元スレ京太郎「ここが龍門渕か……でっかいなぁ」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
1 :
※キャラ崩壊があります
京太郎「まさかこんな所に来ることになるなんて……」
ポワンポワンポワンポワーン
久「須賀くん、ちょっといいかしら?」
京太郎「あっはい」
久「須賀くん、あなたバイトを探してるのよね?」
京太郎「えぇまぁ……なんで知ってるんですか?」
久「須賀くん、私を誰だと思ってるの?私は部長なのよ」
京太郎「答えになってない気がするんですが」スガダケニ
久「須賀くん、それで丁度私の知り合いが、活きがいい男子高校生を探してるの」
京太郎「えっ、なんスかその危ない匂いがする感じのヤツ」
久「須賀くん、そう心配しなくとも大丈夫よ。ちゃんと身元がしっかりしてる人だから」
京太郎「身元がしっかりって……それ普通のことだと思うんですが」スガダケニ
久「須賀くん、なに?私の言うことが信じられないってわけ?」
京太郎「まぁ、端的に言えばそういうことになりますね」
久「須賀くん、あなた生意気になったわねぇ。入部当初はもっと従順で、それこそ犬みたいだったのに」
京太郎「いくら犬でも、馬車馬のように働かされたら多少は学習しますよ」
久「須賀くん、まぁそれは今はいいじゃない。そこでね、その人に須賀くんを紹介したら、是非とも面接してみたいって申し出があったの」
京太郎「えっ、もう紹介したんですか?俺の許可もなく?」
久「須賀くん、面接に行ってきてくれないかしら?私の顔を立てると思って」
京太郎「今の俺に行かせたら、わざと部長の顔に泥を塗りたくる結果にしますよ」
久「須賀くん、あなたうそぶくわねぇ。でも面接先を聞いても、まだそんなことが言えるかしら?」
京太郎「そういえばどこなんですか?」
久「須賀くん、相手は龍門渕よ!」
ポワンポワンポワンポワーン
京太郎「ってな感じらしいけど、龍門渕が俺なんかを面接すんのかホントに……」
京太郎「まぁなんだかんだ言いつつも、ノコノコやって来ちゃってんだけどね、もう」
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2 = 1 :
京太郎「にしてもでっかい門だなぁ、ふちに龍がいる……これがホントのりゅうもんぶち」
京太郎「呼び鈴は……ここか」ピンポーン
京太郎「……やっぱりさっきのギャグ、ちょっと安易s――」
謎の声『キサマの作戦目的とIDは!?』
京太郎「えっ」
謎の声『キサマの作戦目的とIDは!?』
京太郎「え、えーっと……バイトの面接に来ました、清澄高校麻雀部の須賀京太郎です」
謎の声『……チッ』
京太郎「」
謎の声『門を飛び越えて入れ!以上!』ガチャ
京太郎「えっ……あ、あの……切れてる」
京太郎「つーか飛び越えて入れって……えぇぇ……」
イッポウソノコロ
衣「クソッ、清澄の部長め……!まんまと掴ましおって!」ダンッ
透華「ちょっと衣!先程のは一体なんなのですの!?」
衣「むっ、とーかか。何事もない、気にするな」
透華「気にいたしますわ!なんなのですの!お客様に対してあの態度は!?」
衣「奴は客などではない。なんの力も持たない虫ケラだ……いや、こういっては虫ケラに失礼か」
透華「ほ、本当になんなのですの……?」
3 = 1 :
衣「話せば長くなるが……(キンクリ)ということだ」
透華「つまり、先日私たちが乗ったジェット機がテロの標的になった際、ジェット機に潜入したテロリストを殲滅したまではよかったが、仕掛けられた爆弾の解除に間に合わず」
透華「その爆弾を抱えて高度12000mから飛び降り爆発したハギヨシ。皆がさすがのハギヨシもここまでか……と思う中、全身を複雑骨折したものの、なんとか一命を取り留め」
透華「今は復帰に向けて治療に励んでいるハギヨシの代わりとなる、臨時の執事を探している我々に、そのことを知った清澄の竹井さんが、それならばとご紹介していただいた男子部員の方が先程参られ」
透華「その方が呼び鈴をならした際、たまたま手が空いていた衣がそれに対応し、その際に衣が望んだ答えをその方がおっしゃらなかったため、門を飛び越えろと伝え」
透華「今に至る……ということですのね?」
衣「あぁ、その通りだ。まったく……ハギヨシならばあのような期待はずれの応答はせぬぞ!」ダンッ
透華「この……お馬鹿さん!」ペチ
衣「な、なにをするとーかっ!?殴るならちゃんと殴れっ!!」
透華「衣……あなたは大きな間違いを二つおかしていますわ!」ビシィ
透華「まず一つは、執事は一日にしてならずということ!そしてもう一つは!ハギヨシはこの世に一人だけということですわぁーっ!!」
衣「!!」ズガガガガーン
透華「確かに……確かにハギヨシならば、衣の望む通りの答えを返したことでしょう……」
透華「ですがっ!それはハギヨシがハギヨシであるが故に導き出した答え!すなわち、ハギヨシではないバイト志望の方が、ハギヨシの答えをおっしゃるわけがないということッッッ!!!!」ビシィ
衣「ま、まさかそんな……そんなまさか……こ、衣が間違っていたというのかっ……!?」
透華「間違う……それ自体は決して悪いことではありませんわ。ですが、誰かを傷つけてしまったというならば話は別……」
透華「さぁ衣、そのバイト志望の方にこたびの非礼をお詫びしましょう。私もおともいたしますわ」
衣「な、なぁとーか!衣は一体どうしてこの失態を詫びることが出来る!?こうなったらもう自ら腹をかっさばき、臓物を差し出すしか……!!」
透華「そ、それは少しやりすぎですわね。普通に謝れば大丈夫ですわ、きっと」
イッポウソノコロ
京太郎「なんとか入れた。人間、やれば出来るもんだなぁ」
京太郎「あっ、面接まで時間がない……とりあえず先を急ごう」
4 = 1 :
謎の声「おい!そこのお前!」
京太郎「えっ、あっはい」
謎の声「お前の作戦目的とIDは!?」
京太郎「えっ、また?」
謎の声「お前の作戦目的とIDは!?」
京太郎「ば、バイトの面接に来ました、清澄高校麻雀部の須賀京太郎です」
謎の声「バイトの面接だぁ?そんな話聞いてねぇぞ!」
京太郎「そう言われても……」
謎の声「さてはお前、この屋敷の財宝を狙う賊だな!?」
京太郎「い、いやいや違いますよ!本当にバイトの面接に来ただけですから!」
謎の声「問答無用!くらえっ、メタルブランディング!」ブォンブォンブォンブォン
京太郎「うおっ!?……い、いきなり物干し竿振り回し始めたぞ、この人……!?」
5 :
すでに突っ込みどころ満載ww
6 = 1 :
イッポウソノコロ
透華「それで、その件のバイト志望の方はどちらにいらっしゃいますの?」
衣「まだいるとすれば、恐らくは正門の前だ」
透華「ですが……そちらにはいらっしゃりませんわね」
