、逆にこの空間が狂っていくだけだ)

    最原(……許してくれなんて言えないしね。図々しすぎて)

    543 = 1 :

    東条「思うに、私だけじゃないのよ。自分を傷つけることで罪悪感を軽くしようってもがいてる人は」

    東条「最原くんは、茶柱さんに憎まれることを当然のことだって思っているんでしょうけど」

    東条「茶柱さん。あなたも……」

    茶柱「……許したいと思っているのに、きっかけがないからできない」

    最原「!」

    茶柱「東条さんにはかないませんね」

    東条「メイドですもの。このくらいは当然だわ」

    茶柱「……そうですね。東条さんも、もう大丈夫そうです」

    茶柱「あの男死のことは心底気に食わないのですが、東条さんがそう言うのであれば」

    茶柱「……許す努力はしてみます」

    最原「……」

    最原(僕は許されていいのかな)

    最原(よく……わからないや)

    最原(茶柱さんは凄いなぁ。あんなに怒ってたのに、僕のことを許す努力をするって?)

    最原「……う……!」ポロッ

    544 :

    厳しめにやったおかげで自浄作用が少し効いてきたな

    545 = 1 :

    茶柱「じゃあ転子はこれで! 東条さんも本当無茶しないでくださいねー!」

    東条「大丈夫よ。まだ無茶をすると手から出血してしまうもの」

    東条「この痛みがリミッターになってくれるわ」

    茶柱「あんまり使ってほしくないリミッターですね……」

    茶柱「じゃ、転子は行きます。お疲れ様でしたー!」ピューッ

    東条「また明日、ね」

    東条「……さてと」

    東条「そろそろ出てきたら? 最原くん」


    ガチャリンコ


    最原「……」グスッ

    東条「なんでそんなところに……」

    最原「アンジーさんから逃げてた」

    東条「そう」

    546 = 1 :

    最原「……本当凄いね、茶柱さん。僕を許すって?」

    最原「間違ってないだけで、東条さんに酷い傷を負わせたのは事実なのにさ」

    最原「別に許さなくってもよかったのに……」

    東条「最原くん。いいのよ」

    最原「……」

    最原(……何一つとしてよくない。僕は、そうとしか思えない)

    東条「……みんなに許されるチャンスをくれたこと、感謝してるわ」

    最原「やめてよ。キミを助けたのは巌窟王さんだ。それに東条さんが僕に感謝なんかしたらさ」

    最原「……なんか共謀してたみたいに見えちゃうよ。東条さんもそれはイヤでしょ」

    東条「ふふ。そうね。だから一度きりしか言わないわ」

    東条「それに、私を助けてくれたのは確かに巌窟王さんだけど……」

    東条「あなただって、巌窟王さんと同じくらい格好いいのよ?」

    最原「僕が?」

    東条「ええ」

    最原「……」

    最原「はは。面白い冗談だね、それ」

    東条「えっ」

    最原「……もうこれ以上は話さない方がいい、よね」

    最原「必要もなさそうだ。キミはもう大丈夫」

    東条「待って。冗談のつもりじゃ……」

    最原「……じゃあね」スタスタ

    東条「……」

    東条「卑屈すぎ……ね」

    547 = 1 :

    最原(……僕は正しくない。でも間違ってもいなかった)

    最原(大丈夫。もう東条さんは裏切らない。自分を無暗に傷つけたりもしない)

    最原(……少し早めだけど、僕は部屋に戻ることにした)

    最原(アンジーさんとも鉢合わせず。このまま僕は……時間を潰して……)




    数時間後 夜時間 三つの空き部屋


    ギコ……ギコ……


    宮寺「ふう……こんなもの、かな」

    宮寺「さて。誰かに気付かれる前に片付けないと」セッセッ


    ガララッ


    宮寺「……ッ!?」

    アンジー「あれれー? 是清ー! こんなところで何してるのー?」

    宮寺「……」





    ガンッ!

    548 = 1 :

    今日のところはここまで!

    549 :


    ついに起こってしまったか・・

    550 :

    マスター死んだらサーバントってどうなるんだ?


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