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    元スレ八幡「あれから5年後……」

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    151 = 125 :

    ハルコム・マーリン

    152 = 120 :

    比企谷母「小町が高3になって、夏休みが過ぎたころ……あの子……襲われたの」

    八幡「襲われた?」

    比企谷母「……ええ。学校の帰り道、知らない男にいきなり刃物を突きつけられて……それで……」

    八幡「……」

    比企谷母「ちょうど近くを通った、小町の同級生が助けてくれたみたいだから、それ以上はされなかったみたいなんだけど……」

    八幡「……」

    比企谷母「それからあの子……刃物とか見ると、震えが止まらなくなるみたいで……」

    八幡「……で、その男は? 捕まったのか?」

    比企谷母「……ううん。まだ」

    八幡「……」

    比企谷母「でも、小町は犯人の顔を見たはずなのよ。けど、言おうとしなかった……」

    八幡「なぜ?」

    比企谷母「わからない……何度も聞いたけど、『大丈夫だから』しか言わなかったの……」

    八幡「……その同級生は?」

    比企谷母「小町のお友達らしくて、元気のいい男の子って感じだったわ。たしか、川なんとかさんっていったかな」

    八幡 (川……あー、いたな。たしかそんの。ってことはあいつの弟か)

    比企谷母「八幡。小町には……」

    八幡「ああ、わかってる。いつも通り接するから」

    比企谷母「……ありがとう、八幡」

    153 = 120 :

    プルルルル

    結衣『はーい! もしもし〜?』

    八幡「……」(あれ、これマイクどこについてんだ?……これかな?)

    結衣『あれ? もしもし〜』

    八幡「由比ヶ浜か?」

    結衣『……えっ! ヒッキー!? どうしたの!?』

    八幡「悪いなこんな夜遅く、寝てたか?」

    結衣『ううん、寝てないけど……』

    ダレ〜ユイー モシカシテカレシ? チ、チガウカラッ!

    八幡「みたいだな……」

    結衣『えっへへ〜……で、どうしたの?』

    八幡「あー、ちょっと聞きたいことがあって」

    結衣『聞きたいこと? なになに?』

    154 = 120 :

    八幡「高校の時、うちのクラスに川……川なんとかっていなかったか? 苗字に川がつく奴。女子で」

    結衣『川? もしかして、サキサキのこと?』

    八幡「あー多分そう。サキサキ」

    結衣『それがどうしたの?』

    八幡「ちょっとそいつに聞きたいことがあって、まあ細かく言うと、そいつの弟に用があるんだけど」

    結衣『うんうん』

    八幡「それで連絡先とか知ってるか?」

    結衣『サキサキの? うん、知ってるよ』

    八幡「悪いんだけど、教えてもらえないか?」

    結衣『うん、全然いいよー! 後でメールに、番号とアドレス貼って送るねっ』

    八幡「おう、悪いな」

    結衣『いいっていいって、それぐらい。あっ、でさヒッキー!』

    八幡「ん?」

    結衣『まえ言ってた件なんだけど、みんな来週の日曜日なら集まれるって!』

    八幡「……なんか悪いな、わざわざ」

    結衣『だからいいって〜。場所はまた決まったら教えるね!』

    八幡「ああ、わかった。ありがとな」

    結衣『ううん。じゃあヒッキー、おやすみ〜!』

    八幡「んー」


    プツッ プープー

    八幡「……」

    ブーブー ユウガッメール

    八幡「はやっ」

    156 = 120 :

    次の日



    プルルルル

    沙希『はい』

    八幡「あ、もしもし」

    沙希『もしもし』

    八幡「サキサキですか?」

    沙希『……は?』

    八幡 (あれ、おかしいな。番号間違えたか?)

