のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,856人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ淡「咲は私の言うとおりにしてればいいんだから!」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - + - 大星淡 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    503 :

    あーもうこれほんま気になる心もやもややで
    作者さん私の楽しみを増やしてくれてありがとう
    最後まで全力で応援するでー!

    504 :

    もう十日…

    505 :

    (十日ぐらいで何言ってんだコイツ……)

    506 :

    遅漏乙

    507 :

    まだかな……

    509 :

    VIPでやってくんね?
    ここスレチなんだわ

    510 :

    >>509
    スレチの意味知っとるか?

    512 :

    尭深「淡ちゃーん、こっちこっち」

    観戦席に足を踏み入れた淡に、尭深らが手を振ってきた。

    誠子「来たのか、淡」

    「誰のせいだと…!」

    そう。
    結局、淡は来てしまった。

    「咲に余計なこと言ってないでしょうね?」

    誠子「淡が来なかったら言うつもりだったんだけど」

    「なんだって?」

    「2人とも、もうすぐ試合なんだから静かにしろ」

    「…はーい」

    モニターを見ると、すでに卓には四人の選手が座っていた。
    真正面に座る智葉を目の前に、咲の瞳が一際輝いて見える。

    (どうせ、咲の原動力はいつも辻垣内だよ…)

    目の前の光景に勝手に落ち込んでしまう。
    先輩、先輩とあれだけ思われてる智葉が本当に妬ましい。

    513 = 512 :

    それでも、咲の楽しげな表情に目を奪われてしまう。
    もう今は遠くからそっと見ること位しか出来ないけど。

    短かったけれど、彼女の近くにいられた時間が忘れられない。

    出会った当初は小動物のようにびくびくしてたのに
    すぐにふてぶてしくなって、ちっとも言うことを聞かなくて。

    でも、こんな麻雀をするのかって打ち筋に驚かされて。
    気が付けばどんどん惹かれていった。

    抱きしめると温かくて。
    震えている体を抱きしめたあの日、ずっと時が止まってしまえばいいと思った。

    今でも咲の体温を思い出せる。
    息遣いも、ふわっと香った咲の匂いも。

    忘れることなんて、出来るものか。
    忘れられない。

    514 = 512 :

    『ツモ。嶺上開花』


    「照が押されているな」

    尭深「さすがは宮永先輩の妹さんなだけありますね」

    誠子「いや、先輩もまだまだこれからですよ」

    口々と騒ぐチームメイト達の声が遠い。
    試合の行方よりも、淡には咲本人の方が気に掛かる。


    (咲……)


    いつか彼女が言っていた。

    『先輩のこと、見ているだけでいいの』

    そんな気持ちに自分もなれるだろうか。
    遠くにいて、彼女の幸せだけを祈れるような境地に。


    試合が終盤に入っても、
    淡は咲にのみ視線を送り続けていた。


    ――――

    515 = 512 :

    ぽんっと肩を叩かれ、淡は振り返った。

    「なに」

    誠子「いや。ぼーっとしてるから起きてるのかなーって思って」

    「立ったまま寝れるわけないでしょ」

    尭深「淡ちゃん、具合でも悪いの?昨日の試合観戦の時から一言も喋らなかったし」

    「別に。ちょっと考え事してただけだよ」

    「じゃあ大会も終わったことだし、皆でご飯でも食べにいくか」

    誠子「賛成です。淡も来るよな」

    「…わかった」

    了承すると、皆で会場付近のファミレスへと足を運んだ。

    何も食べたくなかったがそういう訳にもいかず、
    適当にミックスサンドとコーヒーを頼んでおいた。

    食事の間、自然と話題は昨日の決勝の話になる。

    516 = 512 :

    誠子「いやー、やっぱり宮永先輩は凄いですね。前回に続いて個人戦優勝なんて」

    「照の実力を考えると当然だ。今日はプロの何人かに誘われて食事するそうだぞ」

    誠子「へえー。プロチームへの勧誘とかですかね?」

    尭深「でも、3位とはいえ先輩の妹さんも凄かったですね」

    「2位の辻垣内に僅かに及ばなかったが、やはり照の妹だけあってかなりの実力者だな」

    誠子「うん、さすがは淡の想い人なだけありますね!!」

    最後の誠子の言葉に、
    淡は盛大に突っ伏した。

    「誠子…、どさくさにまぎれて何を…」

    尭深「ええーっ、淡ちゃんの好きな人って咲ちゃんのことだったの!?」

    ああ、騒ぎが大きくなると頭がくらくらしてきた。

    尭深「あーびっくりした…でも、咲ちゃん可愛いし分かるかも」

    尭深の声に、さっと反応してしまう。

    「タカミー、咲の事好きになっても無駄だからね!だいいち咲には好きな人がいるんだから!」

    尭深「へっ?」

    517 = 512 :

