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元スレ八幡「あれから5年後……」
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3年次進級に向けた春休み、久しぶりに家族4人で旅行をすることになった。
ただ俺の学校は、小町の学校より2、3日、春休みに入る日が遅かったため、
比企谷母「時間を無駄にしたくない!」
とのこと、俺以外家族3人は一足先に、旅行先のシンガポールへ向かった。
つまり俺は、後から一人で来い、とのことだった。
まあなんというか、改めて小町の方が大事にされているんだな、と実感しつつも、内心一人で飛行機に乗るという《俺かっこいい》的な気分を味わっていたんだが、それがまさか俺の人生そのものを、変えることになるとは想像もしていなかった。
カマクラを(旅行のことを話したら、いち早く立候補してくれた)雪ノ下に預け、成口空港からシンガポール便に乗ったその日、事故は起きた。
俺の乗った飛行機が、墜落したんだ。
後から聞いた話によると、その飛行機は南シナ海沖に墜落したらしい。そして、俺を含めた乗員乗客230名、政府正式発表により、全員死亡となった。
あれから5年後……
ただ俺の学校は、小町の学校より2、3日、春休みに入る日が遅かったため、
比企谷母「時間を無駄にしたくない!」
とのこと、俺以外家族3人は一足先に、旅行先のシンガポールへ向かった。
つまり俺は、後から一人で来い、とのことだった。
まあなんというか、改めて小町の方が大事にされているんだな、と実感しつつも、内心一人で飛行機に乗るという《俺かっこいい》的な気分を味わっていたんだが、それがまさか俺の人生そのものを、変えることになるとは想像もしていなかった。
カマクラを(旅行のことを話したら、いち早く立候補してくれた)雪ノ下に預け、成口空港からシンガポール便に乗ったその日、事故は起きた。
俺の乗った飛行機が、墜落したんだ。
後から聞いた話によると、その飛行機は南シナ海沖に墜落したらしい。そして、俺を含めた乗員乗客230名、政府正式発表により、全員死亡となった。
あれから5年後……
タッタッタ
小町「お兄ちゃん! お兄ちゃんはッ!?」ハァハァ
比企谷母「っ……落ち着いて小町、八幡は今病室にいるから……」
小町「」バッ
ガタッ
小町「お兄ちゃんっ!?」
八幡「ん、おー小町。久しぶりだな、元気にしてたか?」
小町「……お兄ちゃん…………本当に、お兄ちゃんだ……よね?」ヨロヨロ
八幡「なんだよ。お兄ちゃんの顔忘れちゃったのかよ。まあちょっとは変わったと思うけど」
小町「お兄ちゃんっ」ギュッ
八幡「うぉっ、小町。いきなり抱きつく……」
小町「生きてた……お兄ちゃん、生きてたよ……」ポロポロ
八幡「……」ナデナデ
小町「小町。お兄ちゃんのこと、ずっと死んじゃったって…………でも生きてた……」ポロポロ
八幡「……おい、勝手に殺すなよ」
小町「だってみんなが! お兄ちゃんのこと……お兄ちゃんのことを………」ポロポロ
八幡「影が薄いからって、殺すのはひどいよな。よしよし……」ナデナデ
小町「ごめんね、お兄ちゃん……小町が……小町が、お兄ちゃんのことおいてったから……」ポロポロ
八幡「……別にいいって、すんだことだし」
小町「でも……でも………」ポロポロ
八幡「それより小町、お前大っきくなったな」
小町「……当たり前だよ……あれから5年も経ったんだよ? 小町、もう大学生だよ?」ニヘッ
八幡「なにっ……まじか。そういえば俺、まだ高校生のままだよな?」
小町「えっ……うん、そうだよ。お兄ちゃんじゃなくて、弟だよ」
八幡「な……俺、お兄ちゃんじゃないと、小町にとっての存在理由、なくならないか?」
小町「そんなことないよ。弟だって……小町にとってはお兄ちゃんだよ……」
八幡「……そうか……ありがとな」
小町「ううん……お兄ちゃん、おかえり」
八幡「……ああ、ただいま」
小町「お兄ちゃん! お兄ちゃんはッ!?」ハァハァ
比企谷母「っ……落ち着いて小町、八幡は今病室にいるから……」
小町「」バッ
ガタッ
小町「お兄ちゃんっ!?」
八幡「ん、おー小町。久しぶりだな、元気にしてたか?」
小町「……お兄ちゃん…………本当に、お兄ちゃんだ……よね?」ヨロヨロ
八幡「なんだよ。お兄ちゃんの顔忘れちゃったのかよ。まあちょっとは変わったと思うけど」
小町「お兄ちゃんっ」ギュッ
八幡「うぉっ、小町。いきなり抱きつく……」
小町「生きてた……お兄ちゃん、生きてたよ……」ポロポロ
八幡「……」ナデナデ
小町「小町。お兄ちゃんのこと、ずっと死んじゃったって…………でも生きてた……」ポロポロ
八幡「……おい、勝手に殺すなよ」
小町「だってみんなが! お兄ちゃんのこと……お兄ちゃんのことを………」ポロポロ
八幡「影が薄いからって、殺すのはひどいよな。よしよし……」ナデナデ
小町「ごめんね、お兄ちゃん……小町が……小町が、お兄ちゃんのことおいてったから……」ポロポロ
八幡「……別にいいって、すんだことだし」
小町「でも……でも………」ポロポロ
八幡「それより小町、お前大っきくなったな」
小町「……当たり前だよ……あれから5年も経ったんだよ? 小町、もう大学生だよ?」ニヘッ
八幡「なにっ……まじか。そういえば俺、まだ高校生のままだよな?」
小町「えっ……うん、そうだよ。お兄ちゃんじゃなくて、弟だよ」
八幡「な……俺、お兄ちゃんじゃないと、小町にとっての存在理由、なくならないか?」
小町「そんなことないよ。弟だって……小町にとってはお兄ちゃんだよ……」