    沙希『あの……誰ですか?』

    八幡「あ、どうも。比企谷八幡です」

    ガタッ

    八幡「ん?」

    沙希『……あんた、なんで』

    八幡「由比ヶ浜から電話番号聞いたんだけど、ちょっと聞きたいことあって」

    沙希『……私に?』

    八幡「うーん、正確にいうと弟に」

    沙希『大志に?』

    八幡「そうそう、タニシに」

    沙希『……』

    八幡「ん?」

    沙希『……たいし』

    八幡「え?」

    沙希『たいし、だから』

    八幡「あーうんうん。たいしに」

    沙希『あいつ大学いってて今いないけど……何か用?』

    八幡「あー、えっと……俺の妹のことなんだけど……伝わるかな?」

    沙希『……わかった、伝えとく。けど、どうすればいい?』

    八幡「どうするって、何が?」

    沙希『いや、大志のメアドとか教えたほうがいい? てか、まずあんたの知らないけど』

    八幡「あー、めんどくさいからいいや。会って直接話したいし。どこでもいいから場所、セッティングしといてくれ」

    沙希『しといてくれって言われても……』

    八幡「あ、ほんとどこでもいい。できればサイゼ」

    沙希『わ、わかった……伝えとく』

    八幡「ん、じゃあまた」

    沙希『ね、ねえ!』

    八幡「ん?」

    沙希『……お、おかえり』

    八幡「ああ……ただい――」

    プツッ プープー

    八幡「なんだあいつ……」

    157 = 120 :

    トントン

    八幡「……小町、平気か?」

    小町「うん……大丈夫」

    八幡「今日は大学行かないんだろ? しっかり身体休めとけよ」

    小町「うん……」

    八幡「……じゃあ俺、仕事探しに行ってくるから」

    小町「……お兄ちゃん!」

    八幡「ん、なんだ?」

    小町「昨日は、ありがと……私」

    八幡「いいって。あんなの、誰でも怖いよな」

    小町「……うん」

    八幡「じゃあ行ってくるわ。またな小町」

    小町「うん。いってらっしゃい……」

    158 = 120 :

    後日
    サイゼリア



    カランコロン

    八幡「……すみません。ツレが先入ってると思うんですけど」

    店員「あ、はい。何名様ですか?」

    八幡「2名だと思います」

    店員「2名様ですね……少々お待ちください」

    八幡「あ、はい」

              ・
              ・
              ・

    店員「すみませんお客様。2名様でのご来店予定はありません」

    八幡「え、本当ですか?」

    店員「はい。3名様のご来店予定で、先2名様が来店している席はあるのですが……」

    八幡「……あ、たぶん……そこです」

    店員「そうでございましたか。わかりました、ご案内します」

    八幡「あ、はい。すみません」

    トコトコ

    店員「あちらの席でございます」

    八幡「お」

    店員「では、ごゆっくり」スタスタ

    159 = 128 :

    東方不敗かな?

    160 = 120 :

    トコトコ

    八幡「よう」

    沙希「……え?」

    大志「あれ? もしかしてお兄さんですかっ!?」

    八幡「おう、大志。久しぶりだな。あとお兄さんって呼ぶな」

    大志「久しぶりです! テレビで見てまさかとは思いましたが……めっちゃカッコよくなって帰ってきたじゃないですか! な、姉ちゃん!」

    沙希「え、う、うん……」

    八幡「お前も久しぶりだな。サキサキ」

    沙希「うん、久し――ってあのさ、電話の時も思ったんだけど、なんでサキサキって呼んでるの」

    八幡「え、違うのか?」

    沙希「違わないけど……それニックネームだから。5年ぶりだからって、名前ぐらい覚えてるでしょ」

    八幡「あー、悪いな川なんとか」

    沙希「……川崎」

    八幡「え?」

    沙希「川崎沙希!」

    八幡「あ、はい。川崎さん」

    161 = 120 :

    八幡「で、なんでお前も来たんだ?」

    沙希「ダメなの?」

    八幡「あ、いや……別にそういう意味で言ったわけじゃないです」

    沙希「そっ……」

    大志「……で、お兄さん! 俺に用って何ですか?」

    八幡「あー、小町の話を聞いてさ。たしか高3のときの」

    大志「あっ……小町ちゃんのことですか……」

    沙希「……」

    八幡「聞いたところによると、お前が助けてくれたみたいだから。礼を言おうと思って」

    大志「いえ、そんな! 俺は別に!」

    八幡「いやいや、俺がいないときに小町を助けてくれてありがとな。ほんと感謝してる」

    大志「……俺なんて全然」

    八幡「それでさ、悪いんだけど、事件のことを詳しく教えてくれないか? 犯人のことも知ってたら詳しく」

    大志「……」

    八幡「?」

    沙希「大志。もういいじゃないの? それにこいつは仮にも、小町ちゃんの兄なんだから、全部隠さず話しなさい」

    八幡「仮じゃねーよ」

    大志「……はい……わかりました。じゃあ最初から全部、お話します」

    162 = 120 :

    今日はここまで。また明日

    163 = 121 :

    一番いいとこで終わるのか…

    164 :

    え…ここで?

