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    元スレP「伊織か?」伊織「お兄様!?」

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    551 = 1 :

    「…あれ?」

    貴音「どうかしました?」

    「あはは…。ちょっと事務所に忘れ物したみたい…」

    貴音「そうですか…ならば待ちますよ」

    響はわたわたと手を振る。

    「いいって…!そんなの貴音に申し訳ないぞ…」

    とは言いつつ内心待ってほしかったりする。

    貴音「いいえ、今日は特に急ぐ用事もありませんし、待っていますので事務所まで行きましょう」

    「貴音…。ありがと」

    …俺は今日のことを小鳥さんに話していた。

    レッスンは割と長くやっていたのですでに時間は7時前後。

    さすがに日も落ちている。

    小鳥「プロデューサーさんはそういうところ厳しいですねー」

    まあその通りだと思う。

    優しい言い方ができないのも直したい点ではあるのだが、改善される気配がない。

    P「ところで、今日来た我那覇と四条ですけど…」

    小鳥「あら、下の名前で呼ばないんですか?」

    話の腰を折る小鳥さん。

    552 = 1 :

    P「…それは距離感が縮まったらで」

    俺は適当に流しつつ、振りたかった話題を振る。

    P「…今度、美希と組ませてユニットで売り出そうと思うんですけど、どう思いますか?」

    小鳥「うーん。いいと思いますよ?私はプロデューサーさんの意見をサポートするだけです」

    P「…でも上手くやれるかなぁ?」

    小鳥「いつになく弱気じゃないですか?」

    P「あいつら楽しそうにレッスンしてませんでしたから…」

    小鳥「そうなんですか…」

    少し心配そうになる小鳥さん。

    P「仕事したことないみたいなのでその、経験とかも積ませたいんですけど…」

    小鳥「経験ゼロで美希ちゃんと組むのはハードル高いですね…」

    P「そうなんですよね」

    小鳥「しかも美希ちゃん最近は真面目にレッスンもしてるし、ついていけますかね…?」

    P「そこは問題ないです。歌もダンスもかなり上手いですよ。それは美希に負けないくらいに…」

    小鳥「へえ!すごいですね!…ならなんでそこまで心配を?」

    553 = 1 :

    P「美希の奔放な性格についていけるかどうかですかね…」

    小鳥「あー、要はコミュニケーションの問題ですか」

    P「そうなりますね。四条はともかく我那覇は人見知りみたいなので…」

    そうだったのかと小鳥さんは顎に手を当てる。

    P「まあ、どちらにせよアイドルとしてやることは、やってもらわないといけませんからね…」

    小鳥「お仕事もただで手に入れられるものではありませんからね…」

    P「ですねー。時には体を張ることも大事ですよ」

    主に俺が…。

    小鳥「実際、彼女たちはどうなんでしょうか?」

    どうと言うのは仕事に対する熱意だろうか…。

    P「明日になればわかりますよ。…いや、おそらく仕事に飢えてます」

    明日来るか来ないかだが、彼女たちは来ると思う。

    来たからと言って辞表を叩きつけられないとも限らないのだが…。

    P「俺は今がチャンスだと思いますね。仕事への渇望と成功した時の達成感を考えれば彼女たちはもっと先を求めてくると思います」

    小鳥「成功っていうのもなかなかにハードじゃないですか?」

    P「彼女たちならきっと大丈夫です。一度やってしまえばそれが自信にもなるし、何よりファンのためにもっと頑張れるんじゃないですか?」

    俺が柄にもなく新人アイドルについて、熱く語っていると、大きな物音が聞こえた。

    554 = 1 :

    続いて扉が閉まる音。

    どたどたと慌てたように階段を駆け下りていく音も少し聞こえた。

    P「ちょっと見てきます」

    小鳥さんは完全に青ざめている。

    小鳥「気を付けてください…」

    俺は警戒しながらドアを開ける。

    待ち伏せして襲い掛かってくることもなかった。

    一応、階段を下りて建物の外も確かめたが、やはり怪しい人影はなかった。

    P「?」

    なんだったんだろうか…。

    俺は疑問に思いながらも戻る。

    高木「どうしたのかね?」

    高木社長は異変を聞きつけて社長室から顔を出していた。

    P「いや、なんか誰かが出入りしたような物音があったので、確認してきました」

    高木「不審者か…怖いねぇ…戸締りを強化するようにしようか」

    小鳥「そうですね…」

    555 = 1 :

    いったん休憩します。

    それにしても皆さん予想をばしばし当ててきますね。

    556 = 533 :

    十分可愛いやんけ(可愛いやんけ)
    そっ閉じ推奨言われたら逆に気になって見たくなるひねくれた俺
    響Pとしてはあまり酷くなきゃ普通に読むかなーってまあ可愛ければそれでOK

    557 :

    一旦おう

    558 = 1 :

    さあ、再開していきます

    >>556
    ありがとうございます
    安心しました

    559 = 1 :

    数分前…。

    「じゃあ自分すぐ戻るから、そこで待っててね」

    貴音「ええ、わかりました」

    そうして響は静かに事務所のドアを開けた。

    Pと小鳥はなにやら雑談中で響には気づいてないみたいだった。

    (早く取って戻ろう…)

    響が忘れたのは財布。

    うっかりカバンから出してしまい忘れたのだ。

    当然、忘れたまま帰るわけにはいかない。

    (あった!)