八幡「……そうか……ありがとな」
小町「ううん……お兄ちゃん、おかえり」
八幡「……ああ、ただいま」
比企谷父「――それで、息子の容態は……」
医者「いたって健康です。脈も血圧も、すべて正常値を示しています」
比企谷母「っ! それじゃあ――」
医者「ですが……体の約3割が傷で覆われ、背中や腹部に重度の熱傷のあと。十数ヶ所にわたる骨折の治療も、不適切なものです」
比企谷父「そんな……いったい息子に何が……」
医者「わかりません。それが事故で負ったものなのか、それともその後のものなのか……彼は話そうとしないので……」
比企谷父「……」
比企谷母「……私が悪かったの……私のせいで……」ボロボロ
比企谷父「それは十分話したじゃないか。今は八幡が帰ってきたことだけに、感謝しよう……」
比企谷母「ええ……ぇぇ……」ボロボロ
比企谷父「――あの、それは命に関わることなんでしょうか?」
医者「いえ、今はなんともありません。ただ……」
比企谷父「ただ?」
医者「ただ……ご両親方、覚悟が必要です。以前の彼とは、まったく別人の恐れが………」
比企谷父「……」
比企谷母「八幡……」ポロポロ
医者「いたって健康です。脈も血圧も、すべて正常値を示しています」
比企谷母「っ! それじゃあ――」
医者「ですが……体の約3割が傷で覆われ、背中や腹部に重度の熱傷のあと。十数ヶ所にわたる骨折の治療も、不適切なものです」
比企谷父「そんな……いったい息子に何が……」
医者「わかりません。それが事故で負ったものなのか、それともその後のものなのか……彼は話そうとしないので……」
比企谷父「……」
比企谷母「……私が悪かったの……私のせいで……」ボロボロ
比企谷父「それは十分話したじゃないか。今は八幡が帰ってきたことだけに、感謝しよう……」
比企谷母「ええ……ぇぇ……」ボロボロ
比企谷父「――あの、それは命に関わることなんでしょうか?」
医者「いえ、今はなんともありません。ただ……」
比企谷父「ただ?」
医者「ただ……ご両親方、覚悟が必要です。以前の彼とは、まったく別人の恐れが………」
比企谷父「……」
比企谷母「八幡……」ポロポロ
『臨時速報です。5年前起きた、シンガポール航空637便墜落事故において、全員死亡と確認されていた乗員乗客の一人である、当時17歳だった比企谷八幡さんの生存が確認されました……』
八幡「……どこから情報が?」
役人「さあな、マスコミは鼻が良くて困る」
八幡「はぁ……忙しくなりそうですね、俺」
役人「そうだろうな、まずは記者会見から始まり、続いてはテレビ出演だ」
八幡「そんなことまでやるんですか。俺、テレビなんかでたことないですよ?」
役人「台本通り喋ればいいんだ。生放送じゃない限り、あちらがうまいよう編集してくれる」
八幡「めんどくさいですね……ただ生きて帰っただけなのに」
役人「君の生還はそれほど衝撃的なものなんだよ」
八幡「へぇ〜……」
役人「……それで、そろそろ話してくれないか?」
八幡「ん? 話したじゃないですか。飛行機に乗って、3、4時間たったころ……」
役人「そのことじゃない、その後のことだ。君は事故発生から5年の月日を経て、ここ日本に帰ってきた。その間、君に何があったんだ?」
八幡「何って、別に……」
役人「話によると……つい先日、君は南シナ海沖の無人島で発見されたそうじゃないか。たまたま近くを通りかかった中国の漁船に、助けを求めて」
八幡「……まあ、はい」
役人「その後、身元確認のため中国政府に引き渡され、調査したところ、事故の犠牲者であると判明した」
八幡「はい、そうみたいですね」
役人「じゃあ聞くが、君は事故の後、その無人島に漂着したのか?」
八幡「ええ、たぶん」
役人「その後、そこで5年間も暮らしたと?」
八幡「はい」
役人「……中国政府と、地元の方の話によると、その無人島で5年もの間生きていくことは不可能だそうだ」
八幡「……なぜですか?」
役人「周りは岩礁に囲まれ、船もそう簡単に出入りすることはできない。さらに島での環境も悪く、植物は生えているものの、鹿や豚といった人間の食料となる生き物は生息していない」
八幡「はぁ……」
役人「そんな環境下で、君は5年間も生き抜いたのか?」
八幡「まあ、ここにいるってことは、そうなるんじゃないすか」
役人「……それに君自身、事故以前とはかなり違うように見えるが?」
八幡「そうですか? まあ髪は短くなりましたね」
役人「顔はさほど変わらないが、筋肉の付きようといい、その目付きといい、どこか普通とは違う」
八幡「目は元々なんですよ、いやこれほんと」
役人「……君、真面目に話してくれ」
八幡「……真面目に話してますよ」
役人「いいか。君が今、ここで家族共々暮らせるのは、私たちのおかげだ。もし、私たちが君たちを匿わなければ、君も家族も、マスコミの格好の的になるんだぞ」
八幡「……」
役人「君は帰ってきてもなお、家族を苦しめるつもりか?」
八幡「……」
役人「……」
八幡「……あなた方の要求は、事故当時の話のはずです。その見返りがこれでしょ? 事故の後、俺自身に起こったことを話す必要はないはずですが」
役人「……わかった、いいだろう。今日はそういうことにしておく。だがまた明日、私はここに来るぞ」
八幡「ええ、どうぞ。もう話すことは何もないですが」
役人「……」
キーバタン
八幡「はぁ、めんどくせー」
八幡「ん? 話したじゃないですか。飛行機に乗って、3、4時間たったころ……」
役人「そのことじゃない、その後のことだ。君は事故発生から5年の月日を経て、ここ日本に帰ってきた。その間、君に何があったんだ?」