    誠子以外は皆、ぽかんとしている。
    ムキになる淡に相当驚いているようだ。

    誠子「お前、相当マジなんだなあ。咲ちゃんに」

    誠子が感心したように言って。

    「淡が?ありえんだろ」

    菫が笑い飛ばして。

    尭深「そっかー、淡ちゃんの好きな人は咲ちゃんかぁ」

    尭深がにこにこ笑って。

    騒ぎ出すチームメイト達に、引き攣った笑いしか出て来ない。
    どうやら墓穴を掘ったみたいだ。

    尭深「ねえねえ淡ちゃん、いつから咲ちゃんのこと好きになったの?」

    誠子「それはな、尭深…」

    「うるさい誠子!」

    だん、と軽くテーブルを叩くとにやにやした顔の誠子と目が合う。

    518 = 512 :

    「この私が、あんなねんねを好きになるわけないでしょ!」

    誠子「あーはいはい」

    今更否定なんてしても無駄だってわかってはいるが、
    皆の前でこれ以上からかわれるのは勘弁だった。

    「おい、淡」

    菫が淡の背後を指差す。
    微妙に顔が引き攣っている。

    「なに、菫」

    後ろに何かあるのか、と聞く前に声が掛けられる。

    「…ねんねで悪かったね」

    間違えるはずの無い声に、淡は思わず席を立つ。

    「咲…!?なんでここに!?」

    もっと先の未来で会うはずだったのに、
    まだ準備が出来てない状態で会ってしまった。

    (なんで!?いったいどういうこと!?)

    焦って、落ち着きが無さそうに手足を動かす。
    ハッキリ言って挙動不審だ。

    それを咲は興味深そうに眺めていた。
    そして、ぽつりと告げた。


    「淡ちゃんに会いに来たんだけど」

    519 = 512 :

    書き溜め分終了。次か次の次くらいで終わる予定です。
    よろしければ最後までお付き合いくださると嬉しいです。

    520 :

    待ってたー!おれは待ってたぞ!
    乙乙!!

    あんたの最高だよ
    終わらないでくれ…泣

    521 :

    同じく待ってた!
    終わってしまうのは寂しいが最後まで応援してる

    524 :

    おつ
    続きがすごい気になる…

    525 :

    くっそ無粋なことを言えば続きは、なんだかんだ咲が淡の本当の気持ちに気づいて告白して淡も素直になりめでたしめでたしだろ?そう分かっていても続きが読みたくなる、それが>>1の凄いところなんだが

    だからはよ

    526 :

    待ってたよ~!!
    次も期待!

    529 :

    咲とかいう照のおまけキャラのために振り回される淡ちゃん可哀相……

    530 :

    前作に続いて面白い話書けるのは凄いな
    この人が咲好きで良かった

    531 :

    この熱意を別なキャラに向けてくれたらな
    何も咲じゃなくても和や玄や可愛いキャラはいっぱいいるじゃん

    532 :

    >>531
    和淡のss面白かったよな、いつも咲豚に和がキチガイレズにされるからモブざまぁ!って思ったわ

    533 :

    通報してきた

    534 :

    >>532
    スレタイ教えて?気になるから

    535 :

    あわいピンクの~じゃね?
    あれはよかった

    536 :

    スレタイで来たけど淡が予想以上のクズで>>132まで読んでそっ閉じ

    537 :

    前って盲目じゃないっけ

    538 :

    盲目の続きというか怜や竜華パターンも読みたかったな、特に竜華はセーラと同じくらい咲と距離を縮めてたから胸が痛かったよ

    539 :

    そういう話になると前作の竜華たちもだけど今作の智葉や臨海のメンバーが残念でならない
    智葉たちは恋愛的に咲を好いているか分からないから盲目よりはいいけど
    まあそういうもどかしいところも含めて楽しませてもらってるから最後まで期待してますよーぅ

    540 :

    前作のタイトル教えてくれない?