    165 = 128 :

    乙です
    大志が黒幕だと思ったら違うっぽい

    166 = 125 :


    目の腐ったグリーンアローの活躍が楽しみです
    どう見てもヴィラン枠

    167 :

    よかった乱暴されたこまっちゃんはいなかったんだね!

    168 = 125 :

    長期連載アメコミにありがちなこと
    信頼していた身内が裏切る or 陰謀に加担している

    つまり、小町を助けたと思われているタニシこそ(ry

    169 = 132 :

    >>166
    ドラマ版もバットマンなんかめじゃないくらい悪人殺しまくって警察に嫌われてるし・・・

    170 = 122 :

    わくわく

    171 :

    CQCを使ったの?
    こういう時に屑役は善人すらしたキャラと決まっている

    172 :

    犯人はまさか…スカルフェイスの部下か?
    FOXなのか…

    173 :

    メタルギア関係なくね?

    174 :

    犯人は大誤算やったんや!

    175 :

    雑談は他所でやってくれないか

    176 :

    ミラクルヤン→血塗れヤン

    177 :

    人を誉めるときは大声で、罵るときはもっと大声で

    178 = 174 :

    ごめん、フレデリカ…

    179 :

    明日終わっちまったよ

    180 :

    ごめん、ユリアン……
    今から投下します

    181 = 180 :

    大志「その日は用事があったんで、一人で帰ってたら、突然どこからか女性の悲鳴が聞こえてきて……」

    八幡「……で?」

    大志「で、悲鳴の出どころは雑木林からでした。だから、中へ入って確かめようとしたんです。そしたら……」

    八幡「小町だったんだな」

    大志「……はい。ちょうど犯人は馬乗りの状態で、小町ちゃんにナイフを突きつけていました」

    八幡「……それから?」

    大志「それを見た俺は大声を出しました。犯人は驚いて、すぐさま逃げて行って……。だからその時は、それで終わったんです。あとは警察を呼んで、事情聴取を」

    八幡「警察にはなんて?」

    大志「いま言ったことをそのまま話しました。それ以上のことはなにも……」

    182 = 180 :

    八幡「……犯人の顔は見なかったのか?」

    大志「えっ、あ……」

    八幡「?」

    大志「……」

    八幡「……俺の親もな、そこを不思議に思ってるんだ。小町は顔を見たはずなのに、なぜか言おうとしないって」

    大志「……」

    八幡「何か理由があるんだろ? 言えない理由が」

    大志「……はい」

    183 = 180 :

    八幡「なんだ?」

    大志「……」

    八幡「別に責めてるわけじゃない。ただ俺は兄として、小町の力になってあげたいだけだ」

    大志「……」

    沙希「……ほら大志」

    八幡「……」

    大志「みました……」

    八幡「ん?」

    大志「……犯人の顔なら見ました。でも、それだけじゃなかったんです」

    八幡「というと?」

    大志「犯人の正体も知ってたんです。小町ちゃんも俺も」

    八幡「……どういう意味だ?」

    大志「つまり……犯人と顔見知りというか……」

    八幡「なっ……」

    大志「犯人の名前は、カマセ イヌ。俺たちのクラスメイトだった男です」

    184 = 180 :

    八幡「つまり、そのカマセに小町は襲われたと?」

    大志「……はい」

    八幡「なぜそれを言わなかったんだ? 言えばカマセも捕まっただろ」

    大志「……」

    八幡「おいおい、まさかそいつを庇って――」

    大志「いえ! そんなこと絶対しません!」

    八幡「……じゃあなんでだよ」

    大志「……」

    沙希「……言わなかったんじゃなくて、言えなかったの」

    八幡「は?」

    沙希「そのカマセが、あの◯◯財閥の御曹司だからだよ」

    186 = 180 :

    沙希「あんたはこの5年間いなかったから知らないと思うけど、今じゃ当たり前のことだよ。警察も政府の役人も、金で買われるなんて日常茶飯事」

    八幡「……」

    大志「小町ちゃん。襲われたとき、ナイフを突きつけられながらカマセに脅されたそうです」

    八幡「……なんて?」

    大志「『俺のことを言えば、お前の家族は死ぬぞ。お前の兄貴みたいにな』って……」

    八幡「……」

    大志「小町ちゃんも、あいつのことはよく知ってました。だから俺は『秘密にして、じゃないと家族が危ない』って、小町ちゃんに頼まれて……」

    八幡「……」

    大志「俺は、それを守ることしかできませんでした」

    八幡「……小町は家族のことを心配して、あえて犯人の名前を言わなかったと」

    大志「はい……」

    沙希「小町ちゃんには悪いけど、ある意味正しい選択だったってわけ。もし訴えるようなことでもあれば、あんたの家族、終わってたよ」

    八幡「……」

    187 = 180 :