八幡「何って、別に……」
役人「話によると……つい先日、君は南シナ海沖の無人島で発見されたそうじゃないか。たまたま近くを通りかかった中国の漁船に、助けを求めて」
八幡「……まあ、はい」
役人「その後、身元確認のため中国政府に引き渡され、調査したところ、事故の犠牲者であると判明した」
八幡「はい、そうみたいですね」
役人「じゃあ聞くが、君は事故の後、その無人島に漂着したのか?」
八幡「ええ、たぶん」
役人「その後、そこで5年間も暮らしたと?」
八幡「はい」
役人「……中国政府と、地元の方の話によると、その無人島で5年もの間生きていくことは不可能だそうだ」
八幡「……なぜですか?」
役人「周りは岩礁に囲まれ、船もそう簡単に出入りすることはできない。さらに島での環境も悪く、植物は生えているものの、鹿や豚といった人間の食料となる生き物は生息していない」
八幡「はぁ……」
役人「そんな環境下で、君は5年間も生き抜いたのか?」
八幡「まあ、ここにいるってことは、そうなるんじゃないすか」
役人「……それに君自身、事故以前とはかなり違うように見えるが?」
八幡「そうですか? まあ髪は短くなりましたね」
役人「顔はさほど変わらないが、筋肉の付きようといい、その目付きといい、どこか普通とは違う」
八幡「目は元々なんですよ、いやこれほんと」
役人「……君、真面目に話してくれ」
八幡「……真面目に話してますよ」
役人「いいか。君が今、ここで家族共々暮らせるのは、私たちのおかげだ。もし、私たちが君たちを匿わなければ、君も家族も、マスコミの格好の的になるんだぞ」
八幡「……」
役人「君は帰ってきてもなお、家族を苦しめるつもりか?」
八幡「……」
役人「……」
八幡「……あなた方の要求は、事故当時の話のはずです。その見返りがこれでしょ? 事故の後、俺自身に起こったことを話す必要はないはずですが」
役人「……わかった、いいだろう。今日はそういうことにしておく。だがまた明日、私はここに来るぞ」
八幡「ええ、どうぞ。もう話すことは何もないですが」
役人「……」
キーバタン
八幡「はぁ、めんどくせー」
帰国後、身体検査やカウンセリングを経て、俺は家族共々、とある場所に身を寄せた。
普段はVIP専用の邸宅だが、どうやら政府が特別に用意してくれたらしい。
理由としては役人の言った通り、マスコミやその他諸々の人間から身を隠すためだ。
俺の生存発覚後、マスコミはすぐに俺の家や、父や母の仕事場、小町の大学に押しかけたそうだ。さすがマスゴミと言ったところである。
そんなこんなで俺たち家族は、しばらくの間この家で暮らすことになった。
比企谷母「それにしても、慣れないわねこの家」
比企谷父「まあいいじゃないか。欲しいものはいくらでも手に入るそうだ」
小町「あーあー、聞こえますか〜。小町、自分の部屋に、70インチ薄型液晶テレビが欲しいでーす!」
『かしこまりました』
小町「キャー! お兄ちゃん聞いた!? かしこまりました、だってぇ〜!」
八幡「……」
比企谷母「あっ、じゃあ私も高級アロママッサージをお願いしちゃおうかしら」
『かしこまりました』
比企谷母「きゃー! あなた聞いた!? かしこまりました、ですって〜!」
比企谷父「じゃ、じゃあ俺も、頼んじゃおうかなー、な〜んて」
八幡「……」
そしてなんやかんやで、楽しんでいた。
普段はVIP専用の邸宅だが、どうやら政府が特別に用意してくれたらしい。
理由としては役人の言った通り、マスコミやその他諸々の人間から身を隠すためだ。
俺の生存発覚後、マスコミはすぐに俺の家や、父や母の仕事場、小町の大学に押しかけたそうだ。さすがマスゴミと言ったところである。
そんなこんなで俺たち家族は、しばらくの間この家で暮らすことになった。
比企谷母「それにしても、慣れないわねこの家」
比企谷父「まあいいじゃないか。欲しいものはいくらでも手に入るそうだ」
小町「あーあー、聞こえますか〜。小町、自分の部屋に、70インチ薄型液晶テレビが欲しいでーす!」
『かしこまりました』
小町「キャー! お兄ちゃん聞いた!? かしこまりました、だってぇ〜!」
八幡「……」
比企谷母「あっ、じゃあ私も高級アロママッサージをお願いしちゃおうかしら」
『かしこまりました』
比企谷母「きゃー! あなた聞いた!? かしこまりました、ですって〜!」
比企谷父「じゃ、じゃあ俺も、頼んじゃおうかなー、な〜んて」
八幡「……」
そしてなんやかんやで、楽しんでいた。
比企谷母「んー……このケーキ美味しいわ〜」
比企谷父「当たり前だろ〜、一流パティシエの作品だぞ?」
ワッハハハハ ウフフフフ
八幡「……」
小町「お兄ちゃん。ママとパパ、あれでも心配してるんだよ? だけど、これ以上お兄ちゃんを苦しませないために、わざと明るく……」
八幡「小町、わかってる。母さんと父さんはいつもあんな明るくない」
小町「っ……それはちょっと可哀想だけど、わかってたんだ。そっか、ならいいや」
八幡「……」
小町「お兄ちゃん。この5年間、何があったの? 無人島にいたって言ってたけど……」
八幡「……」
小町「……話したくないの?」
八幡「……いや、別にそういうわけじゃねーよ。ただ、話すにはあんま面白くない内容なだけだ」
小町「?」
八幡「……まあ、例えばだな。向こうにはあんま食べ物がなかったから、あるものを食べ物にしたり」
小町「食べ物にしたり?」
八幡「うーんとだから、いつもは食べ物じゃないけど、それを無理矢理食ってたというか……」
小町「……それって何」
八幡「ミミズ」
小町「」