    彼らから見えない位置に置いてあった響の財布。

    響もここで、そんなにこそこそすることは無かったはずだったのだが…先ほどのレッスンで言われたきつい言葉のせいで、なんだか顔を合わせづらかった。

    P「まあ、どちらにせよアイドルとしてやることは、やってもらわないといけませんからね…」

    小鳥「お仕事もただで手に入れられるものではありませんからね…」

    P「ですねー。時には体を張ることも大事ですよ」

    小鳥「実際、彼女たちはどうなんでしょうか?」

    彼らの会話が聞こえる。

    560 = 1 :

    盗み聞きするつもりはなかったが、貴音と響自身の話だとわかって気になってしまう。

    P「明日になればわかりますよ。…いや、おそらく仕事に飢えてます」

    Pのその表現はほとんど的中していた。

    響は確かに仕事がしたい。

    そのために上京してきたようなものだし、アイドルの舞台に立ったことすらない。

    一年間プロダクションに所属してたうえで…。

    そして響は嫌なことを思い出していた。

    以前所属していたプロダクションでのことだ。

    P「俺は今がチャンスだと思いますね。仕事への渇望と成功した時の達成感を考えれば彼女たちはもっと先を求めてくると思います」

    『今がチャンスなんだよ!』

    小鳥「成功っていうのもなかなかにハードじゃないですか?」

    P「彼女たちならきっと大丈夫です。一度やってしまえばそれが自信にもなるし、何よりファンのためにもっと頑張れるんじゃないですか?」

    『仕事を取りたければ体を張ってもらわないとね』

    『最初だけだから…。それに一度ヤればもっと欲しくなるよ?』

    『仕事、欲しいんでしょ?』

    『ファンのためだと思って!』

    言動が重なる。

    もう疑いが止まらない。

    響は嫌な汗を全身に流しながら、足を震わす。

    もう嫌だ。

    561 = 1 :

    …心機一転とまではいかなかったが、ここに来る直前までは仕事ができるかもしれないと楽しみにしていた。

    それに対してこの仕打ち。

    響は何を信じばいいのかわからない。

    そうして逃げ出した。

    血相を変えて逃げ出した響は貴音のもとへ…。

    貴音「おや、少し時間がかかったみたいですね」

    「…ごめん」

    貴音「顔色が優れないようですが…」

    「…」

    言うか言わないか迷う。

    けれど貴音も被害者なんだと思うと言わずにはいられなかった。

    「貴音!」

    貴音は急に大きな声を出す響に呆気にとられる。

    「実はね…」

    と響は話した。自分の過去のトラウマが原因で盛大に勘違いしてしまった内容を…。

    562 = 1 :

    翌日。

    二人が来ない。

    P「おかしい」

    俺の予想が外れたことに自分自身、驚きを隠せない。

    こういう時は大体、予想を外したためしはない。

    俺はちゃんと彼女たちを見たうえで判断をしているからだ。

    P「律子は今いる子たちを連れて先に行っててくれ」

    律子「わかりました…。二人とも遅刻なんてどうしたんでしょうか?前の事務所はそんな大雑把だったんですかね」

    皮肉のつもりなんだろうが、律子の言い分も納得だ。

    それなら倒産したのもうなずけてしまう。

    律子はアイドル達を連れてレッスン場へと向かう。

    それにしたっておかしい。

    俺は続けるにしても辞めるにしても来るように言った。

    ただ待っていても仕方がない。

    電話するかも迷ったが、出てくれるかは不明だし、彼女たちの答えがこれなら残念ながら受け入れるしかなかった。

    俺は事務仕事をしながら待ってみることにした。

    二時間経っても現れないどころか連絡すら入ってこない。

    563 = 1 :

    もうダメだな。…と半ば諦めていたところだった。

    貴音「…あの」

    四条がようやく来た。

    P「お前遅すぎ、何やってたの?…俺、昨日いつも通りに来てって言ったはずなんだけど」

    四条は俺の言葉にろくに反応せずに、すっと息を整えた。

    貴音「…あなた、何か隠しているのではないですか?」

    突然何を言い出すかと思えば…。

    不満を露わにする四条を前に俺も怒りを隠さずに告げる。

    P「それは何の真似だ?…まあいい、質問には答えてやる」

    キッと睨みつけてくる四条。

    俺も真正面から怒りを滲ませ眼を付ける。

    P「お前らに隠してたことは無い。強いて言うなら、今度お前らをユニットで売り出すことを昨日決めた。それは今日話すつもりだったが、メンバーが揃わなきゃ話にならん。…他に質問は?」

    貴音「…仕事を餌にして私たちに何をさせようとしていたのですか?」

    P「?…仕事を餌に?…何言ってんだ?…仕事なんて餌にするほど入ってこねーから。バカにしてんの?」

    四条は少したじろぐが、まだ堂々と構えている。

    564 = 1 :

    そして俺はそろそろこの件に関する事実をつかみ始めていた。

    貴音「では、響のとらうまについてご存知ですか?」

    P「昨日会ったやつのトラウマなんぞ知るか…。あいつは人見知りっぽかったし、俺に話すわけねーだろ」

    響が絡んだということはもう間違いないと思った。

    P「…もうわかった。我那覇の誤解を解きに行く。…四条、お前も来い」

    貴音「待ってください!…何がわかったと言うのですか!?」

    ようやく狼狽える四条。次はこちらが質問する番だ。

    P「お前、我那覇に枕営業されそうだとか何とか言われなかったか?」

    ストレートに枕営業と言ってしまったが、別にそこまで気にすることは無いだろうと思った。

    貴音「どうしてそれを…」

    P「そこまでヒントを出されりゃ誰でも気づく。おおかた昨日、事務所に戻ってきたとき俺と小鳥さんの会話を聞いたんだろう」

    そして俺は昨日のあの時の会話を憶えている。

    確かに仕事のために何でもさせる、と言ってるように聞こえなくもない。

    P「まあ俺の言い方も悪かったかもしれないが、はっきり言ってそういう経験がないやつじゃないと、あの会話をそういう意味に捉えることはできない」

    つまり…。

    P「我那覇のトラウマとやらもわかった。枕をもちかけられたか、枕を強要させられたかのどちらかだろ」

    四条は驚きを隠せず、俺を手品師か何かを見るような目で見ていた。

    565 = 1 :