    沙希「今の世の中じゃ、金持ちが全てなんだよ。日本の法律も働かない」

    八幡「それっていいのか?」

    沙希「いいわけないじゃん。でもしょうがないんだよ、そんな世界になっちゃったんだから」

    八幡「……はぁ、よくわかった。ありがとな大志、話してくれて」

    大志「いえ……すみませんお兄さん。俺、何もできなくて」

    八幡「いいや、お前は小町だけじゃなく、俺の家族も守ってくれた。本当にありがとな」

    大志「……そんな」

    八幡「お前もありがとな、なんだかんだ言って助けてくれてたんだな」

    沙希「っ、別に私は……」

    八幡「でもそっか。この5年間でそんなに変わったんだな。この街も、日本も」

    沙希「……まあね。――全部、あの大不況が原因だよ」

    八幡「大不況って、3年前ぐらいに起きたっていうやつか?」

    沙希「うん。あれの後、金持ちと貧乏人の差が浮き彫りになった」

    八幡「……そっか」

    188 = 180 :

    八幡「で、ちなみに今カマセはどうしたんだ?」

    大志「……あのあとも、何事もなかったように暮らしてます」

    八幡「大学に行ったのか?」

    大志「はい。**大学だったと思います」

    八幡「そっか……」(**大学って、たしか雪ノ下のとこだよな)

    沙希「……で、あんたどうすんの?」

    八幡「え?」

    沙希「いや、今日の話聞いた上で、これからどうするのって」

    八幡「……」

    189 = 180 :

    沙希「まさか親にチクるとかしないよね。そんなことしたら今までの――」

    八幡「さすがにしねーよ。でも、このままにしとくのもな。……そのカマセってやつの顔を一発ぶん殴るとか?」

    沙希「馬鹿じゃないの。そんなことしたら、あんたが捕まるよ」

    八幡「まあそうだろうな。金の力ってやつで、罪までもでっち上げられたりすんだろ?」

    沙希「まあね」

    八幡「そうか。どーしよーかな……」

    大志「小町ちゃんには話すんですか?」

    八幡「まあ、いつかはな。今はちょっと無理だが」

    大志「無理?」

    八幡「まあな。この前ちょっといろいろあって」

    大志「そうでしたか……」

    八幡「まあとりあえず、この話は終わりだ。ありがとな、話してくれて」

    190 = 180 :

    カランコロン


    大志「ではお兄さん! また今度!」

    沙希「またね」

    八幡「おう、じゃあな」

    沙希「あっ……ちょっとあんた」

    八幡「ん?」

    沙希「あの、結衣に日曜日の誘われたんだけど……」

    八幡「ああ、俺のためになんかやってくれるやつか」

    沙希「うん……私、いってもいいのかな?」

    八幡「ん、いいだろ別に。俺に聞くことじゃないし」

    沙希「そ、そっか。わかった、考えとく」

    八幡「ん……あ、じゃあその時に聞かせてもらうわ」

    沙希「え、なにを?」

    八幡「いや、今日お前のこと全然聞けなかったから。俺の話ばっか付き合ってもらって」

    沙希「なっ……別に私のことなんて……」

    八幡「じゃあ、そういうことで。またな」

    沙希「うん……じゃあね」


    トコトコトコ

    191 :

    まじかよかませ眼鏡最低だな・・・

    192 = 180 :

    ガチャ

    八幡「ただいま」

    タッタッタ

    小町「見て見ておにーちゃんッ! 小町、昨日のゲームで1万点とったよ!」

    八幡「マジか、すげーな」

    小町「でしょ〜!」ニコッ

    八幡「……」

    小町「……ん? どうしたのお兄ちゃん?」

    八幡「いや、なんでもねーよ。小町、それあとで俺にもやらせてくれ」

    小町「うんいいよ! お兄ちゃんに小町の記録抜けるかなぁ〜?」

    八幡「任せろ、余裕だ」

    小町「えぇ〜、ほんとぉ?」

    八幡「おう、ほんとだ。――じゃあいったん着替えてくるから」

    小町「あ、うん。早く来てねー」

    八幡「……」スタスタ

    193 = 180 :