八幡「な? 聞くに堪えない話だろ?」
小町「うん……ってことはそのミミズは、今のお兄ちゃんの血となり肉となってるんだね」
八幡「そういう言い方やめなさい」
小町「エッへへ……でさ、真面目な話」
八幡「ん?」
小町「辛かった?」
八幡「……まあな。でも辛い度、小町の顔を思い出してた」
小町「あっ、今の小町的にポイント高いよ〜!」
八幡「おお、そうか。そりゃよかったな」
比企谷父「当たり前だろ〜、一流パティシエの作品だぞ?」
ワッハハハハ ウフフフフ
八幡「……」
小町「お兄ちゃん。ママとパパ、あれでも心配してるんだよ? だけど、これ以上お兄ちゃんを苦しませないために、わざと明るく……」
八幡「小町、わかってる。母さんと父さんはいつもあんな明るくない」
小町「っ……それはちょっと可哀想だけど、わかってたんだ。そっか、ならいいや」
八幡「……」
小町「お兄ちゃん。この5年間、何があったの? 無人島にいたって言ってたけど……」
八幡「……」
小町「……話したくないの?」
八幡「……いや、別にそういうわけじゃねーよ。ただ、話すにはあんま面白くない内容なだけだ」
小町「?」
八幡「……まあ、例えばだな。向こうにはあんま食べ物がなかったから、あるものを食べ物にしたり」
小町「食べ物にしたり?」
八幡「うーんとだから、いつもは食べ物じゃないけど、それを無理矢理食ってたというか……」
小町「……それって何」
八幡「ミミズ」
小町「」
八幡「な? 聞くに堪えない話だろ?」
小町「うん……ってことはそのミミズは、今のお兄ちゃんの血となり肉となってるんだね」
八幡「そういう言い方やめなさい」
小町「エッへへ……でさ、真面目な話」
八幡「ん?」
小町「辛かった?」
八幡「……まあな。でも辛い度、小町の顔を思い出してた」
小町「あっ、今の小町的にポイント高いよ〜!」
八幡「おお、そうか。そりゃよかったな」
飛行機で無人島へ墜落か steamのゲームだったら食料は豊富にあるな!
小町「でも、本当にお兄ちゃん、帰ってきたんだね」
八幡「おう、ちゃんといるだろ。ここに」
小町「うん。……実はね、お兄ちゃんが事故にあった後、いろいろあったんだ」
八幡「いろいろ?」
小町「ママとパパがよく喧嘩するようになってね……あ、でも責め合いとかじゃないよ? 自分が一番悪いって、二人とも言い争って」
八幡「あー、そういうやつか」
小町「でね、お兄ちゃんのお葬式とかどうするって話になって……」
八幡「……」
小町「小町は、お兄ちゃん死んでないって、言ったんだけど、結局ダメで」
八幡「……」
小町「お葬式やって、お墓も作ったんだ。棺は空っぽなのにね」
八幡「……その、俺のお墓はいまでも?」
小町「うん、あるよ。ママは毎日行ってた。どんなに忙しくてもね」
八幡「……そっか、なんか悪いことしたな。もっと早く帰ってれば良かったかもな」
小町「ううん、帰ってきたんだからいいよ。それだけで、いい……」
八幡「……」
小町「……」
八幡「でもあれだな。俺の墓があるっていうのは不思議な感覚だ」
小町「そう?」
八幡「ああ、死んでもないのに墓があるだろ? おかしいだろ」
小町「フッ、そうかもね」
八幡「よし、小町。お兄ちゃんが無人島生活で培ったサバイバル術を教えてやる」
小町「えっ、ほんと!? うんうん、興味ある!」
八幡「よし、じゃあまずは無人島が必要だな。あーあー、聞こえますか。無人島を用意して下さい」
『不可能です』
小町「ちょっ、お兄ちゃん、できるわけないじゃん! あっはは〜、お腹いたーい!」
八幡「出来ると思ったんだけどな……おかしいな、これ」
八幡「おう、ちゃんといるだろ。ここに」
小町「うん。……実はね、お兄ちゃんが事故にあった後、いろいろあったんだ」
八幡「いろいろ?」
小町「ママとパパがよく喧嘩するようになってね……あ、でも責め合いとかじゃないよ? 自分が一番悪いって、二人とも言い争って」
八幡「あー、そういうやつか」
小町「でね、お兄ちゃんのお葬式とかどうするって話になって……」
八幡「……」
小町「小町は、お兄ちゃん死んでないって、言ったんだけど、結局ダメで」
八幡「……」
小町「お葬式やって、お墓も作ったんだ。棺は空っぽなのにね」
八幡「……その、俺のお墓はいまでも?」
小町「うん、あるよ。ママは毎日行ってた。どんなに忙しくてもね」
八幡「……そっか、なんか悪いことしたな。もっと早く帰ってれば良かったかもな」
小町「ううん、帰ってきたんだからいいよ。それだけで、いい……」
八幡「……」
小町「……」
八幡「でもあれだな。俺の墓があるっていうのは不思議な感覚だ」
小町「そう?」
八幡「ああ、死んでもないのに墓があるだろ? おかしいだろ」
小町「フッ、そうかもね」
八幡「よし、小町。お兄ちゃんが無人島生活で培ったサバイバル術を教えてやる」
小町「えっ、ほんと!? うんうん、興味ある!」
八幡「よし、じゃあまずは無人島が必要だな。あーあー、聞こえますか。無人島を用意して下さい」
『不可能です』
小町「ちょっ、お兄ちゃん、できるわけないじゃん! あっはは〜、お腹いたーい!」
八幡「出来ると思ったんだけどな……おかしいな、これ」
その後、俺は正式に記者会見を開いたり、報道番組なんかに出演した。そしてそれは連日のようにお茶の間に流れた。
まあ顔出しまではしなかったが、よく知ってる有名人なんかにインタビューされたほどだった。
しかし、事態は変わった。俺に話せるネタがなくなったからだ。
ネタがなければ用はない。彼らのモットーに俺が当てはまったのだろう。
次第に生還者ブームは幕を閉じていった。