    貴音「真、驚きました…。しかし、私はまだあなたのことを信用できません。響がああ言っていたのですから…」

    響、ね。一日でそんな仲良くなるとは思ってなかった。

    P「信用できないんなら他の子に処女かどうか聞いてみろ」

    完璧にセクハラの大問題な発言をした。

    P「それでも信用できないんならもう結構だ。お互いの信用が築けないんなら、この仕事はいよいよ終わりだ」

    今の四条の言い分でいくと俺たちの無実を証明できる証拠が何一つない。

    だから俺はどうしても彼女たちに納得してもらわなきゃいけない。

    P「いいか四条?」

    貴音「…」

    P「我那覇もお前もそれは早とちりってやつだ。そういうのは持ちかけられてから言え」

    貴音「それでは遅いのでは?」

    P「企業はそう言うのは基本的に強要しない。そうしてしまったら強姦と変わらないからな。証拠を手に、訴訟を起こせば企業は勝てない」

    四条はふむ、と考えるような仕草をする。

    P「まあこんなしょうもない話はどうでもいい」

    貴音「どうでもいいなんてことは…!」

    P「うるさいな。それよりも大きな仕事が待ってんだ。やるかやらないかは我那覇と四条次第だ」

    四条もようやく、というかほぼ最初から俺の言葉に揺らいでいたのだが、決心したようだ。

    566 = 1 :

    貴音「行きます」

    P「ああ、友達なんだろ?」

    貴音「ええ、間違いを正すのも友の役目です」

    事務所で我那覇の履歴書を確認し、俺たちは我那覇の家に向かう。

    移籍時に社長に負担してもらって引っ越した、わりと大きめのマンションだ。

    ペットもオーケーらしい。

    まったく社長の人脈は一体どうなっているのか見当もつかない。

    P「俺の言葉には耳も貸さないだろうからな…四条、頼んだ」

    貴音「わかりました」

    四条はボタンを押す。

    軽快なチャイム音が心地いいと思ったのか、四条はもう一度鳴らそうとする。

    P「いや、一回でいいから」

    止めると、いけずですね、と一言残念そうに四条は言う。

    しばらくして我那覇が顔を見せる。

    「…貴音?…!!」

    俺を認識した我那覇は急いでドアを閉めようとするが…。

    貴音「響、待ちなさい!」

    その声で我那覇は止まる。

    「貴音…何で…?」

    絶句する我那覇。

    567 = 1 :

    裏切られたという感覚に支配されている。

    「酷いっ!信じてたのに!…自分はそんなことしてまでお仕事したくない!」

    貴音「落ち着いてください、響。私たちは友達です。響にそんなことはさせません」

    思い込みというのは厄介だ。

    「信じられないよっ!…帰って!…自分はもういいっ!仕事なくてもいい!!」

    自分の判断が正しいと思い込んでしまえば、なかなかひっくり返すことはできない。

    テストとかでもよくある。

    これが答えに違いないと思い込んでしまうと、結果、間違いだとしてもそれを認めようとしなかったり…。

    だが、四条は引かなかった。

    貴音「落ち着きなさい響!」

    我那覇の肩をつかんで、より強い口調で呼びかける。

    怯んだ我那覇は興奮から一気に冷めて四条を呆然と見つめる。

    貴音「私、さきほど話を伺ってまいりました」

    一転、穏やかな口調で話し始める。

    貴音「あれは響の勘違いです。あなたも言っていたではありませんか、この方は厳しいけど誠実に見えると…」

    我那覇は怯えた目で俺を見る。

    568 = 1 :

    貴音「そもそも、そんないやらしい仕事を持ちかけてくる人が私たちに厳しく接するでしょうか?辞めろと言うでしょうか?」

    「…」

    我那覇は黙る。だいぶ揺らいでいるようだ。

    貴音「だから響、私とともに続けましょう」

    我那覇の手を取る四条。

    P「…そういうことだ我那覇、信じられないんだったら俺の恥ずかしい過去を教えてやる」

    そう言うとキョトンとする二人。

    俺は構わず話した。

    P「俺は実はいいとこの生まれなんだが、見ての通りの口調と態度だ。そんなわけで追い出されちまったんだけどな…」

    信じられないといったような二人。

    P「ここまではみんな知ってるんだ。今となっては別に恥ずかしくもない。…だがここからは誰にも話したことのない俺の高校時代の話だ」

    やがて、いつの間にか興味が沸いてきたのか、二人は聞き入り始めた。

    P「俺はいいとこの家だったから高校も当然いいとこだ。ただ…いいとこってのは男子校って相場が決まってるもんだ」

    ちなみにそういうとこの親は女子は女子高に入れたがる。

    P「俺も当然男子校で友人と普通に過ごしていたわけだが…ある日、先輩に呼び出されてな、これは殴り合いにでもなるんじゃないかと思ったんだが…」

    自分も思い出すだけで気分が悪くなってくる。

    少しの間、溜めを作る。

    我那覇と四条は真剣に聞いている。

    569 = 1 :

