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    元スレ京太郎「もし俺が姫松高校に通っていたら」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★
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    351 :

    正しいからって大っぴらに正すと角が立つんや……

    352 = 1 :

    お待たせしましたー
    短いけど、そろそろ始めますー

    353 = 1 :

    洋榎「なにしてんねん、京太郎!」


    一軍の部屋からは離れて庭のベンチ。予想通り洋榎は怒っていた。


    そりゃあ当たり前だ。洋榎は何も間違ったことは言ってなかったのだから。


    それに……全部『仲間』のためを想って言っていたんだから。


    そして、俺のためにこうやって怒ってくれたのがとても嬉しかった。


    洋榎「――やからって、聞いてんのか、きょうたろっ!?」


    だから、小さな体を目いっぱいに使って、気持ちを表現してくれる洋榎の頭を撫でた。


    赤髪の少女はピタっと動きを止めて大人しくなる。

    354 :

    よっ日本一

    355 = 1 :

    京太郎「……ありがとうな、洋榎。さっき俺のために怒ってくれたんだよな?」


    洋榎「……べ、別にそんなつもりはないわ! 間違えたら謝るのが当たり前やから言うただけでやな……」


    京太郎「洋榎はそれだけで空気を悪くするようなバカな子じゃないって俺は知ってるからな」


    洋榎「うっ、そ、それは……ああもう!」


    洋榎は顔を真っ赤にしてポカポカと叩いてくる。


    ちっちゃい手では全くダメージはない。


    むしろ、秘密を見抜かれた子供みたいで微笑ましい。

    356 :

    半年くらいゲーセン行けてないんだがMJはまだプレイヤー多いの?
    久々に行きたくなったがどうなんだろ

    357 = 1 :

    京太郎「幼馴染なんだからなんでもお見通しだっての」


    洋榎「うぅ……しゃーないやろ。だって、vv身内があんだけ言われたら悔しいし……。そいつが大切な奴やったらなおさら……」


    京太郎「洋榎―!!」


    洋榎「あーもう! わかったから髪の毛クシャクシャすんのやめーや! そこは抱き着く流れやろ!」


    京太郎「俺、幼女趣味はないから」


    洋榎「バリバリ現役JKじゃ! ナイスバディなめんなや!」


    うがーと吠える洋榎は無視して、むにむにほっぺをこねくり回す。


    それで十分に堪能した後、ポンと頭に手を置いた。


    京太郎「ま、そんなことは置いといてさ」


    洋榎「ん?」


    京太郎「ありがとう。どんな考えがあったとしても、これだけは変わらないからさ」


    洋榎「……なら、もうちょい頭撫でとけや」


    京太郎「……はいはい」


    洋榎「……なに笑とんねん」


    京太郎「別にー」


    358 :

    連れ出した後にはこんな会話がありました


    >>356 PCとかで集めたら、すぐに囲めるくらいには人がいますね

    359 :

    逆の立場でブチ切れる京ちゃんがみたいわ

    360 = 1 :

    キーンコーンと軽やかなチャイムがなる。


    午後になってからこれで6度目。つまり、部活動終了の合図の鐘だ。


    「……はー」


    長い長い息を吐く。以前から少しずつわかっていたことやけど、いざ実感すると少し苦しい。


    由子も恭子も、漫ちゃんだってそうだ。インターハイでそれぞれ十分すぎる結果を残した。


    由子に限って言えば、全国の頂点に立ったんや。


    それやのにうちは一回戦敗退……。レギュラーで出させてもらった団体戦もベスト16。


    姫松としては満足できない結果や。


    うちじゃなくて由子や恭子やった方がよかったんちゃうかと今でも考える時がある。

    361 = 1 :

    由子「洋榎―」


    洋榎「ん? どうかしたか?」 


    由子「それロン。これで私がトップなのよー」


    洋榎「うおっ、またやられた!? ラス引いてもうたかー」


    あちゃーと額を叩いて、椅子を回転させる。


    ぐーるぐーるぐーるぐーる……。


    洋榎「……おぇぇぇ」


    恭子「なにやってんねん、洋榎」


    洋榎「おぇぇうぉ……気持ち悪……」


    絹恵「本当になにやってんの、お姉ちゃん……」


    絹恵と恭子が心配そうに声をかけてくれる。由子は飲み物を差し出してくれた。

    362 = 1 :