まあ、ここだけの話、ギャラはたんまりもらえた。マスコミ万歳。
それからしばらくたち、ある程度ほとぼりが冷めた頃、父さんや母さんも無事職場に復帰した。小町ももちろん、大学へ通うようになったし、これでいつも通りというわけだ。
ただ、家は相変わらずだ。というのも、政府の連中はまだ何か、俺に用があるらしい。話せることは全部、話したんだけどな。
というわけだが、俺はもちろん、これ以上やることはない。つまりほぼNEETだった。
まあ顔出しまではしなかったが、よく知ってる有名人なんかにインタビューされたほどだった。
しかし、事態は変わった。俺に話せるネタがなくなったからだ。
ネタがなければ用はない。彼らのモットーに俺が当てはまったのだろう。
次第に生還者ブームは幕を閉じていった。
まあ、ここだけの話、ギャラはたんまりもらえた。マスコミ万歳。
それからしばらくたち、ある程度ほとぼりが冷めた頃、父さんや母さんも無事職場に復帰した。小町ももちろん、大学へ通うようになったし、これでいつも通りというわけだ。
ただ、家は相変わらずだ。というのも、政府の連中はまだ何か、俺に用があるらしい。話せることは全部、話したんだけどな。
というわけだが、俺はもちろん、これ以上やることはない。つまりほぼNEETだった。
八幡「……」ピコピコ
トントン
八幡「どうぞ」ピコピコ
ガチャ
小町「お兄ちゃん、平気?」
八幡「小町。それ、今日で10回目」ピコピコ
小町「あれ……そうだっけ? ごめんっ」
八幡「俺は大丈夫だから。――それより、大学の方はどうだ?」ピコピコ
小町「え、うん。楽しいよ」
八幡「俺のせいで、大変な目にあってないか?」ピコピコ
小町「ううん、あってない。送り向かいはあの人たちがやってくれるし、友達も普通に接してくれてる」
八幡「そうか……なんかごめんな。せっかくの大学生生活が」ピコピコ
小町「全然大丈夫だよ、お兄ちゃん。今はお兄ちゃんが帰ってきてくれたことだけで小町、幸せだから」
八幡「そ、そうか」ピコピコ
小町「それよりお兄ちゃん、何やってんの?」
八幡「ん、ゲーム。これ面白いな」ピコピコ
小町「それ、4年前のだよ。新しいのやりなよ。タダで届けてくれるんだし」
八幡「いいんだよ。5年もいなかったんだから、5年分やるんだ」ピコピコ
小町「まったく……帰ってきてもゴミィちゃんだったよ……」ヤレヤレ
八幡「うるせー」ピコピコ
小町「それよりお兄ちゃん。今度由比ヶ浜さんが会いにくるって」
八幡「え、由比ヶ浜が?」
小町「うん。お土産持ってくから、待っててねヒッキー! って言ってた」
八幡「……お兄ちゃん具合悪いからって言って、断っておいて」
小町「えっ! 具合悪いの!? どこか痛いの!?」
八幡「ん……いや、今のは冗談だから」
小町「ちょっ、お兄ちゃんッ! そういう冗談はやめてよ! 本気で心配するじゃん!」
八幡「わ、悪かったから、ごめんごめん。そんな怒るなよ……」
小町「もぉ〜」
ウニャー
小町「ねぇーかーくん、心配するよね〜」
ニャーオ…
八幡 (以前より、小町の愛が増した気がする……)
トントン
八幡「どうぞ」ピコピコ
ガチャ
小町「お兄ちゃん、平気?」
八幡「小町。それ、今日で10回目」ピコピコ
小町「あれ……そうだっけ? ごめんっ」
八幡「俺は大丈夫だから。――それより、大学の方はどうだ?」ピコピコ
小町「え、うん。楽しいよ」
八幡「俺のせいで、大変な目にあってないか?」ピコピコ
小町「ううん、あってない。送り向かいはあの人たちがやってくれるし、友達も普通に接してくれてる」
八幡「そうか……なんかごめんな。せっかくの大学生生活が」ピコピコ
小町「全然大丈夫だよ、お兄ちゃん。今はお兄ちゃんが帰ってきてくれたことだけで小町、幸せだから」
八幡「そ、そうか」ピコピコ
小町「それよりお兄ちゃん、何やってんの?」
八幡「ん、ゲーム。これ面白いな」ピコピコ
小町「それ、4年前のだよ。新しいのやりなよ。タダで届けてくれるんだし」
八幡「いいんだよ。5年もいなかったんだから、5年分やるんだ」ピコピコ
小町「まったく……帰ってきてもゴミィちゃんだったよ……」ヤレヤレ
八幡「うるせー」ピコピコ
小町「それよりお兄ちゃん。今度由比ヶ浜さんが会いにくるって」
八幡「え、由比ヶ浜が?」
小町「うん。お土産持ってくから、待っててねヒッキー! って言ってた」
八幡「……お兄ちゃん具合悪いからって言って、断っておいて」
小町「えっ! 具合悪いの!? どこか痛いの!?」
八幡「ん……いや、今のは冗談だから」
小町「ちょっ、お兄ちゃんッ! そういう冗談はやめてよ! 本気で心配するじゃん!」
八幡「わ、悪かったから、ごめんごめん。そんな怒るなよ……」
小町「もぉ〜」
ウニャー
小町「ねぇーかーくん、心配するよね〜」
ニャーオ…
八幡 (以前より、小町の愛が増した気がする……)
八幡「で、今日はなんの用で?」
役人「君の所持品を持ってきた。ほら」スッ
八幡「あー、もう必要なかったんですけどね」
役人「これ全部、無人島を出るときに持っていたそうだな」
八幡「あーはい。俺のサバイバルキットです」
役人「これがサバイバルキット?」
八幡「ええ」
役人「……ボロ布に包まれた妙な草に、先端の尖った石ころ。あと……これはなんだ?」
八幡「木です」
役人「それは見ればわかる。なぜわざわざこんなデカい、木の欠片を持って帰ってきたんだ」
八幡「まあ、思い出ですよ。それにはいろいろとありましてね」
役人「思い出? というと?」
八幡「食べ物がない時、それを食べてしのぐんです。だから元々丸太ぐらいあったんですが……だいぶ小さくなりました」