衣「そうか……ならばもう、帰路に就いたのかもしれん」
透華「左様ですわね……ならばお詫びはまt――こ、衣!」
衣「ん?どうかしたのか?」
透華「こ、この純と戦っておられる方が、件のバイト志望の方じゃありませんの!?」
衣「純と戦っているだと?ふっ、なにを馬k――こ、こやつは!?」
透華「その反応……やはり、この方ですのね!?」
衣「あ、あぁこやつに間違いない!しかしなぜ敷地内に……」
透華「そんなこと今はどうでもよろしいですわ!早く止めなければ、バイト志望の方がメモリブレイクされてしまいます!」
衣「そ、そうだな!急ごう!」
イッポウソノコロ
謎の声「きゅ~」バタン
京太郎「な、なんか倒せた……人間、やればできるもんだなぁ」
京太郎「気絶してるけど、敷地内だし大丈夫だよな?とりあえず、壁にもたれかかさせておこう……」
京太郎「……さぁ、気を取り直して今は先を急ごう!」
7 = 1 :
京太郎「にしても広い庭だなぁ……手入れが大変そうだ」
謎の声「ちょっと!そこの君!」
京太郎「えっ」
謎の声「君の作戦目的とIDは!?」
京太郎「あっ、バイトの面接に来ました、清澄高校麻雀部の須賀京太郎です」
謎の声「バイトの面接?聞いてないなぁ、そんなの」
京太郎「とりあえず賊とか強盗ではないです」
謎の声「えっ、そうなの?」
京太郎「えぇまぁはい」
謎の声「まっ、だからといって見ず知らずの人間を通すわけにはいかないね!」
京太郎「えぇぇ……またかよ」
謎の声「ボクとの対決は手品だよ!バイト志望くん!」
京太郎「手品?」
謎の声「そう!まぁボクは純くんみたいに力があるわけじゃないから、どうしても自らのフィールドに持ち込みたくなるよね」
京太郎「つーか俺、手品なんかほとんど出来ないんですが」スガダケニ
謎の声「弱かったり、運が悪かったり、なにも出来ないとしても、それは勝負を受けないことの言い訳にはならないよ!」
京太郎「勝負の前提が出来ない場合は、十分言い訳になると思うんですが」スガダケニ
謎の声「というわけで勝負開始だ!ミュージックスタート!」
謎の声「ちゃらららららーん♪ちゃらららららんららーん♪」
京太郎「あっ、自分でやるんだ」
8 = 1 :
イッポウソノコロ
透華「あっ!こ、衣!あちらにましますのはもしや!?」
衣「純!?純ではないかっ!!おい純!!しっかりしろっ!!」
純「こ、衣に透華か……へへっ、情けねぇザマァ見せちまったな……」
衣「それ以上喋るな!傷口が開く!」
純「いや、傷なんざねぇよ」
透華「それにしても、武術においてはハギヨシの次に腕の立つ純がやられてしまうとは……なにがどうしたとおっしゃりますの?」
純「話せば長くなるんだが……(キンクリ)ということだぜ」
透華「つまり、ここで洗濯物を干していると、あちらからなにやら怪しげな金髪の男性が近付いてきて、その方に作戦目的とIDを聞けばバイト志望の清澄高校麻雀部員で」
透華「そのような話を聞いていなかった純は、そのバイト志望の方を不法侵入した、我が屋敷の財宝を狙う賊と判断し、バイト志望の方を懲らしめようと戦いに躍り出た」
透華「しかし、バイト志望の方の華麗な身のこなしに純の攻撃が次々と空を切り、劣勢を強いられる。ですが、バイト志望の方は一向にこちらに攻撃を加えようとはしない」
透華「それに対し業を煮やした純は、なぜ攻撃をしない、本気で戦えと糾弾。恐らく渋々放ったであろう一撃が、見事に純にクリーンヒット」
透華「バイト志望の方の『あっ、やっべ』との声を聞いたのを最後に気絶してしまった……ということですのね?」
純「あぁ、それで間違いねぇ。まったく……こんな不運と踊っちまうなんざ、オレもヤキが回ったみてぇだぜ」
透華「ともかく今は安静にしているべきですわ。恐らく大丈夫だとは思いますが、そうすることに越したことはありませんもの」
純「すまねぇ、そうさせてもらう」
透華「では衣、早くそのバイト志望の方を見つけn――衣?」
衣「とーか、衣は今燃えている……我々は既に未来を掴んでいる!そしてこれからも掴み続ける!」
透華「こ、衣?なにをおっしゃっていますの?」
衣「純!そやつは一体どこへ向かった!?」
純「気絶してたから知らねぇよ」
衣「あっ、そうだったな」
9 = 1 :
イッポウソノコロ
謎の声「ふぅ……ボクの手品はこれで終わりだよ」
京太郎「おぉ~……凄かったです」パチパチ
謎の声「へへっ……まぁ、これでもまだ本気じゃあないけどね。さっ、次は君の番だよっ!」
京太郎「ホントにやんなきゃダメなんですか?」
謎の声「ダメ!男の子なんだからさぁ、手品のひとつくらい出来るでしょ?」
京太郎「男がみんな手品なんて出来るわけn――いや、股間を大きk――いや、やっぱりこれを言うのはやめよう」
謎の声「そのほうが賢明だね」
京太郎「とりあえずやってみるか……ヘイッ!ミュージックスタート!」
京太郎「ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥッドゥーン♪ドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥンドゥッドゥードゥーン♪」
謎の声「あっ、マリックのなんだ」
10 = 1 :
イッポウソノコロ
純「えっ、マジでバイト志望のヤツだったのか!?」
透華「えぇ、清澄の竹井さんからご紹介を賜りましたの」
純「そうか……んなら、わりぃことしちまったな……」
衣「そう思うのであれば、純も衣とともに詫びを入れればよい」
純「衣もアイツになんかしたのか?」
衣「あぁ……衣は、許されざる咎を背負うてしまった……!」ギリギリ
純「で、なにがあったんだ?」
透華「まぁ……つっけんどんな態度をとった、ということですわ」
純「そんだけ?許されざる咎って……そんな気にするようなことじゃねぇだろ」
イッポウソノコロ
謎の声「う、嘘だ……あんなことありえない……!」
京太郎「なんとか手品が成功した。人間、やればできるもんだなぁ」
謎の声「あんなこと出来るなんて人間じゃないよ!」
京太郎「言い方がひどいですね……勝負はどうします?」
謎の声「あ、あぁ……もう君の勝ちでいいよ」
京太郎「やったぜ!」キュピーン
謎の声「ねぇ、本当にアレが手品なら、教えてもらってもいいかな?」
京太郎「いいっスけど、後でもいいですか?今、それなりに急いでまして」
謎の声「あっ、そうだったの。それじゃあまた後でね」
京太郎「はい、じゃあ失礼します……そろそろ夕暮れだ、先を急がないと」
京太郎「……ん?俺のセンサーが反応している……こっちだ!」ダッ
11 :
エッチな手品ならとか思ったら似たようなこと言って釘を刺されてたでござる
12 = 1 :
とりあえずここまで
このあと少し悩んでるんでコンマで決めてもいいでしょうか?