    由子「ほら、この水でも飲むのよー」


    洋榎「おー、サンキューな」


    何も考えずにもらった水をグビグビと飲む。


    キンと冷えた水が渇いたのどを潤していく。


    熱くなっていた頭が少しずつ落ち着きを取り戻していた。


    みんなはジャラジャラと牌を落としながら『熱いなー』『まだ夏やからなー』『気を付けへんとねー』と話題に花を咲かせていた。


    それをぼーっと眺める。

    363 = 1 :

    洋榎「っぷは。ありがとうな、由子」 


    気が付けば飲み物は半分くらいまで減っていた。


    流石に飲みすぎたと思ったけど、由子はそれを気に留めなかった。


    由子「別にいいのよー。それあげるから洋榎はちょっと休んでおくのよー」


    洋榎「大丈夫やから。うちも打つ」


    絹恵「ええから。ほら、真瀬先輩の言うこと聞くの。お姉ちゃん、最近夜遅くまで起きてるやろ?」


    洋榎「……妹にそこまで言われたらしゃーないか」


    うちは重い腰を上げると、一言だけ声をかけて外に出た。

    364 = 1 :

    洋榎「ふぅ……」


    まずいなぁ。


    おかしいよなぁ。


    はら減ったなぁ。


    洋榎「…………ふむ」


    開いた窓からの涼しい風が熱くなった体を冷やしてくれる。


    廊下を歩くと、いろいろな喧噪が聞こえてきた。


    野球部の声出し。吹奏楽のハーモニー。文芸部の楽しそうな笑い声。


    どんな形であれ、みんなが楽しんでいるのが伝わってくる。


    感化されるように熱い心にも火が灯ってきた。


    これをどうにかするには……せやな。


    思い立ったが吉日。ポニーテールを風になびかせて、全速力で駆ける。


    目的地に着くと、ドアを思い切り開けた。


    洋榎「京太郎! 家帰るぞ!!」


    京太郎「…………は?」


    名前を呼ばれた幼馴染はかなり滑稽な顔をしていた。

    365 = 1 :

    洋榎の唐突な呼び出しからの~


    郁乃姉さんの許可もらって帰宅からの~


    愛宕家~。


    京太郎「……で? どうして俺は呼ばれたんだ? 急に家にまで連れて来て」


    洋榎「いやな、手伝ってもらおうと思って」


    京太郎「何を?」


    洋榎「京太郎は知らんかもしれへんけどな……、うち、スランプやねん」


    京太郎「知ってたよ」


    洋榎「……あんた、まさかうちのストーカーか?」


    京太郎「部屋にカメラ仕掛けてるよ」


    洋榎「えっ」


    京太郎「冗談だ。でも、お前がいつもと違うことくらい気づいてたぞ。なんせ最近ボケのキレが悪かったからな」


    洋榎「なんやそれ」


    プっと洋榎は笑みを漏らす。

    366 = 1 :

    洋榎「京太郎」


    京太郎「何だよ」


    洋榎「お前、変態やな」


    京太郎「洋榎は俺の唯一の相方だからな」


    洋榎「ふん、当然や。それくらいでないとうちの相手は務まらんからな!」


    ガチャンと音が鳴ると、牌が山となって場に現れた。


    京太郎「OK。いくらでもやってやるよ」


    洋榎「今日は寝かせへんから覚悟しとけよ!」


    京太郎「そっちこそ負けすぎて泣くなよ!」


    洋榎「ほえ面かくのはそっちや!」


    京太郎「はいはい、そうだな一回戦敗退さん」


    洋榎「傷抉んなや! なにぬかしとんねんコラ!」


    京太郎「やるか、おぉ!?」


    洋榎「ええからはよ続きやれや!」


    唐突な雅枝さんの怒りの鉄槌が頭に突き刺さり、真面目に再開する俺達。


    ……あれ?