    P「………愛の告白をされた」

    言った瞬間、二人は笑った。

    P「あれはマジでゾッとしたんだ。抱き付かれたときは咄嗟に背負い投げをして理事長に呼び出されたもんだ…」

    「あははっ…!何それ!」

    P「…これが俺の秘密その一」

    「まだあるの!?」

    もういいよーと言って、なお笑う我那覇。

    これが彼女の素の姿なのかなぁと思いつつやっと笑ってくれたその姿に安堵する。

    P「やっぱ、笑ってた方がいいよ」

    「え?」

    四条「そうですね。響は笑顔が素敵です。だから私も響の悲しむ姿は見たくなかったのです。…プロデューサー、貴方に直接話してよかった」

    P「お前は、最初から俺に食って掛かってただろ。あの喧嘩腰はもうちょい考えてくれ」

    貴音「すみません。私も響のあんな顔を見てしまって頭に血が昇ってしまったのです」

    P「そうかい」

    俺は我那覇に向き直る。

    P「あのさ我那覇…。俺を信じてくれなんて言わないよ。前のプロダクションでも言われたんだろ?」

    俺は我那覇に視線を合わせる。

    570 = 1 :

    「…なんで、わかったの?」

    P「汚い大人ってそう言うんだ」

    「そうなんだ…」

    P「俺はお前たちにそんなことは絶対させないし、取引先がそう言ってきたら必ず断る。俺だって汚え大人が大っ嫌いだ」

    「プロデューサー…」

    P「…やっとそう呼んでくれたな」

    そう言うと我那覇はそうだっけ?と照れくさそうにしている。

    P「じゃあ先に仕事の話をしよう。少し上がっていいか?」

    「いいけど、ちょっと待ってて…」

    片付けでもするのだろうかと思ってたが案外早く扉は開いた。

    「うち、動物がいっぱいいるんだけど…あんま怖がらないでね?」

    貴音「動物ですか…」

    P「動物は好きだからいいよ」

    あの無邪気な感じがいい。

    そうして家にあげてもらったのだが、俺と四条の予想の斜め上を行っていた。

    動物多すぎ…。

    ワニまでいるぞ。

    俺はともかくとして、四条は完全にビビってた。

    571 = 1 :

    貴音「ひ、響…わにとか、蛇とか大丈夫なんでしょうか…?……ひぃっ!!」

    近づいてくる蛇に退く四条。

    「多分、大丈夫!」

    多分って何だ、多分って…。

    案内されて床に敷かれたカーペットの上にそれぞれ自由に座る。

    俺の側には大きな犬がやってきた。

    スーツに毛が付くからやめてほしかったが、しかたない。

    可愛いから許す。

    帰ったらクリーニングだな。

    P「まあいい。…そんで我那覇の不安を払拭するためにもまずは仕事について話しておこう」

    我那覇は動物たちを可愛がりながら、四条は蛇に巻き付かれて青ざめながら話を聞く。

    P「…お前たちにはユニットを組んでもらう」

    貴音「…ユニットですか?」

    「二人で?」

    P「違う。…うちにいる星井美希をリーダーとして、三人でだ」

    貴音「星井美希…?」

    P「あの金髪な」

    「あの子かぁ…」

    人見知りの我那覇はちょっと嫌そうな顔をした。

    572 = 1 :

    P「そうだ。だが甘くはない。美希はまだ有名ではないが、うちの中でもセンスはピカイチだからな」

    興味深そうに感嘆の声を漏らす二人。

    P「そこで昨日のレッスンを見て、ユニットを組むという判断をした。お前たちなら美希の動きにはついていける。千早も上手いがバランスが悪いと思ってたんだ」

    貴音「なるほど…ですが…」

    言いたいことは分かったので、四条が尋ねる前に言葉を返す。

    P「ああ、お前たちには経験が足りない。しかし、経験がないのは誰でも一緒だ。それにゼロからそこそこの舞台に立ってもお前たちなら乗り越えられると思う」

    貴音「どうしてでしょうか?」

    P「なんだろな。…カンかな?」

    「カンって…」

    貴音「面妖な…」

    P「それでどうだ。やるのか?やらないのか?俺は強要はしないぞ」

    「やる!」

    貴音「響がそう言うのであれば私も…」

    P「決まりだな…じゃあ今からでもレッスンに行こう」

    573 = 1 :

    そうして立とうと思ったのだが…。

    犬が、のしっと寄りかかってきて立てない。

    P「なあ、ちょっとどいてくれないか?」

    犬はちらりとこちらを見ると気だるそうに立ち上がってくれた。

    すげえ。今言うことを聞いたぞ。

    内心で俺は子供のようにはしゃいでいた。

    「いぬ美が言うこと聞くなんて…」

    我那覇は戦慄していた。

    何はともあれ無事にレッスン場へ、律子たちと合流して参加する。

    他のアイドルは結構へとへとだった。

    574 = 1 :

    今日はここまででおちまい!

