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    元スレ淡「咲は私の言うとおりにしてればいいんだから!」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - + - 大星淡 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    401 :

    亦野さんが何気に良き先輩ぶりを発揮してるな

    402 :

    >>400
    和淡面白かったよな、衣が可哀想だったけど

    403 :

    一日二日徹夜したところでどうってこと無いはずのだが、
    何だかやけに眠たくて疲れているような気がする。

    睡魔に脳を支配されながらも淡は咲への想いの行く先を考えていた。

    昨日は思い出したくもないような結果に終わった。
    助けに間に合ったのは良しとするが、その後がまずい。

    危機感の無い智葉は糾弾されても当然だというのに、
    ちょっとなじったら咲は「先輩のせいじゃない」と庇いに入って来た。

    (辻垣内、辻垣内って…あいつが私より勝っている所あるの?趣味が悪いにも程があるよ!)

    こんな風に悪態をついても虚しいだけだった。
    どれだけ喚いたところで、咲の心はこちらに向いていない。

    (咲、怒ってる…かな)

    智葉を庇う咲を見ていたくなくて、勝手に会話を止めて帰ってやった。
    そんな行為を見てまた身勝手な奴だと咲は思ったに違いない。

    …気が滅入る。
    今まで好き勝手に行動してきたが、たった一人の評価がこんなにも気になってしまうとは。

    咲には嫌な奴だと思われたくない。
    どうしたら自分を気に入ってくれるのか、出来ることなら教えてもらいたい位だ。

    404 = 403 :

    (最悪。他の皆に知られたらきっと笑われるに違いないよ…)

    それでも気持ちを消すことなんて出来そうに無い。
    相手に気が無くても好きになってもらいたい、側にいたいという欲求。

    どうしようもなく抑えられない所から来るのだ。

    今まで淡は寄ってくる女と適当に遊んで、そして飽きたら捨てた。
    邪魔しないから側にいて欲しいと懇願する相手を無情にも切り捨てていた。

    (今まで私は、色んな人の気持ちを踏みにじっていたんだね)

    気の無い相手と一緒にいてやる必要は無いと思うが、
    振るにしてももっと誠意のあるやり方はあったはずだ。

    咲に拒否される時同じ言葉を言われたら、きっと立ち直れなくなる。

    咲を本気を好きになって、ようやく理解した。
    自分以外の人達にも、感情や気持ちがあることを。

    (だからこそ咲が欲しい。こんな気持ちを私に教えたのは咲だけ)

    (私に影響を与えた咲の心を、必ず掴んでみせる)

    再び闘志を燃やし、来月から始まる全国大会へと思いを飛ばす。

    405 = 403 :

    個人戦で智葉を負かすという目的は良いが
    その前の団体戦で、大将の自分は同じく大将である咲と対戦することになる。

    以前咲に負けた自分が今度は勝てる勝算は果たしてあるのか。
    ここで咲に負けたら、ますます咲の心は智葉に傾いてしまう恐れがある。

    「これはまずいな…」

    誠子「何がまずいんだ?」

    「誠子、いつからそこにいたの!」

    真後ろから聞こえた誠子の声に淡は飛び退く。

    誠子「さっきからいたぞ。何ぼーっとしてるんだ?」

    「いや、別に…」

    問い掛けてくる誠子に淡は視線を背けた。
    まさか昨日、試合停止になるような事態を引き起こす所だったなんてとても言えない。絶対に。

    あの時は試合なんかどうでも良いくらいの勢いだったが、
    咲が止めてくれたおかげで助かった。

    白糸台レギュラーが出場停止になるようなことなんてあってはならない。
    咲もそれをわかってて止めたのだろう。

    406 = 403 :

    誠子「怪しいな。今朝から様子がおかしいし、何かあっただろ?」

    妙に目敏い誠子から視線をはずしたまま「そんなこと無い」と答える。

    「全国で臨海を負かすつもりでいるだけ。それだけだよ」

    白糸台の勝利だけでなく、自分の恋もかかっている。
    後者はかなり分が悪いがまだ決まった訳じゃない。

    智葉の麻雀を、咲は特別視している。
    その智葉に勝てばきっと自分を見る目も違ってくるはず。

    僅かな可能性に、淡は掛けてみることにした。

    誠子「なあ。今日も咲ちゃんと会うのか?」

    「ううん。咲も全国前で忙しいだろうし、約束はしなかったよ」

    本当のところは昨日の件が気まず過ぎるからだ。
    まだ顔を合わせる自信が無い。

    誠子「えー、でも来てるぞ。咲ちゃん」

    「は?」

    407 = 403 :