    367 = 1 :

    京太郎「雅枝さん!? なんでここに? 千里山じゃ?」


    雅枝「まず、挨拶やろ? 京太郎」


    京太郎「すいません! おじゃましてます!」


    雅枝「違う。ただいまやな?」


    京太郎「ただいま!」


    雅枝「それでよし」


    雅枝さんは満足した様子でうなずくと、缶ビールを開けて卓についた。


    キンキンに冷やされたグラスにシュワシュワと音を立てながらビールが注がれる。


    白泡と小麦の黄金比率が形成され、手に持つとふるりと揺れた。


    唇を端につけて、そっと傾けると雅枝さんは一気に飲んでいく。


    グビっと勢いのある大きなのど越し音。


    雅枝「あぁー!! 生き返るなぁ!!」

    368 = 1 :

    京太郎「雅枝さん。おっさんくさい……」


    雅枝「あ?」


    京太郎「本日も麗しいな、と」


    雅枝「はいはい。わかったから、はよ卓つきーや」


    洋榎「お? おかんも相手してくれるんか?」


    雅枝「おう。親としては娘を気に掛けるのは当然やろ」


    洋榎「おかん……!」


    雅枝「なんや、不満か?」


    洋榎「んなわけあるか! こっちからお願いしたいくらいや!」


    雅枝「おう、じゃあ、さっさとやるで」


    洋榎「久々におかんと打つでー。わくわくしてきたわぁ」


    さらにやる気が増した洋榎は雅枝さんの対面に座った。


    綺麗な親子愛を感じながら俺もその間にすっぽり収まる。


    雅枝「とりあえず一回打って、それで考えてみよか」


    洋榎「オッケーや。んじゃ、ということで」


    洋榎は大きく腕を振り上げてボタンを押す。


    洋榎「サイコロ回すでー!!」


    かくして、洋榎リハビリ作戦が始まった。

    369 = 1 :

    では、ここまでー。

    珍しく洋榎オンリーでしたね。

    話は変わるけど、ヤンデレは末原さんと絹ちゃんが似合う気がする。
    いつか小ネタで書きたいなぁ。

    漫ちゃんはパフパフしたい。由子はモコモコして、ギュッとしたい。

    じゃあ、この辺りでおやすみなさい

    371 :

    乙!
    おやす宮永~

    373 :

    >>348
    これってネキへのフォローより竜華にもうちょい反省させろってことだと思った

    374 :

    おハオ

    今日は諸事情で更新する余裕がないので、更新ないです

    ごめんネリー……

    375 :

    今日は更新なしか
    竜華の膝枕は亦野機会に

    377 :

    竜華×亦野とは珍しいな

    というボケは置いておいて更新待ってます

    378 :

    待ってるのよー

    379 :

    待たせたな!

    あと、30分だけど急いで書いて恭子の誕生日SS投下したいと思います。
    書きながらなので遅くなったらごめんネリー。

    これも全部、レポートを大量に出したゴルゴムの仕業なんだ!

    380 = 1 :

    冬休み。


    麻雀に関する大会は春期までもう無く、部を引っ張る立場となった洋榎たちにとって久しぶりの休息である。


    クリスマス、大みそか、正月と目白押しのイベントを終えて、そんな安息も残りわずかに迫りつつある時。


    奴らの脳内思考はぶっ飛んでいた。


    それなら毎日寝ない勢いで楽しんでやろう(一日で轟沈)ということで宿題をほったらかしていた一人のためにいつものメンバーがお好み焼き屋『すずや』に集まっている。


    本日が最後の閉め切りの日。


    看板娘のおかげで貸し切ることができた。

    381 = 1 :

    「でも、漫ちゃんはおでこに何か書いたら看板になりそうだよな」


    「それじゃあ、メニュー一品が限界ですよ!?」


    「看板扱いはええんかいな……」


    団体用の座敷で大きなテーブルに鉄板が二つ。


    それが2セットでひとつを囲っているのが優秀組。しっかりと計画を立てて、残りを謳歌している者たちだ。


    「いやー、今日は呼んでもらってごめんな。うちもセーラと怜がやってなくて……」


    「いやいや、仲間が増えるのはこっちとしてもありがたい。なにより監視が増えたらあいつらも気が引き締まるやろ」


    竜華の言葉に同意した恭子はチラと隣のテーブルに目を向ける。

    382 = 1 :