    自分でもこんな内容でいいのかなぁ…
    と思って書いておりましたが、いかがですか?
    ここからのレッスン風景はP達がいちゃつくだけの完全なる蛇足ですが、
    冗長になるだけだし、いらないよという意見が多ければカットします。
    自分自身、以前と比べて微妙な導入になってしまったのは反省です。

    ご質問やご意見があればぜひお願いします。

    今週中に残りを更新します。

    ちなみに次のお話と次の次のお話はすでにスマホで書き溜めていて、
    後はPCのワードに、スマホのメモ帳を見ながら打ち込んでいくだけなので割と早めに更新できそうです。

    575 :

    普通に安定してて面白いから気にせず書けよ

    576 :

    ちーちゃんは…まあ…その胸が…ねぇ?(震え声)
    それでもざわわんでは貴音と花鳥風月ってユニット組んだが、そのユニットをみての響の一言が…

    577 :

    おつっす

    578 :

    おつー
    いちゃいちゃ大好物です(ボソッ

    わざわざ打たなくてもメールで送ってコピペすればいいのでは

    579 :

    ちっこい響が人見知りでさらに縮こまってるのを想像したら萌えた

    580 = 576 :

    >>579
    何その可愛い響ほしい

    581 :

    皆さんレスありがとうございます!
    投下します。

    >>578
    スマホの方のコピペの仕方わかんないんですよ。
    …って思っていじってみたらできました。
    アドバイスどうもです!おかげで楽です!

    582 = 1 :

    律子「あ、プロデューサー」

    美希「ハニー!!」

    美希の猪突猛進をひらりとかわす。

    ぶーっ!と頬を膨らませながら不満たらたらな目を向けていた。

    P「おい、ちょっと無理させ過ぎじゃないか?」

    律子「え?そんなことは無いと思うんですけど…」

    P「まだ昼過ぎだぞ?これからまだまだあるんだから休憩にしよう」

    今日は朝から晩までレッスン場を確保している。

    まさに合宿並の一日の練習量だ。

    真美「やったぁ…!」

    亜美「もう死ぬ~!」

    P「ほら、飲み物と…ご飯は今の胃に入るのか?」

    手に提げてた大きめのビニール袋をみんなに見せる。

    「ボクは大丈夫ですけど…」

    美希「おにぎりなの!」

    春香「私もちょうどお腹空いてました…」

    千早「そうね。休憩にしていいんじゃないかしら」

    雪歩「…」

    あずさ「…」

    雪歩とあずさは喋る余裕もないようだ。

    へたり込んだまま俺を見上げるが、実際見えてるのか見えてないのか、いまいちわからなかった。

    583 = 1 :

    P「二人とも大丈夫?…じゃないよな」

    律子「そんなに!?」

    P「疲労って意外と動いた後の休憩時にどっとくるもんだからなぁ」

    伊織「な…なによ……二人とも……だらし…ないわね…」

    P「伊織も無理すんな…。息絶え絶えじゃないか…」

    やよい「伊織…ちゃん……ぷろ…でゅーさーの…言う……通りだよ…」

    やよいもかっ!

    ダンスでも体力の差って出るもんだな…。

    確かにダンスきついけどね。

    でも、そんな激しい振りではないと思うんだけどなぁ…。

    律子「だから体力はつけておきなさいって言ってるのに」

    P「まあしょうがねえだろ。がっつり休ませてやろう。なんならお昼寝タイムにしてもいいけど…」

    美希「お昼寝!!ハニーと一緒に寝るの!」

    律子「プロデューサー、甘やかし過ぎでは?…というかプロデューサーが寝たいだけなのでは?」

    P「否定はしない!」

    まったく…と呆れる律子だが、それ以上言ってこないあたり休ませるのには異論はなさそうだ。

    584 = 1 :

    P「律子はまだいけるよな?」

    律子「はい?」

    P「我那覇と四条のレッスンを見てやってくれ」

    律子「いいですけど…。あ!自分はまさかお昼寝ですか!?」

    P「いいでしょ?お願いっ!」

    ぐちぐちと文句を言われたが特に止められることはなかった。

    ここでは珍しいことにお布団貸出しというものがある。

    クローゼットに布団が積んであり、部屋を八時間以上貸し切ってる団体なら使えるのだ。

    疲れを癒すための配慮だとか…。

    みんな好き好きに昼ご飯を食べ、休憩をしている。

    俺は四条と我那覇をまず呼んでくる。

    「プロデューサーって自由だね…」

    やり取りを窺っていたのだろう。

    わがままだと言ってもいいんだが。

    貴音「はて…?みんなは、ばてているようですが…」

    P「朝からさっきまでレッスンしてたんだ。多分律子のことだから休み無しのぶっ続けだろうし」

    「そうなんだ」

    P「あんま驚かないのか?」

    585 = 1 :

    「うん。だって自分、仕事なかったから朝からずっとレッスンって日も珍しくなかったんだ」

    貴音「おや、奇遇ですね。私も歌や踊りは朝から夜までというのは多々ありました」

    P「それならあれだけスキルがあるのも納得かな…?」

    とりあえず二人を部屋の中に案内して律子にレッスンを見てもらうことにした。

    律子「プロデューサー、曲はどうします?」

    P「夏頃の765プロ1stライブに向けて全員用の曲があるだろ?それを今日できる範囲で覚えてもらおう」

    律子「了解です。振り付けを見せないといけませんね…」

    P「いや、昨日のうちに一通りやってみたから、簡単にレクチャーしてうろ覚えの箇所を潰してくれ」

    さすがに一日でほとんど修得というわけにはいかなかったが、結構もの覚えもよく要領がいいのだ。

    律子も俺がそう言ってるのを少し疑いながらも、驚きを隠せない様子だったが、すっと切り替える。

    プロデューサーになってからおおよそ5ヶ月くらいだろうか…。

    律子は切り替えがだいぶ早くなったと思う。

    律子「わかりました」

    我那覇と四条はよろしくお願いしますと頭を下げて律子の指導の下レッスンを開始させる。

    俺は俺でクローゼットから布団を取り出し床に敷いていった。

    部屋は結構広く、人数分敷ける。

    586 = 1 :