    誠子「ほら、あれ。こっちに向かって歩いてるの、咲ちゃんだろ」

    誠子の指差した方を見てみる。
    まさかと思う気持ちと、期待が交じる。

    「咲…」

    臨海女子の制服で歩いてくる華奢な姿。
    間違えるはずが無い。

    認識した瞬間、淡は駆け出した。

    「咲!こんな所で何やってるの!?」

    淡の怒鳴り声に、
    咲はびくっと体を揺らし足を止めてしまう。

    誠子「おい淡、そんなに大声出すなよ。咲ちゃん怯えてるだろ」

    誠子の声を無視して、
    淡は呆然としている咲へと向き直る。

    「どうしたの。迎えの車は無かったでしょ?今日は帰って良かったってわからないの?何でこんな所までわざわざ」

    「淡ちゃんに会いに来たの」

    咲の一言に、淡は口を閉じる。

    「部活、今日は早く終わったんだ。で、急いでここに来た」

    「どうしても淡ちゃんに言いたいことがあったから」

    408 = 403 :

    言いたいこととは昨日の続きだろうか。
    文句が言い足りなくてやって来た可能性は高い。

    (仕方ない。自分が蒔いた種だし)

    好きな人から非難の言葉など聞きたくないが、
    嫉妬に駆られ不注意な言動をしたのは自分だ。受けるしかない。

    逃げれば、また嫌われるだけ。
    ここで対応しておくのがベストだろう。

    妙な沈黙に淡は冷や汗をたらりと流す。

    (気まずい。まず最初が肝心だね。でも何て言ったらいいの!?見当もつかないよ!)

    どうしたものかと苦悩し続ける淡をちらりと見て、
    咲がおもむろに声を上げた。

    「あの」

    「な、何!何を言う気!?」

    行き成り非難を浴びせるつもりかと警戒する淡の取り乱し方に、咲は首を傾げる。
    そんなに身構える必要があるのかと。

    「淡ちゃん何か変だよ…って、いつものことか」

    失礼な言葉にむっとししつも、今日だけは言い返せる立場では無いので我慢する。
    それよりも問題を先に片付けた方が良さそうだ。

    409 = 403 :

    「で、話があるんでしょ?言ってみてよ。全部聞くから」

    覚悟を決めて、正面を向く。
    すると咲はいきなり頭を下げてきた。

    「!?」

    予想しなかった行動に驚かされてしまう。
    頭を下げたまま、咲は告げる。

    「ありがとう」

    「え?」 

    「まだちゃんとお礼言ってなかったから。昨日は淡ちゃんのおかげで助かったよ。ありがとう」

    礼を述べる咲に、淡は目を瞬かせる。

    (怒ってたんじゃなかったの?)

    まだ頭を上げようとしないので、もういいから止めろと促す。
    それでようやく咲は姿勢を元に戻した。

    「聞いたよ。私が迎えの車に乗らなかったから、心配してあちこち探してくれたんだってね」

    「いや、別にそんなの…大したことじゃないし」

    事実なので、否定するにも否定しきれない。
    しどろもどろになる淡に、咲はにこっと笑顔を向けた。

    410 = 403 :

    「すごく感謝してるんだ。淡ちゃんが探してくれなかったらきっと無傷じゃいられなかった」

    「……」

    「ねえ、私に出来ることがあるなら言って。お礼がしたいの」

    だったらキス一回、
    と正直に言いそうになる口を堅く閉ざす。

    (そんな風に言わないでよ。つけ込みたくなるでしょ)

    「私の話、聞いてる?」

    答えが返ってこないので、
    咲は淡の制服を引っ張った。

    「聞いてるよ」

    「じゃあ、言ってよ。私に出来ること」

    胸を張って言う咲はただ純粋に礼がしたいんだとわかる。
    だからこそ本当の願いは口に出来ないなと苦笑する。

    「ないよ。もういいでしょ、この話題」

    「それじゃ私の気が済まないよ」

    「バーカ。私を誰だと思ってんの。不自由してることなんて、一個も無いんだから」

    手に入らないのは目の前にいる少女の心くらいだ。

    淡の言葉に、咲は不承不承も納得したようだ。
    家の規模を見たら出来ることなど知れてる。

    411 = 403 :

    「でも、もし思いついたらいつでも言ってね」

    「わかったわかった。思いついたらね」

    「約束したからね」

    (どうせ願いを口にしたところで、叶えてくれないんでしょ?)

