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    元スレ淡「咲は私の言うとおりにしてればいいんだから!」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - + - 大星淡 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    452 :

    >>450
    上がったわけでもないのにわざわざモブスレ見に来て反応返しちゃうツンデレの鑑

    453 :

    気が早いんだよなぁ……

    454 :

    たかが1か月で何言ってんだ?
    あほちゃう

    455 :

    1の4行目に何て書いてあるか見ろよ糞コテ
    何も書き込まずにさっさと落としてやるのが作者への優しさだ

    456 :

    >>452
    同じことしか言えない低脳モブ信者

    457 :

    >>456
    主人公をモブと言いきるって凄いですね^^

    458 :

    このへんにぃ末尾Oが発狂してるらしいっすよ

    459 :

    でた!末尾大好き野郎!

    460 :



    ――――


    個人戦で智葉と試合して、咲の目の前で勝利する。
    それが今回の大会の最大の目標。

    しかしその前に、この団体戦だ。
    今優先するべきは自校の勝利。

    三連覇のかかった白糸台は、圧倒的ともいえる強さで勝ち進んでいく。
    反対側のブロックでは、これまた強豪校の臨海女子が順当に勝ち進んでいた。


    そして迎えた団体戦決勝の日。


    「いよいよだね、咲」

    「うん、淡ちゃん」

    目の前に座るのは、臨海女子の大将である咲。

    「前に負けた借りを返させてもらうからね!」

    「うん、私も負けないよ!」

    461 = 460 :

    神様が仕組んだとまでは思わないが、
    ここで決着つけろとお膳立てされている気分だ。

    渦巻いている感情は全て試合にぶつければいい。

    (絶対に負けないからね。咲…)

    咲に勝って、自分の麻雀を認めさせてやる。
    もし咲が勝ってしまったらなら、ますます咲は自分より弱い淡に見向きもしなくなるだろう。

    それだけは阻止しなければ。

    自分が勝てば、少なくとも麻雀の腕は認められるだろう。
    まずそこから始めて、分の悪い形勢をいずれ逆転させてやる。

    そして白糸台の勝利の為にも。
    意地でも咲に勝つ。


    ――――

    462 = 460 :

    誠子「お疲れさま、淡」

    「……うん」

    誠子「いい試合だったぞ」

    「……」

    副将戦終了の時点で二位の臨海女子とは僅差だった白糸台。
    試合の行方は、大将戦で二人の一年生に託された。

    それでも勝利を確信していた白糸台だったが、
    それは臨海女子のルーキーによって破られた。


    臨海女子高校、団体戦制覇。


    勝利を収めた臨海の選手たちは歓喜の声を上げている。
    その優勝を決めた咲は、穏やかな顔でチームメイトと談笑していた。

    (…やっぱり咲には勝てなかった。でも、私にはまだ目標がある)

    頭を軽く振り、淡は数日後の個人戦へと気持ちを切り替えた。

    463 = 460 :

    そして迎えた個人戦。
    淡は団体戦の時以上の屈辱に打ちのめされることになる。


    「ロン、12000」

    「ツモ!8000オール」

    「……!!」


    2回戦で照、荒川憩らの強敵と当たってしまい、
    智葉と対戦するという目標も敵わず淡はそこで敗退してしまう。


    「悪いね淡」

    「……ううん。私の分まで頑張ってね、テルー」


    健闘した後輩を気遣い話しかける照に、とっさに笑顔を作って答える。
    うまく笑えていたかは分からないが。

    464 = 460 :

    誠子「淡……」

    心配そうに誠子が声をかけてくるが
    今の淡には言うべき言葉が見つからなかった。


    「あはは……ぜんぶ、終わっちゃった……」


    結局試合には負け、咲の心も動かすことが出来なかった。
    どうしようも無い、と淡は呟く。

    465 = 460 :

    今まで味わったことの無いどん底な気分の中、
    淡は考え続けた。

    これからの事。
    そして自分はどう動くべきか。


    一晩中考えに考えて、ある一つの結論を出した。


    ――――

    466 = 460 :