    シューズの軽快な音、律子のリズムをとる声が部屋に響く。

    俺は雪歩とあずさのもとに向かい、水を取り出す。

    二人はへたり込んで壁に寄りかかっている。

    まずは雪歩を抱き起し、ペットボトルの水を飲ませる。

    雪歩「……んっ……んく…………」

    こくこくと水を飲んで、ふぅっと一息つく。

    P「雪歩、無理しちゃだめ。怪我でもしたらどうするの…」

    雪歩「…いけると…思って」

    ようやく喋れるくらいに回復したようだ。

    俺は汗を拭いてあげて膝の裏と肩に手を回し、抱き上げる。

    雪歩「ひゃぁっ…!」

    P「ちょっと休みなさい」

    そう言って俺は敷いた布団に雪歩を寝かせ、毛布をかける。

    あずさも寝かせなきゃと思って振り返ると、異様な視線を全身に受けた。

    我那覇と四条、律子だけがこちらを見ることもせずレッスンを続けていた。

    俺はそんな視線をガン無視して、あずさも同じように抱き起す。

    587 = 1 :

    あずさ「ぷろ…でゅー…さー……さぁん…」

    なんか色っぽいな…。

    P「ほら、あずさも飲みなさい」

    あずさ「んっ…んっ…んっ……」

    ある程度飲むとあずさは両腕を前に出して、抱っこして、というジェスチャーをする。

    意識的な感じはしない。

    おそらく疲労感からか無意識でこの姿勢をとっているのだろう。

    雪歩と同じように抱え上げる。

    あずさは俺の首に腕を回してきて、俺はちょっと可愛いと思ってしまった。

    P「しっかり休んで、起きたらストレッチしてもう一回練習しような」

    あずさは小さくうなずく。

    俺はあずさを布団に下ろして身を引こうとするが、首に回した腕をほどいてくれない。

    P「おい、寝ぼけてんのか?」

    あずさ「プロデューサーさんも…一緒に…」

    P「まだスーツだから寝ないって」

    それを聞いて残念そうにしたあずさは腕をほどいてすぐに寝た。

    彼女でも甘えたいときってのはあるんだなぁ…。

    お姉さん的存在だから、なかなか気付いてやれなかったりする。

    俺は一息落ち着いて再び振り返ると…。

    春香、伊織、真、美希の四人が目立つところでぶっ倒れていた。

    P「は?」

    588 = 1 :

    驚きのあまり素っ頓狂な声が出た。

    そこで千早がやってきて俺に耳打ちをする。

    千早「全員寝たふりです」

    P「…何で?」

    俺も千早に倣って小さい声で聞き返す。

    千早「プロデューサーが動けない萩原さんとあずささんをお姫様抱っこで運んでたから春香たちも運んでもらおうと思ってるんですよ、きっと…」

    P「何だそんなに楽をしたいのか?」

    千早「いいえ、多分お姫様抱っこされたいんです」

    P「なんだそりゃ…。まあ自分から言うのは確かに恥ずかしいな」

    言えばやってあげるけど…周りに人がいなければね。

    P「しょうがねえな。たまにはわがままに付き合ってあげよう」

    四人を順番に運んでいく。

    P「よいしょ…。何だ、軽いな…」

    春香を持ち上げる。

    顔を見るとこれは寝たふりだってわかった。

    なんかムカついた。

    P「ふーっ…!」

    春香「ひゃあぁぁぁっ…!!」

    耳に息を吹きかけてみると春香は悲鳴を上げて飛び起きる。

    589 = 1 :

    春香「ちょっとプロデューサーさん!セクハラですよ!セクハラ!」

    P「セクハラか…ごめんな。じゃあもう二度とやらないから許してくれ。今すぐ下ろすよ」

    分かったうえでこの意地悪な質問。

    俺はどちらかというとサディズムらしい。

    春香「…え?別に…そんなことは言ってませんけど…。ほら!あれです!許してほしかったらお布団まで運んで、これからもお姫様抱っこしてください!」

    最後、自分の願望になってるよ…。

    とりあえず春香を布団に寝かせる。

    続いて真を抱き上げる。

    顔を見ると、夢が叶ったみたいにいい笑顔だった。

    こいつは起きてるのを隠す気があるんだろうか?

    真の顔が本当に嬉しそうなもんだから、まあいいやと思いながら運んでいった。

    「本当にしてくれるとは思いませんでした」

    真は寝たふりをやめたようだ。

    P「いいのか?寝たふりは…」

    「だって気づいてるみたいだったし、ボクお姫様抱っこって憧れてたんです!」

    590 = 1 :