    そう心の中で呟く。
    そんな思いも気付かず、咲は力を抜いて「ちゃんと言えて良かった」と話し出す。

    「昨日言うつもりだったのに。淡ちゃんさっさと帰っちゃうから」

    気まずいまま別れた昨日の出来事。
    このタイミングなら、素直に言える。

    「あれは私が悪かったよ」

    智葉に嫉妬したとはいえ大人げない発言をした。
    謝罪すると、咲は「ううん」と首を横に振った。

    「私も感じ悪い言い方したと思うし。だから私も悪かったの。これでお終い。問題ない、よね?」

    「うん」

    非難も無く、あっさり終わったことに淡は安堵する。
    心配ごとが減って緊張が抜けていくのがわかる。

    412 = 403 :

    書き溜め分終了です。

    413 :

    こっからどう転ぶのか…

    414 :

    淡淡可愛いよ淡淡

    418 :

    乙 咲さん良い子だな

    419 :

    次は淡和書いて

    420 :

    つまらないから依頼だして

    421 :

    >>420
    お前の方がつまらんよ

    422 :

    まぁ通報されてたし様子見よう
    これ以上悪質な荒らしを繰り返すなら
    直接メールしてみる

    423 :

    クソモブ出すな

    424 :

    頭おかしい荒らしは無視して頑張って

    427 :

    「それで連中はどうしたの?キッチリ締めてやったんでしょうね?」

    その問いに咲は「うん」と頷く。

    「あの後明華先輩が動いてくれたおかげで全部片付いちゃった」

    「二度とこんなことしないって、泣きながら土下座して謝られたし」

    「…そう」

    やはり明華は怒らせると怖いタイプなようだ。
    なるべく絡まないように心がけよう、としみじみ思った。

    「謝られても許せるもんじゃないけど。咲が良いって言うなら私は口出ししないよ」

    なにより本人の気持ちを尊重したい。
    尋ねてみると、意外にあっさり「うん」と返答される。

    「私が油断してたのもあるし、それにあの先輩達の気持ちも分からないわけじゃないし…」

    「ちょっと待って。咲の所為なんて一つも無いでしょ。連中がどうかしてるだけで」

    引っ掛かるものを感じ、淡は眉を寄せる。
    咲は肩を竦ませぼそりと言った。

    「ううん、レギュラーになって大会に出たいって先輩達の気持ちも痛いほどわかる」

    「…でも制服を無理矢理脱がされた時は、ただ…怖かった…」

    咲の手が震えている。
    昨日のことを思い出したのだろう。

    428 = 427 :

    なにもされてない、無傷だとは言ったが
    怖い目にあったことには変わりない。

    「大丈夫だよ」

    「淡ちゃん?」

    「何かあっても昨日みたいに駆けつけてあげるから。咲がどこに居ようが見つけるから…」

    気付いたら両手を伸ばし、目の前の細い体をぎゅっと抱きしめていた。
    下心も無く安心させる為だけの抱擁。

    咲の心から不安が無くなれば良いと思っての、無意識の行動だった。

    咲はただ大人しく、淡にされるがまま身を預けていた。
    よっぽど怖い思いをしたのだろう。

    「大丈夫…怖いことなんて無いから」

    震えてる体が収まるまで、耳元に囁き続ける。
    しばらくそうしたまま、お互いの体温を感じていた。


    ――――


    429 = 427 :



    ‘間も無く下校時刻です。残ってる生徒は―――――’