    「ト、トラヤヌス? アントニヌス? 五賢帝? マルクス=アウレリウス……」


    「接弦? 定理? ベクトル? 数列?」


    「あかん……一巡先を読んでも証明が出来てへん……」 


    死屍累々だった。


    ポニーテールにツンツン頭、ショートボブがうわ言を口にしながら、机に突っ伏している。


    「ほらほら、倒れてる場合じゃありませんよー。これはあと10分で終わらせてくださいね」


    「お姉ちゃん! しっかりしいや!!」


    対面に座るは鬼軍曹。瀕死状態の三人に容赦なく鞭を振るう。


    しかし、これを朝の9時から続けて、もう昼時。集中力も完全に切れ、だらけていた。

    383 = 1 :

    「あはは……」


    恭子は乾いた笑いを浮かべる。流石にこれは可愛そうになってきた。自業自得とはいえ、友人だ。ここは一つ、助け舟でも出したろうか……という気持ちにもなる。


    「……どないします? いったん、休憩挟んでご飯にしますか?」


    小さな声で漫が提案する。こっちの四人組――京太郎、恭子。対面に竜華、漫――はコクリと頷いた。全員、意見は一致したようだ。


    「俺達もちょうどお腹減ってたしな。昼飯にするか」


    「よっしゃー!!」


    「飯じゃあぁ!!」


    「京ちゃん、最高! 竜華、アイシテルでー!!」


    跳びあがって喜ぶ三人組に呆れる教師二人はため息を吐いた。


    『まぁまぁ』となだめ、それぞれの鉄板の蓋を外す。


    この光沢のあるキャンパスに美味しいお好み焼きを描くのだ。

    384 :

    「じゃあ、私は材料取ってきますね?」


    「うちも行くわ。なんかこのままじゃ悪いしな」


    「なら、俺も」


    「アホ。清水谷さん一人にさせるつもりか。あんたは残っとき」


    「それならうちも行こうか?」


    「お客さんに動いてもらうわけにはいかへんよ。さ、漫ちゃん案内してくれへんか」


    「あ、はい! こっちです」


    取りつく島もないとはこのことだな、と京太郎は思った。


    しかし手伝わなくていいなら、それはそれで楽だ。折角のおもち美少女との会話を楽しもう。


    欲に忠実な男子高校生の意識の切り替えは早い。

    385 = 1 :

    対して、竜華もそうだった。


    自分が想いを寄せる相手がフリーになったのだ。


    さっきまではライバルかもしれない女の子が二人いたが、今は止める者はいない。


    今までもなにかと事を付けて呼び出し、二人で遊ぶことの多かった竜華はやはりしたたかだった。


    「(距離は確実に縮まってる……。名前呼びしてくれてるし。それに今回も京太郎君から誘ってくれたんやし嫌がってはいないってことやんな?)」


    「? 俺の顔に何かついてるか?」


    「(となれば、そろそろ攻めに転じてもいいはず。ここは一丁、勝負に出るか!)ううん、なんでもないよ? それより京太郎君。よかったらやねんけど……」


    「俺が竜華のお願いを断るかよ」


    「ほんまに? それやったらな?」


    竜華はそこまで言うと浮かしていた腰を落として正座し、その魅力がたくさん詰まった健康的な太ももをポンポンと叩いた。

    386 = 1 :







    「――膝枕、してみいひん?」





    387 = 1 :

    一方その頃。恋敵と想い人がイチャイチャしているとは知らずに恭子はドヤ顔だった。


    「(よっしゃ、これで作戦成功やで!)」


    恭子はあれだけかたくなに二人の協力を断ったのはある理由があったからだ。


    彼女は自身にこれと言って特徴がないことを理解している。


    竜華のような女の子らしい体型もなければ、洋榎のような親しみやすさもない。


    だから、凡人なのだ、とも。


    だけど、彼女にも一つだけ自信があるものがあった。


    それは人間の五大欲望を満たすために必須なスキル――料理である。

    388 = 1 :

    はい、今日はここまで。

    恭子さん、間に合わなくてすまんかった。

    ちゃんと完成させるから待っといてください

    膝枕は恭子さん誕生日の続き終わったらやります

    では、おやす宮永

    あと、なんか希望とかあればどうぞ(叶うとは言ってない)

    389 :

    おやすミンチェ

    恭子ちゃんかわいいなあ
    だがしかし

    391 :

    おつー
    料理してもメゲて末原焼き……いやなんでもない

    ネキオンリー回をもっと!