    P「そんな遠回りなことしなくても直接言えばやってやるよ」

    「本当ですか!」

    P「他に人がいなければな」

    「へへっ、やっりぃ~!」

    とにかく嬉しそうな真だった。

    次は伊織。

    P「よっと…やっぱ軽いなぁ…」

    規則正しく寝息を立て、体にも力を入れず持ち上がる伊織。

    こいつは完璧な演技だ。

    P「やっぱ伊織は可愛いなぁ…」

    伊織だけに聞こえるように小声で言う。

    ピクリと反応した。

    俺はなんだか楽しくなってきた。

    P「こんなに頑張ったんだもんな。伊織は偉いぞ。さすが俺の妹。最高だ。可愛い。天才…」

    最後は完全に適当なのだがとにかく褒めちぎってみた。

    あ、ダメだこいつ。

    さっきとは違って口が、もにょっとにやついてる。

    俺は伊織を寝かせ、とりあえず毛布で簀巻きにしといた。

    伊織「ちょっとー!!お兄様!これはどういうことよ!?」

    ぎゃあぎゃあ喚く伊織はほっとく。

    意外と元気じゃないか。

    591 = 1 :

    最後に美希だ。

    P「よっと…」

    持ち上げたのだが、大人しい。

    実際、一番暴れるんじゃないかと思ってたのでなんだか拍子抜けだった。

    でも大人しくて助かる。触らぬ美希にたたりなしだ。

    と思っていた俺が甘かった。

    布団まで運び、下ろそうとしたところでガバッと一緒に布団に引きずりこまれた。

    P「おい美希!」

    美希「ハニー!」

    ぎゅうぅっと頭をロックされる。

    抵抗して抜け出そうとするも、抜け出せないようにと美希も強く絞めてくる。

    攻防が始まった。

    P「こら!この!」

    美希「あんっ!そこ触るなんてハニーって結構エッチだね!」

    P「変な声出すな!」

    美希はやっぱり女の子で俺が本気で腕をほどきにいくと、簡単に拘束は解けたのだが、こいつはしつこかった。

    美希は足で俺の腰をホールドする。

    592 = 1 :

    そっちをほどこうとすると、次はさっきみたいに頭を固定。

    立ち上がってもへばりついたままだし、なすすべがなくなってしまった。

    P「おーい美希。もういいだろ…」

    美希「じゃあこのまま結婚しよ?」

    お前まだ15歳だから結婚できねーよ。

    伊織「美希っ!!さっさと、離れなさぁい!!」

    救世主現る。さすがは俺の妹!

    ぐいぐいと美希を引っ張る伊織。

    それでも離れないので脇をくすぐって一気にひっぺがす。

    美希「デコちゃん酷いのっ!」

    伊織「うっさいわねぇ!だぁれがデコちゃんよ!!」

    美希「せっかく美希たち結婚できたのに…」

    P「だからできねーよ…」

    伊織「お兄様も何よ!私のことぐるぐる巻きにして!許さないんだから!」

    P「悪かったって、ついな…」

    伊織「ついじゃないわよ!」

    美希「ハニー!デコちゃん怖ーい」

    伊織「あんたは近づくんじゃない!!」

    再び俺に抱きつこうとする美希の後ろ襟をつかんで布団の上にぶん投げる伊織。

    593 = 1 :

    さすがにやりすぎだろう…。しかもどこからそんな力沸いてくるんだよ…。

    美希「きゃっ!」

    春香「ぐえっ!」

    そして春香の上に放り投げられる美希。

    春香がアイドルらしからぬ声を出していたが大丈夫だろうか。

    伊織「お兄様もお兄様よ!何なの!?やられたい放題にやられて…殴ってでも止めなさいよ!」

    P「殴ったらダメだろうが!」

    激昂した伊織との言い合いが続く。

    律子「ちょっと静かにしてもらえませんかねぇ!!」

    律子の怒鳴り声で問答に終止符が打たれた。

    P「あー、何か疲れた…」

    亜美「お疲れー、兄ちゃん」

    真美「楽しそうだったねー」

    皮肉を込めてるのか全然楽しくなさそうに言う真美。

    千早「今日は一段と大変でしたね」

    P「ああ、まったくだ」

    やよい「美希さんすごいです…見てるこっちもドキドキしちゃいました…」

    594 = 1 :

    やよい、そのドキドキは不健全だからやめなさい。

    P「美希は寝てくれてた方がいいぜ…」

    中学生に興味はないけど、あのわがままボディは多少理性を削ってくるものがある。

    もう数ヶ月以上も、その、してないわけだし…。

    P「あー、着替えてくる」

    そう言っていったん部屋を出る。

    更衣室はこっちか…。

    なんだか眠くなってきたし、ジャージに着替えてとっとと寝ようと思った。

    着替えにあまり時間はかからず、すぐに部屋に戻る。

    真美「兄ちゃんのジャージ久しぶりに見たかも…」

    P「そうか?」

    やよい「最近プロデューサーとレッスンした日がないからかも…」

    P「そういや久しぶりだな…」

    千早「今日はプロデューサーにも歌が聞いてもらえるなんて嬉しいです」

    P「相変わらずだな千早は…」

    椅子や床にそれぞれ座り、仲良く談笑。

    でもやっぱり眠くなってきて…。

    P「俺も寝たいんだけどいいか?」

    595 = 1 :

    椅子に腰かけていたが後ろから亜美が飛びついてくる。

    亜美「じゃあ一緒に寝よーよ!」

    P「5人で寝るか」

    やよい「いいんですか?」

    P「息抜きも大切だしな」

    千早「もう、ほどほどにしてくださいよ…」

    やよい「千早さんも一緒に寝ましょう!」

    千早「高槻さんがそう言うなら…」

    真美「じゃあ早くお布団に行こうよー!」

    真美は俺の手を引っ張る。

    亜美は背中に乗りかかり、空いているもう片方の手でやよいの手を握る。

    千早は俺たちに寄り添うように付いてくる。

    みんなで布団に入る。

    我那覇と四条のレッスンを見つつ、5人で雑魚寝した。

    そこそこ経っただろうか…。

    俺は目覚めて起き上がろうとするが起き上がらない。

    596 = 1 :