役人「木を……食べていたのか?」
八幡「はい、何もないときだけですよ」
役人「そ、そうか……」
八幡「で、終わりですか?」
役人「はぁ……本当に君は話さないつもりなのか? この5年間を」
八幡「ええ、別に話す必要はないんで」
役人「……そうか。わかった」
八幡「あの、そういえば、いつになったら元の家に帰れるんすか? ここ、いい場所なんですけど、落ち着きなくて」
役人「それならもう少し待ってくれ。じきに元の家で暮らせるようになるはずだ」
八幡「あ、あと今度、知り合いが訪ねてくるみたいなんですが……」
役人「あー、妹さんから聞いたよ。それについても、もう手配済みだ。心配するな」
八幡「そうですか。わざわざありがとうございます」
役人「いや。……おっと、これは君に返しておく」
八幡「あー、別に捨ててもらっても構わないですよ。いらないんで」
役人「君の大事な思い出なんだろ? なら取っておけ。ではな」スタスタ
ガチャ
バタンッ
八幡「……こんなもの、二度と使わないのに」
役人「君の所持品を持ってきた。ほら」スッ
八幡「あー、もう必要なかったんですけどね」
役人「これ全部、無人島を出るときに持っていたそうだな」
八幡「あーはい。俺のサバイバルキットです」
役人「これがサバイバルキット?」
八幡「ええ」
役人「……ボロ布に包まれた妙な草に、先端の尖った石ころ。あと……これはなんだ?」
八幡「木です」
役人「それは見ればわかる。なぜわざわざこんなデカい、木の欠片を持って帰ってきたんだ」
八幡「まあ、思い出ですよ。それにはいろいろとありましてね」
役人「思い出? というと?」
八幡「食べ物がない時、それを食べてしのぐんです。だから元々丸太ぐらいあったんですが……だいぶ小さくなりました」
役人「木を……食べていたのか?」
八幡「はい、何もないときだけですよ」
役人「そ、そうか……」
八幡「で、終わりですか?」
役人「はぁ……本当に君は話さないつもりなのか? この5年間を」
八幡「ええ、別に話す必要はないんで」
役人「……そうか。わかった」
八幡「あの、そういえば、いつになったら元の家に帰れるんすか? ここ、いい場所なんですけど、落ち着きなくて」
役人「それならもう少し待ってくれ。じきに元の家で暮らせるようになるはずだ」
八幡「あ、あと今度、知り合いが訪ねてくるみたいなんですが……」
役人「あー、妹さんから聞いたよ。それについても、もう手配済みだ。心配するな」
八幡「そうですか。わざわざありがとうございます」
役人「いや。……おっと、これは君に返しておく」
八幡「あー、別に捨ててもらっても構わないですよ。いらないんで」
役人「君の大事な思い出なんだろ? なら取っておけ。ではな」スタスタ
ガチャ
バタンッ
八幡「……こんなもの、二度と使わないのに」
ピンポーン
八幡「はい、ただいま」
ガチャ
結衣「ヒッキー来たよぉー……って、あれ? あの、比企谷八幡さんいらっしゃいますかぁ?」
八幡「……俺ですが」
結衣「え?」
八幡「……だから、俺が比企谷八幡ですが」
結衣「……」
八幡「……」
結衣「……えぇーッ!!!」
八幡「……なんだよ、あって早々うるせーな」
結衣「だ、だってヒッキー、えーッ!」
八幡「……」
結衣「本当にヒッキー? 嘘だよね!?」
八幡「嘘じゃねーよ。ヒッ……比企谷八幡本人だ」
結衣「……嘘ぉ。どうしちゃったのヒッキー」
八幡「5年も経てば、誰でも変わるだろ」
結衣「えー、でも声は同じだったから……」
八幡「あーそっか。テレビとかじゃ、顔出なかったんだっけ」
結衣「うん……」
八幡「まあ、間違いなく俺だ。ほら、お前らが散々罵倒した目は変わらないだろ?」
結衣「う、うん。でも……いくら何でも変わりすぎだよ…………ちょっとカッコ良くなった、かも」
八幡「え、あ、そうか? お、お前も変わったと思うぞ」
結衣「そう? どんな風に?」
八幡「ま、まあ、なんだ。大人っぽくなったというか……」
結衣「へぇ〜、他には?」
八幡「他には? えーっと、そうだな……」
結衣「ふふーん♪」
八幡「と、とりあえず上がれよ。こんなところで話しててもなんだろ」
結衣「う、うん。そうさせてもらおうかな」
オジャマシマース!
八幡「はい、ただいま」
ガチャ
結衣「ヒッキー来たよぉー……って、あれ? あの、比企谷八幡さんいらっしゃいますかぁ?」
八幡「……俺ですが」
結衣「え?」
八幡「……だから、俺が比企谷八幡ですが」
結衣「……」
八幡「……」
結衣「……えぇーッ!!!」
八幡「……なんだよ、あって早々うるせーな」
結衣「だ、だってヒッキー、えーッ!」
八幡「……」
結衣「本当にヒッキー? 嘘だよね!?」
八幡「嘘じゃねーよ。ヒッ……比企谷八幡本人だ」
結衣「……嘘ぉ。どうしちゃったのヒッキー」
八幡「5年も経てば、誰でも変わるだろ」
結衣「えー、でも声は同じだったから……」
八幡「あーそっか。テレビとかじゃ、顔出なかったんだっけ」
結衣「うん……」
八幡「まあ、間違いなく俺だ。ほら、お前らが散々罵倒した目は変わらないだろ?」
結衣「う、うん。でも……いくら何でも変わりすぎだよ…………ちょっとカッコ良くなった、かも」
八幡「え、あ、そうか? お、お前も変わったと思うぞ」
結衣「そう? どんな風に?」
八幡「ま、まあ、なんだ。大人っぽくなったというか……」
結衣「へぇ〜、他には?」
八幡「他には? えーっと、そうだな……」
結衣「ふふーん♪」
八幡「と、とりあえず上がれよ。こんなところで話しててもなんだろ」
結衣「う、うん。そうさせてもらおうかな」
オジャマシマース!