13 = 11 :
いや知らんし
14 :
乙ー
ええで
15 = 1 :
じゃあ直下判定で
01~50:智紀と知り合い
51~00:透華と知り合い
17 = 1 :
コンマ判定に付き合ってくださってありがとうございます
じゃあ智紀と知り合いで書いてきます
18 :
人間、やればできるもんだなぁで噴く
19 :
おっ京ハギかな
20 = 1 :
京太郎「恐らくはこの辺りに……」キョロキョロ
謎の声「そこの人……」
京太郎「い、いたぁぁぁぁぁぁ!!!!」
謎の声「えっ」ビクッ
京太郎「あっ、バイトの面接に着ました、清澄高校麻雀部の須賀京太郎です」イケメンスマイル
謎の声「あ、あぁうん……須賀、京太郎……?」
京太郎「あっはい。……それがなにか?」
謎の声「もしかして……須賀、京太郎……?」
京太郎「えぇ、間違いなく須賀京太郎ですが」スガダケニ
謎の声「私のこと、覚えてない……?」スチャ
京太郎「ま、まさかお前は……サワムラー!?」
サワムラー「やっぱり……私をそう呼ぶのは、あなたくらい……」スチャ
京太郎「おぉ、久し振りだなぁ!えぇー、何年振りだ?」
サワムラー「最後に会ってから、もうかれこれ四年くらいになる……」
京太郎「あー、もうそんなになるのか……ワールドカップ一回分か」
サワムラー「見ない間に、大きくなったね……」
京太郎「サワムラーも……でっかくなったな!」
サワムラー「えいっ……」ベチンッ
京太郎「ブフッ」ガクンッ
サワムラー「いくらなんでも露骨すぎ……ギルティ……」
京太郎「な、なにこの威力……女の子のビンタの威力じゃない……!?」ビリビリ
サワムラー「私の本気はこんなもんじゃない……」
京太郎「これよりまだ上があるっていうのかッッッ!?!?!?」
21 = 1 :
イッポウソノコロ
純「お、おい二人とも!あそこを見てみろ!」
透華「あちらにましますのはもしや!?」
衣「一っ!怪我はないかっ!?」
一「あっ、みんな……どうしたのさ?」
透華「その台詞をおっしゃりたいのはこちらのほうですわ!」
純「国広くんもアイツにやられたのか!?」
一「やられたっていうか……そうだね」
衣「一までも負かされたというのか……!これはいよいよ、本物の気配が漂ってきたぞっ!」
一「まぁ純くんみたいな負け方じゃあないけど」
純「悪かったな!ひでぇ負け方でよ!」
透華「というか、純とバイト志望の方の戦いを見ていたのならば止めるべきですわよ!」
一「いやー、ボクが止められそうな感じじゃなかったし……でもそのことについては、悪いなって思ってはいるよ」
衣「それで一は一体、どのようにして彼奴に負かされたというのだ!?」
22 = 1 :
一「話せば長くなるんだけど……(キンクリ)ということだね」
透華「つまり、純との戦いを見てバイト志望の方に興味を抱いた一は、バイト志望の方が純からある程度離れたことを確認」
透華「その上でバイト志望の方に接触し、手品での勝負をしかけた。その際、バイト志望の方のほとんど手品が出来ないという発言から、自らの勝利を確信」
透華「一が手品を披露した後、バイト志望の方の番となり、どんな悪あがきをするのかと高見の見物に入ったところ、バイト志望の方が手から無限に唐揚げを出しはじめ驚愕」
透華「こんな相手に勝てるわけがないと意気を消沈した一は、自ら負けを認め、後で教えてもらう約束を交わした後、バイト志望の方に先へ進むことを許諾……ということですのね?」
一「うん、その通りだね。いやー、アレには驚いたなぁ。だってタネも仕掛けも分からないんだもん」
衣「か、唐揚げ……だと……!?」ゴクリ
純「いやいやなんだよ、手から無限に唐揚げって」
一「ほんとに凄かったんだって。みんなも見たらきっと驚くよ?だって手から無限に唐揚げが出てくるんだもん」
透華「しかし、なぜそのような手品をバイト志望の方は?」
純「それはほらアレだろ?唐揚げいっぱい持ってたからだろ」
一「そうは見えなかったけど……隠してたのかな?」
衣「……お前たちッッッッッ!!!!!!!!」ゴッ
透華「」ビクッ
純「」ビクッ
一「」ビクッ
衣「それ以上、唐揚げの話しはするでないっ!お腹と背中がくっつくであろうッッッ!!!!!」グゥー
透華「あー……」
純「あー……」
一「あー……」
23 = 1 :
イッポウソノコロ
京太郎「そういえば、お前はここでなにしてるんだ?」
サワムラー「ここは私の住居兼職場……」
京太郎「えっ……こ、ここに住んでんの!?」
サワムラー「詳しい話は……(キンクリ)ということ……」
京太郎「へぇー、なるほど……俺が引っ越してからそんなことが」
サワムラー「私がネトゲ廃人にならなければ、こうしてまた会うこともなかった……」
京太郎「いやー、世界は狭いっていうかなんか……なにがあるか分からんもんだな」
サワムラー「本当にここでバイトする気……?」
京太郎「まぁ一応はそのつもりだけど……そうなったらよろしく」
サワムラー「私の指導は厳しい……歯を食いしばるためのマウスピースを用意すべき……」
京太郎「ミスする度にあんなビンタをされたら、ホントに身が持たないんですが」スガダケニ
サワムラー「ミスは罪……罪は許されない……」
京太郎「新人に対しては、もっと寛大な心で迎えるべきだと思います」
サワムラー「ちゃんとした新人だったらそうする……でも、あなただけは話は別……」
京太郎「なんでピンポイントで俺だけ別なんだよ」
イッポウソノコロ
一「あっ、あれってハクビシン?」
衣「タヌキであろう」