    542 :

    咲とこんな所で再会するなんて、予想してなかった。
    まだ心の準備も出来ていないというのに。

    パニックになる淡。
    それを横目で見ながら、咲は誠子に頭を軽く下げる。

    「亦野さん。どうもありがとうございます」

    誠子「いやいや。咲ちゃんの頼みは断れないからな。何でも言ってくれ」

    「はあ」

    二人の会話を聞いて淡は正気へと返った。

    「ちょっとどういうこと!?まさか咲をここに呼んだのは…」

    問い質すと、誠子は「そうだ」とあっさり認めた。

    誠子「咲ちゃんに言われてな。お前を引き止めてて欲しいって」

    「なんで、そんな」

    「私が無理言って頼んだから。亦野さんの所為じゃないよ」

    二人の会話に咲が割って入って来る。

    「こうでもしなきゃ、淡ちゃんと連絡取れないし」

    「……」

    543 = 542 :

    携帯を解約して連絡取れなくしたことを詰っているような咲の口調。
    口をつぐむ淡に、咲は「ここ、出よう」と外を指で差した。

    「ちょっとだけ付き合ってよ」

    「私は…」

    「お願い」

    他のメンバーにじろじろと見られ、咲は居心地悪そうに顔を伏せる。
    誠子は「早くしろ」と言うように淡の肩を叩いた。

    「…わかったよ」

    諦めて席を立つ。
    ほっとした表情を浮かべ、咲は先に外へと出て行く。

    誠子「しっかりな、淡。応援してるぞ」

    誠子の陽気な声に顔を顰めるが文句を言い返す余裕は無かった。
    歩き出す咲の後ろを、淡は追い掛けて行った。


    ――――

    544 = 542 :

    二人が外に出たのを確認して、
    それまで黙っていた皆が騒ぎ始める。

    「おい亦野。一体どうなってるんだ?何か知ってるんだろ」

    興味津々といった顔で菫が質問する。
    事情を知ってそうな誠子に聞くのは当然の流れだ。

    誠子「さて、何のことでしょう」

    しかし誠子はとぼけて笑うだけだった。

    「勿体ぶるなよ」

    尭深「誠子ちゃんだけ知ってるなんてずるいな」

    不満げな2人に誠子は苦笑する。

    誠子「やっと淡の恋が実るってことなら、良いんですけど…」

    ぼそりと呟いた言葉に、2人は顔を見合わせる。

    「だから、ちゃんと説明しろよ。おい亦野!」

    尭深「そうだよ誠子ちゃん!」

    騒がしくなるテーブルに、店にいる人々の視線が集まる。
    店員に注意されるまで、騒ぎは続いていた。

    ――――

    545 = 542 :

    一方、淡と咲は。

    「ねぇ。どこ行くのよ」

    外を出た後、しばらく無言で歩き続けていた。

    大股で歩く咲のやや後ろをついていたが、
    どこへ向かうのか気になり淡はとうとう咲に声を掛けてみた。

    「さあ」

    前を向いたまま、咲が答える。

    「さあって、目的地に向かって歩いてるんじゃないの?」

    はっきりとした足取りなので、
    てっきり向かう場所があるとばかり思っていた。

    「無いよ。ただ、人のいないところ無いかなって探しているんだけど」

    「……」

    咲の返事に、淡は言葉が出なくなってしまう。

    (人のいない所だって…!?咲には警戒心ってもんが無いのー!?)

    ついこの間、嫌な目にあったばかりだというのに忘れてしまったのだろうか。
    無防備にも程があると見当違いな心配をしてしまう。

    無害な相手だから大丈夫だと咲は思っているのかもしれないが。

    (腹の中では何考えてるかわからないんだって。わかってんの!?)

    少し前を歩く咲の後ろ姿を見て淡は大きく息を吐いた。
    思っていた所で、手なんか出せる訳無い。

    わかってる。咲が傷付くようなことを自分がしないって。
    好きだから、そんなこと出来ない。

    546 = 542 :

    しばらく歩き続けた所で、
    覚えのある場所が見えてきた。

    「なんだ、結局ここに戻って来ただけか」

    淡の呟きに咲は「しょうがないでしょ」と肩を竦める。

    「他に誰もいなさそうな所って、思い付かなかったから」

    昨日まで決勝戦が行われていた会場。
    結局、ここに戻って来てしまった。

    「そういや、いいの?咲」

    「何が?」

    適当な樹の下で立ち止まり、咲はくるっと淡を振り返る。
    気まずさから淡はやや視線を外し、疑問を口に出す。

    「あんた個人戦3位だったんだし、打ち上げとかあったんじゃないの?」

    「ああ、そのこと」

    別に、と咲は肩を竦める。

    「用事があるからって、パスさせてもらったよ。今頃皆で騒いでいるんじゃないかな?」

    「主役の咲がパスって、あんたねぇ…」

    547 = 542 :