    会場近くの公園には人がいなかった。
    話をするには好都合だ。

    やがて臨海女子の制服姿の咲がやって来た。

    「一体何なの、淡ちゃん。突然来いって」

    怪訝な顔をしている咲に、
    淡は「ちょっとね」と答える。

    「どう?明日の決勝戦、勝てそう?」

    「さあ。やってみないと分かんないよ、お姉ちゃんもいるし」

    「団体戦で私を負かしたんだから、当然1位になんなきゃ許さないからね」

    「またそんな無茶を…」

    そう言って咲は眉を顰める。淡にとっては見慣れた表情だ。
    こっちが言う無理難題に、そうやって不満を表すその顔。

    忘れないようにと目に焼き付ける。

    本当は笑顔が見たかったけれど、
    自分じゃどうにも出来ないことはよくわかってる。

    467 = 460 :

    咲を本当の意味で笑顔にさせるのは、きっと智葉だけだ。
    すぅっと息を吐いて、淡は咲に半歩近付く。

    後は言うべきことを言うだけ。
    さあ、覚悟を決めよう。

    「咲。呼び出した用件だけど…」

    「うん?」

    「今からある所に行って欲しいの」

    すっと淡は道路の方を指差す。

    「ここから500メートル歩いた先に一軒の喫茶店があるから。そこに行ってきて」

    「淡ちゃん?一体どういう」

    「辻垣内がそこで待ってる」

    何かを言いかけた咲の口が閉ざされる。

    「さっき電話で呼び出しておいたの。行って来なよ、咲」

    468 = 460 :

    おだやかに、淡は語る。

    「行って、あいつに伝えなよ。咲の気持ち」

    「な…んで?」

    立ち竦む咲の肩にそっと両手を置く。
    ぎゅっと抱きしめてしまいたくなるのを理性で押し留める。

    やってしまったら、行かせることは出来なくなってしまう。
    それじゃ何の為に覚悟を決めたかわからない。

    だから、咲を行かせるようにと口を開く。

    「咲ならきっと大丈夫。好きだって言ってみなよ」

    「辻垣内も咲の気持ちを知ったら、きちんと考えた上でOKしてくれると思う」

    「そんな、急に言われても」

    おろおろしている咲は、どうしたらわからないと迷っているようだ。
    麻雀でそんな表情、ちらっとでも見せたこと無いのに。

    やっぱり咲はまだまだ子供だな、と淡は小さく笑った。

    (私も、笑えないか。本気の恋愛に関しては初心者だよね…)

    表情を引き締めて、淡は咲に静かに訴え掛ける。

    469 = 460 :

    「この大会が終わったら、辻垣内は引退しちゃうでしょ。そうしたらどんどん距離も離れていっちゃうよ」

    「そうやってぼやぼやしてると、いつか誰かに取られるよ。その前に行動しないと」

    「でも、こんないきなり。だって私、まだ」

    弱気な発言をしている咲に、
    淡は右肩に置いてた手を外し額を軽く突いてやる。

    「ぐだぐだ言ってないで、さっさと辻垣内の所行ってきなよ」

    「それとも咲は麻雀以外じゃなんの行動も出来ない弱虫なの?」

    わざと挑発的に言う淡に、咲は早速ムキになって反論する。
    思った通りの反応だった。

    「わかったよ。そこまで言うなら、先輩に会って来るから!」

    「会うだけじゃなくてちゃんと告白もしてきなよ。出来るの?咲一人で」

    「ら、楽勝だよ!」

    これでいい。
    後は智葉次第。

    (多分、大丈夫)

    この自分が落ちたくらいだ。
    咲の告白に多少は驚くだろうが、気になり始めてそしてハッピーエンド。

    智葉も咲には全面の信頼を置いていると淡は見抜いていた。
    その後輩に好きだと言われて、少しも揺らがないはずが無い。

    470 = 460 :

    告白さえすれば、この二人は上手く行く。
    自分の出番は、もう無い。

    名残惜しげに淡は咲から離れた。

    「すぐに行って来なよ。辻垣内、随分待ってるからね」

    「それは淡ちゃんが勝手に約束したことでしょ!」

    頬を膨らます咲に笑顔を向ける。

    好きだった。本当に。
    この少女に、本気で落ちた。

    「そうだね。気持ち、ぶつけて来なよ。きっと上手く行くから」

    「うん…じゃあ、行って来るね」

    咲がゆっくりと歩いて行く。
    その背に「何チンタラしてんの!ダッシュしていけー」と声を掛けてやる。

    早く行ってしまって欲しかった。
    追い掛けられなくなる距離まで。

    淡の声に追い立てられるように、咲は走って行く。

    少しずつスピードを上げて、智葉の元へと。

    471 = 460 :