     あんたは俺に、比企谷八幡に戻れと言った。だからあんたの言った通り、戻ろうとしたよ。


     一度は、こんな俺が元の生活に戻っていいのかとも、疑問に思った。でも、家族や由比ヶ浜、平塚先生の言葉で救われたんだ。


     みんなは俺に、生きるために犠牲は必要なことだと、わからせてくれた。


     それはまるで、今までの俺の行いを許してくれるようなものだ。
     だから決心することもできた。もとの生活に、もとの日常に、もとの自分に戻ろうと。


     けど無理だったみたいだ。今の俺に、見て見ぬ振りなんてできない。


     この街は腐ってる。汚職にまみれ、金がものをいう。正義は廃り、クソみたいな悪が蔓延っているだけだ。


     変えなきゃいけない。この街を、この国を。


     だから再び、俺はかぶろうと思う。

    194 = 180 :

    八幡「たしかこの石で、木目をなぞって……」

    スゥ〜〜……グッ

    八幡「ここか」

    グイッ
    カチッ

    パカ…

    八幡「……」

    スッ


     だから再び、かぶることにする。この《仮面》を。

    195 = 180 :

    プルルルル


    仮面『俺だ。久しぶりだな』

    **「・・・・・・・・・・」

    仮面『……ああ、そうだ。人を集めろ』

    **「・・・・・・・・・・」

    仮面『……ああ……ああ、わかった。水曜日にはこれそうか?』

    **「・・・・・・・・・・」

    仮面『……まだいらない。……ああ……そうだ』

    **「・・・・・・・・・・」

    仮面『……ああ、頼んだぞ』

    プツッ プープー

    仮面『……』

    チョットオニィチャン! マダ〜?




    八幡「ああ、いまいく」

    196 = 180 :

    金曜日:午前2時
    とある公園



    カマセ「おいDQN1。昨日のあの女の顔、覚えてるか?」

    DQN1「あたりめーだろ! あんな面白い顔なんて滅多に見られねぇよ!」

    DQN2「あそこに石詰め込んだらよ、『痛ぃー!』だってさ、マジウケる!」

    ギャハハハ

    197 = 180 :

    DQN1「おいカマセ! 今日はどいつヤっちゃう?」

    DQN2「俺久しぶりに*学生がいいなー!」

    カマセ「うーんそうだな……いっそババアとか?」

    DQN1「ギャハハハ! それまじウケる!」

    DQN2「でもマジ、カマセについてきて正解だったわ。もうヤりたい放題じゃん」

    DQN1「そりゃなんたって、カマセの親父さんがあの◯◯財閥のトップだからな!」

    DQN2「んでんで、俺たちの犯罪を揉み消してくれるとかマジ神!」

    カマセ「まあな。親父いわく、金で買えないものはないってさ。警察もヨユーで買収」

    ギャハハハ

    198 = 180 :

    スタッ




    カマセ「……あ?」

    DQN1「ん? どした?」

    カマセ「いや、今なんか……」


    仮面『……お前がカマセ イヌか?』


    DQN2「うわっ! なんだこいつどっから――」

    ボキッ

    バタッ

    DQN1「え?」

    仮面『……声を出すな。こいつのようになりたくなかったらな』

    DQN2「」ダラン

    DQN1「おまえ、DQN2に何しやがっ――」

    ボキッ

    仮面『なに、首を折っただけだ』

    バタッ

    仮面『……わかっただろ?』

    カマセ「……あ、ああ、わかった……お、おおおとなしくする……」

    仮面『……利口だ』

    200 = 180 :

    仮面『……最初の被害者?』

    カマセ「そ、そうだよ。その時が初めてだったんだ。じゅ、受験のストレス発散目的でさ」

    仮面『……で?』

    カマセ「でって……そ、そいつ、兄貴が死んだらしくてよ。ちょっと優しくしたら、すぐなついてさ。んで、裏切って襲ったわけ」

    仮面『……ほう、それで』

    カマセ「え、あ、それでナイフ突きつけてヤろうとしたんだけど失敗してさ。惜しかったなぁって……」

    仮面『……楽しかったか』

    カマセ「そ、そりゃな。『なんで?』って必死で叫びながら泣いてたよ。あの顔は最高だったな……あははっは……はは……」


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