    「ううん。本当は、明華先輩に行ってこいって背中押されたからね」

    「あいつに?なんで?」

    「そのことは後で話すとして。まだお礼言ってなかったから。先輩と話させてくれたこと」

    (ほら、来た)

    やっぱりその件か、と唾を飲み込む。
    律儀に礼を言わなくてもいいのに。

    智葉と恋人になった報告なんか、本当は聞きたくない。
    震えそうになる手を必死で押さえ込む。

    「大したことじゃないよ。あの位」

    変に思われないよう、わざと上から言う態度を取る。
    そんな自分が滑稽だと冷静に思った。

    「でも、淡ちゃんのおかげで辻垣内先輩と色々話が出来て良かったよ」

    淡の気持ちに気付かず、咲は笑みを浮かべる。

    「……そう」

    「うん。これから自分の抜ける臨海を引っ張っていってくれって、先輩に言われて嬉しかった」

    「その所為かな、個人戦もいつもよりも気合い入った感じがしたし」

    でも結局先輩には勝てなかったんだけどね、と咲は苦笑する。

    一つ一つの言葉に、淡は確実にダメージを受けていった。
    もういっそ早く楽にして欲しい。生殺しは辛い。

    そう思って自分の方から話を振ってみる。

    548 = 542 :

    「その分だと、良い返事貰えたようだね。良かったじゃない」

    「え?」

    「咲なら大丈夫だって言ったでしょ。最初からぶつかっておけばいいのに遠回りしちゃって」

    もしも、咲が智葉にさっさと告白して付き合っていたら。
    咲のことを好きにならなかったのかと考える。

    いや。それでも好きになっていただろう。
    惹かれる気持ちはきっと変わらなかったはずだ。

    「ごちゃごちゃと回りくどい作戦よりも、一言好きって言えば済んだってことだね」

    「……今まで悪かったね。色々振り回して」

    「え……?」

    大きく目を見開く咲の額を軽く指で弾く。

    「これからは辻垣内と仲良くね。私の出番は、もう無いでしょ」

    今度こそ、さようならだ。
    そのまま去って行こうと、背を向けようとした。

    「ちょっと待ってよ!」

    咲が淡の制服をぎゅっと引っ張る。

    549 = 542 :

    「咲?」

    「何勝手な誤解してるの?一人で勝手に話進めて…」

    どういうことだと淡は振り返る。
    気まずそうな顔して、咲が俯いたのが目に入る。

    「誤解って何よ」

    智葉と上手くいったんじゃないのかと眉を顰める。
    そんな咲の口から衝撃的な言葉 が飛び出す。

    「そもそも私、先輩に好きなんて言ってないし」

    「……はあ!?」

    ぽかんと口を開けて固まること、数秒。

    「どういうこと…?」

    低い声を出す淡に、咲はごにょごにょと言い訳めいたことを呟く。

    「だって、いきなり好きとか言えって言われても…」

    「あんたね…!」

    まだそんなこと言うのかと、淡は苛立ち地面を強く蹴った。
    送り出そうとした人の気も知らないで。

    「馬鹿じゃないの!そんな風に躊躇してても手に入らないんだよ。この次あんな絶好なタイミングをいつ見付けるの!?」

    「これって思った時に行動しなけりゃ、いつまでも触れ合うこと出来ないままだよ!」

    声を荒げる淡を、咲はじっと見ていた。
    そして呟く。

    550 = 542 :

    「でも、やっぱり言えないよ」

    「なんで!もう一度やってみなよ。咲ならきっと」

    「…だって」

    軽く息を吐いて。

    「先輩のこと、そういう意味で好きじゃないってわかったから」

    今までの中で一番の衝撃だった。

    絶句してぱくぱくと口を動かす淡に、
    淡々とした口調で咲は語った。

    「先輩と向き合って、はっきりわかったよ。あの人が麻雀してるのを見てるのは好き」

    「ずっとあの麻雀と互角に戦える自分でいようって力が湧いてくるから。でも、多分それだけ」

    「二人でどこかで会って、馴れ合うとかぴんと来ない。これは恋愛感情とは違うんじゃないかって」

    「だから、言わなかったの。…色々手伝ってくれたのに悪かったね。こんな結末で」

    ぽん、と咲の手が淡の肩に触れた。
    それでようやく淡は我に返った。


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - + - 大星淡 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について