純「アライグマじゃね」
透華「イタチですわ」
24 = 1 :
イッポウソノコロ
京太郎「とりあえず話はあとにして、そこを通してくれ」
サワムラー「だが断る……」
京太郎「なんでだよ」
サワムラー「ここを通りたくば、私を倒してみよ、青二才……」
京太郎「ほほう……しばらく会わない間に言うようになったな」
サワムラー「勝負方法は分かってる……?」
京太郎「あぁ……俺とお前の勝負っつったらアレしかねぇ……!」
サワムラー「今の私は、あの頃の私とはまるで違う……毎日キーボードを叩き、マウスをクリックし、牌を握り続けて鍛えてきた……」
サワムラー「あの血のにじむような絶え間ない努力が、ようやく実を結ぶ……全てはこの瞬間(とき)のために……!」
京太郎「そんな御託はどうでもいい。さぁ、さっさと始めようぜ……指相撲をよぉっ!!」
イッポウソノコロ
透華「智紀もバイト志望の方も見つかりませんわね……」
純「そもそもなんで智紀を探してんだ?」
透華「今までの流れから鑑みるに、次にバイト志望の方が現れるのは、智紀がいる場所の可能性が高いから……ですわね」
一「でも、今までの流れ通りなら、ボクたちが着く頃には、彼はもういないんじゃない?」
透華「うぐっ……そ、それは行ってみなければ分かりませんわ!」
衣「いずれにせよ、進むしか道はない。我らはもう、運命を選んでしまっておる」
透華「左様ですの!衣のおっしゃる通りですわ!」
純「ま、そうだな……ここで待ってたって見つかりゃしねぇ」
一「ボクもああは言ったけど、別に移動することに不満はないよ」
衣「ならば行こう!衣たちはようやく、探し始めたばかりだからな。この果てしなく広い、龍門渕の庭を……」
25 = 1 :
イッポウソノコロ
京太郎「指相撲に勝った。人間、やればできるもんだなぁ」
サワムラー「おかしい……こんなことは許されない……」
京太郎「よっしゃ!揉ませい!」ワキワキ
サワムラー「えいっ……」ベチンッ
京太郎「ブフッ」ガクンッ
サワムラー「そんな約束はしていない……」
京太郎「そ、そうやってすぐ……力で訴えるのはよくないぞ……」ビリビリ
サワムラー「昔はこんなのじゃなかったのに……思い出が、どんどん汚れていく……」
京太郎「成長してるんだよ、俺も。……とりあえずもう行くわ」
サワムラー「待って……最後に一つだけ……」
京太郎「なんだよ?」
サワムラー「帰ったら、しっかり冷やしたほうがいい……明日には、腫れてると思うから……」
京太郎「えっ、そんな力で殴ってたの?」
26 = 1 :
イッポウソノコロ
一「あっ!あそこに誰かいるよ!」
透華「あちらにましますのはもしや!?」
純「あの長い黒髪にキラリと光るメガネは間違いねぇ!」
衣「智紀!?智紀ではないかっ!!気を確かに持てっ!!」
智紀「意識はしっかりしてる……気絶なんてしない、純じゃないんだから……」
純「なんでオメーらはオレをdisってくんだよ!」
透華「この様な所に佇まれて、なにがどうしたとおっしゃりますの?」
一「ともきーも彼にやられちゃったの?」
智紀「話せば長くなるけど……(キンクリ)ということ……」
衣「なるほど……」
純「なるほど……」
一「なるほど……」
透華「なるほどですわ……」
智紀「えっ」
智紀「透華、説明は……?」
透華「説明?なにをおっしゃっていますの?」
智紀「今までだったら、透華がキンクリされた部分を説明してた……」
透華「私、そのようなことはしておりませんわ。ねぇ?」
衣「あぁ、しておらん」
純「おう、してねぇな」
一「うん、してないよ」
智紀「いや……いやいやいやいや……」
衣「ともかく!智紀の話によれば、彼奴はこの屋敷の正面玄関へ向かったようだ!」
純「ここからならちけぇし、急げばまだ間に合いそうだな」
一「まぁ、勝手に屋敷に入ったりはしないだろうけど。彼が本当に賊や強盗じゃなかったら……だけどね」
透華「とにかく急いで、バイト志望の方の元へ向かいますわよ!敷地内にいながらお客様を待たせるなど、龍門渕の名折れですわっ!!」
智紀「……まだ納得がいかない……」
27 = 1 :
イッポウソノコロ
京太郎「ここが玄関か……ようやく着いたな」
京太郎「もう夜だけど……ま、まぁまだ大丈夫だろ!」ピンボーンピンポーン
京太郎「………………」
京太郎「………………」
京太郎「………………」
京太郎「……出ないな」ピンポーンピンボーン
京太郎「………………」
京太郎「………………」
京太郎「………………」
京太郎「……留守かな?」
イッポウソノコロ
智紀「あっ……みんな、あそこ……」
透華「あちらにましますのはもしや!?」
純「あの金髪と清澄の制服は間違いねぇ!」
一「ほのかに香る、この香ばしい唐揚げの香りはっ!?」
衣「キサマが清澄から参った、バイト志望の須賀京太郎かっ!?」
京太郎「」
京太郎「えっ……えっ?」
28 = 1 :
今日はここまでです
次回は未定です
ありがとうございました
29 :
乙乙
31 :
透華「話せば長くなりますが……(キンクリ)ということですわ」
京太郎「なるほど、よく分かりました」
透華「今までの無礼な態度の数々、この屋敷の主人として、そして友人として、お詫び申し上げますわ……」フカブカ
京太郎(あっ、この人も角生えてる)
京太郎「いえいえそんな、謝らないでください。別に怒ってないっスから」
透華「左様ですの……ご理解頂き、誠にありがとうございますわ」
純「オレも……その……すまんかったな。いきなり、棒振り回しちまって……」ポリポリ