    P「重い…」

    律子「誰が重いですってぇ…!」

    律子が毛布の上からのしかかっていた。

    「自分、重くないぞ!」

    貴音「真、失礼ですね」

    P「我那覇も四条も何やってんだ…」

    律子「プロデューサーが気持ちよさそうに寝てるのを見てたらなんだか腹が立ってきて…」

    「自分たちは頑張ってるのにプロデューサーはセクハラばっかして、本当は変態なんじゃないの?」

    貴音「響が疑ってしまったのも納得です」

    P「おいおい、それは関係ねえだろ…」

    律子「とにかく私たちも寝ますから!」

    「そうだぞ!」

    貴音「おやすみなさいプロデューサー…」

    P「せめて降りてからにしてくれ」

    俺は三人をどかして立ち上がった。

    意外にも早起きなのは春香や千早、伊織、美希、それに真だった。

    しかもすでに準備は万端、表情は真剣そのもの。一体どんな心境の変化があったというのか…。

    P「おはよう。早起きなんだな」

    597 = 1 :

    千早「ええ、横になっただけで寝てませんでしたので…」

    P「そうか…。ところでどうした?」

    「何がですか?」

    P「いつもよりやる気があるじゃないか」

    「まあ、あれを見せられちゃね…」

    P「あれ…?」

    春香「響ちゃんと貴音さんですよ」

    美希「もしかしたら響は真くんよりダンス上手いかもしれないの…」

    千早「歌も表現豊かで上手かったです」

    それで彼女たちの対抗意欲を燃やしたということか…。

    伊織「確かに技術じゃ負けてるって認めるけど、なんだか負けてない気がするのよね」

    春香「そうなんだよね…」

    P「へえ興味深いな…。どうしてそう思うんだ?」

    春香は悩みに悩んで言葉を選ぶ。

    春香「うーん。アイドルとして見てってことでしょうか…?ダンスも歌も私の方が下手ですけど、アイドルとしては決して負けてないと思います」

    P「ふぅん。俺もそう思う」

    598 = 1 :

    春香「え!?…てっきりダメ出しが来ると思いましたけど…」

    P「いいや、確かに二人は春香よりも歌もダンスも格段に上手いが、アイドルとしてはキャリアも魅力も今の春香の方が確実に上だ」

    春香「ありがとうございます。…だから歌もダンスももっと練習して技術でも負けたくないなって思ったんです」

    P「いいことじゃないか。なら、お前らのレッスンまとめて見てやる。もともと律子と代わるつもりだったしな」

    伊織「あら、こちらもそのつもりだったけど?」

    美希「ハニーに見てもらうの久しぶりなの!」

    P「そうかい。ならそれなりの覚悟はあるってことだな?」

    「プロデューサーが本気出したら律子とは比べものにならないほど厳しいからなぁ…。それでもやりますけどね!」

    春香「ついていけるように頑張ります!」

    そうして始まったレッスンというか特訓。

    特訓しているうちに他のアイドル達も起きてきて、律子、響、貴音を除いた残りのメンバーで練習をしていた。

    P「筋力をつけるのは基本だ!姿勢も良くないと、いい歌と踊りはできない!」

    いきなり筋トレをやらせる。

    回数は少なめだが、かなりきつく感じる子もいるようだ。

    P「せめて千早くらいできてもらわないと困るなぁ…」

    雪歩「無理ですぅ…!」

    599 = 1 :

    ダンスも徹底的にダメ出ししていく。

    P「春香、そこ違ってる。真もそうじゃない、そこの振り適当にやっちゃダメだ」

    お手本を見せながら修正していく。

    もちろん全体を通して踊れるのが前提となっていて、細かい間違いはこういう風に後でつぶす。

    真美「まこちんがダメ出しされるんじゃ…」

    亜美「亜美たちももっと頑張らなきゃね…」

    ボイスレッスンも声が枯れるまで、と言っても実際に声を枯らせるわけではなく、正しい歌い方で限界までやらせる。

    P「何事も正しくが大事だ。正しい姿勢で正しい発声をする」

    俺は基本の重要さを知っているからだ。

    一時間もすれば我那覇も四条も起きてきて、全員でレッスンをすることになった。

    そうして、日も落ち今日は終了となる。

    P「お疲れ様。今日と明日はゆっくり休んでくれ」

    律子「プロデューサーってかなり厳しいんですね…」

    あずさ「はぁ…はぁ…もうダメです…」

    600 = 1 :

    やよい「…うぅ…疲れました…」

    雪歩「…」

    「しっかりして雪歩!」

    P「しょうがねえな。雪歩は抱えていくか…」

    貴音「響、いい笑顔ですね」

    「うん!久しぶりに楽しかったさー!」

    春香「響ちゃんすごいね…」

    「え?そ、そうかな……天海…さん」

    春香「やだなぁ…!春香でいいよ。同い年なんだし、これからよろしくね!」

    「う、うん!よろしく!」

    人見知りだった我那覇も溶け込めたみたいでよかった。

    というより、人見知りにしては慣れるの早いんだよな…。

    貴音「三浦あずさ…大丈夫ですか?」

    あずさ「…ありがとう、貴音ちゃん。私のこともあずさでいいのよ?」

    貴音はみんなのフォローに回っていて、なんだか頼れるお姉さんみたいだ。

    謎な部分は多いけど…。


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