結衣「へぇ〜、広いねー!」
八幡「まあ、仮住まいだけどな」
結衣「こんないいところに住まわせてもらってんだぁ〜、いいなーヒッキ〜」
八幡「……」
結衣「あっ、ごめん……私……」
八幡「いや、いいんだ。別に気にしてないし……」
結衣「……」
八幡 (一気に気まずくなったぞ、おい。こういう時に小町がいてくれれば……)
結衣「それにしてもヒッキー、今身長何センチ?」
八幡「え、あーどうだろうな。180ぐらいあるんじゃねーか」
結衣「だよねー、大っきいなぁ〜って思ったもん。でもそっかぁ〜、身長まで変わっちゃったんだー……」
八幡「まあな。あっちで成長期を迎えたらしい」
結衣「ん? あっち?」
八幡「えっ、あ、うん。この5年間俺日本にいなかったろ? そういう意味での、あっち」
結衣「っ、そうだよヒッキー。今までどこいたの?」
八幡「えーっと、無人島かな」
結衣「無人島にいたの!? 5年間もっ!?」
八幡「ああ」
結衣「へぇ〜、無人島で何やってたの?」
八幡「いや、普通に生活してただけ」
結衣「生活できたの!?」
八幡「うん、結構快適だったぞ。だから、そんな大したお土産話はないな」
結衣「ふーん、いろいろあったんだねー。……でも帰って来てくれて良かったぁ」
八幡「え?」
結衣「だってまたこうやって話せたもん!」
八幡「……そうだな」
結衣「……あっ、そういえばヒッキー! はいこれ!」
八幡「ん、ああ、お土産か。サンキュー」
結衣「最近発売された、新しいMAXコーヒー! ヒッキー飲みたいと思って!」
八幡「まじか、マッカンのことすっかり忘れてた……ありがとな」
結衣「えっへへー」ニコニコ
八幡「それはそうと……えーっと、何だ。他の奴らはどうしてる?」
結衣「ん? あー、みんなね。うん! 元気だよっ!」
八幡「そうか……」
結衣「みんなそれぞれ大学いったりして……もう就職も終わって、そろそろ卒業だから、結構暇みたい! 今度連れてくるよ!」
八幡「いや、いいわ……」
結衣「えーなんでよ〜。ちなみに私は由美子と一緒の大学でね〜……」
この後2時間ぐらい、こいつや他の奴のキャンパスライフを長々と話された。
しかし、その中に雪ノ下の話は出てこなかった……
八幡「まあ、仮住まいだけどな」
結衣「こんないいところに住まわせてもらってんだぁ〜、いいなーヒッキ〜」
八幡「……」
結衣「あっ、ごめん……私……」
八幡「いや、いいんだ。別に気にしてないし……」
結衣「……」
八幡 (一気に気まずくなったぞ、おい。こういう時に小町がいてくれれば……)
結衣「それにしてもヒッキー、今身長何センチ?」
八幡「え、あーどうだろうな。180ぐらいあるんじゃねーか」
結衣「だよねー、大っきいなぁ〜って思ったもん。でもそっかぁ〜、身長まで変わっちゃったんだー……」
八幡「まあな。あっちで成長期を迎えたらしい」
結衣「ん? あっち?」
八幡「えっ、あ、うん。この5年間俺日本にいなかったろ? そういう意味での、あっち」
結衣「っ、そうだよヒッキー。今までどこいたの?」
八幡「えーっと、無人島かな」
結衣「無人島にいたの!? 5年間もっ!?」
八幡「ああ」
結衣「へぇ〜、無人島で何やってたの?」
八幡「いや、普通に生活してただけ」
結衣「生活できたの!?」
八幡「うん、結構快適だったぞ。だから、そんな大したお土産話はないな」
結衣「ふーん、いろいろあったんだねー。……でも帰って来てくれて良かったぁ」
八幡「え?」
結衣「だってまたこうやって話せたもん!」
八幡「……そうだな」
結衣「……あっ、そういえばヒッキー! はいこれ!」
八幡「ん、ああ、お土産か。サンキュー」
結衣「最近発売された、新しいMAXコーヒー! ヒッキー飲みたいと思って!」
八幡「まじか、マッカンのことすっかり忘れてた……ありがとな」
結衣「えっへへー」ニコニコ
八幡「それはそうと……えーっと、何だ。他の奴らはどうしてる?」
結衣「ん? あー、みんなね。うん! 元気だよっ!」
八幡「そうか……」
結衣「みんなそれぞれ大学いったりして……もう就職も終わって、そろそろ卒業だから、結構暇みたい! 今度連れてくるよ!」
八幡「いや、いいわ……」
結衣「えーなんでよ〜。ちなみに私は由美子と一緒の大学でね〜……」
この後2時間ぐらい、こいつや他の奴のキャンパスライフを長々と話された。
しかし、その中に雪ノ下の話は出てこなかった……
バイストン・ウェル辺りにでも行ってたのかな?