    393 :

    メゲそう

    394 :

    乙~
    負けられない戦いに漫ちゃん参戦!!
    漫ちゃんのライバルは絹ちゃんで

    395 :

    こんばんはるる

    そろそろ更新始めますなのよー

    遅れて本当に申し訳なかったのよー

    396 :

    いよ、待っていたよのよー

    397 = 1 :

    「(おかんも言うてた。男を捕まえるには胃袋を掴んでしまえば、あとはもう簡単やって。そう言うて、昔から料理教えてくれてほんまにありがとう。役に立ちそうやで!)」


    だが、それだけでは心配だ。


    お好み焼きを焼くだけなら竜華もうまいかもしれない。


    だけど、こっちにはお好み焼き屋の娘がいるのだ。


    なにかコツがあるに違いない。


    それをこっそり独り占めするのが恭子の作戦である。


    「(これで清水谷さんにも差がつけられる。一歩リードやで!)」


    繰り返し言うが、この時ライバルは京太郎を自身の肉体で魅了している。


    策士策に溺れるとはまさにこの様だ。

    398 = 1 :

    「それにしても残念でしたね。真瀬先輩は家族旅行で来れないだなんて」


    「その分、海外で楽しんでるやろ。毎年、お土産はすごいから期待しててええで?」


    「ほんまですか!? なんやろー? 外国とか行ったことないんで楽しみやわぁ」


    「あ、それより漫ちゃん。ちょっと頼みたいことがあるんやけどな?」


    「ん? なんですか?」


    「うちにお好み焼きの上手なつくりかた教えてくれへん? ほら、流石に全員分作れるかはわからんし」


    「なんやそれくらいならええですよ。末原先輩、料理とかするんですか?」


    「結構な。おかんがうるさくて練習してきたんや」


    「そうなんです。うちも同じでいつでも引き継げるようにってお好み焼きだけは仕込まれてるんです」


    ピクリと恭子の眉が動いた。

    399 = 1 :

    「……へ、へぇ……そうなんや」


    「はい! だから、任しておいてくださいね!」


    力こぶをつくって自信満々な様子の漫。対して、恭子は汗を冷や汗を流し始めていた。


    「(あ、あかん! ここで引いたら絶対に負けてしまう! 自信を持っていかんと!)」


    ブンブンと自分の悪い想像を消し飛ばして、明るい未来を妄想することにした。


    手に材料が入った籠を持ち、待機組の元へと帰ってくる。


    洋榎分の材料を手渡した後、自分たちの席に腰を下ろした。

    400 = 1 :

    竜華「ごめんなぁ、二人とも。こんなの頼んでしもうて」


    恭子「ううん、ええねん、それは。むしろ、問題は別のところにあんねん」


    竜華「ん? 勝手に鉄板温めておいたけどあかんかった?」


    恭子「ちがうちがう。問題はあんたの体勢や」


    竜華「? なんかおかしいところでも?」


    恭子「おかしいやろ! なんで京太郎に膝枕させとんねん!?」


    竜華「いや、だってこの前ひどいことしてもうたやろ? だから、お詫びなんやで、これは。決してやましい気持ちとかはないんや」


    恭子「……ぐぬぬ」


    竜華の言うことには何らおかしい点はない。


    恭子は千里山女子高校での一件を知っている。洋榎が怒らなければ自分が文句を言おうと思っていたからだ。


    ただ、彼女は竜華がそんなものはすでに過去に果たしていることを知らない。


    本当なら無理やりにでも引き離したいところを我慢する。


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