    背中がだんだんと小さくなっていく。

    ぎりぎりまで淡は持ち堪えていた。
    完全に姿が見えなくなるまで、強靭な精神で崩れそうになる体を支えていた。

    でも、もう限界だ。

    咲の姿が見えなくなるのと同時に、淡は公園へともう一度戻る。
    足を一歩踏み入れた、それだけでもうぷつんと張り詰めていたものが切れた。

    「…っぅ、うう…」

    自分の声から漏れる嗚咽を淡は手で封じ込める。
    目にもぎゅっと力を込めて、涙が流れないように堪える。

    じわ っと熱いものが滲むのがわかる。
    それでもこれ以上はと、必死に我慢し続ける。

    (だって、そうでしょ?)

    大星淡がこんな事で泣いていいはずがない。
    白糸台が負けた時にも、悔しかったが涙は出て来なかった。

    それがたった一度失恋したくらいで。

    (これ位、乗り越えて行けるよ……多分)

    今の自分なら、咲との出会いからもう少し上手くやれる。そう思う。
    何もかもわかっていなかったあの頃の自分が滑稽だ。

    咲が智葉だけに気持ちを向けていたのも無理は無い。
    最初から失敗してて、修正するには遅過ぎだ。

    振り向いてくれない。
    失恋は確定。

    辛いと凹んでいた淡は、昨夜一つのことを思い付いた。

    472 = 460 :

    こんなに辛い思いを、咲にはして欲しく無い。
    咲が心痛めているところを想像しただけで、淡の心も痛くなる。

    智葉も咲同様、恋愛に疎そうな所があるが
    きっぱり告白すれば流石に理解する。

    幸い咲は最も気に入られている後輩のようだ。
    その後輩が切々と訴えたら、さすがの彼女も落ちるだろう。

    咲に受け入れてもらえないのなら、せめて。
    彼女の恋の手助けはしてやりたい。

    最後にしてやれる全てを咲の為に。

    生まれて初めて、淡は誰かの為に動いた。
    自分の利益を考えてでは無く、好きな人の気持ちだけを考えて。

    その目的は達成された。

    残されたのは、自分の心の問題だけ。

    473 = 460 :

    痛くて痛くて叫びそうになるのを収まるまでじっと我慢する。
    いつかこの気持ちも、今までのように顔も名前も忘れるくらい風化するのだろうか。

    とてもじゃないが、想像がつかない。

    「……咲」

    声に出して、愛しい人の名前を呼ぶ。
    涙声になってる自分の声が他人のもののようだ。

    そして、

    「好きだよ……咲」

    口にしなかった思いを、今だけと言葉にした。
    決して咲には届かないけれど。


    ――――

    474 = 460 :

    書き溜め分終了です。
    長らくお待たせしてしまってすみません。
    多忙につき次の投下もちょっと遅くなるかもです。

    475 :

    乙 待ってた

    476 :

    乙 切ないな……

    477 :

    おつやで

    478 :

    乙乙

    479 :


    心配しなくても淡と咲は上手くいくだろう
    それより智葉は咲をどう想っているんだろうか?

    480 :

    おつおつ

    481 :

    胸が痛い…

    続きまってるぞ

    482 :


    咲淡もいいね!
    咲恭が好きだけど

    483 = 482 :


    咲淡もいいね!
    咲恭が好きだけど

    484 = 482 :

    咲ちゃんはかわいいな

    485 :

    俺は咲竜とか咲セーラとかマイナーでも大好きだぜ
    というわけではよ

    487 :

    年明けだというのにまたここに来てしまった。

    488 :

    どうせエタるんだろ
    もう咲さんスレは諦めたわ

    489 :

    あと1か月あるし大丈夫やろ

    490 :