所持品が石器と多分薬草、木だから違うか
所持品が石器と多分薬草、木だから違うか
補足ですが、木の欠片って言っても結構でかいです。
腕一本分くらいの長さはあります
腕一本分くらいの長さはあります
>>34彼岸島からの生還とか強者すぎるだろwww
>>44違うゾ、ハァハァやぞ
結衣「じゃあヒッキー、そろそろ帰るね」
八幡「ああ。気をつけて帰れ」
結衣「うん、今日はありがとう! 久しぶりに話せて楽しかった」
八幡「ん。まあ俺も、そこそこ楽しめたかな」
結衣「エッへへ、相変わらず素直じゃないんだね」
八幡「うるせー……」
結衣「……でも、ほんとよかったなー。ヒッキーはヒッキーのままで」
八幡「え?」
結衣「実はね、ここ来るの、結構緊張してたんだ。ヒッキーも変わっちゃたのかな〜って、思ったから」
八幡「……」
結衣「確かに外見はだいぶ変わってたけど、でも中身はそのままだったからさ! 安心した!」
八幡「いや、いくら5年経ったからって俺は俺だろ。やっぱアホだな、由比ヶ浜は」
結衣「なっ! ヒドッ! 心配してたのにっ!」
八幡「っん……まあ、あれだ。俺は変わらねーよ」
結衣「うん……そうだね!」
八幡「……ああ」
八幡「ああ。気をつけて帰れ」
結衣「うん、今日はありがとう! 久しぶりに話せて楽しかった」
八幡「ん。まあ俺も、そこそこ楽しめたかな」
結衣「エッへへ、相変わらず素直じゃないんだね」
八幡「うるせー……」
結衣「……でも、ほんとよかったなー。ヒッキーはヒッキーのままで」
八幡「え?」
結衣「実はね、ここ来るの、結構緊張してたんだ。ヒッキーも変わっちゃたのかな〜って、思ったから」
八幡「……」
結衣「確かに外見はだいぶ変わってたけど、でも中身はそのままだったからさ! 安心した!」
八幡「いや、いくら5年経ったからって俺は俺だろ。やっぱアホだな、由比ヶ浜は」
結衣「なっ! ヒドッ! 心配してたのにっ!」
八幡「っん……まあ、あれだ。俺は変わらねーよ」
結衣「うん……そうだね!」
八幡「……ああ」
結衣「あ、あとね、ヒッキー。ゆきのんのことなんだけど……」
八幡「……わかってる。なんかあったんだろ?」
結衣「うん……ヒッキーのせいじゃないよっ! ヒッキーのせいじゃないんだけど……」
八幡「……」
結衣「ヒッキーがいなくなったあとね、ゆきのん、ちょっと変わっちゃって……」
八幡「変わった?」
結衣「うん。変わったっていうか……元に戻った感じ……」
八幡「……そうか」
結衣「……うん。今日ゆきのんも呼ぼうかと思ったんだけど、連絡とれなくて」
八幡「いいよ。またどこかであえるだろ」
結衣「……うん。ゆきのんもきっと、会いたいと思ってる」
八幡「……」
結衣「あっ、あともう一個!」
八幡「なんだよ」
結衣「もういなくならないでね」
八幡「っ……」
結衣「お葬式に参加するの、辛かったんだから……」
八幡「……」
結衣「じゃあ行くね、ヒッキー! またね!」
八幡「おう、またな……」
タッタッタ
八幡「……やっぱアホだな、お前は」
八幡「……わかってる。なんかあったんだろ?」
結衣「うん……ヒッキーのせいじゃないよっ! ヒッキーのせいじゃないんだけど……」
八幡「……」
結衣「ヒッキーがいなくなったあとね、ゆきのん、ちょっと変わっちゃって……」
八幡「変わった?」
結衣「うん。変わったっていうか……元に戻った感じ……」
八幡「……そうか」
結衣「……うん。今日ゆきのんも呼ぼうかと思ったんだけど、連絡とれなくて」
八幡「いいよ。またどこかであえるだろ」
結衣「……うん。ゆきのんもきっと、会いたいと思ってる」
八幡「……」
結衣「あっ、あともう一個!」
八幡「なんだよ」
結衣「もういなくならないでね」
八幡「っ……」
結衣「お葬式に参加するの、辛かったんだから……」
八幡「……」
結衣「じゃあ行くね、ヒッキー! またね!」
八幡「おう、またな……」
タッタッタ
八幡「……やっぱアホだな、お前は」
小町「おにぃーちゃん、小町入るよ〜」
ガチャ
小町「あれ、いない……お風呂かな?」
ピロリン〜♪
小町「ん? お兄ちゃんゲームつけっぱなしじゃん。どれどれ、小町がセーブでもしてあげるか……」
ダ~メ チャントコッチミテ♪
小町「って、これギャルゲーじゃん! もうぉ〜、小町という攻略対象がいるのに、いけないなぁーお兄ちゃんは……」
ピコンピコン♪
小町「えーっと、セーブは………」ポチポチ
ピロンッ♪
小町「なッ!? お、お兄ちゃん。これギャルゲーだよね?……な、なんでヒロイン全員から嫌われてんの……」
ガチャ
小町「あれ、いない……お風呂かな?」
ピロリン〜♪
小町「ん? お兄ちゃんゲームつけっぱなしじゃん。どれどれ、小町がセーブでもしてあげるか……」
ダ~メ チャントコッチミテ♪
小町「って、これギャルゲーじゃん! もうぉ〜、小町という攻略対象がいるのに、いけないなぁーお兄ちゃんは……」
ピコンピコン♪
小町「えーっと、セーブは………」ポチポチ
ピロンッ♪
小町「なッ!? お、お兄ちゃん。これギャルゲーだよね?……な、なんでヒロイン全員から嫌われてんの……」
パカッ
八幡「えーっとマッカンは……っと、あった」スッ
プシュ
八幡「……」グビグビ
トコトコトコ
比企谷母「あら、いたの」
八幡「……ん」
比企谷母「ちょうどいいわ八幡、お風呂入ってきなさい。もう沸いてるから」
八幡「母さん先はいってこいよ」
比企谷母「私は後で入るわ」
八幡「えーっとマッカンは……っと、あった」スッ
プシュ
八幡「……」グビグビ
トコトコトコ
比企谷母「あら、いたの」
八幡「……ん」
比企谷母「ちょうどいいわ八幡、お風呂入ってきなさい。もう沸いてるから」
八幡「母さん先はいってこいよ」
比企谷母「私は後で入るわ」
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