京太郎「いえいえそんな、むしろ謝るのは俺のほうですよ。殴っちゃってすみませんでした」ペコリ
純「あぁ、気にすんな。傷もねぇし、もう痛みもねぇからな」
一「ボクもごめんねー。いきなり勝負しかけちゃって」タハハ…
京太郎「いえいえそんな、ていうか逆に、手品が見れて楽しかったですから」
一「あっ、そう?楽しんでくれたならよかったよ。やっぱり手品は、楽しむものだもんね」
智紀「とりあえず皆が謝ってるから謝る……なんかごめん……」
京太郎「おい、逆にムカつくぞそれは」
32 = 31 :
衣「と、とーか……」クイクイッ
透華「衣……そう心配せずとも大丈夫ですわ!ちゃんと心を込めてお詫びすれば、私たちのように、きっと許していただけますわよ」
衣「う、うむ……お、おい!」
京太郎「はい?……あっ、さっきのお嬢ちゃんじゃないか。どうかしたのかい?」
衣「お、お嬢ちゃんだとっ!?衣は高校二年生だぞ!?お嬢ちゃんなどではないっ!!」
京太郎「えっ、小学二年生?」(難聴)
衣「違うっ!こ・う・こ・う二年生だっ!!それはもう難聴のレベルではないぞっ!?」
京太郎「高、校……?またまたぁ~。そんな嘘ついたって、お兄ちゃん騙されないぞっ☆」キュピーン
衣「衣は本当に高校二年生だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ウワァーン
京太郎「……ホントなんですか?」
透華「えぇ、衣は正真正銘の高校二年生ですの」
純「衝撃的だが事実だ」
一「突拍子もないけど事実だよ」
智紀「悲しい事実……」
透華「残念ながら事実ですわ」
京太郎「う、うせやろ……!?」
衣「ちょっと待て、お前たち!悲しいとか残念って、一体どういう意味だそれはぁっ!?」
33 = 31 :
京太郎「す、すみませんでした!先輩なのに子供扱いしてしまって!」ペコリ
衣「……分かったならばもうそれでよい。だが、二度目はないぞ?」
京太郎「は、はい!申し訳ございませんでした!」ペコリ
衣「もうこの話は終わりだ……次は、衣が謝る番だ」キリッ
京太郎「えっ、俺なにかされましたっけ?」
衣「正門のことだ。あの時、対応したのは衣だった……」
京太郎「あぁ、あの時の……もういいですよ、気にしないでください」
衣「そういうわけにはいかんっ!今はもう癒えたかもしれんが、あの時確かに衣はお前を傷つけた……!」
衣「本当に申し訳なかった!この通りだっ!」ドゲザ
京太郎「えっ」
透華「こ、衣!?」
純「おいおい、マジかよ……!?」
一「あららららら……」
智紀「………………」ピロリン
京太郎「いやいや、やめてください!なにしてんですか!?」グイグイッ
透華「そうですわっ!須賀さんだって、困っていらっしゃいますわよ!?」
純「だな!それは逆に引くぞ!」
一「う、うん!みんなの言う通りだよ!」
智紀「衣がそこまでする必要はない……」ピロリン
衣「いいんだ!こうでもしなければ、衣の気がおさまらんっ!」グググッ
京太郎「も、もう大丈夫です!もう十分伝わりましたから、早く頭を上げてください!俺がすげぇ悪者に見えますから!」グイグイッ
透華「はぁ……まったく、衣には参りますわね」ヤレヤレ
純「こうなるとテコでも動かねぇもんな……」ヤレヤレ
一「頑固ってのも考えものだよね……」ヤレヤレ
智紀「意志が強いのはいいんだけど……」ピロリン
京太郎「えっ!?ちょっ、なんでそんな急に諦めてんスか!?は、早くやめさせないと!!」グイグイッ
衣「もうちょっと!もうちょっとだけっ!!」グググッ
京太郎「なんでここで駄々こねるんスか!?意味分かりませんよっ!!」グイグイッ
智紀「………………」ピロリン
京太郎「テメェはなにさっきから写メ撮ってんだよサワムラーァ!!」
34 = 31 :
京太郎「はぁはぁ……やべぇ、マジ疲れた……」
衣「はぁはぁ……うむっ!」ピッピカピーン
京太郎「もう……気は晴れましたか?」ハァハァ
衣「あぁ、実に晴れやかな気分だ!こんなに晴れやかなのは、三年ぶりくらいだ!」
京太郎「そうですか……ならよかった」
透華「これで無事、全て終了いたしましたわね!」
京太郎「えっ」
透華「えっ、まだなにかありまして……?」
京太郎「いやあの、面接……」
透華「あらまっ!」アンビリーバボー
透華「す、すっかり忘れていましたわ!ど、どういたしましょう!?」
京太郎「なら今日はもう遅いですし、都合のいい日を教えてもらえれば、また伺いますが」スガダケニ
衣「まぁまぁ待て待て……もう合格でよいではないかっ!なぁ!?」
京太郎「えっ」
純「あー……まぁいいんじゃね?」
一「特になにもないかな」
智紀「どうでもいい……」
透華「あなたたちがよろしいのならば……私は別にどちらでも」
京太郎「……雑だなぁ」
35 = 31 :
京太郎「あの……ホントに合格でいいんですか?」
衣「衣がいいと言っておるのだ!いいに決まっておる!それに智紀の知り合いだっ!」
透華「あなたの合格に誰も不満をおっしゃらないということは……つまりそういうことですわ。あと智紀のお知り合いの方ですもの」
純「わりぃ奴じゃあなさそうだしな。まぁ智紀の知り合いだし」
一「やっぱり、男手があるのとないのとじゃ全然違うからね。それとともきーの知り合いだもん」
智紀「今は確かに人手不足……ついでに私の知り合いだから……」
京太郎「じゃあその……不束者ですが、よろしくお願いします」ペコリ
透華「こちらこそ、よろしくお願いいたしますわ」フカブカ
衣「うむっ!よきにはからえ!」