    下校を知らせる放送の声が響く。
    それを合図に淡も咲も同時に、ゆっくりと体を離した。

    「何か、ごめん。昨日から迷惑かけてばっかりだね」

    さっきのことは忘れたというように、咲は明るい声を上げる。
    だから淡も蒸し返したりせずに普段通りの態度で答える。

    「そんなの迷惑の内に入らないって。国家予算並の借金だって、私ならどうにかしてやれるよ?」

    「それ、もう迷惑とかいう問題じゃないから」

    お互い、元の調子にすっかり戻った。
    顔を見合わせて笑う。

    「帰ろっか。送ってあげるよ」

    「うん。ありがとう淡ちゃん」

    430 = 427 :

    外に出ると、もう日が暮れるという時間だ。
    夕日に染まる景色の中、いつもより素直な咲の隣を歩いて行く。

    (いつもこんな風だったら良いな…)

    当たり前のように一緒にいて、会話して、並んで歩いて。
    そんな日常を手に入れたい。

    今の一番の願い。

    「もうすぐ全国だね。淡ちゃんとまた戦えるの、楽しみにしてるよ」

    「今度は負けないからね。うちは三連覇もかかってるし」

    「うん。お互い頑張ろうね」

    来月の今頃には、全部終わっているはず。
    その時には咲の心を動かすことが出来ているように、と。

    らしくもなく、淡は夕日に願いを掛けた。


    ――――

    431 = 427 :


    ――――


    ほど良い湯加減に眠りそうになって、
    咲は慌てて身を起こす。

    (それにしても…)

    湯船から両手を出して、じっと眺める。
    もう震えてはいない。大丈夫だ。

    昨日の出来事は何でも無いと口では言っても体は正直で、
    思い出すと少し震えが走ることがあった。

    補欠部員たちは咲を屈服させるために卑怯なやり方を取ろうとした。
    口外出来なくさせる為、辱めてプライドを傷付けるつもりだったのだ。

    あの時、本当は怖くて涙が出そうになったが
    彼女らを喜ばせるだけだと思い必死で耐えた。

    制服を剥かれた時はされるがままになるのかと諦めていたが、
    咲の心の叫びは届いた。

    まさか淡が来てくれるとは考えもしていなかったが。

    432 = 427 :

    『何かあっても昨日みたいに駆けつけてあげるから』

    震える自分を可哀想にと思って抱きしめてくれただけに過ぎないだろうが。
    ああしてくれたおかげで落ち着くことが出来た。

    安心出来る場所。
    そう錯覚してしまう位に心地良かった。

    (そういえば、最近作戦がどうのとか言ってこないなぁ)

    どうも最近の淡はおかしいと、
    ようやく咲は気付いた。

    智葉にああしろこうしろと
    無茶な作戦もさせようとしていない。

    会ってもただお菓子を食べながら会話をしてるだけのような…

    淡に何のメリットがあるのかがわからない。
    そうなったのがいつだったか思い出そうとしたが、それもわからない。

    433 = 427 :

    (今度、聞いてみようかな)

    答えが出そうにないので、
    直接淡に尋ねてみようと決める。

    もう作戦は立てないのか。
    そして何も無いのなら、どうして今も自分と会い続けているのかを。

    「咲ー、いつまで入ってるのー?」

    ガラス越しに聞こえた声に、
    ハッと体を半分湯船から出す。

    「もうちょっとしたら出るよ」

    「分かった。長風呂しすぎてのぼせないようにね」

    「はーい」

    434 = 427 :

    照の気配が風呂場から消えた。
    再び肩まで浸かって、十分身体を温める。

    「もうちょっとだけ…」

    来月から大事な試合だ。
    気に掛かることは、一先ず置いておこう。

    いつでも淡と会う機会はあるのだから。
    楽観的に、咲はそう考えていた。

    いつでも、なんてそんな保障も約束も無いことに
    気付くはずも無かった。


    ――――

    435 = 427 :

    書き溜め分終了です。

    438 :

    乙 待ってた

    439 :



    次が楽しみ

    440 :

    おつやで

    442 :


    文末の雰囲気からして追いかけるのは淡じゃなくなるのか…
    もっとイケイケな淡が見たいが

    443 :

    まだかな

    444 :

    乙でした!

    445 :

    待ってます

    446 :

    竜咲と比べて遅すぎるぞ!はよ!

    447 :

    あれ

    449 :

    エタってしまいましたね
    まあ仕方ないね

    450 :

    そんなもんだろ?速報でモブはいらない、モブメインで書く作者はクズってことなんだよ


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