    いつか、また会えるのなら。
    今よりもましな自分でいたいと思う。

    咲が好きになってしまうような
    そんな人になりたい。



    誠子「よう、淡」

    聞き覚えのある声に、淡は顔を上げた。
    誠子がひらひらと手を振りながら向かってくるのが見える。

    「…なんか用?」

    誠子「魂抜けたみたいな顔してるな。何があった?咲ちゃんと」

    咲の名前に反応する。

    大抵のことなら誤魔化す自信はある。
    が、これだけは隠せない。

    わずかな動揺を誠子は見逃さない。

    誠子「余計なこと言って怒らせて絶交でもされたとか?」

    「…そんなんじゃないよ」

    絶交されたのとは違う。
    自分から突き放したのだ。

    491 = 490 :

    「用が無いなら話しかけないでよ」

    誠子「用ならあるぞ。明日の個人戦のことだけど」

    「行かないよ」

    誠子「即答かい!」

    一秒の余地も無しの回答。
    ビシッとツッコミを入れる誠子に、淡は当然だと返す。

    「なんで敗者の私が観に行く必要があるの?」

    誠子「いや、何でって…宮永先輩が出るだろ。先輩を応援しに行かない気か?」


    個人戦決勝に残った四人は智葉、憩、咲。
    そして前年度の覇者である照。

    智葉と対戦できると張り切っている咲の姿が目に浮かぶ。
    そんな彼女を目の前で見るなんて、傷心の自分にはとてもできそうにない。

    「とにかく、私は行かないから」

    それにまだ淡には咲と会う準備は出来ていない。
    うっかり出会ってしまったら、走って逃げ出す醜態を晒しかねない。

    492 = 490 :

    何しろあれ以降、淡から一切連絡を取っていない。
    それだけじゃなく、咲に教えている携帯を解約した。

    咲からも連絡を取れないようにする為だ。
    学校か家にどちらかが行かない限り、もう会うことは無い。

    咲がそんな面倒なことするはずも無く、お互い顔を合わすことなくここまで来たのだ。
    のこのこ会場に出向く真似なんか絶対に出来るか。

    (辻垣内と上手く行きましたなんて報告受けたら、声も出ないよ…全く)

    咲が智葉と付き合うことになるのは、別にいい。
    自分がそう仕向けたのだから。

    けど本人の口からは聞きたく無かった。
    現実と向き合える程強くは無い。

    少し浮上しかけた心がまたぺしゃんこになってしまう。
    案外自分って弱いなと、淡は大きく溜息をついた。

    咲と会うのは、もっと遠い未来が良い。

    咲の心をぐらつかせる位良い女になって、
    正面から挑み直したい。

    その時まだ智葉と付き合っているかもしれないが、
    今度は正面切って奪ってやる。

    それ位になってからじゃないと、顔を合わせれない。

    493 = 490 :

    そんな淡の心境を知ってか知らずか、誠子は不満そうに呟く。

    誠子「じゃあいいよ。私たちだけで行ってくるから」

    「テルーにごめんって伝えといて」

    誠子「わかった。あと咲ちゃんには、淡は来たくてしょうがなかったけど来られなかったと言っとくな」

    「ちょっと待って!」

    聞き捨てならないと声を上げるが、
    誠子は走って逃げてしまう。

    誠子「それが嫌なら、阻止しに来ればいいだろ」

    「なんだって!行かないって言ってるでしょ!」

    誠子「淡の代わりに応援に来ましたーの方がいいか?」

    「ふざけんな!」

    笑いながら、誠子は外へと出てしまう。

    「まさか誠子のやつ、本気で咲に言うつもりじゃないでしょうね」

    誠子ならやりかねないと、淡は冷や汗を掻く。

    494 = 490 :

    誠子『咲ちゃーん!淡から「頑張れ智葉なんか蹴散らせ」って言うメッセージ預かって来たぞー!』

    嫌な想像が目に浮かぶ。

    慌ててポケットから携帯を取り出し誠子に掛けるが繋がらない。
    仕方なく『さっき言ったことやったらただじゃおかない』等のメールを送るが、これにも反応無し。

    (もうっ、私にどうしろって言うの!?)


    悶々としたまま、翌日を迎えてしまう。

    行くか行かないか。

    咲には会いたくないが、誠子にあんな風に言われるのは困る。
    考えに考えて、淡はぎりぎりになって結論を出した。


    ――――

    495 = 490 :

    短いですがここまで。
    あとラストまで少しなので、これからはage進行でいきます。

    496 :

    待っとたで

    497 :

    乙 待ってました!

    499 :

    乙っ!
    どうなるのか気になるけど、終わっちゃうのは寂しいな


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