純「もしわかんねぇことがあったら言ってくれ。遠慮しねぇでいいからな」
一「なんてったって、ボクたちは先輩だからね。どーんと頼ってくれていいよ!」
智紀「でもさっきも言ったけど、容赦はしない……」
京太郎「みなさん、お心遣い感謝します……不祥、須賀京太郎、一刻も早く一人前になってみせますっ!」キュピーン
36 = 31 :
透華「さっ!これで本当に全て終了いたしましたし、中へ入りましょう!いい加減、肌寒いですわっ!」
衣「あぁ!それに夕餉の時間だ!衣は先に食堂で待っておるぞ!」ガチャ
純「あー、そういや腹減ったな。オレも衣と待ってるわ」ゾロゾロ
一「待ってたって、そんなすぐにご飯出来ないよ?ボクはそれまで、手品の練習でもしてよーっと」ゾロゾロ
智紀「おい、麻雀(デュエル)しろよ……」ゾロゾロ
透華「さぁ、須賀さんも中へどうぞ。暖かいですわよ?」
京太郎「あっ、すみません。俺はそろそろ帰ろうと思います」
透華「あら、左様ですの……まぁ、荷造りなどありますものね」
京太郎「えっ、荷造り?」
透華「えぇ、お引っ越しなさるのですから」
京太郎「引っ越し?誰がですか?」
透華「誰って……須賀さんですわ」
京太郎「俺、引っ越しするんですか?」
透華「え、えぇ……さっきから、なにをおっしゃっていますの?」
京太郎「俺もよく分かりません。一体なにがなんだか……」
透華「えーっと……須賀さん、うちにお勤めになられますのよね?」
京太郎「あっはい」
透華「となりますと、うちにお住みになられますのよね?」
京太郎「えっ……俺、ここに住むんですか!?」
透華「……もしかして、まだご説明していなかったかしら?」
京太郎「は、はい。初耳です」
透華「あらまっ!」アンビリーバボー
透華「い、今からご説明いたしますので、中へどうぞっ!」ガチャ
京太郎「あっはい。お、お邪魔します……」バタン
37 = 31 :
透華「……(キンクリ)ということですわ」
京太郎「なるほど、よく分かりました」
透華「唐突ですし、いろいろとご都合があるとは思いますけれど……うちにお住みになることは可能ですの?」
京太郎「それは大丈夫だと思います、えぇ」
透華「随分と簡単にお決めになりますわね……清澄からは遠いですし、ご両親もご心配なさるのではありませんの?」
京太郎「確かに学校が遠いのはアレですけど、今も近くはないですから……親はむしろ、ここに住むって言ったら喜ぶと思います」
透華「ご、ご両親がお喜びに?」
京太郎「はい。龍門渕とコネを作る、またとないチャンスだ!とか言いながら、率先して荷造りするんじゃないですかね」
透華「さ、左様ですの……ならば、うちにお住みになるということで、問題はありませんのね?」
京太郎「はい、大丈夫です。お気遣い感謝します」ペコリ
透華「いえいえ……では早速、須賀さんのお部屋へご案内いたしますわね」
京太郎「あっ、すみません。使用人になるのに、逆にお手をわずらわせてしまって……」
透華「そうお気になさることありませんわ。手前味噌ですが、この屋敷は広いですし、勤め先を案内するのは雇い主として当然ですもの」
透華「それと……須賀さんは使用人ではなく、執事ですの。そこを間違って頂いては困りますわね!」
京太郎「えっ、なにか違うんですか?」
透華「その違いを見つけるのもお仕事のうち、ですわよっ!」ビシィ
京太郎「は、はい……努力します」
38 = 31 :
透華「こちらが、須賀さんのお部屋ですわ!」ドーン
京太郎「アイヤー……広いですね、これはまた。俺ん家のリビングより広いですよ」
透華「うふふ、そんなご冗談をおっしゃるなんて、須賀さんったら面白い方ですわね」ウフフ
京太郎「えっ」
透華「あっ、ち、違いましたのね……申し訳ございませんわ」
京太郎「……今感じたこれが、越えることのできない絶対的な壁、というものなんでしょうか?」
透華「さ、さぁ……私にはよく……と、ところで!大体いつから、こちらにお住みになられそうですの?」
京太郎「まぁ、そうですねぇ……この部屋、もう大体物が揃ってますし、明日には住めそうです」
透華「明日なんて昨日の今日ですわよ?本当に大丈夫ですの?」
京太郎「これだけ揃ってれば、あとはちょっとのお金と明日のパンツがあれば大丈夫ですよ」
透華「左様ですの……では、こちらをどうぞ」チャリン
京太郎「……これ、この部屋の鍵ですか?」
透華「左様ですわ。一応マスターキーは私が管理しておりますが、なくさないようにしっかり管理をお願いいたしますわね」
京太郎「あっはい、分かりました。では確かに……門と玄関の鍵はないんですか?」
透華「門と玄関はどちらも、網膜と指紋認証ですの。それとご心配ならさずとも、もう須賀さんは登録済みですわ」
京太郎「えっ、いつの間に」
透華「智紀が写真を撮っていましたでしょ?」
京太郎「えっ、あのタイミングで!?あの時まだ採用するか決まってなかったっスよね!?ていうか指紋はいつ!?」
透華「細かいことは気にしない!それが龍門渕のスタイルですわっ!」ビシィ
京太郎「全然、細かくないと思うんですが……」スガダケニ
39 = 31 :
透華「お仕事の内容につきましては、明日から順番に我々がご説明いたしますわね」
京太郎「あっはい、分かりました。よろしくお願いします」
透華「とりあえず、これで本当に事前の説明は終了いたしましたわ。多分、恐らくは、きっと……なにかご質問などはありまして?」
京太郎「いえ、特にはなにもないです」
透華「左様ですの。須賀さんは、もうこのままお帰りになられますのよね?」
京太郎「はい。一応荷造りと家族とかに説明をしないといけませんし」
透華「左様ですの。……お帰りは、お一人でもおよろしいでしょうか?」
京太郎「あぁはい、大丈夫ですよ。行きも一人でしたし」
透華「本来ならば、須賀さんをきちんとご自宅までお見送りしなければいけませんけれど、何分今は、その……」
京太郎「あぁ、気にしないでください。ていうかむしろ、もう遅いですし女の子に送られると、逆にその子の帰り道が心配になります」
透華「ご理解して頂き、感謝申し上げますわ」フカブカ
京太郎「いえいえそんな……それじゃあ、もうそろそろ帰ります。明日は何時くらいから来ればいいですか?」
透華「明日は、そうですわね……お引っ越しもありますし、須賀さんにお任せいたしますわ。ただこちらへ向かう前に、一言ご連絡を頂けるとありがたいですわね」
京太郎「あの、どこに連絡すればいいんですか?」
透華「……もしかして、まだお教えしていませんでした?」
京太郎「あっはい」
透華「あらまっ!」アンビリーバボー
透華「い、今からお教えいたしますので、今少しお待ち頂いても!?」
京太郎「はい、大丈夫ですよ」
透華「えぇーっと……あっ!」
透華「そ、その……紙とペンを持って参りますので、また少々お待ち頂いても……」
京太郎「えっ、赤外線で飛ばさないんですか?」
透華「赤外……線……?」
40 = 31 :
透華「よもや、最近の携帯電話にこの様な機能が備わっていたとは……迂闊でしたわ」
京太郎「まさか知らなかったとは」
透華「こういうことは、今までハギヨシか智紀に任せっきりでしたもので……お恥ずかしい限りですわ」
京太郎「そんなに気にすることないですよ。誰にだって知らないことはありますし、もう今は知ってるんですから」
透華「……お気遣いいただき、感謝申し上げますわ」フカブカ
京太郎「いえいえそんな……明日来る前に、ここに電話すればいいんですね?」
透華「えぇ、お願いいたしますわ」
京太郎「分かりました。じゃあそろそろ、ホントに帰りますね」
透華「はい……長々とお時間を割かせてしまい、申し訳ございませんわ」
京太郎「いえいえそんな、その分は楽しませてもらいましたから。それじゃあ、明日からよろしくお願いします」
透華「こちらこそ、よろしくお願いいたしますわ。お帰りの道中、お気をつけなさってくださいね」
京太郎「はい。じゃあ……また明日」ペコリ
透華「えぇ、また明日」フリフリ
41 = 31 :
今日はここまでです
次回は未定です
ありがとうございました
42 :
乙です
ところで、どうしてsageてるんだろう
43 :
乙乙
ageたら変な奴が来る可能性があるとかかな
44 :
京太郎「……ということになりました」
久「あらー……ほんとに?」
まこ「まさか京太郎が龍門渕にのう……」
京太郎「俺もまさかですよ」
久「ごめんなさいね。私、ほんとに受かるなんて思ってなかったわ」アッハッハ
京太郎「だったら、俺に無断で紹介しないでくださいよ」
久「万が一だってあるじゃない。ギャンブラーなら、乗らなきゃダメでしょ?」
京太郎「1/10000の賭けに俺を使わないでほしいんですが」スガダケニ
まこ「まぁまぁ、もう受かったんじゃけえ。そう怒らんでもええじゃろ」
京太郎「俺、前から言おうと思ってたんですが、そうやってまこぴーが甘やかすから、つけあがるんじゃないですかね。この人」
まこ「甘やかしてなんておるか。あとまこぴー言うな」
久「そうよー、まこは怒ったら怖いんだから」
京太郎「染谷先輩が怖かったら、部長なんて賽の河原の鬼レベルですよ」
久「鬼だなんて失礼しちゃうわねぇ~。議会長権限で退学にするわよ?」
京太郎「うわぁ、権力にまみれてやらぁ。鬼よりひでぇや」
久「あなたって、ほんとに先輩に対する敬意ってものが足りないわね」
京太郎「いくら俺だって、尊敬する人くらい選べますよ」ハハッ
まこ「ほんに仲ぁええのう、おんしらは」
45 = 44 :
まこ「ところで、咲にはもう言うたんか?」
京太郎「いや、まだです。これから言います」
まこ「なんで言うておらんのじゃ。普通、わしらに言う前に、言うとるもんじゃぞ」
京太郎「一応最初に言おうとは思ってたんですけど、今日はなかなか時間が合わなかったんですよ」
久「電話かメールじゃダメなの?」
京太郎「それも考えたんですけど、ちゃんと面と向かって言ったほうがいいかなと思って」
まこ「まぁ引っ越すんじゃけえ、確かにそっちのほうがええな」
久「ふ~ん……まっ、いいんじゃない?どうでも」
京太郎「全然興味ないっスね」
まこ「自分のことじゃないけえの、久はそういうヤツじゃ」
京太郎「そんな人が全校生徒のトップに立ってるなんて、この学校はおかしい」
久「いいじゃない。ちゃんと議会長としての仕事はしてるんだから」
京太郎「麻雀部の部長としての仕事は、ほとんどしてないっスけどね」ハハッ
まこ「風越のキャプテンを見習ってほしいもんじゃな」フフッ
久「ぶぅ~、なによ二人して。そんなにイジメなくてもいいじゃない」
まこ「でもまぁ……わしは、おんしには麻雀に集中してほしいと思っとるけえ」
京太郎「ああは言いましたけど、俺も別に今のままでいいとは思います。麻雀打ってる時の部長は、それなりに好きですし」
久「二人とも……じゃあ私が麻雀に集中できるように、部室の掃除と牌譜整理と雀牌磨きお願いね」
まこ「おう、そこ立てや竹井。ワレの人生キンクリじゃ」
京太郎「全裸の俺と一緒にロッカーに閉じ込めんぞ、竹井」
久「や、やぁねぇ!ちょっとした冗談じゃない!」
46 = 44 :
優希「じゃじゃーん!優希ちゃんの登場だじぇー!」バーン
和「ゆーき、ドアはもうちょっと静かに開けましょうね。みなさん、お疲れさまです」
咲「お疲れさまです。京ちゃん、もう来てたんだね」
京太郎「おう。あっ、ちょっといいか?みんなに話があるんだ」
咲「えっ、なにかな?」
優希「おっ、相談か?」
和「私への愛の告白ですね。お断りします」
京太郎「ちげぇよ。TPO考えろよSOA」
咲「えぇっ!?ち、違うの!?」
優希「違うのかっ!?」
和「ち、違うんですか!?」
京太郎「ちげぇよ。なんでそう思ってんだよ、お前ら。俺、引っ越すの」
咲「えぇっ!?ひ、引っ越すの!?」
優希「て、転校するのかっ!?」
和「あっ、そうなんですね」
久「う~ん、空気ねぇ~。私たち」
まこ「わしはもう慣れとる。雀牌神経衰弱でもするか?」
久「いいわね。字牌は二倍、赤は五倍よ?」
まこ「分かっとる。わしを誰だと思うとるんじゃ」
47 = 44 :
京太郎「いや、転校はしないぞ」
優希「そ、そうか……なら別にいいじぇ!」
咲「よくないよっ!えっ、じゃあ誰が朝、一緒に登校してくれるの!?」
京太郎「大丈夫だ、もうお前は一人で歩いていける」
咲「じゃあ誰が朝、私の歯磨きの仕上げをしてくれるの!?」
京太郎「大丈夫だ、もうお前は一人で歯を磨ける」
咲「じゃあ誰が眠れない夜、枕元で昔話を読んでくれるの!?」
京太郎「そんなこともあろうかと、ここに俺が主な昔話を読んで録音したCDがあります」スッ
咲「じゃあ誰が寝苦しい夜、私のなだらかな丘の上にヴィックスヴェポラップを塗ってくれるの!?」
京太郎「そこまではしてない」
咲「してよっ!!」ゴッ
和「咲さんは、相変わらず子供のようですね」
優希「子供か?アレを子供って言葉で片づけていいのか?」
和「体型が、ですよ」
優希「その発言は、私にも突き刺さるじぇ……」
久「はい、赤五筒はいただきね」
まこ「くっ……じゃが、まだ赤五萬と赤五索がある!」
48 = 44 :
優希「引っ越すってどこに引っ越すんだ?」
京太郎「龍門渕だよ」
咲「えぇっ!?り、龍門渕!?」
和「龍門渕って、あの龍門渕ですか!?」
優希「お前、いつそんなコネを……」
京太郎「昨日な、バイトの面接行ったんだよ。そしたら働くなら住み込みでってことになって」
咲「そ、そうなんだ……よく受かったね」
和「本当によく受かりましたね」
優希「まさかお前がなぁ……よく受かったな」
京太郎「まっ、これも俺のあふれ出るポテンシャルがそうさせたんだろうよ」
咲「自惚れないでね」
和「自惚れないでください」
優希「自惚れてんなよ、犬ごときが」
京太郎「ちょっとその反応はひどくない?」
まこ「っしゃあ!これで赤五萬と赤五索はわしのもんじゃ!」
久「ぐぬぬ……ま、まだ勝負は始まったばかりよ!」
49 = 44 :
和「いつから引っ越すんですか?」
京太郎「今日だよ」
咲「えぇっ!?き、今日!?ナウなの!?」
京太郎「ナウじゃない、トゥデイだ」
優希「そんな昨日の今日で引っ越しとか、大変じゃないのか?」
京太郎「それがな、向こうの人がもう物がほとんど揃ってる部屋を割り当ててくれたから、服とか以外に持って行く物がないんだよ」
優希「そうは言っても、いろいろ必要だろ?ホントに大丈夫なのか?」
京太郎「うん。荷造りは昨日のうちにほとんどすんだし、足りない物があっても別に取りに行けるから」
優希「まぁそれならいいんだけど……」
和「心配性ですね、ゆーきは。相手が須賀くんだからですか?」
優希「ち、違うじょ!誰がこんなバカ犬の心配なんかっ!!」
京太郎「そうか、心配してくれてたのかお前。名前の通り優しい奴だな」ナデナデ
優希「じぇっ!?な、なでるなー!!」
咲「……優希ちゃん!」
優希「な、なんだ?」
咲「私からメインヒロインの座を取らないでっ!!」ゴッ
優希「そ、そんな謂われない怒りをぶつけられても……」
和「咲さん、最早幼馴染みは、負けヒロインフラグですよ」
咲「うるさい、そこ!余計なこと言わない!」
優希「咲ちゃん、その反応は認めてるってことになるぞ?」
京太郎「あの子は、初めて会った時からものを深く考えない子だったから」
久「まさか同点とはね……」
まこ「こんなもん軽い奇跡じゃ」
50 = 44 :
久「さっ、あなたたち!もう話は終わったでしょ?」
まこ「そろそろ部活始めるけぇの、卓につきんしゃい」
優希「よぉーっし!のどちゃん、勝ったらそのおっぱいをもらうじぇ!」
和「なら私が勝ったら……この私が、ゆーきから貰うものなんて、なにもありませんね」
優希「おぉう!?なんだぁ、ケンカ売ってんのか!?」
咲「あっ、私はあとでいいんで、お二人が入ってください」
久「そう?悪いわね」
まこ「すまんな」
咲「いえいえ……ねぇ、京ちゃん」
京太郎「どうした?」
咲「その……頑張ってね」
京太郎「……おう。ありがとな」
咲「もし辛いこととか、悲しいこととか……困ったことでもいいから、なにかあったら私に相談してね?」
京太郎「あぁ、頼りにしてるぞ。お姫様」ナデナデ
咲「うんっ!えへへ……」
久(イチャイチャしちゃって……)タンッ
まこ(イチャイチャしよって……)タンッ
優希(イチャイチャしやがって……)タンッ
和(あぁ、今日も息を飲む美しさですね……私ったら)タンッ
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